(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
発光素子と、前記発光素子から出射された光ビームを偏向させる偏向部と、前記発光素子から出射され前記偏向部で偏向された前記光ビームを被走査体へと反射し入射させる少なくとも1つの反射ミラーと、前記偏向部で偏向された前記光ビームを検出する光センサとを備え、前記光ビームにより前記被走査体を走査し、前記光センサによる前記光ビームの検出タイミングに基づき前記光ビームによる前記被走査体の走査タイミングを設定する光走査装置であって、
前記光センサは、前記光ビームを反射する複数の反射ミラーのうち、前記偏向部から副走査方向に最も離間した反射ミラーよりも、前記偏向部から副走査方向にさらに離れた位置に配置されており、
前記偏向部で偏向された光ビームを前記光センサへと反射して入射させる検出用ミラーを備え、
前記光ビームが前記検出用ミラーで反射されて前記偏向部から最も離間した前記反射ミラーの上方又は下方を通過し、前記光ビームが入射する位置に前記光センサを配置したことを特徴とする光走査装置。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子写真方式のカラー画像形成装置では、複数の色に対応する各感光体(各被走査体)表面を均一に帯電させてから、各光ビームにより各感光体表面を走査して、各感光体表面にそれぞれの静電潜像を形成し、各色のトナーにより各感光体表面の静電潜像を現像して、各感光体表面に各色のトナー像を形成し、各色のトナー像を各感光体から中間転写体に重ね合わせ転写して、中間転写体上にカラーのトナー像を形成し、このカラーのトナー像を中間転写体から記録用紙に転写している。
【0003】
各光ビームによる各感光体の走査は、光走査装置により行われる。一般的には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のトナーを用いており、よって少なくとも4本の光ビームにより4つの感光体を走査する必要があって、4本の光ビームを出射する4つの発光素子を必要とする。
【0004】
また、近年は、画像形成装置の小型化や薄型化が要求されており、光走査装置の小型化や薄型化が必要となっている。このため、ポリゴンミラー(偏向部)を光走査装置の概ね中央に配置し、ポリゴンミラーを中心にして2つの光学系を対称に配置し、各発光素子から出射されたそれぞれの光ビームをポリゴンミラーで反射して各光学系に振り分けて入射させ、各光学系により各光ビームをそれぞれの感光体に入射させるという構成の光走査装置が提案されている。
【0005】
一方、ポリゴンミラーで偏向された光ビームを検出するBDセンサを設け、BDセンサによる光ビームの検出タイミングに基づき光ビームによる感光体の走査タイミングを設定している。要するに、光ビームによる感光体の走査タイミングをBDセンサによる光ビームの検出タイミングに同期させている。
【0006】
ここで、光ビームは、ポリゴンミラーで反射されることにより概ね扇形の範囲で繰り返し偏向されており、この概ね扇形の範囲に、被走査体を走査する光ビームの走査角度範囲が含まれる。そして、BDセンサは、その光ビームの走査角度範囲の外側に設けられることが多い。例えば、特許文献1及び2では、光ビームの走査角度範囲の外側にBDセンサを配置し、ポリゴンミラーで偏向された光ビームをBDセンサに入射させている。
【0007】
また、特許文献3及び4では、光ビームの走査角度範囲の外側に検出用ミラー及びBDセンサを配置し、ポリゴンミラーで偏向された光ビームを検出用ミラーで反射して、光ビームをBDセンサに入射させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、BDセンサを基板に搭載することから、その配置位置によってはBDセンサの基板が光走査装置の小型化や薄型化の弊害となる。例えば、特許文献1乃至4では、BDセンサが光ビームの走査角度範囲から外れるため、光ビームの走査角度範囲とBDセンサの基板とを含むように光走査装置の幅や奥行きを増大させる必要がある。また、BDセンサの基板を光ビームの走査角度範囲の内側に配置した場合は、BDセンサの基板が光ビームに干渉する。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、更なる小型化を図ることが可能な光走査装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の光走査装置は、発光素子と、前記発光素子から出射された光ビームを偏向させる偏向部と、前記発光素子から出射され前記偏向部で偏向された前記光ビームを被走査体へと反射し入射させる少なくとも1つの反射ミラーと、前記偏向部で偏向された前記光ビームを検出する光センサとを備え、前記光ビームにより前記被走査体を走査し、前記光センサによる前記光ビームの検出タイミングに基づき前記光ビームによる前記被走査体の走査タイミングを設定する光走査装置であって、前記光センサは、前記被走査体の有効走査領域に対応する前記光ビームの走査角度範囲の内側に配置されている。
