特許第6223619号(P6223619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6223619
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】制震装置
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/98 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
   E04B1/98 Y
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-110607(P2017-110607)
(22)【出願日】2017年6月5日
【審査請求日】2017年6月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517161197
【氏名又は名称】株式会社ユニテック
(74)【代理人】
【識別番号】100194456
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 勇
(72)【発明者】
【氏名】内藤 勤伍
(72)【発明者】
【氏名】井上 義郎
(72)【発明者】
【氏名】内藤 浩行
(72)【発明者】
【氏名】平田 研二
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5350052(JP,B2)
【文献】 実公昭60−008034(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/98
E04B 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接して対向する壁面を有する2つの被保護物の間に使用される制震装置において、
一方の被保護物に取り付けられ、粒状物を貯蔵している貯蔵部と、
前記貯蔵部に連通しており、前記被保護物の壁面に沿って前記貯蔵部より下方に向けて設けられた管と、
前記管に連通しており、前記貯蔵部からの粒状物が詰められて膨張される制震用の袋と、
前記一方の被保護物の壁面又は他方の被保護物の壁面の揺れに応じて前記袋を振動する振動発生器と、を備えており、
前記振動発生器は、前記袋に接続されているケーブルと、当該ケーブルを張力の掛かった状態で保持するケーブル保持部と、前記他方の被保護物の壁面に当接され、当該他方の被保護物又は前記一方の被保護物が揺れた場合に、壁面間隔が広狭となる動作を伝達するロッドと、前記ロッドによって伝達されてくる動作に応じて前記ケーブル保持部全体を上下に振動させて、前記袋を振動する連動部と、を含んでいることを特徴とする制震装置。
【請求項2】
前記ロッドはラックギヤを有しており、
前記連動部は、前記ラックギヤに噛合するピニオンギヤと、一方の端が枢支されており、他方の端に前記ピニオンギヤの歯に当接する爪を有しており、前記ピニオンギヤの歯の形状に沿って上下動する振動アームとを備えており、前記振動アームの上下動が伝わるように前記ケーブル保持部が前記振動アーム上に載置されている、請求項1に記載の制震装置。
【請求項3】
前記爪は前記ピニオンギヤの回動方向に応じて向きが切り変わるように前記振動アームの端に枢支されており、前記爪の尖っている先端部分と前記振動アームに枢支されている枢軸とを結ぶ直線は前記ピニオンギヤの歯の間の部分に垂直に交わらず、90度未満の角度に傾いた状態で、前記爪は前記ピニオンギヤの歯に当接するようになっている、請求項2に記載の制震装置。
【請求項4】
前記袋は伸縮性を有している、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の制震装置。
【請求項5】
前記2つの被保護物は建物である、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の制震装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接している2つの被保護物が揺れてその壁面が衝突して壊れるのを防ぐ制震装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、隣接している2つの被保護物が揺れてその壁面が衝突して壊れるのを防ぐ制震装置としては、周辺地盤と建物の地下埋設部分との間に緩衝材を挟むものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−6427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術によれば、地震発生時に、隣接する建物の壁面の衝突を防ぐには、その間に緩衝材を差し込んで、その反発力により壁面に固定するが、建物の間隔は様々で、個々の間隔に対応した緩衝材を用意するのはコスト高になる。また、緩衝材を固定するために、常に強い反発力を壁面間にかけ続けておくのは好ましくない。
