(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223561
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】オイルを貯蔵容器から自動車の伝動装置に圧送する圧送装置
(51)【国際特許分類】
F04C 15/00 20060101AFI20171023BHJP
F04C 2/10 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
F04C15/00 J
F04C2/10 341H
F04C15/00 E
【請求項の数】18
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-520351(P2016-520351)
(86)(22)【出願日】2014年5月28日
(65)【公表番号】特表2016-522353(P2016-522353A)
(43)【公表日】2016年7月28日
(86)【国際出願番号】EP2014061071
(87)【国際公開番号】WO2014202366
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2016年2月18日
(31)【優先権主張番号】102013211428.1
(32)【優先日】2013年6月18日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102013213051.1
(32)【優先日】2013年7月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ベーム
【審査官】
松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/053854(WO,A1)
【文献】
特開2012−159167(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/001246(WO,A1)
【文献】
国際公開第2013/007247(WO,A1)
【文献】
独国特許出願公開第102008054767(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 15/00
F04C 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルを貯蔵容器(8)から自動車(12)の伝動装置(4)に圧送する圧送装置(1)であって、
機械式のダイレクトドライブ(9)又は作動可能なエレクトリックドライブ(10)により選択的に駆動可能なオイルポンプ(7)を備え、
前記オイルポンプ(7)は、オイルを圧送する、互いに相対的に可動な2つの構成部材(19,19a)を有しており、前記機械式のダイレクトドライブ(9)は、前記互いに相対的に可動な構成部材(19,19a)の一方に接続されており、前記互いに相対的に可動な構成部材(19,19a)は、2つの制御ディスク(22,23)と、両前記制御ディスク(22,23)間に位置する1つのリング(21)とからなるポンプ段ハウジング(20)内に配置されており、前記作動可能なエレクトリックドライブ(10)は、前記ポンプ段ハウジング(20)に接続されており、
前記ポンプ段ハウジング(20)を軸方向で締め付けるように収容し、かつ前記エレクトリックドライブ(10)により回転されるポット状の構成部材(40)をさらに備えることを特徴とする、圧送装置。
【請求項2】
前記ポンプ段ハウジング(20)は、前記ポット状の構成部材(40)の内面に装入されたスナップリング(43)により軸方向で締め付けられている、請求項1に記載の圧送装置。
【請求項3】
前記ポット状の構成部材(40)の開放側が、前記ポンプ段ハウジング(20)を軸方向で締め付けるべく縁曲げされているか、又はかしめられている、請求項1に記載の圧送装置。
【請求項4】
前記ポンプ段ハウジング(20)は、シールリング(42)を伴って前記ポット状の構成部材(40)の底部(41)に対して軸方向で締め付けられている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の圧送装置。
【請求項5】
前記ポット状の構成部材(40)の周面に開口(47)が配置されており、前記開口(47)は、ポンプ段の入口通路(24,25)に連通している、請求項1から4までのいずれか1項に記載の圧送装置。
【請求項6】
前記ポット状の構成部材(40)の周面内に、前記ポット状の構成部材(40)に前記ポンプ段ハウジング(20)を相対回動不能に固定する突出部(48)が配置されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の圧送装置。
