(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記着呼に対する応答として、通話、予め記録されている音声データでの応答、発信元の音声録音、あるいは放置のいずれかの指示を受け付ける指示受付部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自走式電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る一実施形態について、図を参照して説明すれば、以下の通りである。
【0013】
(通話システム)
図2は、本実施形の通話システム3の構成の一例を示す模式図である。通話システム3は、自走式電子機器1および携帯端末2を備えている。
【0014】
自走式電子機器1は、例えば、自走して掃除を行う自走式掃除機や、自走式空気清浄機などの自走する電子機器である。
図2では、自走式電子機器1として自走式掃除機を例示しており、以下の説明においては、自走式掃除機に符号1を与えて説明する。
【0015】
自走式掃除機1は、自走しながら清掃を行う電子機器であり、携帯端末2のバッテリー27を充電するための給電部12を備えていている。
【0016】
携帯端末2は、電話機能を備え、充電式のバッテリー27を駆動源とする携帯型の端末装置である。携帯端末2は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、あるいは携帯電話などである。なお、自走式掃除機1および携帯端末2の要部構成の詳細については、それぞれ後述する。
【0017】
通話システム3では、自走式掃除機1と携帯端末との間で、LANやUSB接続などの狭域ネットワークを介して、双方向通信を行えるように構成されている。狭域とは、特に限定されないが、例えば室内などである。狭域ネットワークを構築する無線の伝送媒体としては、特に限定されないが、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)のような近距離用無線通信や、IrSimple(登録商標)のような高速赤外線通信などである。あるいは、狭域ネットワークは有線で構築されていてもよく、例えば、自走式掃除機1と携帯端末2との間でUSB接続のように有線で接続して、双方向通信を行えるように構成されていてもよい。上記したものは例示であり、狭域ネットワークは、これらに限定されることはない。
【0018】
なお、携帯端末2から、自走式掃除機1に動作命令を送信して操作できるようになっていてもよい。この場合の動作指令は、狭域ネットワークを介して送信してよいし、自走式掃除機1および携帯端末2が広域ネットワークを介して通信可能であれば、広域ネットワークを介して送信してもよい。なお、広域ネットワークとはインターネットなどの広域のネットワークである。
【0019】
(自走式掃除機)
図1に、自走式掃除機1の要部の機能的構成をブロック図にて示す。
図1に示すように、自走式掃除機1は、制御部10、狭域通信部11、音声出力部13、音声入力部14、走行部15、清掃動作部16、記憶部17、操作パネル18、人感センサ19、バッテリー110、給電部12を備えている。
【0020】
制御部10は、記憶部17に記憶されているプログラムやデータ、さらに、操作パネル18から入力されたデータ、外部装置(不図示)から受信したプログラムやデータなどに基づき、自走式掃除機1における各ブロックを統括して制御するブロックである。
【0021】
記憶部17は、制御部10が実行する各種プログラム、各種プログラムを実行する際に使用および作成される各種データ、並びに、自走式掃除機1に入力される各種データなどを記憶するものである。記憶部17は、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM(登録商標)、HDDなどの不揮発性記憶装置と、作業領域を構成するRAMなどの揮発性記憶装置よりなる。
【0022】
記憶部17は、さらに、応答用データ171、メッセージデータ172、地図データ173を記憶する。応答用データ171は、ユーザが電話に出られないためメッセージを残すよう説明する音声の情報である。メッセージデータ172は、携帯端末2への電話の発信元(通話相手)の音声情報、いわゆる留守番電話の録音データである。地図データ173は、自走式掃除機1の移動先を指定する情報、移動先までの走行経路などに関する情報である。これらの使用については後述する。
【0023】
狭域通信部11は、狭域ネットワークを介して外部装置とのデータの送受信を行うブロックである。狭域通信部11は、携帯端末2との間でデータの送受信を行う。
【0024】
音声出力部13は、スピーカやレシーバなどの音声出力装置であり、音声を出力するブロックである。音声入力部14は、マイクロフォンなどの音声入力装置であり、音声を入力するブロックである。
【0025】
