(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記予め記憶手段に記憶された車両単体の質量および重心位置に係る情報は、車両のトラクタに貼付されるRFIDタグに記憶された情報から取得されることを特徴とする請求項1または2に記載の重心位置測定装置。
前記予め記憶手段に記憶された車両単体の質量および重心位置に係る情報は、車両を撮像する撮像手段からの画像情報に基づいて車両データベースから取得されることを特徴とする請求項1または2に記載の重心位置測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明による重心位置測定装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
〔第1の実施形態〕
図1には、本発明の第1の実施形態に係る重心位置測定装置の構造説明図で、平面図(a)、(a)のA−A線断面図(b)、(b)のB−B線断面図(c)および(b)のC部拡大図(d)がそれぞれ示されている。
【0015】
<第1の実施形態に係る重心位置測定装置の概略構成の説明>
図1に示される重心位置測定装置1は、第1の載台11と、第2の載台12と、第3の載台13とを備えている。
第1の載台11および第2の載台12は、設置ベース2上において、トレーラ連結車両3(以下、単に「車両3」と称する。)が前進走行する際の走行経路の上流側に配置されている。
第3の載台13は、設置ベース2上において、第1の載台11および第2の載台12に対し、車両3の前進走行経路の下流側に配置されている。
【0016】
ここで、車両3は、
図7(a)に示されるように、トラクタ3aと、トレーラ3bと、コンテナ3cとにより構成されている。
トラクタ3aは、左右それぞれに車輪4a,5a;4b,5bが装着される車軸7,8を2本有する2軸の牽引車両である。
トレーラ3bは、コンテナ3cが載置される荷台としてのコンテナシャーシ301と、コンテナシャーシ301の後部に支承される2本の車軸9,9´と、これら車軸9,9´の左右それぞれに装着される車輪6a,6a´;6b,6b´とを備えて構成される2軸の被牽引車両である。
コンテナ3cは、鋼鉄、アルミニウムなどで製造され、規格化された形状の箱で、内部に貨物10を収容し、輸送の用途に供するものである。
トラクタ3aの後部には連結装置としてのカプラ302が装備され、トレーラ3bの前部にはキングピン303が設けられ、カプラ302にキングピン303が噛み合わされることにより、トラクタ3aとトレーラ3bとが連結される。カプラ302に対するキングピン303の噛み合わせが解除されることにより、トラクタ3aに対しトレーラ3bが分離可能な状態となる。トレーラ3bの前部寄りの部位には脚部材304が設けられ、脚部材304は、トラクタ3aに対しトレーラ3bが分離されたときに、トレーラ3bの前半部を支える役目をする。
トレーラ3bの四隅には係止金具305が設けられ、コンテナ3cの四隅には係止金具305に対応するように係止穴306が設けられ、係止金具305と係止穴306とが係合されることにより、トレーラ3bに対しコンテナ3cが固定される。係止金具305と係止穴306との係合が解除されることにより、トレーラ3aに対しコンテナ3cが分離可能な状態となる。
なお、以下の説明の簡略化を図るために、
図7(a)における2本の車軸9,9´を、同図(a´)に示されるように、1本の車軸9とみなすこととする。また、以下の説明において、前後左右方向は車両3の前進方向を基準として定めるものとする。
【0017】
<第1の載台〜第3の載台の概略説明>
第1の載台11は、車両3の各車軸7,8,9の左側の車輪4a,5a,6aが一つずつ載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第2の載台12は、車両3の各車軸7,8,9の右側の車輪4b,5b,6bが一つずつ載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第3の載台13は、車両3の左右全ての車輪4a,5a,6a;4b,5b,6bが同時に載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
【0018】
<第1ロードセル〜第4ロードセルの配置説明>
設置ベース2と第3の載台13との間には、第1ロードセル21、第2ロードセル22、第3ロードセル23および第4ロードセル24がそれぞれ介設されている。
第1ロードセル21は、第3の載台13における車両前進走行経路上流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。
第2ロードセル22は、第3の載台13における車両前進走行経路下流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。
第3ロードセル23は、第3の載台13における車両前進走行経路上流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
第4ロードセル24は、第3の載台13における車両前進走行経路下流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
【0019】
<第1ロードセル〜第4ロードセルの基本構造の説明>
図3に示されるように、第1ロードセル21〜第4ロードセル24は、ダブルコンベックス・ローディング方式のひずみゲージを用いたコラム型ロードセルであり、弾性体31と、密封ケーシング32とを備えている。
弾性体31は、例えばアルミニウム合金やステンレス等の金属製で略円柱形状に形成され、その軸線を鉛直方向に向けて起立配置されている。
弾性体31は、軸線方向中央部に形成される起歪部33と、上端に形成される上側凸面34と、下端に形成される下側凸面35とを有している。上側凸面34および下側凸面35はいずれも、所定の曲率半径Rの部分球面形状に形成されている。
弾性体31は、起歪部33が密封ケーシング32内に気密に収められ、上端部および下端部がそれぞれ密封ケーシング32から露出させた状態で密封ケーシング32に組み込まれている。
そして、起歪部33に貼り付けられた図示されない所要のひずみゲージは、弾性体31に作用した荷重をその大きさに応じて電気的な荷重信号に変換して出力する。
【0020】
<第1ロードセル〜第4ロードセルの上側受け部材および下側受け部材の説明>
弾性体31の上端部と第3の載台13との間には、上側受け部材36が介在されている。上側受け部材36は、水平座面37を有し、この水平座面37を弾性体31の上側凸面34に接触させた状態で第3の載台13に固定されている。
弾性体31の下端部と設置ベース2との間には、下側受け部材38が介在されている。下側受け部材38は、水平座面39を有し、この水平座面39を弾性体31の下側凸面35に接触させた状態で設置ベース2に固定されている。
【0021】
<復元力発生機構の基本構成の説明>
復元力発生機構は、弾性体31の上側凸面34および上側受け部材36の水平座面37と、弾性体31の下側凸面35および下側受け部材38の水平座面39とにより構成されている。復元力発生機構は、第3の載台13の水平方向の変位y
0に対して復元力Fを発生する。この復元力Fについて、
図4を用いて以下に説明する。
【0022】
<復元力の発生の理論説明>
図4には、第3の載台13の水平方向の変位y
0に伴って第1ロードセル21〜第4ロードセル24の弾性体31が垂直状態から横方向にy
0だけ移動してθだけ傾斜した状態が示されている。図中記号を以下のように定める。
y
0:弾性体31の上部の移動量
S:弾性体31の上部と下部の接触点長さ
H:弾性体31の高さ(ロードセル21〜24の高さ)
A:上側凸面34の曲率半径(=R)
B:下側凸面35の曲率半径(=R)
N:弾性体31に作用する垂直荷重
θ:弾性体31の傾斜角
なお、前記記号のうち、H,A,Bは既知の値であり、これらの値は後述するメモリ68に記憶される。
【0023】
<復元力の発生の理論説明>
図4において、弾性体31の傾斜角θの値が微小であるならば、次式(1)が成立する。
tanθ≒y
0/H ・・・(1)
また、弾性体31の上部と下部の接触点長さSは、次式(2)で表わすことができる。
S≒A・tanθ+(B−H)tanθ
=(A+B−H)・y
0/H ・・・(2)
そして、垂直荷重Nと復元力Fとの比Kは、次式(3)で表わすことができる。
K=F/N≒S/H=(A+B−H)・y
0/H
2 ・・・(3)
前記式(3)より復元力Fは、次式(4)で表わすことができる。
F=N・(A+B−H)・y
0/H
2 ・・・(4)
【0024】
<自由振動の初期条件を与えるアクチュエータの説明>
図2に示されるように、第3の載台13における第3ロードセル23および第4ロードセル24が設置されている側の近傍には、油圧シリンダ40が配置されている。油圧シリンダ40は、伸長作動時にピストンロッド40aで第3の載台13の側面を押して、第3の載台13に対し水平方向の力を加えることにより、第3の載台13に水平方向の変位と速度を与えることができようになっている。油圧シリンダ40は、第3の載台13に対し自由振動の初期条件を与えるアクチュエータとして機能する。なお、油圧シリンダ40に代えて、例えば空圧シリンダや磁性流体シリンダなどを用いることもできる。
ここで、「初期条件」とは、「初期変位」と「初期速度」とを含む概念であり、これらを総称するものである。
【0025】
<油圧シリンダの油圧回路の説明>
油圧シリンダ40は、電磁弁41を介して油圧ポンプ42に接続されている。油圧ポンプ42が電動モータ43の作動によって駆動されると、油圧ポンプ42からの圧油が電磁弁41の切換動作に応じて油圧シリンダ40のヘッド側油室またはボトム側油室に供給されるようになっている。
【0026】
<油圧シリンダの作動説明>
油圧シリンダ40の伸長指令を示す電磁弁制御信号が後述する制御装置60から電磁弁41に送信されると、電磁弁41はその電磁弁制御信号に応じて次のような油路切換動作を実行する。すなわち、電磁弁41は、油圧ポンプ42からの圧油を油圧シリンダ40のボトム側油室に供給すると同時に、油圧シリンダ40のヘッド側油室の内部の油をタンク44に還流させるような油路の切り換えを行う。これにより、油圧シリンダ40が伸長作動され、第3の載台13の側面がピストンロッド40aに押されて第3の載台13に水平方向の変位と速度が与えられる。
これに対し、油圧シリンダ40の収縮指令を示す電磁弁制御信号が後述する制御装置60から電磁弁41に送信されると、電磁弁41はその電磁弁制御信号に応じて次のような油路切換動作を実行する。すなわち、電磁弁41は、油圧ポンプ42からの圧油を油圧シリンダ40のヘッド側油室に供給すると同時に、油圧シリンダ40のボトム側油室の内部の油をタンク44に還流させるような油路の切り換えを行う。これにより、油圧シリンダ40が収縮作動され、第3の載台13とピストンロッド40aとの接触が解除される。
【0027】
<第3の載台の自由振動の説明>
第3の載台13を水平方向(y方向)に自由振動させるために、まず油圧シリンダ40の伸長・収縮動作により、第3の載台13に初期条件(初期変位と初期速度)を与える。第3の載台13には、水平方向の変位に対する復元力発生機構からの復元力Fが作用する。こうして、第3の載台13の水平方向の変位に対して復元力Fを作用させることで、第3の載台13を水平方向に自由振動させることができる。
【0028】
<変位センサの説明>
第3の載台13における第1ロードセル21および第2ロードセル22が設置されている側の近傍には、油圧シリンダ40と対向するように変位センサ45が配置されている。変位センサ45は、自由振動状態にある第3の載台13の変位を検出する変位検出手段として機能する。なお、変位センサ45としては、種々の方式のものを採用することができ、例えば光学式変位センサ、渦電流式変位センサ、差動変圧式変位センサなどが挙げられる。
【0029】
<加速度センサの説明>
第3の載台13における第1ロードセル21および第2ロードセル22が設置されている側の近傍には、油圧シリンダ40と対向するように加速度センサ46が配置されている。加速度センサ46は、自由振動状態にある第3の載台13の加速度を検出する加速度検出手段として機能する。なお、加速度センサ46としては、種々の方式のものを採用することができ、例えば静電容量形加速度センサや、金属ひずみゲージ式加速度センサ、半導体ひずみゲージ式加速度センサ、圧電式加速度センサなどが挙げられる。
【0030】
<第5ロードセル、第6ロードセルの配置説明>
図1に示されるように、設置ベース2と第1の載台11との間には、第5ロードセル25および、第6ロードセル26がそれぞれ介設されている。
第5ロードセル25は、第1の載台11の左側部を下側から支持することができるように配置されている。
第6ロードセル26は、第1の載台11の右側部を下側から支持することができるように配置されている。
【0031】
<第7ロードセル、第8ロードセルの配置説明>
設置ベース2と第2の載台12との間には、第7ロードセル27および、第8ロードセル28がそれぞれ介設されている。
