(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223763
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】定量供給ホッパ及び粉粒体供給装置
(51)【国際特許分類】
B65G 65/46 20060101AFI20171023BHJP
B65G 65/48 20060101ALI20171023BHJP
C10J 3/00 20060101ALI20171023BHJP
C10J 3/30 20060101ALI20171023BHJP
C10J 3/50 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
B65G65/46 E
B65G65/48 D
C10J3/00 D
C10J3/30
C10J3/50
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-198260(P2013-198260)
(22)【出願日】2013年9月25日
(65)【公開番号】特開2015-63369(P2015-63369A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2015年10月28日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成24年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「バイオマスエネルギー技術研究開発/戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業(次世代技術開発)/革新的噴流床ガス化とAnti−ASF型FT合成によるバイオジェット燃料製造システムの研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】橋本 裕太
(72)【発明者】
【氏名】山元 崇
(72)【発明者】
【氏名】桐木平 勝仁
(72)【発明者】
【氏名】藤井 篤
【審査官】
中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−305307(JP,A)
【文献】
特開昭59−143826(JP,A)
【文献】
特開2005−060072(JP,A)
【文献】
実開昭57−131536(JP,U)
【文献】
特開平10−288327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 65/30−65/48
C10J 1/00− 3/86
B65D 88/00−90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーキの回転により内ホッパから外ホッパに掻き出した粉粒体を前記外ホッパの底面に設けた出口開口から順次落下させる二重ホッパ形式の定量供給ホッパにおいて、
前記出口開口及びその周辺部の一方または両方へ向けてガスを噴き出す1または複数のブリッジ解除部と、
前記出口開口の画像データを取得する運転状況監視部と、
この画像データから前記出口開口におけるブリッジ形成を認識し、前記ブリッジ解除部を作動させる制御部と、
を備えていることを特徴とする定量供給ホッパ。
【請求項2】
レーキの回転により内ホッパから外ホッパに掻き出した粉粒体を前記外ホッパの底面に設けた出口開口から順次落下させる二重ホッパ形式の定量供給ホッパにおいて、
前記出口開口及びその周辺部の一方または両方へ向けてガスを噴き出す1または複数のブリッジ解除部と、
前記定量供給ホッパからの前記粉粒体の供給量を検出し、該供給量が所定値以下に低下した場合に前記出口開口におけるブリッジ形成と判断する運転状況監視部と、
を備え、前記運転状況監視部の判断に基づいて前記ブリッジ解除部を作動させることを特徴とする定量供給ホッパ。
【請求項3】
前記外ホッパは、有底の筒状部材であって、前記内ホッパの外周面を囲うように設けられ、
前記内ホッパは、前記外ホッパと同心状の筒状部材であって、下端部が前記外ホッパの前記底面から離間するように設けられ、
前記内ホッパと前記外ホッパとの間が、同心に配置した円筒形状の仕切板により分離され、
前記仕切板は、その下端部が前記底面から離間されて、前記内ホッパと前記外ホッパとの間を連通させる連通部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の定量供給ホッパ。
