(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記圧力が所与の圧力に到達したときは、前記膜(3)の前記膨張により前記膜(3)と前記壁の接触が引き起こされ、次いで前記圧力が増大したときは、前記膜(3)の前記膨張により前記壁の上で前記膜(3)の広がりが引き起こされるように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の圧力指示器。
前記変形可能な膜(3)が、前記閉じた外形(6)に、前記ベース(2)内に形成された溝と協働する少なくとも1つのビード、またはビードと協働する少なくとも1つの溝を備え、あるいは前記閉じた外形(6)に、交互のビードおよび溝を、前記ベース(2)内に形成された交互のそれぞれ対応する溝およびビードと協働するようにして備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の圧力指示器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、たとえば単回使用のデバイスとして、小さい寸法を有する簡単で安価な圧力指示器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ベースと、閉じた外形に従って液密状態でベースに固定された変形可能な膜と、ベースに固定された本体であって、ベースとは反対側で変形可能な膜を覆う中空の容積部を区切りながら少なくとも閉じた外形を取り囲む本体と、流体のための少なくとも1つの入口であって、その流体の圧力が、所定の圧力範囲内で測定されることになる、少なくとも1つの入口とを備える、圧力指示器において、変形可能な膜は、前記圧力範囲に対する変形可能な膜の膨張が、裸眼で見ることができ、圧力を示す直接表示を可能にするのに十分な膜であり、ベースに少なくとも1つの第1の孔があけられ、第1の孔の第1の端部が、閉じた外形内で変形可能な膜とベースとの間に現れ、本体に少なくとも1つの第2の孔があけられ、第2の孔の第1の端部が、前記中空の容積部内に現れ、第1の孔の他方の端部が、入口に、または外気に連結され、第2の孔の他方の端部が、外気に、または入口に連結され、その結果、入口における流体の圧力、または圧力低下により、本体によって区切られた中空の容積部内で変形可能な膜の膨張が引き起こされる、圧力指示器に関する。
【0005】
別の実施形態では、本発明による圧力指示器は、ベースと、閉じた外形に従って液密状態でベースに固定された変形可能な膜と、ベースに一体化された本体であって、ベースとは反対側で変形可能な膜を覆う中空の容積部を区切りながら少なくとも閉じた外形を取り囲む本体と、流体のための少なくとも1つの入口であって、その流体の圧力が圧力範囲内で測定される、少なくとも1つの入口とを備える。変形可能な膜は、前記圧力範囲に対する変形可能な膜の膨張(E)が、裸眼で見ることができ、圧力を示す直接表示を可能にするのに十分な膜である。ベースには少なくとも1つの第1の孔があけられ、第1の孔の第1の端部は、閉じた外形内で変形可能な膜とベースとの間に現れる。本体には少なくとも1つの第2の孔があけられ、第2の孔の第1の端部は前記中空の容積部内に現れ、第1の孔の他方の端部は、入口に、または外気に連結され、第2の孔の他方の端部は、外気に、または入口に連結され、その結果、入口における流体の圧力、または減圧により、本体によって区切られた中空の容積部内で変形可能な膜の膨張が引き起こされる。指示器は、少なくとも2つの圧力マークを備え、各圧力マークは変形可能な膜の膨張位置に面し、膜の前記膨張位置に従って少なくとも3つの圧力値範囲を決定することを可能にする。
【0006】
したがって、各マークは所定の圧力に対応する。指示器は、膜の膨張がマークに到達したとき、膜の片側に位置決めされたチャンバ内の圧力が所定の圧力に等しくなるように構成されている。したがって、膜が第1のマークに到達していないときは、測定すべき圧力が第1の圧力閾値に到達しておらず、膜が第1のマークに到達したが第2のマークに到達していないときは、測定すべき圧力が第1および第2のマークによって規定される2つの圧力閾値間であり、膜が第2のマークに到達したときは、圧力が第2のマークによって規定される閾値圧力以上であると推論することができる。
【0007】
任意選択で、本発明はまた、以下の特性のいずれか1つをさらに有することができる。
【0008】
好ましくは、指示器は3つまたは4つのマークを備える。
【0009】
好ましくは、本体はベルを形成する。好ましくは、ベルは1つまたは複数の部片を備える。ベルの部品の少なくとも1つは、透明または半透明である。
【0010】
好ましくは、本体はベースに固定される。
【0011】
好ましくは、膜は弾性を有する。
【0012】
好ましくは、指示器は単一の変形可能な膜を備え、膜は弾性を有する。
【0013】
好ましくは、膜はモノリシックである。したがって、膜は、エラストマ材料から作られた1つの層のみから形成される。膜は、均質な構造を有する。
【0014】
好ましくは、圧力指示器は、膜が膜の膨張中に本体の壁を押すように構成されている。好ましくは、指示器は、圧力が増大するにつれて膜が壁の上で徐々に広がるように構成されている。好ましくは、指示器は、圧力が所与の圧力に到達したときは、膜の膨張により膜と壁の接触が引き起こされ、次いで圧力が増大したときは、膜の膨張により壁の上で膜の広がりが引き起こされるように構成されている。好ましくは、圧力指示器は、壁の上の膜の広がりが測定すべき圧力に依存するように構成されている。任意選択であるが、好ましくは、壁は、静止時に膜が位置する平面に対して実質上平行な平面内で延びる。膜は圧力差を受けて、ベルの壁に接触することもできる。次いでベルがこの圧力差を受ける。
【0015】
