特許第6223501号(P6223501)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223501
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】飲料容器のための収容装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 36/24 20060101AFI20171023BHJP
   B65D 81/18 20060101ALI20171023BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20171023BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   A47J36/24
   B65D81/18 E
   B65D25/20 L
   B65D25/20 M
   A47J27/00 106
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-93429(P2016-93429)
(22)【出願日】2016年5月6日
(65)【公開番号】特開2016-209586(P2016-209586A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2016年5月6日
(31)【優先権主張番号】10 2015 005 681.6
(32)【優先日】2015年5月6日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514185921
【氏名又は名称】ジェンサーム ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス グラオ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヨハンセン
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン ヴァツケ
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−071138(JP,A)
【文献】 特開2003−304977(JP,A)
【文献】 特開平01−139011(JP,A)
【文献】 特開平02−193619(JP,A)
【文献】 特開2004−195054(JP,A)
【文献】 特開2001−221550(JP,A)
【文献】 米国特許第05990456(US,A)
【文献】 登録実用新案第3088417(JP,U)
【文献】 特開平05−220784(JP,A)
【文献】 特開2001−201233(JP,A)
【文献】 特開2005−058363(JP,A)
【文献】 米国特許第06141969(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 36/24
A47J 27/00
B65D 25/20
B65D 81/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)飲料容器(12)を収容することができ、かつ少なくとも1つの第1の材料からなる、上方へ向かって開放して形成された支持構造(14)と、
(b)前記支持構造(14)を介して収容される前記飲料容器(12)へ熱または冷熱を伝えることができるように該飲料容器(12)と接触する接触面(30)を有する、少なくとも1つの熱伝導部材(16)と、
(c)または冷熱を発生させるための1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニット(19)と、
を有する飲料容器(12)のための収容装置(10)であって、
(イ)前記1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニット(19)が前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)と熱を案内するように接触しており、かつ前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)が少なくとも1つの第2の材料から形成されており、前記第2の材料が前記少なくとも1つの第1の材料に比較して高い熱伝導率を有し、
(ロ)前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)の所定の領域が、前記支持構造(14)の壁を通って延び、
(ハ)前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)の前記所定の領域の平面的な横断面が、該少なくとも1つの熱伝導部材(16)の他の領域に比較して拡大して形成され、かつ、
(ニ)前記熱伝導部材(16)の前記接触面(30)が、前記飲料容器(12)の底面に接触する底面部分と、前記底面部分に接続されているとともに前記飲料容器(12)の側面に接触する側面部分と、で構成されている
ことを特徴とする、飲料容器(12)のための収容装置。
【請求項2】
前記1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニット(19)が、少なくとも1つの熱伝達部材(22)によって覆われ、前記少なくとも1つの熱伝達装置(22)が1つまたは複数の固定手段(24)と特にねじ結合を介して前記支持構造(14)に固定されている、請求項に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【請求項3】
前記1つまたは複数の固定手段(24)が前記支持構造(14)内にのみ係止されており、前記熱伝導部材(16)には達していない、請求項に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【請求項4】
