【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの目的は、前述の問題が部分的に回避される独創的な水中発電所を提供することである。この目的は、請求項1の特徴部の特徴によって達成される。本発明の別の目的は、飛行翼を備える水中発電所を操舵するための方法を提供することである。この目的は、請求項11の特徴部の特徴によって達成される。
【0007】
本発明は、電力を発生するための水中発電所に関する。発電所は、構造物と、少なくとも1つの羽根を備えるビークルとを備える。ビークルは、少なくとも1つのテザーによって構造
物に固定されるよう構成される。ビークルは、羽根を通過する流体の流れによって所定の軌跡で移動するよう構成される。発電所は、ビークルの羽根に取り付けられるよう構成された第1タービン、第2タービンおよび第3タービンを少なくとも備える。第1タービンは第1発電機に接続され、第2タービンは第2発電機に接続され、かつ第3タービンは第3発電機に接続される。第1タービン、第2タービンおよび第3タービンの少なくとも1つは、羽根の上面においてビークルに取り付けられ、かつ第1タービン、第2タービンおよび第3タービンの少なくとも1つは、羽根の下面に取り付けられる。前記第1発電機、第2発電機および第3発電機は、トルク制御によって第1,第2および第3タービンそれぞれに与えられる異なる流体力学圧力を生成することができるよう構成されている。本発明の利点は、トルク制御を用いることにあり、異なるタービン、つまり第1タービン、第2タービンおよび第3タービンへ異なる反トルクを与えることができ、それらは異なる回転速度で回転することができる。したがってタービンは、トルク制御される。発電機/モーターおよびその後のタービンのトルク制御により、羽根における制御可能な抗力を誘起することができる。タービンが羽根の中心から異なる距離に配置されるため、これらの合成抗力は、ヨーおよびピッチ両方の向きである。インテリジェント制御により、これらのタービンは、羽根の動きに作用することができ、部分的または完全に舵面と置換され得る。タービンのトルクを管理するインテリジェント制御システムは、羽根の向きおよび位置に関する情報に作用する。発電機/モーターのトルク制御は、産業界で通常利用可能な遮断機能を有するサーボドライバによってなされ得る。
【0008】
流体によって前記第1タービン、第2タービンおよび第3タービンに異なる流体力学圧力が与えられることにより、第1、第2および第3タービンそれぞれに適用される異なる反トルクがビークルに与えられる並進力および/または回転力を引き起こし、ビークルのピッチングおよび/またはヨーイングを引き起こす。1または複数のタービンに異なる圧力を与えることができる。この効果は、方向舵などの追加的な舵面が不要になることである。方向舵を制御するサーボ機構とともに方向舵などの可動部が不要になることは、発電所の耐久性を増加させる。あるいは水中発電所は、羽根よりかなり下のテザーの取付点のために前および後支柱を用いることができる。これは、ピッチ不安定性および静圧不均衡の影響を低減する。これは、いくつかの部品および多数の連結部を含むシステムであり、そのため、設計および製造が比較的複雑であり、水中プラントの費用が増加し得る。
【0009】
本発明において、支柱はもはや必要なく、これは、発電所の複雑さをさらに低減する。本発明はまた、テザー連結部を羽根に、または羽根の近くに取り付けられた連結装置に移動させることができる。
【0010】
さらに少なくとも3つのタービンを使用することにより、各タービンは、ただ1つのタービンが用いられる場合よりも小さく作ることが可能となる。これにより、各タービンおよび発電機の電力が小さくなるため、各タービンおよび発電機の組み合わせの制御がより容易になる。これは、電力制御電子機器の設計がより容易になることを意味する。より小さいタービンを有することはまた、発電機の冷却、およびそれらの電力制御電子機器を簡素化することであり、かつ全体重量が低減され、かつ機械的な負荷がより分散され、構造設計が容易になる。
【0011】
ピッチおよび/またはヨーを制御するために異なるタービンに異なる反トルクを適用可能であることのさらなる利点は、所定の軌跡におけるビークルの位置に応じてピッチおよび/またはヨーを動的に制御することができるということである。これにより、各発電機の出力およびビークルの操舵を最適化することが可能となる。
【0012】
少なくとも第1、第2および第3タービンは、電力を発生するタービン機能、およびビークルを前後へ推進するスラスタ機能を有することができる。電力が発電機を順方向または逆方向に動かすために適用されることによって少なくとも1つの第1、第2および第3発電機が動き、それによってスラスタ機能が作られる。
【0013】
例えばそれぞれの発電機を順方向に動かすことによりタービンをモーターとして使用可能であるという利点は、所定の軌跡に沿った発電所の移動が開始され、その後機能が発電に切り替わることが容易になるということである。また整備が必要な場合にビークルを水面に動かすことが可能である。この利点は、ビークルが設置または整備の後で表面から運用深さまで動くことができるということである。スラスタ機能の別の利点は、故障の際の救済、整備のために水面に達すること、または水中発電所の浮力制御
のための追加的なシステムの必要性が低減されるということである。これは今やタービンをエンジンとして使用することにより達成され得る。この運用は、3つ以上のタービン運転によって機能する。
【0014】
発電所は、3つより多い奇数のタービンを備えることができ、ビークルの下面においてビークルに取り付けられた数より1つ多いタービンが羽根の上面においてビークルに取り付けられている。発電所は、3つより多い奇数のタービンを備えることができ、ビークルの下面においてビークルに取り付けられた数より1つの少ないタービンが羽根の上面においてビークルに取り付けられている。発電所は、残りのタービンよりも大きいローター直径のタービンを少なくとも1つ備えることができる。