第7ロードセル27は、第2の載台12の左側部を下側から支持することができるように配置されている。
第8ロードセル28は、第2の載台12の右側部を下側から支持することができるように配置されている。
【0032】
<第5ロードセル〜第8ロードセルの機能説明>
第5ロードセル25〜第8ロードセル28は、第1ロードセル21〜第4ロードセル24では設けられる復元力発生機構が特に設けられない汎用構造のひずみゲージ式コラム型ロードセルで、作用した荷重をその大きさに応じて電気的な荷重信号に変換して出力する機能を有するものである。
【0033】
<荷重鉛直伝達機構の説明>
設置ベース2と第2の載台12との間には、更に、所要の荷重鉛直伝達機構50が介設されている。この荷重鉛直伝達機構50は、設置ベース2に固定される脚部51と、平行四辺形状のリンク部52と、第2の載台12を支持する載台支持部53とを有し、リンク部52が第2の載台12の前後方向の偏心荷重の影響を消去するロバーバル機構を金属製の弾性体で一体的に構成したものである。この荷重鉛直伝達機構50を設置ベース2と第2の載台12との間に設けることにより、車両3の右側車輪4b,5b,6bから第2の載台12を介して第7ロードセル27および第8ロードセル28に作用する荷重を鉛直方向にのみ伝達させることができる。
なお、この荷重鉛直伝達機構50は設置ベース2と第1の載台11との間にも同様に介設されており、車両3の左側車輪4a,5a,6aから第1の載台11を介して第5ロードセル25および第6ロードセル26に作用する荷重を鉛直方向にのみ伝達させることができる。
【0034】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の制御系のシステム構成の説明>
図5に示されるように、第1の実施形態の重心位置測定装置1は、制御装置60と、操作装置61と、表示装置62とを備えている。
【0035】
<制御装置の概略説明>
制御装置60は、主として、増幅器63と、ローパスフィルタ64と、マルチプレクサ65と、A/D変換器66と、I/O回路67と、メモリ68と、マイクロプロセッサ(MPU:本発明の「三次元重心位置演算手段」に対応する。)69とにより構成されている。
増幅器63は、送り込まれる信号をA/D変換可能な大きさに増幅して送り出す機能を有している。
ローパスフィルタ64は、低域周波数のみを信号として通過させる機能を有している。
マルチプレクサ65は、送り込まれる複数の信号を選択制御信号の指令に基づいて選択的に送り出す機能を有している。
A/D変換器66は、マルチプレクサ65からのアナログ信号をデジタル信号に変換する機能を有している。
I/O回路67は、電磁弁41と、操作装置61と、表示装置62と、マルチプレクサ65と、A/D変換器66と、MPU69との間で各種の信号やデータの受け渡しを行う機能を有している。
メモリ68は、PROMやRAMなどで構成され、所定プログラムや基本データなどを長期的に記憶したり、種々のデータや演算用数値などを一時的に記憶したりする機能を有している。
MPU69は、メモリ68に格納されている所定プログラムの指示に従って、必要な信号をI/O回路67を介して受け取り、また必要なデータをメモリ68から受け取り、受け取った信号やデータに基づいて演算を実行する機能を有している。
【0036】
<操作装置の概略説明>
操作装置61は、操作スイッチや数値キーなどを備えてなり、測定開始・終了の動作や零点調整動作、使用モードの切り換え動作、数値設定動作などの種々の動作の際に用いられる。
【0037】
<表示装置の概略説明>
表示装置62は、例えば液晶ディスプレイからなり、測定結果や各種データの入出力画面などが表示される。
【0038】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の制御系システムの処理動作の概略説明>
重心位置測定装置1の制御系システムにおいては、各ロードセル21〜28、変位センサ45および加速度センサ46から出力されるそれぞれの信号が、増幅器63、ローパスフィルタ64、マルチプレクサ65、A/D変換器66およびI/O回路67を経由してMPU69に送られる。MPU69は、メモリ68に格納されている所定プログラムに従って、I/O回路67からの信号を取り込み、またメモリ68に記憶されている種々のデータを読み込み、これらの信号やデータに基づいて車両3の三次元重心位置の演算を実行する。そして、その演算結果は表示装置62に表示される。
【0039】
<MPUの機能説明>
MPU69においては、所定プログラムが実行されることにより、
図6に示されるような、幅方向重心位置演算部71、全長方向重心位置演算部72、重心高さ位置演算部73、電磁弁制御信号生成部74および表示信号生成部75のそれぞれの機能が実現される。なお、以下において、幅方向重心位置演算部71と全長方向重心位置演算部72とを総称して表現する際には「水平面的重心位置演算部70」と称することとする。
【0040】
<車両の重心Gの水平面的重心位置の座標(X
G,Y
G)の求め方の理論説明>
次に、主として、
図7〜
図9を用いて、車両3の重心Gの水平面的重心位置の座標(X
G,Y
G)の求め方について説明する。
図7において、車両3の幅方向の中心位置を通り全長方向に延びる車両中心線に沿ってX軸を定め、第1車軸7に沿ってY軸を定め、車両3の第1車軸7と車両中心線との交点に原点をとって、直交座標系O−XYを定める。
第3の載台13の幅方向の中心位置を通り全長方向に延びる中心線に沿ってx軸を定め、第3の載台13の全長方向の中心位置を通り幅方向に延びる中心線に沿ってy軸を定め、第3の載台13の中央に原点をとって、直交座標系o−xyを定める。
ロードセル21〜24のそれぞれの出力は無負荷時において零に調整されているものとする。
【0041】
<記号の定義(車両関連)の説明>
図7〜9中および理論式で用いる記号の意味を下記のとおり定義する。
G:車両3の重心
G
i:車両3の第i車軸両輪の輪重の合力作用点
i(=1,2,・・・,k):車軸番号
k:車軸数
X
G:座標系O−XYにおける車両3の全長方向の重心位置
Y
G:座標系O−XYにおける車両3の幅方向の重心位置
x
G:座標系o−xyにおける車両3の全長方向の重心位置
y
G:座標系o−xyにおける車両3の幅方向の重心位置
B
i:有効トレッド幅
なお、ここでの「トレッド幅」とは、左右の車輪の中心間距離(輪距)のことである。
l
j:車軸間距離
j(=1,2,・・・,k−1):車軸間番号(k≧2)
CL
T:トレッド幅の幅方向の中心位置を示す中心線
GL
i:合力作用点G
iを通る鉛直線
e
i:中心線CL
Tと鉛直線GL
iとの距離
【0042】
<記号の定義(ロードセル関連)の説明>
LC1:第1ロードセル21
LC2:第2ロードセル22
LC3:第3ロードセル23
LC4:第4ロードセル24
LC5:第5ロードセル25
LC6:第6ロードセル26
LC7:第7ロードセル27
LC8:第8ロードセル28
a:第1ロードセル21(第3ロードセル23)と第2ロードセル22(第4ロードセル24)との中心間距離
b:第1ロードセル21(第2ロードセル22)と第3ロードセル23(第4ロードセル24)との中心間距離
b
i:第5ロードセル25の中心点と第i車軸の左側輪重の作用点との距離
b
i´:第8ロードセル28の中心点と第i車軸の右側輪重の作用点との距離
C
i:第5ロードセル25の中心点と鉛直線GL
iとの距離
l
0:第2ロードセル22(第4ロードセル24)と第1車軸との中心間距離
なお、前記記号のうち、a,bは既知の値であり、これらの値は予めメモリ68に記憶される。
【0043】
<記号の定義(載台関連)の説明>
CL
S:第1の載台11と第2の載台12との中間位置を示す中心線
b
0:第1の載台11(第2の載台12)の幅寸法
L:第3の載台13の全長方向寸法
なお、前記記号のうち、b
0,Lは既知の値であり、これらの値は予めメモリ68に記憶される。
【0044】
<記号の定義(車両と載台との相対位置関連)の説明>
f:X軸とx軸との距離(中心線CL
Tと中心線CL
Sとの距離)
【0045】
<記号の定義(力学関連)の説明>
W
Li:輪重(左側)
W
Ri:輪重(右側)
W
i:第i軸の軸重
W:総重量
P
i:第iロードセルに作用する力(静荷重)〔=そのロードセルから載台に作用する力(静荷重)〕
P
j:第jロードセルに作用する力(静荷重)〔=そのロードセルから載台に作用する力(静荷重)〕
P
ij:P
i+P
j
P=P
1+P
2+P
3+P
4
P
i:第i車軸のPへの影響分
【0046】
<X
G,l
jの測定の説明:
図8参照>
図8には、車両が第3の載台に載る際の荷重変化の様子を表わす図で、第1車軸の位置xとP
13(x)およびP
13(t)との関係を表す図が示されている。
X
Gの測定には、l
jの測定が不可欠である。また、l
jは、第1ロードセル21〜第4ロードセル24の出力P
1(t)〜P
4(t)の波形により求めることができる。
【0047】
<l
1,l
2の求め方の説明>
P
13(t)波形に最初にピークが生じた時刻を時間の原点(t=0)にとり、それ以降に極値が生じた時刻をt
1,t
2,t
3とする。
P
13(0)に対応する第1車軸7の位置xと、第3の載台13の車両前進走行経路上流側端との距離をrとする。このrはタイヤ接地長の半分に相等する。また、P
13(0)に対応する第1車軸7の位置xと、第1ロードセル21(第3ロードセル23)の中心点との距離をsとする。
前記の距離sについて、次式(11)が成立する。
P
1(0)/(a+s)=W
1/a ・・・(11)
ここで、W
1=P
1(t),0<t<t
1である。
前記式(11)から次式(12)で示されるようにsを求めることができる。
s={P
1(0)/W
1−1}a ・・・(12)
一方、前記の距離rと距離sとについて、次式(13)が成立する。
r+s=L/2−a/2 ・・・(13)
前記式(13)から次式(14)で示されるようにrを求めることができる。
r=L/2−a/2−s ・・・(14)
【0048】
<l
1の求め方の説明>
第1車軸7と第2車軸8との距離l
1について、次式(15)で示される関係式が成立する。
P
1(0)/(a+s)=P
1(t
1)/(a+s−l
1+r) ・・・(15)
前記式(15)からl
1は次式(16)で示されるように求めることができる。
l
1=(a+s){1−P
1(t
1)/P
1(0)}+r ・・・(16)
【0049】
<l
2の求め方の説明>
第2車軸8と第3車軸9との距離l
2を求めるにあたって、まず、P
1(t
2),P
2(t
2)を求める。
P
1(t
2)について、次式(17)で示される関係式が成立する。
P
1(0)/(a+s)=P
1(t
2)/(a+s−l
1) ・・・(17)
前記式(17)からP
1(t
2)は次式(18)で示されるように求めることができる。
P
1(t
2)={(a+s−l
1)/(a+s)}P
1(0) ・・・(18)
また、P
2(t
2)は次式(19)から求めることができる。
P
2(t
2)=P
13(t
2)−P
1(t
2) ・・・(19)
【0050】
<l
2の求め方の説明>
次いで、P
1(t
3),P
2(t
3)をP
1(t
2),P
2(t
2),l
2で表わす。
P
1(t
3)について、次式(20)が成立する。
P
1(t
2)−P
1(t
3)={(l
2−r)/(a+s)}P
1(0)
・・・(20)
前記式(20)からP
1(t
3)は次式(21)で示されるように求めることができる。
P
1(t
3)=P
1(t
2)−{(l
2−r)/(a+s)}P
1(0)
・・・(21)
また、P
2(t
3)について、次式(22)が成立する。
P
2(t
2)−P
2(t
3)={(l
2−r)/(a+s)}P
2(t
2)
・・・(22)
前記式(22)からP
2(t
3)は次式(23)で示されるように求めることができる。
P
2(t
3)=P
2(t
2)−{(l
2−r)/(a+s)}P
2(t
2)
・・・(23)
【0051】
<l
2の求め方の説明>
P
13(t
3)は次式(24)で表わすことができる。
P
13(t
3)=P
1(t
3)+P
2(t
3) ・・・(24)
前記式(24)に前記式(21)および式(23)をそれぞれ代入する。
P
13(t
3)=P
1(t
2)−{(l
2−r)/(a+s)}P
1(0)
+P
2(t
2)−{(l
2−r)/(a+s)}P
2(t
2)
・・・(25)
前記式(25)は次式(26)に示されるように変形することができる。
{(l
2−r)/(a+s)}・(P
1(0)+P
2(t
2))=
P
1(t
2)+P
2(t
2)−P
13(t
3) ・・・(26)
前記式(26)からl
2は次式(27)で示されるように求めることができる。
l
2=(a+s)[{(P
1(t
2)+P
2(t
2)−P
13(t
3)}/{(P
1(0)+P
2(t
2)}]+r ・・・(27)
【0052】
<X
Gの求め方の説明>
図7(b)から明らかなように、車両3の全長方向の重心位置X
Gは、次式(28)で表わすことができる。
X
G=−{(a/2−l
