特許第6223697号(P6223697)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223697
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】車両用撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/77 20060101AFI20171023BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   H04N5/77
   H04N5/232
   H04N5/232 190
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-47786(P2013-47786)
(22)【出願日】2013年3月11日
(65)【公開番号】特開2014-175905(P2014-175905A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2016年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 愛歌
(72)【発明者】
【氏名】光成 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】森本 佳位
(72)【発明者】
【氏名】加藤 智久
【審査官】 梅本 達雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−033694(JP,A)
【文献】 渡辺 千穂,名所カム:撮影スポットを探し出すカメラ,第18回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ [online],日本ソフトウェア科学会インタラクティブシステムとソフトウェア研究会,2010年12月 3日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76 − 5/956
H04N 5/225 − 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行中である車両の室の内部及び/又は外部を撮像して画像を生成する撮像部と
記車両の位置を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記車両の位置の周辺にある判定領域で、複数の投稿者によって過去に撮影された写真の撮影位置の数が第1の閾値以上であるか否かを判定する撮影位置判定部と、
前記室の内部にいる人の状況変化を検知する検知部と、
前記検知部により検知された前記状況変化を示すパラメータが第2の閾値以上であるか否かを判定する状況変化判定部と、
前記状況変化判定部により前記パラメータが前記第2の閾値以上であると判定された場合に、前記撮像部により生成された前記画像を記憶する記憶部と、
を備え、
前記状況変化判定部は、前記撮影位置判定部により前記撮影位置の数が前記第1の閾値以上であると判定された場合、前記第1の閾値未満である場合と比べて前記第2の閾値を低下させて判定することを特徴とする車両用撮像装置。
【請求項2】
前記状況変化判定部は、前記人の表情変化又は挙動変化を示す前記パラメータが前記第2の閾値以上であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用撮像装置。
【請求項3】
前記車両の位置に基づき前記判定領域及び/又は前記第1の閾値を設定する設定部を
さらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用撮像装置。
【請求項4】
前記人の操作信号に基づき前記判定領域及び/又は前記第1の閾値を設定する設定部を
さらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用撮像装置。
【請求項5】
前記車両が目的地まで案内される場合、前記設定部は、前記車両の位置から前記目的地までの経路に沿って前記判定領域を設定することを特徴とする請求項又はに記載の車両用撮像装置。
【請求項6】
前記車両が目的地まで案内されない場合、前記設定部は、前記車両の位置を中心とする中心領域に基づき前記判定領域を設定することを特徴とする請求項又はに記載の車両用撮像装置。
【請求項7】
前記撮影位置判定部は、所定距離以内にありグループ化された前記撮影位置の数が前記第1の閾値以上である否かを判定することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の車両用撮像装置。
【請求項8】
前記撮像部は、前記画像を一連の画像として生成し、
前記記憶部は、前記一連の画像のうちの一部を記憶することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の車両用撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の室内の人の所定の状況変化を検知して、或いは、複数の投稿者によって車両の周辺で過去に撮影された写真の撮影位置の数を取得して、車両の室内及び/又は室外を撮像した画像を記憶する車両用撮像装置、及び複数の投稿者によって車両の周辺で過去に撮影された写真の撮影位置の数を取得して、報知情報をユーザに報知する撮像補助装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図1(a)は、ドライブログに適用可能な撮像装置1を開示し、撮像装置1は、ダッシュボードに設定され、自動車の進行方向(正面方向)を被写体方向として室外の画像を撮像し、その画像を記憶している。特許文献1の図3(a)に示されるように、撮像装置1は、速度に応じて、現在の画像と次の画像との時間間隔(T4,T3,T2,T1)を決定している。このように速度に応じて撮像するタイミングを決定することで、特許文献1の図3(b)に示されるように、撮像装置1は、一定の距離Lx毎に画像を撮像し、その画像を記憶することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−49950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の撮像装置1において、一定の距離Lx毎に記憶される画像がユーザにとって最適な瞬間を表していない可能性がある。従って、最適な瞬間で画像を記憶するためには、記憶するタイミングを改良又は変更しなければならない、或いは、常に画像を記憶し続けなければならない。言い換えれば、良好なタイミングで画像を記憶することは困難であり、また、常に画像を記憶するためには、記憶容量が増加してしまう。