好ましくは、圧力マークはそれぞれ、壁の上の膜の広がりに対応する。したがって、使用者は、膜が壁の上で徐々に広がるのを見る。本体の壁の上の膜の広がりは、観察すべき圧力または減圧に整合する。好ましくは、本体の壁の上の膜の広がりは、観察すべき圧力または減圧に比例する。
【0016】
好ましくは、壁は、容積部を形成する本体またはベルの底部である。壁はまた、本体を形成するカバーまたは本体を部分的に形成するカバーとすることができる。
【0017】
任意選択で、好ましくは、壁は平坦である。
【0018】
代替実施形態によれば、壁は半球状である。
【0019】
好ましくは、壁は、膜が壁に接触していないときは使用者が膜を見ないように、および膜が壁に接触しているときは使用者が膜の少なくとも一部分を見ることが可能になるように構成されている。好ましくは、指示器は、膜の、壁に接触している部分のみを見ることが可能になるように構成されている。好ましくは、指示器は、膜の、壁に接触している部分全体を見ることが可能になるように構成されている。
【0020】
好ましくは、壁は半透明である。好ましくは、膜は不透明である。
【0021】
好ましくは、指示器は、膜の少なくとも3つの広がり位置を識別するように構成された少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのマークを備え、膜は、壁の上で円盤型に広がる。
【0022】
好ましくは、マークは、単一の壁の上の膜の広がりを見るように構成されている。
【0023】
本発明の別の特徴によれば、圧力範囲に対する変形可能な膜の膨張は、少なくとも1mmに等しい。
【0024】
本発明の別の特徴によれば、変形可能な膜は、TPS−SBSタイプまたはSEBSタイプの熱可塑性エラストマ材料から作られる。
【0025】
圧力範囲は0〜150cm/H
2Oの間であり、変形可能な膜は0のショアA硬度および0.3から0.8mmの間の厚さを有する。好ましい実施形態では、圧力範囲は0〜120cm/H
2Oであり、変形可能な膜は0のショアA硬度および0.7mmの厚さを有する。別の実施形態によれば、圧力範囲は0〜100cm/H
2Oであり、変形可能な膜は0のショアA硬度および0.5mmの厚さを有する。
【0026】
本発明の別の特徴によれば、変形可能な膜は、閉じた外形に、ベース内に設けられた溝と相互作用する少なくとも1つのビード、またはビードと相互作用する少なくとも1つの溝を備える。
【0027】
本発明の別の特徴によれば、変形可能な膜は、閉じた外形に、交互のビードおよび溝を、ベース内に形成されたそれぞれ対応する交互の溝およびビードと協働するようにして備える。
【0028】
本発明の別の特徴によれば、変形可能な膜の材料は、ピエゾクロミック(piezochromic)化合物もしくはトライボクロミック(tribochromic)化合物、またはサーモクロミック(thermochromic)化合物から成る。
【0029】
本発明の別の特徴によれば、壁の材料は、ピエゾクロミック化合物もしくはトライボクロミック化合物、またはサーモクロミック化合物から成る。
【0030】
本発明の別の特徴によれば、ベルは、変形可能な膜の膨張を外側から見ることができるように、少なくとも部分的に透明である。
【0031】
本発明の別の特徴によれば、ベルは少なくとも1つのマークを備え、少なくとも1つのマークは、変形可能な膜の膨張位置に面し、前記膨張位置に対応する流体圧力を示す。
【0032】
本発明の別の特徴によれば、ベルは、膨張した変形可能な膜の見え方を変化させるように、少なくとも1つの歪みレンズをさらに有する。
【0033】
本発明の別の特徴によれば、歪みレンズは、その光軸が膨張の主軸に対して垂直になるように構成されている。
【0034】
本発明の別の特徴によれば、歪みレンズは、その光軸が膨張の主軸に対して平行になるように位置決めされる。
【0035】
本発明の別の特徴によれば、ベルは、ベースに取り付けられた近位端部と、遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びる本体とを有する。1つの選択肢によれば、歪みレンズは本体上に位置する。代替として、またはこの選択肢と組み合わせて、歪みレンズは遠位端部上に位置する。
【0036】
本発明の別の特徴によれば、ベルは、閉じた外形で変形可能な膜をベースに押し付ける。
【0037】
本発明はさらに、喉頭マスクのパッドなどの医療デバイスの膨張式パッド内で圧力を監視するためのそのような圧力指示器の使用に関する。
【0038】
本発明はまた、本発明による圧力指示器と、内部の圧力を監視するための指示器に関連付けられた膨張式パッドとを備える医療デバイスに関する。
【0039】
有利な実施形態によれば、デバイスは喉頭マスクを形成する。
【0040】
本発明はまた、本発明による圧力指示器を備え、第1および第2の孔の一方が硬膜外注射用の針の遠位ポートと流体連通している、硬膜外注射用の医療デバイスに関する。医療デバイスは、硬膜外注射用の針を含むことが有利である。
【0041】
本発明の他の特徴、詳細、および利点は、図面に関連する情報について以下に示す詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、本発明のブロック図である。圧力指示器1は本質的に、ベース2と、変形可能な膜3と、本体とも呼ばれるベル4とを備える。変形可能な膜3は表面構造を有し、閉じた外形6内で液密になるようにベース2に実質上固定される。変形可能な膜3の表面は、前記閉じた外形6の内部全体にわたって連続している。
【0044】
圧力指示器1は、少なくとも1つの入口5、5’を備える。入口5、5’により、流体回路との流体連通、したがって圧力を測定すべき流体の進入が可能になる。ベース2は、少なくとも1つの第1の孔7を備える。前記第1の孔7の一方の端部は、閉じた外形6内で変形可能な膜3とベース2との間に開いている。ベル4は、少なくとも1つの第2の孔8を備える。前記第2の孔8の一方の端部は、前記中空の空間内へ開いている。