0)−x
G} ・・・(28)
全ての車輪4a,5a,6a;4b,5b,6bが第3の載台13上に載った状態(t
4<t<t
5:
図7(a´)参照)におけるモーメントのつりあいから次式(29)が成立する。
W
1l
0+W
2(l
0+l
1)+W
3(l
0+l
1+l
2)−P
13a=0
・・・(29)
前記式(29)からl
0は次式(30)で示されるように求めることができる。
l
0={P
13a−W
2l
1−W
3(l
1+l
2)}/W ・・・(30)
ここで、前記式(30)中のWは次式(31)で表わされるものである。
【数1】
【0053】
<X
Gの求め方の説明>
また、同様に車両3の時刻t(t
4<t<t
5)におけるモーメントのつりあいから次式(32)が成立する。
(a/2+x
G)P=aP
24 ・・・(32)
ここで、前記式(32)中のPは次式(33)で表わされるものである。
【数2】
前記式(32)からx
Gは次式(34)で示されるように求めることができる。
x
G=a(P
24/P−1/2) ・・・(34)
前記式(28)(30)(34)から車両3の全長方向の重心位置X
Gを求めることができる。
【0054】
<Y
G,B
iの測定の説明:
図9参照>
図9には、車両が第1の載台および第2の載台に載った際にそれら載台に作用する荷重の状態図(a)および車軸毎の合力作用点位置を示すスケルトン(b)がそれぞれ示されている。
Y
Gの測定には、B
iとb
i,b
i´測定が不可欠である。
【0055】
<Y
G,B
iの求め方の説明>
図9(a)(b)より明らかなように、車両3の幅方向の重心位置Y
Gに関して次式(35)が成立する。
(W
1+W
2+W
3)Y
G=W
1e
1+W
2e
2+W
3e
3 ・・・(35)
前記式(35)からY
Gは次式(36)のように表わすことができる。
Y
G=(W
1e
1+W
2e
2+W
3e
3)/(W
1+W
2+W
3) ・・・(36)
図9(a)に示される状態におけるモーメントのつりあいの式からC
iは次式(37)のように表わすことができる。
C
i={b
iW
Li+(b
i+B
i)W
Ri}/W
i
=b
i+W
RiB
i/W
i ・・・(37)
ここで、W
Riは次式(38)から求めることができる。
W
Ri=P
i78 ・・・(38)
【0056】
<Y
G,B
iの求め方の説明>
図9(a)から明らかなようにe
iは次式(39)のように表わすことができる。
e
i=b
i+B
i/2−C
i ・・・(39)
前記式(39)に前記式(37)を代入すると、e
iは次式(40)のように表わすことができる。
e
i=b
i+B
i/2−b
i+W
RiB
i/W
i
=B
i/2−W
RiB
i/W
i
=(1/2−W
Ri/W
i)B
i ・・・(40)
【0057】
<Y
G,B
iの求め方の説明>
Y
Gは前記式(36)(40)から次式(41)のように表わすことができる。
【数3】
図9(a)から明らかなようにB
iは次式(42)のように表わすことができる。
B
i=b−(b
i+b
i´) ・・・(42)
b
iは、第5ロードセル25および第6ロードセル26に作用する荷重の比から次式(43)から求めることができる。
b
i=(P
6/P
56)b
0 ・・・(43)
同様にして、b
i´は第7ロードセル27および第8ロードセル28に作用する荷重の比から次式(44)から求めることができる。
b
i´=(P
7/P
78)b
0 ・・・(44)
前記式(41)(42)(43)(44)から車両3の幅方向の重心位置Y
Gを求めることができる。
【0058】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の水平面的重心位置の計測動作の説明>
次に、重心位置測定装置1の水平面的重心位置の計測動作について、主に、
図6の機能ブロック図および
図10フローチャートを用いて以下に説明する。なお、
図10において記号「S」および「T」はそれぞれステップを表わす。
【0059】
<ステップS1〜ステップS3の処理内容の説明>
幅方向重心位置演算部71は、第5ロードセル25〜第8ロードセル28の荷重信号を読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(42)(43)(44)とに基づいて、有効トレッド幅B
iを演算するとともに、求められた有効トレッド幅B
iの値と、前記式(41)とに基づいて、座標系O−XYにおける車両3の幅方向の重心位置Y
Gを演算する(S1)。
そして、表示信号生成部75は、幅方向重心位置演算部71による演算結果を表示装置62に表示させる表示信号を生成する(S2)。これにより、表示装置62には、車両3の幅方向の重心位置の値が表示される(S3)。
【0060】
<ステップT1〜ステップT3の処理内容の説明>
全長方向重心位置演算部72は、第1ロードセル21〜第4ロードセル24の荷重信号を読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(16)(27)とに基づいて、車軸間距離l
1,l
2を演算するとともに、算出された車軸間距離l
1,l
2の値と、前記式(28)(30)(34)とに基づいて、座標系O−XYにおける車両3の全長方向の重心位置X
Gを演算する(T1)。
そして、表示信号生成部75は、全長方向重心位置演算部72による演算結果を表示装置62に表示させる表示信号を生成する(T2)。これにより、表示装置62には、車両3の全長方向の重心位置の値が表示される(T3)。
【0061】
<車両の重心高さhの求め方の理論説明>
次に、車両3の重心高さhの求め方について、主に
図11および
図12を用いて以下に説明する。以下の理論説明では、車両3が載せられた第3の載台13が自由振動状態にあることが前提となる。油圧シリンダ40にて自由振動の初期条件を与えるとともに、復元力発生機構からの復元力Fを作用させることにより、車両3が載せられた第3の載台13を水平方向(y方向)に自由振動させる。なお、
図12では、静止時における車両3の重心Gのy座標y
Gをdで表わしている。また、o−yz座標系は空間に固定した座標系とする。また、理論説明の簡単化のために、第3の載台13は密度が一定の直方体と仮定する。座標系o−xyzの原点は第3の載台13の中央にとる。ロードセル21〜24のそれぞれの出力は無負荷時において零に調整されているものとする。
【0062】
ここで、以下の説明で用いる新しい記号を定義しておく。
【0064】
なお、前記記号のうち、m
0,c,eは既知の値であり、これらの値は予めメモリ68に記憶される。
【0065】
車両3が剛体であるならば、車両3の重心Gと第3の載台13の重心G
0とのZ方向の相対変位は零である。車両3が非剛体の場合、その相対変位は零ではないが、その量は微小である。よって、その相対変位の量は以下の運動方程式において無視することとする。すなわち、Z
0(t)=Z
G(t)とおく。このとき、系の運動方程式は次式(49),(50)で表わされる。
【0067】
前記式(49),(50)は、車両3が剛体であるか否かとは関係なく成立する。
また、転倒モーメントのつりあい条件として次式(51)を得る。
【0068】
【数5】
ここに、δは、重心Gの重心G
0に対するy方向の相対変位である。δは(b/2−d)に比較して微小であるから以下の式変形においては無視する。
【0070】
【数6】
前記式(52)より、車両3の重心高さhを求める次式(53)が得られる。
【0072】
前述した復元力Fを求める式(4)において、弾性体31に作用する垂直荷重NはMg(g:重力加速度)、弾性体31の上側凸面34および下側凸面35の曲率半径A,Bはいずれも所定半径Rであるから、ロードセル21〜24によって支持される第3の載台13の復元力Fは、次式(54)で表わすことができる。
【0073】
【数8】
前記式(54)を前記式(53)に代入してhを書き直すと次式(55)となる。
【0074】
【数9】
ただし、kは次式(56)で表わされるものである。
【数10】
【0077】
ここで、「剛体」とは、外力による変形が全く生じない「完全剛体」と、外力による変形が若干生じてもその変形による重心高さ測定上の影響が極めて少なくて完全剛体と見なしても何ら支障がない「見なし剛体」とを包含するものである。また、「非剛体」とは、外力による変形が生じてその変形の影響が重心高さ測定上無視できない物体を総称して表現したものである。
【0080】
<ロードセルで検出される荷重信号の補正の説明>
ところで、第3の載台13の水平方向の自由振動に伴って、ロードセル21〜24は回転振動となる。これにより、ロードセル21〜24の軸方向に作用する荷重は、回転角θの関数となる。今、ロードセル21〜24で検出される荷重P
i´(t)が前記の軸方向荷重であると仮定する。
【0081】
このとき、P
i´(t)は次式(58)で表わすことができる。
【数13】
ただし、Fi(t)およびθはそれぞれ次式(59)および式(60)で表わされる。
【数14】
【数15】
ここに、F
i(t)は、各ロードセル21〜24に生じる復元力Fの符号を逆にしたものである。
前記式(58)により次式(58)´が得られる。
【数16】
この式(58)´によりP
i(t)がP
i´(t)とy
0(t)から求まることがわかる。
なお、傾斜補正の成されたデジタルロードセルを用いる場合は、その出力はP
i(t)であるから、上述の補正は不要となる。
【0082】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の重心高さ位置の計測動作の説明>
以上に述べたように構成される重心位置測定装置1の重心高さ位置の計測動作について、主に、
図6の機能ブロック図、
図13のフローチャートおよび
図14のタイムチャートを用いて以下に説明する。なお、
図13において記号「S」はステップを表わす。
以下の計測動作説明は、車両3が荷物を載せた車両(貨物トラック)である場合の例である。
【0083】
<ステップS11〜S14の処理内容の説明>
第3の載台13に進入した車両3が停止するまで待機する(S11)。
車両3が停止した時刻t
1から微小時間Δtだけ経過した時刻(t
1+Δt)以降において、水平面的重心位置演算部70は、ロードセル21〜24からの静荷重信号P
i(i=1,2,3,4)を読み込むとともに、読み込んだ静荷重信号P
iから車両3の質量(重量)を求める(S12)。
また、水平面的重心位置演算部70は、次式(56)に基づいてkを演算する(S13)とともに、前述したステップS1およびステップT1(
図10参照)の処理をそれぞれ実行して、車両3の重心Gの平面座標(x
G,y
G)を算出する(S14)。
【数17】
【0084】
<ステップS15の処理内容の説明>
時刻t
2において、電磁弁制御信号生成部74は、油圧シリンダ40の伸長作動を示す電磁弁制御信号を電磁弁41に送信する。これにより、油圧シリンダ40が伸長作動され、第3の載台13の側面がピストンロッド40aに押されて第3の載台13に水平方向の変位と速度が与えられる。その後、あらかじめ定められた変位において、電磁弁制御信号生成部74は、油圧シリンダ40の収縮作動を示す電磁弁制御信号を電磁弁41に送信する。これにより、油圧シリンダ40が収縮作動され、第3の載台13とピストンロッド40aとの接触が解除され、第3の載台13に自由振動の初期条件が与えられる。そして、第3の載台13には水平方向の変位に対する復元力発生機構からの復元力Fが作用するため、第3の載台13は水平方向(y方向)に自由振動する。
【0085】
<ステップS16,S17の処理内容の説明>
(文6)
【0086】
<ステップS18の処理内容の説明>
第3の載台13が静止した時刻t
4以降から時刻t
5の間において、重心高さ位置演算部73は、ステップS12で取得した静荷重信号P
iとステップS16で収得した動荷重信号P
i(t)とに基づいてΔP(t)およびΔP
34(t)をそれぞれ演算する。
【0087】
<ステップS19の処理内容の説明>
時刻t
5以降から時刻t
6の間において、重心高さ位置演算部73は、次式(55)に基づいて車両3の重心Gの重心高さhを演算する。なお、hの測定値は、あらかじめ定めた時間区間内の各サンプリング時刻において式(55)で計算されたhの平均値とする。
【数18】
【0088】
<ステップS20の処理内容の説明>
そして、表時信号生成部75は、ステップS19の演算の結果得られた重心高さhの値を表示装置62に表示させる表示信号を生成する。これにより、ステップS19の演算で求められた重心高さhの値が表示装置62に表示される。
【0089】
<重心位置測定装置の作用効果の説明>
重心位置測定装置1によれば、簡易かつ安価な構成で車両3の三次元の重心位置、すなわち水平面的重心位置G(X
G,Y
G)と重心高さhとを測定することができ、車両3の横転防止に資する有効なデータを運転者等に提供することができる。
【0090】