【0012】
また、本発明の他の光走査装置は、発光素子と、前記発光素子から出射された光ビームを偏向させる偏向部と、前記発光素子から出射され前記偏向部で偏向された前記光ビームを被走査体へと反射し入射させる少なくとも1つの反射ミラーと、前記偏向部で偏向された前記光ビームを検出する光センサとを備え、前記光ビームにより前記被走査体を走査し、前記光センサによる前記光ビームの検出タイミングに基づき前記光ビームによる前記被走査体の走査タイミングを設定する光走査装置であって、前記光センサは、各反射ミラーで反射される光ビームを遮らない位置に配置されている。
【0013】
また、本発明のさらに他の光走査装置は、発光素子と、前記発光素子から出射された光ビームを偏向させる偏向部と、前記発光素子から出射され前記偏向部で偏向された前記光ビームを被走査体へと反射し入射させる少なくとも1つの反射ミラーと、前記偏向部で偏向された前記光ビームを検出する光センサとを備え、前記光ビームにより前記被走査体を走査し、前記光センサによる前記光ビームの検出タイミングに基づき前記光ビームによる前記被走査体の走査タイミングを設定する光走査装置であって、前記光センサは、前記光ビームを反射する複数の反射ミラーのうち、前記偏向部から最も離間した反射ミラーよりも、前記偏向部からさらに離れた位置に配置されている。
【0014】
また、本発明の光走査装置においては、前記偏向部で偏向された光ビームを前記光センサへと反射して入射させる検出用ミラーを備え、前記被走査体の有効走査領域に対応する前記光ビームの走査角度範囲の外側に前記検出用ミラーを配置し、前記光ビームの走査角度範囲の内側と外側の境界の近傍に前記光センサ及び前記検出用ミラーを配置している。
【0015】
また、本発明の光走査装置においては、前記偏向部で偏向された光ビームを前記光センサへと反射して入射させる検出用ミラーを備え、前記検出用ミラーは、前記光走査装置の筐体の底部外側に配置されており、前記検出用ミラーに対して入射及び反射される光ビームが前記底部に形成された孔を通過する。
【0016】
また、本発明の光走査装置においては、前記光センサは、前記光走査装置の筐体側壁の外側に設けられた基板に搭載されている。
【0017】
また、本発明の光走査装置においては、前記偏向部から最も離間した前記反射ミラーは、前記光走査装置の筐体内側の一端に配置されている。
【0018】
また、本発明の光走査装置においては、前記発光素子を複数備え、前記光センサは、前記複数の発光素子のいずれかの光ビームを検出し、前記偏向部から最も離間した前記反射ミラーは、前記光センサにより検出される前記光ビームを前記被走査体へと反射する。
【0019】
また、本発明の光走査装置においては、前記偏向部で偏向された光ビームを前記光センサへと反射して入射させる検出用ミラーを備え、前記光ビームが前記検出用ミラーで反射されて前記偏向部から最も離間した前記反射ミラーの上端の上方又は下端の下方を通過し、前記光ビームが入射する位置に前記光センサを配置している。
【0020】
また、本発明の光走査装置においては、前記被走査体の有効走査領域に対応する前記光ビームの走査角度範囲の外側に前記検出用ミラーを配置し、前記光ビームの走査角度範囲の内側と外側の境界の近傍に前記光センサ及び前記検出用ミラーを配置している。
【0021】
また、本発明の光走査装置においては、前記検出用ミラーは、前記光走査装置の筐体の底部外側に配置されており、前記検出用ミラーに対して入射及び反射される光ビームが前記底部に形成された孔を通過する。
【0022】
また、本発明の光走査装置においては、前記偏向部から前記偏向部から最も離間した前記反射ミラーまでの光ビームの光路に設けられたfθレンズを備え、前記fθレンズには、前記検出用ミラーに入射する前記光ビームが透過する光学部分が設けられ、前記光学部分が集光特性を持つ。
【0023】
本発明の画像形成装置は、上記本発明の光走査装置を備え、前記光走査装置により被走査体上に潜像を形成し、前記被走査体上の潜像を可視像に現像して、前記可視像を前記被走査体から用紙に転写形成している。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、被走査体の有効走査領域に対応する光ビームの走査角度範囲の内側に、光センサを配置しているので、光ビームの走査角度範囲を含むように光走査装置のサイズを設定すればよく、光走査装置の小型化を図ることができる。
【0025】
また、本発明では、光センサは、各反射ミラーで反射される光ビームを遮らない位置に配置されているので、光センサ及び光センサの基板が光ビームに干渉することはない。
【0026】
また、本発明では、光センサは、光ビームを反射する複数の反射ミラーのうち、偏向部から最も離間した反射ミラーよりも、偏向部からさらに離れた位置に配置されているので、光センサ及び光センサの基板が光ビームに干渉することはない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
【0029】
