特許第6223679号(P6223679)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブレヴェッティ・アンジェラ・エッセ・エッレ・エッレの特許一覧

<>
  • 特許6223679-医療器具を製造するための工程 図000002
  • 特許6223679-医療器具を製造するための工程 図000003
  • 特許6223679-医療器具を製造するための工程 図000004
  • 特許6223679-医療器具を製造するための工程 図000005
  • 特許6223679-医療器具を製造するための工程 図000006
  • 特許6223679-医療器具を製造するための工程 図000007
  • 特許6223679-医療器具を製造するための工程 図000008
  • 特許6223679-医療器具を製造するための工程 図000009
  • 特許6223679-医療器具を製造するための工程 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223679
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】医療器具を製造するための工程
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/48 20060101AFI20171023BHJP
   A61M 5/31 20060101ALI20171023BHJP
   B29C 49/04 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   B29C49/48
   A61M5/31
   B29C49/04
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-514598(P2012-514598)
(86)(22)【出願日】2010年6月10日
(65)【公表番号】特表2012-529391(P2012-529391A)
(43)【公表日】2012年11月22日
(86)【国際出願番号】IT2010000259
(87)【国際公開番号】WO2010143219
(87)【国際公開日】20101216
【審査請求日】2013年6月5日
【審判番号】不服2015-16131(P2015-16131/J1)
【審判請求日】2015年9月1日
(31)【優先権主張番号】VI2009A000138
(32)【優先日】2009年6月11日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511300455
【氏名又は名称】ブレヴェッティ・アンジェラ・エッセ・エッレ・エッレ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト・コンソラロ
(72)【発明者】
【氏名】ラジーブ・カブブール
【合議体】
【審判長】 原田 隆興
【審判官】 小柳 健悟
【審判官】 上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−284376(JP,A)
【文献】 特表2003−516821(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/007178(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
BC29 49/00-49/46
BC29 49/56-49/68
BC29 49/72-51/28
BC29 51/42
BC29 51/46
A61M 5/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器(7)を製造することを目的とし、
プラスチック原料を押し出して少なくとも一部が溶融した状態のプラスチック原料でできた加熱された管状要素(1)を得る、押し出し作業と、
前記管状要素(1)に対してブロー成型を行なって複数の医療用容器(6)を得る、ブロー成型作業と、
少なくとも1つの前記医療用容器(6)の内面(6a)を較正する作業であり、前記プラスチック原料を押し出す作業の後に行なわれ、前記医療用容器(6)の前記内面(6a)を平滑で切れ目のないものにするための、較正する作業と、
を含む工程であって、
前記押し出し作業と前記ブロー成型作業が、複数のキャビティを有する形成金型(3)の中で行なわれ、このキャビティがそれぞれ、前記各々の医療用容器(6)の事前に決められた形状を再現する外形を有しており、前記形成金型(3)が互いに向き合い対向する2つのハーフシェル(4、5)で構成され、