ところで、上記においては、貨物10を収容したコンテナ3C全体を積載した車両3全体の重心位置の測定方法を説明した。しかし、コンテナ3Cは様々な手段で輸送され、その時々に応じて別の車両に積載される。このとき、別の車両との組み合わせによっては、全体として横転し易い危険な重心位置になる場合がある。したがって、以下において、コンテナ3Cそれ自体の重心位置や、コンテナ3Cと車両3単体とを組み合わせた際の重心位置など、要望に応じて、複数の測定対象物候補の中から特定のものを測定対象物としてその重心位置を測定する重心測定方法について説明することとする。
【0091】
ここで、以下の説明で用いる新しい記号を定義しておく。
【0092】
<記号の定義の説明>
m
1:トラクタ3a単体(牽引車両単体)の質量
m
2:トレーラ3b単体(被牽引車両単体)の質量
m
3:コンテナ3c単体(積荷単体)の質量
m
4:貨物10単体(積荷単体)の質量
m
12:車両3単体の質量
m
23:トレーラ3b全体(貨物10無)の質量
m
34:コンテナ3c全体の質量
m
123:車両3全体(貨物10無)の質量
m
234:トレーラ3b全体(貨物10有)の質量
m
1234:車両3全体(貨物10有)の質量
G
1:トラクタ3a単体の重心
G
2:トレーラ3b単体の重心
G
3:コンテナ3c単体の重心
G
4:貨物10単体の重心
G
12:車両3単体の重心
G
23:トレーラ3b全体(貨物10無)の重心
G
34:コンテナ3c全体の重心
G
123:車両3全体(貨物10無)の重心
G
234:トレーラ3b全体(貨物10有)の重心
G
1234:車両3全体(貨物10有)の重心
(X
1,Y
1,Z
1):重心G
1の座標
(X
2,Y
2,Z
2):重心G
2の座標
(X
3,Y
3,Z
3):重心G
3の座標
(X
4,Y
4,Z
4):重心G
4の座標
(X
12,Y
12,Z
12):重心G
12の座標
(X
23,Y
23,Z
23):重心G
23の座標
(X
34,Y
34,Z
34):重心G
34の座標
(X
123,Y
123,Z
123):重心G
123の座標
(X
234,Y
234,Z
234):重心G
234の座標
(X
1234,Y
1234,Z
1234):重心G
1234の座標
【0093】
<車両全体(貨物有)の質量と重心の求め方の説明>
車両3全体(貨物10有)、すなわちトラクタ3a単体とトレーラ3b単体とコンテナ3c単体と貨物10単体とを組み合わせたものの質量m
1234は、この車両3全体(貨物10有)に対して、前記ステップS12(
図13参照)の処理が実行されることによって求められる。
また、車両3全体(貨物10有)の重心G
1234の座標(X
1234,Y
1234,Z
1234)は、この車両3全体(貨物10有)に対して、前記ステップS1,T1(
図10参照)の処理と、前記ステップS11〜ステップS19(
図13参照)の処理とが実行されることによって求められる。
【0094】
<車両全体(貨物無)の質量と重心の求め方の説明>
車両3全体(貨物10無)、すなわちトラクタ3a単体とトレーラ3b単体とコンテナ3c単体とを組み合わせたものの質量m
123は、この車両3全体(貨物10無)に対して、前記ステップS12(
図13参照)の処理が実行されることによって求められる。
また、車両3全体(貨物10無)の重心G
123の座標(X
123,Y
123,Z
123)は、この車両3全体(貨物10無)に対して、前記ステップS1,T1(
図10参照)の処理と、前記ステップS11〜ステップS19(
図13参照)の処理とが実行されることによって求められる。
【0095】
<車両単体の質量と重心の求め方の説明>
車両3単体、すなわちトラクタ3a単体とトレーラ3b単体とを組み合わせたものの質量m
12は、この車両3単体に対して、前記ステップS12(
図13参照)の処理が実行されることによって求められる。
また、車両3単体の重心G
12の座標(X
12,Y
12,Z
12)は、この車両3単体に対して、前記ステップS1,T1(
図10参照)の処理と、前記ステップS11〜ステップS19(
図13参照)の処理とが実行されることによって求められる。
ここで、車両3単体の重心位置は、運転手の違いや燃料の搭載量などにより僅かに変化する可能性があるものの、それらは全体に対して無視することができるほど小さな変化である。そのため、車両3単体の重心位置は一度測定した値を、次回以降は固定値として使用することができる。なお、測定せずとも車両設計時の設計値を使用してもよい。
【0096】
<メモリに記憶される既知の値の説明>
上記において求められた質量m
1234,m
123,m
12の値および重心G
1234,G
123,G
12の座標(X
1234,Y
1234,Z
1234),(X
123,Y
123,Z
123),(X
12,Y
12,Z
12)の値はそれぞれ既知の値として、メモリ68に記憶される。
【0097】
<コンテナ全体の質量と重心の求め方の説明>
次に、上記のメモリ68に記憶される既知の値に基づいて、コンテナ3c全体、すなわちコンテナ3c単体に貨物10が収容されてなるものの質量m
34と重心G
34の求め方について説明する。
車両3全体(貨物10有)と車両3単体とコンテナ3c全体との間における質量および重心について、次式(71)(72)(73)(74)で表わされる関係式が成立する。
m
1234=m
12+m
34 ・・・(71)
m
1234X
1234=m
12X
12+m
34X
34 ・・・(72)
m
1234Y
1234=m
12Y
12+m
34Y
34 ・・・(73)
m
1234Z
1234=m
12Z
12+m
34Z
34 ・・・(74)
コンテナ3c全体の質量m
34および重心G
34(X
34,Y
34,Z
34)は、車両3全体(貨物10有)の質量m
1234および重心G
1234(X
1234,Y
1234,Z
1234)と、車両3単体の質量m
12および重心G
12(X
12,Y
12,Z
12)とに基づいて以下のようにして求められる。
前記(71)式からコンテナ3c全体の質量m
34は次式(75)によって求められる。
m
34=m
1234−m
12 ・・・(75)
前記(72)(73)(74)式からコンテナ3c全体の重心G
34(X
34,Y
34,Z
34)は次式(76)(77)(78)によって求められる。
X
34=(m
1234X
1234−m
12X
12)/m
34 ・・・(76)
Y
34=(m
1234Y
1234−m
12Y
12)/m
34 ・・・(77)
Z
34=(m
1234Z
1234−m
12Z
12)/m
34 ・・・(78)
このようにして求められたコンテナ3c全体の質量m
34の値と重心G
34の座標(X
34,Y
34,Z
34)の値は、そのコンテナ3c全体の固有の値として、メモリ68に記憶される。
【0098】
<コンテナ単体の質量と重心の求め方の説明>
次に、上記のメモリ68に記憶される既知の値に基づいて、コンテナ3c単体の質量m
3と重心G
3の求め方について説明する。
車両3全体(貨物10無)と車両3単体とコンテナ3c単体との間における質量および重心について、次式(81)(82)(83)(84)で表わされる関係式が成立する。
m
123=m
12+m
3 ・・・(81)
m
123X
123=m
12X
12+m
3X
3 ・・・(82)
m
123Y
123=m
12Y
12+m
3Y
3 ・・・(83)
m
123Z
123=m
12Z
12+m
3Z
3 ・・・(84)
コンテナ3c単体の質量m
3および重心G
3(X
3,Y
3,Z
3)は、車両3全体(貨物10無)の質量m
123および重心G
123(X
123,Y
123,Z
123)と、車両3単体の質量m
12および重心G
12(X
12,Y
12,Z
12)とに基づいて以下のようにして求められる。
前記(81)式からコンテナ3c単体の質量m
3は次式(85)によって求められる。
m
3=m
123−m
12 ・・・(85)
前記(82)(83)(84)式からコンテナ3c単体の重心G
3(X
3,Y
3,Z
3)は次式(86)(87)(88)によって求められる。
X
3=(m
123X
123−m
12X
12)/m
3 ・・・(86)
Y
3=(m
123Y
123−m
12Y
12)/m
3 ・・・(87)
Z
3=(m
123Z
123−m
12Z
12)/m
3 ・・・(88)
このようにして求められたコンテナ3c単体の質量m
3の値と重心G
3の座標(X
3,Y
3,Z
3)の値は、コンテナ3c単体の固有の値として、メモリ68に記憶される。
【0099】
<貨物単体の質量と重心の求め方(1)の説明>
次に、上記のメモリ68に記憶される既知の値に基づいて、貨物単体の質量m
4と重心G
4の求め方について説明する。
車両3全体(貨物10有)と車両3全体(貨物10無)と貨物10単体との間における質量および重心について、次式(91)(92)(93)(94)で表わされる関係式が成立する。
m
1234=m
123+m
4 ・・・(91)
m
1234X
1234=m
123X
123+m
4X
4 ・・・(92)
m
1234Y
1234=m
123Y
123+m
4Y
4 ・・・(93)
m
1234Z
1234=m
123Z
123+m
4Z
4 ・・・(94)
貨物10単体の質量m
4および重心G
4(X
4,Y
4,Z
4)は、車両3全体(貨物10有)の質量m
1234および重心G
1234(X
1234,Y
1234,Z
1234)と、車両3全体(貨物無)の質量m
123および重心G
123(X
123,Y
123,Z
123)とに基づいて以下のようにして求められる。
前記(91)式から貨物10単体の質量m
4は次式(95)によって求められる。
m
4=m
1234−m
123 ・・・(95)
前記(92)(93)(94)式から貨物10単体の重心G
4(X
4,Y
4,Z
4)は次式(96)(97)(98)によって求められる。
X
4=(m
1234X
1234−m
123X
123)/m
4 ・・・(96)
Y
4=(m
1234Y
1234−m
123Y
123)/m
4 ・・・(97)
Z
4=(m
1234Z
1234−m
123Z
123)/m
4 ・・・(98)
こうして、貨物10単体の質量と重心位置とが求められ、貨物10の種類が分かれば、コンテナ3c内における貨物10のおおよその積載状態を推測することができる。
【0100】
<貨物単体の質量と重心の求め方(2)の説明>
貨物単体の質量m
4と重心G
4に関するその他の求め方について説明する。
コンテナ3c全体とコンテナ3c単体と貨物10単体との間における質量および重心について、次式(101)(102)(103)(104)で表わされる関係式が成立する。
m
34=m
3+m
4 ・・・(101)
m
34X
34=m
3X
3+m
4X
4 ・・・(102)
m
34Y
34=m
3Y
3+m
4Y
4 ・・・(103)
m
34Z
34=m
3Z
3+m
4Z
4 ・・・(104)
貨物10単体の質量m
4および重心G
4(X
4,Y
4,Z
4)は、コンテナ3c全体の質量m
34および重心G
34(X
34,Y
34,Z
34)と、コンテナ3c単体の質量m
3および重心G
3(X
3,Y
3,Z
3)とに基づいて以下のようにして求められる。
前記(101)式から貨物10単体の質量m
4は次式(105)によって求められる。
m
4=m
34−m
4 ・・・(105)
前記(102)(103)(104)式から貨物10単体の重心G
4(X
4,Y
4,Z
4)は次式(106)(107)(108)によって求められる。
X
4=(m
34X
34−m
3X
3)/m
4 ・・・(106)
Y
4=(m
34Y
34−m
3Y
3)/m
4 ・・・(107)
Z
4=(m
34Z
34−m
3Z
3)/m
4 ・・・(108)
こうして、貨物10単体の質量と重心位置とが求められ、貨物10の種類が分かれば、コンテナ3c内における貨物10のおおよその積載状態を推測することができる。
【0101】
第1の実施形態の重心位置測定装置1によれば、以下の(1)〜(4)ような作用効果を得ることができる。
(1)貨物10が収容されたコンテナ3c全体を積載する車両3全体、および車両3単体のそれぞれの重心位置を測定することで、貨物10が積み込まれたコンテナ3cの重心位置を知ることができる。
(2)貨物10が収容されたコンテナ3c全体の重心位置が判明した際に、現在の積込状態が危険である場合には、予め分かっている車両3の重心位置と組み合わせて最も安全な組み合わせに変更することができる。
(3)貨物10が収容されたコンテナ3c全体の重心位置とコンテナ3cの荷主や重量などのデータを結びつけてデータベース化することにより、荷主ごとの荷物の積込状態の傾向などを知ることができる。
(4)貨物10が収容されたコンテナ3c全体の重心位置の情報をコンテナ3cに貼り付けられるRFID(Radio Frequency IDentification)タグに記憶させることで、例えば船積みする際に最適なコンテナ3cの配置を予め知ることができる。
【0102】
〔第2の実施形態〕
図15には、本発明の第2の実施形態に係る重心位置測定装置の構造を説明する平面図が示されている。