【0045】
圧力指示器は、2つの構成を有することができる。(正の)圧力を測定するように適合された第1の構成では、第1の孔7の他方の端部は入口5につながっている。したがって、入口5は、変形可能な膜3とベース2との間の空間と流体連通しており、閉じた外形6によって第1の孔7で制限される。さらに、ベル4によって画定される中空の容積部は、第2の孔8を介して外気につながっている。(正の)圧力下で入口5に流体を加えると、変形可能な膜3を押すことによって、ベル4の中空の空間内で変形可能な膜3の膨張が引き起こされる。
【0046】
(負の)圧力を測定するように適合された第2の構成によれば、第2の孔8の他方の端部が入口5’につながっている。入口5’は、ベル4によって第2の孔8で区切られた中空の空間と流体連通している。さらに、変形可能な膜3とベース2との間で閉じた外形6によって制限された空間は、第1の孔7を介して外気につながっている。(負の)減圧下で入口5’に流体を加えると、中空の空間内のボイド作用によって、ベル4の中空の容積部内で変形可能な膜3の膨張Eが引き起こされる。
【0047】
変形可能な膜3の膨張は、ベース2と変形可能な膜3との間に印加される正の圧力またはベル4と変形可能な膜3との間で中空の容積部内に印加される負圧/減圧の作用を受けて、変形可能な膜3が中空の容積部を充填するように、常に同じ方向に生じる。
【0048】
本発明による圧力指示器1は、ベース2側の入口5またはベル4側の入口5’を有する構成の1つに従って作ることができる。有利な実施形態によれば、圧力指示器1は、ベース2側の入口5またはベル4側の入口5’の両方を含む、両方の構成に適合するように作ることができる。次いで、圧力を測定することが望ましい回路は、測定すべき圧力の符号に応じて、2つの入口5、5’の一方または他方と選択的につながっていて、他方の入口5、5’は、外気内で切り離され状態にすることができる。
【0049】
ベースは、剛性の材料から作られる。ポリカーボネート材料が可能である。
【0050】
圧力指示器1は、所定の圧力範囲に対して設計される。この圧力範囲は典型的には、周囲圧力(大気圧)に対応する静止時の圧力と、「圧力」構成に対する最大の正の圧力または「減圧」構成に対する最小の負の減圧との間で規定される。
【0051】
本発明の重要な特徴によれば、変形可能な膜3は、前記圧力範囲に対するその膨張Eが裸眼で見えるのに十分な膜である。この特徴は、変形可能な膜3自体によって生成される直接表示を可能にすることが有利であり、変形可能な膜3の膨張Eは、流体が到達した圧力を示し、測定の指標として直接使用される。そのような特徴は、変形可能な膜3が圧力範囲内の圧力にさらされたときに、少なくとも直接見ることができるのに十分なだけ高い膨張を得ることを可能にする材料、ショア硬度、厚さ、形状を膜3に対して使用して得ることができる。
【0052】
これにより、普通なら圧力計に使用されるギア減速デバイスおよび/または増幅デバイス(パンタグラフ、ばね、戻り、電子部など)ならびに表示デバイス(指示器、ダイヤルなど)を回避することが可能になり有利である。これは、圧力指示器1の簡略化、したがってそのコストの低減に大きく寄与する。
【0053】
好ましくは、圧力指示器1はまた、1つのベル4を含む。前記ベルは、空胴4を画定する。前記ベル4は、ベース2とベル4との間に変形可能な膜3を含むように、ベース2に取り付けられる。変形可能な膜3は、ベース2に近接して位置決めされ、少なくとも閉じた外形6に沿って、閉じた外形6の側面の一方が前記ベース2に面するように、ベース2に取り付けられる。ベース2とは反対側の変形可能な膜3の他方の面は、ベル4によって画定される中空の容積部に面する。ベル4は、変形可能な膜3を覆い、少なくとも閉じた外形6を含む。したがって、ベル4の中空の容積部は、変形可能な膜3の膨張中に変形可能な膜3を受けるための体積を提供する。
【0054】
よりはっきり言うと、変形可能な膜3の膨張は、前記膨張が圧力範囲に対して少なくとも1mmに等しいとき、裸眼で見えるのに十分であると見なすことができる。圧力範囲は、圧力の最小値(たとえば、大気圧)から最大絶対圧力まで及ぶ。最大膨張は典型的には、最大絶対圧力の場合に得られる。好ましくは、そのような最大膨張は、少なくとも1mmに等しい。この比較的低い値で、検出を人間の目で見えるようにすることが可能である。しかし、この値は、1ミリメートル未満という従来技術の圧力計の剛性膜の変形の値よりかなり高い。
【0055】
この値は、最小値のままである。圧力指示器の可読性を改善するために、圧力範囲/所与の最大圧力に対する変形可能な膜3の最大膨張をより大きくすることが有利である。圧力範囲に対する最大膨張値が10mm程度であれば、圧力指示器1をより容易に読み取ることが可能になる。最大膨張値が約20mmであれば、さらに快適である。絶対最大膨張値が高ければ高いほど、圧力指示器1の読取りがより容易になる。したがって、最大膨張が大きければ大きいほど、異なるマークレベル9の数が増大し、したがって圧力指示器1の分解能が増大する。逆に、最大膨張値により、圧力指示器1の少なくとも1つの方向に全体的な寸法が決まる。したがって、許容できる全体的な寸法により、最大膨張値が制限される。
【0056】
所与の圧力範囲に対して高い相対的膨張を有する変形可能な膜の真の原理により、主に使用される材料が膨張中に線形でない挙動を有するため、圧力の関数として線形の膨張Eを得るのが困難になることに留意されたい。より具体的には、これにより圧力指示器1は、精密な測定が適当である使用ではなく、1つまたは複数の閾値における圧力の比較/監視が望ましい使用あるいは粗い分解能のみを必要とする使用に充てられる。
【0057】