図1は、本発明の光走査装置の一実施形態を備えた画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置1において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。このため、現像装置12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14、及び帯電器15等は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するためにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0030】
各画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdのいずれにおいても、ドラムクリーニング装置14により感光体ドラム13表面の残留トナーを除去及び回収した後、帯電器15により感光体ドラム13の表面を所定の電位に均一に帯電させ、光走査装置11により感光体ドラム13表面を露光して、その表面に静電潜像を形成し、現像装置12により感光体ドラム13表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム13表面にトナー像を形成する。これにより、各感光体ドラム13表面に各色のトナー像が形成される。
【0031】
引き続いて、中間転写ベルト21を矢印方向Cに周回移動させつつ、ベルトクリーニング装置22により中間転写ベルト21の残留トナーを除去及び回収した後、各感光体ドラム13表面の各色のトナー像を中間転写ベルト21に順次転写して重ね合わせ、中間転写ベルト21上にカラーのトナー像を形成する。
【0032】
中間転写ベルト21と2次転写装置23の転写ローラ23aとの間にはニップ域が形成されており、S字状の用紙搬送経路R1を通じて搬送されて来た記録用紙をそのニップ域に挟み込んで搬送しつつ、中間転写ベルト21表面のカラーのトナー像を記録用紙上に転写する。そして、定着装置17の加熱ローラ24と加圧ローラ25との間に記録用紙を挟み込んで加熱及び加圧し、記録用紙上のカラーのトナー像を定着させる。
【0033】
一方、記録用紙は、ピックアップローラ33により給紙カセット18から引出されて、用紙搬送経路R1を通じて搬送され、2次転写装置23や定着装置17を経由し、排紙ローラ36を介して排紙トレイ39へと搬出される。この用紙搬送経路R1には、記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃えた後、中間転写ベルト21と転写ローラ23a間のニップ域でのトナー像の転写タイミングに合わせて記録用紙の搬送を開始するレジストローラ34、記録用紙の搬送を促す搬送ローラ35、排紙ローラ36等が配置されている。
【0034】
次に、本実施形態の光走査装置11の構成を、
図2乃至
図5を用いて詳細に説明する。
図2は、
図1の光走査装置11の筐体41の内部を斜め上方から視て示す斜視図であって、上蓋を外した状態を示している。また、
図3は、光走査装置11の複数の光学部材を抽出して示す斜視図であり、
図2の背面側から視た状態を示している。更に、
図4及び
図5は、光走査装置11の複数の光学部材を抽出して示す平面図及び側面図である。
【0035】
筐体41は、矩形状の底板41a及び底板41aを囲む4つの側板41b、41cを有している。底板41aの略中央には、平面視すると正方形のポリゴンミラー42が配置されている。また、底板41aの略中央にポリゴンモータ43が固定され、ポリゴンモータ43の回転軸にポリゴンミラー42の中心が接続固定され、ポリゴンモータ43によりポリゴンミラー42が回転される。
【0036】
また、筐体41の1つの側板41bの外側には、2個の第1半導体レーザ44a、44b及び2個の第2半導体レーザ45a、45b(合計4個の半導体レーザ)を搭載した駆動基板46が固定されている。各第1半導体レーザ44a、44b及び各第2半導体レーザ45a、45bは、側板41bに形成されたそれぞれの孔を通じて筐体41の内側を臨む。
【0037】
各第1半導体レーザ44a、44bと各第2半導体レーザ45a、45bとは、ポリゴンミラー42の中心を通って主走査方向Xに延びる仮想直線Mを想定すると、仮想直線Mを中心にして対称に配置されている。尚、主走査方向Xと直交する方向を副走査方向Yとし、主走査方向X及び副走査方向Yと直交する方向(ポリゴンモータ43の回転軸の長手方向)を高さ方向Zとする。
【0038】
駆動基板46は、平板状のプリント基板であって、各第1半導体レーザ44a、44b及び各第2半導体レーザ45a、45bを駆動する回路を有している。各第1半導体レーザ44a、44b及び各第2半導体レーザ45a、45bは、平板状のプリント基板に搭載されることにより概ね同一の平面(YZ平面)上に配置され、またその平面に対しては垂直方向(主走査方向X)にかつ筐体41の内側向きにそれぞれの光ビームL1〜L4を出射する。
【0039】