【請求項7】
前記ポット状の構成部材(40)の底部(41)は、前記ポット状の構成部材(40)の周面よりも小さい直径を有する中空軸(44)に移行する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の圧送装置。
【請求項8】
前記中空軸(44)は、半径方向で配置される開口(46)を有する、請求項7に記載の圧送装置。
【請求項9】
前記ポット状の構成部材(40)は、固定のハウジング(13)に対して回転可能に支持されており、ラジアルシール(28)によりシールされており、前記オイルポンプ(7)の流体接続用の入口ポート及び出口ポート(17,18)が前記ハウジング(13)に配置されている、請求項1から8までのいずれか1項に記載の圧送装置。
【請求項10】
前記固定のハウジング(13)は、前記エレクトリックドライブ(10)の電動モータ(11)及び前記オイルポンプ(7)の前記ポット状の構成部材(40)のための1つの共通の空所(14)を有する、請求項9に記載の圧送装置。
【請求項11】
前記固定のハウジング(13)は、前記オイルポンプ(7)の前記ポット状の構成部材(40)のための第1の空所と、前記エレクトリックドライブ(10)の電動モータ用の第2の空所とを有する、請求項9に記載の圧送装置。
【請求項12】
前記エレクトリックドライブ(10)は、減速装置を有する、請求項1から11までのいずれか1項に記載の圧送装置。
【請求項13】
前記構成部材(19)は、軸(15)上に取り付けられており、前記ポット状の構成部材(40)は、前記軸(15)に対して同心的に配置されている中空軸(16)に結合されている、請求項1から12までのいずれか1項に記載の圧送装置。
【請求項14】
前記ポンプ段ハウジング(20)に入口開口及び出口開口(26,27)が配置されている、請求項1から13までのいずれか1項に記載の圧送装置。
【請求項15】
前記入口開口及び前記出口開口(24,25)の少なくとも1つが、前記ポンプ段ハウジング(20)の前記制御ディスク(22,23)に配置されている、請求項14に記載の圧送装置。
【請求項16】
前記入口開口及び前記出口開口(24,25)の少なくとも1つが、前記ポンプ段ハウジング(20)のリング(21)に配置されている、請求項14に記載の圧送装置。
【請求項17】
前記ダイレクトドライブ(9)及び前記エレクトリックドライブ(10)は、セルフロック式に構成されている、請求項1から16までのいずれか1項に記載の圧送装置。
【請求項18】
前記オイルポンプ(7)は、内接歯車ポンプ、ベーンポンプ又は外接歯車ポンプとして形成されている、請求項1から17までのいずれか1項に記載の圧送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルを貯蔵容器から自動車の伝動装置に圧送する圧送装置であって、機械式のダイレクトドライブ又は作動可能なエレクトリックドライブにより選択的に駆動可能なオイルポンプを備え、オイルポンプは、オイルを圧送する、互いに相対的に可動な2つの構成部材を有しており、機械式のダイレクトドライブは、互いに相対的に可動な構成部材の一方に、作動可能なエレクトリックドライブは、互いに相対的に可動な構成部材の他方に、それぞれ接続されており、互いに相対的に可動な構成部材は、2つの制御ディスクと、両制御ディスク間に位置する1つのリングとからなるポンプ段ハウジング内に配置されている圧送装置に関する。
【0002】
このような圧送装置は、特にハイブリッドドライブを有する自動車において使用される。このようなハイブリッドドライブの場合、オイルポンプは、伝動装置にオイルを供給するために伝動装置により直接駆動される。伝動装置の停止時、オイルポンプの機能は維持されることが望ましく、それゆえオイルポンプは引き続き運転状態にあることが望ましい。
【0003】
独国特許出願公開第102011084542号明細書において、伝動装置オイルポンプ用の冒頭で述べた駆動装置が公知である。オイルポンプは、互いに相対的に可動な構成部材の構成次第で、ベーンポンプ、歯車ポンプ又はトロコイドポンプであってよい。互いに相対的に可動な構成部材のうちの半径方向内側の構成部材は、軸上に相対回動不能に配置されており、ダイレクトドライブにより駆動可能である。ポンプ段ハウジングは、中空軸上に相対回動不能に配置されており、エレクトリックドライブにより駆動可能である。これに加え、ポンプ段ハウジングは、オイルポンプのハウジングの空所内に配置されており、ハウジングとポンプ段ハウジングとの間には、シールが配置されている。このシールの配置は、オイルが、ハウジングに設けられた入口と、一方の制御ディスクに設けられた入口通路とを介して吸い込まれ、互いに対して可動な構成部材の通過及びこれに伴う圧力上昇の後、対向する制御ディスクに設けられた出口通路と、ハウジングに設けられた出口とを介してオイルポンプから流出するようになっている。この場合の欠点は、一方では、リングとの制御ディスクの螺止部が、互いに相対的に可動な構成部材の半径方向外側に位置し、これにより可動部が大きな外径を有することにある。他方、可動部内の圧力は、軸方向間隙の形成を促し、このことは、効率に対して否定的な影響を及ぼす。