前記1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニット(19)が、前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)上に取り付けられている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)と前記支持構造(14)の間に絶縁する中間層(28)が配置されている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【請求項6】
前記絶縁する中間層(28)が前記支持構造(14)によって完全に収容されており、あるいは前記支持構造(14)と同一平面で終了している、請求項に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【請求項7】
前記支持構造(14)が、それぞれ飲料容器(12)を収容するための少なくとも2つの位置(P1、P2)を形成している、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【請求項8】
前記少なくとも2つの位置(P1、P2)の間に分離壁(36)が配置されており、前記分離壁が少なくとも部分的に前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)および/または前記支持構造(14)によって形成される、請求項に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【請求項9】
前記少なくとも2つの位置(P1、P2)の各々に専用の熱電気的な温度調節ユニット(19)が対応づけられている、請求項7または8に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)および/または前記支持構造(14)が少なくとも部分的に化粧面(26)によって覆われる、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)および/または前記支持構造(14)がアルミニウムおよび/またはプラスチックによって形成されている、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【請求項12】
前記支持構造(14)を介して収容された飲料容器(12)により前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)を弾性変形させながら前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)を介して該飲料容器(12)を締め付け保持できるように、前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)が可逆的な弾性的変形可能性を有している、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【請求項13】
前記支持構造(14)と前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)が、2成分射出成形方法によって形成されている、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【請求項14】
前記支持構造(14)には、該支持構造(14)内に収容された前記飲料容器(12)を締め付け固定するための保持部材(18)が、前記熱伝導部材(16)の前記接触面(30)の側面部分と対向するように設けられ、かつ、
前記保持部材(18)によって締め付け固定された前記飲料容器(12)と添接された前記熱伝導部材(16)の前記接触面(30)が増大するように、前記熱伝導部材(16)が前記支持構造(14)に比較して大きい弾性的可撓性を有している
ことを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器のための収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料容器または他の温度調節すべき対象を所望の温度で保管するために、多くの車輌には飲料容器のための温度調節可能な収容装置が設けられている。かかる収容装置は、飲料容器を加熱およびまたは冷却することができる。
【0003】
収容装置のサイド領域または底領域に位置決めすることができる熱電気的な温度調節ユニット(TEDユニット)を介して熱が加えられ、あるいは熱が取り出される、飲料容器用の収容装置がすでに知られている。そのために収容装置は全体として、熱伝導率の高い、大体において高価な材料、たとえばアルミニウムまたは熱伝導性の良いプラスチックから形成されている。これにより、およびまたは冷熱は、伝導、対流あるいは放射を介して伝達することができる。そして、飲料容器の所望の温度調節を準備するためには、温度調節可能な均質な面で収容装置を大面積で完全に包囲することが必要である。収容装置の温度調節可能な面は、飲料を安定させるために、保持部材のみによって中断される。もちろんこのやり方には欠点があって、大きい熱的な質量を加熱もしくは冷却しなければならない。これがシステム全体の反応時間を延長させる。さらに、それぞれの飲料容器を加熱もしくは冷却するために、大きいエネルギ消費が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この理由から、本発明の課題は、それぞれの飲料容器を加熱もしくは冷却する場合により少ない慣性しか持たない、飲料容器のための収容装置を提供することに見ることができる。さらに、収容装置を用いてエネルギ消費を少なくして飲料容器を加熱もしくは冷却できるようにしなければならない。収容装置は、さらに、簡単かつコスト的に好ましく形成できなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上の課題は、特許請求項1の特徴を有する収容装置によって解決される。好ましい実施形態が、下位請求項によって記述される。
【0006】
すなわち本発明は、上述した課題を解決するために、飲料容器用の収容装置を提案し、その収容装置は、それぞれの飲料容器を収容することができ、かつ少なくとも1つの第1の材料からなる、上方へ向かって開放して形成された支持構造を有している。支持構造は、その付与形状に関して、それぞれの飲料容器が実質的に不動かつ支持構造によって好ましくは形状結合を介し、かつ/または締め付け保持されるように形成することができる。特に好ましい実施形態においては、支持構造はプラスチックによって形成することができる。
