(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
拡張表面を定義するために、前記コンピュータ・ベースのモデル構築システムは、前記拡張表面上の各頂点が第1の所定値αに等しい拡張フィールド値Dを有するように、前記拡張表面を定義するように構成された、請求項1に記載のシステム。
侵食フィールドを計算するために、前記コンピュータ・ベースのモデル構築システムは、前記作業ボリューム内の場所ごとに侵食フィールド値Eを計算するように構成され、
前記侵食フィールド値Eは、前記場所と前記拡張表面上の最近傍点との間の距離である、請求項1に記載のシステム。
拡張フィールドを計算するためおよび侵食フィールドを計算するために、前記コンピュータ・ベースのモデル構築システムは、最近傍オブジェクト情報の伝播を利用する修正された高速マーチング・アルゴリズムを用いて、前記拡張フィールドおよび前記侵食フィールドを計算するように構成された、請求項1に記載のシステム。
拡張フィールドを計算することおよび侵食フィールドを計算することは、最近傍オブジェクト情報の伝播を利用する修正された高速マーチング・アルゴリズムを用いて、前記拡張フィールドおよび前記侵食フィールドを計算することを備える、請求項5に記載の方法。
拡張フィールドを計算するためおよび侵食フィールドを計算するために、最近傍オブジェクト情報の伝播を利用する修正された高速マーチング・アルゴリズムを用いて、前記拡張フィールドおよび前記侵食フィールドを計算するように構成された、請求項10に記載の処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面のいくつかの図を通して、対応する参照文字は対応する部分を示す。
【0020】
本開示は、表面モデル(たとえば心臓の内部表面)を生成するためのシステムおよび方法を提供する。本明細書に記載の技法は、ここで説明する第1の所定値αおよび第2の所定値kの値を変化させることで決定される調節可能な詳細度を有する閉じた多岐管の表面(closed,manifold surface)を生成する。
【0021】
ここで、種々の図における同一の構成要素を識別するために同様の参照番号が使用された図面を参照すると、
図1には、1つまたは複数の幾何学的構造の多次元表面モデルを生成するためのシステム10の一例示的実施形態が示されている。以下で説明されるように、本実施形態では、システム10により生成されるモデルは3次元モデルである。しかしながら、3次元モデルの生成が以下で説明されるが、本開示がそのように限定されないものとすることは理解されよう。むしろ、他の実施形態において、システム10は3次元以外の多次元モデルを生成するように構成することができ、そのような実施形態は本開示の趣旨および範囲から逸脱しない。
【0022】
以下の説明では、解剖学的構造、特に心臓の構造のモデルの生成にシステム10を使用することに主に焦点を当てているが、本開示がそのように限定されないものとすることにさらに留意されたい。むしろ、システム10、ならびにそれにより使用される方法および技法は、心臓の構造以外の解剖学的構造を含む任意数の幾何学的構造の3次元モデルの生成に適用することができる。しかしながら、例示および説明を簡単にするために、以下の説明は、心臓の構造の3次元モデルの生成にシステム10を使用することに限定される。
【0023】
引き続き
図1を参照すると、本実施形態では、システム10は、構成要素の中でもとりわけ、医療デバイスおよびモデル構築システム14を含む。本実施形態では、医療デバイスはカテーテル12であり、モデル構築システム14はその一部において処理装置16を含む。処理装置16は、たとえば、カテーテル12により収集されたデータを用いて心臓内の構造の3次元モデルを構築するように構成された、電子制御ユニットの形態をとることができる。
【0024】
図1に示されるように、カテーテル12は患者の体18に、より詳細には患者の心臓20に挿入されるように構成される。カテーテル12は、ケーブル・コネクタまたはインターフェース22、ハンドル24、近位端28および遠位端30を有するシャフト26(本明細書で使用される場合、「近位」は臨床医に近いカテーテル12の部分へ向かう方向を指し、「遠位」は臨床医から離れた、(概ね)患者の体の内部へ向かう方向を指す)、およびカテーテル12のシャフト26の中または上に取り付けられた1つまたは複数のセンサ32(たとえば321、322、323)を含むことができる。本実施形態では、センサ32は、シャフト26の遠位端30に、またはその近くに配置される。カテーテル12は、他の従来の構成要素、たとえば、限定はしないが、温度センサ、追加のセンサまたは電極、アブレーション素子(たとえばRFアブレーション・エネルギーを供給するためのアブレーション先端電極、高密度焦点式超音波アブレーション素子など)、および対応する導体またはリード線をさらに含むことができる。
【0025】
コネクタ22は、モデル構築システム14および/またはシステム10の他の構成要素(たとえば可視化、ナビゲーション、および/またはマッピング・システム(モデル構築システム14とは分離し別個である場合)、アブレーション発生器、潅注源など)に延びるケーブル34、36などのケーブルに対する機械的、流体的、および電気的接続を提供する。コネクタ22は、当技術分野における従来のものであり、カテーテル12の近位端28、特にそのハンドル24に配置される。
【0026】
シャフト26の近位端28に配置されたハンドル24は、臨床医がカテーテル12を保持するための場所を提供し、患者の体18内でシャフト26を操作または誘導するための手段をさらに提供することができる。たとえば、ハンドル24は、シャフト26を操作するために、カテーテル12の中を通りシャフト26の遠位端30まで延びる操作ワイヤの長さを変更するための手段を含むことができる。ハンドル24もまた当技術分野において従来のものであり、ハンドル24の構造が異なっていてもよいことは理解されよう。他の実施形態では、カテーテル12はロボットで駆動または制御することができる。したがって、臨床医がハンドルを操作してカテーテル12およびそのシャフト26を操作または誘導するのではなく、そのような実施形態では、ロボットを用いてカテーテル12が操作される。
【0027】
シャフト26は、体18の中で動かせるように構成された細長い管状の柔軟性のある部材である。シャフト26は、たとえば、限定はしないが、センサおよび/またはそれに取り付けられた電極、たとえばセンサ32、関連する導体、および場合により信号処理および調節に使用される追加の電子機器を支持する。また、シャフト26は、流体(潅注流体、低温アブレーション流体、および体液を含む)、医薬品、および/または手術道具または器具の運搬、供給、および/または除去を可能にしてもよい。シャフト26は従来の材料、たとえばポリウレタンで作ることができ、導体、流体、または手術道具を収容および/または運搬するように構成された1つまたは複数の管腔を定める。シャフト26は、血管または体18内の他の構造の中へ従来の導入器を介して導入することができる。そして、シャフト26は、体18の中へ所望の場所、たとえば心臓20まで、当技術分野でよく知られている手段を用いて操作または誘導することができる。
【0028】
