【課題を解決するための手段】
【0005】
上の課題は、特許請求項1の特徴を有する収容装置によって解決される。好ましい実施形態が、下位請求項によって記述される。
【0006】
すなわち本発明は、上述した課題を解決するために、飲料容器用の収容装置を提案し、その収容装置は、それぞれの飲料容器を収容することができ、かつ少なくとも1つの第1の材料からなる、上方へ向かって開放して形成された支持構造を有している。支持構造は、その付与形状に関して、それぞれの飲料容器が実質的に不動かつ支持構造によって好ましくは形状結合を介し、かつ/
または締め付け保持されるように形成することができる。特に好ましい実施形態においては、支持構造はプラスチックによって形成することができる。
【0007】
さらに、少なくとも1つの熱伝導部材もしくは少なくとも1つの機能層が設けられており、
これにより、熱
および/
または冷熱を支持構造内に収容されている飲料容器へ伝えることができる。少なくとも1つの熱伝導部材は接触面を有することができ、支持構造内に収容されている飲料容器がその接触面と表面接触する。したがって少なくとも1つの熱伝導部材は、支持構造によって形成される飲料容器のための収容空間内に少なくとも領域的に位置決めすることができ、もしくはその中へ突出することができる。
【0008】
さらに、収容装置は、熱
および/
または冷熱を発生させるための1つ
または複数の熱電気的な温度調節ユニットを有している。1つ
または複数の熱電気的な温度調節ユニットは、少なくとも1つの熱伝導部材と熱を伝えるように接触し、また、少なくとも1つの熱伝導部材は、少なくとも1つの第1の材料に比較して高い熱伝導率を有する少なくとも1つの第2の材料から形成されている。たとえば、1つ
または複数の熱電気的な温度調節ユニットが少なくとも1つの熱伝導部材上に取り付けられることが考えられる。特に好ましい実施形態において、1つ
または複数の熱電気的な温度調節ユニットは、少なくとも1つのペルティエ素子を有することができる。
【0009】
考えられる実施形態において、少なくとも1つの熱伝導部材と支持構造はプラスチックにより形成することができ、かつ特に2成分射出成形方法によって製造することができる。支持構造を構築する少なくとも1つの第1の材料は、支えることのできる外側構造を形成し、かつ収容装置に所定の安定性を与えるために、コスト的に好ましい、安定性を与えるプラスチック材料とすることができる。しかし、たとえば金属、特にアルミニウムのような、他の材料の使用も可能である。
【0010】
支持構造の飲料容器を向いた表面は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの熱伝導部材を形成する、熱伝導率の高い材料によって覆うことができる。この構造が、加熱すべき熱的な質量を減少させ、
これに伴って温度調節プロセスの反応時間の短縮をもたらす。代替的に、収容装置の選択された領域のみに1つ
または複数の熱伝導部材を設けることを、考えることもできる。収容装置は多くの場合において、飲料容器を安定させるために、保持部材を設けることができるので、場合によってはこの領域内では少なくとも1つの熱伝導部材を介してそれぞれの飲料容器へ直接的な熱伝達を行わないことが可能である。場合によっては接触面への主要な熱伝達が行われるので、収容装置の飲料容器と接触する面のみに熱伝導性の材料を取り付けることが考えられる。
これにより、加熱すべき熱的な質量がさらに減少されて、温度調節プロセスの反応時間が短縮される。
【0011】
収容装置の対向する側に保持部材が取り付けられている場合に、場合によっては収容装置の底面のみに熱伝達のための熱的な接触面を設けることができる。理想的には、この領域内に熱伝導部材が位置決めされている。保持部材が次のように、すなわち収容装置の底面と内側の側面とに熱を伝達するための接触面が形成されるように、配置されている場合に、収容装置の底面の領域内と内側の側面の領域内に熱伝導率の高い材料を取り付けることができる。このやり方は、より小さい面を介してより高い熱流が案内されるので、点状により高い熱投入をもたらす。さらに、周囲空気を介しての熱損失が減少する。さらに、熱伝導率の高い材料の使用を減少させることによって、製造コストを削減することができる。
【0012】
熱
および/
または冷熱を発生させるための1つ
または複数の温度調節ユニットは、1つ
または複数のペルティエ素子を有することができる。さらに、熱電気的な温度調節ユニットは、支持構造の下方
またはその側壁に位置決めすることができる。
これにより、熱電気的な温度調節ユニットは外側から熱伝導部材上へ取り付けることができ、場合によっては
熱伝導部材と接着され、固定装置によって固定し、かつ/
または同様なやり方で固定することができるので、少なくとも1つの熱伝導部材と熱を案内するように接触する。
【0013】
さらに、少なくとも1つの熱伝導部材の所定の領域が支持構造の壁を通って外側へ延びることができる。
【0014】
この領域内で支持構造は、切り通しを形成することができる。
これにより、少なくとも1つの熱伝導部材の所定の領域の平面的な横断面を他の領域に比較して大きく形成することもできる。1つ
または複数の熱電気的な温度調節ユニットは、少なくとも1つの熱伝導部材の所定の領域上へ外側から取り付けることができる。
【0015】
さらに、1つ
または複数の熱電気的な温度調節ユニットが少なくとも1つの熱伝達装置によって覆われ、その少なくとも1つの熱伝達装置が1つ
または複数の固定手段と特にねじ結合を介して支持構造に固定されることが、考えられる。
これにより、1つ
または複数の固定手段が支持構造内のみに係止され、熱伝導部材には達しない実施形態が、効果的であることが明らかにされている。
【0016】