前記較正する作業が、
前記管状要素(1)の前記押し出し作業の後に行なわれ、前記押し出された管状要素(1)の中に1つまたは複数の成形された器具(2)を挿入する作業と、
前記ブロー成型作業の前に行なわれ、前記成形された器具(2)に前記管状要素(1)を押しつける作業と、
を含み、前記成形された器具(2)に管状要素(1)を押しつける作業が、前記形成金型(3)を閉じる作業から成り立っており、前記形成金型(3)が、前記ハーフシェル(4、5)の少なくとも1つの長手方向延伸に対して前記管状要素(1)と前記成形された器具(2)を前記ハーフシェル(4)と前記ハーフシェル(5)との間に介在させて前記ハーフシェル(4、5)の一方を他方に近づけて配置することを特徴とする、工程。
【請求項2】
前記医療用容器(6)のそれぞれの中に、医療器具(7)を利用して医療上の衛生的な処置を実施する際に作動手段によって前記医療用容器(6)の中で摺動させるための可動式挿入物(8)を結合する作業を含むことを特徴とする、請求項1に記載の工程。
【請求項3】
前記較正する作業が、前記管状要素(1)がまだ加熱されており前記少なくとも一部が溶融した状態および/または展性のある状態であるうちに行なわれることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の工程。
【請求項4】
前記形成金型(3)が、前記押し出し作業の間開放し前記ハーフシェル(4、5)を前記管状要素(1)から離間した状態に保ち、成形された器具(2)を前記管状要素(1)に挿入する作業においても開放しており、前記ハーフシェル(4、5)の一方を他方に近づけそれらを前記管状要素(1)に近づけて配置することを特徴とする、請求項1に記載の工程。
【請求項5】
前記医療用容器(6)から、成形された器具(2)を引き戻す作業を含んでおり、この作業は前記ブロー成型作業により前記医療用容器(6)が得られた後に行なわれることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の工程。
【請求項6】
成形された器具を引き戻す前記作業が、前記形成金型を閉じた状態で行なわれることを特徴とする、請求項5に記載の工程。
【請求項7】
前記成形された器具(2)を引き戻す前記作業が、前記形成金型(3)が部分的に開放している間に行なわれることを特徴とする、請求項5に記載の工程。
【請求項8】
前記形成金型(3)の中に今まさに形成された前記医療用容器(6)を保持する作業を含み、この作業が前記ブロー成型作業の後で前記成形された器具(2)を前記医療用容器(6)から引き戻す作業の間に行なわれることを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の工程。
【請求項9】
前記ブロー成型作業が、前記成形された器具(2)によって行なわれることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注入すべき医療用の液体または有機体から採取すべき有機液体を中に含むことを意図した医療器具を製造するための工程に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載しようとする本発明は、例えば上記の工程によって得られる注入用の注射器などの医療器具にも言及する。
【0003】
知られているように容器、瓶、ガラス瓶、注射器の中でピストンを摺動させるための中空の円筒形体などの最新の設計の医療および薬学的器具は、一方で高度の射出成型工程によって、および一方で押し出しブロー成型によってその大半がプラスチック原料でできている。
【0004】
上記に言及したこの2つの製造技法はそれぞれ固有の優位性と特徴を呈しており、そのおかげで製造業者は構造的な選択の根拠としている。
【0005】
本発明はこのような技術のうちの2番目のもの、すなわち押し出しブロー成型を特に対象としており、この技術は厳しく制御された環境において溶液を中に含むように設計された無菌の医療製品を得ることができるという高い信頼性により広く採用されている。
【0006】
具体的には押し出しブロー成型技法は、高度に滅菌された医療用容器を製造する目的で医薬産業において使用されており、この容器は、その後の段階で様々な種類の液体または溶液をその中に直接または間接的に収容するのに適しておりその腐敗および/または汚染の度合いを制限する。
【0007】
