特許第6223552号(P6223552)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223552
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】複数のタービンを有する水中発電所
(51)【国際特許分類】
   F03B 13/10 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
   F03B13/10
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-516477(P2016-516477)
(86)(22)【出願日】2013年5月30日
(65)【公表番号】特表2016-523329(P2016-523329A)
(43)【公表日】2016年8月8日
(86)【国際出願番号】SE2013050625
(87)【国際公開番号】WO2014193281
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2016年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】514159737
【氏名又は名称】ミネスト・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ペッテション
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−525427(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0106105(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0104763(US,A1)
【文献】 特表2002−535188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電のための水中発電所(1)であって、前記水中発電所(1)は、構造物(2)と、少なくとも1つの羽根(4)を備えるビークル(3)とを備え、前記ビークル(3)は、少なくとも1つのテザー(5)によって前記構造物(2)に固定されるように構成され、前記ビークル(3)は、前記羽根(4)を通過する流体の流れによって所定の軌跡で移動するよう構成され、前記水中発電所(1)は、前記ビークル(3)の前記羽根(4)に取り付けられるよう構成された、少なくとも第1タービン(6)、第2タービン(8)および第3タービン(10)を備え、前記第1タービン(6)は、第1発電機(12)に接続され、前記第2タービン(8)は、第2発電機(13)に接続され、前記第3タービン(10)は、第3発電機(14)に接続され、
前記第1タービン(6)、前記第2タービン(8)、および前記第3タービン(10)の少なくとも1つが前記羽根(4)の上面(15)において前記ビークル(3)に取り付けられ、かつ前記第1タービン(6)、前記第2タービン(8)、および前記第3タービン(10)の少なくとも1つが前記羽根(4)の下面(16)に取り付けられ、前記第1発電機(12)、第2発電機(13)、および第3発電機(14)は、前記第1、第2、および第3タービン(6,8,10)に異なる反トルクを与えることで前記第1、第2、および第3タービン(6,8,10)をトルク制御することによって前記第1、第2、および第3タービン(6,8,10)それぞれに与えられる異なる流体力学圧力を生成できるよう構成され、かつ
前記少なくとも第1、第2、および第3タービン(6,8,10)が発電のためのタービン機能および前記ビークル(3)を前または後へ推進するためのスラスタ機能を有し、前記第1、第2、および第3発電機(12,13,14)の少なくとも1つが電力によって順方向または逆方向に動き且つモーターとして動かされることによって前記スラスタ機能が生成されていることを特徴とする、水中発電所(1)。
【請求項2】
前記水中発電所(1)が3より多い奇数のタービンを備え、前記ビークル(3)の下面(16)において前記ビークル(3)に取り付けられているタービンよりも1つ多いタービンが前記羽根(4)の上面(15)において前記ビークル(3)に取り付けられている、請求項1に記載の水中発電所(1)。
【請求項3】
前記水中発電所(1)が3より多い奇数のタービンを備え、前記ビークル(3)の下面(16)において前記ビークル(3)に取り付けられているタービンよりも1つ少ないタービンが前記羽根(4)の上面(15)において前記ビークル(3)に取り付けられている、請求項1に記載の水中発電所(1)。