【0004】
本発明の根底にある課題は、冒頭で述べた形態の圧送装置を、より良好な効率と同時に、より小さな構成スペースを有するように改良することである。
【0005】
上記課題は、本発明によりポンプ段ハウジングがポット状の構成部材内に配置されていることにより解決される。
【0006】
ポンプ段ハウジングを収容するポット状の構成部材を設けたことで、ポット状の構成部材が、オイルポンプのハウジング内への配置のために適合すべき構成部材となる。これにより、従来慣用の構成部材を使用することで、ポンプ段ハウジングをより簡単に構成することができる。これにより、圧送装置はより安価になる。さらに、ポット状の構成部材は、ポンプ段ハウジングのより簡単な配置及び取り付けを可能にする。その結果、ポンプ段ハウジング、ひいてはオイルポンプは、半径方向の寸法がより小さくなり、必要な構成スペースが小さくなる。寸法がより小さくなることに基づき、より小さな直径を有する軸受及びシールが使用可能になるので、摩擦係数が低くなりその結果として効率が向上する。最終的に、ポット状のハウジングは、出口側の制御ディスクの外側に、発生した圧力を作用させる。これは、ポンプ段の軸方向間隙を減少させ、やはり効率を向上させる。
【0007】
ポンプ段ハウジングが軸方向でポット状の構成部材内に締め付けられていると、ポンプ段ハウジングの簡単な取り付けが達成される。
【0008】
このような取り付けは、ポット状の構成部材の内面に装入されたスナップリングにより実施され、ポンプ段ハウジングは、軸方向で締め付けられていると好ましい。
【0009】
締め付けに用いられる付加的な保持要素は、ポット状の構成部材の開放側が、ポンプ段ハウジングを軸方向で締め付けるべく縁曲げされているか、又はかしめられていることで回避される。
【0010】
出口側の制御ディスクの外面に、発生した圧力を働かせるために、ポット状の構成部材の底部は、底部とポンプ段ハウジングとの間に間隔を空ける適当な形状要素、例えば段部又は内向きの溝を有している。底部のこのような形状は、ポンプ段ハウジングが、シールリングを介してポット状のハウジングの底部に対して軸方向で締め付けられていれば、回避される。これに加え、この構成は、シールリングを介して公差補償が実施されるという利点を有している。
【0011】
オイルポンプの入口からポンプ段への吸い込むべきオイルの供給は、ポット状の構成部材の周面に開口を配置し、この開口がポンプ段の入口通路に連通していることによって簡単に達成される。
【0012】
さらに、ポット状の構成部材とポンプ段ハウジングとの回り止めは、ポット状の構成部材の周面に、ポンプ段ハウジングに係合するラグが配置されていることにより改善される。ラグのためにポンプ段ハウジングに別個に設けられる収容部は、ラグがポンプ段ハウジングの通路に係合するようにすれば、回避される。
【0013】
別の態様において、ポット状の構成部材の底部は、ポット状の構成部材の周面よりも小さい直径を有する中空軸に移行する。中空軸を介してポット状の構成部材はハウジング内に支持され、小さな直径の結果として、半径方向での付加的な構成スペースを必要としない。これに加え、小さな寸法は、オイルポンプの重量及び効率に有利に働く。
【0014】
ハウジングに設けられた出口への、圧送されるオイルの特に簡単な導出は、半径方向に配置される開口を中空軸が有することにより達成される。
【0015】
オイルを圧送するために、オイルポンプは、互いに相対的に可動な2つの構成部材を有しており、機械式のダイレクトドライブは、互いに相対的に可動な構成部材の一方に、作動可能なエレクトリックドライブは、互いに相対的に可動な構成部材の他方に、それぞれ接続されている。
【0016】
本発明に係る圧送装置は、例えばダイレクトドライブが停止される前に、エレクトリックドライブが早期に始動されることが望ましいとき、ダイレクトドライブ及びエレクトリックドライブの並列運転も可能である。同様に、オイルポンプの圧送出力は、ダイレクトドライブが極めて低い回転数の運転状態で動作しているときに、エレクトリックドライブの作動により上昇可能である。
【0017】