【0007】
さらに、少なくとも1つの熱伝導部材もしくは少なくとも1つの機能層が設けられており、これにより、およびまたは冷熱を支持構造内に収容されている飲料容器へ伝えることができる。少なくとも1つの熱伝導部材は接触面を有することができ、支持構造内に収容されている飲料容器がその接触面と表面接触する。したがって少なくとも1つの熱伝導部材は、支持構造によって形成される飲料容器のための収容空間内に少なくとも領域的に位置決めすることができ、もしくはその中へ突出することができる。
【0008】
さらに、収容装置は、熱およびまたは冷熱を発生させるための1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニットを有している。1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニットは、少なくとも1つの熱伝導部材と熱を伝えるように接触し、また、少なくとも1つの熱伝導部材は、少なくとも1つの第1の材料に比較して高い熱伝導率を有する少なくとも1つの第2の材料から形成されている。たとえば、1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニットが少なくとも1つの熱伝導部材上に取り付けられることが考えられる。特に好ましい実施形態において、1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニットは、少なくとも1つのペルティエ素子を有することができる。
【0009】
考えられる実施形態において、少なくとも1つの熱伝導部材と支持構造はプラスチックにより形成することができ、かつ特に2成分射出成形方法によって製造することができる。支持構造を構築する少なくとも1つの第1の材料は、支えることのできる外側構造を形成し、かつ収容装置に所定の安定性を与えるために、コスト的に好ましい、安定性を与えるプラスチック材料とすることができる。しかし、たとえば金属、特にアルミニウムのような、他の材料の使用も可能である。
【0010】
支持構造の飲料容器を向いた表面は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの熱伝導部材を形成する、熱伝導率の高い材料によって覆うことができる。この構造が、加熱すべき熱的な質量を減少させ、これに伴って温度調節プロセスの反応時間の短縮をもたらす。代替的に、収容装置の選択された領域のみに1つまたは複数の熱伝導部材を設けることを、考えることもできる。収容装置は多くの場合において、飲料容器を安定させるために、保持部材を設けることができるので、場合によってはこの領域内では少なくとも1つの熱伝導部材を介してそれぞれの飲料容器へ直接的な熱伝達を行わないことが可能である。場合によっては接触面への主要な熱伝達が行われるので、収容装置の飲料容器と接触する面のみに熱伝導性の材料を取り付けることが考えられる。これにより、加熱すべき熱的な質量がさらに減少されて、温度調節プロセスの反応時間が短縮される。
【0011】
収容装置の対向する側に保持部材が取り付けられている場合に、場合によっては収容装置の底面のみに熱伝達のための熱的な接触面を設けることができる。理想的には、この領域内に熱伝導部材が位置決めされている。保持部材が次のように、すなわち収容装置の底面と内側の側面とに熱を伝達するための接触面が形成されるように、配置されている場合に、収容装置の底面の領域内と内側の側面の領域内に熱伝導率の高い材料を取り付けることができる。このやり方は、より小さい面を介してより高い熱流が案内されるので、点状により高い熱投入をもたらす。さらに、周囲空気を介しての熱損失が減少する。さらに、熱伝導率の高い材料の使用を減少させることによって、製造コストを削減することができる。
【0012】
およびまたは冷熱を発生させるための1つまたは複数の温度調節ユニットは、1つまたは複数のペルティエ素子を有することができる。さらに、熱電気的な温度調節ユニットは、支持構造の下方またはその側壁に位置決めすることができる。これにより、熱電気的な温度調節ユニットは外側から熱伝導部材上へ取り付けることができ、場合によっては熱伝導部材と接着され、固定装置によって固定し、かつ/または同様なやり方で固定することができるので、少なくとも1つの熱伝導部材と熱を案内するように接触する。
【0013】
さらに、少なくとも1つの熱伝導部材の所定の領域が支持構造の壁を通って外側へ延びることができる。
【0014】
この領域内で支持構造は、切り通しを形成することができる。これにより、少なくとも1つの熱伝導部材の所定の領域の平面的な横断面を他の領域に比較して大きく形成することもできる。1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニットは、少なくとも1つの熱伝導部材の所定の領域上へ外側から取り付けることができる。
【0015】
さらに、1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニットが少なくとも1つの熱伝達装置によって覆われ、その少なくとも1つの熱伝達装置が1つまたは複数の固定手段と特にねじ結合を介して支持構造に固定されることが、考えられる。これにより、1つまたは複数の固定手段が支持構造内のみに係止され、熱伝導部材には達しない実施形態が、効果的であることが明らかにされている。
【0016】
収容装置の少なくとも1つの熱伝導部材を支持構造に対して絶縁するために、収容装置の構造を第3の、もしくは他のコンポーネントによって補足することができる。これにより、少なくとも1つの熱伝導部材と支持構造との間に絶縁する中間層を配置することができる。少なくとも1つの熱伝導部材、支持構造および絶縁する中間層は、たとえば3成分射出成形方法によって製造することができる。絶縁する中間層は、熱伝導部材の支持構造を向いた側を少なくとも部分的に、かつ好ましくは完全に覆うことができる。さらに、絶縁する中間層が支持構造によって完全に収容され、あるいは支持構造と同一平面で終了することが、考えられる。
【0017】