駆動基板46(YZ平面)上では、各第1半導体レーザ44a、44bが副走査方向Y及び高さ方向Zにおいて互いに異なる位置に配置され、同様に各第2半導体レーザ45a、45bも副走査方向Y及び高さ方向Zにおいて互いに異なる位置に配置されている。
【0040】
また、各第1半導体レーザ44a、44bの光ビームL1、L2をポリゴンミラー42へと導く第1入射光学系51と、各第2半導体レーザ45a、45bの光ビームL3、L4をポリゴンミラー42へと導く第2入射光学系52とを設けている。第1入射光学系51は、2個のコリメータレンズ53a、53b、2個のアパーチャー54、2個のミラー55a、55b、及びシリンドリカルレンズ56等からなる。同様に、第2入射光学系52は、2個のコリメータレンズ57a、57b、2個のアパーチャー58、2個のミラー59a、59b、及びシリンドリカルレンズ56等からなる。第1入射光学系51の各コリメータレンズ53a、53b、各アパーチャー54、及び各ミラー55a、55bと、第2入射光学系52の各コリメータレンズ57a、57b、各アパーチャー58、及び各ミラー59a、59bとは、仮想直線Mを中心にして対称に配置されている。また、仮想直線Mは、シリンドリカルレンズ56の中心を通っており、仮想直線Mにより区分されるシリンドリカルレンズ56の片側半分が第1入射光学系51に配置され、シリンドリカルレンズ56の他の片側半分が第2入射光学系52に配置されている。
【0041】
更に、ポリゴンミラー42で反射された各第1半導体レーザ44a、44bの光ビームL1、L2を2つの感光体ドラム13(図示せず)へと導く第1結像光学系61と、ポリゴンミラー42で反射された各第2半導体レーザ45a、45bの光ビームL3、L4を他の2つの感光体ドラム13(図示せず)へと導く第2結像光学系62とを設けている。第1結像光学系61は、fθレンズ63及び4つの各ミラー64a、64b、64c、64d等からなる。同様に、第2結像光学系62は、fθレンズ65及び4つの各ミラー66a、66b、66c、66d等からなる。第1結像光学系61のfθレンズ63及び各ミラー64a、64b、64c、64dと、第2結像光学系62のfθレンズ65及び各ミラー66a、66b、66c、66dとは、仮想直線Mを中心にして対称に配置されている。
【0042】
また、第1結像光学系61側にBDミラー71及びBDセンサ72を搭載したBD基板73を設け、第2結像光学系62側にもBDミラー74及びBDセンサ75を搭載したBD基板76を設けている。第1結像光学系61側のBDミラー71及びBDセンサ72と、第2結像光学系62側のBDミラー74及びBDセンサ75とは、仮想直線Mを中心にして対称に配置されている。
【0043】
次に、各第1半導体レーザ44a、44bの光ビームL1、L2がそれぞれの感光体ドラム13に入射するまでの光路、及び各第2半導体レーザ45a、45bの光ビームL3、L4がそれぞれの感光体ドラム13に入射するまでの光路について説明する。
【0044】
第1半導体レーザ44aの光ビームL1は、コリメータレンズ53aを透過して平行光にされ、アパーチャー54、ミラー(ハーフミラー)55a、及びシリンドリカルレンズ56を介してポリゴンミラー42の反射面42aに入射する。また、第1半導体レーザ44bの光ビームL2は、コリメータレンズ53bを透過して平行光にされ、アパーチャー54を介して各ミラー55b、55aに入射して反射され、シリンドリカルレンズ56を介してポリゴンミラー42の反射面42aに入射する。シリンドリカルレンズ56は、高さ方向Zのみについて、各光ビームL1、L2をポリゴンミラー42の反射面42aでほぼ収束するように集光して出射する。
【0045】
ここで、駆動基板46(YZ平面)上では各第1半導体レーザ44a、44bが副走査方向Yにおいて互いに異なる位置に配置されているものの、第1半導体レーザ44bの光ビームL2は、各ミラー55b、55aで反射されて第1半導体レーザ44aの光ビームL1と共通の第1光路J1まで副走査方向Yに変位されている。第1光路J1とは、ミラー55aからシリンドリカルレンズ56を介してポリゴンミラー42の反射面42aまでの光路である。この第1光路J1では、
図4に示すように平面視したときに各光ビームL1、L2が重なっている。
【0046】
また、駆動基板46(YZ平面)上では各第1半導体レーザ44a、44bが高さ方向Zにおいて互いに異なる位置に配置されているものの、各第1半導体レーザ44a、44bの光ビームL1、L2の出射方向又は各ミラー55a、55bの向きの設定により、ポリゴンミラー42の反射面42a上で各光ビームL1、L2の入射スポット(第1入射スポット)が略重なるようにされている。このため、第1光路J1では、各第1半導体レーザ44a、44bの光ビームL1、L2が斜め上方向及び斜め下方向からポリゴンミラー42の反射面42aへと入射する。そして、各光ビームL1、L2は、ポリゴンミラー42の反射面42aで反射されると斜め下方向及び斜め上方向へと互いに離れて行く。一方の光ビームL1は、ポリゴンミラー42の反射面42aで斜め下方向に反射され、fθレンズ63を透過して1つのミラー64aで反射され、イエローのトナー像が形成される感光体ドラム13(図示せず)に入射する。また、他方の光ビームL2は、ポリゴンミラー42の反射面42aで斜め上方向に反射され、fθレンズ63を透過して3つのミラー64b、64c、64dで順次反射され、マゼンタのトナー像が形成される感光体ドラム13(図示せず)に入射する。