【請求項4】
前記水中発電所(1)が、他のタービンよりも大きなローター直径を有する少なくとも1つのタービンを備える、請求項2または3に記載の水中発電所(1)。
【請求項5】
前記水中発電所(1)が2より多い偶数のタービンを備え、等しい数のタービンが前記ビークル(3)の前記羽根(4)の上面(15)、および前記ビークル(3)の前記羽根(4)の下面(16)に取り付けられている、請求項1に記載の水中発電所(1)。
【請求項6】
前記水中発電所(1)が2より多い偶数のタービンを備え、前記羽根(4)の下面(16)において前記ビークル(3)に取り付けられているタービンよりも多くのタービンが前記羽根(4)の上面(15)において前記ビークル(3)に取り付けられているか、または前記ビークル(3)の上面(15)において前記ビークル(3)に取り付けられているタービンよりも多くのタービンが前記羽根(4)の下面(16)において前記ビークル(3)に取り付けられる、請求項1に記載の水中発電所(1)。
【請求項7】
1つのタービンが前記羽根(4)の質量中心において前記羽根(4)の前記下面(16)に取り付けられていない場合に、前記テザー(5)が前記ビークル(3)の前記羽根(4)における連結部に取り付けられることによって前記ビークル(3)に取り付けられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水中発電所(1)。
【請求項8】
1つのタービンが前記羽根(4)の質量中心において前記羽根(4)の前記下面(16)に取り付けられている場合に、前記テザー(5)が、前記タービンが取り付けられているナセルの筐体の連結部に取り付けられることによって前記ビークル(3)に取り付けられている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水中発電所(1)。
【請求項9】
前記水中発電所(1)が少なくとも1つの受動舵面(20)を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水中発電所(1)。
【請求項10】
水中発電所(1)を操舵する方法であって、該水中発電所(1)が構造物(2)と、少なくとも1つの羽根(4)を備えるビークル(3)とを備え、前記ビークル(3)は、少なくとも1つのテザー(5)によって前記構造物(2)に固定されるよう構成され、前記ビークル(3)は、前記羽根(4)を通過する流体の流れによって所定の軌跡で移動するよう構成され、
前記水中発電所(1)が前記ビークル(3)の前記羽根(4)に取り付けられるよう構成された、少なくとも第1タービン(6)、第2タービン(8)、および第3タービン(10)を備え、前記第1、第2および第3タービン(6,8,10)の少なくとも1つが前記羽根(4)の上面(15)において前記ビークル(3)に取り付けられ、前記第1タービン(6)は、第1発電機(12)に接続され、前記第2タービン(8)は、第2発電機(13)に接続され、前記第3タービン(10)は、第3発電機(14)に接続され、前記第1タービン(6)、前記第2タービン(8)、および前記第3タービン(10)それぞれが異なる回転速度で回転すると、前記第1発電機(12)、第2発電機(13)、および第3発電機(14)は、前記第1、第2および第3タービン(12,13,14)それぞれへの異なる反トルクを生成できるように構成され、
− 前記第1タービン(6)の第1回転速度を設定するように、前記第1発電機(12)による第1反トルクを前記第1タービン(6)に与えるステップ(6)と、
− 前記第2タービン(8)の第2回転速度を設定するように、前記第2発電機(13)による第2反トルクを前記第2タービン(8)に与えるステップと、
− 前記第3タービン(10)の第3回転速度を設定するように、前記第3発電機(14)による第3反トルクを前記第3タービン(10)に与えるステップと、
を備え、かつ
前記少なくとも第1、第2、および第3タービン(6,8,10)が発電のためのタービン機能および前記ビークル(3)を前または後へ推進するためのスラスタ機能を有し、前記第1、第2、および第3発電機(12,13,14)の少なくとも1つが電力によって順方向または逆方向に動き且つモーターとして動かされることによって前記スラスタ機能が生成されていることを特徴とする方法。
【請求項11】
前記方法が、
− 前記羽根(4)の上面(15)において前記ビークル(3)に接続された1または複数の前記タービンにそれらに対応する発電機によって反トルクを与えることによって、前記ビークル(3)のピッチを制御するステップであって、前記反トルク全体が、前記羽根(4)の下面(16)において前記ビークル(3)に接続された1または複数の前記タービンにそれらに対応する発電機によって与えられる反トルク全体とは異なっている、ステップ