【0005】
本発明は、上記従来例の問題を解決するためになされたものであり、建物の間隔の違いに柔軟に対応でき、被保護物が揺れていない場合、壁面に反発力を用いて固定する場合に比べて、弱い反発力で壁面の間に介在しているが、地震発生時のように、揺れている場合、被保護物の壁面のぶつかりを緩衝できる制震装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、隣接して対向する壁面を有する2つの被保護物の間に使用される制震装置において、一方の被保護物に取り付けられ、粒状物を貯蔵している貯蔵部と、前記貯蔵部に連通しており、前記被保護物の壁面に沿って前記貯蔵部より下方に向けて設けられた管と、前記管に連通しており、前記貯蔵部からの粒状物が詰められて膨張される制震用の袋と、前記一方の被保護物の壁面又は他方の被保護物の壁面の揺れに応じて前記袋を振動する振動発生器と、を備えており、前記振動発生器は、前記袋に接続されているケーブルと、当該ケーブルを張力の掛かった状態で保持するケーブル保持部と、前記他方の被保護物の壁面に当接され、当該他方の被保護物又は前記一方の被保護物が揺れた場合に、壁面間隔が広狭となる動作を伝達するロッドと、前記ロッドによって伝達されてくる動作に応じて前記ケーブル保持部全体を上下に振動させて、前記袋を振動する連動部と、を含んでいることを特徴とする。
【0007】
前記ロッドはラックギヤを有しており、前記連動部は、前記ラックギヤに噛合するピニオンギヤと、一方の端が枢支されており、他方の端に前記ピニオンギヤの歯に当接する爪を有しており、前記ピニオンギヤの歯の形状に沿って上下動する振動アームとを備えており、前記振動アームの上下動が伝わるように前記ケーブル保持部が前記振動アーム上に載置されている、ことが好ましい。
【0008】
前記爪は前記ピニオンギヤの回動方向に応じて向きが切り変わるように前記振動アームの端に枢支されており、前記爪の尖っている先端部分と前記振動アームに枢支されている枢軸とを結ぶ直線は前記ピニオンギヤの歯の間の部分に垂直に交わらず、90度未満の角度に傾いた状態で、前記爪は前記ピニオンギヤの歯に当接するようになっている、
【0009】
前記袋は伸縮性を有している、ことが好ましい。
【0010】
前記2つの被保護物は建物である、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、袋は吊り下げられているので、壁面間に強い反発力をかけて固定する必要がなく、袋内の粒状物には、重力の作用で管を下ってくる粒状物の重み分しか力が掛からない。それ故、被保護物が揺れていない間は、壁面間に反発力で固定される場合に比べて弱い反発力で固定される。
一方、被保護物が揺れている場合、隣接して対向する壁面の間隔が広狭となる動作を繰り返す間、連動部によって、制震用の袋に振動が与え続けられる。壁面の間隔が狭くなり、壁面で袋が挟まれている間は、連動部によって与えられている振動によらず、袋の中の粒状物が詰まり、一部は管を逆流することによって壁面同士のぶつかりを緩衝する。これにより、壁面同士の衝突を防ぐことができる。間隔が広くなった時、袋には振動が与え続けられているため、直ちに、袋の中で詰まった状態の粒状物がほぐれ、管を逆流していた粒状物が袋の中に戻り、速やかに袋を膨張させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態に係る制震装置の側面図を示す。
図2】同制震装置のA−A矢視図。
図3】同制震装置の部分拡大図。
図4】同制震装置を上から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の制震装置は、隣接して対向する壁面を有する被保護物、例えば500mm等のように隣接して対向する壁面を有する建物の間に使用される場合を想定している。以下、被保護物として建物を例にとって説明する。
制震装置は、一方の建物に取り付けられ、粒状物を貯蔵している貯蔵部と、貯蔵部に連通しており、建物の壁面に沿って貯蔵部の下方に向けて設けられた管と、この管に連通しており、貯蔵部からの粒状物が詰められて膨張される制震用の袋と、一方の建物の壁面又は他方の建物の壁面の揺れに応じて袋を振動する振動発生器と、を備えており、振動発生器は、袋に接続されているケーブルと、このケーブルを張力の掛かった状態で保持するケーブル保持部と、他方の建物の壁面に当接され、他方の建物又は一方の建物が揺れた場合に、壁面間隔が広狭となる動作を伝達するロッドと、ロッドによって伝達されてくる動作に応じてケーブル保持部全体を上下に振動させて、袋を振動する連動部と、を含んでいる。当該構成では、袋は吊り下げられているので、壁面間に強い反発力をかけて固定する必要がなく、袋内の粒状物には、重力の作用で管を下ってくる粒状物の重み分しか力が掛からない。それ故、建物が揺れていない間は、壁面間に反発力で固定される場合に比べて弱い反発力で固定される。一方、建物が揺れている場合、隣接して対向する壁面の間隔が広狭となる動作を繰り返す間、連動部によって、制震用の袋に振動が与え続けられる。壁面の間隔が狭くなり、壁面で袋が挟まれている間は、連動部によって与えられている振動によらず、袋の中の粒状物が詰まり、一部は管を逆流することによって壁面同士のぶつかりを緩衝する。これにより、壁面同士の衝突を防ぐことができる。間隔が広くなった時、袋には振動が与え続けられているため、直ちに、袋の中で詰まった状態の粒状物がほぐれ、管を逆流していた粒状物が袋の中に戻り、速やかに袋を膨張させることができる。