なお、第2の実施形態の重心位置測定装置91において、第1の実施形態の重心位置測定装置1と同一または同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略し、以下においては第1の実施形態の重心位置測定装置1と異なる点を中心に説明することとする。
【0103】
本実施形態の重心位置測定装置91は、車両3におけるトラクタ3aの適宜位置に貼り付けられたRFIDタグ310(
図7(a)(a´)参照)に記憶されている情報を読み取るRFIDリーダ92と、四隅が第1ロードセル21、第2ロードセル22、第3ロードセル23および第4ロードセル24によって支持されるコンテナ用載台93とを備えている。
ここで、コンテナ用載台93は、コンテナ3c単体に貨物10が収容されたコンテナ3c全体を載置するのに十分な大きさと強度を備える四角形板状部材で構成され、基本的にコンテナ3c全体の重量や重心位置測定のためにのみ用いられる。
【0104】
RFIDリーダ92は、
図17に示されるように、I/O回路67に接続されており、RFIDタグ310からRFIDリーダ92によって読み取られた情報は、I/O回路67を介してMPU69に読み込まれてメモリ68に記憶される。
ここで、RFIDタグ310に記憶されている情報としては、例えば、車両3に関する質量情報{m
1,m
2,m
12}や重心位置情報{G
1(X
1,Y
1,Z
1),G
2(X
2,Y
2,Z
2),G
12(X
12,Y
12,Z
12)}、軸距や輪距、トレーラ3bの地上高寸法T
H等の車両諸元などの情報が挙げられる。
なお、コンテナ3c単体に関する質量情報{m
3}や重心位置情報{G
3(X
3,Y
3,Z
3)}は既知の値として、予めメモリ68に記憶されている。
【0105】
<MPUの機能説明>
MPU69においては、所定プログラムが実行されることにより、
図18に示されるような、車両三次元重心位置演算部94の機能が実現される。
【0106】
<コンテナ全体の重心G
34の水平面的重心座標G
34(X
34,Y
34)の求め方の理論説明>
次に、主として、
図15および
図16を用いて、コンテナ3c全体の重心G
34の水平面的重心座標G
34(X
34,Y
34)の求め方について説明する。
【0107】
<座標系o−xyzの定義の説明>
コンテナ用載台93の表面上においてコンテナ用載台93の幅方向の中心位置を通り全長方向に延びる幅方向中心線に沿ってx軸を定め、コンテナ用載台93の表面上においてコンテナ用載台93の全長方向の中心位置を通り幅方向に延びる全長方向中心線に沿ってy軸を定め、これらx軸とy軸との交点を通る鉛直線に沿ってz軸を定め、これらx軸、y軸およびz軸の交点に原点oをとって、座標系o−xyzを定める。
【0108】
<座標系O´−X´Y´Z´の定義の説明>
コンテナ3c全体の底面上においてコンテナ3c全体の幅方向の中心位置を通り全長方向に延びる幅方向中心線に沿ってX´軸を定め、コンテナ3c全体の底面上においてコンテナ3c全体の全長方向の中心位置を通り幅方向に延びる全長方向中心線に沿ってY´軸を定め、これらX´軸とY´軸との交点を通る鉛直線に沿ってZ´軸を定め、これらX´軸、Y´軸およびZ´軸の交点に原点O´をとって、座標系O´−X´Y´Z´を定める。
【0109】
<座標系座標系O−XYZの定義の説明>
車両3(
図7参照)の幅方向の中心位置を通り全長方向に延びる鉛直面と、車両3の車輪接地面との交線に沿ってX軸を定め、第1車軸7を通り幅方向に延びる鉛直面と、車両3の車輪接地面との交線に沿ってY軸を定め、これらX軸とY軸との交点を通る鉛直線に沿ってZ軸を定め、これらX軸、Y軸およびZ軸の交点に原点Oをとって、座標系O−XYZを定める。
【0110】
<コンテナ用載台に付された目印の説明>
重心位置等の測定を行うにあたっては、例えばクレーンやフォークリフトを用いて、コンテナ3c全体をコンテナ用載台93上の所定の位置に載置するものとする。この際、コンテナ用載台93に対するコンテナ3c全体の位置決めを容易に行えるようにするために、コンテナ用載台93の表面には、コンテナ3c全体の底部四隅のそれぞれの角部に対応させるように位置合わせ用の目印95が付されている。
これら目印95にコンテナ3c全体の底部四隅を合せるようにコンテナ3c全体をコンテナ用載台93上に載置したとき、
図15に示されるように、X´軸とx軸との距離はδ
1であり、Y´軸とy軸との距離はδ
2であり、これらδ
1,δ
2は既知の値として予めメモリ68に記憶される。
コンテナ3c単体の外形寸法は国際規格で固定値であり、コンテナ用載台93の外形寸法は設計値であり、4つの目印95で示された所定の位置にコンテナ3c全体を載置した際のコンテナ3c全体とコンテナ用載台93との相対位置関係を規定しておけば、コンテナ用載台93の平面座標上に投影されたコンテナ3c全体の平面的重心位置を求めることで、コンテナ3c全体それ自体の平面座標上におけるコンテナ3c全体の平面的重心位置を求めることができる。
なお、通常は、δ
1=0、δ
2=0として、すなわちコンテナ3C全体の中心とコンテナ用載台93の中心とを一致させるように、4つの目印95で示される所定の位置を規定するのが好ましい。
【0111】
<重心G
34の水平面的重心座標(x
34,y
34)の求め方の理論説明>
次に、コンテナ3c全体の水平面的重心座標、すなわちコンテナ用載台93に載せられたコンテナ3c全体の重心G
34をコンテナ用載台93の水平面(o−xy平面)に射影したときのその面上における重心G
34の座標(x
34,y
34)の求め方について説明する。
なお、理論説明の簡単化のために、コンテナ用載台93は密度が一定の直方体と仮定する。ロードセル21〜24のそれぞれの出力は無負荷時において零に調整されているものとする。
図15中の記号および理論式で用いる記号の意味を下記のとおり定義する。
【0112】
<記号の定義の説明>
G
0:コンテナ用載台93の重心
a:ロードセル21(23)とロードセル22(24)との間の距離
b:ロードセル21(22)とロードセル23(24)との間の距離
c:コンテナ用載台93の高さ
H:ロードセル21〜24の高さ(弾性体31の高さ)
P
i:各ロードセル11〜14に作用する静荷重(i=1,2,3,4)
P:コンテナ3c全体の自重(=P
1+P
2+P
3+P
4)
P
12:P
1+P
2
P
24:P
2+P
4
なお、上記記号のうち、a,b,c,H,Rは既知の値であり、これらの値は予めメモリ68に記憶される。
【0113】
<重心G
34のo−xy平面上における座標(x
34,y
34)の求め方の理論説明>
モーメントのつりあい条件として次式(115),(116)が成り立つ。
P
24a−P(a/2+x
34)=0 ・・・(115)
P
12b−P(b/2+y
34)=0 ・・・(116)
上記式(115),(116)より次式(117),(118)が得られる。
x
34=a(P
4/P−1/2) ・・・(117)
y
34=b(P
12/P−1/2) ・・・(118)
よって、P
24,P
12およびPの測定値を上記式(117),(118)に代入して計算することにより、重心G
34のo−xy平面上における座標(x
34,y
34)を求めることができる。
【0114】
<重心G
34のO´−X´Y´平面上における座標(X´
34,Y´
34)の求め方の理論説明>
図15から明らかなように、次式(121)(122)が成立する。
x
34=X´
34+δ
2 ・・・(121)
y
34=Y´
34+δ
1 ・・・(122)
これら式(121)(122)からX´
34およびY´
34はそれぞれ次式(123)および次式(124)で表わすことができる。
X´
34=x
34−δ
2 ・・・(123)
Y´
34=y
34−δ
1 ・・・(124)
【0115】
<重心G
34のO−XY平面上における座標(X
34,Y
34)の求め方の理論説明>
車両3において、トレーラ3b上にコンテナ3c全体を載置したとき、
図16(b)に示されるように、X軸とX´軸との距離はδ
3であり、Y軸とY´軸との距離はδ
4であり、これらδ
3,δ
4は既知の値としてメモリ68に記憶される。
なお、トレーラ3b上にコンテナ3c全体が積載された車両3においては、通常、車両3の幅方向の中心位置を通り全長方向に延びる車両中心線と、コンテナ3c全体の幅方向の中心位置を通り全長方向に延びる幅方向中心線とは設計上一致されるので、X軸とX´軸との距離δ
3は0である。
【0116】
図16(b)から明らかなように、次式(131)(132)が成立する。
X
34=X´
34+δ
4 ・・・(131)
Y
34=Y´
34+δ
3 ・・・(132)
これら式(131)(132)と前記式(123)(124)とからX
34およびY
34はそれぞれ次式(133)および次式(134)で表わすことができる。
X
34=x
34−δ
2+δ
4 ・・・(133)
Y
34=y
34−δ
1+δ
3 ・・・(134)
こうして、重心G
34のO−XY平面上における座標(X
34,Y
34)を、前記式(117)(118)から求められる重心G
34のo−xy平面上における座標(x
34,y
34)用いて求めることができる。
【0117】
<コンテナ3c全体の重心高さhの求め方の理論説明>
次に、コンテナ3c全体の重心高さhの求め方について、主に
図15および
図16を用いて以下に説明する。以下の理論説明では、コンテナ3c全体が載せられたコンテナ用載台93が自由振動状態にあることが前提となる。油圧シリンダ40にて自由振動の初期条件を与えるとともに、復元力発生機構からの復元力Fを作用させることにより、コンテナ3c全体が載せられたコンテナ用載台93を水平方向(y方向)に自由振動させる。なお、
図16では、静止時におけるコンテナ3c全体の重心G
34のy座標y
34をdで表わしている。また、o−yz座標系は空間に固定した座標系とする。
【0118】
ここで、以下の説明で用いる新しい記号を定義しておく。
【0120】
なお、前記記号のうち、m
0,eは既知の値であり、これらの値は予めメモリ68に記憶される。
【0121】
コンテナ3c全体が剛体であるならば、コンテナ3c全体の重心G
34とコンテナ用載台93の重心G
0とのz方向の相対変位は零である。コンテナ3c全体が非剛体の場合、その相対変位は零ではないが、その量は微小である。よって、その相対変位の量は以下の運動方程式において無視することとする。すなわち、z
0(t)=z
G(t)とおく。このとき、系の運動方程式は次式(149),(150)で表わされる。
【0123】
前記式(149),(150)は、コンテナ3c全体が剛体であるか否かとは関係なく成立する。
また、転倒モーメントのつりあい条件として次式(151)を得る。
【0124】
【数20】
ここに、δは、重心G
34の重心G
0に対するy方向の相対変位である。δは(b/2−d)に比較して微小であるから以下の式変形においては無視する。
【0126】
【数21】
前記式(152)より、コンテナ3c全体の重心高さhを求める次式(153)が得られる。
【0128】
前述した復元力Fを求める式(4)において、弾性体31に作用する垂直荷重NはMg(g:重力加速度)、弾性体31の上側凸面34および下側凸面35の曲率半径A,Bはいずれも所定半径Rであるから、ロードセル21〜24によって支持されるコンテナ用載台93の復元力Fは、次式(154)で表わすことができる。
【0129】
【数23】
前記式(154)を前記式(153)に代入してhを書き直すと次式(155)となる。
【0130】
【数24】
ただし、kは次式(156)で表わされるものである。
【数25】
【0133】
ここで、「剛体」とは、外力による変形が全く生じない「完全剛体」と、外力による変形が若干生じてもその変形による重心高さ測定上の影響が極めて少なくて完全剛体と見なしても何ら支障がない「見なし剛体」とを包含するものである。また、「非剛体」とは、外力による変形が生じてその変形の影響が重心高さ測定上無視できない物体を総称して表現したものである。
【0136】
<ロードセルで検出される荷重信号の補正の説明>
ところで、コンテナ用載台93の水平方向の自由振動に伴って、ロードセル21〜24は回転振動となる。これにより、ロードセル21〜24の軸方向に作用する荷重は、回転角θの関数となる。今、ロードセル21〜24で検出される荷重P
i´(t)が前記の軸方向荷重であると仮定する。
【0137】
このとき、P
i´(t)は次式(158)で表わすことができる。
【数28】
ただし、Fi(t)およびθはそれぞれ次式(159)および式(160)で表わされる。
【数29】
【数30】
ここに、F
i(t)は、各ロードセル21〜24に生じる復元力Fの符号を逆にしたものである。
前記式(158)により次式(158)´が得られる。
【数31】
この式(158)´によりP
i(t)がP
i´(t)とy
0(t)から求まることがわかる。
なお、傾斜補正の成されたデジタルロードセルを用いる場合は、その出力はP
i(t)であるから、上述の補正は不要となる。
【0138】
<重心G
34のZ
34の求め方の理論説明>
図7(b)から明らかなように、次式(161)が成立する。
Z
34=Z´
34+T
H ・・・(161)
Z´
34=z
34=h
であるから、Z
34は次式(162)から求められる。