を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が
前記羽根(4)の質量中心の第1側において前記ビークル(3)に接続された1または複数の前記タービンにそれらに対応する発電機によって反トルクを与えることによって前記ビークル(3)のヨーを制御するステップであって、前記反トルク全体が、前記羽根(4)の質量中心の第2側において前記ビークル(3)に接続された1または複数の前記タービンにそれらに対応する発電機によって与えられる反トルク全体とは異なっている、ステップ
を備える、請求項10または11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を発生する水中発電所に関する。発電所は、構造物と、少なくとも1つの羽根を備えるビークルとを備える。ビークルは、少なくとも1つのテザーによって構造物に固定されるよう構成される。ビークルは、羽根を通過する流体の流れによって所定の軌跡で移動するよう構成される。発電所は、ビークルの羽根に取り付けられるよう構成された第1タービン、第2タービンおよび第3タービンを少なくとも備える。第1タービンは第1発電機に接続され、第2タービンは第2発電機に接続され、かつ第3タービンは第3発電機に接続される。
【背景技術】
【0002】
電力を発生するための水中プラントは、例えば特許文献1から当該分野で公知である。特許文献1において、水中プラントは、構造物に取り付けられて軌跡に沿って移動し、潮流によって発電する。特許文献1において、水中プラントは、舵面を用いて水中発電所を制御する制御システムの使用によって所定の軌跡に沿って操舵される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1816345号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
舵面は、多数の可動部品および関連する制御および電力システムを必要とし、それらは、磨耗の影響を受けやすく、したがって頻繁な修理が必要となる場合がある。これは、水中発電所の修理費用を増加させ、かつ発電所が電力を発生する時間を減少させる。
【0005】
したがって 改善された水中発電所を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの目的は、前述の問題が部分的に回避される独創的な水中発電所を提供することである。この目的は、請求項1の特徴部の特徴によって達成される。本発明の別の目的は、飛行翼を備える水中発電所を操舵するための方法を提供することである。この目的は、請求項11の特徴部の特徴によって達成される。
【0007】
本発明は、電力を発生するための水中発電所に関する。発電所は、構造物と、少なくとも1つの羽根を備えるビークルとを備える。ビークルは、少なくとも1つのテザーによって構造に固定されるよう構成される。ビークルは、羽根を通過する流体の流れによって所定の軌跡で移動するよう構成される。発電所は、ビークルの羽根に取り付けられるよう構成された第1タービン、第2タービンおよび第3タービンを少なくとも備える。第1タービンは第1発電機に接続され、第2タービンは第2発電機に接続され、かつ第3タービンは第3発電機に接続される。第1タービン、第2タービンおよび第3タービンの少なくとも1つは、羽根の上面においてビークルに取り付けられ、かつ第1タービン、第2タービンおよび第3タービンの少なくとも1つは、羽根の下面に取り付けられる。前記第1発電機、第2発電機および第3発電機は、トルク制御によって第1,第2および第3タービンそれぞれに与えられる異なる流体力学圧力を生成することができるよう構成されている。本発明の利点は、トルク制御を用いることにあり、異なるタービン、つまり第1タービン、第2タービンおよび第3タービンへ異なる反トルクを与えることができ、それらは異なる回転速度で回転することができる。したがってタービンは、トルク制御される。発電機/モーターおよびその後のタービンのトルク制御により、羽根における制御可能な抗力を誘起することができる。タービンが羽根の中心から異なる距離に配置されるため、これらの合成抗力は、ヨーおよびピッチ両方の向きである。インテリジェント制御により、これらのタービンは、羽根の動きに作用することができ、部分的または完全に舵面と置換され得る。タービンのトルクを管理するインテリジェント制御システムは、羽根の向きおよび位置に関する情報に作用する。発電機/モーターのトルク制御は、産業界で通常利用可能な遮断機能を有するサーボドライバによってなされ得る。