したがってプラスチック材料の押し出しおよびブロー成型によって得られた医療用容器は、注射器、点滴注射または他の器具を利用して深部組織に注入することが意図される薬学上非経口の溶液、すなわち目薬、抗生物質、透析液、血液浸透液などを中に含むのに向いている。
【0008】
問題の技法によって製造される医療用容器の形状およびサイズは、市場によってその時々に示される要望に左右される。
【0009】
いずれの場合でも、容器を含めた医療用器具を製造する押し出しブロー成型技法は、互いに向き合い対向する2つの部分またはハーフシェルでできた形成ダイの助けを借りて行なわれる。
【0010】
この工程は、先ずプラスチックの細粒を開放状態にある形成ダイの中に押し出し、溶融状態で展性のあるプラスチック材料でできた中空の加熱された管を形成するが、これはこれに関連する分野の専門用語の「パリソン」としてよく知られている。
【0011】
製造工程は続いて、形成ダイのハーフシェルの間にある「パリソン」を閉じ、このように形成ダイが閉じた状態で、その後に圧縮空気を吹き込むおよび/または吸引して真空状態を形成することによって1つまたは複数の医療用容器をブロー成型してその最終的な最後の形状にする。
【0012】
より具体的には上記の工程によって独自の医療用容器が製造され、この場合、例えば特定のサイズの容器を製造する必要がある場合に備えて形成ダイは1つのキャビティのみを提示する。
【0013】
形成ダイが複数のキャビティ(いわゆる多数個取り)を呈する場合、形成ダイをパリソンに対して閉じることで、互いに整列した複数の医療用のプラスチック容器が製造される。これは典型的には小さいサイズの医療用容器を製造する必要がある場合に行なわれる。
【0014】
一回のブロー成型作業によって複数の医療用容器を形成することを目的としてパリソンが多数個取りの形成ダイによって閉じられる場合、互いの近くまたは隣接する2つの医療用容器の接点または分離箇所となる縁部において、必然的に各々の医療用容器の側壁の内側と外側の両方がでこぼこになってむらができる、または少なくとも完全に滑らかにはならない。
【0015】
この技術的な結果は、一方では医療用容器が液体を単純に封じ込めることを目的としている場合は特定の欠点を提示していないが、一方で容器自体が、液体、有機物などを押し出すおよび/または吸収することを目的とした、例えば注射器のピストンなど可動式の挿入物を収容することを意図したものである場合、かなり深刻で厄介な制限を与える。
【0016】
実際は様々な医療用容器の内側の側壁の表面にむらがあることによって、可動式の挿入物を挿入する問題が生まれるが、可動式挿入物と、可動式挿入物が挿入される対応する医療用容器との密封はほとんど精度と滑らかさによって制限される。
【0017】
例えば容器を備えた医療用器具が注射器を意味する場合、ピストンと容器の内面との結合は厳密ではなく、上記の容器の製造上の欠陥においては最適の条件ではない。
【0018】
当然の結果として、医療用容器の中に含まれる最小限の量の空気または任意の液体でさえピストンによって物理的に隔てられた2つの区域の間に流れ、明らかでありよく知られた不利益がこれに伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、上述の既知の技術の欠点を克服することを目的とする。
【0020】
詳細には本発明の主たる目的は、プラスチック原料を多数個取りの形成ダイに押し出しその後ブロー成型する技法に基づいた医療用器具の製造工程を開発することであり、これにより医療用容器の内面を同等の既知の技術と比べて、医療用容器の内部に挿入され身体に対して医療処置を行なうために操作者が操作することができる相対的に可動式の挿入物と有効に協働するのにより適したものにすることができる。
【0021】
換言すると本発明の最も重要な目的は、可動式の挿入物と、多数個取りの形成ダイの中でブロー成型することによって得られ、該可動式の挿入物が挿入され作動手段によって摺動させられる医療用容器の内面との密封を向上させる医療用器具を製造する工程を実現させることである。
【0022】
このような目的の範囲内で、本発明の課題は、通常互いに整列した複数のキャビティを有する形成ダイの中でプラスチック原料を押し出しブロー成型することにより製作される医療器具によって実施される医療処置を、既知の技術よりも効果的で安全なものにする医療器具を製造する工程を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、プラスチック原料の押し出しブロー成型工程によって医療器具を製作するのに現在市場で利用できる技術および機械によって作動させることができる医療器具を製造する工程を考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記の目的は、添付の請求項1による医療器具の製造工程によって達成され、これらは簡潔にするために参照されている。