Z
34=h+T
H ・・・(162)
こうして、重心G
34のZ座標(Z
34)を、前記式(155)から求められる重心高さhを用いて求めることができる。
【0139】
<第2の実施形態の重心位置測定装置の重心高さ位置の計測動作の説明>
以上に述べたように構成される重心位置測定装置91の重心高さ位置の計測動作について、主に、
図18の機能ブロック図、
図19のフローチャートを用いて以下に説明する。なお、
図19において記号「S」はステップを表わす。
以下の計測動作説明は、コンテナ3c全体をコンテナ用載台93に載せた場合の例である。
【0140】
<ステップS31〜S34の処理内容の説明>
まず、コンテナ3c全体を目印95に合わせてコンテナ用載台93上の所定位置に載置する(S31)。
次いで、コンテナ3c全体がコンテナ用載台93上の所定位置に載置された時刻t
1から微小時間Δtだけ経過した時刻(t
1+Δt)以降において、水平面的重心位置演算部70は、ロードセル21〜24からの静荷重信号P
i(i=1,2,3,4)を読み込むとともに、読み込んだ静荷重信号P
iからコンテナ3c全体の質量m
34を求める(S32)。
次いで、水平面的重心位置演算部70は、次式(156)に基づいてkを演算する(S33)とともに、次式(7)(8)に基づいてコンテナ3c全体の重心G
34のo−xy平面上における座標(x
34,y
34)を算出する(S34)。
【数32】
x
34=a(P
4/P−1/2) ・・・(117)
y
34=b(P
12/P−1/2) ・・・(118)
【0141】
<ステップS35の処理内容の説明>
時刻t
2において、電磁弁制御信号生成部74は、油圧シリンダ40の伸長作動を示す電磁弁制御信号を電磁弁41に送信する。これにより、油圧シリンダ40が伸長作動され、コンテナ用載台93の側面がピストンロッド40aに押されてコンテナ用載台93に水平方向の変位と速度が与えられる。その後、あらかじめ定められた変位において、電磁弁制御信号生成部74は、油圧シリンダ40の収縮作動を示す電磁弁制御信号を電磁弁41に送信する。これにより、油圧シリンダ40が収縮作動され、コンテナ用載台93とピストンロッド40aとの接触が解除され、コンテナ用載台93に自由振動の初期条件が与えられる。そして、コンテナ用載台93には水平方向の変位に対する復元力発生機構からの復元力Fが作用するため、コンテナ用載台93は水平方向(y方向)に自由振動する。
【0142】
<ステップS16,S17の処理内容の説明>
(文12)
【0143】
<ステップS38の処理内容の説明>
コンテナ用載台93が静止した時刻t
4以降から時刻t
5の間において、重心高さ位置演算部73は、ステップS12で取得した静荷重信号P
iとステップS16で収得した動荷重信号P
i(t)とに基づいてΔP(t)およびΔP
34(t)をそれぞれ演算する。
【0144】
<ステップS39の処理内容の説明>
時刻t
5以降から時刻t
6の間において、重心高さ位置演算部73は、次式(155)に基づいてコンテナ3c全体の重心G
34の重心高さhを演算する。なお、hの測定値は、あらかじめ定めた時間区間内の各サンプリング時刻において式(155)で計算されたhの平均値とする。
【数33】
【0145】
<ステップS40の処理内容の説明>
水平面的重心位置演算部70は、次式(133)(134)とステップS34で算出されたo−xy平面上における座標(x
34,y
34)の値とに基づいて、重心G
34のO−XY平面上における座標(X
34,Y
34)の値を算出する。
X
34=x
34−δ
2+δ
4 ・・・(133)
Y
34=y
34−δ
1+δ
3 ・・・(134)
また、重心高さ位置演算部73は、次式(162)とステップS39で算出された重心高さhの値とに基づいて、重心G
34のZ座標(Z
34)の値を算出する。
Z
34=h+T
H ・・・(162)
こうして、重心G
34の座標系O−XYZにおける三次元の重心座標(X
34,Y
34,Z
34)の値を求めることができる。
【0146】
<ステップS41の処理内容の説明>
次いで、車両三次元重心位置演算部94は、ステップS32で求められたコンテナ3c全体の質量m
34と、ステップS40で求められたコンテナ3c全体の重心G
34の座標(X
34,Y
34,Z
34)の値と、メモリ68に記憶されている車両3単体の質量m
12の値および重心G
12の座標(X
12,Y
12,Z
12)の値とに基づいて、次式(171)から車両3全体の質量m
1234を求めるとともに、次式(172)(173)(174)から車両3全体の重心G
1234の座標(X
1234,Y
1234,Z
1234)を求める。
m
1234=m
12+m
34 ・・・(171)
X
1234=(m
12X
12+m
34X
34)/m
1234 ・・・(172)
m
1234Y
1234=(m
12Y
12+m
34Y
34) ・・・(173)
m
1234Z
1234=(m
12Z
12+m
34Z
34) ・・・(174)
【0147】
<ステップS22の処理内容の説明>
そして、表時信号生成部75は、ステップS41の演算の結果得られた車両3全体の座標系O−XYZにおける三次元の重心G
1234の座標(X
1234,Y
1234,Z
1234)の値を表示装置62に表示させる表示信号を生成する。これにより、ステップS41の演算で求められた重心G
1234の座標(X
1234,Y
1234,Z
1234)の値が表示装置62に表示される。
【0148】
<第2の実施形態の重心位置測定装置の作用効果の説明>
第2の実施形態の重心位置測定装置91によれば、コンテナ3c全体の三次元重心位置を測定することができるとともに、このコンテナ3c全体を車両3単体に積載したときの車両3全体の三次元重心位置を測定することができる。
【0149】
以上、本発明の重心位置測定装置について、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、各実施形態に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0150】
<加速度検出手段の別態様例の説明>
例えば、前記各実施形態においては、自由振動状態にある第3の載台13またはコンテナ用載台93の加速度を検出する加速度検出手段として、加速度センサ46を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、重心高さ位置演算部73は、変位センサ45の検出信号に基づいて2回微分演算を実行することで、第3の載台13の加速度を求めることができる。この場合、加速度センサ46は不要になる。なお、前記微分演算を重心高さ位置演算部73に実行させるのではなく、別途に加速度演算部を設け、この加速度演算部に前記微分演算を実行させる態様もあり得る。なお、その他の実施形態についても同様である。
【0151】
<車両の重心位置情報等の取得に関する他の手段の説明>
前記第2の実施形態においては、車両3のトラクタ3aにRFIDタグ310貼り付け、このRFIDタグ310に予め車両3に関する車両諸元や質量情報、重心位置情報等(以下、単に「重心位置情報等」という。)を記憶させておき、このRFIDタグ310に記憶された重心位置情報等をRFIDリーダ92で読み込むことによって車両3に関する重心位置情報等を取得するようにされているが、例えば、車両3に関する重心位置情報等を操作装置61の手動操作による手入力で取得するようにしてもよく、また車両3を撮像する撮像手段からの画像情報に基づいて車種を特定して車両データベースから車両3に関する重心位置情報等を取得するようにしてもよい。
【0152】
<重心位置測定装置の他の態様例の説明>
また、前記第1の実施形態の重心位置測定装置1に代えて、
図20に示される重心位置測定装置1Aや、
図23に示される重心位置測定装置1B、
図26に示される重心位置測定装置1Cを用いても、基本的に第1の実施形態の重心位置測定装置1と同様の作用効果を得ることができる。以下、これら重心位置測定装置1A,1B,1Cについて、順を追って説明することとする。なお、以下に述べる各重心位置測定装置1A,1B,1Cにおいて、第1の実施形態の重心位置測定装置1と同一または同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略し、以下においては第1の実施形態の重心位置測定装置1と異なる点を中心に説明することとする。
【0153】
〔第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(1)〕
図20には、本発明の第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(1)の構造説明図で、平面図(a)、(a)のH−H線断面図(b)、(a)のI−I線断面図(c)および(b)のJ−J線断面図(d)がそれぞれ示されている。
また、
図21には、車両の第1車軸の左右の車輪が第1の載台および第2の載台にそれぞれ載った際にそれら載台に作用する荷重の状態図(a)および車両の重心位置を示す平面図(b)がそれぞれ示されている。
【0154】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(1)の概略構成の説明>
図20に示される重心位置測定装置1Aは、第1の載台11Aと、第2の載台12Aと、第3の載台13Aと、設置ベース2上に設置されて第3の載台13Aを支持する第1ロードセル21A、第2ロードセル22A、第3ロードセル23Aおよび第4ロードセル24Aと、第3の載台13A上に設置されて第1の載台11Aを支持する第6ロードセル26Aと、第3の載台13A上に設置されて第2の載台12Aを支持する第7ロードセル27Aとを備えている。
【0155】
<第1の載台〜第3の載台の説明>
第1の載台11Aは、車両3の各車軸7,8,9の左側の車輪4a,5a,6aが一つずつ載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第2の載台12Aは、車両3の各車軸7,8,9の右側の車輪4b,5b,6bが一つずつ載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第3の載台13Aは、車両3の左右全ての車輪4a,5a,6a;4b,5b,6bが同時に載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第1の載台11Aおよび第2の載台12Aは、第3の載台13A上において、車両3が前進走行する際の走行経路の上流側に配置され、第3の載台13Aに一体的に組み込まれている。
【0156】
<第3の載台の凹部の説明>
図21(a)に示されるように、第3の載台13Aにおける車両前進走行経路上流側端部には、第1凹部76aと、第2凹部76bと、第3凹部76cとが形成されている。
第1凹部76aは、第1の載台11Aの表面と第3の載台13Aの表面とが面一となるように第1の載台11Aを収容可能で、その第1の載台11Aとの間に所定の隙間S
1を存するように第3の載台13Aに形成された凹部である。
第2凹部76bは、第2の載台12Aの表面と第3の載台13Aの表面とが面一となるように第2の載台12Aを収容可能で、その第2の載台12Aとの間に所定の隙間S
2を存するように第3の載台13Aに形成された凹部である。
ここで、所定の隙間S
1は、車両3の各車軸7,8,9の左側の車輪4a,5a,6aが第1の載台11Aに載ったとき、第1の載台11Aが若干撓んだとしても、第1の載台11Aが第3の載台13Aに干渉しないようその大きさが定められている。また、所定の隙間S
2も所定の隙間S
1と同様に、第2の載台12Aが若干撓んだとしても、第2の載台12Aが第3の載台13Aに干渉しないようその大きさが定められている。
第3凹部76cは、第6ロードセル26Aおよび第7ロードセル27Aを共に収容可能で、かつ第1の載台11Aおよび第2の載台12Aのそれぞれの表面と第3の載台13Aの表面とが面一となるようにそれら載台11A,12Aを収容可能となるように第3の載台13Aに形成された凹部である。
【0157】
<第1の載台と第3の載台、第2の載台と第3の載台のそれぞれの結合部の説明>
第1の載台11Aは、第3の載台13Aの第1凹部76aと第3凹部76cの略左半分に亘って収容されている。この第1の載台11Aの左端部と第3の載台13Aとは、弾性支持体77によって結合されている。
ここで、弾性支持体77は、第1の載台11Aに対し外力が作用したとき、その外力により生じた変位に比例した反力が第1の載台11Aに作用するような支持状態を保持することが可能な部材で構成されている。本実施形態では、第1の載台11Aを構成する板状部材と第3の載台13Aを構成する板状部材とを一体的に接合し、その接合部分に上凸のR面取りを施すことによって弾性支持体77を構成している。
第2の載台12Aは、第3の載台13Aの第2凹部76bと第3凹部76cの略右半分に亘って収容されている。この第2の載台12Aの右端部と第3の載台13Aとは、やはり弾性支持体77によって結合されている。
【0158】
<第1ロードセル〜第4ロードセルの配置説明>