清掃動作部16は、掃除機としての主たる機能、例えば、埃や塵を吸引して捕集する動作を行うブロックである。清掃動作部16は、自走式掃除機1が吸引式の掃除機の場合には、吸引力を発生する吸引装置(図示せず)や掃除ブラシ(図示せず)などを備えている。モップ式の掃除機の場合にはモップ(図示せず)などを備えている。また、清掃動作部16は、イオンを発生させるイオン発生装置を備えていてもよい。
【0026】
走行部15は、自走式掃除機1を移動させるブロックであり、駆動輪やローラ、モータドライバ、駆動輪モータなどからなる。走行部15は、自走式掃除機1の向きを保持して平行に移動させる前進・後退の動作、自走式掃除機1の向きを変える回転動作などを可能とする。
【0027】
操作パネル18は、自走式掃除機1のユーザ・インターフェース(UI)であり、自走式掃除機1に対して各種の指示入力を行う操作部、および各種情報を表示する表示部を備えている。操作パネル18は、タッチパネルとして設けられていてもよい。また、操作パネル18にあるいは操作パネル18周辺に、自走式掃除機1の各動作に応じて、点灯色および点灯パターンが変化するLEDが設けられていてもよい。
【0028】
バッテリー110は、自走式掃除機1全体の電力供給源であり、外部の充電器(図示せず)から充電可能に設けられている。自走式掃除機1は、掃除後あるいはバッテリー110の充電量が所定値を下回ると、充電器(図示せず)の設置されている場所に移動し、自から充電されるように構成されている。
【0029】
給電部12は、バッテリー110の電力を携帯端末2に給電する、言い換えれば携帯端末2を充電するためのブロックである。給電部12に設けられた給電端子121が、携帯端末2の充電端子281と電気的に接続することで、バッテリー110の電力を携帯端末2に送電することができる。バッテリー110の充電量が所定値以下の場合には、送電を行わず、自走式掃除機1は、充電器まで移動し、バッテリー110を充電してから、携帯端末2に送電するように設けられている。給電部12は狭域通信部11と共通に設けられていてもよい。例えば、多ピンの充電用のコネクタを用いることで、携帯端末2への給電および携帯端末2との通信の両方を行うことができる。
【0030】
撮影部111は、画像を撮影するものであり、光学レンズ、カラーフィルタ、受光素子であるCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)などにより構成されている。
【0031】
人感センサ19は、人間(動体)を検知できる装置であり、例えば赤外線センサなどを用いることできる。
【0032】
本実施形態の自走式掃除機1では、制御部10は、走行部を制御する走行制御部101、狭域通信部11を制御する通信制御部102、音声出力部13および音声入力部14を制御する音声制御部103、操作パネル18または狭域通信部11から入力された指示を受け付ける指示受付部104、清掃動作部を制御する清掃制御部105を備えている。また、音声制御部103は、音声入力部14から入力された音声情報の解析(音声認識)を行う機能、および、音声出力部13から出力される音声データの生成を行う機能を有する。
【0033】
本実施形態の自走式掃除機1は、給電部12にて携帯端末2のバッテリー110を充電中に、狭域通信部11が携帯端末2から着呼があることを示す情報を受信すると、走行制御部101は自走式掃除機1を走行させ、かつ、音声制御部103は、携帯端末2に着呼があることを外部に音声情報にて報知するよう音声出力部13を制御する。本実形態では、充電中とは、給電部により充電されている状態だけでなく、充電が終わった(フルになっている)状態も含む。
【0034】
携帯端末2に着呼があることを外部に音声情報にて報知する際、発信元の電話番号の情報を携帯端末2から受信し、この電話番号を読み上げて音声出力するように構成されていてもよい。あるいは、予め「電話だよ!」といった携帯端末2に着呼があることを示す所定の音声情報を記憶部17に記憶しておき、音声出力部13から繰り返し出力するよう制御してもよい。
【0035】
上記のように音声情報を用いて携帯端末2に着呼があることを外部に報知する以外にも、例えば、操作パネル18に設けられたLEDランプ(照明部)を点灯する、あるいは、操作パネル18上に着呼があることを示す表示情報を表示する、などのように視覚あるいは聴覚によりユーザが着呼を認識できるものであればよい。また、着呼の報知に、自走式掃除機1の走行が含まれていてもよい。この場合、例えば、通常とは異なる走行を行うことで、着呼を報知することができる。なお、これら着呼の報知の方法は、例示であり、これらに限定されない。また、これらを組み合わせて、着呼があることを外部に報知する構成であってもよい。
【0036】
以上のように、自走式掃除機1は、携帯端末2を充電中に、携帯端末2に着呼がある場合には、自機を走行させながら携帯端末2に着呼があることを外部に報知する。このように、自走式掃除機1が自機を走行させながら携帯端末2の着呼を報知することで、ユーザは走行している自走式掃除機1を視認して、報知を受けることで、充電中の着呼に気付き易くなるという効果がある。
【0037】