オイルポンプは、本発明の別の好ましい態様において、ポット状の構成部材が、オイルポンプの固定のハウジングに対して回転可能に支持されており、ラジアルシールによりシールされており、オイルポンプの流体接続用の入口ポート及び出口ポートがハウジングに配置されていると、構造的に特に簡単に構成される。
【0018】
本発明に係る圧送装置は、ハウジングが、エレクトリックドライブの電動モータ及びポット状の構成部材のための1つの共通の空所を有していると、特にコンパクトに構成される。これにより電動モータは、圧送されるオイルにより冷却され、その騒音は緩和される。さらに、エレクトリックドライブ用の軸を通す箇所のシールを省略可能になる。
【0019】
本発明の別の好ましい態様において、ハウジングが、オイルポンプの可動部及びロータのための第1の空所と、エレクトリックドライブの電動モータ用の第2の空所とを有していると、オイルの化学的又は物理的な影響をエレクトリックドライブが被ることが回避される。
【0020】
本発明の別の好ましい態様において、エレクトリックドライブが減速装置を有していると、エレクトリックドライブによるオイルポンプの運転時の予定駆動モーメントが簡単に調節される。
【0021】
ポット状の構成部材は、例えば、環状のリングギヤを周面に有し、そのリングギヤにそれぞれの駆動装置が連結されているようになっていてもよい。しかし、このことは、オイルポンプの寸法を大きくし、ひいては構造的な手間あるいはコストの増大につながる。オイルポンプは、本発明の別の好ましい態様において、ロータが、一方の駆動装置の軸に取り付けられ、ポット状の構成部材が、底部に一体成形された中空軸の領域において他方の駆動装置に接続されていると、特にコンパクトに構成される。もちろん、動作機構的に反対に、駆動装置が、それぞれ他方の部材に接続されるようになっていてもよい。好ましくは、中空軸は、ハウジング内だけを案内されており、その結果、軸を通す箇所のシールは回避される。
【0022】
本発明の別の好ましい態様において、リング又は制御プレートがオイル供給要素を有していると、オイルポンプを構成する、組み付けなければならない構成部材は、特に少なくなる。
【0023】
本発明の別の好ましい態様において、ダイレクトドライブ及びエレクトリックドライブがセルフロック式に構成されていると、駆動装置が相互に影響を及ぼし合うことが簡単に回避される。
【0024】
本発明の別の好ましい態様において、オイルポンプが内接歯車ポンプ、ベーンポンプ又は外接歯車ポンプとして形成されていると、2つの異なる駆動装置によってオイルポンプを特に有利な態様で駆動することができる。このようなポンプ原理では、特に簡単な態様でリング又はロータを選択的に駆動してオイルを圧送することができるように、相応に構成されたロータと、ロータを包囲するリングとが協働する。
【0025】
本発明は、多数の実施の形態を許容する。本発明の基本原理をさらに明らかにするために、可能な実施の形態の幾つかを図面に示し、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】自動車の隣接構成部材とともに本発明に係る圧送装置を示す概略図である。
【
図2】
図1に示した2つの駆動装置を備える圧送装置の第1の実施の形態を示す図である。
【
図3】オイルポンプの別の実施の形態の断面図である。
【0027】
図1は、略示する自動車12のハイブリッドドライブ2の構成部材とともに圧送装置1を略示するものである。ハイブリッドドライブ2は、自動車12をトランスミッション等の伝動装置4を介して駆動する内燃機関3と、伝動装置とは独立して自動車12を駆動する電動式の駆動ユニット5とを有している。内燃機関3を伝動装置4から切り離すクラッチが設けられている。圧送装置1は、伝動装置4にオイルを供給するオイルポンプ7と、オイルパンとして形成される貯蔵容器8とを備えている。オイルポンプ7により圧送されるオイルは、伝動装置4に達し、伝動装置4から再び貯蔵容器8に戻される。
【0028】
伝動装置4は、オイルポンプ7を駆動するダイレクトドライブ9を有している。さらに電動モータ11を有するエレクトリックドライブ10が、オイルポンプ7に接続されている。これによりオイルポンプ7は、選択的にエレクトリックドライブ10又はダイレクトドライブ9を介して駆動される。ダイレクトドライブ9及びエレクトリックドライブ10の並列運転も可能であり、これにより例えばエレクトリックドライブ10をダイレクトドライブ9の停止前に早期に起動することもできる。自動車12の一運転モードにおいて、電動式の駆動ユニット5は作動され、内燃機関3は停止される。この場合、伝動装置4のダイレクトドライブ9も停止されている。オイルポンプ7は、自動車12のこの運転モードではエレクトリックドライブ10を介して駆動される。