【0005】
本発明の1つの目的は、良好なタイミングで画像を記憶可能な車両用撮像装置、或いは良好なタイミングで画像の撮像を補助可能な撮像補助装置を提供することである。本発明のもう1つの目的は、記憶容量の増加を抑制可能な車両用撮像装置等を提供することである。本発明の他の目的は、以下に述べる複数の形態及び好ましい実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
【0007】
本発明に従う第1の態様は、車両の室の内部及び/又は外部を撮像して画像を生成する撮像部と、
前記室の前記内部の人の所定の状況変化を検知する検知部と、
前記車両の位置を検出する検出部と、
前記人の前記所定の状況変化があったか否かを判定する判定部と、
前記人の前記所定の状況変化があったことを表す信号に基づき前記画像を記憶する記憶部と、
を備え、
複数の投稿者によって前記車両の前記位置の周辺にある判定領域で過去に撮影された写真の撮影位置の数が第1の閾値以上である場合、前記判定部は、第2の閾値を低下させて、前記人の前記所定の状況変化を示すパラメータが前記第2の閾値以上である時に、前記人の前記所定の状況変化があったことを表す前記信号を生成することを特徴とする車両用撮像装置に関係する。
【0008】
車両用撮像装置は、車両の室の内部の人(車両用撮像装置のユーザ)の所定の状況変化があったことを表す信号に基づき撮像部で生成された画像を記憶するので、その画像は、良好なタイミングを示している可能性が高い。また、複数の投稿者によって過去に撮影された写真が多い場合、その写真の撮影位置は、ユーザにとっても景観の良い場所(シーニックポイント)である可能性がある。従って、このような撮影位置に車両が近づいている時には、ユーザの所定の状況変化が少ない場合であっても、撮像部で生成された画像を記憶することが好ましい。判定部が第2の閾値を低下させることにより、シーニックポイントでは撮像部で生成された画像が記憶され易くなるので、その画像は、最適な瞬間を表す可能性が高くなる。
【0009】
本発明に従う第2の態様では、第1の態様において、
前記人の前記所定の状況変化は、前記人の所定の表情変化であってもよい。
【0010】
第2の態様では、ユーザの笑顔等の所定の表情変化に基づき撮像部で生成された画像を記憶することができる。
【0011】
本発明に従う第3の態様では、第1の態様において、
前記人の前記所定の状況変化は、前記人の所定の挙動変化であってもよい。
【0012】
第3の態様では、ユーザの移動等の所定の挙動変化に基づき撮像部で生成された画像を記憶することができる。
【0013】
本発明に従う第4の態様は、車両の室の内部及び/又は外部を撮像して画像を生成する撮像部と、
前記車両の位置を検出する検出部と、
複数の投稿者によって前記車両の前記位置の周辺にある判定領域で過去に撮影された写真の撮影位置の数が第1の閾値以上である否かを判定する判定部と、
前記写真の前記撮影位置の前記数が前記第1の閾値以上であることを表す信号に基づき前記画像を記憶する記憶部と、
を備えることを特徴とする車両用撮像装置に関係する。
【0014】
一般に、複数の投稿者によって過去に撮影された写真が多い場合、その写真の撮影位置は、車両用撮像装置のユーザにとってもシーニックポイントである可能性がある。従って、このような撮影位置に車両が近づいている時には、撮像部で生成された画像を記憶することが好ましい。
【0015】
本発明に従う第5の態様では、第1乃至第4の何れかの態様は、
前記車両の前記位置に基づき前記判定領域及び/又は前記第1の閾値を設定する設定部を
さらに備えてもよい。
【0016】
一般に、車両の位置によっては、シーニックポイントが散在又は集中し易い。具体的には、車両が例えば山周辺、湖周辺、海岸周辺等の観光地を走行する時に、シーニックポイントが散在し易く、車両が例えば例えば東京駅周辺等の市街地を走行する時に、シーニックポイントが集中し易い。従って、車両の位置に基づき判定領域及び/又は第1の閾値を設定することにより、車両がシーニックポイントに近づいているか否かをより適切に判定することができる。
【0017】
本発明に従う第6の態様では、第1乃至第4の何れかの態様は、
前記人の操作信号に基づき前記判定領域及び/又は前記第1の閾値を設定する設定部を
さらに備えてもよい。
【0018】
車両の室の内部の人(車両用撮像装置のユーザ)によっては、複数の投稿者にとってのシーニックポイント又は一般的なシーニックポイントに興味を持ち易く、或いは持ち難い。従って、ユーザの嗜好に合わせて車両がシーニックポイントに近づき易くなる、或いは近づき難くなる。
【0019】
本発明に従う第7の態様では、第5又は第6の態様において、
前記車両が目的地まで案内される場合、前記設定部は、前記車両の前記位置から前記目的地までの経路に沿って前記判定領域を設定してもよい。
【0020】
設定部が車両の位置から目的地までの経路に沿って判定領域を設定することにより、車両が進行する方向にあるシーニックポイントを抽出することができる。
【0021】
本発明に従う第8の態様では、第5又は第6の態様において、
