特許第6223517号(P6223517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223517
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】固定具
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20171023BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20171023BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20171023BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171023BHJP
【FI】
   F21V23/00 160
   F21S2/00 230
   F21Y103:10
   F21Y115:10
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-164940(P2016-164940)
(22)【出願日】2016年8月25日
(62)【分割の表示】特願2013-123615(P2013-123615)の分割
【原出願日】2013年6月12日
(65)【公開番号】特開2016-195139(P2016-195139A)
(43)【公開日】2016年11月17日
【審査請求日】2016年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 公史
(72)【発明者】
【氏名】坂本 哲也
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−064391(JP,A)
【文献】 特開2012−038536(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3163478(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
F21S 2/00
F21Y 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板が取り付けられる面と、前記基板と離間して対向する壁面とを有し、表面にLEDが配置された複数の基板及び前記LEDの出射側を覆うカバーを備えた照明器具のフレームに取り付けられ、
前記複数の基板同士を電気的に接続させる配線を前記フレームに固定する固定具であって、
前記基板の長手方向と直交する方向の前記基板の端面と離間して対向する前記フレームの壁面と、前記基板の端面と、の間の隙間に押し込まれる側片を有し、前記側片と前記壁面との間で前記基板の表面より突出しない高さ位置に前記配線を固定することを特徴とする固定具。
【請求項2】
前記側片は、前記フレームにおいて前記基板が配置される表面とは反対側の表面に係止されている請求項1記載の固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明器具に備えられる固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、LEDパッケージを直線状に配置した基板を長手方向に複数連結した照明器具がある。基板同士を連結する際には、電源を供給するために配線で繋ぐことが多いが、連結した配線がLEDからの光を遮ったり、カバーに影になって写りこんでしまったりし、外観を損なう場合があった。
【0003】
そこで、基板同士の接続部に電源ホルダを設け、配線を基板のLED配置面である表面上の両端位置に保持するようにした技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−64391号公報(要約)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、LEDが配置されている基板表面上に配線が保持されているため、影を無くす対策としては不十分であり、更なる改善が求められている。
【0006】
本発明は、上記を鑑みなされたものであり、LEDが配置された基板同士を電気的に接続する配線による影が、カバーに写り込むことを防止することが可能な固定具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る固定具は、複数の基板が取り付けられる面と、基板と離間して対向する壁面とを有し、表面にLEDが配置された複数の基板及びLEDの出射側を覆うカバーを備えた照明器具のフレームに取り付けられ、複数の基板同士を電気的に接続させる配線をフレームに固定する固定具であって、基板の長手方向と直交する方向の基板の端面と離間して対向するフレームの壁面と、基板の端面と、の間の隙間に押し込まれる側片を有し、側片と壁面との間で基板の表面より突出しない高さ位置に配線を固定するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板同士を電気的に接続する配線による影が、カバーに写り込むことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係る照明器具においてカバーを一部削除した状態の正面図である。
図2図1においてカバーがある状態のA−A断面図である。
図3図1の基板同士の電気的な接続部分の構造を説明するための要部拡大斜視図である。
図4図1のカバーの形状の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各図において同一の構成には同一の符号を付している。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明器具においてカバーを一部削除した状態の正面図である。図2は、図1においてカバーがある状態のA−A断面図である。
【0012】
照明器具1は、例えば天井面等に取り付けて使用される。照明器具1は、細長い形状の基板3を有しており、この基板3の表面(図2の下面)上に複数のLED2が長手方向に直線状に実装されており、直線状の光を発する。