【0008】
流体によって前記第1タービン、第2タービンおよび第3タービンに異なる流体力学圧力が与えられることにより、第1、第2および第3タービンそれぞれに適用される異なる反トルクがビークルに与えられる並進力および/または回転力を引き起こし、ビークルのピッチングおよび/またはヨーイングを引き起こす。1または複数のタービンに異なる圧力を与えることができる。この効果は、方向舵などの追加的な舵面が不要になることである。方向舵を制御するサーボ機構とともに方向舵などの可動部が不要になることは、発電所の耐久性を増加させる。あるいは水中発電所は、羽根よりかなり下のテザーの取付点のために前および後支柱を用いることができる。これは、ピッチ不安定性および静圧不均衡の影響を低減する。これは、いくつかの部品および多数の連結部を含むシステムであり、そのため、設計および製造が比較的複雑であり、水中プラントの費用が増加し得る。
【0009】
本発明において、支柱はもはや必要なく、これは、発電所の複雑さをさらに低減する。本発明はまた、テザー連結部を羽根に、または羽根の近くに取り付けられた連結装置に移動させることができる。
【0010】
さらに少なくとも3つのタービンを使用することにより、各タービンは、ただ1つのタービンが用いられる場合よりも小さく作ることが可能となる。これにより、各タービンおよび発電機の電力が小さくなるため、各タービンおよび発電機の組み合わせの制御がより容易になる。これは、電力制御電子機器の設計がより容易になることを意味する。より小さいタービンを有することはまた、発電機の冷却、およびそれらの電力制御電子機器を簡素化することであり、かつ全体重量が低減され、かつ機械的な負荷がより分散され、構造設計が容易になる。
【0011】
ピッチおよび/またはヨーを制御するために異なるタービンに異なる反トルクを適用可能であることのさらなる利点は、所定の軌跡におけるビークルの位置に応じてピッチおよび/またはヨーを動的に制御することができるということである。これにより、各発電機の出力およびビークルの操舵を最適化することが可能となる。
【0012】
少なくとも第1、第2および第3タービンは、電力を発生するタービン機能、およびビークルを前後へ推進するスラスタ機能を有することができる。電力が発電機を順方向または逆方向に動かすために適用されることによって少なくとも1つの第1、第2および第3発電機が動き、それによってスラスタ機能が作られる。
【0013】
例えばそれぞれの発電機を順方向に動かすことによりタービンをモーターとして使用可能であるという利点は、所定の軌跡に沿った発電所の移動が開始され、その後機能が発電に切り替わることが容易になるということである。また整備が必要な場合にビークルを水面に動かすことが可能である。この利点は、ビークルが設置または整備の後で表面から運用深さまで動くことができるということである。スラスタ機能の別の利点は、故障の際の救済、整備のために水面に達すること、または水中発電所の浮力制御ための追加的なシステムの必要性が低減されるということである。これは今やタービンをエンジンとして使用することにより達成され得る。この運用は、3つ以上のタービン運転によって機能する。
【0014】
発電所は、3つより多い奇数のタービンを備えることができ、ビークルの下面においてビークルに取り付けられた数より1つ多いタービンが羽根の上面においてビークルに取り付けられている。発電所は、3つより多い奇数のタービンを備えることができ、ビークルの下面においてビークルに取り付けられた数より1つの少ないタービンが羽根の上面においてビークルに取り付けられている。発電所は、残りのタービンよりも大きいローター直径のタービンを少なくとも1つ備えることができる。
【0015】
発電所は、2つより多い偶数のタービンを備えることができ、等しい数のタービンが羽根の上面のビークル、および羽根の下面のビークルに取り付けられる。発電所は、2つより多い偶数のタービンを備えることができ、羽根の下面のビークルより多くのタービンが羽根の上面のビークルに取り付けられるか、またはビークルの上面のビークルより多くのタービンが羽根の下面のビークルに取り付けられる。
【0016】
3より多いタービンおよび発電機を有することにより、1つのタービンおよび発電機が故障した場合でも発電およびスラスタ機能が機能し続けるため、発電はより冗長化される。
【0017】