【0047】
また、ポリゴンミラー42は、ポリゴンモータ43により等角速度で回転されて、各反射面42aで各光ビームL1、L2を逐次反射し、各光ビームL1、L2を主走査方向Xに繰り返し等角速度で偏向させる。fθレンズ63は、主走査方向X及び副走査方向Yのいずれについても各光ビームL1、L2をそれぞれの感光体ドラム13の表面で所定のビーム径となるように集光して出射し、かつポリゴンミラー42により主走査方向Xに等角速度で偏向されている各光ビームL1、L2をそれぞれの感光体ドラム13上の主走査線に沿って等線速度で移動するように変換する。これにより、各光ビームL1、L2がそれぞれの感光体ドラム13の表面を主走査方向Xに繰返し走査する。
【0048】
また、一方の光ビームL1は、各光ビームL1、L2による各感光体ドラム13の主走査が開始される直前に、fθレンズ63の端部に形成された凸レンズ部63aを透過してBDミラー71に入射し、BDミラー71で反射されてBDセンサ72に入射する。BDセンサ72は、各感光体ドラム13の主走査が開始される直前のタイミングで光ビームL1を受光して、この主走査開始直前のタイミングを示すBD信号を出力する。このBD信号に応じてイエロー及びマゼンタのトナー像が形成される各感光体ドラム13の主走査の開始タイミングが判定され、イエロー及びマゼンタの各画像データに応じた各光ビームL1、L2の変調が開始される。
【0049】
その一方で、イエロー及びマゼンタのトナー像が形成される各感光体ドラム13が回転駆動されて、各光ビームL1、L2により該各感光体ドラム13の2次元表面(周面)が走査され、該各感光体ドラム13の表面にそれぞれの静電潜像が形成される。
【0050】
次に、第2半導体レーザ45aの光ビームL3は、コリメータレンズ57aを透過して平行光にされ、アパーチャー58を介して各ミラー59a、59bに入射して反射され、シリンドリカルレンズ56を透過してポリゴンミラー42の反射面42aに入射する。また、第2半導体レーザ45bの光ビームL4は、コリメータレンズ57bを透過して平行光にされ、アパーチャー58、ミラー(ハーフミラー)59b、及びシリンドリカルレンズ56を介してポリゴンミラー42の反射面42aに入射する。
【0051】
駆動基板46(YZ平面)上では各第2半導体レーザ45a、45bが副走査方向Yにおいて互いに異なる位置に配置されているものの、第2半導体レーザ45aの光ビームL3は、各ミラー59a、59bで反射されて第2半導体レーザ44bの光ビームL4と共通の第2光路J2まで副走査方向Yに変位されている。第2光路J2とは、ミラー59bからシリンドリカルレンズ56を介してポリゴンミラー42の反射面42aまでの光路である。第2光路J2では、
図4に示すように平面視したときに各光ビームL3、L4が重なる。
【0052】
また、駆動基板46(YZ平面)上では各第2半導体レーザ45a、45bが高さ方向Zにおいて互いに異なる位置に配置されているものの、各第2半導体レーザ45a、45bの光ビームL3、L4の出射方向又は各ミラー59a、59bの向きの設定により、ポリゴンミラー42の反射面42a上で各光ビームL3、L4の入射スポット(第2入射スポット)が略重なるようにされている。このため、第2光路J2では、各第2半導体レーザ45a、45bの光ビームL3、L4が斜め下方向及び斜め上方向からポリゴンミラー42の反射面42aへと入射する。そして、各光ビームL3、L4は、ポリゴンミラー42の反射面42aで反射されると斜め上方向及び斜め下方向へと互いに離れて行く。一方の光ビームL3は、ポリゴンミラー42の反射面42aで斜め上方向に反射され、fθレンズ65を透過して3つのミラー66b、66c、66dで順次反射されて、シアンのトナー像が形成される感光体ドラム13(図示せず)に入射する。また、他方の光ビームL4は、ポリゴンミラー42の反射面42aで斜め下方向に反射され、fθレンズ65を透過して1つのミラー66aで反射されて、ブラックのトナー像が形成される感光体ドラム13(図示せず)に入射する。
【0053】
また、他方の光ビームL4は、各光ビームL3、L4による各感光体ドラム13の主走査が開始される直前に、fθレンズ65の端部に形成された凸レンズ部65aを透過してBDミラー74に入射し、BDミラー74で反射されてBDセンサ75に入射し、BDセンサ75からは各光ビームL3、L4による各感光体ドラム13の主走査開始直前のタイミングを示すBD信号が出力され、このBD信号に応じてシアン及びブラックのトナー像が形成される各感光体ドラム13の主走査の開始タイミングが判定され、シアン及びブラックの各画像データに応じた各光ビームL3、L4の変調が開始される。
【0054】
