(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記車両が配置された配置面上には、前記車両の外周で隣り合う位置に設けられる2つの車載カメラの双方によって撮像される位置に所定形状の第1のマーカーが設けられ、
前記合成画像に写り込む前記第1のマーカーが前記所定形状となるように前記相対的な位置関係を変更し、前記合成画像を生成させる工程
をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の画像処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本願の開示する画像処理装置および画像処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。まず、実施形態に係る画像処理装置の概要について
図1を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る画像処理装置の説明図である。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る画像処理装置は、例えば、車両2における前後左右の4か所に設けられるカメラによって撮像されるカメラ画像(車載カメラ画像)を画像処理して繋ぎ合わせることで、車両2を上方の仮想視点から見た俯瞰画像(以下、「合成画像」と記載する)を生成する装置である。かかる画像処理装置は、例えば、車室内に設けられるタッチパネル機能を備えた表示操作部8によって合成画像を表示させる。
【0013】
ここで、画像処理装置では、例えば、車両2の前部に設けられるカメラの取り付け位置や取り付け角度が予め定められた位置や角度からずれていた場合、
図1に示すように、車両2の前方を撮像した領域4aの画像と他の画像との繋ぎ目にずれが生じる場合がある。
【0014】
かかる画像の繋ぎ目のずれは、車両2のユーザに違和感を与える恐れがある。このため、かかる画像の繋ぎ目のずれは、例えば、車両2のディーラーの作業者がキャリブレーション作業を行うことによって補正される。
【0015】
実施形態に係る画像処理装置は、かかるキャリブレーション作業を容易に行うことができるよう構成されたものである。具体的には、画像処理装置では、表示操作部8の表示領域内に、生成した車両周辺の合成画像を表示させる表示部4と、選択受付部5と、変更受付部6とを設けた。
【0016】
ここで、選択受付部5は、車両2に設けられる複数のカメラから1つのカメラを選択させる操作を受け付ける操作ボタンを模した画像である。また、変更受付部6は、合成画像における、選択受付部5の操作によって選択された一のカメラ画像に基づく画像領域と他のカメラ画像に基づく画像領域との相対的な位置関係の変更を受け付ける操作ボタンを模した画像である。より具体的には、変更受付部6は、選択受付部5の操作によって選択されたカメラにより撮像されたカメラ画像の中で、合成画像に採用する領域を変更する操作を受け付ける。
【0017】
かかる画像処理装置では、例えば、
図1に示すように、車両の前方を撮像した領域4aの画像と他の画像との繋ぎ目にずれが生じていた場合、作業者は、選択受付部5および変更受付部6を操作することでキャリブレーション作業を行う。
【0018】
例えば、画像処理装置では、作業者によって選択受付部5のFrontボタンがタッチされた場合に、後述の制御部15(
図2参照)が車両の前部に設けられたカメラを選択する。
【0019】
その後、制御部15は、作業者によって変更受付部6の左向き矢印ボタンがタッチされる毎に、車両の前部に設けられたカメラにより撮像されたカメラ画像の中で、合成画像に採用する領域を所定距離ずつ右側へずらし、その都度、合成画像を生成して表示部4に表示させる。
【0020】
これにより、作業者は、変更受付部6の左向き矢印ボタンをタッチする度に表示部4に表示される車両の合成画像を確認しながら、キャリブレーション作業を行い、
図1の下段に示すように、車両の前方を撮像した領域4aの画像と他の画像との繋ぎ目のずれを容易に解消することができる。なお、かかる制御部15によって順次生成される合成画像の具体例については、
図5A〜
図5Eを参照して後述する。
【0021】