カテーテル12のシャフト26の中または上に取り付けられたセンサ32は、種々の診断および治療の目的で、一例であって限定はしないが、電気生理学的研究、ペーシング、心臓マッピング、およびアブレーションなどを目的として設けることができる。本実施形態では、センサ32のうちの1つまたは複数は、場所または位置検知機能を実行するために設けられる。より詳細には、以下でより詳細に説明されるように、センサ32のうちの1つまたは複数は、特定の時点におけるカテーテル12、詳細にはそのシャフト26の遠位端30の場所(位置および向き)に関する情報を提供する測位センサとなるように構成される。したがって、カテーテル12は心臓20の関心のある構造の表面に沿っておよび/またはその構造の内部で動かされるので、センサ32を用いて、関心のある構造の表面および/またはその中の他の場所に対応する場所データ点を収集することができる。そして、これらの場所データ点は、たとえば、モデル構築システム14により、関心のある構造の3次元モデルを構築する際に使用することができ、これは以下でより詳細に説明される。見やすくし例示のために、以下の説明では、カテーテル12の複数のセンサ32が測位センサを備える実施形態を論じることにする。しかしながら、本開示の趣旨および範囲を逸脱しない他の実施形態では、カテーテル12は1つまたは複数の測位センサ、ならびに他の診断および/または治療機能を実行するように構成された他のセンサの両方を備えることができることは理解されよう。
【0029】
上記で簡単に説明されたように、また、以下でより詳細に説明されるように、モデル構築システム14は、カテーテル12により収集された場所データを部分的に用いて、心臓内の構造の3次元モデルを構築するように構成される。より詳細には、モデル構築システム14の処理装置16は、センサ32により収集された場所データ点を取得し、場所データ点が対応する構造のモデルを構築または生成する際にこれらの場所データ点を使用するように構成される。本実施形態では、モデル構築システム14は、センサ32と共に機能して場所データ点を収集することで場所データ点を取得する。しかしながら、他の実施形態では、モデル構築システム14は、センサ32またはシステム10の他の構成要素、たとえばモデル構築システム14の一部であるもしくはそれによりアクセス可能であるメモリもしくは他の記憶デバイスから、場所データ点の収集に積極的に参加することなく単純に場所データ点を取得することができる。モデル構築システム14は、収集された場所データ点の一部または全部に基づいて3次元モデルを構築するように構成される。例示および見やすさの目的で、以下の説明は、モデル構築システム14が、モデルを構築することと、センサ32と共に機能して場所データ点を収集することで場所データ点を取得することとの両方を行うように構成された実施形態に限定される。しかしながら、モデル構築システム14が、単に、センサ32またはシステム10の他の構成要素からは場所データ点を取得し、これに基づいて3次元モデルを構築する他の実施形態が、本開示の趣旨および範囲から逸脱しないことは理解されよう。
【0030】
したがって、本実施形態では、構造のモデルを構築するのに加えて、モデル構築システム14は、センサ32と共に機能して、3次元モデルの構築に使用される場所データ点を収集するように構成される。モデル構築システム14は、電場ベースのシステム、たとえばSt.Jude Medical社から市販されている、「Method and Apparatus for Catheter Navigation and Location and Mapping in the Heart」と題された、その開示全体が本明細書に引用により組み込まれている、米国特許第7,263,397号に関して概略的に示された、EnSite(商標)NavX(商標)システムなどを備えることができる。しかしながら他の実施形態では、モデル構築システム14は、他のタイプのシステム、たとえば、限定はしないが:磁場ベースのシステム、たとえばBiosense Websterから入手可能であって、開示全体が本明細書に引用により組み込まれた、「Intrabody Measurement」と題された米国特許第6,498,944号、「Medical Diagnosis, Treatment and Imaging Systems」と題された米国特許第6,788,967号、および「System and Method for Determining the Location and Orientation of an Invasive Medical Instrument」と題された米国特許第6,690,963号のうちの1つまたは複数を参照して概略的に示されたCarto(商標)システム、またはMediGuide社から入手可能であって、開示全体が本明細書に引用により組み込まれた、「Medical Positioning System」と題された米国特許6,233,476号、「System for Determining the Position and Orientation of a Catheter」と題された米国特許7,197,354号、および「Medical Imaging and Navigation System」と題された米国特許7,386,339号のうちの1つまたは複数を参照して概略的に示されたgMPSシステム;電場ベースおよび磁場ベースの組み合わせのシステム、たとえば同じくBiosense Websterから入手可能なCarto 3(商標)システム;ならびに他のインピーダンス・ベースのローカリゼーション・システム、音波または超音波ベースのシステム、一般的に入手可能な透視コンピュータ断層撮影(CT:computed tomography)、および磁気共鳴画像(MRI:magnetic resonance imaging)ベースのシステムを備えることができる。
【0031】
上記で簡単に説明されたように、カテーテル12のセンサ32は測位センサを含む。センサ32は、カテーテルの場所(位置および/または向き)の情報を示す信号を生成する。モデル構築システム14が電場ベースのシステムである本実施形態では、センサ32は1つまたは複数の電極を備えることができる。あるいは、モデル構築システム14が磁場ベースのシステムである一実施形態では、センサ32は、低強度の磁場の1つまたは複数の特徴を検出するように構成された1つまたは複数の磁気センサを含むことができる。たとえば、一例示的実施形態では、センサ32は、カテーテル12のシャフト26の上または中に配置された磁気コイルを含むことができる。
【0032】
見やすくし例示のために、モデル構築システム14は、電場ベースのシステム、たとえば上記で特定されたEnSite(商標)NavX(商標)システムなどを含むものとして以下説明される。以下の説明はセンサ32が1つまたは複数の電極を含む一実施形態に主に限定されているが、他の実施形態では、センサ32が1つまたは複数の磁場センサ(たとえばコイル)を含むことができることが理解されよう。したがって、以下に記載されるセンサまたは電極以外の測位センサを含むモデル構築システムは、本開示の趣旨および範囲から逸脱しない。
【0033】
図2を参照すると、処理装置16に加えて、モデル構築システム14は、可能な構成要素の中でもとりわけ、複数のパッチ電極38、多重化スイッチ40、信号発生器42、および表示デバイス44を含むことができる。他の実施形態では、これらの構成要素の一部または全部は、モデル構築システム14とは分離し別個のものであるが、モデル構築システム14に電気的に接続され、これと通信するように構成される。
【0034】