その一方で、シアン及びブラックのトナー像が形成される各感光体ドラム13が回転駆動されて、各光ビームL3、L4により該各感光体ドラム13の2次元表面(周面)が走査され、該各感光体ドラム13の表面にそれぞれの静電潜像が形成される。
【0055】
このような構成の光走査装置11においては、筐体41の底板41aの略中央にポリゴンミラー42を配置し、ポリゴンミラー42の中心を通る仮想直線Mを中心にして、各第1半導体レーザ44a、44bと各第2半導体レーザ45a、45bとを対称に配置し、第1入射光学系51と第2入射光学系52とを対称に配置し、第1結像光学系61と第2結像光学系62とを対称に配置しているので、側方から視ると、ポリゴンミラー42、各第1半導体レーザ44a、44b、各第2半導体レーザ45a、45b、第1入射光学系51、及び第2入射光学系52等が小さなスペースに集約され、光走査装置11を概ね小型化することができる。
【0056】
また、各第1半導体レーザ44a、44bの光ビームL1、L2をポリゴンミラー42の反射面42a上の略同一の第1入射スポットに入射させ、かつ各第2半導体レーザ45a、45bの光ビームL3、L4をポリゴンミラー42の反射面42a上の略同一の第2入射スポットに入射させているので、ポリゴンミラー42の厚さを薄くすることができ、ポリゴンミラー42が、光走査装置11の高さを高くする原因になることはない。
【0057】
更に、ポリゴンミラー42の反射面42aで反射された各光ビームL1、L2が斜め下方向及び斜め上方向に互いに離れて行くものの、各光ビームL1、L2の上下方向の離間距離が長くなる以前に、各光ビームL1、L2がfθレンズ63に入射するようにポリゴンミラー42に対するfθレンズ63の配置位置を設定している。同様に、ポリゴンミラー42の反射面42aで反射された各光ビームL3、L4が斜め下方向及び斜め上方向に互いに離れて行くものの、各光ビームL3、L4の上下方向の離間距離が長くなる以前に、各光ビームL3、L4がfθレンズ65するようにポリゴンミラー42に対するfθレンズ65の配置位置を設定している。これにより、各fθレンズ63、65の厚さを薄くすることができ、各fθレンズ63、65が、光走査装置11の高さを高くする原因にならないようにしている。
【0058】
また、各ミラー55a、55bにより第1半導体レーザ44bの光ビームL2を仮想直線M(装置の中央)近くの第1光路J1まで副走査方向Yに変位させてからポリゴンミラー42に入射させ、かつ各ミラー59a、59bにより第2半導体レーザ45aの光ビームL3を仮想直線M(装置の中央)近くの第2光路J2まで副走査方向Yに変位させてからポリゴンミラー42に入射させているので、ポリゴンミラー42の直径を小さくすることができ、第1結像光学系61と第2結像光学系62とを接近させることができ、光走査装置11の奥行き及び横幅を抑えて、光走査装置11の小型化を図ることができる。
【0059】
更に、各第1半導体レーザ44a、44b及び各第2半導体レーザ45a、45bを同一の駆動基板46に搭載しているので、部品点数が少なく、各半導体レーザ44a、44b、45a、45bの配線を簡略化することができる。
【0060】
ところで、ミラーやレンズ等の複数の光学部材の配置位置等を適宜設定することにより光走査装置11の小型化を図っているものの、各BDミラー71、74、各BDセンサ72、75、及び各BD基板73、76についても、それらの配置位置を適宜設定して、光走査装置11の小型化を図る必要がある。特に、各BD基板73、76は、そのサイズが大きいため、その配置位置によっては各光ビームL1〜L4を遮ったり、光走査装置11の小型化を阻む原因になったりする。
【0061】
ここで、
図6及び
図7は、光走査装置11の筐体41における各光学部材の配置位置を示す平面図及び側面図である。
図6に示すように各光ビームL1〜L4は、ポリゴンミラー42で反射されることにより概ね扇形の範囲(図示せず)で繰り返し偏向されており、この概ね扇形の範囲に、各感光体ドラム13の有効走査領域Hを走査するのに必要な各光ビームL1〜L4の走査角度範囲αが含まれる。
【0062】
有効走査領域Hとは、各光ビームL1〜L4により走査される各感光体ドラム13上の領域であって、静電潜像の形成領域を含む領域である。実際には、各感光体ドラム13の有効走査領域Hが各反射ミラー64a、64d、66a、66dの上方に位置するが、
図6においては、有効走査領域Hを2次元平面に展開して示している。
【0063】
仮に、
図6に示すように各BDセンサ72、75を搭載した各BD基板73、76を、走査角度範囲αの内側の位置W1に配置したならば、各BD基板73、76が各光ビームL1〜L4に干渉して静電潜像の形成を阻害する。また、仮に、各BD基板73、76を、走査角度範囲αの外側の位置W2に配置したならば、各BD基板73の配置スペースを設けるために筐体41の奥行きを増大させる必要がある。
【0064】
そこで、本実施形態の光走査装置11では、
図6及び
図7に示すように各BDミラー71、74、各BDセンサ72、75、及び各BD基板73、76の配置位置を設定している。
【0065】