【0025】
本発明の工程の詳細の付加的な用途の特徴は、対応する従属請求項に記載されている。
【0026】
本発明に不可欠な部分は添付の請求項13による医療器具であり、それらはさらに説明を簡単にするために参照されている。
【0027】
有利には本発明の工程によって、プラスチック原料を多数個取りの形成ダイに押し出してブロー成型することによって、高度の滅菌性を有し完全に平滑で切れ目のない一定の内面を備えた医療用途の容器を備えた医療器具を製造することが可能になる。
【0028】
したがって本発明の工程によって得られる医療器具の各容器は、人の体または有機体に医療および健康に関する処置を行なうために操作者の手などの作動手段によって容器自体の内部を摺動させられる挿入物に非常に適している。
【0029】
本発明では実際、可動式挿入物と関連する医療用容器の内面の結合は、押し出しブロー成型によって得られる商業的に既に実存する医療器具において検査されることができるものとは異なり、ほぼ最適な精度によって表され、これにより上記の要素(容器と挿入物)間の水密性が決まる。
【0030】
さらに有利には多様な医療用容器の内面を較正する作業は、プラスチック原料がまだ高温で半固体状態であるうちに容器自体の形成と一緒に継続して行なわれる。
【0031】
これは、医療器具を製造するタイミングにおいて変形が生じるのが最小限であるまたはほとんど生じないこと、およびこれに併行して極めて効果的な作業結果となることを意味する。
【0032】
本発明による工程は、プラスチック原料を押し出し、その後ブロー成型することによって医療器具を製造するのに現在この分野で利用されている技法と機械を使用して実施することができる点が同様に有利である。
【0033】
該目的および利点、ならびに以下でさらに強調されるその他の点は、添付の図面を参照して限定ではなく例示するやり方で提示された、この工程の好ましい用途の一実施形態および本発明の医療器具の好ましい実行可能な一実施形態に関連する以下の記載によってより広い範囲まで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の工程の連続する作業の簡素化された概略図である。
図2】本発明の工程の連続する作業の簡素化された概略図である。
図3】本発明の工程の連続する作業の簡素化された概略図である。
図4】本発明の工程の連続する作業の簡素化された概略図である。
図5】本発明の工程の連続する作業の簡素化された概略図である。
図6】本発明の工程の連続する作業の簡素化された概略図である。
図6a図1-図6の工程の作業段階の拡大図である。
図7】本発明の医療器具の簡素化された長手方向断面図である。
図8図7の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の医療器具を製造するためのプラスチック原料の押し出しブロー成型の工程が、図1から図6の図に概略的に示されている。
【0036】
このような工程は、
-プラスチック原料を押し出して少なくとも一部が溶融した状態のプラスチック原料でできた加熱された管状要素1(「パリソン」としても知られる)を得る、図1に記載される作業と、
-このような管状要素に対してブロー成型を行なって複数の医療用容器6を得て、そのそれぞれが一般に、そこを通って液体または有機物の通過が起こるネックまたは部分的な収縮部を備えており、図4に略図が示される作業とを含んでいる。
【0037】
本発明によると、工程は、医療用容器6の内面全体6aを較正する作業(図3および4を参照)を含んでおり、この作業はプラスチック原料を押し出す作業の後に行なわれ、医療用容器6それぞれの内面6aを平滑で一定であり切れ目のないものにするのに好適である。
【0038】
よって管状要素1がまだ加熱された状態で少なくとも一部が溶融したおよび/または展性のある状態で、種々の医療用容器6がまだ完全にかつ最終的には形成されないうちに較正作業を行なうのが有利である。
【0039】
好ましい方法において、本発明の工程は、例えばステムまたはプランジャに属するピストンなどの可動式の挿入物を各医療用容器6の中に結合する作業を含んでおり、この挿入物は、このような医療器具を使用して医療と健康に関する処置を実施する際に例えば操作者の手などの作動手段によって医療用容器6内で摺動させられる。
【0040】