また、実施形態に係る画像処理装置によれば、かかるキャリブレーション作業を、車両2に搭載されたすべてのカメラ単位で行うことができるので、例えば、いずれか一つのカメラを交換した場合のキャリブレーション作業も容易となる。
【0022】
次に、実施形態に係る画像処理装置の構成について
図2を用いて説明する。
図2は、実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画像処理装置1は、カメラ3が搭載された車両2に適用される装置である。
【0023】
ここで、カメラ3は、前方カメラ3a、後方カメラ3b、左側方カメラ3cおよび右側方カメラ3dで構成される。これらの前方カメラ3a、後方カメラ3b、左側方カメラ3cおよび右側方カメラ3dは、それぞれ、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)など、電子的に画像を取得する撮像素子を備える。
【0024】
前方カメラ3aは、例えばナンバープレート取付位置の近傍などの車両2の前端に設けられ、車両2の前方を撮影する。後方カメラ3bは、例えばナンバープレート取付位置の近傍などの車両2の後端に設けられ、車両2の後方を撮影する。また、左側方カメラ3cおよび右側方カメラ3dは、それぞれ、例えば左右のドアミラーの近傍などに設けられ、車両2の左側方および右側方を撮影する。
【0025】
なお、カメラ3のレンズとしては、魚眼レンズなどの180度以上の画角を有する広角カメラが採用される。これにより、4つのカメラ3を利用することで、車両2の全周囲の撮影が可能となる。
【0026】
かかるカメラ3が搭載された車両2に備えられる画像処理装置1は、表示操作部8と、制御部15と、記憶部20とを備える。表示操作部8は、タッチパネル機能を備えた表示デバイスであり、表示部4と、選択受付部5と、変更受付部6と、表示拡大部7とを備える。かかる表示部4は、後述する生成部10で生成された合成画像を、表示制御部11を介して表示出力する。
【0027】
選択受付部5は、車両2に搭載された前方カメラ3a、後方カメラ3b、左側方カメラ3cおよび右側方カメラ3dから1つを選択させる操作を受け付け、後述する画像選択部12に出力する。
【0028】
変更受付部6は、合成画像における、選択受付部5の操作によって選択された一のカメラ画像に基づく画像領域と他のカメラ画像に基づく画像領域との相対的な位置関係の変更を受け付ける。より具体的には、選択受付部5の操作によって選択されたカメラ3a、3b、3c、3dの撮像画像の中で、合成画像に採用する領域(以下、「画像合成領域」と記載する)を変更する操作を受け付け、後述する表示変更部13に出力する。
【0029】
表示拡大部7は、表示部4に表示された合成画像における任意の位置が選択された場合に、当該位置を含む合成画像の一部を拡大して表示部4へ表示させる。なお、表示拡大部7の選択による動作については、
図8A,
図8Bを用いて後述する。
【0030】
一方、制御部15は、画像取得部9と、生成部10と、表示制御部11と、画像選択部12と、表示変更部13と、固定枠重畳部14とを備える。
【0031】
画像取得部9は、車両2に搭載された複数のカメラ3a、3b、3c、3dからそれぞれカメラ画像を取得する。画像取得部9で取得したカメラ画像は、生成部10に出力される。
【0032】
生成部10は、画像取得部9によって取得されたカメラ3a、3b、3c、3dごとのカメラ画像のそれぞれから採用した領域に含まれる画像を繋ぎ合わせる画像処理を行うことで、車両2を仮想視点から見た合成画像を生成し、かかる合成画像を表示制御部11に出力する。表示制御部11は、生成部10で合成した合成画像を表示部4へ表示させる。画像選択部12は、複数のカメラ3a、3b、3c、3dのうち選択受付部5で選択された1つから取得されたカメラ画像を選択させる。
【0033】
また、表示変更部13は、変更受付部6の操作によって変更された画像合成領域に含まれる画像を生成部10へ出力する。そして、生成部10は、合成画像における、隣り合う画像領域同士の相対的な位置関係の変更を変更受付部6が受け付ける度に、変更された位置関係に基づいて表示部4へ表示させる合成画像を生成する。すなわち、表示変更部13は、変更受付部6が操作される度に、生成部10が表示制御部11を介して表示部4へ表示させる合成画像を変更させる。