詳しくは、各BD基板73、76を筐体41の各側板41cの外側に重ねて設け、各BDセンサ72、75を各側板41cの孔を通じて筐体41の内側に向けている。また、各BDミラー71、74を筐体41の内側かつ走査角度範囲αの外側に配置している。
【0066】
各光ビームL1〜L4は、ポリゴンミラー42で反射されて、概ね扇形の範囲で繰り返し偏向される。各BDミラー71、74は、走査角度範囲αに入る直前のそれぞれの光ビームL1、L4を反射して各BDセンサ72、75へと入射させる。各BDセンサ72、75は、各光ビームL1、L4を検出して、それぞれのBD信号を出力する。
【0067】
また、ポリゴンミラー42により各光ビームL1、L4が斜め下方に反射されて各BDミラー71、74に入射する。各BDミラー71、74は、それらの反射面の向きを斜め上方向に設定されており、各光ビームL1、L4を斜め上方向に反射する。各光ビームL1、L4は、各BDミラー71、74で斜め上方向に反射されると、各ミラー64a、66aの上端の上方を通過して、各BDセンサ72、75に入射し、各BDセンサ72、75からそれぞれのBD信号が出力される。
【0068】
そして、各BD信号に基づき、各光ビームL1〜L4が走査角度範囲αに入ると同時に、各画像データに応じた各光ビームL1〜L4の変調を開始して、各感光体ドラム13の表面にそれぞれの静電潜像を形成する。従って、各光ビームL1〜L4による各感光体ドラム13の走査開始のタイミングを各BDセンサ72、75による各光ビームL1、L4の検出タイミングに同期させている。
【0069】
次に、各BDミラー71、74及び各BDセンサ72、75の取付け構造や位置等について詳しく説明する。
【0070】
図8は、各BDミラー71、74及び各BDセンサ72、75を筐体41の内側斜め上方向から視て拡大して示す斜視図である。また、
図9は、各BDミラー71、74及び各BD基板73、76を筐体41の外側斜め上方向から視て拡大して示す斜視図である。
図8及び
図9に示すように筐体41の側板41cの外側には、凹部41dが形成されており、この凹部41dにBD基板73(又は76)が固定されている。また、凹部41dの内側には、矩形孔41eが形成されており、この矩形孔41eを通じてBDセンサ72(又は75)が筐体41の内側を臨んでいる。
【0071】
図10は、筐体41の底板41aの下面における各BDミラー71、74の取付け構造を拡大して示す斜視図である。また、
図11は、各BDミラー71、74の取付け構造を
図10とは反対方向から視て示す斜視図である。
図10及び
図11に示すように底板41aの下面には、凹部41fが形成されており、凹部41fにBDミラー71(又は74)が配置されている。この凹部41fの内側には、支持片41gが突設されており、支持片41gにBDミラー71(又は74)が重ね合わされ、断面形状が概ねコの字型のバネ部材81により支持片41gとBDミラー71(又は74)とが共に挟み込まれて、BDミラー71(又は74)が保持されている。
【0072】
また、凹部41fには、ポリゴンミラー42で反射された光ビームL1(又はL4)をBDミラー71(又は74)へと通して入射させる入射孔41h、及びBDミラー71(又は74)で反射された光ビームL1(又はL4)をBDセンサ72(又は75)へと出射させる出射孔41iが形成されている。
【0073】
図6から明らかなように各BDミラー71、74を平面視すると、各BDミラー71、74が各ミラー64b、64c、66b、66cの下方に配置されているものの、各BDミラー71、74が底板41aの下面のそれぞれの凹部41fに設けられているため、各ミラー64b、64c、66b、66cの有無にかかわらず、各BDミラー71、74を底板41aの下面側から取付けたり取外したりすることができる。
【0074】
このような構成において、各ミラー64a、66aは、各感光体ドラム13に入射する直前の各光ビームL1、L4を反射し、また第1及び第2結像光学系61、62の各ミラーのうちではポリゴンミラー42から最も離間したミラーであり、更に各BDセンサ72、75により検出される各光ビームL1、L4を反射するミラーであるため、最後段の各ミラー64a、66aと称するものとする。
【0075】
ここで、
図2及び
図6から明らかなように各BD基板73、76を筐体41の各側板41cの外側に重ねて設けていることから、各側板41cの内側(筐体41の内側の両端)に配置されている最後段の各ミラー64a、66aの外側、よってポリゴンミラー42に対して、最後段の各ミラー64a、66aよりも離れた位置に、各BD基板73、76を配置していることになり、各BDセンサ72、75も同一の位置に配置されている。このため、各BDセンサ72、75及び各BD基板73、76が各光ビームL1〜L4に干渉することはない。
【0076】