前記車両が前記目的地まで案内されない場合、前記設定部は、前記車両の前記位置を中心とする中心領域に基づき前記判定領域を設定してもよい。
【0022】
設定部が車両の位置を中心とする中心領域に基づき判定領域を設定することにより、車両が進行する可能性があるシーニックポイントを抽出することができる。
【0023】
本発明に従う第9の態様では、第1乃至第8の何れかの態様において、
所定距離以内の前記写真の前記撮影位置は、グループ化されてもよく、
前記判定部は、前記グループ化された前記写真の前記撮影位置の数が前記第1の閾値以上である否かを判定してもよい。
【0024】
グループ化された写真又はまとまった写真に基づきシーニックポイントが判定されるので、シーニックポイントをより正確に特定することができる。また、グループ化されない撮影位置の数を取得又はカウントする必要がないので、車両用撮像装置の処理負担を軽減することができる。
【0025】
本発明に従う第10の態様では、第1乃至第9の何れかの態様において、
前記撮像部は、前記画像を一連の画像として生成してもよく、
前記記憶部は、前記一連の画像のうちの一部を記憶してもよい。
【0026】
画像が連続的に生成されるので、その一連の画像は、最適な瞬間での画像を含むことができる。言い換えれば、非連続的に(例えば一定の距離毎に)撮像される画像は、最適な瞬間を表していない可能性がある。第10の態様では、最適な瞬間での画像を含む一連の画像を生成し、一連の画像のすべてを記憶部に記憶するのではなく、一連の画像の一部を記憶部に記憶する。これにより、記憶部の記憶容量の増加を抑制することができる。
【0027】
本発明に従う第11の態様は、車両の位置を検出する検出部と、
複数の投稿者によって前記車両の前記位置の周辺にある判定領域で過去に撮影された写真の撮影位置の数が第1の閾値以上である否かを判定する判定部と、
前記写真の前記撮影位置の前記数が前記第1の閾値以上であることを表す信号に基づき報知情報をユーザに報知する報知部と、
を備えることを特徴とする撮像補助装置に関係する。
【0028】
一般に、複数の投稿者によって過去に撮影された写真が多い場合、その写真の撮影位置は、撮像補助装置のユーザにとってもシーニックポイントである可能性がある。従って、このような撮影位置に車両が近づいている時には、報知情報をユーザに報知することが好ましい。これにより、車両がシーニックポイントを通過する時にユーザがシーニックポイントを見逃す可能性が低くなり、ユーザは、良好なタイミングでシーニックポイントの画像を撮像することができる。
【0029】
本発明に従う第12の態様では、第11の態様は、
前記判定領域及び/又は前記第1の閾値を設定する設定部を
さらに備えてもよい。
【0030】
判定領域及び/又は第1の閾値を設定可能とすることにより、例えば、車両がシーニックポイントに近づいているか否かをより適切に判定することができる。或いは、ユーザの嗜好に合わせて車両がシーニックポイントに近づき易くなる、或いは近づき難くなる。
【0031】
本発明に従う第13の態様では、第11又は第12の態様において、
所定距離以内の前記写真の前記撮影位置は、グループ化されてもよく、
前記判定部は、前記グループ化された前記写真の前記撮影位置の数が前記第1の閾値以上である否かを判定してもよい。
【0032】
グループ化された写真又はまとまった写真に基づきシーニックポイントが判定されるので、シーニックポイントをより正確に特定することができる。また、グループ化されない撮影位置の数を取得又はカウントする必要がないので、撮像補助装置の処理負担を軽減することができる。
【0033】
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明に従う車両用撮像装置の概略構成図を示す。
図2】車両用撮像装置の配置例を示す。
図3】音声出力手段又は報知部の配置例を示す。
図4】人の所定の状況変化があった時に車内用カメラで生成される画像(内部画像)の一例を示す。
図5図1の記憶手段で記憶される動画の構成例を示す。
図6図1の車両用撮像装置の動作例を表すフローチャートを示す。
図7】車両の走行例を示す。
図8図8(A)、図8(B)、図8(C)及び図8(D)は、それぞれ、目的地まで案内されない車両が観光地を走行する図7の時刻t1、t2、t3及びt4での判定領域の設定例を示す。
図9図9(A)、図9(B)、図9(C)及び図9(D)は、それぞれ、目的地まで案内される車両が観光地を走行する図7の時刻t1、t2、t3及びt4での判定領域の設定例を示す。
図10】本発明に従う車両用撮像装置の他の概略構成図を示す。
図11図10の車両用撮像装置の動作例を表すフローチャートを示す。
図12】本発明に従う撮像補助装置の動作例を表すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に説明する好ましい実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
【0036】
図1は、本発明に従う車両用撮像装置の概略構成図を示す。車両用撮像装置は、例えば図1に示される車内用カメラ70等の内部撮像部と、記憶手段60等の記憶部と、を備えることができる。図1の例において、内部撮像部として用いられる車内用カメラ70は、自動車等の車両の室130(図2参照)の内部を連続的に撮像して一連の内部画像を生成することができる。また、車両用撮像装置は、検知部及び判定部をさらに備えることができ、例えば図1に示される車内用カメラ70は、検知部としても用いることができる。例えば車内用カメラ70で構成される検知部は、車両の室130の内部の人(車両用撮像装置のユーザ、車両の乗員)の所定の状況変化を検知することができる。車内用カメラ70で生成される一連の内部画像は、例えば一次記憶手段50で記憶されるとともに、例えば判定手段30又は状況変化判定手段30bで構成される判定部に送られる。
【0037】