羽根の下面の羽根の質量中心に1つのタービンが取り付けられていない場合、テザーは、ビークルの羽根の連結部に取り付けられることによって、ビークルに取り付けられる。テザーが取り付けられる支柱がないことによって、テザーを直接ビークルの羽根に取り付けることができる。これにより、羽根の下の支柱の延長部に等しい水上の高さまでビークルを持ち上げる必要がなくなるため、発電所の設置および整備がより容易になる。延長部は、羽根の幅のオーダーとすることができる。本発明は、ビークルおよびテザーの連結部が水面近く、または水面にあるように、ビークルを水面よりわずか上に持ち上げることを可能にする。ビークルが水面に載置され、ダイバーがビークルの羽根からテザーを切り離すことができるようにビークルを持ち上げることがまた可能である。
【0018】
1つのタービンが羽根の下面の羽根の質量中心に取り付けられる場合、テザーは、前記タービンが接続されたナセルの連結部に取り付けられることによって、ビークルに取り付けられる。これにより、支柱がない利点を活用することができる一方でタービンの異なる構成が可能となる。
【0019】
発電所は、少なくとも1つの固定受動舵面を備えることができる。ビークルを回転後に適切に真っ直ぐにさせるために、かつ横、またはビークルの進行方向に対してずれた任意の他の方向にドリフトさせないために、発電所のビークルは、受動舵面を有することができる。受動舵面は、羽根の上部または底側のいずれか、または両側に延在するフィン形とすることができる。受動舵面はまた、少なくとも1つのタービンおよび発電機を羽根に取り付ける締結部品の一部とすることができる。締結部品は、受動舵面として機能する適切な形をとるように、羽根から上昇させることができる、および/または前方または後方へ延在させることができる。受動舵面は、フィンと、タービンおよび発電機を羽根に取り付ける締結部品との組み合わせとすることができる。
【0020】
本発明はまた、水中発電所を操舵する方法に関する。水中発電所は、構造物と、少なくとも1つの羽根を備えるビークルとを備える。ビークルは、少なくとも1つのテザーによって構造物に固定されるように構成される。ビークルは、羽根を通過する流体の流れによって所定の軌跡で移動するように構成される。発電所は、ビークルの羽根に取り付けられるよう構成された第1タービン、第2タービンおよび第3タービンを少なくとも備える。少なくとも1つの第1、第2および第3タービンは、羽根の上面においてビークルに取り付けられる。第1タービンは、第1発電機に接続され、第2タービンは、第2発電機に接続され、および第3タービンは、第3発電機に接続される。前記第1発電機、第2発電機および第3発電機は、第1、第2および第3タービンそれぞれに異なる反トルクを生成することができるように構成される。方法は、
− 第1タービンの第1回転速度を設定するために、第1発電機による第1反トルクを第1タービンに与えるステップと、
− 第2タービンの第2回転速度を設定するために、第2発電機によって第2反トルクを第2タービンに与えるステップと、
− 第3タービンの第3回転速度を設定するために、第3発電機によって第3反トルクを第3タービンに与えるステップと、
を備える。
【0021】
本発明の方法による利点は、タービンが異なる回転速度で回転することができるように、異なる反トルクを異なるタービン、すなわち第1タービン、第2タービンおよび第3タービンに与えることにより異なる量の電力を抽出することができることである。流体によって異なる流体力学圧力が前記第1タービン、第2タービンおよび第3タービンに与えられることによって、ビークルに及ぼされる並進力および/または回転力が生じ、ビークルのピッチングおよびヨーイングを引き起こす。これは、方向舵などの追加的な舵面の必要性を除去する。
【0022】
一般的に、より大きい反トルクを1つのタービンに与えることによって、このタービンは、ビークルが回転する軸をシフトさせる。例えば、ヨーポートでは、羽根の質量中心の右舷のタービンより、羽根の質量中心の左舷のタービンは、それから与えられる大きな力を有することになる。
【0023】
方法はまた、
− 羽根の上面においてビークルに接続された1または複数のタービンにそれらの対応する発電機によって反トルクを与えることによってビークルのピッチを制御するステップであって、その反トルク全体は、羽根の下面においてビークルに接続された1または複数のタービンにそれらの対応する発電機によって与えられる反トルク全体と異なる、ステップ
を備えることができる。
【0024】
方法はまた、
− 羽根の質量中心の第1側においてビークルに接続された1または複数のタービンにそれらの対応する発電機によって反トルクを与えることによってビークルのヨーを制御するステップであって、反トルク全部は、羽根の質量中心の第2側においてビークルに接続される1または複数のタービンにそれらに対応する発電機によって与えられる反トルク全体と異なる、ステップ