このとき可動式挿入物がプランジャに属するピストンである場合、本発明の工程によって得られる医療器具は、注入または採取するための注射器で構成することができる。
【0041】
詳細には較正作業は、順番に
-図3に示されるものに従って、管状要素1自体が押し出された後に行なわれる、押し出された管状要素1の中に複数の成形された器具2を挿入する作業と、
-図4に示されるものに従って、ブロー成型作業の直前に行なわれる、成形された器具2に管状要素1を押しつける作業とを含む。
【0042】
医療器具が注射器で構成される場合、成形された器具2はそれぞれ、主に長手方向に展開する部分を有する円筒形の本体を含み、医療用容器6の内面6aは、実質的にかつ顕著な直線状の外形を呈する。
【0043】
添付の図1から図6に見ることができるように、押し出し作業とブロー成型作業は、それ自体がこの分野で既知のタイプの形成ダイ3の中で行なわれる。
【0044】
形成ダイ3は好ましくは(但し排他的ではなく)一連のキャビティを呈するが、これは添付の図面には示されず、そのそれぞれが各々の医療用容器6に対して事前に決められた所望の形状を再現する外形を有している。
【0045】
より具体的には形成ダイ3は、互いに向き合い対向する2つのハーフシェル4、5で構成される。
【0046】
図1および図2から気付くように形成ダイ3は、押し出し作業において開放しハーフシェル4、5を管状要素1から離間した状態に保ち、成形された器具2を管状要素1に挿入する作業においても開放しており、単にハーフシェル4、5の一方を他方に近づけそれらを管状要素1自体に近づけて配置するだけである。
【0047】
したがって管状要素1を成形された器具2に対して押しつける作業は、形成ダイ3を閉じる作業から成り立っており、この形成ダイが、この場合はハーフシェル4、5の長手方向に完全に延伸させる目的で、管状要素1と成形された器具2を間に介在させてハーフシェル4、5の一方を他方に近づけて配置する。
【0048】
本発明の工程はまた医療用容器6から成形された器具2を引き戻す作業も含んでおり、実際にはこれは上記のブロー成型作業によって医療用容器6が得られた後に行なわれる。
【0049】
成形された器具2を引き戻す作業は、例えば10分の数ミリメートルなどの所定の距離だけハーフシェル4、5の一方を他方から移動させてその型締力を低下させ形成ダイ3を部分的に開放させている間に行なわれるのが好ましいが、これは必須ではない。この作業は図5に見ることができる。
【0050】
本発明の工程の他の用途では、参考となる設計が添えられていないが、成形された器具を引き戻す作業を形成ダイが閉じた状態で行なうことが可能である。
【0051】
好ましいが拘束力は持たない方法では、本発明の工程は、今まさに完全に形成された医療用容器6を形成ダイ3の中で保持する作業を含んでおり、この作業はブロー成型作業の後で成形された器具2を関連する医療用容器6から引き戻す作業の間に行なわれる。
【0052】
このような有効な巧妙な手段によって、成形された器具2が各々の医療用容器6から戻る動きをする際にそれと一緒に容器6自体を引っ張ってしまうという不都合が回避され、これにより容器の構造上の完全性が損なわれるのが阻止される。
【0053】
図6aに見ることができるように、種々の医療用容器6を保持するこのような作業は好ましくは、形成ダイ3の端部3aの内面に形成された環状の溝付き切下げ10によって行なわれる。
【0054】
本発明の工程の他の適用可能な変形形態では、医療用容器の保持は、1つのみの溝付き切下げまたは互いに隔てられ全く別個の複数の切下げによって行なうことができると理解される。
【0055】
さらに本発明の工程の他の適用可能な解決法によって、まさに形成されたばかりの医療用容器を保持する作業を、他の代替の働きをする巧妙な手段またはシステムまたはデバイスによってブロー成型によって行なうことを実現することができる。
【0056】
有利には医療用容器6をブロー成型する作業は、成形された器具2によって行なわれる。
【0057】
実際に成形された器具2はそれぞれ、図示されないノズルを備えており、これは医療用容器6の内面6aを較正するのに使用される他に、空気を吹き付けて実際に関連する医療用容器6のブロー成型を実施するのにも利用される。
【0058】
医療用容器6の内面6aを較正する他に、成形された器具2によって当分野の現行の状況に対して少なからず関連する別の利点を得ることができる。
【0059】
実際は、内面6aの較正を行なう際に成形された器具2はプラスチック原料の冷却も行ない、最も重要なことは形成中の医療用容器6の同じ内面6aも冷却することである。
【0060】