さらに、絶縁する中間層が少なくとも1つの熱伝導部材と支持構造との間に気泡として挿入され、これによって熱的な絶縁を構築できることが、考えられる。このやり方において、支持構造の内部で少なくとも1つの熱伝導部材と支持構造との間に絶縁する中間層が生じるように、気泡が支持構造の材料層内へ噴射される。さらに、少なくとも1つの熱伝導部材を周囲に対して熱的に遮蔽するために、支持構造の材料を絶縁可能に形成することが、考えられる。支持構造の材料の構造は、支持構造の絶縁特性を得るために、ガス充填によって強化することができる。ガス充填は、たとえばガス注入または発泡剤注入とすることができる。
【0018】
形状結合を介して熱およびまたは冷熱の伝達を改良するために、少なくとも1つの熱伝導部材のために、ゲルまたはゴムのような、熱伝導率の高い弾性的に撓む材料を利用することができる。これにより、少なくとも1つの熱伝導部材が可逆的に弾性的な変形性を有することができるので、支持構造を介して収容された飲料容器は少なくとも1つの熱伝導部材を介して弾性変形させながら締め付け保持することができる。飲料容器は、弾性的に撓む材料に打ち付けられて、したがって熱投入のための接触面を増大させることができる。ここで飲料容器を安定させるために、場合によっては保持部材を省くことができる。というのは、飲料容器の位置が場合によって弾性的に撓んだ材料によって保持されるからである。
【0019】
熱伝導率の高い材料を所望に局所的に位置決めする場合に、材料を支持構造内へ固定的に一体化することが考えられる。これは、たとえば少なくとも1つの熱伝導部材の回りに支持構造の材料を射出形成することによって行うことができる。保持構造を介して少なくとも1つの、回りを射出によって包囲される熱伝導部材を支持構造内に係止することができる。少なくとも1つの熱伝導部材が、完全に射出によって包囲されている1つまたは複数の突出部を有している場合に、熱伝導部材が支持構造によって完全に保持されることを、保証することができる。また、熱電気的な温度調節ユニットの回りに熱伝導率の高い材料、もしくは少なくとも1つの熱伝導部材を射出形成することも、可能である。これにより、少なくとも1つの熱伝導部材の肉厚が局所的に減少され、かつ熱およびまたは冷熱伝達が改良される。
【0020】
少なくとも1つの熱伝導部材と熱電気的な温度調節ユニットが互いに対してわずかな間隔で位置決めされている場合には、2つの部材を安定化させる材料もしくは支持構造内へ組み込むことも考えられる。少なくとも1つの熱伝導部材は、ここで段部または高くなった面を形成することもできる。この配置は、熱電気的な温度調節ユニットと少なくとも1つの熱伝導部材との間の接触もしくは熱的な熱伝達の改良を許すものである。
【0021】
さらに、収容装置もしくは支持構造は、それぞれ飲料容器を収容するための少なくとも2つの位置を形成することができる。少なくとも2つの位置の間に分離壁を配置することができ、その分離壁は少なくとも部分的に少なくとも1つの熱伝導部材およびまたは支持構造によって形成される。2つの飲料容器を温度調節するために、少なくとも2つの位置の各々に、専用の熱電気的な温度調節ユニットおよびまたは専用の熱伝導部材を対応づけることができる。これにより、場合によっては異なる量の熱およびまたは冷熱を少なくとも2つの位置の飲料容器へ伝えることができる。分離壁によって、第1の位置と第2の位置を形成することができ、第1の位置は第1の最大の横断面直径を有する第1の飲料容器を形状結合で収容するように形成されており、第2の位置は第2の最大の横断面直径を有する第2の飲料容器を形状結合で収容するように形成されており、これにより、第2の最大の横断面直径は第1の最大の横断面直径に比較して拡大され、あるいは縮小されている。したがって1つの収容装置によって異なる幾何学配置もしくは大きさを有する複数の飲料容器を収容することができる。
【0022】
飲料容器をたとえば車輌の中央コンソール内に固定できるようにするために、支持構造の下側に、場合によっては1つまたは複数の固定手段を有する固定部を形成することができる。1つまたは複数の固定手段は、場合によっては1つまたは複数のねじ結合を有することができる。1つまたは複数のねじ結合は、支持構造のみへ嵌入でき、また、少なくとも1つの熱伝導部材とは係合できない。これにより、収容装置の外部に望ましくない熱ブリッジが生じることが防止される。熱的および機械的な保護として、かつ/または熱的な温度調節装置を固定するために、上ですでに述べたように、少なくとも1つの熱伝達装置を設けることができ、その熱伝達装置が固定手段によって固定される。
【0023】
さらに、少なくとも1つの熱伝導部材およびまたは支持構造を少なくとも部分的に化粧面によって覆うことができる。これにより、収容装置の視覚的な印象を技術的手段によって改良することができる。
【0024】
以下、本発明の実施例およびその利点を添付の図面を用いて詳細に説明する。図における個々の部材の互いに対する大きさの比は、実際の大きさの比に相当するものではない。というのは、幾つかの形状は簡略化されており、他の形状は理解しやすくするために他の部材に対して拡大して示されているからである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係る収容装置の実施形態を図式的に示す断面図である。
図2】本発明に係る収容装置の他の実施形態を図式的に示す断面図である。
図3】本発明に係る収容装置の他の実施形態を図式的に示す断面図である。
図4】本発明に係る収容装置の他の実施形態を図式的に示す断面図である。
図5図4の実施形態のDの部分を詳細に示す断面図である。
図6】本発明に係る収容装置の他の実施形態を図式的に示す断面図である。
図7】本発明に係る収容装置の他の実施形態を示す断面図である。
図8】本発明に係る収容装置の他の実施形態を図式的に示す断面図である。
図9】本発明に係る収容装置の他の実施形態を図式的に示す断面図である。
図10】本発明に係る収容装置の他の実施形態を図式的に示す断面図である。
図11図10の部分Eを詳細に示す断面図である。
図12】本発明に係る収容装置の様々な実施形態のために設けることができるような、熱電気的温度調節ユニットと熱伝導部材との間の可能な結合を示している。
図13】本発明に係る収容装置の様々な実施形態のために設けることができるような、熱電気的温度調節ユニットと熱伝導部材との間の他の可能な結合を示している。