を備えることができる。
【0025】
羽根の質量中心の第1側および羽根の質量中心の第2側に取り付けられたタービンの反トルクを同時に調整しながら、羽根の上面および羽根の下面に取り付けられたタービンの反トルクを調整することによって、ピッチおよびヨーの両方を組み合わせた操縦を生成することが可能となる。方法はもちろん任意の数のタービンに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による水中プラントを図式的に示す。
図2】本発明による水中発電所のビークルの制御システムを図式的に示す。
図3】本発明による水中発電所のビークルを図式的に示す。
図4】本発明による水中発電所のビークルを図式的に示す。
図5a】本発明による水中発電所のビークルを図式的に示す。
図5b】本発明による水中発電所のビークルを図式的に示す。
図6】本発明による水中発電所のビークルを図式的に示す。
図7a】本発明による水中発電所のビークルを図式的に示す。
図7b】本発明による水中発電所のビークルを図式的に示す。
図8】本発明による水中発電所のビークルを図式的に示す。
図9】本発明による水中発電所のビークルを図式的に示す。
図10】本発明による水中発電所のビークルを図式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面において、類似した機構は、同じ参照符号を有する。
【0028】
図1は、本発明による水中発電所1を図式的に示す。水中発電所1は、構造物2と、少なくとも1つの羽根4を備えるビークル3とを備える。ビークル3は、水中の下面に配置された構造物2に少なくとも1つのテザー5によって固定される。ビークル3は、羽根4を通過する流体の流れによって所定の軌跡で移動するように構成される。テザー5は、電力を発電所1へ、または発電所から移送するように構成される。水中発電所1は、第1ナセル7に接続された第1タービン6、第2ナセル9に接続された第2タービン8、および第3ナセル11に接続された第3タービン10を少なくとも備える。第1ナセル7、第2ナセル9および第3ナセル11は、第1発電機12、第2発電機13および第3発電機14をそれぞれ備え、各発電機12、13、14は、それぞれのタービン6、8、10に取り付けられる。各ナセルはまた、それぞれの発電機、およびそれによりビークル3を監視および制御する電子機器のほとんどを備える。図1において、第1タービン6は、第1ナセル7によって羽根4の上面15においてビークル3に取り付けられる。第2タービン8および第3タービン10は、それぞれ第2ナセル9および第3ナセル11によって羽根4の下面16においてビークル3に取り付けられる。各ナセル7、9、11は、第1締結部品17、第2締結部品18および第3締結部品19によってそれぞれ羽根に取り付けられる。タービンおよびナセルは、詳細な説明を通して個別の物体として記載されているが、これは例示目的のためである。もちろんタービンをナセルと一体化した部分とすることが可能である。
【0029】
水中プラントを任意の所望の方向に操舵するために、前記第1発電機12、第2発電機13および第3発電機14は、第1タービン6、第2タービン8および第3タービン10それぞれに異なる反トルクを生成できるように構成される。
【0030】
ビークル3は、受動舵面20をさらに備える。図1において、受動舵面20は、ビークル3の長さ方向に延在する第1ナセル7の第1締結部品17を備える。あるいは、1または複数の締結部品17,18,19は共に受動舵面20として作用することができる。受動舵面20は追加的に、または代替的に、ビークル3の長さ方向に延在するフィン形とすることができる。
【0031】
図2は、本発明による水中発電所1のビークル3の制御システムを図式的に示す。図2において、第1タービン6、第2タービン8および第3タービン10は、図式的に示されている。第1タービン6は、第1発電機12に接続され、第1発電機12は、第1トルク/電力制御電子機器21に接続されている。第2タービン8は、第2発電機13に接続され、第2発電機13は、第2トルク/電力制御電子機器22に接続されている。第3タービン10は、第3発電機14に接続され、第3発電機14は、第3トルク/電力制御電子機器23に接続されている。テザー5はさらに各トルク/電力制御電子機器21,22,23に接続される。各トルク/電力制御電子機器21,22,23およびテザー5は、オンボードコンピュータ24に接続される。