【0034】
ここで、表示変更部13による画像合成領域の変更について、
図3を用いて説明する。
図3は、実施形態に係る表示変更部13における画像合成領域の変更について説明するための図である。なお、ここでは、理解を容易にするために、
図3では車両2に搭載されたカメラ3aで撮像されたカメラ画像は平面形状に画像処理されたものとして図示している。
【0035】
ここで、
図3に示す画像合成領域r1は、合成画像に採用した場合、画像の繋ぎ目にずれが生じる領域であり、画像合成領域r2は、合成画像に採用した場合、画像の繋ぎ目にずれが生じない領域である。
【0036】
そこで、画像処理装置1では、合成画像に画像合成領域r1が採用されている場合、変更受付部6の操作に応じて、合成画像に採用する領域を画像合成領域r2へ変更させることによって、画像の繋ぎ目における画像のずれを解消する。
【0037】
なお、ここでは、理解を容易にするために、カメラ画像上で画像合成領域を2次元的に移動させる場合について説明したが、カメラ3の取り付け位置や角度によっては、画像合成領域を3次元的に移動させる必要性が生じる場合もある。
図4は、実施形態に係る画像処理装置1で規定する3次元の直交座標系を示す図である。
【0038】
なお、
図4では、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸、Z軸に直交し、車両2の直進方向を正方向とするY軸を含む3次元の直交座標系を図示している。
【0039】
カメラ3で撮像されたカメラ画像は、そのカメラ3のロール角、チルト角、パン角などを変更することにより変更される。また、カメラ画像中の画像合成領域も同様に、カメラ3のロール角、チルト角、パン角などに基づいて変更させることができるが、直感的に変更させることは困難である。
【0040】
そこで、本実施形態では、後述の画像パラメータ17を準備し、この画像パラメータ17に基づいて画像合成領域を変更させることにより、画像合成領域を変更受付部6の操作により直感的に変更させることができる。
【0041】
画像パラメータ17は例えば、
図4で説明した3次元の直交座標の組み合わせにより取得することができる。かかる組み合わせの一例につき、表1に示す。
【0043】
表1を参照すると、前方カメラ3aで撮像されたカメラ画像である前方カメラ画像中の画像合成領域を上下方向に変更させるには、X軸を回転軸として回転させれば良いことがわかる。また、前方カメラ画像中の画像合成領域を回転させるには、Z軸を回転軸として回転させれば良いことがわかる。一方、前方カメラ画像中の画像合成領域を左右方向に変更させるには、Y軸およびZ軸を回転軸としてそれぞれ回転させる必要があることがわかる。
【0044】
なお、表1に示した回転軸の組み合わせは一例であり、車両2に搭載される各カメラ3の取付角度によりその組み合わせは変更しうる。
【0045】
図2に戻り、固定枠重畳部14は、車両2に対して予め定められた位置に設けられたマーカーと車両2との合成画像における相対位置が、マーカーと車両2との相対位置となった場合に、合成画像中でマーカーと重複する表示(以下「固定枠」という)を合成画像内の予め定められた固定位置に重畳させる。換言すれば、固定枠とは、各カメラ3が設計値どおりずれなく車両2に設置され、更にマーカーが車両2に対して予め定められた位置に設計値どおりずれなく設けられた場合に、マーカーが合成画像中に表示される設計上の位置である。なお、固定枠については後述する。
【0046】
記憶部20は、不揮発性メモリーやハードディスクドライブなどの記憶デバイスで構成される。なお、記憶部20は、一時的にデータを記憶する揮発性メモリーを含んでよい。かかる記憶部20には、固定枠記憶部16と、画像パラメータ17と、プログラム18とが格納されている。
【0047】
固定枠記憶部16には、固定枠重畳部14で合成画面上に重畳される固定枠に関する情報が記憶されている。かかる情報は、例えば合成画面上に表示される車両2の画像に対する相対位置に関するデータであっても、合成画面上に重畳される固定枠の形状そのものであっても良い。
【0048】
画像パラメータ17は、
図3を用いて前述した、画像合成領域を変更受付部6の操作に応じて、撮像画像の中で合成画像に採用する画像合成領域を変更するために設定されるパラメータである。
