【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、独立請求項に記載の、ガスタービン用の翼装置およびガスタービン用のタービン配列によって解決される。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、ガスタービン用の翼装置が提供される。翼装置は、ガスタービンの翼ディスクに取付け可能な根元セクションと、翼エレメントとを備える。
【0010】
根元セクションは、翼エレメントが配置されたプラットフォームを有する。根元セクションは、プラットフォームの内面と、根元セクションの第1のエッジ側(例えば、下流のエッジ側)と、根元セクションの第2のエッジ側(例えば、上流のエッジ側)とによって包囲されたキャビティを有する。第1のエッジ側と、第2のエッジ側とは、ガスタービンの軸方向に沿って互いに間隔を置かれている。
【0011】
シールストリップが内面に配置されている。シールストリップは、第1の端部セクションと、中間セクションと、第2の端部セクションとを有し、第1の端部セクションは、軸方向に沿って第2の端部セクションから間隔を置かれており、中間セクションは、第1の端部セクションと第2の端部セクションとの間に配置されている。
【0012】
第1のエッジ側は、凹所(溝、スリット)を有し、この凹所に、シールストリップの第1の端部セクションが挿入される。それゆえ、凹所は(部分的に)第1の端部セクションを包囲し、これにより、第1の端部セクションを内面に固定している。
【0013】
根元セクションは、第2のエッジ側からキャビティ内へ延びる支持レバーを有し、支持レバーの自由端部は、シールストリップの中間セクションを内面に固定するための、シールストリップの中間セクションとの接触領域を形成している。支持レバーは、内面と、第2のエッジ側と、支持レバーとの間に別のキャビティが形成され、シールストリップの第2の端部セクションがこの別のキャビティ内に配置されるように、さらに形成されている。
【0014】
根元セクションは、プラットフォームと、第1の(後方の)エッジ側と、第2の(前方の)エッジ側とを有する。プラットフォームは、ガスタービンの主流路に面した第1の(外側の)面と、第1の面とは反対側のプラットフォームの領域に面した第2の(内側の)面とを有する。ブレードなどの翼エレメントは、第1の面に取付け可能である。
【0015】
プラットフォームは、概してガスタービンの周方向および軸方向に沿って延びている。プラットフォームの厚さ、すなわち、内面の垂線に沿った、例えば半径方向に沿ったプラットフォームの延在範囲は、他の延在範囲、例えば軸方向および周方向に沿った延在範囲と比較して概してより小さい。
【0016】
軸方向、周方向および半径方向という用語は、ガスタービンのタービン軸に関する方向をいう。周方向とは、ガスタービン軸周りの方向をいい、半径方向とは、タービン軸の回転軸線の点を通る方向をいい、軸方向とは、タービン軸の回転軸線に対して平行な方向をいう。軸方向および半径方向は、特に、互いに関して垂直に向けられている。
【0017】
(第2の)前方のエッジ側と、(第1の)後方のエッジ側とは、プラットフォームに取り付けられている。第2のエッジ側と、第1のエッジ側とは、プラットフォームの内面から実質的に半径方向に沿って延びている。第2のエッジ側は、第1のエッジ側よりも上流に配置されているか、またはその逆であり、「上流」および「下流」とは、ガスタービンの作動流体の主流の流れ方向に沿った部分の位置をいう。したがって、プラットフォームと、第1のエッジ側と、第2のエッジ側とは、キャビティ内にU字形内側断面を形成してもよく、別のキャビティが形成されている。翼装置の上述の構造は、前述の翼装置および例えば後述する別の翼装置にも有効である。
【0018】
第1のエッジ側の凹所(スリットまたは溝)は、U字形の断面を有してもよく、シールストリップの第1の端部セクションは、開放した側から凹所内へ挿入されかつ滑り込まされてもよい。
【0019】
キャビティおよび別のキャビティに冷却空気を流してもよい。冷却空気は、冷却のために中空の翼またはブレード根元部から、または中空の翼またはブレード根元部へ供給されてもよい。キャビティは、後方のエッジ側と前方のエッジ側とに接続された底側によって包囲されてもよく、この底側は、キャビティの、プラットフォームの内面とは反対の側に配置されている。
【0020】
複数の翼装置は、互いに隣接して、周方向に沿って翼ディスクに取り付けられている。特に、第1のプラットフォームと、隣接する別の翼装置の別のプラットフォームとは、互いに当接しており、例えば、組立て公差および(遠心力および熱による)成長許容により、作動中、両プラットフォーム間には小さな間隙が存在する。
【0021】
支持レバーは第2のエッジ側からキャビティ内へ延びており、これにより、キャビティ内へ突出している。支持レバーは、支持レバーの自由端部と内面との間に間隙が形成されるように形成されている。内面に配置されたシールストリップは、間隙を通って突出している。言い換えれば、支持レバーは、その自由端部において、シールストリップの中間セクションとの接触領域を形成し、これにより、押し付けており、シールストリップの中間セクションを内面に固定または強制してもよい。シールストリップは、支持レバーが、第2の端部セクションがストッパセクションの半径方向内方へ移動することを防止することによって、キャビティに保持または固定されている。これにより、通常作動中は、シールストリップはキャビティ内に保持される。
【0022】
さらに、支持レバーは、キャビティを分割しており、これにより、内面と、第2のエッジ側と、支持レバーとの間に別のキャビティが形成され、シールストリップの第2の端部セクションがこの別のキャビティ内に配置されている。
【0023】