【請求項4】
前記ブリッジ解除部が前記出口開口との位置関係を可変とする可動機構を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の定量供給ホッパ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の定量供給ホッパと、前記定量供給ホッパから粉粒体の供給を受けるとともに定量を切り出して送出するスクリューフィーダと、を具備して構成したことを特徴とする粉粒体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば乾燥して粉砕されたバイオマス等を貯蔵する定量供給ホッパ及びこの定量供給ホッパを備えた粉粒体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
環境保全の観点から、石油や石炭等の化石燃料に代えて、草木等のバイオマスを原料にして製造されるバイオ燃料が注目されている。このようなバイオ燃料の製造には、例えば下記の特許文献1に開示されているように、乾燥して粉砕されたバイオマス等の粉粒体をホッパ内に貯蔵しておき、ホッパ下部に設けられたスクリューフィーダを用いてバイオマスを定量ずつ送出することが必要となる。
【0003】
図7に示す従来の粉体供給装置1は、バイオマス等の粉粒体Pを貯蔵する定量供給ホッパ10と、定量供給ホッパ10の下部に設けられて粉粒体Pの供給を受けるとともに、定量を切り出して送出するスクリューフィーダ30と、を具備して構成される。
定量供給ホッパ10は、内ホッパ11及び外ホッパ12よりなる二重ホッパ形式の構造とされ、粉粒体Pを貯蔵する内ホッパ11と外ホッパ12との間が仕切板13により分離されている。そして、定量供給ホッパ10のホッパ底面14と仕切板の13下端部13aとの間には、全周にわたって連通部15が形成されている。
【0004】
定量供給ホッパ10の底部には、連通部15を外周方向へ通り抜けるとともに、ホッパ底面14と平行な面上を回転するレーキ16が設けられている。レーキ16は、電動機16a等を駆動源として回転し、内ホッパ11に貯蔵された粉粒体Pを外ホッパ12へ掻き出すように構成された板状の部材である。なお、図示の構成例では、4枚のレーキ14が90度ピッチに配置されているが、特に限定されることはない。
また、外ホッパ12の底面には、スクリューフィーダ30へ向けて粉粒体Pを排出する出口開口17が設けられている。
【0005】
上述したレーキ16が回転することにより、内ホッパ11に貯蔵された粉粒体Pは、底部から連通部15を通って外ホッパ12へ掻き出される。外ホッパ12へ掻き出された粉粒体Pは、レーキ16の回転により出口開口17へ導かれるので、出口開口17からスクリューフィーダ30内へ向けて順次落下する。この結果、粉体供給装置1は、定量供給ホッパ10内の粉粒体Pを、スクリューフィーダ30により次工程へ向けて定量供給することが可能になる。
また、下記の特許文献2には、スクリューフィーダの後方(仕切管)にガス吹出口を設置し、ガスの吹込みにより形成されたブリッジを崩すことが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−51258号公報
【特許文献2】特開2007−297204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した定量供給ホッパ10においては、レーキ16の回転により内ホッパ11から外ホッパ12に掻き出した粉粒体Pを出口開口17から順次落下させてスクリューフィーダ30へ供給するが、粉粒体Pの形状等によっては、外ホッパ12内で粉粒体粒子がからまってブリッジ(粒子閉塞)を形成することがある。このような外ホッパ12内のブリッジ形成は、出口開口17の閉塞により粉粒体Pを落下させて供給することの妨げになるので、定量供給ホッパ10からの粉粒体供給量が変動し、この結果、粉体供給装置1による粉粒体Pの定量供給を継続することが困難になる。
【0008】