状況変化判定手段30bは、一連の内部画像に基づき、即ち、一連の内部画像を構成する各画像に基づき、人(ユーザ)の所定の状況変化があったか否かを判定する。人(ユーザ)の所定の状況変化があった場合、状況変化判定手段30bは、人の所定の状況変化があったことを表す信号(トリガー信号)を生成し、そのトリガー信号を一次記憶手段50に送ることができる。一次記憶手段50は、このトリガー信号に基づき例えば一連の内部画像のうちの一部を記憶手段60に送ることができる。記憶手段60は、状況変化判定手段30bからのトリガー信号に基づき、一連の内部画像のうちの一部を記憶する。なお、一次記憶手段50は、例えばSRAM(揮発性メモリ)、車内用カメラ70の内部メモリ等で構成してもよく、記憶手段60は、例えばフラッシュメモリ(不揮発性メモリ)、ハードディスクドライブ等で構成してもよい。
【0038】
記憶手段60は、車両の室130の内部の人(車両用撮像装置のユーザ)の所定の状況変化があったことを表す信号(トリガー信号)に基づき例えば内部撮像部で生成された画像(例えば、車両の室130の内部の様子等)を記憶するので、その画像は、良好なタイミングを示している可能性が高い。
【0039】
車両用撮像装置は、内部撮像部だけでなく、例えば図1に示される車外用カメラ40等の外部撮像部も備えることができる。或いは、車両用撮像装置は、内部撮像部の代わりに外部撮像部を備えてもよい。このように、車両用撮像装置は、例えば車内用カメラ70及び/又は車外用カメラ40で構成される撮像部を備えている。車両用撮像装置が少なくとも車外用カメラ40を備える場合、記憶手段60は、トリガー信号に基づき例えば車外用カメラ40で生成された画像(例えば、景色等)を記憶するので、その画像も、良好なタイミングを示している可能性が高い。
【0040】
ここで、車外用カメラ40は、1つの動作モードとして、車両の室130の外部を連続的に撮像するので、例えば特許文献1の図3(b)に示されるような、一定の距離Lx毎に画像を撮像する撮像装置1とは異なる。言い換えれば、車外用カメラ40が車両の室130の外部を連続的に撮像して一連の外部画像を生成する時に、一連の外部画像は、最適な瞬間での画像を含むことができる。これに対し、非連続的に(例えば一定の距離毎に)撮像される画像は、最適な瞬間を表していない可能性がある。
【0041】
なお、一連の外部画像及び/又は一連の内部画像を常に記憶し続ける場合、一次記憶手段50の記憶容量が増加してしまう。そこで、一次記憶手段50は、ある一定量の最新の一連の外部画像及び/又は一連の内部画像だけを記憶し、古くなった外部画像及び/又は内部画像は、順次、新しい外部画像及び/又は内部画像に置き換えられる。言い換えれば、一連の外部画像及び/又は一連の内部画像は、一次記憶手段50に一時的に記憶されているに過ぎず、一次記憶手段50は、ある一定量の一連の外部画像及び/又は一連の内部画像をエンドレスに記憶することができる。
【0042】
さらに、記憶手段60は、トリガー信号に基づき一連の外部画像のうちの一部及び/又は一連の内部画像のうちの一部を保存することができる。言い換えれば、記憶手段60は、一連の外部画像及び/又は一連の内部画像を常に記憶し続けるのではなく、最適な瞬間での画像を含むような良好なタイミングで、一連の外部画像の一部及び/又は一連の内部画像のうちの一部を記憶する。これにより、記憶手段60の記憶容量の増加を抑制することができる。
【0043】
ところで、車両が車両の室130の内部の人(車両用撮像装置のユーザ)にとって景観の良い場所(シーニックポイント)を通過する時に、ユーザの所定の状況変化があったことを表す信号(トリガー信号)が生成されない場合がある。言い換えれば、シーニックポイントで撮像部によって撮像される画像は、最適な瞬間を表す可能性がある。従って、車両がシーニックポイントに近づく時に、記憶手段60は、撮像部で生成された画像を記憶することが好ましい。
【0044】
図1の例において、車両用撮像装置は、車両がシーニックポイントに近づいているか否かを判定するために、位置検出手段25等の検出部及び撮影位置取得手段35等の取得部をさらに備えることができる。検出部又は位置検出手段25は、具体的には、例えばGPS信号を受信するGPS受信機等で構成され、GPS信号等から車両の位置を検出することができる。
【0045】
取得部又は撮影位置取得手段35は、具体的には、例えば携帯電話通信網を介して接続されるインターネット上の通信機器に対してデータを通信する携帯通信モジュール等で構成され、通信機器の記憶装置300からデータを例えば3G方式の電波で取得することができる。なお、携帯通信モジュールは、基地局の情報も取得することができ、これにより、基地局と携帯通信モジュールと間の概算距離、即ち車両の概算位置を検出してもよい。言い換えれば、携帯通信モジュールは、検出部又は位置検出手段25としても用いることができる。
【0046】
より具体的には、取得部又は撮影位置取得手段35は、車両の位置の周辺にある判定領域を通信機器に送信し、その判定領域で過去に撮影された写真の撮影位置の数を通信機器から受信することができる。ここで、通信機器は、例えばサーバであり、記憶装置300は、複数の写真を格納し、複数の写真の各々の撮影位置(例えば緯度及び経度)をデータベース化している。従って、通信機器は、取得部又は撮影位置取得手段35から受信した判定領域(例えば緯度範囲及び軽度範囲)で撮影された写真の数を記憶装置300の撮影位置データベースで検索することができる。なお、例えばハードディスクドライブ等で構成される記憶装置300に格納される写真は、複数の投稿者の端末(図示せず)からアップロードされたものであり、新しい写真が例えば新しい投稿者によってアップロードされると、通信機器は、新しい写真のタグ情報を参照しそのタブ情報内の撮影位置を取得して、撮影位置データベースを更新することができる。
【0047】