自走式掃除機1では、指示受付部104が、上記着呼に対する応答として、通話、留守電応答(応答用データ171での応答および発信元の音声録音)、あるいは放置のいずれかの指示を受け付けるよう構成されている。これらの指示は、音声入力部14からの音声入力による指示であってもよいし、操作パネル18からの入力による指示であってもよい。指示受付部104が、着呼に対する応答として、通話、留守電応答、あるいは放置のいずれかの指示を受け付けた場合の処理については、後段の(着呼がある場合の処理の流れ)にて説明する。
【0038】
なお、自走式掃除機1は、着呼の報知後、一定時間応答指示を受け付けない場合には、報知する音声情報のボリュームを上げる、自走の速度を早くするなどの処理を行うように構成されてもよい。
【0039】
また、自走式掃除機1では、狭域通信部11が、給電部12により充電中の携帯端末2から、携帯端末2に着呼があることを示す情報を受信すると、走行制御部101が走行部15を制御して自走式掃除機1を移動させながら、撮影部(探知部)111あるいは人感センサ(探知部)19にて、携帯端末のユーザを探知してもよい。このように、移動させながら探知することで、ユーザの側に携帯端末2を移動させることができる。そのため、ユーザは、着呼に対して素早く応答することができる。
【0040】
また、自走式掃除機1では、狭域通信部11が、給電部12により充電中の携帯端末2から、携帯端末2に着呼があることを示す情報を受信すると、走行制御部101は、記憶部17に記憶された地図データ173を基に走行部15を制御して、自走式掃除機1を所定の移動先に移動させてもよい。移動先として、例えば、ユーザの最も居る確率が高い場所を地図データ173に指定しておけば、その場所に携帯端末2を移動させることができる。ユーザがその場所に居る場合には、着呼に対して素早く応答することができる。
【0041】
(携帯端末)
図3に、携帯端末2の要部の機能的構成をブロック図にて示す。
図3に示すように、携帯端末2は、制御部20、広域通信部21、狭域通信部22、入出力パネル23、音声出力部24、記憶部26、バッテリー27、充電部28、を備えている。
【0042】
制御部20は、記憶部26に記憶されているプログラムやデータ、さらに、入出力パネル23から入力されたデータ、外部装置(不図示)から受信したプログラムやデータなどに基づき、携帯端末2における各ブロックを統括して制御するブロックである。
【0043】
記憶部26は、制御部20が実行する各種プログラム、各種プログラムを実行する際に使用および作成される各種データ、並びに、携帯端末2に入力される各種データなどを記憶するものである。さらに、記憶部26には、上記した電話機アプリケーションプログラムが格納される。記憶部26は、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM(登録商標)、HDDなどの不揮発性記憶装置と、作業領域を構成するRAMなどの揮発性記憶装置よりなる。
【0044】
携帯端末2は、電話機能を有する。本実施形態では、電話機能は、アプリケーションとして設けられている。記憶部26には、電話機アプリケーションプログラム(電話アプリ)261が格納されており、制御部20の制御により、この電話アプリ261を起動することで、携帯端末2は、電話機として機能する。
【0045】
広域通信部21は、広域ネットワークを介して外部装置とのデータの送受信を行うブロックである。広域通信部21は、広域ネットワークを介して、外部装置(電話機能を有する装置や電話機そのもの)との間で、電話の発信および着信を行う。また、外部装置との間でメールデータを送受信する。また、広域通信部21は、狭域通信部22が自走式掃除機1から電話回線を開ける指示を受信すると、制御部20の制御の下、電話回線を開ける。
【0046】
狭域通信部22は、狭域ネットワークを介して外部装置とのデータの送受信を行うブロックである。狭域通信部22は、自走式掃除機1との間でデータの送受信を行う。
【0047】
入出力パネル23は、入力機能と表示機能とが一体として構成されているタッチパネルであり、ユーザの指の接触やスタイラスなどの操作によって各種データの入力を受け付けるとともに、各種データを表示するものである。なお、入出力パネル23に代えて、入力機能を備えた入力部と表示機能を備えた表示部とをそれぞれ設けてもよい。
【0048】
音声出力部24は、スピーカやレシーバなどの音声出力装置であり、音声を出力するブロックである。音声入力部25は、マイクロフォンなどの音声入力装置であり、音声を入力するブロックである。
【0049】
バッテリー27は、携帯端末2全体の電力供給源であり、充電可能に設けられている。自走式掃除機1から充電を受けるための充電部28に設けられた充電端子281が、給電端子121と電気的に接続することで、バッテリー27が充電される。
【0050】
(着呼がある場合の処理の流れ)
図4に、自走式掃除機1にて充電中の携帯端末2に着呼があった場合の自走式掃除機1の処理の流れを示す。
【0051】