【0049】
プログラム18は、制御部15が合成画像を生成する場合に、記憶部20から読み出して実行するプログラムを含む。かかるプログラム18は、例えば生成部10が画像取得部9によって取得された複数の車載カメラ画像に基づいて車両2を仮想視点から見た合成画像を生成する手順と、表示制御部11が生成部10によって生成された合成画像を表示部4へ表示させる手順と、生成部10によって生成された合成画像における、画像取得部9によって取得された一のカメラ画像に基づく画像領域と画像取得部9によって取得された他のカメラ画像に基づく画像領域との相対的な位置関係の変更を変更受付部6が受け付ける手順と、変更受付部6が位置関係の変更を受け付ける度に、生成部10が変更された位置関係に基づいて合成画像を生成する手順とをコンピュータに実行させる画像処理プログラムを含む。
【0050】
かかる画像処理プログラムを画像処理装置1の制御部15に実行させることにより、合成画像のキャリブレーション作業を容易に実行することができる。
【0051】
次に、実施形態に係る表示操作部8の遷移の一例について、
図5A〜
図5Eを用いて説明する。
図5A〜
図5Eは、実施形態に係る表示操作部8の遷移図である。
【0052】
図5Aに示すように、表示操作部8は、合成画像を表示する表示部4、前述した選択受付部5および変更受付部6、リセットボタンR、バックボタンB、決定ボタン19を表示する。
【0053】
選択受付部5は、前方カメラ選択受付ボタン5aと、後方カメラ選択受付ボタン5bと、左側方カメラ選択受付ボタン5cと、右側方カメラ選択受付ボタン5dとを含む。かかる選択受付部5では、選択受付ボタン5a〜5dのうちいずれかがタッチ操作されることにより、車両2の前後、左右にそれぞれ設けられたカメラ3a、3b、3c、3dからいずれか1つを選択させることができる。なお、かかる選択受付部5の構成は、車両に搭載されるカメラの配置や個数に応じて変更可能である。
【0054】
また、変更受付部6は、方向変更受付部6aと高さ変更受付部6bとを含む。かかる方向受付部6aは、画像合成領域を、下方向および上方向にそれぞれ変更させるボタン6a1,6a2、左右方向にそれぞれ変更させるボタン6a3,6a4、反時計回りおよび時計回りにそれぞれ回転させるボタン6a5,6a6を含む。また、高さ変更受付部6bは、画像合成領域を高さ方向、すなわち
図4に示すZ軸に沿った正方向および負方向にそれぞれ変更させるボタン6b1,6b2を含む。
【0055】
リセットボタンRは、変更受付部6の操作によって変更された撮像画像における画像合成領域の位置をデフォルトの位置へ戻す(リセットする)ボタンである。バックボタンBは、表示部4に表示される合成画像を選択受付部5や変更受付部6が操作される1つ前の状態に戻すボタンである。決定ボタン19は、選択受付部5や変更受付部6が操作されることで画像合成領域が変更され、表示部4に表示された合成画像を確定させるボタンである。
【0056】
ここで、表示部4に表示されている合成画像には、車両工場や車両整備場などに設けられた作業場の配置面上に配置された車両に対して予め定められた位置に設けられた第1のマーカーとしてのマーカーM11〜M14の画像が写り込んでいる。
【0057】
かかるマーカーM11〜M14は、
図2に示す生成部10によって繋ぎ合わされる画像の繋ぎ目、つまり
図5Aに示す表示部4において破線を付した部分で、隣り合う画像同士にずれがあるか否かを確認するために設けられるものである。
【0058】
具体的には、マーカーM11〜M14は、所定の幅および長さを有する2つのラインを互いに直交させた十字線であり、車両2の外周で隣り合う位置に設けられる2つのカメラの双方によって撮像される位置にそれぞれ設けられる。
【0059】
かかるマーカーM11〜M14を設けておくことで、作業者は、合成画像における画像の繋ぎ目で、各マーカーM11〜M14が所定の十字形状となるように、変更受付部6を操作することによって合成画像のキャリブレーション作業を行うことができる。
【0060】
例えば、
図5Aに示すように、表示部4の領域4aに表示されたマーカーM11,M12の画像が表示部4の他の部分に対してずれている場合、作業者は、前方カメラ選択受付ボタン5aを操作して前方カメラ3aを選択する。