【0014】
図1は、地震の際に、建物100、200の隣接して対向する壁面101、201が衝突するのを防ぐように制震装置1を設けた場合を示してる。理解の容易のため、装置内部の粒状物の様子を点の集まりで示す。また、図2は、図1に示す制震装置1のA−A矢視図を示す。図2では装置内部の粒状物の描写は省略してある。制振装置1は、地震などの振動により間隔が広狭くなる壁面を保護することを目的とするので、揺れが大きくなる建物の上側に設けるのが好ましい。制震装置1は、例えば、建物100の屋上に取り付けられており、粒状物2貯蔵している貯蔵部3と、管4と、制震用の袋5と、振動発生器6とを備えている。なお、貯蔵部3を収納する場所がある場合には、その場所に取り付けても良い。周辺地盤と建物100の地下埋設部分との間に設けることもできる。
【0015】
粒状物2は、例えば、乾燥したさらさらの砂を用いる。好ましくは粒度が3.0mm〜0.21mmの範囲(3号〜4号の範囲)にあるものを使う。
【0016】
貯蔵部3は、例えば金属製で、その支持フレーム7は、建物100の屋上の縁部分102を挟むように留め具8で固定されている。支持フレーム7は、側方から見て略コ字状になっており、動かないようにするため内側に錘9を備えている。また、支持フレーム7はその上側に振動発生器6を支持している。貯蔵部3は、図1及び図2のA−A矢視図から明らかなように、逆さに向いた四角錐形で、下部へ行くに従って漏斗状に狭くなっており、下端が管4に連結されている。
【0017】
管4は、例えば直径50mm程の管で、内側に粒状物が漏れ出ないようにシーリング処理を施した布又は化学繊維製のものを用いる。管4は、貯蔵部3及び袋5を繋ぐように連通しており、袋5を吊り下げるため、建物100の壁面101に沿って下方に向けて設けられている。
【0018】
袋5は、貯蔵部3から管4を介して、重力の重みで送られてくる粒状物2が詰められられて図中矢印Bで示す向きに膨らみ、例えば約500mmの幅にまで膨張される。袋5は、例えば内側に粒状物が漏れ出ないようにシーリング処理を施した布又は化学繊維製のものを用いるが、伸縮性のあるゴム生地等を用いても良い。
【0019】
振動発生器6は、貯蔵部3を屋上に固定する袋5に接続されているケーブル10と、ケーブル10を張力の掛かった状態で保持するケーブル保持部11と、ロッド12と、ロッド12によって伝達されてくる動作に応じてケーブル保持部11全体を上下に振動させて、袋5を振動する連動部13と、を含んでいる。ロッド12は、先端にローラー14を有しており、当該ローラー14が他方の建物200の壁面201に当接されている。ロッド12は、他方の建物200又は一方の建物100が揺れた場合に、壁面101、201の間隔が広狭となる動作を制震装置1に伝達する。
【0020】
図3は、制震装置1の振動発生器6近傍の拡大図を示し、図4は、振動発生器6を上から見た図を示す。ロッド12は、本体15に設けられている通路16を貫通しており、この通路16及び支持台17によって図面左右方向に安定して摺動可能に支持されている。また、図4に明らかに示されているように、ロッド12は、本体15との間に取り付けられているバネ18、19によって、常に他方の建物200の壁面201方向に付勢されている。ロッド12の他端には連動部13を構成するラックギヤ20が、ロッド12の左右方向への摺動に邪魔にならない位置に取り付けられている。連動部13は、更に、ラックギヤ20に噛合するピニオンギヤ21と、ピニオンギヤ21の歯22の形状に沿って上下動する振動アーム23とを備えている。ピニオンギヤ21は、ラックギヤ20に噛合する小径の歯車21aと、振動アーム23に当たる歯22を備えている比較的大径の歯車21bとで構成されている。歯22は、鋭い三角形のものでなく、図示するように、振動アーム23の滑らかな上下動のために、頂部が丸め処理されている。ピニオンギヤ21は、支持台24、25によってその両軸が支持されている。振動アーム23は、一方の端26が支持台27、28に枢支されており、他方の端29にピニオンギヤ21の歯22に当接する爪30を有している。爪30は、図面表裏方向に厚みのある柱状で、その断面は、円形で、その一部に爪としての突出部分が設けられた、いわゆる雫状になっている。爪30は、端29に枢支されており、ピニオンギヤ21の歯22の間に爪30の先端が嵌り込まない角度に傾いた状態で歯22に当接するように、ピニオンギヤ21の回動方向に応じて向きが切り変わるようになっている。より詳しくは、爪30は、爪30の尖っている先端部分と、端29に枢支されている枢軸とを結ぶ直線L1が、ピニオンギヤ21の歯22の間の部分に対して垂直に交わらず、かつ、歯22の歯同士の間の部分に爪30の尖っている先端が嵌ってしまわない90度未満の角度に傾いた状態で、爪30が歯22に当接するようになっている。このようにすることで、振動アーム23の滑らかな上下動を実現する。振動アーム23は、図4に示すように、板状になっており、その上に、振動アーム23の上下動が伝わるように、ケーブル保持部11が載置されている。また、振動アーム23は、本体15との間に取り付けられているバネ31によって、常に本体下方に付勢されている。