このような背景から、レーキ16の回転により内ホッパ11から外ホッパ12に掻き出した粉粒体Pを出口開口17から順次落下させる定量供給ホッパにおいては、形成されたブリッジを解除して安定した粉粒体の供給継続を可能にすることが望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ブリッジ対策を施して粉粒体を安定供給できるようにした定量供給ホッパ及びこれを備えた粉粒体供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明の請求項1に係る定量供給ホッパは、レーキの回転により内ホッパから外ホッパに掻き出した粉粒体を前記外ホッパの底面に設けた出口開口から順次落下させる二重ホッパ形式の定量供給ホッパにおいて、前記出口開口及びその周辺部の一方または両方へ向けてガスを噴き出す1または複数のブリッジ解除部と、前記出口開口の画像データを取得
する運転状況監視部と、
この画像データから前記出口開口におけるブリッジ形成を認識し、前記ブリッジ解除部を作動させる制御部と、を備えていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に係る定量供給ホッパは、レーキの回転により内ホッパから外ホッパに掻き出した粉粒体を前記外ホッパの底面に設けた出口開口から順次落下させる二重ホッパ形式の定量供給ホッパにおいて、前記出口開口及びその周辺部の一方または両方へ向けてガスを噴き出す1または複数のブリッジ解除部と、前記定量供給ホッパからの前記粉粒体の供給量を検出し、該供給量が所定値以下に低下した場合に前記出口開口におけるブリッジ形成と判断
する運転状況監視部と、を備え
、前記運転状況監視部の判断に基づいて前記ブリッジ解除部を作動させていることを特徴とするものである。
【0010】
このような本発明の定量供給ホッパによれば、出口開口及びその周辺部の一方または両方へ向けてガスを噴き出す1または複数のブリッジ解除部を備えているので、形成されたブリッジに向けて噴射するガス流により破壊して閉塞を解除することが可能になる。
この場合、噴射するガスは不活性ガスが好ましく、外ホッパの上部または側部に設置したガス噴射ノズルから必要に応じてガスを噴射すればよい。
【0015】
また、破壊するべきブリッジが存在する場合にのみブリッジ解除部を作動させ、ガスや電力等の消費を最小限に抑えることができる。この場合に好適な運転状況監視部にはビデオカメラ等があり、ビデオカメラで撮影した画像に基づく遠隔操作や、画像データに基づく自動制御が可能になる。
さらに、本発明の請求項3に係る定量供給ホッパは、
前記外ホッパが、有底の筒状部材であって、前記内ホッパの外周面を囲うように設けられ、前記内ホッパが、前記外ホッパと同心状の筒状部材であって、下端部が前記外ホッパの前記底面から離間するように設けられ、前記内ホッパと前記外ホッパとの間が、同心に配置した円筒形状の仕切板により分離され、前記仕切板は、その下端部が前記底面から離間されて、前記内ホッパと前記外ホッパとの間を連通させる連通部が形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
上記の発明において、前記ブリッジ解除部は、前記出口開口との位置関係を可変とする可動機構を備えていることが好ましく、これにより、状況や必要に応じてブリッジ解除部を最適位置に配置することが可能になる。
【0017】
本発明の請求項
5に係る粉粒体供給装置は、請求項1から
4のいずれか1項に記載の定量供給ホッパと、前記定量供給ホッパから粉粒体の供給を受けるとともに定量を切り出して送出するスクリューフィーダと、を具備して構成したことを特徴とするものである。
【0018】
このような本発明の粉粒体供給装置によれば、請求項1から
4のいずれか1項に記載の定量供給ホッパと、前記定量供給ホッパから粉粒体の供給を受けるとともに定量を切り出して送出するスクリューフィーダと、を具備して構成したので、定量供給ホッパ側においては、ブリッジ形成に起因した供給量の変動が防止され、この結果、粉体供給装置による粉粒体の安定した定量供給を継続することができる。
【発明の効果】
【0019】
上述した本発明によれば、定量供給ホッパにおけるブリッジ形成の問題を解消し、定量供給ホッパから供給される粉粒体供給量の変動が防止され、粉粒体供給装置による安定した粉粒体の供給継続が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る第1実施形態の定量供給ホッパ及び粉粒体供給装置を示す図で、(a)は縦断面図、(b)は(a)の横断面図である。
【
図2】
図1に示す第1実施形態の変形例を示す図で、(a)は縦断面図、(b)は(a)の横断面図である。
【