【0013】
照明器具1は、器具本体を構成するフレーム4を有し、このフレーム4の長板状の台座4aに複数の基板3が長手方向に連結して載置され、接着又はネジによって固定されている。フレーム4はアルミなどの金属でできており、LED2の発熱を放熱する機能を持っている。フレーム4には、LED2の出射側を覆うカバー5が取り付けられている。
【0014】
カバー5は、LED2と対向する円弧状の発光面部5aと、発光面部5aの両端から互いに向かい合う方向に突出する一対の側面部5bとを備えており、一対の側面部5bの先端部でフレーム4に係止固定されている。カバー5を構成する板状部材は透光性を有する樹脂などでできており、LED2から出た光を拡散させる効果がある。また、カバー5は光を拡散させることにより、LED2個々の光を分散し、面発光のように見せる効果を有する。
【0015】
基板3の裏面(図2の上面)には、回路(図示省略)が設けられており、隣接する基板3同士は後述の配線部6で電気的に接続されて電源からの電力供給を受ける。
【0016】
以下、配線部6の配線7が影となってカバー5に写りこんでしまうことを防止するための構造について図2及び次の図3を用いて説明する。
【0017】
図3は、図1の基板同士の電気的な接続部分の構造を説明するための要部拡大斜視図である。
配線部6は、基板3同士を電気的に接続する一対の配線7と、一対の配線7のそれぞれの両端に取り付けられ、各基板3の表面に設けられた複数のコネクタ8とを備えている。この複数のコネクタ8は、基板3裏面の回路(図示省略)に接続されている。
【0018】
一対の配線7のそれぞれにおいて基板3間の連結部を跨ぐ部分、ここでは一対の配線7のそれぞれの中央部は、基板3の表面より下方に突出しないように、後述の配線固定部10により基板3の長手方向と直交する方向の基板3の両端部に固定されている。以下、配線固定部10の詳細について説明する。
【0019】
フレーム4は、基板3の長手方向と直交する方向の基板3の両端面3aと離間して対向する一対の壁面4b(図2参照)を備えており、一対の壁面4bと基板3の両端面3aとの間に隙間Sが形成されている。そして、配線固定部10は、断面コ字状の固定具9を有しており、固定具9の両側片9aのそれぞれが隙間Sに押し込まれ、両側片9aの外面と一対の壁面4bとの間で一対の配線7を挟持することで一対の配線7を固定している。なお、固定具9は、両側片9aの先端の係止部9bがフレーム4の台座4aに係止されることでフレーム4に固定されている。このように配線固定部10を用いることにより、一対の配線7は、基板3の表面よりカバー5の発光面部5a側に突出しない状態で固定されるため、影になることを防止することができる。
【0020】
また、一対の壁面4bの発光面部5a側の端部(LED2の出射方向側の端部)には、内側(LED側)に延びる突出片4cが形成されており、突出片4cによって一対の配線7の中央部がカバー5側から見て覆われている。このため、配線7の中央部が仮に下方に撓んできたとしても、突出片4cで支持することができ、配線7が影になることを防止できる。
【0021】
図4は、図1のカバーの形状の説明図である。
カバー5は、上述したように発光面部5aと一対の側面部5bとを有しており、側面部5b部分、つまりカバー5の範囲aは、天井面に取り付けられた照明器具1を下から見上げたときに見え難い部分である。このため、仮に影ができたとしても、この範囲a内に影が収まるように、側面部5bの位置、言い換えれば発光面部5aと側面部5bとが連なる角部5cの位置を設定する。具体的には、カバー5内の構成部分による影が映る可能性のある領域より発光面部5a側に、角部5cの光軸O方向の高さ位置が設定されている。
【0022】
本実施の形態1では、カバー5内の構成部分のうち、LED2よりも発光面部5a側の高さ位置に位置するフレーム4の突出片4c部分により生じる影が、光軸O方向において最も下端部まで生じる影である。このため、フレーム4の突出片4c部分により生じる影の下端部よりも下側に角部5cの位置を設定している。角部5cの位置をこの位置に設定することで、カバー5内の構成部分により影ができたとしても、使用者からは見え難い範囲a内に収まるため、美観を損ねることを防止できる。
【0023】
以上説明したように、本実施の形態1によれば、基板3同士を電気的に接続する配線部6の一対の配線7のそれぞれにおいて基板3同士の連結部を跨ぐ部分を基板3の表面より突出しないように基板3の両端部に固定するようにしたので、一対の配線7がLED2の光を遮断したり、影となったりして見栄えが悪くなることを防止することができる。
【0024】
また、LED2よりも発光面部5a側の高さ位置に位置するフレーム部分(具体的には突出片4cの下端部)による影が映る可能性のある領域より発光面部5a側に、カバー5において発光面部5aと側面部5bとが連なる角部5cの光軸O方向の高さ位置を設定したので、フレーム4及びコネクタ8が影となって見栄えが悪くなることを防止することができる。
【0025】
また、一対の配線7の中央部を固定するにあたり、固定具9の両側片9aを隙間Sに押し込むだけでよいため、容易に一対の配線7の中央部を固定することができる。また、固定具9の両側片9aの係止部9bをフレーム4の台座4aに係止することで固定具9を簡単にフレーム4に係止固定することができる。
【0026】
また、一対の壁面4bの発光面部5a側の端部に設けた突出片4cによって一対の配線7の中央部がカバー5側から見て覆うようにしたので、配線7の中央部が仮に下方に撓んできたとしても、突出片4cで支持することができ、配線7が影になることを防止できる。
【符号の説明】
【0027】
1 照明器具、2 LED、3 基板、3a 両端面、4 フレーム、4a 台座、4b 壁面、4c 突出片、5 カバー、5a カバーの発光面部、5b カバーの側面部、5c 角部、6 配線部、7 配線、8 コネクタ、9 固定具、9a 両側片、9b 係止部、10 配線固定部、O 光軸、S 隙間、a 範囲。
図1
図2
図3
図4