処理装置16は、プログラム可能なマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含むことができ、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)を含むことができる。処理装置16は、中央処理装置(CPU:central processing unit)と、処理装置16がパッチ電極38およびセンサ32により生成された信号などを含む複数の入力信号を受信することができ、表示デバイス44およびスイッチ40などを制御するおよび/またはこれらにデータを提供するために使用される出力信号などを含む複数の出力信号を生成することができる入力/出力(I/O)インターフェースとを含むことができる。処理装置16は、様々な機能、たとえば上記および下記でより詳細に記載された機能などを、適切なプログラミング命令またはコード(すなわちソフトウェア)によって実行するように構成することができる。したがって、処理装置16は、本明細書に記載の機能を実行するようにコンピュータ記憶媒体に符号化された1つまたは複数のコンピュータ・プログラムによってプログラムされている。
【0035】
「腹部パッチ(belly patch)」と呼ばれるパッチ電極38Bを除いて、パッチ電極38は、カテーテル12の位置および向きを決定する際などに使用される電気信号を生成するために設けられる。一実施形態では、パッチ電極38は、体18の表面に直交して配置され、体18内に軸固有の電場を生成するために使用される。たとえば一実施形態では、パッチ電極38X1、38X2を第1の(x)軸に沿って配置することができる。パッチ電極38Y1、38Y2を第2の(y)軸に沿って配置することができ、パッチ電極38Z1、38Z2を第3の(z)軸に沿って配置することができる。パッチ電極38の各々は、多重化スイッチ40に接続することができる。本実施形態では、処理装置16は、適切なソフトウェアによって、制御信号をスイッチ40に与えて電極38のペアを信号発生器42に順次接続するように構成される。電極38の各ペアが励起すると、体18の中に、および心臓20などの関心領域の中に電場が発生する。腹部パッチ38Bを基準とした非励起電極38における電圧レベルは、フィルタリングおよび変換され、基準値として使用できるように処理装置16に与えられる。
【0036】
本実施形態では、カテーテル12のセンサ32は、処理装置16に電気的に接続され、位置検知機能を果たすように構成される。より詳細には、センサ32は、パッチ電極38を励起させることで体18内に(たとえば心臓内に)生成される電場内に配置される。見やすくし例示だけのために、以下の説明は、単一のセンサ32が電場内に配置される一実施形態に限定される。しかしながら、本開示の趣旨および範囲から逸脱しない他の実施形態では、複数のセンサ32を電場内に配置することができ、各センサの位置および向きを後述の技法を用いて決定することができることは理解されよう。
【0037】
センサ32は、電場内に配置された場合、パッチ電極38間での場所と、組織に対するセンサ32の位置とに依存する電圧を受ける。センサ32およびパッチ電極38の間で行われる電圧測定比較を用いて、組織に対するセンサ32の場所を決定することができる。したがって、特定の関心のある領域または表面の周辺でまたはこれに沿ってカテーテル12が掃引された場合、処理装置16は、センサ32における電圧レベルの変化を反映するセンサ32から信号(場所情報)、および非導通のパッチ電極38からの信号(場所情報)を受信する。そして、処理装置16は、様々な既知のアルゴリズムを用いて、センサ32の場所(位置および向き)を決定し、センサ32の場所、したがってモデル化される関心のある構造の表面上または内部の点に対応する場所データ点46(本明細書では「データ点46」とも呼ばれ、
図3に示されている)として、処理装置16に関連付けられたまたはこれによりアクセス可能なメモリまたは記憶デバイス、たとえばメモリ47に記録することができる。いくつかの実施形態では、場所を場所データ点として記録する前に、処理装置16により受信された信号により表される生の場所データを処理装置16により補正して、既知のまたは今後開発される技法を用いて呼吸、心臓活動、およびその他のアーティファクトを説明することができる。さらに、カテーテル12の他の部分の場所を、内挿または外挿などによりセンサ32における測定値から埋めることで、さらなる場所データ点46を生成することができる。いずれにしても、経時的に取得された場所データ点46(461、462、...、46n)が収集されると、メモリまたは記憶デバイスに格納される点群48(
図3に最もよく示されている)が形成される。
【0038】
上記の説明はここまでは概してパッチ電極38の直交配置に関するものであるが、本開示はそのように限定される意図はない。むしろ、他の実施形態では、非直交配置を用いて、センサ32の場所座標を決定することができる。たとえば、大まかに言えば、
図4A〜
図4Dに、座標系50に設定された複数の例示的な非直交ダイポールD0、D1、D2、およびD3が示されている。
図4A〜
図4Dでは、X軸パッチ電極はXAおよびXBと呼ばれ、Y軸パッチ電極はYAおよびYBと呼ばれ、Z軸パッチ電極はZAおよびZBと呼ばれる。任意の所望の軸について、所定の駆動(ソース・シンク)構成の組から得られたセンサ32などの心臓内センサを介して測定された電位を代数的に結合して、直交軸に沿って均一な電流を単に駆動することで得られるのと同じ有効電位を生成することができる。パッチ電極38X1、38X2、38Y1、38Y2、38Z1、および38Z2(
図2参照)のうちの任意の2つを、腹部パッチ38Bなどの接地基準に対するダイポールのソースおよびドレインとして選択することができ、非励起パッチ電極が接地基準に対する電圧を測定する。また、心臓20内に配置されたセンサ32は、電流パルスに関する場にさらされ、接地(たとえば腹部パッチ38B)に対して測定される。
【0039】
他の例示的実施形態では、複数のパッチ電極38を、共通の軸に沿って直線的に配列することができる。そのような実施形態では、パッチ電極38のうちの1つとカテーテル12に取り付けられた電極とを含む電極ペアを励起させると、電場が発生する。そして、非励起パッチ電極38は、センサ32の位置を決定するのに使用可能な電位を測定することができる。したがって、そのような実施形態では、異なるパッチ電極38とカテーテルに取り付けられた電極とを含む複数の電極ペアの励起を用いて、センサ32の位置を決定することができる。
【0040】
パッチ電極38の各々およびセンサ32からのデータセットは全て、心臓20内のセンサ32の場所を決定するために使用される。電圧測定が行われた後、パッチ電極38の異なるペアが電流源により励起され、残りのパッチ電極38およびセンサ32の電圧測定処理が行われる。センサ32の場所が決定されると、上記で説明されたように、場所はデータ点46として上記と同じように記録することができる。いくつかの実施形態では、場所を場所データ点として記録する前に、処理装置16により受信された信号により表される生の場所データを処理装置16により補正して、既知のまたは今後開発される技法を用いて呼吸、心臓活動、およびその他のアーティファクトを説明することができる。したがって、センサ32の場所を決定するために、したがってそれに対応するデータ点を収集するために任意数の技法を用いることができ、その各々は本開示の趣旨および範囲から逸脱しないことは理解されよう。
【0041】
図3は、モデル化される特定の関心のある構造に対応する場所データ点46
1、46
2、...46
nを含む点群48を示す。実際には、点群48は数百から数十万のデータ点46を一般的に含むことは理解されよう。しかしながら、例示および説明を簡単にするために、以下の説明は、限られた数の場所データ点を有する点群、たとえば場所データ点46を含む点群48に限定される。関心のある構造の異なる領域に対応する場所データ点46を収集できることも理解されよう。そのような実施形態では、処理装置16は、それらが収集された関心のある構造の領域に対応するデータ点46をグループ化するように構成することができる。したがって、関心のある構造の2つの領域が存在する場合、第1の領域に対応する場所データ点の全てが共にグループ化され第1の点群を形成し、第2の領域に対応するデータ点の全てが共に同様にグループ化され第2の点群を形成する。