第1ロードセル21Aは、第3の載台13Aにおける車両前進走行経路上流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。ここで、第1ロードセル21Aの中心点と弾性支持体77による第1の載台11Aの弾性支持点とは鉛直方向における位置が一致されている。
第2ロードセル22Aは、第3の載台13Aにおける車両前進走行経路下流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。
第3ロードセル23Aは、第3の載台13Aにおける車両前進走行経路上流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。ここで、第3ロードセル23Aの中心点と弾性支持体77による第2の載台12Aの弾性支持点とは鉛直方向における位置が一致されている。
第4ロードセル24Aは、第3の載台13Aにおける車両前進走行経路下流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
【0159】
<第6ロードセル、第7ロードセルの配置説明>
第6ロードセル26Aは、第3凹部76cに設置され、第1の載台11Aの右側部を下側から支持することができるように配置されている。
第7ロードセル27Aは、第3凹部76cに設置され、第2の載台12Aの左側部を下側から支持することができるように配置されている。
【0160】
<Y
G,B
1の測定の説明>
第1の載台11Aおよび第2の載台12Aがそれぞれ第3の載台13Aと弾性支持体77を介して一体的に結合されている構造のものでは、第1車軸7のB
i(B
1)しか求めることができない。その理由は、第3の載台13A上の全ての軸重が第1ロードセル21Aおよび第3ロードセル23Aに作用するからである。
Y
Gの測定には、B
1とb
1,b
1´の測定が不可欠である。
【0161】
<B
1の求め方の説明:
図21参照>
第1の載台11Aおよび第2の載台12Aに作用する荷重とロードセル21A,23A,26A,27Aからの反力に関して次式(181)(182)(183)(184)が成立する。
P
6=W
L1b
1/b
0 ・・・(181)
P
7=W
R1b
1´/b
0 ・・・(182)
P
1=W
L1(b
1´+B
1)/b+W
R1b
1´/b ・・・(183)
P
3=W
R1(b
1+B
1)/b+W
L1b
1/b ・・・(184)
前記式(181)〜(184)より、b
1は次式(185)から、b
1´は次式(186)からそれぞれ求めることができる。
b
1=αbP
6/{P
1+α(P
6−P
7)} ・・・(185)
b
1´=αbP
7/{P
3+α(P
7−P
6)} ・・・(186)
ここで、α=b
0/bである。
前記式(185)(186)を次式(187)に代入することにより、B
1を求めることができる。
B
1=b−(b
1+b
1´) ・・・(187)
【0162】
<Y
Gの求め方の説明:
図7,
図21参照>
図7(b)より明らかなように、Y
Gは次式(188)から求めることができる。
Y
G=y
G−f ・・・(188)
ここでfは、近似的にf
1と等しいと仮定して次式(189)から求める。
f=b/2−(b
1+B
1/2)
=(b
1´−b
1)/2 ・・・(189)
図21(a)において、モーメントのつりあいから次式(190)が成立する。
(b/2+y
G)P=bP
12 ・・・(190)
前記式(190)からy
Gは次式(191)のように表わすことができる。
y
G=b(P
12/P−1/2) ・・・(191)
前記式(188)(189)(191)から車両3の幅方向の重心位置Y
Gを求めることができる。
【0163】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(1)の水平面的重心位置の計測動作の説明>
次に、重心位置測定装置1Aの水平面的重心位置の計測動作について、主に、
図6の機能ブロック図および
図22のフローチャートを用いて以下に説明する。なお、
図22において記号「S」および「T」はそれぞれステップを表わす。
【0164】
<ステップS51,T51の処理内容の説明>
幅方向重心位置演算部71は、第1ロードセル21A、第3ロードセル23A、第6ロードセル26Aおよび第7ロードセル27Aの荷重信号を読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(185)(186)(187)とに基づいて、有効トレッド幅B
1を演算するとともに、前記式(185)(186)(189)とに基づいて、X軸とx軸との距離(中心線CL
Tと中心線CL
Sとの距離)f
1を演算する(S51)。
また、幅方向重心位置演算部71は、第1ロードセル21A〜第4ロードセル24Aの荷重信号を読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(191)に基づいて、座標系O−XYにおける車両3の幅方向の重心位置y
Gを演算する(T51)。
【0165】
<ステップS52〜ステップS54の処理内容の説明>
幅方向重心位置演算部71は、ステップS51で算出されたf
1と、ステップT51で算出されたy
Gと、前記式(188)とに基づいて、座標系O−XYにおける車両3の幅方向の重心位置Y
Gを演算する(S52)。
そして、表示信号生成部75は、幅方向重心位置演算部71による演算結果を表示装置62に表示させる表示信号を生成する(S53)。これにより、表示装置62には、車両3の幅方向の重心位置の値が表示される(S54)。
【0166】
<ステップT51〜ステップT53の処理内容の説明>
全長方向重心位置演算部72は、第1ロードセル21A〜第4ロードセル24Aの荷重信号を読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(16)(27)とに基づいて、車軸間距離l
1,l
2を演算するとともに、算出された車軸間距離l
1,l
2の値と、前記式(28)(30)(34)とに基づいて、座標系O−XYにおける車両3の全長方向の重心位置X
Gを算出する(T51)。
そして、表示信号生成部75は、全長方向重心位置演算部72による演算結果を表示装置62に表示させる表示信号を生成する(T52)。これにより、表示装置62には、車両3の全長方向の重心位置の値が表示される(T53)。
【0167】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(1)の重心高さ位置の計測動作の説明>
なお、重心位置測定装置1Aの重心高さ位置の計測動作については、第1の実施形態の重心位置測定装置1による車両3の重心高さhの求め方の理論説明での理論式で用いる記号の意味を下記のように新しく定義した上で、油圧シリンダ40の伸縮操作と復元力発生機構からの復元力の作用にて載台アセンブリ80A(後の新たな定義の説明で述べる。)を水平方向に自由振動させて、基本的に第1の実施形態の重心位置測定装置1の重心高さ位置の計測動作と同様の動作が行われる。これにより、車両3の重心高さhの値が求められ、求められた重心高さhの値は表示装置62に表示される。
【0168】
<車両の重心高さの求め方の理論式で用いる記号の新たな定義の説明>
図11および
図12中の記号および理論式で用いる記号の意味を下記のとおり新しく定義する。なお、以下においては、新たに定義したもののみ記述することとする。
G
0:第1の載台11A、第2の載台12Aおよび第3の載台13Aと、第6ロードセル26Aおよび第7ロードセル27Aと、弾性支持体77,77とを含んでなる載台アセンブリ80Aの重心
a:ロードセル21A(23A)とロードセル22A(24A)との間の距離
b:ロードセル21A(22A)とロードセル23A(24A)との間の距離
c:載台アセンブリ80Aの高さ
H:ロードセル21A〜24Aの高さ(弾性体31の高さ)
P
i:各ロードセル21A〜24Aに作用する静荷重(i=1,2,3,4)
m
0:載台アセンブリ80Aの質量
e:載台アセンブリ80Aの下面から重心G
0までの距離
P
i(t):ロードセル21A〜24Aに作用する動荷重(i=1,2,3,4)
F
12(t):ロードセル21A,22Aから水平方向に載台アセンブリ80Aに作用する力の和
F
34(t):ロードセル23A,24Aから水平方向に載台アセンブリ80Aに作用する力の和
【0169】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(1)の作用効果の説明>
本変形例(1)に係る重心位置測定装置1Aによれば、第1の実施形態の重心位置測定装置1と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、この重心位置測定装置1Aによれば、第1の載台11Aと第3の載台13Aとが弾性支持体77によって結合されるとともに、第2の載台12Aと第3の載台13Aとが弾性支持体77によって結合され、第3の載台13Aに第1の載台11Aおよび第2の載台12Aがそれぞれ一体的に組み込まれる構成が採用されているので、装置のコンパクト化を図ることができるとともに、第1の実施形態の重心位置測定装置1では必要とされる第5ロードセル25および第8ロードセル28を省略することができて装置の簡略化を図ることができる。
【0170】
〔第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(2)〕
図23には、本発明の第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(2)の構造説明図で、平面図(a)、(a)のK−K線断面図(b)、(b)のL−L線断面図(c)および(b)のM部拡大図(d)がそれぞれ示されている。
また、
図24には、車両が第2の載台に載った際にその載台に作用する荷重の状態図が示されている。
【0171】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(2)の概略構成の説明>
図23に示される重心位置測定装置1Bは、第1の載台11Bと、第2の載台12Bとを備えている。
第1の載台11Bは、設置ベース2上において、トラックやトレーラ等の車両3が前進走行する際の走行経路の上流側に配置されている。
第2の載台12Bは、設置ベース2上において、第1の載台11Bに対し、車両3の前進走行経路の下流側に配置されている。
【0172】
<第1の載台〜第3の載台の説明>
第1の載台11Bは、車両3の各車軸7,8,9の左側の車輪4a,5a,6aが一つずつ載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第2の載台12は、車両3の左右全ての車輪4a,5a,6a;4b,5b,6bが同時に載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
【0173】
<第1ロードセル〜第4ロードセルの配置説明>
設置ベース2と第2の載台12Bとの間には、第1ロードセル21B、第2ロードセル22B、第3ロードセル23Bおよび第4ロードセル24Bがそれぞれ介設されている。
第1ロードセル21Bは、第2の載台12Bにおける車両前進走行経路上流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。
第2ロードセル22Bは、第2の載台12Bにおける車両前進走行経路下流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。
第3ロードセル23Bは、第2の載台12Bにおける車両前進走行経路上流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
第4ロードセル24Bは、第2の載台12Bにおける車両前進走行経路下流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
【0174】
<第5ロードセル、第6ロードセルの配置説明>
設置ベース2と第1の載台11Bとの間には、第5ロードセル25Bおよび、第6ロードセル26Bがそれぞれ介設されている。
第5ロードセル25Bは、第1の載台11Bの左側部を下側から支持することができるように配置されている。
第6ロードセル26Bは、第1の載台11Bの右側部を下側から支持することができるように配置されている。
【0175】
<荷重鉛直伝達機構の説明>
設置ベース2と第1の載台11Bとの間には、前述した荷重鉛直伝達機構30が介設されている。
【0176】
<Y
Gの求め方の説明:
図24(a)(b)参照>
Y
Gは、前述したように、次式(201)から求めることができる。
Y
G=(W
1e
1+W
2e
2+W
3e
3)/(W
1+W
2+W
3) ・・・(201)
また、
図24(a)より明らかなように、e
iは次式(202)から求めることができる。
e
i=b
i+B
i/2−C
i ・・・(202)
b
iは次式(203)で求めることができる。
b
i=(P
6/P
56)b
0 ・・・(203)
C
iは次式(204)で表わすことができる。