【0061】
これにより、
図5Bに示すように、前方カメラ選択受付ボタン5aが選択され、領域4aに表示された画像が変更可能な状態となっていることを明示する表示がなされる。ここで、作業者がマーカーM11,M12を左方向に移動させるようにボタン6a3を操作すると、
図5Cに示すように、領域4aに表示されたマーカーM11,M12の画像が予め設定された1単位だけ左方向に移動した合成画像が生成され表示部4に表示される。
【0062】
このとき、ボタン6a3の横に表示される操作量を示す数値が「0」→「−1」に更新される。これにより、作業者は、ボタン6a3の操作量を数値によって確認することができる。なお、
図5Cに示す状態では、画像の繋ぎ目におけるマーカーM11、M12が所定の十字形状とはなっていない。
【0063】
そこで、作業者は、マーカーM11,M12が左方向に移動するように画像合成領域を変更させるボタン6a3を再度操作する。これにより、
図5Dに示すように、領域4aに表示されたマーカーM11,M12の画像が予め設定された1単位だけ左方向にさらに移動した合成画像が生成され表示部4に表示される。なお、このとき、ボタン6a3の横に表示される数値が「−1」→「−2」に更新される。
【0064】
なお、
図5Dに示す状態では、画像の繋ぎ目におけるマーカーM11,M12の左右方向の位置ずれは解消されているが、上下方向の位置ずれが解消されていない。そこで、作業者は、マーカーM11,M12が下方向に移動するように画像合成領域を変更させるボタン6a1を操作する。
【0065】
これにより、
図5Eに示すように、領域4aに表示されたマーカーM11,M12の画像が予め設定された1単位だけ下方向にさらに移動し、画像の繋ぎ目におけるマーカーM11,M12が所定の十字形状となった合成画像が生成され表示部4に表示される。なお、このとき、ボタン6a1の横に表示される数値が「0」→「−1」に更新される。こうして、合成画像における画像の繋ぎ目のずれが解消した場合に、作業者は、決定ボタン19を操作して、キャリブレーション作業を終了する。
【0066】
図5A〜
図5Eを用いて説明したように、画像表示装置1は、合成画像内に表示されたマーカーM11〜M14の画像を表示部4において破線を付した画像の繋ぎ目部分で所定の十字形状となるように合成画像を変更させる。これより、合成画像における画像の繋ぎ目のずれに伴う違和感が解消される。
【0067】
ところで、合成画像内に表示されたマーカーM11〜M14の画像が、表示部4において破線を付した画像の繋ぎ目部分で所定の十字形状となるように合成画像が生成、表示された場合であっても、マーカーM11〜M14と車両との合成画像上の相対位置がマーカーM11〜M14と車両との相対位置に対してずれている場合がある。
【0068】
例えば、4つのマーカーM11〜M14が全て十字形状となっていても、マーカーM11〜M14の全てが合成画像中の車両に対していずれかの方向へ偏った位置に表示され、不具合が生じることがある。
【0069】
かかる問題は、例えば、運転者が車両を後退させる際、運転者の運転操作を合成画像によって補助する場合に生じることがある。ここで、かかる点について、
図6を用いて説明する。
【0070】
図6は、車両2を後退させるときの案内軌跡を例示する俯瞰図である。
図6中、ライン60はマーカーM11〜M14と車両との合成画像上の相対位置がマーカーM11〜M14と車両との相対位置に対して一致している場合に車両2が2Aの位置まで後退するときの案内軌跡を予測して示した俯瞰画像である。
【0071】
一方、マーカーM11〜M14と車両との合成画像上の相対位置がマーカーM11〜M14と車両との相対位置に対して左右方向にずれている場合には、例えばライン61に示すように車両2に対して左右方向にずれた案内軌跡を表示する懸念がある。また、マーカーM11〜M14と車両との合成画像上の相対位置がマーカーM11〜M14と車両との相対位置に対して前後方向にずれている場合には、例えばライン62に示すように車両2に対して前後方向にずれた案内軌跡を表示する懸念がある。
【0072】
このように、車両とマーカーとの相対位置が合成画像上の車両とマーカーとの相対位置とずれている場合、例えば後退時に走行する車両の軌跡をハンドルの舵角に応じて予測し、表示するバックガイドモニターなどでの不具合が懸念される。