【0042】
一例示的実施形態では、
図5を参照すると、処理装置16は、大まかに言えば、まず、関心のある解剖学的構造の1つまたは複数の個別の領域の1つまたは複数の表面モデルを生成する(100)。2つ以上の個別の関心領域の2つ以上の表面モデルが生成される実施形態では、処理装置16は、複数の個別表面モデルを結合して関心のある構造の複合表面モデルを形成する(102)ようにさらに構成することができる。
【0043】
表面モデル(または複合表面モデルの生成に使用される各表面モデル)は、いくつかの方法で生成することができる。本実施形態、たとえば
図5に示されたものでは、大まかに言えば、処理装置16は、まず、第1の関心領域に対応する場所データ点46の第1のセットを取得するように構成される。また、処理装置16は、第2の関心領域に対応する場所データ点46の第2のセットを収集することができる。上記で説明されたように、場所データ点の第1のセット内の各場所データ点46は、関心のある解剖学的構造の第1の領域の表面上またはこれにより包まれたボリューム内のそれぞれの場所に対応し、場所データ点の第2のセット内の各場所データ点46は、関心のある解剖学的構造の第2の領域の表面上またはこれにより包まれたボリューム内のそれぞれの場所に対応する。
【0044】
本明細書の他の部分で説明されたように、処理装置16は、場所データ点をいくつかの方法で取得する(104)ように構成される。本実施形態では、処理装置16は、センサ32から場所データ点を取得し、センサ32は構造の表面から場所データ点を収集する。他の実施形態では、処理装置16は、場所データ点のセットの取得を、処理装置16の一部であるかまたは電気的に接続され、これと通信するように構成されたメモリまたは記憶デバイスから取得することで行う。したがって、処理装置16は、各々が本開示の趣旨および範囲から逸脱しない任意数のソースの1つから場所データ点のセット(およびその場所データ点)を取得することができる。場所データ点46のそれぞれのセットを用いて、処理装置16は、本明細書に記載のように、各関心領域の表面モデルを生成するように構成される。
【0045】
場所データ点46の1つまたは複数のセットが取得されると、処理装置16は、場所データ点46のそれぞれのセット内の場所データ点46に基づいて、各関心領域の1つまたは複数の個別表面モデルを生成する(106)ように構成される。そのために、大まかに言えば、処理装置16は、取得された場所データ点46の1つまたは複数のセットを用いて、表面再構成技法、たとえば本明細書で詳細に説明されるアルファ・ハル(alpha−hull)の技法を用いることで表面モデルを生成する(106)。
【0046】
個別表面モデルの生成の説明はここまで概括的であったが、個別表面モデルを生成するための処理の一例示的実施形態が、以下でより詳細に説明される。本実施形態では、個別表面モデルは、本明細書において以下説明される特定のアルファ・ハルの技法またはアルゴリズムを用いて生成される。しかしながら、他の実施形態では、異なる技法または技法の組み合わせを用いてボクセル(voxel)ベースの表面モデルを生成できることは理解されよう。1つのそのような例示的な技法は、マーチング・キューブ(Marching Cubes)の技法またはアルゴリズムである。他のそのような例示的な技法は、2011年8月16日に発行され「System and Method for Surface Reconstruction from an Unstructured Point Set」と題された米国特許第8,000,941号に記載されたものであり、その開示全体が本明細書により引用により組み込まれている。したがって、本明細書に詳細に具体的に記載された以外の技法を用いてボクセルベースの表面モデルが生成される実施形態は、本開示の趣旨および範囲から逸脱しない。
【0047】
さらに、また、例示し、見やすくし、説明を簡単にするために、以下の説明は、解剖学的構造の単一の関心領域(たとえば第1の関心領域)に対応する表面モデルの生成のみに限定される。しかしながら、第1の関心領域の表面モデルの生成に関して記載された技法を処理装置16により実施して、第2の関心領域、または関心のある解剖学的構造の任意の他の関心領域の表面モデルを生成することもできることは理解されよう。したがって、第2の関心領域(および任意の他の関心領域)の表面モデルを、後述の同じ技法を用いて生成することができる。
【0048】
図6は、場所データ点46に基づいて表面モデルを生成する106ための方法600のフロー図である。いくつかの実施形態では、たとえば、方法600は、上述の処理装置16を用いて実行される。
図7〜
図10は、方法600のステップを示す。見やすくするために、方法600は、
図7〜
図10では2次元空間で実行されるものとして示されている。しかしながら、方法600が一般に3次元空間で実行されることを当業者は理解するであろう。以下で説明されるように、
図7〜
図10に、本明細書に記載の2つの実装のうちの第2の実装を示す。
【0049】
本明細書に記載のように、表面モデルは、本明細書に記載の第1の所定値αおよび第2の所定値kに基づいて生成される。本実施形態では、第1の所定値αは第2の所定値kより大きく、(α−k)が正の数になるようにする。さらに、本実施形態では、kは少なくともボクセルと同じ大きさであり、使用されるボクセルのグリッドが表面の細部を解像できるようにする。第1の所定値αは、表面モデルの詳細度を調節する。第2の所定値kは、表面モデル内の曲線の最小半径を調節する。より具体的には、第2の所定値kは、半径が第2の所定値k未満のいかなる曲線も表面モデルが含まないように、表面を外側へ移動させる。
【0050】
まず
図7を参照すると、場所データ点702のセット700が示されている。セット700は、たとえば上述の技法を用いて取得することができる。
図6に示されたように、場所データ点702に基づいて、作業ボリュームが生成される(602)。作業ボリュームとは、6面体グリッド上に複数の離散点、または場所(location)を含む空間ボリュームである。表面モデルを生成するために、本明細書で詳細に説明されるように、作業ボリューム内の場所について特定の値が計算される。本実施形態では、作業ボリュームは、場所データ点702から所定の距離内にある全ての場所を含めることで生成される。たとえば、所定の距離は、第1の所定値αの倍数(たとえば5α)とすることができる。
【0051】
あるいは、作業ボリュームは、任意の適切な技法を用いて生成することができる。たとえば、一実施形態では、全ての場所データ点702を含む、軸調整された(axis−aligned)境界ボックスが決定される。そして、境界ボックスは、各方向において少なくとも2倍のαにボクセル・サイズを加えたものにより拡大され、境界ボックスの寸法がボクセル・サイズの倍数となることを保証するためにさらに拡大される。後述のように、さらなる点が収集されて、以前の境界ボックスが、少なくとも1つの方向において少なくとも2倍のαにボクセル・サイズを加えたものではなくなった場合、少なくとも1つの方向における境界ボックスのサイズに1より大きい実数(たとえば2)が掛けられて、新たな作業ボリュームがボクセル・サイズの倍数となること、および新たなボクセルが古いボクセルと一致することが保証される。この手順を用いることで、ドメインのリサイズが比較的ほとんど行われないことが保証される。リサイズされたドメインが利用可能なメモリを超過した場合、より大きなボクセル・サイズを利用してメモリ使用量を制限することができる。
【0052】