図3】本発明に係る第2実施形態の定量供給ホッパ及び粉粒体供給装置を示す図で、(a)は縦断面図、(b)は(a)の横断面図である。
【
図4】
図3に示す第2実施形態の変形例を示す図で、(a)は縦断面図、(b)は(a)の横断面図である。
【
図5】本発明に係る第3実施形態の定量供給ホッパ及び粉粒体供給装置を示す図で、(a)は縦断面図、(b)は(a)の横断面図である。
【
図6】
図5に示す第3実施形態の変形例を示す図で、(a)は縦断面図、(b)は(a)の横断面図である。
【
図7】定量供給ホッパ及び粉粒体供給装置の従来例を示す図で、(a)は縦断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る定量供給ホッパ及び粉粒体供給装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1に示す第1実施形態の粉粒体供給装置1Aは、例えば乾燥させて粉砕したバイオマス等の粉粒体Pを貯蔵する定量供給ホッパ10Aと、定量供給ホッパ10Aから順次粉粒体Pの供給を受けるとともに、定量の粉粒体Pを切り出して次工程へ送出するスクリューフィーダ30と、を具備して構成される。
【0022】
図示のスクリューフィーダ30は、円筒形状とした本体31の内部に電動機32で回転駆動されるスクリュー33が収納設置されている。本体31には、定量ホッパ10Aから粉粒体Pの供給を受け入れる入口開口31aと、スクリュー33の回転数に応じた定量の粉粒体Pを送出する出口開口31bとを備えている。
【0023】
定量供給ホッパ10Aは、円形断面形状の内ホッパ11及び外ホッパ12を同心に配置した二重ホッパ形式の構造とされ、粉粒体Pを貯蔵しておく内ホッパ11と外ホッパ12との間が、同心に配置した円筒形状の仕切板13により分離されている。このような二重ホッパ構造は、乾燥後に粉砕したバイオマスを粉粒体Pとする場合、供給量の変動が生じる問題を解消したものである。すなわち、内ホッパ11しかない構造では、バイオマスの貯蔵量に応じてホッパ内下部の圧密度が変化するので、これに伴う供給量の変動を生じるが、外ホッパ12を設けることで供給前に圧密度の調整が可能となる。
仕切板13は、下端部13aが定量供給ホッパ10のホッパ底面14から離間した状態に設置されており、このような離間部により、粉粒体Pの通路となる連通部15が全周にわたって形成されている。
【0024】
定量供給ホッパ10Aの底部には、ホッパ底面14と平行な面上を回転するレーキ16が設けられている。このレーキ16は、連通部15を外周方向へ通り抜けて外ホッパ12の側壁面付近まで延びる板状の部材であり、電動機16a等を駆動源として回転する。なお、図示のレーキ16は、図中に矢印Rで示すように、反時計回りに回転する。
レーキ16が回転すると、内ホッパ11に貯蔵された粉粒体Pは、底部側から順次、連通部15を通って外ホッパ12へ掻き出される。なお、図示の構成例では、4枚のレーキ
16が90度ピッチに配置されているが、特に限定されることはない。
【0025】
外ホッパ12の底面には、スクリューフィーダ30の入口開口31aに粉粒体Pを排出する出口開口17が設けられている。図示の出口開口17は矩形状とされるが、特に限定されることはない。なお、出口開口17と入口開口31aとの間は、粉粒体供給管40により連結されている。
上述したレーキ16の回転により外ホッパ12へ掻き出された粉粒体Pは、さらに、レーキ16の回転により出口開口17へ導かれるので、出口開口17から粉粒体供給管40を通ってスクリューフィーダ30の入口開口31aに落下する。
【0026】
こうしてスクリューフィーダ30の本体31内に供給された粉粒体Pは、スクリュー33の回転により出口開口31bの方向へ送出される。この結果、出口開口31bに到達した粉粒体Pは、粉粒体排出管41を介して次工程へ定量供給される。従って、粉粒体供給装置1Aは、定量供給ホッパ10A内の粉粒体Pを、スクリューフィーダ30の回転数に応じた粉粒体Pの供給量を次工程へ定量供給することが可能になる。
【0027】
さて、本実施形態では、上述した構成の定量供給ホッパ10Aには、出口開口17及びその周辺部の一方または両方へ向けてガスを噴き出す1つのブリッジ解除部20が設けられている。このブリッジ解除部20は、例えば不活性ガスを所定の圧力で噴射するガス噴射ノズルであり、外ホッパ12の上部、外ホッパ12の側部または内ホッパ11の側部等から適宜選択して、適所に設置すればよい。なお、この場合のガス噴射ノズルは、基本的には必要な場合にのみガスを噴射するものである。