図14】本発明に係る収容装置の様々な実施形態において形成することができるような、熱伝導部材と支持構造とを示している。
図15】本発明に係る収容装置の様々な実施形態において形成することができるような、熱伝導部材と支持構造とを示している。
図16】本発明に係る収容装置の様々な実施形態において形成することができるような、熱伝導部材と支持構造とを示している。
図17】本発明に係る収容装置の様々な実施形態において形成することができるような、熱伝導部材と支持構造とを示している。
図18】本発明に係る収容装置の様々な実施形態において設けることができるような、熱伝導部材と2つの熱電気的な温度調節ユニットとを示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の同じまたは同じく作用する部材には、同一の参照符号が使用される。さらに、わかりやすくするために、個々の図においては、それぞれの図の説明に必要な参照符号のみが示されている。図示の実施形態は、本発明に係る装置をどのように設けることができるかを示す単なる例であって、排除して限定するものではない。
【0027】
図1は、飲料容器12(図6を参照)のための本発明に係る収容装置10の実施形態を図式的に示す断面図、もしくは縦断面図である。収容装置10は、上へ向かって開放して形成された支持構造14を有しており、その支持構造はそれぞれの飲料容器12を収容することができ、かつプラスチックから形成されている。さらに、熱伝導部材16が認識され、その熱伝導部材は支持構造14を介して収容された飲料容器12へ熱およびまたは冷熱を伝えることができる。
【0028】
およびまたは冷熱を発生させるために、ここではペルティエ素子20として形成された、熱電気的な温度調節ユニット19が設けられている。ペルティエ素子20は、飲料容器12を加熱するためにも、冷却するためにも利用することができる。図1の実施例において、熱伝導部材16は部分的に、支持構造14によって形成される飲料容器12用の収容空間の内部に配置されている。支持構造14は、収容装置10の外側に位置するジャケット面を形成している。図1に示す断面表示からは、支持構造14の底側に、熱伝導部材16を埋め込むための切り通しが形成されていることが、わかりやすく認識される。熱伝導部材16の横断面は、切り通しの領域内で他の領域に対して拡大して形成されており、これにより、熱電気的な温度調節ユニット19を介して発生された熱もしくは冷熱の取り入れを飲料容器12の方向へ効果的に案内することができる。
【0029】
熱電気的な温度調節ユニット19もしくはペルティエ素子20は、熱伝導部材16と熱
を案内するように接触しており、これにより、にペルティエ素子20もしくは熱電気的な温度調節ユニット19から熱もしくは冷熱が熱伝導部材16へ伝えられる。さらに、熱伝導部材16は、支持構造14の材料に比較して高い熱伝導率を有する材料から形成されている。
【0030】
さらに、複数の保持部材18が設けられており、支持構造14を介して収容された飲料容器12は、これらの保持部材によって締め付け固定することができる。飲料容器12が収容装置10内へ、もしくは支持構造14によって形成される収容空間内へ挿入された場合に、保持部材18は引っ込むので、飲料容器12は側方の外ジャケット面を介して熱伝導部材16と添接して、温度調節することができる。他の実施形態については、保持部材18が少なくとも略固定的に形成されることも、考えられる。また、それぞれの飲料容器12がその胴体領域もしくはその底面を介して熱伝導部材16上に載置されるので、熱伝導部材16から直接熱もしくは冷熱が飲料容器12の底領域へ伝えられる。
【0031】
ペルティエ素子20とその周囲との間の熱交換を高めるために、熱伝達装置22が設けられている。熱伝達装置22は、たとえばねじ結合によって形成することができる固定手段24を介して支持構造14内に係止されている。さらに、収容装置10は、固定手段24を介して自動車の室内にあるコンポーネントに、好ましくは中央コンソールに、固定することができる。好ましくは、熱伝達装置22は、たとえば詳しく示されないリブ構造によって、熱を交換することのできる表面を増大させる。熱伝達装置22は、好ましくは波形構造を有する熱伝導薄板およびまたは熱伝達リブである。これが、冷却駆動においては排熱の搬出を、そして加熱駆動においては熱の供給を容易にする。
【0032】
ここでは、図1は、固定手段24もしくはねじ結合がそれぞれ熱伝導部材16内へ達しておらず、したがって支持構造14内にのみ係止されていることを、認識させる。これにより、熱伝導部材16から固定手段24へ意図されずに直接熱が伝達されることが阻止され、したがってそれぞれの飲料容器12を温度調節する場合に収容装置10の効率を高めることができる。
【0033】
熱伝導部材16は、支持構造14と同様にプラスチック材料からなるが、そのプラスチック材料は上ですでに説明したように、支持構造14のプラスチック材料に比較して高い熱伝導率を有している。支持構造14と熱伝達部材16は、マルチ成分射出成形方法によって一緒に形成することができる。ここにいうマルチ成分射出成形方法は、2、3またはそれより多い成分による方法と理解される。
【0034】
図2は、本発明に係る収容装置10の他の実施形態を図式的に示す断面図である。図2の収容装置10の実施例も、支持構造14、熱伝導部材16および熱電気的な温度調節ユニット19もしくはペルティエ素子20を有している。熱伝導部材16を形成する材料は、支持構造14を形成する材料に比較して高い熱伝導率を有している。
【0035】
図1に基づく収容装置10に加えて、図2の実施例に基づく収容装置10は、熱伝導部材16を覆う化粧面26を有している。さらに化粧面26は、熱伝導部材16と支持構造14のそれぞれの自由端部領域を覆っている。熱伝導部材16と支持構造14は異なる材料から、そしてここでは異なるプラスチックから形成されているので熱伝導部材16と支持構造14の非均質な視覚的印象を伴う。したがって化粧面26によって技術的手段を介して収容装置10の視覚的な印象が最適化される。好ましい実施形態において化粧面26は、支持構造14を介して形成されるそれぞれの飲料容器12用の収容空間を少なくとも部分的に、および好ましくは完全に通って延びている。
【0036】