ビークル3を操舵するよう各発電機12,13,14、およびそれにより各タービン6,8,10をインテリジェントに制御するために、オンボードコンピュータ24は、個別のトルク/電力制御電子機器21,22,23に制御信号を出力する。オンボードコンピュータへの入力は、例えばビークル3の向きおよび位置である。これらの入力は、様々なセンサによって測定することができるか、または向きおよび位置アルゴリズムによって計算することができる。上記の説明は、任意の数のタービンおよび発電機に拡張することができる。さらに、オンボードコンピュータ24は、2つ以上のコンピュータによって構成されることができる。トルク/電力制御電子機器21,22,23は、例えばそれぞれ個別のオンボードコンピュータを備えることができる。オンボードコンピュータ24は、水底または地上に配置することができる。以下の図において、タービンおよびナセルの配置のみが言及される。各タービンがそれぞれのナセルに取り付けられ、各ナセルがタービンに接続された発電機を備えることが理解されるべきである。各ナセルは、上述の締結部品によって羽根の上面または下面にさらに取り付けられる。テザー5は、羽根4に、または羽根の近くにおける連結部に取り付けられるか、または前記ナセルの筐体などのナセルにおける連結部に取り付けられる。
【0032】
図3は、本発明による水中発電所1のビークル3を図式的に示している。図3において、第1タービン6および第1ナセル7は、ビークル3の羽根4の下面16に取り付けられている。第2タービン8および第2ナセル9ならびに第3タービン10およびナセル11は、ビークル3の羽根4の上面15に取り付けられている。この構成において、テザー5は、第1ナセル7の連結部に取り付けられることによってビークル3に取り付けられている。
【0033】
図4は、本発明による水中発電所1のビークル3を図式的に示している。図4において、ビークル3は、第4タービン25および第4ナセル26をさらに備える。第1タービン6および第1ナセル7ならびに第2タービン8および第2ナセル9は、ビークル3の羽根4の上面15に取り付けられている。第3タービン10および第3ナセル11ならびに第4タービン25および第4ナセル26は、ビークル3の羽根4の下面16に取り付けられている。
【0034】
図5aおよび図5bは、本発明による水中発電所1のビークル3を図式的に示している。図5aおよび図5bにおいて、ビークル3は、第5タービン27および第5ナセル28をさらに備える。第1タービン6および第1ナセル7ならびに第2タービン8および第2ナセル9は、ビークル3の羽根4の上面15に取り付けられている。第3タービン10および第3ナセル11ならびに第4タービン25および第4ナセル26は、ビークル3の羽根4の下面16に取り付けられている。図5aにおいて、第5タービン27は、ビークル3の羽根4の上面15に取り付けられている。図5bにおいて、第5タービン27は、ビークル3の羽根4の下面16に取り付けられている。図5aおよび図5bにおいて、第5タービン27は、他の4つのタービン6,8,10,25よりも大きい。5つ全てのタービン6,8,10,25,27を同じ大きさとすることも可能である。
【0035】
図6は、本発明による水中発電所1のビークル3を図式的に示している。図6において、ビークル3は、第6タービン29および第6ナセル30をさらに備える。第1タービン6および第1ナセル7、第2タービン8および第2ナセル9、ならびに第3タービン10および第3ナセル11は、ビークル3の羽根4の上面15に取り付けられている。第4タービン25および第4ナセル26、第5タービン27および第5ナセル28、ならびに第6タービン29および第6ナセル30は、ビークル3の羽根4の下面16に取り付けられている。
【0036】
図7aおよび図7bは、本発明による水中発電所1のビークル3を図式的に示している。図7aおよび図7bにおいて、ビークル3は、第7タービン31および第7ナセル32をさらに備える。第1タービン6および第1ナセル7、第2タービン8および第2ナセル9、ならびに第3タービン10および第3ナセル11は、ビークル3の羽根4の上面15に取り付けられている。第4タービン25および第4ナセル26、第5タービン27および第5ナセル28、ならびに第6タービン29および第6ナセル30は、ビークル3の羽根4の下面16に取り付けられている。第7タービン31は、図7aにおいて、ビークル3の羽根4の上面15取り付けられている。第7タービン31は、図7bにおいて、ビークル3の羽根4の下面16に取り付けられている。図5aおよび図5bに示す構成と同様に、1つのタービンは、他のタービンよりも大きな直径を有することができる。好ましくは、中央タービン、つまり図7aにおける第5タービン27、および図7bにおける第2タービン8が、他のタービンよりも大きな直径を有する。他のタービンよりも大きな直径を有する2つ以上のタービンを有することが可能である。3以上の異なる直径のタービンを有することも可能である。