C
i={b
iW
Li+(b
i+B
i)W
Ri}/W
i
=b
i+W
RiB
i/W
i ・・・(204)
ところで、W
iおよびW
Liはそれぞれ次式(205)および次式(206)で表わすことができる。
W
i=W
Li+W
Ri ・・・(205)
W
Li=P
i56 ・・・(206)
前記式(205)(206)からW
Riは次式(207)で求めることができる。
W
Ri=W
i−P
i56 ・・・(207)
したがって、b
i,C
iを求めることができる。そこで、B
iが求められれば、前記式(202)からe
iを求めることができ、このe
iを用いて、前記式(201)からY
Gを求めることができることになる。
【0177】
<B
iの求め方の説明:
図24(a),(b)参照>
第2の載台12Bにおける第i軸輪重に関するモーメントのつりあいから次式(208)(209)が成立する。
b
iW
Li+(b
i+B
i)W
Ri−bP
i34=0 ・・・(208)
b
iW
Li+(b
i+B
i)(W
i−W
Li)−bP
i34=0 ・・・(209)
これら式(208)(209)からB
iは次式(210)で示されるように求めることができる。
B
i=(bP
i34−b
iW
i)/(W
i−W
Li) ・・・(210)
ただし、
P
134=P
34(t) (0<t<t
1)
P
234=P
34(t)−P
134 (t
2<t<t
3)
P
334=P
34(t)−P
234 (t
4<t<t
5)
である。
なお、P
iは
図8から、P
34(t)は
図24(b)より求めることができる。
【0178】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(2)の水平面的重心位置の計測動作の説明>
次に、重心位置測定装置1Bの水平面的重心位置の計測動作について、主に、
図6の機能ブロック図および
図25のフローチャートを用いて以下に説明する。なお、
図25において記号「S」および「T」はそれぞれステップを表わす。
【0179】
<ステップS61〜ステップS63の処理内容の説明>
幅方向重心位置演算部71は、第1ロードセル21B〜第6ロードセル26Bの荷重信号をそれぞれ読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(210)とに基づいて、有効トレッド幅B
iを演算するとともに、算出された有効トレッド幅B
iの値と、前記式(202)からe
iを演算し、算出されたe
iに基づいて、前記式(201)から座標系O−XYにおける車両3の幅方向のY
Gを演算する(S61)。
そして、表示信号生成部75は、幅方向重心位置演算部71による演算結果を表示装置62に表示させる表示信号を生成する(S62)。これにより、表示装置62には、車両3の幅方向の重心位置の値が表示される(S63)。
【0180】
<ステップT61〜ステップT63の処理内容の説明>
全長方向重心位置演算部72は、第1ロードセル21B〜第4ロードセル24Bの荷重信号を読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(16)(27)とに基づいて、車軸間距離l
1,l
2を演算するとともに、算出された車軸間距離l
1,l
2の値と、前記式(28)(30)(34)とに基づいて、座標系O−XYにおける車両3の全長方向の重心位置X
Gを演算する(T61)。
そして、表示信号生成部75は、全長方向重心位置演算部72による演算結果を表示装置62に表示させる表示信号を生成する(T62)。これにより、表示装置62には、車両3の全長方向の重心位置の値が表示される(T63)。
【0181】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(2)の重心高さ位置の計測動作の説明>
なお、重心位置測定装置1Bの重心高さ位置の計測動作については、第1の実施形態の重心位置測定装置1による車両3の重心高さhの求め方の理論説明での理論式で用いる記号の意味を下記のように新しく定義した上で、油圧シリンダ40の伸縮操作と復元力発生機構からの復元力の作用にて第2の載台12Bを水平方向に自由振動させて、基本的に第1の実施形態の重心位置測定装置1の重心高さ位置の計測動作と同様の動作が行われる。これにより、車両3の重心高さhの値が求められ、求められた重心高さhの値は表示装置62に表示される。
【0182】
<車両の重心高さの求め方の理論式で用いる記号の新たな定義の説明>
図11および
図12中の記号および理論式で用いる記号の意味を下記のとおり新しく定義する。なお、以下においては、新たに定義したもののみ記述することとする。
G
0:第2の載台12Bの重心
a:ロードセル21B(23B)とロードセル22B(24B)との間の距離
b:ロードセル21B(22B)とロードセル23B(24B)との間の距離
c:第2の載台12Bの高さ
H:ロードセル21B〜24Bの高さ(弾性体31の高さ)
P
i:各ロードセル21B〜24Bに作用する静荷重(i=1,2,3,4)
m
0:第2の載台12Bの質量
e:第2の載台12Bの下面から重心G
0までの距離
P
i(t):ロードセル21B〜24Bに作用する動荷重(i=1,2,3,4)
F
12(t):ロードセル21B,22Bから水平方向に第2の載台12Bに作用する力の和
F
34(t):ロードセル23B,24Bから水平方向に第2の載台12Bに作用する力の和
【0183】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(2)の作用効果の説明>
重心位置測定装置1Bによっても、第1の実施形態の重心位置測定装置1と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、この重心位置測定装置1Bによれば、第1の実施形態の重心位置測定装置1では必要とされる、第2の載台12、第7ロードセル27および第8ロードセル28を省略することができて装置の簡略化を図ることができる。
【0184】
〔第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(3)〕
図26には、本発明の第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(3)の構造説明図で、平面図(a)、(a)のN−N線断面図(b)、(a)のO−O線断面図(c)および(b)のP−P線断面図(d)がそれぞれ示されている。
【0185】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(3)の概略構成の説明>
図26に示される重心位置測定装置1Cは、第1の載台11Cと、第2の載台12Cと、設置ベース2上に設置されて第2の載台12Cを支持する第1ロードセル21C、第2ロードセル22C、第3ロードセル23Cおよび第4ロードセル24Cと、第2の載台12C上に設置されて第1の載台11Cを支持する第6ロードセル26Cとを備えている。
【0186】
<第1の載台,第2の載台の説明>
第1の載台11Cは、車両3の各車軸7,8,9の左側の車輪4a,5a,6aが一つずつ載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第2の載台12Cは、車両3の左右全ての車輪4a,5a,6a;4b,5b,6bが同時に載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第1の載台11Cは、第2の載台12C上において、車両3が前進走行する際の走行経路の上流側に配置され、第2の載台12Cに一体的に組み込まれている。
【0187】
<第2の載台の凹部の説明>
第2の載台12Cにおける車両前進走行経路上流側端部には、第1凹部58aと、第2凹部58bとが形成されている。
第1凹部58aは、第1の載台11Cの表面と第2の載台12Cの表面とが面一となるように第1の載台11Cを収容可能で、その第1の載台11Cとの間に所定の隙間S
3を存するように第2の載台12Cに形成された凹部である。
ここで、所定の隙間S
3は、車両3の各車軸7,8,9の左側の車輪4a,5a,6aが第1の載台11Cに載ったとき、第1の載台11Cが若干撓んだとしても、第1の載台11Cが第2の載台12Cに干渉しないようその大きさが定められている。
第2凹部58bは、第6ロードセル26Cを収容可能で、かつ第1の載台11Cの表面と第2の載台12Cの表面とが面一となるようにその第1の載台11Cを収容可能となるように第2の載台12Cに形成された凹部である。
【0188】
<第1の載台と第2の載台との結合部の説明>
第1の載台11Cは、第2の載台12Cの第1凹部58aから第2凹部58bに亘って収容されている。この第1の載台11Cの左端部と第2の載台12Cとは、やはり弾性支持体77によって結合されている。
【0189】
<第1ロードセル〜第4ロードセルの配置説明>
第1ロードセル21Cは、第2の載台12Cにおける車両前進走行経路上流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。ここで、第1ロードセル21Cの中心点と弾性支持体77による第1の載台11Cの弾性支持点とは鉛直方向における位置が一致されている。
第2ロードセル22Cは、第2の載台12Cにおける車両前進走行経路下流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。
第3ロードセル23Cは、第2の載台12Cにおける車両前進走行経路上流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
第4ロードセル24Cは、第2の載台12Cにおける車両前進走行経路下流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
【0190】
<第6ロードセルの配置説明>
第6ロードセル26Cは、第2凹部58bに設置され、第1の載台11Cの右側部を下側から支持することができるように配置されている。
【0191】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(3)の水平面的重位置の計測動作の説明>
以上に述べたように構成される重心位置測定装置1Cの水平面的重心位置の計測動作については、基本的に重心位置測定装置1Bの水平面的重心位置の計測動作と同様の動作が行われる。これにより、車両3の水平面的重心位置の値が求められ、求められた水平面的重心位置の値は表示装置62に表示される。
【0192】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(3)の重心高さ位置の計測動作の説明>
一方、重心位置測定装置1Cの重心高さ位置の計測動作については、第1の実施形態の重心位置測定装置1による車両3の重心高さhの求め方の理論説明での理論式で用いる記号の意味を下記のように新しく定義した上で、油圧シリンダ40の伸縮操作と復元力発生機構からの復元力の作用にて載台アセンブリ80C(後の新たな定義の説明で述べる。)を水平方向に自由振動させて、基本的に第1の実施形態の重心位置測定装置1の重心高さ位置の計測動作と同様の動作が行われる。これにより、車両3の重心高さhの値が求められ、求められた重心高さhの値は表示装置62に表示される。
【0193】
<車両の重心高さの求め方の理論式で用いる記号の新たな定義の説明>
図11および
図12中の記号および理論式で用いる記号の意味を下記のとおり新しく定義する。なお、以下においては、新たに定義したもののみ記述することとする。
G
0:第1の載台11Cおよび第2の載台12Cと、第6ロードセル26Cと、弾性支持体77とを含んでなる載台アセンブリ80Cの重心
a:ロードセル21C(23C)とロードセル22C(24C)との間の距離
b:ロードセル21C(22C)とロードセル23C(24C)との間の距離
c:載台アセンブリ80Cの高さ
H:ロードセル21C〜24Cの高さ(弾性体31の高さ)
P
i:各ロードセル21C〜24Cに作用する静荷重(i=1,2,3,4)
m
0:載台アセンブリ80Cの質量
e:載台アセンブリ80Cの下面から重心G
0までの距離
P
i(t):ロードセル21C〜24Cに作用する動荷重(i=1,2,3,4)
F
12(t):ロードセル21C,22Cから水平方向に載台アセンブリ80Cに作用する力の和
F
34(t):ロードセル23C,24Cから水平方向に載台アセンブリ80Cに作用する力の和
【0194】
<第1の実施形態の重心位置測定装置の変形例(3)の作用効果の説明>
本変形例(3)に係る重心位置測定装置1Cによれば、第3の実施形態の重心位置測定装置1Bと同様の作用効果を得ることができる。
さらに、この重心位置測定装置1Cによれば、第1の載台11Cと第2の載台12Cとが弾性支持体77によって結合され、第2の載台12Cに第1の載台11Cが一体的に組み込まれる構成が採用されているので、装置のコンパクト化を図ることができるとともに、第3の実施形態の重心位置測定装置1Bでは必要とされる第5ロードセル25Bを省略することができて装置の簡略化を図ることができる。