図3は、本発明に係る収容装置10の他の実施形態を示す図式的な断面図である。図3の収容装置10の実施例も、支持構造14、熱伝導部材16および熱電気的な温度調節ユニット19もしくはペルティエ素子20を有している。熱伝導部材16を形成する材料は、支持構造14を形成する材料に比較して高い熱伝導率を有している。
【0037】
図3に示す実施例において、熱伝導部材16と支持構造14の間には絶縁する中間層28が配置されている。絶縁する中間層28は、たとえば発泡された材料として形成することができる。さらに、図3にも示されるように、絶縁する中間層28と支持構造14は互いに対して同一平面に位置決めすることができるので、熱伝導部材16は場合によっては絶縁する中間層28および支持構造14と面で添接することができる。
【0038】
図4は、本発明に係る収容装置10の他の実施形態を図式的に示す断面図である。図4の収容装置10の実施例も、支持構造14、熱伝導部材16および熱電気的な温度調節ユニット19もしくはペルティエ素子20を有している。熱伝導部材16を形成する材料は、支持構造14を形成する材料に比較して高い熱伝導率を有している。
【0039】
図3の実施例においてと同様に、絶縁する中間層28が設けられている。図5は、図4の実施形態の詳細部分Dを示している。図4と5を一緒に見ると、絶縁する中間層28の配置と機能が明らかになる。すなわち絶縁する中間層28は支持構造14内に埋め込まれ、もしくは支持構造14によって完全に収容されている。さらに、絶縁する中間層28は支持構造14を内側の領域38と外側の領域39に分割している。内側の領域38は、支持構造14によって場合によっては収容される飲料容器12の近傍に位置する。外側の領域39に対して内側の領域38は、より小さい横断面積を有している。中間層28は、ガスを充填された中空室または真空によって形成することもできる。
【0040】
絶縁する目的のために、支持構造14はガスを充填することによって強化することもでき、これにより絶縁作用がもたらされる。ここではもはや絶縁する中間層28を結合することは必ずしも必要ではないが、様々な実施形態においては設けることができる。
【0041】
図6は、本発明に係る収容装置10の他の実施形態を図式的な断面で示している。図6の収容装置10の実施例も、支持構造14、熱伝導部材16および熱電気的な温度調節ユニット19もしくはペルティエ素子20を有している。熱伝導部材16を形成する材料は、支持構造14を形成する材料に比較して高い熱伝導率を有している。
【0042】
熱伝導部材16は、上側もしくは飲料容器12の方向を向いた側に接触面30を形成しており、その上に飲料容器12が載置される。接触面30の面の寸法は、好ましくは飲料容器12の底側の支持面に実質的に相当する。従って飲料容器12は、好ましくは、接触面30を越えて側方へ張り出さない。さらに、接触面30は飲料容器12を越えて側方へ張り出さない。好ましくは熱伝導部材16は少なくとも飲料容器12の底と同じ大きさであり、好ましくは少なくとも収容装置10の底全体と同じ大きさであって、したがって飲料容器12は支持構造14に対して機械的または熱的な接触を持たず、あるいはほとんど持たない。これにより熱的な損失が減少する。
【0043】
図6の実施例において、保持部材18は飲料容器12を整合させるために用いられる。すなわち保持部材18を介して飲料容器12のための位置が、飲料容器12の底面が正確に接触面30上に載置されるように予め定められる。
【0044】
図7は、本発明に係る収容装置10の他の実施形態を断面で示している。熱伝導部材16が、飲料容器12のための水平に方向付けされた接触面30と飲料容器12のための垂直に方向づけされた接触面30を形成する。熱伝導部材16の接触面30は、飲料容器12の底面にも、飲料容器12の側方のジャケット面にも添接することができるように形成されている。
【0045】
さらに、熱もしくは冷熱の発生は、熱伝導部材16上に取り付けられた熱電気的な温度調節ユニット19もしくはペルティエ素子20を介して行われる。図7の実施形態において、熱電気的な温度調節ユニット19もしくはペルティエ素子20は、収容装置10もしくは熱伝導部材16の側方に配置されている。
【0046】
図8は、本発明に係る収容装置10の他の実施形態を図式的な断面で示している。図8の収容装置10の実施例も、支持構造14、熱伝導部材16および熱電気的な温度調節ユニット19もしくはペルティエ素子20を有している。熱伝導部材16を形成する材料は、支持構造14を形成する材料に比較して高い熱伝導率を有している。さらに熱伝導部材16は接触面30を介して飲料容器12の外ジャケット面に添接する。
【0047】
図8の実施例においては、熱伝導部材16は可逆的に弾性的変形可能であり、もしくは支持構造14に比較して大きい弾性的可撓性を有している。支持構造14によって飲料容器12を収容する場合に、飲料容器12が熱伝導部材16の接触面30と添接し、これにより熱伝導部材16が弾性的に変形する。このように、保持部材18が飲料容器12へ力を加えて熱伝導部材16に固定するので、飲料容器12が収容装置10内に保持される。熱伝導部材16が弾性的に変形できることにより、熱伝導部材16と飲料容器12の間の接触面30が増大する。これにより、熱交換することのできる面増大されて温度調節の効率められる
【0048】
図9は、本発明に係る収容装置10の他の実施形態を図式的な断面で示している。図9の実施例の熱伝導部材16も、飲料容器12を収容する場合に可逆的に弾性変形されるので、それぞれの飲料容器12が熱伝導部材16によって収容装置10に締め付け保持される。先行する実施形態に基づく保持部材18は、図9の実施例においては設けられていない。様々な種類の飲料容器12に最適に適合させるためには、熱伝導部材16およびまたは収容装置10の収容開口部が楕円形の開口形状を有していると、効果的であり得る。また、収容開口部が円形であり、熱伝導部材16の開口部が楕円形であり、あるいはその逆であるように設けることもできる。これにより、丸くない飲料容器12のためにも、最大可能な接触面と良好な機械的支持可能となる。というのは、熱伝導部材16の弾性的な変形によって、熱伝導部材16と飲料容器12の間に大きい接触面が生じるからである。好ましくは飲料容器12が同時に形状結合と摩擦結合によって挟持されるので、車輌の運動に基づいて不用意にずれないように固定されている。
【0049】