図1の例において、判定手段30は、状況変化判定手段30bだけでなく、撮影位置判定手段30aも有し、撮影位置判定手段30a又は判定部は、複数の投稿者によって車両の位置の周辺にある判定領域で過去に撮影された写真の撮影位置の数が第1の閾値以上であるか否かを判定する。判定領域で過去に撮影された写真の撮影位置の数が第1の閾値以上である場合、判定部は、車両がシーニックポイントに近づいていると判定又は推定することができる。車両がシーニックポイントに近づいている時には、ユーザの所定の状況変化が少ない場合であっても、車内用カメラ70及び/又は車外用カメラ40で生成された画像を記憶手段60に記憶することが好ましい。言い換えれば、シーニックポイントでは車内用カメラ70及び/又は車外用カメラ40で生成された画像が記憶手段60に記憶され易い場合、記憶手段60に記憶される画像は、最適な瞬間を表す可能性が高くなる。
【0048】
状況変化判定手段30bは、人の所定の状況変化を示すパラメータが第2の閾値以上である時にトリガー信号を生成するので、第2の閾値を低下させることによって、ユーザの所定の状況変化が少ない場合であっても、車内用カメラ70及び/又は車外用カメラ40で生成された画像が記憶手段60に記憶され易くなる。ここで、人の所定の状況変化は、例えば人の所定の表情変化であり、より具体的には、状況変化判定手段30bは、検知部として用いられる車内用カメラ70で生成される画像内のユーザの顔の特徴点を抽出し、その特徴点に基づき例えば唇領域、歯領域等の口領域を特定することができる。その後、状況変化判定手段30bは、例えば口の開き示すパラメータ、歯の見えを示すパラメータ等から笑顔を示す笑顔パラメータを算出し、笑顔パラメータが第2の閾値(笑顔閾値)以上である時にトリガー信号を生成する。
【0049】
人の所定の状況変化は、例えば人の所定の挙動変化であってもよく、状況変化判定手段30bは、検知部として用いられる車内用カメラ70で生成される画像の画素変化に基づきユーザの動きの有無を判定することができる。或いは、人の所定の状況変化は、例えば人の所定の音声変化であってもよく、状況変化判定手段30bは、検知部として例えば検知用マイク(図示せず)で生成される音声の音量変化に基づきユーザの発話の有無を判定することができる。
【0050】
図1の例において、車両用撮像装置は、判定条件設定手段15等の設定部をさらに備えることができる。判定条件設定手段15又は設定部は、判定領域及び/又は第1の閾値を設定する。ここで、判定領域及び/又は第1の閾値は、例えば位置検出手段25からの車両の位置に基づき設定される。一般に、車両の位置によっては、シーニックポイントが散在又は集中し易い。具体的には、車両が例えば山周辺、湖周辺、海岸周辺等の観光地を走行する時に、シーニックポイントが散在し易く、車両が例えば例えば東京駅周辺等の市街地を走行する時に、シーニックポイントが集中し易い。従って、車両の位置に基づき判定領域及び/又は第1の閾値を設定することにより、車両がシーニックポイントに近づいているか否かをより適切に判定することができる。
【0051】
判定領域及び/又は第1の閾値は、例えば操作手段240等の操作部からの人の操作信号に基づき設定されてもよい。ユーザによっては、複数の投稿者にとってのシーニックポイント又は一般的なシーニックポイントに興味を持ち易く、或いは持ち難い。従って、ユーザの嗜好に合わせて車両がシーニックポイントに近づき易くなる、或いは近づき難くなる。
【0052】
図1の例において、状況変化判定手段30、判定条件設定手段15等の処理部は、例えば、CPU、MPU等で構成することができる。また、操作手段240等の操作部は、例えば、ハードウエアボタン、ソフトウエアボタン、キーボード等で構成することができる。図1の例において、車両用撮像装置は、表示装置110及び音声出力手段230をさらに備えることができ、これらについては後述する。但し、車両用撮像装置は、音声出力手段230又は報知部を備えなくてもよい。
【0053】
図2は、車両用撮像装置の配置例を示す。図2の例において、図1の車外用カメラ40(外部撮像部)は、例えば1つの車外用カメラで構成されているが、複数の方向(例えば車両の前後方向DR1,DR2)の画像を撮像するために、複数の車外用カメラで構成されてもよい。図2の例において、車外用カメラ40は、例えば自動車のインナーリアビューミラー14(ルームミラー、バックミラー)の前方に配置されている。図2の例において、車内用カメラ70(内部撮像部)は、例えば1つの車内用カメラで構成され、インナーリアビューミラー14の後方に配置されている。なお、車外用カメラ40及び/又は車内用カメラ70は、例えばダッシュボード16の上に配置されてもよい。
【0054】
図1に示されるように、表示装置110は、例えばタッチパネル型のディスプレイを有するカーナビゲーション装置であり、図2の例において、ダッシュボードの内部に配置されるカーナビゲーション装置は、表示装置110、車両位置検出手段25、撮影位置取得手段35及び操作手段240を兼用することができる。また、例えば判定条件設定手段15,判定手段30,一次記憶手段50,記憶手段60でECUを構成し、そのECUで車外用カメラ40及び車内用カメラ70を駆動することができる。加えて、ECUは、例えばCAN等の車載ネットワークを介してカーナビゲーション装置と接続される。
【0055】
図2の例において、音声出力手段230等の報知部が省略されているが、音声出力手段230は、具体的には、例えばカーナビゲーション装置に接続される車載スピーカで構成される。車両用撮像装置は、例えば、カーナビゲーション装置、ECU、車外用カメラ40及び車内用カメラ70の組み合わせであるが、いわゆるスマートフォン等の携帯端末であってもよい。
【0056】
図3は、音声出力手段230又は報知部の配置例を示す。図3の例において、図1の音声出力手段230は、携帯端末の部品である左右のスピーカで構成されている。言い換えれば、例えばBluetooth(登録商標)通信モジュールを有する携帯端末がBluetooth(登録商標)通信モジュールを有するカーナビゲーション装置と連携し、車載スピーカの代わりに携帯端末の左右のスピーカが音声を出力することができる。また、携帯端末の表示パネル410は、音声の代わりに、或いは音声に加えて、文字、画像等を表示することができる。