他の実施形態では、他のボクセル・データ構造を使用することができる。たとえば、作業ボリュームは、DT−Grid、様々な非6面体グリッド、たとえばBCC格子または6角形メッシュ、および/または単一のボクセルまたはボクセルの小領域を必要に応じて追加可能な疎なデータ構造を利用することができる。これらのデータ構造のいずれについても、作業ボリュームは正角柱(rectangular prism)である必要はなく、作業ボリュームが任意の場所データ点のαの2倍にそれらのすぐ隣を加えたもの以内である全てのボクセルを少なくとも表すことが可能な任意の構成とすることができる。作業ボリュームに対する増分アップデートの場合、新たなボクセルは古いボクセルと一致しなければならない。特に、これらの基準を満たすことが保証された作業ボリュームを選択する任意の高速な方法が適切である。疎なデータ構造について、作業ボリュームは事前に選択される必要はなく、その理由は、ボクセルを最初の相互作用の際に追加できるためである。
【0053】
作業ボリュームに対して、拡張フィールドが計算される(604)。具体的には、拡張フィールド値Dが、作業ボリューム内の場所ごとに計算される。本実施形態では、作業ボリューム内の所与の場所に対する拡張フィールド値Dは、その場所から最近傍の場所データ点702までの距離である。拡張フィールドは、たとえば、以下で詳細に説明される、修正された高速マーチング・アルゴリズムを用いて計算することができる(604)。
【0054】
拡張フィールド値に基づいて、拡張表面が定義される(606)。具体的には、
図8に示されるように、本実施形態では、拡張表面802上の各頂点が第1の所定値αに等しい拡張フィールド値Dを有するように、拡張表面802が定義される。第1の実装では、拡張表面802は、マーチング・キューブ・アルゴリズムを用いて三角形化(triangulate)される。この実装では、拡張表面802は、小面(facet)、エッジ、および頂点を含む。第2の実装では、小面およびエッジが省略され、拡張表面802は頂点のみで定義される。第1の実装の小面、エッジおよび頂点、ならびに第2の実装の頂点は、「侵食ソース・ジオメトリ(erosion source geometry)」と呼ばれることがある。特に、両方の実装において、頂点がボクセル中心間で拡張表面802上に正確に存在するように補間される。第2の実装は、第1の実装より計算集約的でないことがあり、したがって第1の実装よりも高速に実行することができる。
【0055】
本実施形態では、αの値は、システム10、特に処理装置16のセットアップの一部として(すなわち、システム10の製造中またはシステム10の初期化中および使用前に)設定可能なミリメートルのオーダーの距離の尺度である。他の実施形態では、αは医療デバイスのサイズによって定義することができる(たとえばαは、カテーテル12、センサ32の半径もしくは直径、またはその何分の1か、もしくは倍数とすることができる)。さらに、その値は調整不可とすることができ、または、たとえばユーザ・インターフェース53(
図1に最もよく示されている)、たとえばタッチ・スクリーン、キーボード、キーパッド、スライダ・コントロール、1つまたは複数のユーザ選択可能またはユーザ入力可能なフィールドを有するグラフィカル・ユーザ・インターフェース、またはユーザがαの値を設定または調整できるようにするために処理装置16に電気的に接続された何らかの他のユーザ制御可能な入力デバイスを用いてシステム10のユーザにより調整可能とすることができる。
【0056】
次に、作業ボリュームに対して、侵食フィールドが計算される(608)。具体的には、侵食フィールド値Eが、作業ボリューム内の場所ごとに計算される。本実施形態では、作業ボリューム内の所与の場所に対する侵食フィールド値Eは、その場所から拡張表面802上の最近傍点までの距離である。侵食フィールドは、たとえば、以下で詳細に説明される、修正された高速マーチング・アルゴリズムを用いて計算することができる(608)。
【0057】
拡張表面802が第1の実装(すなわち小面およびエッジを含む)を用いて定義される場合(606)、拡張表面802の外部の侵食フィールド値Eは負の値として記録され、拡張表面802の内部の侵食フィールド値Eは正の値として記録される。拡張表面802が第2の実装(すなわち頂点のみ)を用いて生成される場合、全ての侵食フィールド値Eは正の値である。
【0058】
ここで、処理装置16は、拡張表面802が第1の実装(すなわち小面およびエッジを含む)または第2の実装(すなわち頂点のみを含む)のいずれを用いて定義(606)されたかを判定する(610)。
【0059】
拡張表面802を定義する(606)のに第1の実装が使用されたと処理装置16が決定した(610)場合、侵食フィールドのみに基づいて侵食表面が定義される(612)。具体的には、
図9に示されるように、本実施形態では、侵食表面902上の各頂点が(α−k)に等しい侵食フィールド値Eを有するように、侵食表面902が定義される(612)。第1の実装では、拡張表面802の外側の侵食フィールド値Eは負の値として記録され、拡張表面802の内側の侵食フィールド値Eは正の値として記録されるので、(α−k)に等しい侵食フィールド値Eを持つ頂点を有する単一の侵食表面902が定義される(612)。さらに、侵食表面902は、拡張表面802内に定義される(612)。
【0060】
しかしながら、第2の実装の下では、侵食フィールドのみを用いて、(α−k)に等しい侵食フィールド値Eを持つ頂点を有する複数の表面が定義される。具体的には、
図9に示されるように、第1の表面904が拡張表面802の中に定義され、第2の表面906が拡張表面802の外に定義される。第1の表面904は所望の侵食表面902に対応するが、第2の表面906は無関係である。
【0061】
したがって、拡張表面802を定義(606)するために第2の実装が使用されたと処理装置16が決定した場合(610)、第1の表面904を維持し第2の表面906を排除するために、拡張フィールドおよび侵食フィールドに基づいて空間領域構成(CSG:constructive solid geometry)フィールドが計算される(614)。具体的には、CSGフィールド値Cが、作業ボリューム内の場所ごとに計算される。本実施形態では、所与の場所に対するCSGフィールド値Cは、(α−E+k)および(D−α)の最大値である。
【0062】
とりわけ、CSGフィールド値Cは、第1の表面904の中では負となり(D<αかつE>(α−k)の場合)、第1の表面904においてはゼロに等しくなり、第2の表面906においては正となる(D>αかつE=(α−k)の場合)。したがって、CSGフィールドが計算されると、侵食表面902上の各頂点が、ゼロに等しいCSGフィールドを有するように侵食表面902を定義(616)することで、侵食表面902を決定することができる。これにより、効果的に第2の表面906が排除され、第1の表面904が選択される。
図10に侵食表面902のみを示し、これは方法600を用いて最終的に生成される表面である。
【0063】
方法600を用いて表面モデルが生成(106)されると、追加の処理を行って、生成された表面モデルを修正することができる。たとえば、「Method and System for Generating a Multi−dimensional Surface Model of a Geometric Structure」と題された、その開示全体が本明細書に引用により組み込まれている、米国特許出願公開第2013/0173230号に記載された技法を用いて、表面モデルを間引きおよび/または平滑化することができる。
【0064】