しかし、変形可能な膜が所与の圧力範囲に対して高い相対的膨張を有するという原理には、非常に良好な反復性がある。時間的な反復性により、所与の印加圧力に対して同じ指示/膨張Eが確保される。圧力指示器1の原理により、高い精度/反復性で測定値/指示を得ることが可能になる。
【0058】
所与の圧力範囲内の圧力に応答して変形可能な膜3が膨張するという挙動は主に、変形可能な膜3の実施形態の材料、その厚さ、およびそのショアA硬度、ならびに閉じた外形6内に収容される表面に依存し、また程度は小さいが、前記閉じた外形6内の変形可能な膜3の作用表面14で可能な事前成形による閉じた外形6の形状、および相対的な厚さ分布に依存する。変形可能な材料に関しては、膨張を計算またはシミュレートするのが非常に困難であり、または不可能な場合もある。当業者であれば、これらのパラメータを決定するために、連続する試験による経験的な手法を使用する。したがって、圧力範囲/最大絶対圧力に対して、材料、平均の厚さ、硬度、および外形6の表面が決定される。前記最大絶対圧力を印加して最大膨張を生成し、この最大膨張と所望の膨張を比較することができる。その結果に応じて、当業者であれば、前記所望の最大膨張を得るために、材料、またはパラメータのいずれか1つを変更する。
【0059】
少なくとも中程度の圧力および低い圧力で変形可能な膜3を実現するための候補材料は、TPS−SEBSタイプまたはSBSタイプのエラストマ熱可塑性材料である。そのような材料は、多くのショア硬度で利用可能であり、広い圧力範囲に対して圧力指示器を作るために様々な厚さで製造することができる。
【0060】
低い圧力に対応する例示的な実施形態によれば、0〜100cm/H
2Oの圧力範囲に適合された圧力指示器1は、ショアA硬度0および厚さ0.5mmのような材料から作られた変形可能な膜3を有するように作られることが有利である。そのような実施形態は、直径15mmの円形の閉じた外形で、20mmの最大膨張を提供する。
【0061】
変形可能な膜3は典型的には、作用表面14および閉じた外形6を含む。閉じた外形6は、任意の形状とすることができる。
図2および
図3は、円形の閉じた外形6を有する変形可能な膜3の一実施形態を示す。前記閉じた外形6と境界を接する作用表面14の形状は、事前成形によって得ることができる。たとえば、球状シェルの事前成形を使用して、膨張の初めに膨張を容易にすることができる。
図2および
図3に示す実施形態は、最初の平坦な形状を示す。
【0062】
エラストマ材料の場合、変形可能な膜3は、精密鋳造、熱可塑性樹脂の注入によって作られることが有利である。これにより、優れた生産の再現性が提供され、これにより、圧力指示器ごとに圧力測定値の良好な再現性が得られることが有利である。これにより、大量/非常に大量の生産が可能になる。
【0063】
変形可能な膜3は、あらゆる可能な構成で、有用表面14および閉じた外形6を含む1つの部片として作られることが有利である。
【0064】
変形可能な膜3は、閉じた外形6に沿って液密状態でベース2に固定しなければならない。この取付けは、接着結合、溶接、圧締めなど、当技術分野では知られている任意の手段によって提供することができる。
【0065】
たとえば
図4に示す特に有利な一実施形態によれば、前記取付けは、閉じた外形6をその長さ全体に沿ってベース2に押し付けることによって実現される。好ましくは、この取付けは、閉じた外形6に整合する経路をベース2の壁の上に設けることによって容易になる。この場合、閉じた外形6は、圧縮が液密になるように、作用表面14より大きい厚さを有することが有利である。
【0066】
さらに
図4に示す好ましい実施形態によれば、前記支持は、ベル4によって提供される。ベル4はベース2に固定され、ベース2に接した状態の閉じた外形6上に載置されるように成形される。
【0067】
ベース2上のベル4の固定は、異なる方法で実現することができる。ベース2およびベル4は、前記組立てを容易にするために、整合する表面を有することが有利である。
図4に示すような解放可能でない接続を提供することができる。図示の例では、ベース2およびベル4は、整合して対向する穿孔を含む。ベル4は、ベース2上に位置決めされる。次いでこのアセンブリは、任意の知られている手段、すなわち接着、溶接などによって閉鎖される。
図5に示すように、取外し可能なアセンブリを実現することもさらに可能である。図示の例では、ベル4およびベース2は、クリップで留めることによって組み立てるために追加の弾性手段を有する。ベース2は円形のピン15を備え、ピン15上にベル4の少なくとも1つの弾性のタブ16がクリップで留められる。したがって、ベル4をベース2にクリップで留めることができる。弾性のラグ16は、分解を可能にするように弾性的に変形させることができる。
【0068】
変形可能な膜3とベース2の組立てモードが何であれ(接着、溶接、圧縮/載置など)、2つの部分2、3間には、閉じた外形6全体に沿って、液密封止が提供されるべきである。この封止は、組立てモード自体によって提供することができる。この封止は、整合するが必ずしも平滑ではないさらなる対向する表面を提供することによって強化できることが有利である。したがって、変形可能な膜3は、閉じた外形6に、ベース2内に形成された溝と相互作用する少なくとも1つのビードを備えることが有利である。同様に、変形可能な膜3は、閉じた外形6に、ベース2内に形成されたビードと協働する少なくとも1つの溝を備えることが有利である。
【0069】
さらに、得られる封止をさらに強化するために、いくつかの連続するビード/溝の対を組み合わせることが可能である。ビードおよび溝を交互に設けることが好ましい。また、変形可能な膜3は、閉じた外形6に、交互のビードおよび溝を、ベース2内に形成された対応する交互の溝およびビードとそれぞれ協働するようにして備えることが有利である。