また、各BD基板73、76を筐体41の各側板41cの外側に重ねているため、副走査方向Yにおいては各BDセンサ72、75及び各BD基板73、76の配置スペースを格別に設ける必要がなく、筐体41の横幅を最後段の各ミラー64a、66aの位置に合わせて設定することができ、光走査装置11の横幅を最小限に設定することができる。更に、各BD基板73、76の高さを筐体41の各側板41cの高さ以下に設定しているので、各BD基板73、76が光走査装置11の高さを高くする原因になることはない。
【0077】
また、
図6から明らかなように各BDセンサ72、75及び各BD基板73、76は、走査角度範囲αの内側に配置されている。
【0078】
このため、光走査装置11の奥行きについては、各BDセンサ72、75及び各BD基板73、76の配置スペースを格別に設ける必要がなく、各ミラー64d、66dとの間において走査角度範囲αが筐体41の内側に収まるようにすればよく、光走査装置11の奥行きを増大させる必要がない。
【0079】
また、
図6に示すように走査角度範囲αの外側に各BDミラー71、74を配置し、走査角度範囲αの内側と外側の境界線βの近傍に各BDセンサ72、75及び各BDミラー71、74を配置している。これにより、各BDミラー71、74で反射されて屈曲する各光ビームL1、L4の屈曲角度γが大きくなり、各BDセンサ72、75の受光面に対して各光ビームL1、L4が概ね垂直に入射し、各BDセンサ72、75の受光量が増大し、各BDセンサ72、75による各光ビームL1、L4の検出タイミングの精度が向上する。
【0080】
また、各fθレンズ63、65の端部にそれぞれの凸レンズ部63a、65aを設けているので、各凸レンズ部63a、65aにより各光ビームL1、L4を集光してから、各BDミラー71、74で反射させて各BDセンサ72、75へと入射させることができ、各BDセンサ72、75の受光面における各光ビームL1、L4のスポットを小さくすることができる。これによっても、各BDセンサ72、75による各光ビームL1、L4の検出タイミングの精度が向上する。また、各凸レンズ部63a、65aの焦点距離を調節することにより、各BDセンサ72、75の受光面における各光ビームL1、L4のスポットを小さく維持しつつ、ポリゴンミラー42から各BDミラー71、74までの距離及び各BDミラー71、74から各BDセンサ72、75までの距離を自在に設定することができ、光走査装置11の小型化を図ることが可能になる。
【0081】
このように本実施形態の光走査装置11では、各BD基板73、76を筐体41の各側板41cの外側に重ねて設け、ポリゴンミラー42に対して、最後段の各ミラー64a、66aよりも離れた位置に、各BD基板73、76を配置していることから、各BDセンサ72、75及び各BD基板73、76が各光ビームL1〜L4に干渉することはない。
【0082】
また、各BD基板73、76を筐体41の各側板41cの外側に重ねているため、副走査方向Yにおいては各BDセンサ72、75及び各BD基板73、76の配置スペースを格別に設ける必要がなく、筐体41の横幅を最後段の各ミラー64a、66aの位置に合わせて設定することができ、光走査装置11の横幅を最小限に設定することができる。更に、各BD基板73、76の高さを筐体41の各側板41cの高さ以下に設定しているので、各BD基板73、76が光走査装置11の高さを高くする原因になることはない。
【0083】
また、各BDセンサ72、75及び各BD基板73、76は、走査角度範囲αの内側に配置されているため、光走査装置11の奥行きについては、各BDセンサ72、75及び各BD基板73、76の配置スペースを格別に設ける必要がなく、光走査装置11の奥行きを増大させずに済む。
【0084】
また、走査角度範囲αの外側に各BDミラー71、74を配置し、走査角度範囲αの内側と外側の境界線βの近傍に各BDセンサ72、75及び各BDミラー71、74を配置しているので、各BDセンサ72、75の受光面に対して各光ビームL1、L4が概ね垂直に入射し、各BDセンサ72、75の受光量が増大し、各BDセンサ72、75による各光ビームL1、L4の検出タイミングの精度が向上する。
【0085】
更に、各fθレンズ63、65の凸レンズ部63a、65aにより各光ビームL1、L4を集光してから、各BDミラー71、74で反射させて各BDセンサ72、75へと入射させているので、各BDセンサ72、75による各光ビームL1、L4の検出タイミングの精度が向上し、各BDセンサ72、75の受光面における各光ビームL1、L4のスポットを小さく維持しつつ、ポリゴンミラー42から各BDミラー71、74までの距離及び各BDミラー71、74から各BDセンサ72、75までの距離を自在に設定することができ、光走査装置11の小型化を図ることが可能になる。
【0086】
尚、上記実施形態では、
図7に示すように各光ビームL1、L4が各BDミラー71、74で斜め上方向に反射されて各ミラー64a、66aの上端の上方を通過しているが、光走査装置11の上下が反転される場合は、各光ビームL1、L4が各BDミラー71、74で斜め下方向に反射されて各ミラー64a、66aの下端の下方を通過し各BDセンサ72、75に入射することになる。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。