【0015】
発電所は、2つより多い偶数のタービンを備えることができ、等しい数のタービンが羽根の上面のビークル、および羽根の下面のビークルに取り付けられる。発電所は、2つより多い偶数のタービンを備えることができ、羽根の下面のビークルより多くのタービンが羽根の上面のビークルに取り付けられるか、またはビークルの上面のビークルより多くのタービンが羽根の下面のビークルに取り付けられる。
【0016】
3より多いタービンおよび発電機を有することにより、1つのタービンおよび発電機が故障した場合でも発電およびスラスタ機能が機能し続けるため、発電はより冗長化される。
【0017】
羽根の下面の羽根の質量中心に1つのタービンが取り付けられていない場合、テザーは、ビークルの羽根の連結部に取り付けられることによって、ビークルに取り付けられる。テザーが取り付けられる支柱がないことによって、テザーを直接ビークルの羽根に取り付けることができる。これにより、羽根の下の支柱の延長部に等しい水上の高さまでビークルを持ち上げる必要がなくなるため、発電所の設置および整備がより容易になる。延長部は、羽根の幅のオーダーとすることができる。本発明は、ビークルおよびテザーの連結部が水面近く、または水面にあるように、ビークルを水面よりわずか上に持ち上げることを可能にする。ビークルが水面に載置され、ダイバーがビークルの羽根からテザーを切り離すことができるようにビークルを持ち上げることがまた可能である。
【0018】
1つのタービンが羽根の下面の羽根の質量中心に取り付けられる場合、テザーは、前記タービンが接続されたナセルの連結部に取り付けられることによって、ビークルに取り付けられる。これにより、支柱がない利点を活用することができる一方でタービンの異なる構成が可能となる。
【0019】
発電所は、少なくとも1つの固定受動舵面を備えることができる。ビークルを回転後に適切に真っ直ぐにさせるために、かつ横、またはビークルの進行方向に対してずれた任意の他の方向にドリフトさせないために、発電所のビークルは、受動舵面を有することができる。受動舵面は、羽根の上部または底側のいずれか、または両側に延在するフィン形とすることができる。受動舵面はまた、少なくとも1つのタービンおよび発電機を羽根に取り付ける締結部品の一部とすることができる。締結部品は、受動舵面として機能する適切な形をとるように、羽根から上昇させることができる、および/または前方または後方へ延在させることができる。受動舵面は、フィンと、タービンおよび発電機を羽根に取り付ける締結部品との組み合わせとすることができる。
【0020】
本発明はまた、水中発電所を操舵する方法に関する。水中発電所は、構造物と、少なくとも1つの羽根を備えるビークルとを備える。ビークルは、少なくとも1つのテザーによって構造物に固定されるように構成される。ビークルは、羽根を通過する流体の流れによって所定の軌跡で移動するように構成される。発電所は、ビークルの羽根に取り付けられるよう構成された第1タービン、第2タービンおよび第3タービンを少なくとも備える。少なくとも1つの第1、第2および第3タービンは、羽根の上面においてビークルに取り付けられる。第1タービンは、第1発電機に接続され、第2タービンは、第2発電機に接続され、および第3タービンは、第3発電機に接続される。前記第1発電機、第2発電機および第3発電機は、第1、第2および第3タービンそれぞれに異なる反トルクを生成することができるように構成される。方法は、
− 第1タービンの第1回転速度を設定するために、第1発電機による第1反トルクを第1タービンに与えるステップと、
− 第2タービンの第2回転速度を設定するために、第2発電機によって第2反トルクを第2タービンに与えるステップと、
− 第3タービンの第3回転速度を設定するために、第3発電機によって第3反トルクを第3タービンに与えるステップと、
を備える。
【0021】
本発明の方法による利点は、タービンが異なる回転速度で回転することができるように、異なる反トルクを異なるタービン、すなわち第1タービン、第2タービンおよび第3タービンに与えることにより異なる量の電力を抽出することができることである。流体によって異なる流体力学圧力が前記第1タービン、第2タービンおよび第3タービンに与えられることによって、ビークルに及ぼされる並進力および/または回転力が生じ、ビークルのピッチングおよびヨーイングを引き起こす。これは、方向舵などの追加的な舵面の必要性を除去する。
【0022】
一般的に、より大きい反トルクを1つのタービンに与えることによって、このタービンは、ビークルが回転する軸をシフトさせる。例えば、ヨーポートでは、羽根の質量中心の右舷のタービンより、羽根の質量中心の左舷のタービンは、それから与えられる大きな力を有することになる。
【0023】
方法はまた、
− 羽根の上面においてビークルに接続された1または複数のタービンにそれらの対応する発電機によって反トルクを与えることによってビークルのピッチを制御するステップであって、その反トルク全体は、羽根の下面においてビークルに接続された1または複数のタービンにそれらの対応する発電機によって与えられる反トルク全体と異なる、ステップ
を備えることができる。
【0024】
方法はまた、
− 羽根の質量中心の第1側においてビークルに接続された1または複数のタービンにそれらの対応する発電機によって反トルクを与えることによってビークルのヨーを制御するステップであって、反トルク全部は、羽根の質量中心の第2側においてビークルに接続される1または複数のタービンにそれらに対応する発電機によって与えられる反トルク全体と異なる、ステップ
を備えることができる。
【0025】
羽根の質量中心の第1側および羽根の質量中心の第2側に取り付けられたタービンの反トルクを同時に調整しながら、羽根の上面および羽根の下面に取り付けられたタービンの反トルクを調整することによって、ピッチおよびヨーの両方を組み合わせた操縦を生成することが可能となる。方法はもちろん任意の数のタービンに適用可能である。