【0070】
前記溝および/またはビードは整合しており、閉じた外形6に対して実質上平行である。前記溝および/またはビードは、任意の生成手段、すなわち注入、機械加工などによって、ベース2/変形可能な膜3と一体成形されることが有利である。
【0071】
ベル4は、いくつかの機能を有する。少なくとも1つの保護機能、マーク機能、および飽和/予備機能を特徴付けることが可能である。
【0072】
第1の保護機能は、変形可能な膜3が膨張する体積を保護して、前記膨張が障害物に当たらないようにすることからなる。この目的を達成するために、ベル4は、圧力指示器1が環境の要素に衝突されるのを防止する剛性の材料から作られる。
【0073】
しかし、この機能において、このいわゆる「圧力」構成では、ベル4は変形可能な膜3の前記膨張を妨げないようにすべきである。好ましくは、膨張に逆らう反対圧力を生成しないように、ベル4によって画定される中空の容積部は外気とつながっている。これは、中空の空間を外気とつなげるようにベル4の厚さ内にあけられた前記少なくとも1つの第2の孔8によって実現される。したがって、変形可能な膜3の膨張中、中空の空間内の空気は自由に逃げることができる。
【0074】
同様に、「減圧」構成では、変形可能な膜3とベース2との間の容積部は外気とつながっていることが有利である。これは、ベース2の厚さ内にあけられた前記少なくとも1つの第1の孔7によって実現される。したがって、変形可能な膜3の膨張中、外側の空気は、変形可能な膜3とベース2との間に位置する容積部に自由に入ることができ、したがって変形可能な膜3の膨張を可能にすることができる。
【0075】
第1の孔7、または第2の孔8は連携して加圧/減圧および/または外気とのつながりを確保するのに十分なほど大きい面積を有する。しかし、第1の孔7、または第2の孔8はそれぞれ、個別には、変形可能な膜3の突出を防止するのに十分なほど小さい面積を有する。
【0076】
この最後の特徴は、圧力範囲内の圧力よりはるかに低いまたははるかに高い圧力を含めて提供することができる。このとき、ベル4は、変形可能な膜3が中空の空間内で、または中空の空間を越えて膨張できないようにする。これにより、変形可能な膜3に対する保護が提供され、したがって、圧力の符号が逆になった場合を含めて、圧力不足または過剰圧力の場合に、破裂による変形可能な膜3の破壊が防止されるので有利である。これにより、圧力指示器1の予備機能を実行する有利な2重の高低の飽和が提供される。
【0077】
ベルの別の機能は、程度は小さいが、変形可能な膜3の膨張中に変形可能な膜3の案内を提供することである。ベル4がない場合、変形可能な膜3は球状の膨張を示す。たとえば
図4および
図5では円筒形であるベル4の内側の形状により、変形可能な膜3は強制的に円筒形に膨張する。
【0078】
ベル4の別の重要な機能は、圧力の参照を可能にすることである。この目的で、ベル4は少なくとも部分的に透明である。変形可能な膜3の膨張Eは、指示器1の外側から直接見ることができ、使用者が観察することができる。ベル4は、たとえば、ガラスまたはポリカーボネートから作られる。
【0079】
この参照機能を完成させるために、ベル4は、少なくとも1つのマーク9を備えることが有利であり、マーク9は、変形可能な膜3の膨張位置に面し、前記膨張位置に対応する流体圧力を示す。したがって、変形可能な膜3の膨張位置Eとマーク9を比較し、相対的な流体圧力の測定値を得ることが可能であり、これは、閾値または特徴的な圧力レベルを有利に示すマーク9に直接接している。
図1を参照すると、変形可能な膜3は、変形可能な膜3をマーク9に対向させる膨張Eに対応する膨張位置にある。このマーク9は事前に較正されているため、それによってこの構成に対応する圧力、または減圧が決定される。
【0080】
したがって、2つの区間間の1つのマーク9または2つの膨張位置に対応する2つのマークを含み、圧力の全か無かの指示を与える制御を行うことが可能である。さらに、n個のマーク9を備える指示器1を実現し、流体圧力とn個のマーク9を比較することが可能である。前記nは任意の数とすることができ、膨張の主軸および使用者の目の分解能に応じて、圧力指示器1の長手方向の寸法のみによって制限される。
【0081】
前記少なくとも1つのマーク9は、任意の知られている手段によって提供することができる。ベル4の内側または外側で、凹版または凸版エッチングが可能である。マーク9はまた、印刷またはスクリーン印刷することができる。マーク9はまた、ベル4の全体もしくはその表面上またはベル4の不透明の部分に着色/染色することによって作ることができる。
【0082】
図6を参照すると、変形可能な膜3およびベル4の相対的な寸法に応じて、変形可能な膜3の歪みは、実質上球状の半球の形状をとる。マーク9と比較される変形可能な膜3の有用部分は半球状である。この形を用いると、
図6の左側の図に示すように、前記半球の位置とマーク9の位置を比較するのが困難になる。
【0083】
この弱点を正すために、ベル4は、膨張した変形可能な膜3の見え方を変化させるための少なくとも歪みレンズ10、11をさらに備える。
図6をさらに参照すると、中心の図は、縮小レンズ10を通じて見た変形可能な膜3を示し、そのような円筒形のレンズの円筒軸は、膨張の主軸に対して平行(図の平面に対して垂直)に位置決めされる。そのような縮小レンズ10は、変形可能な膜3の半球の形状を棒状の形状に変換する。このとき、半球は前記棒の端部に置き換えられ、それによってマーク9とより容易に視覚的に比較することが可能になる。
【0084】
図7は、一実施形態によって、その周辺部全体に円筒形の縮小レンズ10を含むベル4を示し、縮小レンズ10の円筒軸は、膨張の主軸に対して平行に位置決めされる。
【0085】