したがって、シールストリップは、金属ストリップまたは金属プレートから形成されてもよい。シールストリップは、翼装置の内面と、隣接する別の翼装置の別の内面とに接触しており、これにより、2つの隣接するプラットフォームの間の間隙を封止している。
【0024】
本発明によって、支持レバーは、軸方向に沿ってキャビティ内へかつ内面に沿って部分的にのみ延びている。シールストリップの下側全体が支持面によって支持されている従来の方式とは対照的に、本発明によって、翼装置の総重量が減じられ、これにより、翼装置およびタービンディスクにおける応力もまた減じられる。
【0025】
さらに、本発明によって、シールストリップの第1の端部セクションのみが凹所に挿入され、シールストリップの反対側の第2の端部セクションは、支持のために凹所または溝によって包囲されない。シールストリップは、支持レバーの自由端部によって内面に対して保持される。したがって、シールストリップの容易な取付けが提供される。シールストリップは、据付けの間、ばね負荷状態へ弾性変形可能である。ばね負荷状態では、シールストリップは、周方向に沿って、その中間部分において、支持レバーの自由端部と内面との間の間隙内を摺動させられる。第1の端部セクションと、第2の端部セクションとは、キャビティおよび別のキャビティ内で可動である。据付けの間、第1の端部セクションは、根元セクションの第1のエッジ側における凹所へ摺動可能に挿入される。シールストリップのばね負荷状態は解放され、これにより、第2の端部セクションが解放され、最終位置において、内面と、例えば後述のストッパセクションとに接触する。
【0026】
本発明の別の典型的な実施の形態によれば、接触領域と第1の端部セクションとの間のシールストリップの中間セクションの第1の部分は、キャビティ内に配置されている。第2の端部セクションと、接触領域と第2の端部セクションとの間のシールストリップの中間セクションの第2の部分とは、別のキャビティ内に配置されている。したがって、第2の端部セクションは、半径方向で支持されていない。
【0027】
別の典型的な実施の形態では、支持レバーは、接触領域と第1の端部セクションとの間のシールストリップの第1の軸方向長さが、接触領域と第2の端部セクションとの間のシールストリップの第2の軸方向長さよりも大きくなるように形成されている。これにより、接触領域と第2の端部セクションとの間のより短い第2の軸方向長さにより、シールストリップはより剛性に形成されてもよく、これにより、シールストリップのより短い第2の軸方向長さ部分は、より短い第2の軸方向長さ部分の自重により変形することはない。
【0028】
別の典型的な実施の形態によれば、第2のエッジ側は、シールストリップを別のキャビティに挿入するためのシールストリップ入口を有する。
【0029】
シールストリップ入口は、シールストリップとブレードとの取付けが既に現場において可能になるように形成されている。特に、シールストリップ入口は、上流の(第2の)エッジ側に形成されてもよく、翼装置の上流環境を別のキャビティに接続する。これにより、シールストリップは、シールストリップ入口を通ってほぼ軸方向に沿って別のキャビティ内へ挿入されてもよい。さらに、シールストリップは、シールストリップの第1の端部セクション109が下流の(第1の)エッジ側における凹所に配置されるまでほぼ軸方向に沿ってさらに移動させられてもよい。
【0030】
別の典型的な実施の形態によれば、シールストリップ入口は、空気が別のキャビティから流出可能であるように形成されている。したがって、空気は、キャビティから、接触領域(すなわち、支持レバーの自由端部と、プラットフォームの内面との間の間隙)を介して、別のキャビティを通って流れてもよく、シールストリップ入口から出る。この空気流は、支持レバーの自由端部とプラットフォームの内面との間の間隙を最小限にすることによって、意図的に減じられる。
【0031】
別の典型的な実施の形態によれば、第2のエッジ側は、ストッパセクション(段部または突出部)を有し、このストッパセクションは、シールストリップの第2の端部セクションがストッパセクションに対して当接するように形成されている。特に、ストッパセクションは、軸方向に対して平行な(成分を少なくとも有する)垂線を有する面を含む。シールストリップは、シールストリップが軸方向に沿って凹所から出るように移動させられると、ストッパセクションに対して当接する。したがって、ストッパセクションは、軸方向に沿ったシールストリップの移動を制限し、この結果、凹所からの滑り出しが防止される。
【0032】
別の典型的な実施の形態によれば、第1のエッジ側は根元セクションの後方のエッジ側であり、第2のエッジ側は、根元セクションの前方のエッジ側である。
【0033】
別の典型的な実施の形態によれば、上述の翼装置と、別の翼装置とを備える、翼配列が記載されている。翼装置と、別の翼装置とは、ガスタービンの周方向に沿って相前後して配置されており、シールストリップは、翼装置と別の翼装置との間の間隙を封止するために翼装置と別の翼装置との間に延びるように形成されている。
【0034】
本発明の複数の実施の形態は、様々な主体に関して説明されていることに留意しなければならない。特に、幾つかの実施の形態は、装置形式の請求項に関して説明されているのに対し、他の実施の形態は、方法形式の請求項に関して説明されている。しかしながら、別段の定めがないかぎり、1つの形式の主体に属する特徴のあらゆる組合せに加え、異なる主体に関連する特徴、特に、装置形式の請求項の特徴と、方法形式の請求項の特徴とのあらゆる組合せもまた、本願によって開示されていると考えられることを、当業者は上記および以下の説明から分かるであろう。
【0035】
本発明の上記で規定した態様および別の態様は、以下で説明される実施の形態の例から明らかであり、実施の形態の例に関して説明される。以下では、複数の実施の形態に関連して本発明をより詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるわけではない。