(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223582
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】遠隔無線装置
(51)【国際特許分類】
H04B 10/2575 20130101AFI20171023BHJP
H04B 1/38 20150101ALI20171023BHJP
【FI】
H04B10/2575
H04B1/38
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-540817(P2016-540817)
(86)(22)【出願日】2014年9月5日
(65)【公表番号】特表2016-533132(P2016-533132A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】KR2014008385
(87)【国際公開番号】WO2015034313
(87)【国際公開日】20150312
【審査請求日】2016年3月4日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0107476
(32)【優先日】2013年9月6日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0117762
(32)【優先日】2013年10月2日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク−ヨン・キム
(72)【発明者】
【氏名】バ−ムク・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】サン−ヒョ・カン
【審査官】
金子 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/024343(WO,A1)
【文献】
特開2005−085568(JP,A)
【文献】
特開2004−325783(JP,A)
【文献】
特開2012−235439(JP,A)
【文献】
特開2012−142718(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0077966(US,A1)
【文献】
国際公開第2013/070613(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/2575
H04B 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部信号処理装置から供給される送信信号に所定の送信信号処理を施して外部接続された少なくとも1つのアンテナに出力するとともに、前記少なくとも1つのアンテナで受信された受信信号に対して所定の受信信号処理を施して前記外部信号処理装置に出力する遠隔無線装置であって、
前記外部信号処理装置との間で前記送信信号と前記受信信号とを光信号により伝送するための複数の光ファイバと、前記外部信号処理装置からの電源を供給するための一対の電源供給線路とを収容し、前記一対の電源供給線路を略中央部に配置し、前記一対の電源供給線路の周囲に前記複数の光ファイバを配置した光電ハイブリッドケーブルの両端に設けられた光電ハイブリッドコネクタに嵌合して、前記複数の光ファイバと光学的に接続するとともに前記一対の電源供給線路と電気的に接続する統合接続端子と、
前記統合接続端子によって接続された前記一対の電源供給線路から前記電源を受信し、前記受信された電源を対応する遠隔無線装置の内部の駆動電源に変換し、前記変換された電源を供給する電源供給部と、
前記統合接続端子によって接続された前記複数の光ファイバから出力される光信号を受信し、前記受信された光信号を電気信号に変換し、前記所定の送信信号処理を施す後段の信号処理部に出力するとともに、前記少なくとも1つのアンテナで受信され、前記所定の受信信号処理が施された電気信号を光信号に変換し、前記統合接続端子によって接続された前記複数の光ファイバに出力する光電/電光変換部と、
を有することを特徴とする遠隔無線装置。
【請求項2】
前記光電/電光変換部は、少なくとも1つのスモールフォームファクタプラガブル(SFP)光送受信器の構造で具現されることを特徴とする請求項1に記載の遠隔無線装置。
【請求項3】
前記統合接続端子の光信号及び電源に並列に接続されたサブ統合コネクタをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の遠隔無線装置。
【請求項4】
少なくとも1つのアンテナが接続された遠隔無線装置に対して送信信号を出力するとともに、前記遠隔無線装置から前記少なくとも1つのアンテナを介して受信された受信信号を受信して所定のベースバンド信号処理を施すベースバンド信号処理装備であって、
前記遠隔無線装置との間で前記送信信号と前記受信信号とを光信号により伝送するための複数の光ファイバと、前記遠隔無線装置に対する電源を供給するための一対の電源供給線路とを収容し、前記一対の電源供給線路を略中央部に配置し、前記一対の電源供給線路の周囲に前記複数の光ファイバを配置した光電ハイブリッドケーブルの両端に設けられた光電ハイブリッドコネクタに嵌合して、前記複数の光ファイバと光学的に接続するとともに前記一対の電源供給線路と電気的に接続する統合接続端子と、
前記統合接続端子によって接続された前記一対の電源供給線路に前記電源を供給する電源供給部と、
前記送信信号を光信号に変換し、前記統合接続端子によって接続された前記複数の光ファイバに出力するとともに、前記統合接続端子によって接続された前記複数の光ファイバから出力される光信号を受信し、前記受信された光信号を電気信号に変換し、前記所定のベースバンド信号処理を施す後段の信号処理部に出力する光電/電光変換部と、
を備えることを特徴とするベースバンド信号処理装備。
【請求項5】
前記光電/電光変換部は、少なくとも1つのスモールフォームファクタプラガブル(SFP)光送受信器の構造で具現されることを特徴とする請求項4に記載のベースバンド信号処理装備。
【請求項6】
外部信号処理装置と遠隔無線装置との間で、送信信号と受信信号とを光信号により伝送するための複数の光ファイバと、
前記外部信号処理装置からの電源を前記遠隔無線装置に供給するための一対の電源供給線路と、を1つのケーブル内に収容し、
前記一対の電源供給線路を略中央部に配置し、前記一対の電源供給線路の周囲に前記複数の光ファイバを配置し、
前記1つのケーブルの両端に設けられ、前記複数の光ケーブルと前記一対の電源供給線路とを、前記外部信号処理装置および前記遠隔無線装置に光学的、電気的に接続するよう構成された光電ハイブリッドコネクタを備えることを特徴とする光電ハイブリッドケーブル。
【請求項7】
送信信号に所定の送信信号処理を施して外部接続された少なくとも1つのアンテナに出力するとともに、前記少なくとも1つのアンテナで受信された受信信号に対して所定の受信信号処理を施して出力する遠隔無線装置と、
前記遠隔無線装置に対して前記送信信号を出力するとともに、前記遠隔無線装置から前記所定の受信信号処理が施された受信信号を受信して所定の信号処理を施す外部信号処理装置と、
前記外部信号処理装置と前記遠隔無線装置との間で前記送信信号と前記受信信号とを光信号により伝送するための複数の光ファイバと、前記外部信号処理装置から前記遠隔無線装置に対する電源を供給するための一対の電源供給線路とを1つのケーブル内に収容し、前記一対の電源供給線路を略中央部に配置し、前記一対の電源供給線路の周囲に前記複数の光ファイバを配置した光電ハイブリッドケーブルとを備え、
前記外部信号処理装置は、
前記光電ハイブリッドケーブルと嵌合して、前記複数の光ファイバと光学的に接続するとともに前記一対の電源供給線路と電気的に接続する第1の統合接続端子を備え、
前記遠隔無線装置は、
前記光電ハイブリッドケーブルと嵌合して、前記複数の光ファイバと光学的に接続するとともに前記一対の電源供給線路と電気的に接続する第2の統合接続端子を備えることを特徴とする無線接続ノードシステム。
【請求項8】
前記光電ハイブリッドケーブルは、
前記1つのケーブルの両端に設けられ、前記複数の光ケーブルと前記一対の電源供給線路とを、前記外部信号処理装置および前記遠隔無線装置に光学的、電気的に接続するよう構成された光電ハイブリッドコネクタを更に備えることを特徴とする請求項7に記載の無線接続ノードシステム。
【請求項9】
前記外部信号処理装置は、
前記第1の統合接続端子によって接続された前記電源供給線路に前記電源を供給する第1の電源供給部と、
前記送信信号を光信号に変換し、前記第1の統合接続端子によって接続された前記複数の光ファイバに出力するとともに、前記第1の統合接続端子によって接続された前記複数の光ファイバから出力される光信号を受信し、前記受信された光信号を電気信号に変換し、前記所定の信号処理を施す後段の信号処理部に出力する第1の光電/電光変換部と、
を更に備えることを特徴とする請求項7に記載の無線接続ノードシステム。
【請求項10】
前記遠隔無線装置は、
前記第2の統合接続端子によって接続された前記電源供給線路から前記電源を受信し、前記受信された電源を対応する遠隔無線装置の内部の駆動電源に変換し、前記変換された電源を供給する第2の電源供給部と、
前記第2の統合接続端子によって接続された前記複数の光ファイバから出力される光信号を受信し、前記受信された光信号を電気信号に変換し、前記所定の送信信号処理を施す後段の信号処理部に出力するとともに、前記少なくとも1つのアンテナで受信され、前記所定の受信信号処理が施された電気信号を光信号に変換し、前記第2の統合接続端子によって接続された前記複数の光ファイバに出力する第2の光電/電光変換部と、
を更に備えることを特徴とする請求項7に記載の無線接続ノードシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信(例えば、PCS、セルラー、CDMA、GSM(登録商標)、LTEなど)ネットワークにおいて、基地局、中継局、又は小型基地局のような無線接続ノード(WirelessAccessnode)システムに関し、特に、無線接続ノードシステムにおいてアンテナに設置される遠隔無線装置(RemoteRadioHead:RRH)に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、基地局のような無線接続ノードシステムは、送受信信号処理のための基地局本体と複数の放射素子とを含み、無線信号を送受信するアンテナで区分されてきた。基地局本体は、地上の低い位置に設置され、アンテナは、建物の屋上又はタワーのような高い位置に設置され、基地局本体は、給電ケーブルを通してアンテナに接続される。
【0003】
最近では、無線信号を処理するための装置の小型及び軽量化に従うタワーの設置の容易性の増大のおかげで、信号がアンテナと基地局本体との間で送信される時のケーブル損失を補償できるように、送受信無線信号を処理する遠隔無線装置(RRH)をアンテナの前端に設置する構造が広く適用されている。
【0004】
すなわち、送受信信号の処理のための基地局本体は、RF信号処理部分及びベースバンド信号処理部分に分けられ、ベースバンド信号処理部分だけが基地局本体に含まれ、RF信号処理部分は、遠隔無線装置に含まれる。この場合に、基地局本体は、“ベースバンド信号処理装備”とみなされる。このとき、通常、基地局本体部分(ベースバンド信号処理装備)は、相互の送信信号損失を防止するために光通信方式で送受信信号を伝達する光ケーブルと遠隔無線装置の動作電源を供給するための電源供給ケーブルである同軸ケーブルとを通して遠隔無線装置に接続される。
【0005】
図1は、遠隔無線装置が設置される基地局の概略的な全ブロック構成の一例を示す図である。
図1の例では、基地局が対応するセルを3つのセクタに区分し、サービスを提供する構造を説明する。
図1を参照すると、第1乃至第3のアンテナ11、12、13のそれぞれは、セクタ別にタワーの支柱に設置され、第1乃至第3の遠隔無線装置21、22、23のそれぞれは、第1乃至第3のアンテナ11、12、13のそれぞれに設置される。光通信方式で送受信信号の送信のための第1乃至第3の光ケーブル213、223、233は、第1乃至第3の遠隔無線装置21、22、23とベースバンド信号処理装備1との間で電源供給のための第1乃至第3の同軸ケーブル214、224、234に接続される。
【0006】
図1に示すように、3つのセクタを有する構造の基地局において、3つの光ケーブル213、223、233及び3つの同軸ケーブル214、224、234は、ベースバンド信号処理装備1と遠隔無線装置21、22、23との間に設置されることにより、比較的大きい数である総6個のケーブルが設置されなければならない。上述したように、設置ケーブルの数の増加は、高所作業が行われるケーブル接続作業をより難しくし、特に、ケーブルの設備コスト及び据え付けコストを相当に増加させる。
【0007】
図2は、
図1に示した第1の遠隔無線装置21の構成を示す底面図である。
図2を参照すると、遠隔無線装置21は、1つ以上の光ケーブル(のコネクタ)を接続するための1つ以上の光ケーブル接続端子(ソケット)211及び同軸ケーブル(のコネクタ)を接続するための同軸ケーブル接続端子(ソケット)212を含む。
図2は、4つの光ケーブル接続端子211が含まれる一例を示し、例えば、LTE−Aサービスサポートのために要求される大容量のデータ送信規格を満足させるために複数(すなわち、4個)の光ケーブルが設置される構造である。
【0008】
上述したように、複数の光ケーブルは、遠隔無線装置21、22、23のそれぞれに接続される。この場合に、ケーブル接続作業及びケーブルの設備及び据え付けコストが増加するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、少なくとも上述した問題点及び/又は課題に取り組み、少なくとも以下の便宜を提供することにある。すなわち、本発明の目的は、ベースバンド信号処理装備及び接続ケーブルの数を減少させることにより、設置作業及びコストを節減させることができる遠隔無線装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような目的を達成するために、本発明の一態様によれば、遠隔無線装置が提供される。上記遠隔無線装置は、少なくとも1つの光信号を少なくとも1つの電源とを統合し、上記統合された光信号を受信する少なくとも1つの統合接続端子と、上記統合接続端子から電源を受信し、上記受信された電源を対応する遠隔無線装置の内部の駆動電源に変換し、上記変換された電源を供給する電源供給部と、上記統合接続端子から出力される光信号を受信し、上記受信された光信号を電気信号に変換する光電/電光変換部と、上記光電/電光変換部で変換された電気信号を予め構成された信号復調フォーマットに従って復元するフレーマと、上記フレーマから出力される信号を受信し、ディジタルレベルでレベル調節及び波形調節を実行するディジタル信号処理部と、上記ディジタル信号処理部から出力される信号を高周波の無線送信信号に変換し、上記変換された信号を高出力で増幅し、上記増幅された信号をアンテナに出力する送受信信号変換モジュールとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明による遠隔無線装置は、ベースバンド信号処理装備及び接続ケーブルの数を減少させることにより、設置作業及びコストを減少させることができる。
【0012】
本発明の他の目的、利点、及び顕著な特徴は、添付の図面及び本発明の実施形態からなされた以下の詳細な説明から、この分野の当業者に明確になるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】遠隔無線装置が設置される基地局の概略的な全ブロック構成の一例を示す図である。
【
図2】
図1に示した第1の遠隔無線装置の構成を示す底面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による遠隔無線装置が設置される基地局の概略的な全ブロックの構成を示す例示図である。
【
図4】
図3に示した光電ハイブリッドケーブルを示す内部の断面図である。
【
図5】
図3に示した第1の遠隔無線装置の構成を示す底面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による遠隔無線装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【0014】
本発明の実施形態の上述した及び他の様相、特徴、及び利点は、添付の図面が併用された以下の詳細な説明から、より一層明らかになるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付した図面を参照して詳しく説明する。また、以降の説明では、具体的な特定事項を示しているが、これは、本発明のより全般的な理解を助けるべく提供しただけであって、このような特定事項なしでも本発明が実施できることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には自明である。
【0016】
図3は、本発明の一実施形態による遠隔無線装置が設置された基地局の概略的な全ブロック構成を示す図であり、
図3の例では、基地局が対応するセルを3つのセクタに区分し、サービスを提供する構造が説明される。
図1を参照すると、第1乃至第3のアンテナ11、12、13のそれぞれは、セクタ別にタワーの支柱に設置され、本発明の一実施形態による第1乃至第3の遠隔無線装置31、32、33のそれぞれは、第1乃至第3のアンテナ11、12、13のそれぞれに設置される。第1乃至第3の遠隔無線装置31、32、33及びベースバンド信号処理装備1は、第1乃至第3の光電ハイブリッドケーブル41、42、43のそれぞれを通して接続される。
【0017】
第1乃至第3の光電ハイブリッドケーブル41、42、43のそれぞれは、光ファイバー及び電源供給線路が複合的に構成され、光ファイバーを通して光通信方式で送受信信号を送信し、電源供給線路を用いて電源供給を提供する構造を有する。
【0018】
図4は、
図3に示した第1の光電ハイブリッドケーブル41を示す内部の断面図である。
図4を参照すると、第1の光電ハイブリッドケーブル41は、その内部の中心部に配置される一対の電源供給線路411を有し、複数(
図5の例では、4個)の光ファイバー412は、充填剤413により相互に適切に離隔されつつ電源供給線路411の周辺に位置する。また、電源供給線路の最外側は、被覆414により包まれる。複数の光ファイバー412は、それぞれ光ファイバーの束により効率的に具現される。また、複数の光ファイバー412の個数は、対応するアンテナの構造及び信号送信規格に従って適切に設定される。
【0019】
図4に示すように、第1の光電ハイブリッドケーブル41が構成され、
図3に示した第2及び第3の光電ハイブリッドケーブル42及び43も同様に構成される。
【0020】
図5は、
図3に示した第1の遠隔無線装置31の構成を示す底面図である。
図5を参照すると、従来技術とは異なり、遠隔無線装置31は、
図4に示すような光電ハイブリッドケーブル(のコネクタ)41に接続されるための1つの統合接続端子(ソケット)311を含む。統合接続端子311に関する技術の例では、2009年11月27日に特許出願された韓国特許出願第10−2009−0115539号(発明の名称:光電ハイブリッドコネクタ、出願人:Postech、発明者:LeeSooYoung)明細書を挙げることができる。
【0021】
図5に示すように、第1の遠隔無線装置31が構成され、
図3に示す第2及び第3の遠隔無線装置32及び33も同様に構成される。
【0022】
図3乃至
図5に示すように、本発明の一実施形態において、1つの遠隔無線装置は、1つの光電ハイブリッドケーブルを通してベースバンド信号処理装備に接続され、従来技術と比較して、遠隔無線装置とベースバンド信号処理装備との間には、実質的に1つ(光電ハイブリッド)のケーブルだけが要求されることをわかる。このとき、電源供給線路及び光ファイバーを通した電源及び光信号を伝達するための光電ハイブリッドコネクタは、光電ハイブリッドケーブルの両端に構成される。また、統合接続端子は、ベースバンド信号処理装備にも配置され、作業の時に、光電ハイブリッドケーブルの両端での光電ハイブリッドコネクタは、ベースバンド信号処理装備及び遠隔無線装置の光電ハイブリッド接続端子にそれぞれ結合されることにより設置が完了する。
【0023】
図6は、本発明の一実施形態による遠隔無線装置の詳細な構成を示すブロック図であり、例えば、
図3に示した第1の遠隔無線装置31の詳細な内部構造を示す。
図6を参照して、まず、ベースバンド信号処理装備から遠隔無線装置31への送信信号及び電源供給の側面での構成について説明する。本発明の一実施形態による遠隔無線装置31は、光電ハイブリッドケーブル41の光電ハイブリッドコネクタ411に結合される構造を有し、ベースバンド信号処理装備から提供された光信号を電源と統合し、統合された光信号を受信する統合接続端子311と、統合接続端子311から電源を受信し、受信された電源を対応する遠隔無線装置31の内部の駆動電源に変換することにより、変換された電源を各機能部に供給する電源供給部314と、統合接続端子311から出力される光信号を受信することにより、受信された光信号を電気信号に変換する光電/電光変換部313と、光電/電光変換部313で変換された電気信号を予め構成された(すなわち、ベースバンド信号処理モジュールで信号変調フォーマットに対応する)信号復調フォーマットに従って復元するフレーマ315と、フレーマ315から出力される信号を受信することにより、ディジタルレベルでレベル調節及び波形調節を実行するディジタル信号処理部317とを含み、ディジタル信号処理部317から出力されるディジタル信号は、送受信信号変換モジュールを通して高周波の無線送信信号に変換され、高出力で増幅されることによりアンテナに出力される。
【0024】
光電/電光変換部313は、例えば、スモールフォームファクタプラガブル(SmallForm-factorPluggable:SFP)光送受信器の構造で具現され、フレーマ315は、例えば、共通の公衆無線インターフェース(CommonPublicRadioInterface:CPRI)規格に従う直列−並列変換器/並列−直列変換器の構造を有する。このとき、光電/電光変換部313は、光電ハイブリッドケーブル内の複数の光ファイバーにそれぞれ対応するために複数のSFP光送受信器で具現され、フレーマ315は、複数の直列−並列変換器/並列−直列変換器で具現される。
【0025】
ディジタル信号処理部317は、ディジタル信号のレベルを増幅するディジタルアップ変換機能と、波高率の減少のためのCRF(CrestFactorReduction)機能と、ディジタル信号を事前に歪曲するディジタルプリディストーション(DigitalPre-Distortion:DPD)機能とを実行するサブ構成部を含む。ディジタル信号処理部317は、ディジタル信号プロセッサ(DigitalSignalProcessor:DSP)素子又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FieldProgrammableGateArray:FPGA)で具現される。また、この場合に、DPD機能を実行するために、ディジタル信号処理部317の後ろの増幅された送信信号からフィードバック信号を提供するフィードバック回路(図示せず)は、ディジタル信号処理部317にさらに含まれる。
【0026】
一方、ディジタル信号処理部317で出力されるディジタル信号を高周波の無線送信信号に変換する送受信信号変換モジュールは、ディジタル信号処理部317の出力信号を中間周波数(IF)のアナログ信号に変換し出力するディジタル/アナログ(DA)コンバータ320と、ディジタル/アナログコンバータ320から出力される中間周波数(IF)信号を局部発進信号と結合することにより、結合された信号を対応する送信周波数帯域の高周波信号に変換する周波数アップコンバータ322と、周波数アップコンバータ322の出力を受信することにより、送信電力レベルで高周波信号を増幅する高出力の送信増幅器324と、送信増幅器324から出力される高周波の送信信号をアンテナ接続端子33を通してアンテナに提供し、アンテナ接続端子33を通してアンテナから提供される受信信号を送信信号の経路から分離して出力する送受信結合/分離部328と、送受信結合/分離部328から分離され出力される受信信号を低雑音増幅する低雑音増幅器(LowNoiseAmplifier:LNA)332と、受信増幅器から出力される高周波の受信信号を局部発振信号と結合することにより、結合された信号を中間周波数(IF)の信号に変換する周波数ダウンコンバータ334と、周波数ダウンコンバータ334で変換された信号をアナログ/ディジタル信号に変換することにより、変換された信号をディジタル信号処理部317に提供するアナログ/ディジタル(AD)コンバータ336とを含む。