収容装置の少なくとも1つの熱伝導部材を支持構造に対して絶縁するために、収容装置の構造を第3の、もしくは他のコンポーネントによって補足することができる。
これにより、少なくとも1つの熱伝導部材と支持構造との間に絶縁する中間層を配置することができる。少なくとも1つの熱伝導部材、支持構造
および絶縁する中間層は、たとえば3成分射出成形方法によって製造することができる。絶縁する中間層は、熱伝導部材の支持構造を向いた側を少なくとも部分的に、かつ好ましくは完全に覆うことができる。さらに、絶縁する中間層が支持構造によって完全に収容され、あるいは支持構造と同一平面で終了することが、考えられる。
【0017】
さらに、絶縁する中間層が少なくとも1つの熱伝導部材と支持構造との間に気泡として挿入され、
これによって熱的な絶縁を構築できることが、考えられる。このやり方において、支持構造の内部で少なくとも1つの熱伝導部材と支持構造との間に絶縁する中間層が生じるように、気泡が支持構造の材料層内へ噴射される。さらに、少なくとも1つの熱伝導部材を周囲に対して熱的に遮蔽するために、支持構造の材料を絶縁可能に形成することが、考えられる。支持構造の材料の構造は、支持構造の絶縁特性を得るために、ガス充填によって強化することができる。ガス充填は、たとえばガス注入
または発泡剤注入とすることができる。
【0018】
形状結合を介して熱
および/
または冷熱の伝達を改良するために、少なくとも1つの熱伝導部材のために、ゲル
またはゴムのような、熱伝導率の高い弾性的に撓む材料を利用することができる。
これにより、少なくとも1つの熱伝導部材が可逆的に弾性的な変形性を有することができるので、支持構造を介して収容された飲料容器は少なくとも1つの熱伝導部材を介して弾性変形させながら締め付け保持することができる。飲料容器は、弾性的に撓む材料に打ち付けられて、したがって熱投入のための接触面を増大させることができる。ここで飲料容器を安定させるために、場合によっては保持部材を省くことができる。というのは、飲料容器の位置が場合によって弾性的に撓んだ材料によって保持されるからである。
【0019】
熱伝導率の高い材料を所望に局所的に位置決めする場合に、材料を支持構造内へ固定的に一体化することが考えられる。これは、たとえば少なくとも1つの熱伝導部材の回りに支持構造の材料を射出形成することによって行うことができる。保持構造を介して少なくとも1つの、回りを射出によって包囲される熱伝導部材を支持構造内に係止することができる。少なくとも1つの熱伝導部材が、完全に射出によって包囲されている1つ
または複数の突出部を有している場合に、熱伝導部材が支持構造によって完全に保持されることを、保証することができる。また、熱電気的な温度調節ユニットの回りに熱伝導率の高い材料、もしくは少なくとも1つの熱伝導部材を射出形成することも、可能である。
これにより、少なくとも1つの熱伝導部材の肉厚が局所的に減少され、かつ熱
および/
または冷熱伝達が改良される。
【0020】
少なくとも1つの熱伝導部材と熱電気的な温度調節ユニットが互いに対してわずかな間隔で位置決めされている場合には、2つの部材を安定化させる材料もしくは支持構造内へ組み込むことも考えられる。少なくとも1つの熱伝導部材は、ここで段部
または高くなった面を形成することもできる。この配置は、熱電気的な温度調節ユニットと少なくとも1つの熱伝導部材との間の接触もしくは熱的な熱伝達の改良を許すものである。
【0021】
さらに、収容装置もしくは支持構造は、それぞれ飲料容器を収容するための少なくとも2つの位置を形成することができる。少なくとも2つの位置の間に分離壁を配置することができ、その分離壁は少なくとも部分的に少なくとも1つの熱伝導部材
および/
または支持構造によって形成される。2つの飲料容器を温度調節するために、少なくとも2つの位置の各々に、専用の熱電気的な温度調節ユニット
および/
または専用の熱伝導部材を対応づけることができる。
これにより、場合によっては異なる量の熱
および/
または冷熱を少なくとも2つの位置の飲料容器へ伝えることができる。分離壁によって、第1の位置と第2の位置を形成することができ、第1の位置は第1の最大の横断面直径を有する第1の飲料容器を形状結合で収容するように形成されており、第2の位置は第2の最大の横断面直径を有する第2の飲料容器を形状結合で収容するように形成されており、
これにより、第2の最大の横断面直径は第1の最大の横断面直径に比較して拡大され、あるいは縮小されている。したがって1つの収容装置によって異なる幾何学配置もしくは大きさを有する複数の飲料容器を収容することができる。
【0022】
飲料容器をたとえば車輌の中央コンソール内に固定できるようにするために、支持構造の下側に、場合によっては1つ
または複数の固定手段を有する固定部を形成することができる。1つ
または複数の固定手段は、場合によっては1つ
または複数のねじ結合を有することができる。1つ
または複数のねじ結合は、支持構造のみへ嵌入でき、
また、少なくとも1つの熱伝導部材とは係合できない。
これにより、収容装置の外部に望ましくない熱ブリッジが生じることが防止される。熱的
および機械的な保護として、かつ/
または熱的な温度調節装置を固定するために、上ですでに述べたように、少なくとも1つの熱伝達装置を設けることができ、その熱伝達装置が固定手段によって固定される。
【0023】
さらに、少なくとも1つの熱伝導部材
および/
または支持構造を少なくとも部分的に化粧面によって覆うことができる。
これにより、収容装置の視覚的な印象を技術的手段によって改良することができる。
【0024】
以下、本発明の実施例
およびその利点を添付の図面を用いて詳細に説明する。図における個々の部材の互いに対する大きさの比は、実際の大きさの比に相当するものではない。というのは、幾つかの形状は簡略化されており、他の形状は理解しやすくするために他の部材に対して拡大して示されているからである。