【0073】
本実施形態では、車両工場や車両整備場などに設けられた作業場の配置面上に配置された車両に対して予め定められた位置に、第2のマーカーとしてのM21〜M26を設けている。かかる第2のマーカーとしてのM21〜M26は、
図5Aに示すように、表示部4に表示される合成画像に写り込む。
【0074】
かかるマーカーM21は前方カメラ3aにより撮影される領域に、マーカーM22は後方カメラ3bにより撮影される領域に、それぞれ設けられる。また、マーカーM21およびマーカーM22は、車両2を挟んで互いに平行になるように設けられた、所定の幅および長さを有するラインである。
【0075】
また、マーカーM23,M24はいずれも、左側方カメラ3cにより撮影される領域に設けられ、マーカーM25,M26はいずれも、右側方カメラ3dにより撮影される領域に設けられる。
【0076】
マーカーM23とマーカーM25とは、車両2を挟んで互いに平行になるように設けられた所定の幅および長さを有するラインである。同様に、マーカーM24とマーカーM26とは、車両2を挟んで互いに平行になるように設けられた、所定の幅および長さを有するラインである。
【0077】
なお、説明を容易にするために、以下、各マーカーの配置に関する説明中、各マーカーを構成するラインの幅は無視し、所定の長さのみを有するものとして取り扱う。
【0078】
マーカーM21はマーカーM11を構成する2つのラインの交点と、マーカーM12を構成する2つのラインの交点とをつなぐ直線上に配置されている。また、マーカーM22はマーカーM13を構成する2つのラインの交点と、マーカーM14を構成する2つのラインの交点とをつなぐ直線上に配置されている。
【0079】
マーカーM23,M24は、マーカーM11を構成する2つのラインの交点とマーカーM13を構成する2つのラインの交点とをつなぐ直線上に配置されている。また、マーカーM25,M26は、マーカーM12を構成する2つのラインの交点と、マーカーM14を構成する2つのラインの交点とをつなぐ直線上に配置されている。
【0080】
一方、表示部4には、枠形状の表示S21〜S28(以下「固定枠」という)が合成画像内の予め定められた固定位置に重畳して表示されている。このうち固定枠S21〜S26は、車両2に対して予め定められた位置に設けられたマーカーM21〜M26と車両2との合成画像における相対位置が、マーカーM21〜M26と車両2との相対位置となった場合に、合成画像中に表示されたマーカーM21〜M26と重複する。
【0081】
また、固定枠S27,S28は、車両2に対して予め定められた位置に設けられたマーカーM13,M14と車両2との合成画像の領域4c,4dにおける相対位置が、マーカーM13,M14と車両2との相対位置となった場合に、合成画像中の領域4c,4dに表示されたマーカーM13,M14の画像と重複する。
【0082】
このように、固定枠S21〜S28に基づいて合成画像を変更させることにより車両に対するマーカーの絶対位置が正しく表示されることになる。これにより、キャリブレーション作業の精度がより高まる。
【0083】
次に、実施形態に係る画像処理装置1の制御部15が実行する処理について
図7を用いて説明する。
図7は、実施形態に係る画像処理装置1の制御部15が実行する処理を示すフローチャートである。
【0084】
図7に示すように、制御部15は、まず、車両2に搭載された複数のカメラ3a、3b、3c、3dでそれぞれ撮像されたカメラ画像を取得する(ステップS101)。続いて、制御部15は、取得したカメラ画像のそれぞれから採用した領域に含まれる画像を繋ぎ合わせる画像処理を行うことで、車両2の周辺の様子を示す合成画像を生成し、表示部4へ表示させる(ステップS102)。このとき、車両2に対して予め定められた位置に設けられたマーカーと該車両2との合成画像における相対位置が、マーカーと車両2との相対位置となった場合に、合成画像中でマーカーと重複する固定枠を合成画像内の予め定められた固定位置に重畳させても良い。
【0085】
次に、制御部15は選択受付部5が操作されたか否かを判定する(ステップS103)。選択受付部5が操作されたと判断された場合(ステップS103,Yes)、ステップS104に進み、選択受付部5が操作されていないと判断された場合(ステップS103,No)、ステップS107に進む。