【0027】
上述したように、送受信結合/分離部328は、送信及び受信周波数帯域を分離するためのデュプレクサを通して具現される。また、対応するアンテナは、多入力多出力(Multi-InputMulti-Output:MIMO)構造を有し、アンテナ接続端子は、複数の端子で具現される。同様に、送受信結合/分離部328は、複数のデュプレクサで具現され、送信増幅器324及び受信増幅器332は、複数の増幅素子で具現される。
【0028】
一方、ディジタル信号処理部317での受信信号は、ディジタルレベル調節を通してレーマ315に提供され、フレーマ315は、受信信号を予め構成された送信フォーマットに従って変調し出力し、光電/電光変換部313は、フレーマ315から出力され変調された信号に従う光信号を生成し、生成された光信号を、統合接続端子311を通してベースバンド信号処理装備に送信する。
【0029】
上述したように、本発明の一実施形態による遠隔無線装置の構成及び動作がなされることができ、本発明は、特定の実施形態を参照して図示され説明されたが、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく様々な変更が可能であるということは、当業者には明らかである。
【0030】
例えば、
図6の例では、統合接続端子311と、光信号及び電源が並列に接続されたサブ統合接続端子312とがさらに設置される。サブ統合接続端子312は、統合接続端子311の光信号及び電源の提供経路に結合されることにより並列に信号経路を形成する。このような構造は、特に、中継器に適用されるのに適合した構造に対応し、中継器は、複数のアンテナ及びこれに設置される遠隔無線装置がデイジーチェーン形態で並列に接続されるネットワークを形成する。この場合に、隣接した遠隔無線装置は、サブ統合接続端子312を通して容易に接続される。
図2に示したような従来の構造と比較して、従来技術では、デイジーチェーン形態で遠隔無線装置が接続される場合に、例えば、複数の追加の光ケーブル接続端子及び追加の同軸ケーブル接続端子が含まれなければならない。しかしながら、対応する遠隔無線装置が接続端子を配置する場所を確保することも容易でないことをわかる。
【0031】
また、上記では、本発明の遠隔無線装置がRRHと同一のものと説明したが、本発明の遠隔無線装置は、アンテナ又はアンテナの前端に設置され、遠隔のベースバンド信号処理装備から分離されることにより、RF信号を処理するいかなる名称の装備と同一に見なされることができることを理解するのであろう。
【0032】
以上、本発明を具体的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく様々な変更が可能であるということは、当業者には明らかであり、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきものである。
【符号の説明】
【0033】
1 ベースバンド信号処理装備
11 第1のアンテナ
12 第2のアンテナ
13 第3のアンテナ
21 第1の遠隔無線装置
22 第2の遠隔無線装置
23 第3の遠隔無線装置
31 第1の遠隔無線装置
32 第2の遠隔無線装置
33 第3の遠隔無線装置
41 第1の光電ハイブリッドケーブル
42 第2の光電ハイブリッドケーブル
43 第3の光電ハイブリッドケーブル
211 光ケーブル接続端子(ソケット)
212 同軸ケーブル接続端子(ソケット)
213 第1の光ケーブル
214 第1の同軸ケーブル
223 第2の光ケーブル
224 第2の同軸ケーブル
233 第3の光ケーブル
234 第3の同軸ケーブル
311 統合接続端子(ソケット)
312 サブ統合接続端子
313 光電/電光変換部
314 電源供給部
315 フレーマ
317 ディジタル信号処理部
320 ディジタル/アナログコンバータ
322 周波数アップコンバータ
324 送信増幅器
328 送受信結合/分離部
332 低雑音増幅器(LowNoiseAmplifier:LNA)
334 周波数ダウンコンバータ
336 アナログ/ディジタル(AD)コンバータ
411 電源供給線路
412 光ファイバー
413 充填剤
414 被覆