図11は、新たな点が収集されたまたはいくつかの収集された点が手動で削除された場合に、表面モデルをゼロから再構築することなく、表面モデルを更新するための方法1100のフロー図である。別段の指示がない限り、方法1100は処理装置16により実行される。方法1100は、1つまたは複数の場所データ点が追加または削除されたときに開始する(1101)。続いて、処理装置16はまず、作業ボリュームが新たな点および各方向における距離αを収容するのに十分大きいドメインを有するかを判定する(1102)。すなわち、作業ボリュームは境界ボックスを所有するとみなすことができ、全ての場所データ点は、各方向において少なくとも距離αだけ離れて、境界ボックスに入らなければならない。
【0065】
作業ボリュームが十分に大きいドメインを有する場合、処理装置16は拡張フィールドを更新する(1104)。作業ボリュームが十分に大きいドメインを有さない場合、作業ボリュームは拡大される(1106)。具体的には、新たなより大きいフィールドを作成し、以前のフィールドから新たなフィールドの対応する場所に値をコピーすることで、拡張、侵食およびCSGフィールドのサイズを増加させる。軸調整された境界ボックスが作業ボリュームに使用され、作業ボリュームは、初めてそれを超えた場合に、新たな点および各方向における距離αを収容するのに十分大きくなるまで、任意の次元が2倍になる。これにより、ボリューム拡大ルーチンがあまりに頻繁に実行されるのを防ぐことが容易になる。さらに、拡大された作業ボリュームのサイズが比較的大量のメモリを利用する場合、拡大された作業ボリュームがより少ないメモリを消費するようにボクセル・サイズが増加され、方法1100の残りのステップを実行する代わりに表面がゼロから再構築される。
【0066】
他の実施形態では、ボクセルを代替的データ構造として記憶することができる。たとえば、ボクセル間に隣接(または近接)の概念がある限りは、そのようなデータ構造は、正規の6面体グリッドでないことがある。さらに、いくつかのデータ構造では、作業ボリュームのサイズが事前に知られているおよび/または更新されている必要がないことがあり、代わりに、初めてボクセルが必要になった場合に、アルゴリズムの実行中に必要に応じて作業ボリュームを拡大することがある。他の適切な実施形態もまた、本開示の趣旨および範囲内にある。
【0067】
作業ボリュームが拡大されると(1106)、処理装置16は拡張フィールドを更新する(1104)。拡張フィールドが更新されて(1104)、追加および/または除去された点が反映される。本実施形態では、更新(1104)は、後述の修正された高速マーチング方法を用いて行われる。
【0068】
更新(1104)により拡張フィールドが変化した場合、拡張表面の依存する頂点、エッジ、および/または小面(すなわち、侵食ソース・ジオメトリ)が更新される(1106)。したがって、頂点、エッジ、および/または小面の部分的な更新のみが行われる。
【0069】
次に、侵食フィールドが更新されて(1108)、更新された拡張フィールドの追加および/または除去されたプリミティブが反映される。本実施形態では、更新(1108)は、後述の修正された高速マーチング方法を用いて行われる。第2の実装(すなわち拡張表面内に頂点のみを含む)が利用される場合、拡張および/または侵食フィールドが変化した全ての場所においてCSGフィールドもまた更新される(1110)。
【0070】
最後に、侵食表面が更新される(1112)。具体的には、第1の実装について、更新(1108)により侵食フィールドが変化した場合、侵食表面の依存する頂点、エッジ、および/または小面が更新される(1112)。同様に、第2の実装について、更新(1110)によりCSGフィールドが変化した場合、侵食表面の依存する頂点、エッジ、および/または小面が更新される(1112)。したがって、追加および/または除去されたデータ点によって変化するオブジェクトにおいてのみ、侵食表面が更新される。場所データ点セットが完了されたと決定された場合(1114)、方法1100は終了する。場所データ点のセットが不完了であると決定された場合(1114)、フローは、場所データ点を追加または除去するためにブロック1101に戻る。
【0071】
上述のように、本実施形態では、距離フィールド構築(すなわち、拡張フィールドおよび侵食フィールドの構築)は、修正された高速マーチング・アルゴリズムを用いて行われる。従来の高速マーチング・アルゴリズムは、基準オブジェクト(たとえば、点、頂点、小面、またはエッジ)からの距離が既知である場所を追跡し、既知の距離を距離が未知である近傍の場所まで外挿し、最も近い外挿値を有する場所を既知のセットへ反復的に移動させて、その近傍の外挿値を更新する。
【0072】
一方、本明細書で開示された修正された高速マーチング・アルゴリズムは、距離を外挿する代わりに、最も近い収集点または侵食ソース点(erosion source point)を識別する情報を迅速かつ直接的に伝播させる。したがって、点のセットの、または三角形メッシュの頂点、小面、およびエッジのセットの、近似的なボクセル化されたボロノイ図を計算する。また、修正された高速マーチング・アルゴリズムは、距離値の数値的な外挿を回避して、最も近いオブジェクトまでの距離の解析計算を優先し、これにより精度の改善が促進される。既知の距離値を外挿することで動作する従来の高速マーチング・アルゴリズムの実装と比較して、最近傍オブジェクト情報を伝播させることにより、オブジェクトが除去された場合に、より高速にアップデートすることが可能となる。幾何学的プリミティブの挿入および除去の両方は、部分的な更新動作によって実現することができる。
【0073】
三角形メッシュからの符号付き距離フィールド(たとえば拡張フィールドおよび侵食フィールド)を構築するための、および、点のセットから符号付き距離フィールドを構築するための修正された高速マーチング・アルゴリズムが、以下詳細に説明される。両方のアルゴリズムは、たとえば処理装置16を用いて実行される。両方のアルゴリズムは、三値(D,p,v)の優先度付きキューQを保持する。ここで、Dは(場合により符号付きの)距離値であり、pはプリミティブ(すなわち、点、頂点、小面、またはエッジ)を識別し、vはボクセルを識別する。両方のアルゴリズムは、「ラスタライズ」操作を利用する。本明細書で使用される場合、ボクセルvから(場合により符号付きの)距離Dにあるプリミティブpをラスタライズすることは、i)ボクセルvの最近傍プリミティブをpに設定すること、ii)ボクセルvの距離値をDに設定すること、およびiii)三値(D,p,v)を優先度付きキューQに追加することを意味する。
【0074】
三角形メッシュ周辺の符号付き距離フィールドを計算または更新するための修正された高速マーチング・アルゴリズムは、以下である。このアルゴリズムは、削除されたプリミティブ(頂点、エッジ、および小面)のセット{pi}と、新たに追加されたプリミティブのセットN⊆Rとを用いて動作し、ここでRは、アルゴリズムの動作後の残りのおよび新たなプリミティブの結合セットである。
【0075】
空の優先度付きキューQが作成され、次の関係が定義される。Dmax=α+Δx1/2とし、ここでαは第1の所定値であり、Δxはボクセル・サイズである。そして、作業ボリューム内のボクセルviごとに、viにおける最近傍オブジェクトがRの要素でない場合、i)viにおける最近傍点および距離を消去し;ii)何らかのrk∈Rを最近傍点として有するviに隣接するボクセルvjごとに、a)rclosest=rkとし;b)rclosestに隣接する頂点、小面、またはエッジがrclosestよりvjの中心に近い間、rclosestをそのプリミティブに設定し;c)rclosestからviの中心までの符号付き距離Dを計算し;d)viに今までラスタライズされた任意の符号付き距離の絶対値より|D|が小さい場合、rclosestをviにラスタライズする。ステップc)を実行する際に、シルエットの頂点およびエッジにおいて、小面のどちら側にviが位置するかを決定する際に、viが内側または外側のいずれからシルエットを見るかを判定する。