【0057】
図4は、人(ユーザ、乗員)の所定の状況変化があった時に車内用カメラ70で生成される画像(内部画像)の一例を示す。車内用カメラ70で生成される画像は、大人の男性の運転者(第1のシート列の運転席)及び大人の女性(第1のシート列の助手席)を含み、男性及び女性の双方が微笑んでいる。記憶手段60は、最適な瞬間での外部画像(例えば、景色等)だけでなく、最適な瞬間での内部画像(例えば、車両の室の内部の様子等)も、記憶することができる。
【0058】
図5は、図1の記憶手段60で記憶される動画の構成例を示す。図5の例において、時刻Tは、人の所定の状況変化が検知された時刻を表す。図5で示されるように、図1の一次記憶手段50は、一連の外部画像及び/又は一連の内部画像を録画することができ、図1の記憶手段60は、例えば時刻Tの5秒前の時刻から時刻Tの15秒後の時刻までに対応する一連の外部画像の一部のみと一連の内部画像の一部のみとを保存することができる。図5の例において、記憶手段60に記憶される画像は、例えば20秒間分の動画(外部動画及び/又は内部動画)であるが、動画を保存する時間は20秒に限定されない。また、記憶手段60は、時刻T以降の例えば20秒間分の動画を保存してもよく、時刻Tをトリガーとする静止画(外部静止画及び/又は内部静止画)を保存してもよい。図1表示装置110又はカーナビゲーション装置は、記憶手段60の画像(動画、静止画)を表示することができる。
【0059】
図6は、図1の車両用撮像装置の動作例を表すフローチャートを示す。図6の例において、車両位置検出手段25は、例えばGPS信号から車両の位置を検出し(ステップST01)、その車両の位置を判定条件設定手段15に送る。判定条件設定手段15は、例えば判定条件設定手段15の内部メモリ又は記憶部60を参照し、ユーザによって判定条件が設定されているのか否かを判定する(ステップST02)。ユーザによって判定条件(r,a,x,b)が予め設定されている場合、判定条件設定手段15は、その判定条件を使用する(ステップST03)。代替的に、ユーザによって判定条件が予め設定されていない場合、走行エリア毎に設定される判定条件(デフォルト値、初期値)が使用される。
【0060】
図6の例において、判定条件設定手段15は、車両の位置と例えば地図情報から車両の走行エリアを判定する(ステップST04)。ここで、地図情報は、例えばカーナビゲーション装置の内部ドライブ(図示せず)又は記憶部60に記憶され、ある位置(例えば緯度及び経度)が例えば観光地、市街地、一般(その他)の何れか1つを示すか否かを判定できる情報を有している。言い換えれば、判定条件設定手段15は、車両の位置に対応する走行エリアを地図情報データベースで検索することができる。例えば車両が観光地を走行する時、判定条件設定手段15は、半径r=2[km]、第1の閾値a=20[個]、進行ルートx=1[km]、第1の閾値b=10[個]を判定条件として設定する(ステップST05)。
【0061】
図6の例において、判定条件設定手段15は、2種類の判定領域を準備することができる。具体的には、判定条件設定手段15は、車両の位置を中心とする中心領域として、例えば半径rの真円領域を準備することができる。また、判定条件設定手段15は、車両の位置から目的地までの経路に基づく経路領域として、例えば車両の位置から進行ルートxまでの道路周辺領域を準備することができる。判定条件設定手段15は、準備した判定領域(真円領域、道路周辺領域)を撮影位置取得手段35に送る。
【0062】
図6の例において、撮影位置取得手段35は、例えば緯度及び経度で特定される判定領域を例えばインターネット上のSNSサーバ(通信機器)に送信し、SNSサーバは、判定領域で撮影された写真の撮影位置を記憶装置300の撮影位置データベースで検索し、撮影位置取得手段35は、SNSサーバから判定領域で撮影された写真の撮影位置を受信することができる(ステップST06)。撮影位置判定手段30aは、撮影位置取得手段35を介して取得した判定領域で撮影された写真に関して、所定距離以内の写真の撮影位置をグループ化する(ステップST07)。グループ化された撮影位置又はまとまった撮影位置に基づきシーニックポイントが判定されるので、シーニックポイントをより正確に特定することができる。また、グループ化されない撮影位置の数を取得又はカウントする必要がないので、車両用撮像装置の処理負担を軽減することができる。
【0063】
図6の例において、撮影位置判定手段30aは、グループ化された撮影位置の数が所定数以上であるか否かを判定する(ステップST08)。グループ化された撮影位置の数が所定数以上である場合、判定条件設定手段15は、カーナビゲーション装置が車両を目的地まで案内しているか否かを判定する(ステップST09)。車両が目的地まで案内される場合、判定条件設定手段15は、判定領域として道路周辺領域を確定させ、撮影位置判定手段30aは、道路周辺領域でグループ化された撮影位置の数が第1の閾値(a=例えば20[個])以上であるか否かを判定する(ステップST10)。
【0064】
図6の例において、道路周辺領域でグループ化された撮影位置の数が第1の閾値(a=例えば20[個])以上である場合、状況変化判定手段30bは、第2の閾値(笑顔閾値)を例えば「大」、「中」及び「小」のうちの「中」の範囲に設定する(ステップST11)。一方、道路周辺領域でグループ化された撮影位置の数が第1の閾値(b=例えば10[個])以上でない場合、状況変化判定手段30bは、第2の閾値(笑顔閾値)を例えば「大」、「中」及び「小」のうちの「大」の範囲に設定する(ステップST12)。このように、道路周辺領域でグループ化された撮影位置の数が第1の閾値(b=例えば10[個])以上である場合、状況変化判定手段30bは、第2の閾値を「中」の範囲に低下させることができる。
【0065】