まず、携帯端末2に着呼が有るか否かを判定する(ステップ1、以下ではS1のように略す)。詳細には、給電部12の給電端子121に接続した携帯端末2に着呼があると、携帯端末2は、着呼があることを示す情報を狭域通信部22から送信し、これを自走式掃除機1が受信することで、携帯端末2に着呼が有ると判定する。
【0052】
着呼がある場合には(S1にてYES)、自走しながら着呼を外部に報知する(S2)。外部への着呼の報知は、上記したように、視覚あるいは聴覚によりユーザが認識できるものであればよい。着呼がない場合には(S1にてNO)、着呼があるまで待機する。
【0053】
次に、自走しながら着呼を報知している間に、通話の指示を受け付けたか否かを判定する(S3)。通話の指示を受け付けた場合には(S3にてYES)、通話処理を実行する(S4)。通話処理は、詳細には、まず、携帯端末2に、広域通信部21にて電話回線を開かせ、発信元(通話相手)の音声を自走式掃除機1に送信(転送)するよう、指示する。そして、携帯端末2から受信した、通話相手の音声情報を、音声出力部13から出力する。また、ユーザ(受信側)の音声情報を音声入力部14から入力し、携帯端末2に送信し、広域通信部21から電話回線を介して送信させる。
【0054】
次に、自走しながら着呼を報知している間に、留守電応答の指示を受け付けたか否かを判定する(S5)。留守電応答の指示を受け付けた場合には(S5にてYES)、留守電応答の処理を実行する(S6)。留守電応答の処理は、具体的には、次のように行う。まず、携帯端末2に、広域通信部21にて電話回線を開かせ、記憶部17に格納されている応答用データ171を広域通信部21から電話回線を介して送信させる。なお、応答用データ171は、ユーザが電話に出られないためメッセージを残すよう説明する音声の情報である。そして、通話相手の音声情報(メッセージデータ172)を記憶部17に記録する録音処理を実行する。なお、録音処理をせずにユーザが電話に出られない旨を示す応答用データのみを広域通信部21から電話回線を介して送信させるようになっていてもよい。
【0055】
次に、自走しながら着呼を報知している間に、放置の指示を受け付けたか否かを判定する(S7)。放置の指示を受け付けた場合には(S7にてYES)、自走の処理及び着呼の報知の処理を終了する(S8)。S3,S5,S7において、指示を受け付けない場合には、S2に戻り、自走しながら着呼を報知する処理を続ける。
【0056】
なお、上記した本実施形態では、着呼に対する応答(通話、留守電応答、あるいは放置)の処理は自走式掃除機1で行うものとして説明したが、指示受付部104が指示を受け付けると、自走式掃除機1の制御部10が狭域通信部11から携帯端末2に着呼に対する応答の処理を行わせるような構成であってもよい。
【0057】
〔ソフトウェアによる実現例〕
自走式掃除機1の各ブロック、特に制御部10は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0058】
後者の場合、自走式掃除機1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである自走式掃除機1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、自走式掃除機1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0059】
上記記録媒体としては、一時的でない有形の媒体(non-transitory tangible medium)、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM(登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0060】
また、自走式掃除機1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0061】
なお、上記した実施形態では、本発明の自走式電子機器として自走式掃除機を例に用いて説明したが、自走する電子機器であればどのような装置であっても構わない。例えば、自走式空気清浄機や自走式除湿機などにも適用可能である。
【0062】
〔まとめ〕
本発明の一態様に係る自走式電子機器は、上記課題を解決するために、電話機能を有する携帯端末のバッテリーを充電する給電部と、自機を走行させる走行部と、走行部の動作を制御する走行制御部と、を備えた自走式電子機器において、上記携帯端末と通信を行う通信部と、上記携帯端末に着呼があることを外部に報知する着呼報知部と、を備え、上記通信部が、上記給電部により充電されている上記携帯端末から、当該携帯端末に着呼があることを示す情報を受信すると、上記走行制御部および上記着呼報知部により、自機を走行させながら上記携帯端末に着呼があることを外部に報知することを特徴としている。
【0063】
上記構成によると、電話機能を有する携帯端末を自機にて充電中に、この携帯端末に着呼がある場合には、自機を走行させながら携帯端末に着呼があることを外部に報知する。このように、自走式電子機器が自機を走行させながら携帯端末の着呼を外部に報知することで、ユーザは走行している自走式電子機器を視認して、報知を受けることができ、充電中の着呼に気付き易くなるという効果がある。