【0029】
図2は、
図1に示したオイルポンプ7の一部領域と、エレクトリックドライブ10と、ダイレクトドライブ9とを含めた圧送装置1の断面を示すものである。
図2には、オイルポンプ7が、空所14を有する固定のハウジング13を有し、空所14が、オイルポンプ7の可動の構成部材と、エレクトリックドライブ10を有する電動モータ11とを収容することが看取可能である。ダイレクトドライブ9は、空所14に導入される軸15を有している。エレクトリックドライブ10は、完全にハウジング13の空所14内に配置される中空軸16を有しており、中空軸16は、軸15を同心的に包囲している。これに加え、ハウジング13は、オイルポンプ7の入口ポート17及び出口ポート18を有している。軸15上には、オイルポンプ7の、互いに相対的に可動な構成部材の一方19が取り付けられている。中空軸16上には、構成部材19に対して回転可能なポンプ段ハウジング20が取り付けられている。ポンプ段ハウジング20は、構成部材19,19aを半径方向で包囲するリング21と、構成部材19,19aの端面に対向する制御プレート22,23と、構成部材19,19aのためのオイル供給要素24,25とを有している。オイル供給要素24,25は、通路として形成されており、例えば制御プレート22,23内に配置されている。これに対して択一的に、オイル供給要素は、オイルポンプ7が相応に形成されているのであれば、リング21内に配置されていてもよいし、リング21と制御ディスク22,23とに分配されていてもよい。ポンプ段ハウジング20は、ポット状の構成部材40内に配置されている。ポット状の構成部材40の底部41と出口側の制御ディスク23との間には、シールリング42が配置されている。スナップリング43を介してポンプ段ハウジング20は、ポット状の構成部材40の底部41に対して軸方向で締め付けられている。底部41は、中空軸44に移行している。この中空軸44を介して、圧送されるオイルは、オイルポンプ7の出口ポートに向かって流動する。ラジアルシール28,29は、軸15及び中空軸44をハウジング13に対してシールする。複数の支持部30〜33は、ハウジング13及び軸15に対する中空軸16,44の回転可能な支持を可能にする。ダイレクトドライブ9及びエレクトリックドライブ10は、セルフロック式に構成されているので、ポット状の構成部材40は、エレクトリックドライブ10が停止されているときは固定されており、構成部材19は、ダイレクトドライブ9が停止されているときは固定されている。
【0030】
ダイレクトドライブ9の軸15を回転させると、構成部材19は、ポンプ段ハウジング20に対して回転される。このときオイルは、入口ポート17と入口開口26とを介して吸い込まれ、出口開口27を介して出口ポート18へと圧送される。エレクトリックドライブ10を介して中空軸16を回転させると、オイル供給要素24,25を有するポンプ段ハウジング20だけが、構成部材19に対して回転される。これにより、やはりオイルが入口ポート17を介して吸い込まれ、出口ポート18に向かってハウジング13内を圧送される。
【0031】
図3は、ダイレクトドライブ9を有するオイルポンプ7の別の実施の形態を示しており、ダイレクトドライブ9は、軸15に結合されており、軸15は、構成部材19に結合されている。構成部材19,19aは、制御ディスク22,23とリング21とを有するポンプ段ハウジング20により包囲されている。ポンプ段ハウジング20は、ポット状の構成部材40内に配置されており、説明しないスナップリング43により軸方向でシールリング42を介して底部41に対して締め付けられている。底部41には、中空軸44が一体成形されており、中空軸44の、底部41とは反対側の端部には、リングギヤ45が取り付けられている。リングギヤ45は、電動式の駆動装置10に接続されている。中空軸44は、底部41とリングギヤ45との間に半径方向の開口46を有している。開口46を介してオイルは、出口18を経てハウジング13から流出可能である。
【0032】
図4は、底部41と、中空軸44と、複数の半径方向の開口46とを有するポット状の構成部材40を示している。ポット状の構成部材40の周面にも、複数の開口47が設けられている。開口47を介してオイルは、入口ポート17からリング21を介してポンプ段により吸い込まれることができる。開口47内には、開口47内に突入するそれぞれ1つのラグ48が配置されている。ラグ48は、半径方向内向きに曲げることで、ポット状の部材40を回り止めしてポンプ段ハウジング20に結合する。
【0033】
ハイブリッドドライブ2への圧送装置1の接続は、一例にすぎないと解すべきである。圧送装置1は、内燃機関3のみを介して駆動されている自動車12にも好適である。