【0021】
ケーブル保持部11から伸びているケーブル10は、滑車32、33、34を介して、貯蔵部3の中に入っている。貯蔵部3の中では、ケーブル10は、管4の開閉弁35(図1を参照)を介して、袋5の底に設けた支持板36に取り付けられている。
【0022】
上記構成の制震装置1は、次の手順で、建物100の屋上に取り付けられる。まず、貯蔵部3、管4及び袋5に粒状物2が充填されておらず、管4の開閉弁35が閉じている状態で、留め具8及び錘9を用いて、屋上の縁部分102に取り付け及び固定される。この後、貯蔵部3に粒状物2を充填する。ケーブル保持部11は、内部にケーブル10を巻き上げ、巻き上げた位置で固定できるリール37を備えている。ケーブル保持部11は、管4の開閉弁35が開くようにリール37を巻き上げる。これにより、管4が開通し、袋5に粒状物2が充填される。袋5に粒状物2が充填された時点で、準備は完了で、ケーブル保持部11は、開閉弁35が開放されており、かつ、ケーブル10に張力の掛かった状態でリール37を固定する。
【0023】
地震の発生していない時、袋5内の粒状物2には、重力の作用で管4を下ってくる粒状物2の重み分しか力が掛からないので、建物100、200が揺れていない間は、壁面101、201の間に不必要に強い反発力を加えることが無い。一方、建物100、200が揺れている場合、隣接して対向する壁面101、201の間隔が広狭となる動作を繰り返す間、連動部13によって、袋5に振動が与え続けられる。壁面101、201の間隔が狭くなり、壁面101、201で袋が挟まれている間は、連動部13によって与えられている振動によらず、袋5の中の粒状物2が詰まり、一部は管4を逆流することによって壁面同士のぶつかりを緩衝する。これにより、壁面101、201同士の衝突を防ぐことができる。間隔が広くなった時、袋5には振動が与え続けられているため、直ちに、袋5の中で詰まった状態の粒状物2がほぐれ、管4を逆流していた粒状物2が袋5の中に戻り、速やかに袋5を膨張させることができる。
【0024】
以上説明した実施形態は、発明の範囲内において種々変更することができる。例えば、爪30は、端29に枢支される、図面表裏方向に厚みのある円柱状のローラーを用いても良い。爪30を用いる場合に比べて、振動アーム23の上下幅は少なくなる恐れはあるが、より滑らかな上下動が実現される。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、隣接して対向している壁面を有している2つの被保護物であって、地震発生時などに揺れたときのぶつかり合いを緩衝する必要のあるものに使うことができる。例えば、一方の被保護物が船で、他方の被保護物が波止場の船留め場所の場合にも使うことができる。
【符号の説明】
【0026】
1 制震装置
2 粒状物
3 貯蔵部
4 管
5 袋
6 振動発生器
7 支持フレーム
8 留め具
9 錘
10 ケーブル
11 ケーブル保持部
12 ロッド
13 連動部
14 ローラー
15 本体
16 通路
17 支持台
18、19 バネ
20 ラックギヤ
21 ピニオンギヤ
22 歯
23 振動アーム
24、25 支持台
26、29 振動アームの端
30 爪
31 バネ
32、33、34 滑車
35 開閉弁
36 支持板
37 リール
100、200 建物(被保護物)
101、201 壁面
102 建物の屋上の縁
【要約】
【課題】弱い反発力で壁面の間に介在しているが、地震発生時に被保護物の壁面のぶつかりを緩衝できる制震装置を提供する。
【解決手段】本発明の制震装置1は、2つの被保護物の一方に取り付けられて使用され、粒状物2の貯蔵部3と、貯蔵部に連通している管を介して吊り下げられている制震用袋5と、被保護物の壁面の揺れに応じて袋を振動する振動発生器6とを備え、振動発生器は袋に接続されているケーブルと、ケーブルを張力の掛かった状態で保持するケーブル保持部と、他方の被保護物の壁面に当接され、被保護物が揺れた場合に、壁面間隔が広狭となる動作に応じてケーブル保持部全体を上下に振動させて、袋を振動する連動部とを含んでいることを特徴とする。当該構成により、壁面間隔が狭くなった時に、そのぶつかりを緩衝するだけでなく、離れたときに速やかに袋を元の状態に戻すことができ、繰り返される揺れを効果的に制震することができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4