【0064】
ここで、外部への着呼の報知は、音声情報の出力、照明部(例えばLEDランプ)の点灯、表示情報の表示などのように、視覚あるいは聴覚によりユーザが着呼を認識できるものであればよい。また、着呼の報知に、自機の走行が含まれていてもよい。この場合、例えば、通常とは異なる走行を行うことで、着呼を報知することができる。なお、これら着呼の報知の方法は、例示であり、これらに限定されない。また、充電中とは、給電部により充電されている状態だけでなく、充電が終わった(フルになっている)状態も含む。
【0065】
以上のように、本発明の一態様によれば、自機にて充電中の電話機能を有する携帯端末の着呼を、ユーザがより気付き易いようにすることができる自走式電子機器を提供する、という効果を奏する。
【0066】
また、上記着呼の報知は、音声情報の出力、表示情報の出力、自走式電子機器が有する照明部の点灯、あるいは、通常時とは異なる走行、の少なくとも1つを実行することで行われてもよい。
【0067】
また、本発明の一態様に係る自走式電子機器は、上記構成に加え、上記着呼に対する応答として、通話、予め記録されている音声データ(応答用データ)での応答、発信元の音声録音、あるいは放置のいずれかの指示を受け付ける指示受付部を備えていてもよい。
【0068】
上記構成によると、ユーザに、着呼に対する応答として、通話、予め記録されている音声データでの応答、発信元の音声録音、あるいは放置を選択させ、自走式電子機器にユーザからの指示を実行させることができる。
【0069】
ここで、指示受付部は音声情報を受け付ける音声入力部であってもよい。この場合、音声情報により、着呼に対する応答の指示を受け付けることができる。ユーザは、自走式電子機器に音声にて指示を与えることで、自走式電子器機器を例えば秘書のように扱うことができる。このように、機器とのコミュニケーションの向上も図れる。
【0070】
また、本発明の一態様に係る自走式電子機器は、上記構成に加え、上記携帯端末のユーザを探知する探知部を備え、上記通信部が、上記給電部により充電中の上記携帯端末から、当該携帯端末に着呼があることを示す情報を受信すると、上記走行制御部および上記探知部により、自機を走行させながら上記携帯端末のユーザを探知してもよい。
【0071】
上記構成によると、自機で充電中の携帯端末に着呼があると、自機を走行させながらユーザを探知する。よって、ユーザの側に携帯端末を移動させることができる。ユーザは、着呼に対して素早く応答することができる。
【0072】
また、本発明の一態様に係る自走式電子機器は、所定の移動先を指定する地図データを記憶する記憶部と、上記通信部が、上記給電部により充電中の上記携帯端末から、当該携帯端末に着呼があることを示す情報を受信すると、上記走行制御部は、上記地図データに基づき、自機を上記所定の移動先に移動させてもよい。
【0073】
上記構成によると、自機で充電中の携帯端末に着呼があると、自走式電子機器は、地図データに基づき所定の移動先に移動する。よって、移動先として、例えば、ユーザの最も居る確率が高い場所を地図データに指定しておけば、その場所に携帯端末を移動させることができる。ユーザがその場所に居る場合には、着呼に対して素早く応答することができる。
【0074】
また、本発明の一態様に係る自走式電子機器は、掃除機能を有していてもよい。上記構成によると、本発明に係る自走式電子機器を自走式掃除機に適用でき、掃除中に携帯端末を充電することもできる。自走式掃除機は充電式で掃除後あるは充電量が減ると充電場所まで自ら移動するように構成されているものが多い。この場合、携帯端末に給電する電力が少なくなった場合も、自機の充電場所まで戻ることになる。よって、ユーザは、充電場所まで行く必要はなく、携帯端末を自走式掃除機の給電部に接続するだけで、携帯端末の充電を行える。
【0075】
また、本発明の一態様に係る自走式電子機器の上記各部を、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを自走式電子機器の上記各部として動作させることにより、自走式電子機器の上記各部をコンピュータにて実現させるプログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0076】
さらに、本発明の一態様に係る携帯端末は、上記いずれかの自走式電子機器とデータ通信を行う通信部と、バッテリーと、上記給電部から上記バッテリーへの充電を受け付ける充電部と、を備えたことを特徴としている。
【0077】
上記構成によると、本発明の一態様に係る自走式電子機器から充電され、また、充電中に着呼があることを示す情報を自走式電子機器に送信することができる。よって、本発明の一態様に係る自走式電子機器と本発明の一態様に係る携帯端末とからなる通話システムを構成することができる。このシステムも本発明の範疇に入る。
【0078】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。