【0086】
制御部15は、さらにステップS103での選択受付部5の操作に基づいてカメラ3を選択し(ステップS104)、ステップS105に進む。
【0087】
次いで、制御部15は変更受付部6が操作されたか否かを判定する(ステップS105)。変更受付部6が操作されたと判定された場合(ステップS105,Yes)、ステップS106に進み、変更受付部6が操作されていないと判定された場合(ステップS105,No)、ステップS107に進む。
【0088】
また、制御部15は変更受付部6が操作される度に生成部10によって生成され、表示変更部13を介して表示部4へ表示させる合成画像を変更させ(ステップS106)、次いでステップS102に戻る。
【0089】
また、制御部15は、決定ボタン19が操作されたか否かを判定する(ステップS107)。決定ボタン19が操作されていないと判定された場合(ステップS107,No)、ステップS103に戻り、決定ボタン19が操作されたと判定された場合(ステップS107,Yes)、表示部4に最終的に表示された合成画像で確定される。
【0090】
上述してきたように、実施形態に係る、画像を処理する画像処理装置は、複数の車載カメラ画像に基づいて車両を仮想視点から見た合成画像を生成する生成部と、生成された合成画像を表示部へ表示させる表示制御部と、合成画像における、一のカメラ画像に基づく画像領域と他のカメラ画像に基づく画像領域との相対的な位置関係の変更を受け付ける変更受付部とを備え、生成部は、前記位置関係の変更を受け付ける度に、変更された位置関係に基づいて前記合成画像を生成する。
【0091】
したがって、実施形態に係る画像処理装置によれば、車載カメラのキャリブレーション作業を容易に実行することができる。
【0092】
なお、表示部4の表示画面が小さい場合や解像度が低い場合には、変更受付部6の操作により変更された合成画像がきちんと調整されているか否かがはっきりしない場合がありうる。そこで、
図8A,
図8Bに示すように、合成画像の一部を拡大させるようにしてもよい。
【0093】
図8Aは、実施形態に係る表示操作部8の平面図であり、
図8Bは、
図8Aの表示部4を拡大表示させた表示操作部8の平面図である。
【0094】
図8Aにおいて、表示部4に表示された合成画像における、マーカーM13の近傍の位置が選択された場合には、
図8Bに示すように当該位置を含む合成画像の一部が拡大されて表示部4へ表示される。かかる表示拡大操作を実行することにより、変更受付部6が適正に操作されたか否かが確認しやすくなるため、車載カメラのキャリブレーション作業を容易に、かつ確実に実行することができる。
【0095】
また、上述した各実施形態では表示操作部8はタッチパネルとして説明したが、表示部4のみをディスプレイで表示し、選択受付部5、変更受付部6を構成する各ボタンや表示拡大部7を物理的に押下することにより操作されるボタンにより構成されても良い。
【0096】
なお、上述した各実施形態では車両2に搭載された複数のカメラ3によって撮像されたカメラ画像に基づいて生成された合成画像に基づいて画像処理を行う画像処理装置1として説明したが、例えば、
図9に示すように単一のカメラ3によって撮像されたカメラ画像に基づいて画像処理を行う画像処理装置1であっても良い。
図9は、実施形態に係る表示部の平面図である。
【0097】
図9に示すように、後方カメラ3bのみによって撮像されたカメラ画像に基づいて生成された合成画像は、上述した各実施形態における車両2の周囲を俯瞰する合成画像のうち車両2の後方のみを俯瞰する画像となる。
【0098】
つまり、画像処理装置1は、単一の車載カメラ画像に基づいて車両2を仮想視点から見た合成画像を生成し、生成された合成画像を表示部4へ表示させる。そして、その合成画像の予め定められた位置に表示される固定枠S22と合成画像に写り込むマーカーM22との相対的な位置関係の変更を受け付け、位置関係の変更を受け付ける度に、変更された位置関係に基づいて合成画像を生成する。
【0099】
なお、上述した実施形態では単一のカメラ3は後方カメラ3bとして説明したが、前方カメラ3a、左側カメラ3c、又は、右側カメラ3dの何れか一つであっても良い。