図6をさらに参照すると、右側の図は、円筒形のレンズなどの拡大レンズ11を通じて見た変形可能な膜3を示し、拡大レンズ11の円筒軸は、膨張の主軸に対して垂直(図の水平面内)に位置決めされる。そのような拡大レンズ11は、変形可能な膜3の半球の形状を板状の形状に変換する。前記板により、マーク9とより容易に視覚的に比較することが可能になる。
【0086】
図8は、一実施形態によって、その高さ全体に円筒形の拡大レンズ11を含むベル4を示し、拡大レンズ11の円筒軸は、膨張の主軸に対して垂直に位置決めされる。
【0087】
前記2つの実施形態では、レンズ10、11は、ベル4の円筒形の壁の上に構成されているものとする。レンズ10、11は、どちらの場合も、レンズの光軸が膨張の主軸(ベル4の回転軸)に対して垂直であることを特徴とする。
【0088】
さらに、
図4、
図5、
図7、および
図8に示す別の実施形態では、光軸が主膨張軸(ベル4の回転軸)に対して平行になるようにレンズを位置決めすることが可能である。これは、たとえば、図の平面内の上部に見ることができるベル4の遠位端部に位置する凹面によって実現される。このレンズは、圧力の変化に関連して非常に大きくなる可能性のある変形可能な膜3の歪みに関する異なる視点を提供する。
【0089】
変形可能な膜3の膨張Eとマーク9によって示される少なくとも1つのレベルとを比較することによって得られる圧力の指示の代わりに、またはこの指示を完成させるために、使用者の注意をさらに引き付ける可視の作用を追加することが可能である。そのような作用は、たとえば、色の変化の作用とすることができる。
【0090】
変形可能な膜3の生成中に変形可能な膜3の材料内へピエゾクロミック化合物またはトライボクロミック化合物を組み込むことによって、変形可能な膜3は、圧力を受けると、前述の膨張Eに加えて空間的作用を生じさせ、色の変化を受けてクロミック作用を生じさせ、したがって空間的作用を補強し、使用者の注意を引き付ける機会を増大させることが有利である。
【0091】
別の代替または追加の実施形態によれば、変形可能な膜3の生成中に変形可能な膜3の材料内へサーモクロミック化合物を組み込むことも可能である。これにより、観察された流体の温度の指示機能で圧力指示器1の機能を完成させることが可能になる。これは、たとえば医療監視の用途で、非常に有利になる可能性があり、同じ指示器により、圧力および温度の2重の監視が可能になる。
【0092】
指示器は、膜の変形中に膜が本体の壁を押し、次いで圧力が増大するにつれてこの壁の上で徐々に広がるように構成されていることが有利である。したがって、使用者は、膜が壁の上で徐々に広がるのを見る。本体の壁の上の膜の広がりは、観察すべき圧力または減圧に整合する。好ましくは、本体の壁の上の膜の広がりは、観察すべき圧力または減圧に比例する。
【0093】
好ましくは、壁は、中空の容積部を形成する本体またはベルの底部である。壁はまた、本体を形成するカバーまたは本体を部分的に形成するカバーとすることができる。壁は、指示器のベースと一体化される。
【0094】
圧力指示器は、壁の上の膜の広がりの視覚化を可能にするマークを有することが有利である。これらのマークはそれぞれ、所定の圧力に対応しており、その所定の圧力は、指示器自体または関連する要素上に示すことができる。したがって、使用者は、壁に接触する膜部分が到達したマークを観察することによって、異なるレベルの圧力を読み取ることができる。したがって、マークの配置および数に応じて、圧力指示器は圧力の測定を可能にする。
【0095】
この実施形態は、加圧流体によって膜に伝えられる応力を制限することを可能にするため、特に有利である。実際には、この作用は、膜が壁に接触した後、少なくとも部分的に壁に伝えられる。膜は、壁に接触しなかった場合ほど変形しない。したがって、この膜は疲労を受けにくく、何度も使用した後でも測定値の再現性が改善される。この態様について、
図10〜17を参照して一実施形態を紹介した後、以下でより詳細に説明する。
【0096】
圧力指示器は、壁に接触するまで膜が使用者には見えないように成形されることが有利である。したがって、使用者は、膜の、壁に接触した部分のみを見ることができる。したがって、壁の表面上の膜の広がりの位置または広がりの進展をより容易に観察することができる。
【0097】
図10〜
図12は、他の実施形態に関して前述した特徴を有する圧力指示器を示す。具体的には、これらの図は、本体の部分42とベース2との間に挿入された膜3を示す。この例では、本体は、たとえば円筒形の形状、好ましくは円形の横断面を有する部分42と、部分42の端部を閉鎖するカバー41とを含む。膜3の上面、部分42、およびカバー41は、第1のチャンバとも呼ばれる第1の中空の空間50を画定し、膜は、圧力の作用を受けると、第1の中空の空間50内へ変形することができる。本体は、中空の空間50または圧力が測定されるべきチャンバと周囲空気との第1のつながりのための少なくとも1つの孔8を備える。図示の例では、カバー41は、第1の中空の空間50を大気圧で保持するために外気と連通している孔8を有する。好ましくは、カバー41は複数の孔8を含む。膜3と部分42との間のつながりは密である。
【0098】
ベース2は、少なくとも1つの孔7、好ましくはいくつかの孔を有し、孔7は、
図11に示すように導管22と流体連通しており、導管22自体は、圧力が測定されるべきチャンバと流体連通している。静止位置では、膜3はベース2上に載置されることが有利である。これにより、ベース2と膜との間の空間が除去または低減され、それによって圧力指示器の全体的な寸法が低減される。また、膜3の質量による恒久的な負荷に膜3をさらさせないことが可能になる。
【0099】
ダクト22は貫通ダクトであり、孔7の下流で導管22を閉鎖するためにバルブ60を設けることができることが有利である。
【0100】