【0076】
上記が作業ボリューム内のボクセルviごとに行われた後、ni∈Nごとに以下が行われる。何らかのrk∈Rを最近傍点として有するniが交差するボクセルvjごとに、a)rclosest=rkとし;b)rclosestに隣接する頂点、小面、またはエッジがrclosestよりvjの中心に近い間、rclosestをそのプリミティブに設定し;c)rclosestからvjの中心までの符号付き距離Dを計算し;d)vjに今までラスタライズされた任意の符号付き距離の絶対値より|D|が小さい場合、rclosestをvjにラスタライズする。上記のように、ステップc)を実行する際に、シルエットの頂点およびエッジにおいて、符号を決定する際に、vjが内側または外側のいずれからシルエットを見るかを判定し;面において、その面のどちら側にvjが位置するかを決定する。
【0077】
上記がni∈Nごとに行われた後、|D|≦Dmaxである三値(D,ri,vj)をQが含む間に(|D|が最小化されるように三値(D,ri,vj)を選択)、以下が行われる:i)Qから(D,ri,vj)を除去し;ii)riがvjに今までラスタライズされた最近傍オブジェクトのままである場合、vjに隣接するvkごとに、a)rclosest=riとし;b)rclosestに隣接する頂点、小面、またはエッジがrclosestよりvkの中心に近い間、rclosestをそのプリミティブに設定し;c)rclosestからvkの中心までの符号付き距離D2を計算し;d)vkに今までラスタライズされた任意の符号付き距離の絶対値より|D2|が小さい場合、rclosestをvkにラスタライズする。
【0078】
点のセット付近の距離フィールドを計算する修正された高速マーチング・アルゴリズムは、三角形メッシュ付近の符号付き距離フィールドを計算または更新するためのそのアルゴリズムとはわずかに異なる。隣接するプリミティブが高速マーチングの間に通過されないので、塗り潰し操作(flood−fill operation)を用いて、作業ボリューム全体に対してループすることなくソース・ジオメトリから点を除去することができる。したがって、距離フィールドから点Pのセットの寄与を除去し、新たな点のセットN⊆Rを追加するために、ここでRは更新後の残りのおよび新たな点の結合セットであるが、アルゴリズムは以下のように動作する。
【0079】
空の優先度付きキューQが作成され、ボクセル識別子の空のセットVが作成され、次の関係が定義される。Dmax=α+Δx1/2とし、ここでαは第1の所定値であり、Δxはボクセル・サイズである。各々について、vjをpiが交差するボクセルとし、piがvjにおける最近傍点である場合、vjをVに追加する。
【0080】
そして、vi∈Vごとに、距離値が記録され最近傍点がR内に存在しないviを含む作業ボリュームの連続領域に塗り潰しを行う。連続領域内のボクセルvjごとに、i)vjにおける最近傍点および距離値を消去し;ii)rm∈Rを最近傍点として有するvjに隣接するVの要素でないボクセル・コーナーvkごとに、a)rmからvjの中心までの距離Dを計算し;b)vjに今までラスタライズされた任意の距離よりDが小さい場合に、rmをvjにラスタライズする。
【0081】
そして、ni∈Nごとに、i)vjをniが交差するボクセルとし;ii)niからvjまでの距離Dを計算し、iii)vjに今までラスタライズされた任意の距離よりDが小さい場合、niをvjにラスタライズする。
【0082】
上記がni∈Nごとに行われた後、|D|≦Dmaxである三値(D,pi,vj)をQが含む間に(|D|が最小化されるように三値(D,pi,vj)を選択)、以下が行われる:i)Qから(D,pi,vj)を除去し;ii)piがvjに今までラスタライズされた最近傍オブジェクトのままである場合に、vjに隣接するボクセルvkごとに、a)piからvkの中心までの符号付き距離D2を計算し;b)vkに今までラスタライズされた任意の距離よりD2が小さい場合、piをvkにラスタライズする。
【0083】
本明細書に記載のシステムおよび方法を用いて表面モデルを生成することは、少なくともいくつかの既知の表面モデル生成技法と比べていくつかの利点を有する。たとえば、本明細書に記載のシステムおよび方法を用いると、米国特許出願公開第2013/0173230号に記載のシステムおよび方法と比べて、O(nΔx−3)からO(n+VΔx−3logAΔx−2)まで性能を改善することができ、ここでΔxはボクセル・サイズであり、nは収集された点の数に侵食ソース・ジオメトリの記述子のサイズを加えたものであり、Vはボリュームであり、Aは表面積であり、Oは、大きいnおよび小さいΔxに対して、最大でも上式に比例する実行時間の組を定義する。
【0084】
したがって、本明細書に記載のシステムおよび方法を用いると、ボクセル・サイズから点の数が分離され、第1の期間(ラスタライズステップ用の時間)が点の数のみに依存し、第2の期間(高速マーチング用の時間)がボクセル・サイズおよび結果のジオメトリのみに依存する、出力依存のアルゴリズムが生成される。
【0085】
これは、2つの有利な結果を有する。第1に、より密度の高い点群を使用することができ、医師が「テンティング(tenting)」および他の不正確なまたは不所望の収集点を特定して手動で除去できるようにすることが簡単になる。本明細書で使用される場合、「テンティング」は、カテーテルが組織を押し、カテーテルが組織を押さない場合よりも室容積を大きく見せることを指す。一般的には、テンティングは、ごく少数場所データ点が通常のボリューム境界の外側に位置することになる一時的な状況である。「実際の」場所データ点が十分に密集している場合、テンティングによる外れ値の点は、主要な群から比較的孤立して見えるのでより簡単に検出される。したがって、密集した点群は有利である。
【0086】
第2の有利な結果として、密集した点群に対して、より小さいボクセル・サイズが実現可能となり、表面精度を改善することができる。本明細書に記載のシステムおよび方法を用いると、所与のボクセル・サイズにおいてρ>O(logAΔx−2)である限り性能が向上し、ここでρは表面内の点密度である(n/Vに等しい)。実際には、ボクセル・サイズがこの閾値に到達するのに十分な程小さくなる前に、メモリは十分に限定的となる。
【0087】
さらに、本明細書に記載のシステムおよび方法を用いると、小面の向きおよび頂点の位置は、少なくともいくつかの既知の技法に比べてより正確にすることができる。さらに、生成された表面は、αが変化するにつれてスムーズに変化し、これにより、たとえば米国特許出願公開第2013/0173230号に記載のシステムおよび方法に比べて、より直感的にディテールのレベルを制御することが可能となる。さらに、収集された点が追加または除去された場合に、表面をゼロから再構築するはるかに計算集約的な技法ではなく、表面を部分的に更新することができる。これにより、点群をより密集させ、解像度を高めることも可能となる。
【0088】
上述のモデル構築システム14、特に処理装置16は、全てが本明細書に記載の機能に従って作動する、関連付けられたメモリに格納された事前にプログラムされた命令を実行可能な、当技術分野で知られている従来の処理装置を含むことができることは理解されたい。本発明の実施形態の方法ステップを限定なしで含む、本明細書に記載の方法が、いくつかの実施形態でプログラムされ、結果のソフトウェアが関連付けられたメモリに格納され、またそのように記載された場合、そのような方法を実行するための手段を構成することもできることが企図されている。前述の実施可能な程度の記載を考慮したソフトウェアでの本発明の実装は、当業者によるプログラミング技術の日常的な使用を求めるにすぎない。さらにそのようなシステムは、ソフトウェアを格納することができ、なおかつ動的に生成されたデータおよび/または信号を格納および処理できるように、ROM、RAMの両方、不揮発性および揮発性(修正可能)メモリの組み合わせを有する種類のものとすることができる。