このような方法では、本発明の工程は、医療用容器6の中に収容されている製品に対して生物的な汚染が生じるリスクがないまたは少なくともそれを最小限に抑えた理想的な状態を既知の技術と比べてより迅速に創り出す。
【0061】
医療用容器が、熱不安定性の化学的または生物学的製剤、すなわちその品質が失われる限度まで極度に加熱されやすい製剤によって充填されることが多いことを考えた場合、本発明によってもたらされる利点はすぐさま明らかになる。
【0062】
したがってこういった製剤の場合、本発明によって液体製品を医療用容器の中に挿入するための待ち時間が短縮され、これにより生産効率の点において示唆される明らかな利点を有する。
【0063】
上記に既に言及したように本発明の目的はまた、今まさに記載した工程によって得られる医療器具である。
【0064】
図7に示されるように医療器具7は、プラスチック原料の押し出しおよびその後のブロー成型によって得られる医療用容器6を備える。
【0065】
本発明によると医療用容器6の内面6aが平滑で切れ目がないことにより、図7および図8に見ることができるように医療用容器6に挿入され、医療器具7を使用して医療および健康に関する処置を実施する際に作動手段(説明を簡素化するために図示されない)によってその中で摺動させられる可動式の挿入物8との継続的な気密式の密封が実現する。
【0066】
特殊なケースではおよび好ましくは医療用容器6はネックまたは収縮部9を備えており、そこを通って特定の液体、すなわち液体であり溶解していない液体が医療用容器6の内部からまたはそこへの通過が起こる。
【0067】
具体的には医療器具7はネック9のところに針を含むことができ、これは図示されないが既知の技法を利用して支持要素(または針と支持体)の中に組み込まれ、この要素が医療用容器6のネック9と共に1つの本体を形成する。
【0068】
上記で明らかにされたものに基づいて、これにより共に現行の発明の目的である医療器具を製造するための工程と、このような工程によって得られる医療器具は、同一の全体的な進歩性の概念によって関連付けられており、このような目的を達成し既に言及された利点を実現することが理解される。
【0069】
詳細には、多数個取りの金型で医療用容器を形成する際またはその直後に行なわれる1つまたは複数の医療用容器の内面を較正する作業によって、その内面自体が完全に一定で平滑になり、これによりこの作業は、可動式の挿入物を容器自体の中で正確かつ効果的に摺動できるようにするのに適している。
【0070】
実行する際には、例えば先に記載され添付の図面に一部のみが示されるものとは異なる成形された器具を使用して行なわれる医療用容器の内面を較正する作業からなる本発明の工程に対して変更が加えられるが、これは本発明がもたらす利点には影響を与えない。
【0071】
加えて本発明の工程には適用可能な変形形態が他にも存在する可能性があり、そこでは較正作業は、医療用容器の内面の一部分のみに影響を及ぼす。
【0072】
さらに本発明の工程の他の用途は、内面の少なくとも一部分の較正作業が、形成中の医療用容器の一部のみに行なわれることを可能にする。
【0073】
本発明の工程によって得られる医療器具は必ずしも注射器によって形成される訳ではないというのはまさにその通りであるが、医療用途のいずれの要素もその通常の利用において、医療用容器自体の中に含まれる製品を移動させる作業を行なうのに適した摺動式の、すなわち静止していない挿入物を内部に収容するのに適した少なくとも1つの医療用容器を備える。
【0074】
本発明を実際に実施するには例示される詳細の原料、形状およびサイズを要件に応じて技術的に等価な他のものと置き換えることが可能であることが明らかであるため、考察中の工程および医療器具に対して、この理由に関して本明細書で表される進歩的概念に固有の新規の原理から逸脱することなく複数の他の変形形態を形成することができることは明らかである。
【0075】
以下の特許請求の範囲で言及される構造上の特徴および技術には、参照番号または記号が用いられ、これらの参照記号は、特許請求の範囲それ自体を理解しやすくするという目的のためだけに導入されるものであり、よってそれらは、これらの参照符号によって単なる例として特定される各要素の解釈を限定するような抗力は全く持っていない。
【符号の説明】
【0076】
1 管状要素
2 成形された器具
3 形成ダイ
3a 形成ダイの端部
4,5 ハーフシェル
6 医療用容器
6a 容器の内面
7 医療器具
8 可動式挿入物
9 ネック
10 環状の切下げ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6a
図7
図8