図示の例では、ベース2は、壁21によって画定された筐体を有する。筐体は、本体の部分42を収容するように構成されている。好ましくは、カバー41は筐体に固定される。したがって、指示器の頑丈さおよび小型さが改善される。この固定には、たとえばクリップ留め、接着、および/またはねじ留めが含まれる。カバー41上に設けられる縁部43は、この固定に寄与する。
【0101】
図13〜17に示すように、本体は、
図13にすべて見ることができるマーク91、92、93、94、95を有する。前述のように、そのようなマークは、たとえば、本体上にスクリーン印刷、接着、または刻印される。
【0102】
したがって、本発明による圧力指示器は、低振幅の歪みを増幅するために複雑な機構を使用する必要なく回路内の真空/圧力レベルを使用者に示すエラストマ膜の変形を直接見ることに基づく。このとき、本発明による圧力指示器は、特に低い圧力を測定するには、人間の目で知覚されるように膜の大きな変形を必要とし、したがって膜の高い可撓性を必要とする。しかし、一定の変形、連続する継続的な伸張/収縮を受けるエラストマまたは他のタイプのあらゆる可撓性の材料は、多かれ少なかれ疲労にさらされ、その結果、圧力測定値が時間とともに比較的不確実で不正確になり、再発しなくなる。本発明による圧力指示器によって伝えられる圧力レベルで情報を固定するために、すなわち様々なレベルの圧力値に対応する線形性および再発する指示を確保するために、本発明は、可撓性膜の変形を自発的に制限するが、膜の剛性を増大させず、従来技術の解決策のようなギア減速および運動増幅デバイスを追加しないことを提供する。
【0103】
この目的を達成するため、本発明は、圧力にさらされる膜3の延長部の高さの極限の制限を提供する。この実施形態では、膜3の最大変形は制御され、可撓性材料の疲労の開始前に生じる膨張範囲に制限されなければならず、これは、印加される圧力の値にかかわらず、独立して行われる。
【0104】
したがって、この特定の生成モードにより、ギア減速または増幅ユニットを追加することなく、膜3が様々なレベルの流体圧力に順次さらされたときに、膜3の歪みの構造上の形状が最適に再発し、裸眼にはっきりと視認されるようになる。
【0105】
このとき、本発明による指示器のこの構造では、膜のエラストマ材料は、膜の変形の構造上の形状を時間とともに変化させることなく、任意の時間範囲内で、ほぼ無制限の数でなくても、非常に多数の膨張および収縮の連続に対応しながら、使用者が印加される圧力のレベルに応じて歪みの大きな振幅をベルの蓋上で見ることを可能にすることができる。
【0106】
この製造方法は、一定の伸長/収縮の連続にさらされるときに耐疲労性が制限されるというこれまで解決されなかった弾性材料の問題を解決するため、技術的に大きな進歩である。実際、本発明のこの特徴により、膜がいかなる持続時間および圧力にさらされた場合でも、エラストマ膜はいかなる材料疲労の影響もほとんど受けなくなり、歪みの構造上の形状の一定の運動を得ることが可能になり、印加される圧力レベルに応じて変形を広く見ることが可能になる。
【0107】
この新しい特徴により、本発明はより安全になり、圧力指示はより信頼性が高くなる。この目的を達成するために、好ましくは、エラストマ膜3は不透明の色、典型的には黒色であり、このとき本体カバー41から、またはより全体としてベルから短い距離をあけて配置される。
【0108】
膜が膨張するときに押し付けられる壁は、この接触が生じる前に膜3が見えないようにし、接触が生じたときに膜3を見ることを可能にすることが特に有利である。したがって、ベルのカバー41または天井は、剛性で不透明の材料から作られる。好ましくは、膜が接触してその上を広がる壁(カバー41、またはベルの天井)は、その壁に接触していない膜部分を使用者が見ないように半透明である。好ましくは、この壁は、黒色の膜と最適のコントラストをなすように、白色である。
【0109】
このとき、静止中で(膨張していない)、したがって蓋の表面に接触していない膜3は、中空の容積部50の内部への光の透過に対する遮蔽として位置し、したがってこのとき圧力にさらされていない膜3を隠す壁41の材料の半透明性によって隠れているため、デバイスの外側から使用者の目にはほとんど見えない。次いで膜は、流体圧力の作用によって動かされ、すぐに半透明の壁の内部の下面に直ちに接触する。当然ながら、壁と膜との間の第1の接触は常に同じ点で生じ、典型的にはベルの蓋または円形の天井の中心で生じる。接触が確立したとき、使用者は、ベルの天井の半透明の壁のこの点で、濃い灰色または黒色の点を見ることができる。
【0110】
次いで、流体の圧力が増大すればするほど、膜は壁の内面上でより大きく広がる。好ましくは、指示器は、膜の、壁に接触している部分全体が使用者に見えるように、および膜の、壁に接触していない部分が見えない、またははっきり見えないように構成されている。膜は、たとえば0から120cm/H
2Oの圧力で直径0mmから15mmに、カバーの内側の壁の上でたとえば円形に広がり、次いで自由に増大する。この特定の革新的な構成では、圧力の結果として生じる力が本体の壁の剛性材料に直接伝達されるため、可撓性の膜材料は疲労にさらされない。
【0111】
このとき使用者は、最初の黒色の中心点がカバー41の白色の半透明の外面の中心からカバー41の円周によって画定される外縁部まで延びるのを見る。最大圧力を受けると、蓋の機能面は完全に黒色になる。
【0112】
このときカバーの表面は、実際の流体圧力値の指示を使用者に視覚的に伝えるために目盛りを備えることができる。
【0113】
図13〜
図17は、本発明による指示器によって測定できる様々な圧力レベルを示す。
【0114】
図13では、壁41はマーク91〜95をすべて示す。膜は示されておらず、これは、測定すべき圧力がマーク91に対応する圧力より低いことを意味する。
【0115】