【0089】
本開示の特定の実施形態がある程度詳細に上記で説明されているが、当業者であれば、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、開示の実施形態の多数の変形を行うことができる。全ての方向に関する言及(たとえば、上部、下部、上方、下方、左、右、左方、右方、頂部、底部、上、下、垂直、水平、時計回り、および反時計回り)は、読者が本開示を理解するのを支援するための識別のためのものにすぎず、特に本開示の位置、向き、または使用について限定するものではない。結合に関する言及(たとえば、添付される、結合される、接続される、など)は、広く解釈されるべきであり、要素の接続間の中間部材、および要素間の相対移動を含むことができる。したがって、結合に関する言及は必ずしも、2つの要素が直接接続されており、互いに固定された関係にあることを暗示するものではない。上記の記載に含まれたまたは添付の図面に示された全ての事項が、単なる例示として解釈され、限定として解釈されないものであることが意図されている。細部または構造の変更は、添付の特許請求の範囲で定義された本開示の趣旨から逸脱することなく行うことができる。
【0090】
本開示またはその好適な実施形態の要素を紹介する際に、冠詞「a」、「an」、「the」、および「said」は、その要素の1つまたは複数が存在することを意味するものとする。「comprising(備える)」、「including(含む)」、および「having(有する)」という用語は、包括的であるものとし、列挙された要素以外の追加要素が存在し得ることを意味する。
【0091】
本開示の範囲から逸脱することなく上記の構成に様々な変更を行うことができるので、上記の説明に含まれるまたは添付の図面に示された全ての事項が、例示的なものとして限定的な意味でなく解釈されるべきであることが意図されている。
本明細書の開示により、下記の各項目に記載されたシステム又は方法が把握される。
[項目1]
幾何学的構造の多次元表面モデルを生成するためのシステムであって、
前記幾何学的構造の表面上のまたはこれに包まれたそれぞれの場所に対応する場所データ点のセットを収集するように構成された少なくとも1つのセンサを備えるデバイスと、
前記デバイスに接続され、
前記場所データ点のセットに基づいて作業ボリュームを生成し、
前記作業ボリュームに対する拡張フィールドを計算し、
前記拡張フィールドに基づいて拡張表面を定義し、
前記拡張表面に基づいて前記作業ボリュームに対する侵食フィールドを計算し、
前記侵食フィールドに基づいて侵食表面を定義する、
ように構成されたコンピュータ・ベースのモデル構築システムと、
を備えるシステム。
[項目2]
拡張フィールドを計算するために、前記コンピュータ・ベースのモデル構築システムは、前記作業ボリューム内の場所ごとに拡張フィールド値Dを計算するように構成され、
前記拡張フィールド値Dは、前記場所と最近傍の場所データ点との間の距離である、項目1に記載のシステム。
[項目3]
拡張表面を定義するために、前記コンピュータ・ベースのモデル構築システムは、前記拡張表面上の各頂点が第1の所定値αに等しい拡張フィールド値Dを有するように、前記拡張表面を定義するように構成された、項目2に記載のシステム。
[項目4]
侵食フィールドを計算するために、前記コンピュータ・ベースのモデル構築システムは、前記作業ボリューム内の場所ごとに侵食フィールド値Eを計算するように構成され、
前記侵食フィールド値Eは、前記場所と前記拡張表面上の最近傍点との間の距離である、項目1から3のいずれか一項に記載のシステム。
[項目5]
拡張フィールドを計算するためおよび侵食フィールドを計算するために、前記コンピュータ・ベースのモデル構築システムは、最近傍オブジェクト情報の伝播を利用する修正された高速マーチング・アルゴリズムを用いて、前記拡張フィールドおよび前記侵食フィールドを計算するように構成された、項目1から4のいずれか一項に記載のシステム。
[項目6]
コンピュータで実施される幾何学的構造の多次元表面モデルを生成する方法であって、
前記幾何学的構造の表面上のまたはこれに包まれたそれぞれの場所に対応する場所データ点のセットを取得することと、
前記場所データ点のセットに基づいて作業ボリュームを生成することと、
前記作業ボリュームに対する拡張フィールドを計算することと、
前記拡張フィールドに基づいて拡張表面を定義することと、
前記拡張表面に基づいて前記作業ボリュームに対する侵食フィールドを計算することと、
前記侵食フィールドに基づいて侵食表面を定義することと、
を備える方法。
[項目7]
拡張フィールドを計算することは、前記作業ボリューム内の場所ごとに拡張フィールド値Dを計算することを備え、
前記拡張フィールド値Dは、前記場所と最近傍の場所データ点との間の距離である、項目6に記載の方法。
[項目8]
拡張表面を定義することは、前記拡張表面上の各頂点が第1の所定値αに等しい拡張フィールド値Dを有するように前記拡張表面を定義することを備える、項目7に記載の方法。
[項目9]
侵食フィールドを計算することは、前記作業ボリューム内の場所ごとに侵食フィールド値Eを計算することを備え、
前記侵食フィールド値Eは、前記場所と前記拡張表面上の最近傍点との間の距離である、項目6から8のいずれか一項に記載の方法。
[項目10]
拡張フィールドを計算することおよび侵食フィールドを計算することは、最近傍オブジェクト情報の伝播を利用する修正された高速マーチング・アルゴリズムを用いて、前記拡張フィールドおよび前記侵食フィールドを計算することを備える、項目6から9のいずれか一項に記載の方法。
[項目11]
前記侵食フィールドに基づいて侵食表面を定義することが、
前記拡張フィールドおよび前記侵食フィールドに基づいて空間領域構成フィールドを計算することと、
前記空間領域構成フィールドに基づいて前記侵食表面を定義することと、
を備える、項目6から10のいずれか一項に記載の方法。
[項目12]
幾何学的構造の多次元表面モデルを生成するための処理装置であって、
前記幾何学的構造の表面上のまたはこれに包まれたそれぞれの場所に対応する場所データ点のセットを取得し、
前記場所データ点のセットに基づいて作業ボリュームを生成し、
前記作業ボリュームに対する拡張フィールドを計算し、
前記拡張フィールドに基づいて拡張表面を定義し、
前記拡張表面に基づいて前記作業ボリュームに対する侵食フィールドを計算し、
前記侵食フィールドに基づいて侵食表面を定義する、
ように構成された処理装置。
[項目13]
拡張フィールドを計算するために、前記作業ボリューム内の場所ごとに拡張フィールド値Dを計算するように構成され、
前記拡張フィールド値Dは、前記場所と最近傍の場所データ点との間の距離である、項目12に記載の処理装置。
[項目14]
侵食フィールドを計算するために、前記作業ボリューム内の場所ごとに侵食フィールド値Eを計算するように構成され、
前記侵食フィールド値Eは、前記場所と前記拡張表面上の最近傍点との間の距離である、項目12又は13に記載の処理装置。
[項目15]
拡張フィールドを計算するためおよび侵食フィールドを計算するために、最近傍オブジェクト情報の伝播を利用する修正された高速マーチング・アルゴリズムを用いて、前記拡張フィールドおよび前記侵食フィールドを計算するように構成された、項目12から14のいずれか一項に記載の処理装置。