ステップST06において、車両が目的地まで案内されない場合、判定条件設定手段15は、判定領域として真円領域を確定させ、撮影位置判定手段30aは、真円領域でグループ化された撮影位置の数が第1の閾値(a=例えば20[個])以上であるか否かを判定する(ステップST13)。真円領域でグループ化された撮影位置の数が第1の閾値(a=例えば20[個])以上である場合、状況変化判定手段30bは、第2の閾値(笑顔閾値)を例えば「大」、「中」及び「小」のうちの「中」の範囲に設定する(ステップST14)。一方、真円領域でグループ化された撮影位置の数が第1の閾値(a=例えば20[個])以上でない場合、状況変化判定手段30bは、第2の閾値(笑顔閾値)を例えば「大」、「中」及び「小」のうちの「大」の範囲に設定する(ステップST12)。
【0066】
図6の例において、状況変化判定手段30bは、乗員の笑顔を示すパラメータを算出し(ステップST15)、笑顔パラメータが第2の閾値(笑顔閾値)以上であるか否かを判定し(ステップST16)、笑顔パラメータが第2の閾値(笑顔閾値)以上である時にトリガー信号を生成する(ステップST17)。これに応じて、一次記憶手段50は、このトリガー信号に基づき例えば一連の画像のうちの一部を記憶手段60に記憶させることができる(ステップST18)。
【0067】
図6の例において、例えばステップST07及びステップST08を省略してもよく、この場合、ステップST10において、車両が目的地まで案内される場合、判定条件設定手段15は、判定領域として道路周辺領域を確定させ、撮影位置判定手段30aは、道路周辺領域で過去に撮影され、且つグループ化されていない撮影位置の数が第1の閾値(b=例えば10[個])以上であるか否かを判定してもよい。同様に、ステップST13において、グループ化されていない撮影位置の数が第1の閾値(a=例えば20[個])以上であるか否かが判定されてもよい。
【0068】
図7は、車両の走行例を示す。図7の例において、シーニックポイントとして例えばお寺が図示され、車両は、時刻t1から時刻t3までの間、シーニックポイントに近づいている。また、車両は、時刻t4で、シーニックポイントを通過している。加えて、お寺の周辺に点線の円で囲われた撮影位置は、グループ化された撮影位置を示す一方、点線の円で囲われていない撮影位置は、グループ化されてない撮影位置を示している。
【0069】
図8(A)、図8(B)、図8(C)及び図8(D)は、それぞれ、目的地まで案内されない車両が観光地を走行する図7の時刻t1、t2、t3及びt4での判定領域の設定例を示す。図8(A)の例において、真円領域(第1の判定領域)に撮影位置の数がゼロなので、第2の閾値(笑顔閾値)は、そのまま維持される(図6のステップST08参照)。図8(B)の例において、真円領域(第1の判定領域)でグループ化された(第1のグループの)撮影位置の数が第1の閾値(a=例えば20[個])以上であるので、第2の閾値(笑顔閾値)は、「中」の範囲に設定される(ステップST14参照)。図8(C)の例及び図8(D)の例においても、第2の閾値(笑顔閾値)は、「中」の範囲に設定される(ステップST14参照)。
【0070】
しかしながら、図8(D)の例を示す時刻t4で、車両は、シーニックポイントを通過しているので、判定条件設定手段15は、車両の進行方向を考慮して、真円領域(第1の判定領域)のうちの車両の進行側の半円領域(第2の判定領域)を確定させ、半円領域(第2の判定領域)でグループ化された(第1のグループの)撮影位置の数が第1の閾値(a=例えば20[個])以上であるか否かを判定するように、図6のステップST13を変更してもよい(後述の図12のステップS13−1参照)。加えて、第1の閾値(a=例えば20[個])は、グループ化された(第1のグループの)撮影位置の数の割合(例えば1/3)に変更してもよく、この場合、車両がシーニックポイントを通過したか否かを適切に判定することができる(後述の図12のステップS13−1参照)。
【0071】
また、図8(B)の例を示す時刻t2で、車両とシーニックポイントとの間に高い建物が存在しているので、判定条件設定手段15は、遮蔽物の有無を地図情報データベースで検索して、遮蔽物が存在する場合には、第2の閾値(笑顔閾値)が「大」の範囲に設定されるように、図6のステップST13を変更してもよい(後述の図12のステップS13−2参照)。
【0072】
図9(A)、図9(B)、図9(C)及び図9(D)は、それぞれ、目的地まで案内される車両が観光地を走行する図7の時刻t1、t2、t3及びt4での判定領域の設定例を示す。車両が目的地まで案内される場合、判定領域は、車両の進行方向を考慮して既に決定されている。従って、図9(D)の例を示す時刻t4で、道路周辺領域(判定領域)でグループ化された(第1のグループの)撮影位置の数が第1の閾値(b=例えば10[個])以上でないので、第2の閾値(笑顔閾値)は、「中」の範囲に設定されない(図6のステップST12参照)。しかしながら、この時に、第1の閾値(b=例えば10[個])は、グループ化された(第1のグループの)撮影位置の数の割合(例えば1/3)に変更してもよく、この場合、車両がシーニックポイントを通過したか否かを適切に判定することができる(後述の図12のステップS13−1参照)。
【0073】
同様に、図9(B)の例を示す時刻t2で、車両とシーニックポイントとの間に高い建物が存在しているので、判定条件設定手段15は、遮蔽物の有無を地図情報データベースで検索して、遮蔽物が存在する場合には、第2の閾値(笑顔閾値)が「大」の範囲に設定されるように、図6のステップST11を変更してもよい(後述の図12のステップS13−2参照)。
【0074】
図10は、本発明に従う車両用撮像装置の他の概略構成図を示す。図10の例において、車内用カメラ70は、検知部として用いる必要がない。言い換えれば、車両用撮像装置は、人(ユーザ、乗員)の所定の状況変化を検知する検知部を備えなくてもよい。従って、図1の判定手段30は、撮影位置判定手段30aだけで構成されてもよい。言い換えれば、車両用撮像装置は、複数の投稿者によって車両の位置の周辺にある判定領域で過去に撮影された写真の撮影位置の数が第1の閾値以上である否かを判定する判定部を備えることができる。また、写真の撮影位置の数が第1の閾値以上である場合に、判定部は、トリガー信号を生成することができる。