【0037】
図8は、本発明による水中発電所1のビークル3を図式的に示している。図8において、ビークル3は、第8タービン33および第8ナセル34をさらに備える。第1タービン6および第1ナセル7、第2タービン8および第2ナセル9、第3タービン10および第3ナセル11、ならびに第4タービン25および第4ナセル26は、ビークル3の羽根4の上面15に取り付けられている。第5タービン27および第5ナセル28、第6タービン29および第6ナセル30、第7タービン31および第7ナセル32、ならびに第8タービン33および第8ナセル34は、ビークル3の羽根4の下面16に取り付けられている。
【0038】
図9は、本発明による水中発電所1のビークル3を図式的に示している。図9において、ビークル3は、ビークル3の羽根4の上面15に取り付けられた第1タービン6および第1ナセル7を備える。第2タービン8および第2ナセル9、ならびに第3タービン10および第3ナセル11は、ビークル3の羽根4の下面16に取り付けられている。第1タービン6および第2タービン8の両方は、横方向において羽根の質量中心4の一側に配置されている。第3タービン10および第3ナセル11は、好ましくは、羽根の質量中心4の直下の羽根4の中心に配置される。この場合第3タービン10は、第1タービン6および第2タービン8よりも大きい。この構成は、水中発電所1のビークル3が円形または卵形軌跡で移動することを意図されている場合に好都合である。あるいは第3タービン10は、羽根の質量中心4の真上の羽根4の中心における羽根4の上面15に配置することができる。
【0039】
図10は、本発明による水中発電所1のビークル3を図式的に示している。図6において、ビークル3は、6つのタービン6,8,10,25,27,29および6つのナセル7,9,11,26,28,30を備える。第1タービン6および第1ナセル7、第2タービン8および第2ナセル9、第3タービン10および第3ナセル11、ならびに第4タービン25および第4ナセル26は、ビークル3の羽根4の上面15に取り付けられている。第5タービン27および第5ナセル28ならびに第6タービン29および第6ナセル30は、ビークル3の羽根4の下面16に取り付けられている。4つのタービンが下面に取り付けられ、および2つのタービンが上面に取り付けられる逆の構成も可能である。
【0040】
請求項において記載される参照符号は、特許請求の範囲によって保護される記載事項の範囲を限定するものとして見なされるべきではなく、それらの唯一の機能は、請求項の理解を容易にすることである。
【0041】
理解されるように、本発明は、すべての特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の明白な点において変更が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示であり、限定的なものではないとみなされるべきである。上記構成は、任意の数のタービンに拡張することができる。羽根の反対側よりも羽根の他面が2つ以上の追加的なタービンを有するビークル、例えばビークルの上側に4つのタービン、および羽根の下側に2つのタービンを有するビークルも可能である。
【0042】
エネルギー出力および操作性の両方を最適化するためにタービン間の距離を変更することができる。羽根の一側の全てのタービン間が同じ距離である必要はない。さらに、羽根の両側に等しい数のタービンがある場合に、羽根の両側のタービン間が同じ距離である必要はない。
【符号の説明】
【0043】
1 水中発電所
2 構造物
3 ビークル
4 羽根
6 第1タービン
7 第1ナセル
8 第2タービン
9 第2ナセル
10 第3タービン
11 第3ナセル
12 第1発電機
13 第2発電機
14 第3発電機
15 上面
16 下面
17 第1締結部品
18 第2締結部品
19 第3締結部品
20 受動舵面
21,22,23 電力制御電子機器
24 オンボードコンピュータ
25 第4タービン
26 第4ナセル
27 第5タービン
28 第5ナセル
29 第6タービン
30 第6ナセル
31 第7タービン
32 第7ナセル
33 第8タービン
34 第8ナセル
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10