図14では、点100が示されている。この見え方は、膜3と壁41の内面との間の接触によって可能になる。点の表面は、壁41の内面に接触している膜部分3の表面に対応する。マーク92は、点100と同じ高さであり、測定すべき圧力がマーク92に関連する圧力に等しいことを読み取ることが可能である。
【0116】
図15では、点101が広がってマーク93と同じ高さであり、これは、チャンバ内の圧力が、マーク93に関連する圧力に等しいことを意味する。測定すべき圧力が増大するにつれて、膜は壁41の上で伸長して広がる。
図16に示すように、広がり表面が増大してマーク94に到達すると、これは、測定すべき圧力がマーク94に関連する圧力に等しいことを意味する。
【0117】
図17では、測定すべき圧力はマーク95に関連する圧力に到達している。
【0118】
したがって、膜は、中空の空間50を画定するすべての壁に到達するまで延びることができる。そのような中空の空間50は剛性の壁に囲まれているため、測定すべき圧力が何であっても、この体積は一定になる。したがって、本発明により、測定すべき圧力が何であっても、膜の膨張をチャンバ50の体積に等しい体積に制限することが可能になる。プラスチック歪み限界がチャンバ50の体積より大きい膜を選択することで、膜が弾性を維持することが保証される。したがって、測定すべき圧力が推奨される動作圧力を超過した場合でも、膜は影響を受けず、測定値はやはり信頼性が高いままである。
【0119】
この実施形態では、たとえば、0から120cm/H
2Oの範囲の圧力を識別するため、壁から5mm未満のところに膜を配置することを提供することができる。好ましくは、変形可能な膜は、0のショアA硬度および0.7mmの厚さを有する。壁41の表面上に見える円板は、0から15ミリメートルの間の直径を有する。
【0120】
特に膜を形成するための材料に関する上記の特徴はすべて、この実施形態にも当てはまる。
【0121】
本発明はまた、半透明でない壁にも適用され、これによって、膜と壁との間の接触がない場合に膜を隠すことが可能になり、膜が壁に接触しているときに使用者が膜を見ることが可能になる。好ましくは、この壁は、壁に接触している膜部分のみを表示することを可能にする。
【0122】
したがって、半透明の壁に加えて、本発明は、光の反射によって膜を見えないようにする壁にも適用され、膜が壁の面に接触すると光の反射は低減または除去される。
【0123】
本発明はまた、膜に接触する壁が、静止位置にある膜に対して実質上平行な壁ではない指示器にも適用される。
【0124】
そのような圧力指示器1を生産するには、いくつかの部分、典型的には3つの部分が必要とされる。これらの部分は、容易に大量生産することができ、やや高価な製品を得ることを可能にすることができる。したがって、特に医療の用途で有用な単回使用の圧力指示器1を実現することが可能である。
【0125】
さらに、変形可能な膜3の膨張によって得られる本発明の原理は、全体的な寸法が非常に小さい圧力指示器を生成することを可能にする。
【0126】
測定される圧力に対して膜の質量が非常に小さいという本発明の原理により、重力の作用を無視することが可能になる。その結果、本発明による圧力指示器1は、向きの影響を受けないため、任意の位置/向きで使用できることが有利である。
【0127】
そのような圧力指示器1は、多くの適用分野で使用することができる。医療分野における特に有利な用途は、低い圧力範囲で圧力/減圧を監視する適用分野に対するものである。したがって、呼吸のための挿管デバイスに膨張式パッドを使用することが知られている。
【0128】
図9は、そのようなデバイスが患者の口腔内に位置決めされた後に喉頭の開口を覆う喉頭マスク13である一例を示す。膨張式パッド12が、そのようなデバイスの封止を提供する。パッド12は、そのような封止を確保するのに十分なほど膨張させなければならない。しかし、前記パッド12が載置される口腔の領域は、大脳動脈を含むため、非常に重要である。これらの動脈にかかる圧力が高すぎると、不可逆性の脳の損傷を引き起こすおそれがあるため、絶対に回避しなければならない。
【0129】
0〜100cm/H
2Oの圧力範囲に適合された本発明による圧力指示器1をパッド12上へ取り付けて、パッド12の膨張中にパッド12内の圧力、したがって患者の口腔にかかる負荷圧力を監視することが有利である。そのような圧力指示器1は、少なくとも2つのマーク9を具備することが有利である。第1のマークは、パッド12の膨張の最小圧力、すなわち40cm/H
2Oの値に対応する。第2のマークは、超過してはならない生理学的な損傷の閾値圧力、すなわち80cm/H
2Oの値である。したがって、本発明のおかげで、操作者は、患者にとって完全に安全な状態で、パッド12の位置決めおよび膨張を効率的に確認することができる。
【0130】
本発明は、本発明の指示器を組み込むことができる多くのデバイスにも適用される。たとえば、本発明による指示器はまた、硬膜外注射を実行するためのデバイス内に構築することもできる。このとき圧力指示器は、硬膜外注射向けの針と組み合わせて使用される。より具体的には、圧力指示器は、硬膜外の空間内で針の斜面の位置を確認するように設計される。指示器の2つの孔の一方は、硬膜外注射シリンジの針の遠位ポートと流体連通している。
【0131】
閉じたシステム内で圧力が上昇し、膜が収縮すると、針の斜面が空隙内へ貫入したこと、またはシステムが別の理由で開いたことが、医師に通知される。したがって医師には、針の斜面が硬膜外の空間内へ貫入したことが通知される。
【0132】
硬膜外注射向けのこの適用例は、上記の実施形態のすべてに適用することができる。
【0133】
本発明の好ましい実施形態について本明細書で説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲の範囲内でこの実施形態に修正を加えることができることを理解されたい。