【0075】
一般に、複数の投稿者によって過去に撮影された写真が多い場合、その写真の撮影位置は、車両用撮像装置のユーザにとってもシーニックポイントである可能性がある。従って、このような撮影位置に車両が近づいている時には、撮像部で生成された画像を記憶することが好ましい。
【0076】
図11は、図10の車両用撮像装置の動作例を表すフローチャートを示す。車両用撮像装置は、例えば、図6のステップST11,ST12,ST14,ST15,ST16を省略することができる。
【0077】
なお、図1の例及び図10の例において、車両用撮像装置は、一次記憶手段50を備えなくてもよい。言い換えれば、車内用カメラ70及び/又は車外用カメラ40で構成される撮像部は、車両の内部及び/又は外部を連続的に撮像して一連の画像を生成する必要がなく、撮像部は、写真の撮影位置の数が第1の閾値以上である時に、トリガー信号に従って車両の内部及び/又は外部を撮像して画像を生成してもよく、この場合、記憶手段60は、トリガー信号に従って撮像された画像を記憶してもよい。このように、車両がシーニックポイントに近づく時に、車両用撮像装置は、車両の内部及び/又は外部を自動的に撮像して、生成された画像を自動的に記憶することができる。
【0078】
ところで、例えば図10の例において、車両用撮像装置は、撮像部(車内用カメラ70及び/又は車外用カメラ40)を備える必要がなく、従って、記憶部(記憶手段60)及び表示装置110も備える必要がない。言い換えれば、車両用撮像装置は、撮影補助装置として構築することができ、撮影補助装置は、車両の位置を検出する検出部(車両位置検出手段25)と、複数の投稿者によって車両の前記位置の周辺にある判定領域で過去に撮影された写真の撮影位置の数が第1の閾値以上である否かを判定する判定部(撮影位置判定手段30a)と、写真の撮影位置の数が第1の閾値以上であることを表す信号に基づき報知情報をユーザに報知する報知部(音声出力手段230)とで構成することができる。
【0079】
一般に、複数の投稿者によって過去に撮影された写真が多い場合、その写真の撮影位置は、撮像補助装置のユーザにとってもシーニックポイントである可能性がある。従って、このような撮影位置に車両が近づいている時には、報知情報をユーザに報知することが好ましい。これにより、車両がシーニックポイントを通過する時にユーザがシーニックポイントを見逃す可能性が低くなり、ユーザは、良好なタイミングでシーニックポイントの画像を撮像することができる。
【0080】
図12は、本発明に従う撮像補助装置の動作例を表すフローチャートを示す。撮像補助装置は、例えば、図6のステップST11,ST12,ST14,ST15,ST16を省略することができ、ステップST18の代わりにステップS18'を実行する。加えて、撮像補助装置は、ステップST13だけでなく、ステップST13−1,ST13−2も実行してもよい。
【0081】
撮像補助装置がステップST13−1,ST13−2を実行する場合、例えば図8(A)の例において、真円領域(第1の判定領域)に撮影位置の数がゼロなので、第2の閾値(笑顔閾値)は、そのまま維持される(図12のステップST08参照)。
【0082】
例えば図8(B)の例において、真円領域(第1の判定領域)でグループ化された(第1のグループの)撮影位置の数が第1の閾値(a=例えば20[個])以上であるので(図12のステップST13参照)、第1の閾値(a=例えば20[個])は、グループ化された(第1のグループの)撮影位置の数の割合(例えば1/3)に変更される。その後、車両の進行方向が考慮された半円領域(第2の判定領域)でグループ化された(第1のグループの)撮影位置の数が第1の閾値(第1のグループの撮影位置の数の1/3)以上であるので(図12のステップST13−1参照)、判定条件設定手段15は、遮蔽物の有無を地図情報データベースで検索して、遮蔽物が存在する場合(図12のステップST13−2参照)、トリガー信号が生成されず、撮像補助装置は、報知情報をユーザに報知しない。
【0083】
例えば図8(C)の例において、遮蔽物が存在しない場合(図12のステップST13−2参照)、トリガー信号が生成され(図12のステップST17参照)、撮像補助装置は、報知情報(車両がシーニックポイントに近づいていること)をユーザに報知する(図12のステップST18'参照)。
【0084】
例えば図8(D)の例において、車両の進行方向が考慮された半円領域(第2の判定領域)でグループ化された(第1のグループの)撮影位置の数が第1の閾値(第1のグループの撮影位置の数の1/3)以上でないので(図12のステップST13−1参照)、トリガー信号が生成されず、撮像補助装置は、ユーザへの報知を終了する。
【0085】
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
【符号の説明】
【0086】
14・・・インナーリアビューミラー、15・・・判定条件設定手段(設定部)、16・・・ダッシュボード、25・・・車両位置検出手段(検出部)、30・・・判定手段(判定部/処理部)、30a・・・撮影位置判定手段、30b・・・状況変化判定手段、35・・・撮影位置取得手段(取得部)、40・・・車外用カメラ(撮像部)、50・・・一次記憶手段(撮像部/記憶部/処理部)、60・・・記憶手段(記憶部)、70・・・車内用カメラ(撮像部/検知部)、110・・・表示装置(表示部/案内部)、230・・・音声出力手段(報知部)、240・・・操作手段(操作部)、130・・・車両の室、131・・・天井部、300・・・撮影位置記憶装置(データベース)、410・・・表示パネル(表示部/報知部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12