図10は、本発明に係る収容装置10の他の実施形態を図式的な断面で示している。熱伝導部材16が認識され、その熱伝導部材はここではアルミニウムによって形成されている。支持構造14は、プラスチックによって形成されている。アルミニウムによって形成された熱伝導部材16はプラスチックから形成された支持構造14を回りに射出形成されているので、熱伝導部材16は支持構造14によって形状結合で収容される。さらに、飲料容器12が熱伝導部材16と添接し、添接しながら保持部材18を介して締め付け固定される。熱もしくは冷熱が、熱電気的な温度調節ユニット19もしくはペルティエ素子20によって熱伝導部材16へ伝えられる。
【0050】
図11は、図10の部分Eの詳細を示している。アルミニウムから形成されている熱伝導部材16は、保持構造32もしくは互いに逆となる側に形成された2つの保持突片を有しており、これらの保持突片を介して熱伝導部材16が支持構造14によって形状結合で固定される。
【0051】
図12は、本発明に係る収容装置の様々な実施形態のために設けることができるような、熱電気的な温度調節ユニット19と熱伝導部材16の間の可能な結合を示している。ここでは熱伝導部材16はプラスチックから形成されており、熱電気的な温度調節ユニット19の回りに熱伝導部材16が射出形成されている。これにより、極めて簡単なやり方で、熱伝導部材16と熱電気的な温度調節ユニット19もしくはペルティエ素子20との間に熱的に導通する結合が形成され、その結合において熱電気的な温度調節ユニット19もしくはペルティエ素子20が熱伝導部材16と機械的に堅固に結合されている。
【0052】
図13は、本発明に係る収容装置10の様々な実施形態のために設けることができるような、熱電気的な温度調節ユニット19と熱伝導部材16の間の他の可能な結合を示している。熱伝導部材16は、アルミニウムによって形成されている。
【0053】
熱電気的な温度調節ユニット19も熱伝導部材16もその回りにプラスチックから形成される支持構造14が射出形成されており、したがって支持構造14に機械的に結合されている。実際においては、この種の実施形態において熱が熱電気的な温度調節ユニット19もしくはペルティエ素子20から熱伝導部材16へ効率的に伝えられることが、明らかにされている。
【0054】
図14は、本発明に係る収容装置10の様々な実施形態において形成することができるような、熱伝導部材16と支持構造14を示している。支持構造14は、それぞれ飲料容器12のために2つの収容位置P1とP2を形成する。第1の収容位置P1は、第1の最大の横断面直径を有する飲料容器12を収容するために設けられており、第2の収容位置P2は、第2の最大の横断面直径を有する飲料容器12を収容するために設けられている。この第2のものは好ましくは、第1の最大の横断面直径に比較して大きく形成されているが、同じ大きさを有することも、あるいはより小さい大きさを有することもできる。
【0055】
さらに、熱伝導部材16を介して熱もしくは冷熱が、収容位置P1もしくはP2内へ挿入された飲料容器12へ放出される。2つの収容位置P1とP2の間の熱エネルギの交換を減少させるために、ここでは熱ブレーキ34が設けられている。熱ブレーキ34は支持構造14によって形成されており、また、支持構造14は熱ブレーキ34を形成するために定められた大きさにわたって熱伝導部材16内へ延びている。
【0056】
図15は、本発明に係る収容装置10の様々な実施形態において形成することができるような、熱伝導部材16と支持構造14を示している。図15に示す実施形態は分離壁36を有しており、その分離壁が、図14に示す実施例においてそれぞれ飲料容器12を収容するために形成されている第1の収容位置P1と第2の収容位置P2を互いに機械的に分離している。分離壁36は、さらに、2つの収容位置P1とP2の間の熱エネルギの取り換えもしくは交換を減少させるために、熱ブレーキ34として形成されている。そのために支持構造14が定められた大きさだけ垂直方向上方かつ2つの収容位置P1とP2の間へ延びている。図15は、さらに、熱もしくは冷熱をそれぞれの飲料容器12へ伝える熱伝導部材16の横断面が、分離壁36の領域内で平面的に減少していることを、認識させる。
【0057】
図16は、本発明に係る収容装置10の様々な実施形態において形成することができるような、熱伝導部材16と支持構造14を示している。
【0058】
ここで図14と16を一緒に見るとわかるように、図14においては支持構造14は所定の大きさだけ熱伝導部材16内へ延びているだけにすぎず、また、図16の実施例においては支持構造14は熱伝導部材16の延びを完全に中断している。したがって図16の実施例においても支持構造14によって形成される熱ブレーキ34は、さらに、2つの収容位置P1とP2の間の熱伝達を減少させるために用いられる。
【0059】
図17は、本発明に係る収容装置10の様々な実施形態において形成することができるような、熱伝導部材16と支持構造14を示している。分離壁36が設けられており、その分離壁は収容位置P1を収容位置P2に対して機械的に区切っている。
【0060】
支持構造14もしくは支持構造14によって形成される熱ブレーキ34が、熱伝導部材16の延びを中断している。図15の実施例に比較して、図17の実施例においては、2つの収容位置P1とP2の間の熱伝達がさらに減少される。
【0061】
図18は、本発明に係る収容装置10の様々な実施形態において設けることができるような、熱伝導部材16と2つの熱電気的な温度調節ユニット19を示している。2つの熱電気的な温度調節ユニット19は、ペルティエ素子20として形成されている。各収容位置P1とP2には専用の熱電気的な温度調節ユニット19もしくは専用のペルティエ素子20が対応づけられているので、収容位置P1とP2にそのそれぞれの温度調節ユニット19もしくはそのそれぞれのペルティエ素子20を介してそれぞれ別々に熱もしくは冷熱を供給することができる。熱電気的な温度調節ユニット19は、2つの収容位置P1とP2を別々に温度調節するために、図に存在する特許出願には示されていない制御ユニットと接続することができる。
【0062】
本発明は、好ましい実施形態を参照して説明されている。しかし、当業者にとっては、後述する特許請求項の保護領域を逸脱することなしに、本発明の変形または変更を行うことができることは、想像できることである。
【0063】
本発明は、以下の特徴を有する。
[1]飲料容器(12)のための収容装置(10)であって、
−前記それぞれの飲料容器(12)を収容することができ、かつ少なくとも1つの第1の材料からなる、上方へ向かって開放して形成された支持構造(14)と、
−前記支持構造(14)を介して収容される飲料容器(12)へ熱およびまたは冷熱を伝えることができる、少なくとも1つの熱伝導部材(16)と、
−熱およびまたは冷熱を発生させるための1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニット(19)と、
を有し、
前記1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニット(19)が前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)と熱を案内するように接触しており、かつ前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)が少なくとも1つの第2の材料から形成されており、前記第2の材料が前記少なくとも1つの第1の材料に比較して高い熱伝導率を有している、
飲料容器のための収容装置。
[2]前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)の所定の領域が、前記支持構造(14)の壁を通って延びている、上記[1]に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
[3]前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)の前記所定の領域の平面的な横断面が、他の領域に比較して拡大して形成されている、上記[1]または[2]に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
[4]前記1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニット(19)が、少なくとも1つの熱伝達部材(22)によって覆われ、前記少なくとも1つの熱伝達装置(22)が1つまたは複数の固定手段(24)と特にねじ結合を介して前記支持構造(14)に固定されている、上記[2]または[3]に記載の収容装置。
[5]前記1つまたは複数の固定手段(24)が前記支持構造(14)内にのみ係止されており、前記熱伝導部材(16)には達していない、上記[4]に記載の収容装置。
[6]前記1つまたは複数の熱電気的な温度調節ユニット(19)が、前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)上に取り付けられている、上記[1]から[5]のいずれかに記載の飲料容器(12)のための収容装置。
[7]前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)と前記支持構造(14)の間に絶縁する中間層(28)が配置されている、上記[1]から[6]のいずれかに記載の飲料容器(12)のための収容装置。
[8]前記絶縁する中間層(28)が前記支持構造(14)によって完全に収容されており、あるいは前記支持構造(14)と同一平面で終了している、上記[7]に記載の収容装置。
[9]前記支持構造(14)が、それぞれ飲料容器(12)を収容するための少なくとも2つの位置(P1、P2)を形成している、上記[1]から[8]のいずれかに記載の飲料容器(12)のための収容装置。
[10]前記少なくとも2つの位置(P1、P2)の間に分離壁(36)が配置されており、前記分離壁が少なくとも部分的に前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)およびまたは前記支持構造(14)によって形成される、上記[9]に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
[11]前記少なくとも2つの位置(P1、P2)の各々に専用の熱電気的な温度調節ユニット(19)が対応づけられている、上記[9]または[10]に記載の収容装置。
[12]前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)およびまたは前記支持構造(14)が少なくとも部分的に化粧面(26)によって覆われる、上記[1]から[11]のいずれかに記載の飲料容器(12)のための収容装置。
[13]前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)およびまたは前記支持構造(14)がアルミニウムおよびまたはプラスチックによって形成されている、上記[1]から[12]のいずれかに記載の飲料容器(12)のための収容装置。
[14]前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)が可逆的な弾性的変形可能性を有しているので、前記支持構造(14)を介して収容された飲料容器(12)が、前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)を弾性変形させながら前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)を介して締め付け保持できる、請求項1から13のいずれか1項に記載の飲料容器(12)のための収容装置。
[15]前記支持構造(14)と前記少なくとも1つの熱伝導部材(16)が、2成分射出成形方法によって形成されている、上記[1]から[14]のいずれかに記載の飲料容器(12)のための収容装置。
【符号の説明】
【0064】
10 収容装置
12 飲料容器
14 支持構造
16 熱伝導部材
18 保持部材
19 熱電気的な温度調節ユニット
20 ペルティエ素子
22 熱伝達装置
24 固定手段
26 化粧面
28 絶縁する中間層
30 接触面
32 保持構造
34 熱ブレーキ
36 分離壁
38 内側の領域
39 外側の領域
P1 収容位置
P2 収容位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18