また、
図2に示す変形例の定量供給ホッパ10Bにおいては、ブリッジ解除部20となるガス噴射ノズルが複数設けられており、例えば定量供給ホッパ10A,10Bの寸法形状等のように、諸条件に応じて適宜設置数の変更が可能である。
【0028】
このようなブリッジ解除部20を設けることにより、出口開口17の周辺部に形成されたブリッジは、ガス流の噴射を受けて破壊される。このため、出口開口17がブリッジにより閉塞されることを防止または解除することが可能になる。この場合、ガス噴射ノズルから噴射される不活性ガスの圧力は、ブリッジの破壊が可能であれば特に限定されることはないが、例えば定量供給ホッパ10Aの許容圧力以下とすることが望ましい。
【0029】
ところで、上述した定量供給ホッパ10A,10Bは、出口開口17の運転状況監視部50を備えていることが望ましい。この運転状況監視部50は、出口開口17の周辺部画像を撮影するビデオカメラが好ましい。
このような運転状況監視部50を設けることにより、例えば制御室で画像を見ながらブリッジ形成を認識し、手動または遠隔操作によりブリッジ解除部20を作動させてガス噴射することが可能になる。あるいは、ビデオカメラの画像データから制御部がブリッジ形成を認識し、自動的にガス噴射を実施する自動制御も可能になる。
【0030】
また、定量供給ホッパ10A,10Bからの供給量(アウトプット量)を検出し、所定値以下に低下した場合にブリッジ形成と判断する運転状況監視部50も可能である。具体的には、例えばスクリューフィーダ30の定量供給における変動の有無を監視するものであり、重量測定値等の値を監視する運転状況監視部50を設けて、検出値が所定値以下になった場合にブリッジ形成と判断すればよい。
すなわち、運転状況監視部50の設置により得られる情報から、破壊するブリッジが存在する場合にのみブリッジ解除部20を作動させることで、噴射するガスの消費を最小限に抑えることができる。
【0031】
さらに、上述したブリッジ解除部20は、出口開口17との位置関係を可変とする可動機構を備えていることが望ましい。この可動機構は、ブリッジ解除部20となるガス噴射ノズルの位置、すなわち出口開口17からの高さ方向位置、前後方向位置及びガス噴射角度等から、少なくとも1つを可変とするものであり、形成されたブリッジ等の状況や状況の変化等による必要に応じてブリッジ解除部20を最適位置に配置すれば、ブリッジの破壊をより確実に行うことが可能になる。
【0032】
このように、ブリッジ解除部20を備えた定量供給ホッパ10A,10Bは、形成されたブリッジに向けてガス流を噴射して破壊するので、出口開口17の閉塞を解除することが可能になる。この結果、定量供給ホッパ10A,10Bにおけるブリッジ形成の問題が解消され、定量供給ホッパ10A,10Bから供給される粉粒体供給量の変動が防止されて定量供給が可能になるので、粉粒体供給装置1A,1Bによる安定した粉粒体Pの供給を継続できる。
【0033】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る定量供給ホッパ及び粉粒体供給装置について、第2実施形態及びその変形例を
図3及び
図4に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分については、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
この実施形態では、出口開口17のレーキ回転方向上流側に設置した1または複数のブリッジ解除部20A,20Bを備えている。本実施形態のブリッジ解除部20A,20Bは、レーキ16の回転により移動する粉粒体Pに形成されたブリッジを出口開口17の上流側で干渉させることにより、ブリッジを破壊して閉塞を解除するものである。
【0034】
従って、例えば
図3に示すような金属製等の羽根板を採用したブリッジ解除部20A、
図4に示すような金属製等の羽根網を採用したブリッジ解除部20B、あるいは金属製等の羽根棒(不図示)等を例示できる。すなわち、本実施形態のブリッジ解除部20A,20Bは、所定位置に固定された状態の部材(ブリッジ解除部)に接触するようにして干渉した粉粒体Pのブリッジを破壊できるように、例えば金属等のような剛性の高い部材であればよい。なお、本実施形態のブリッジ解除部20A,20Bは、予め予想されるブリッジ形成に対応して所定位置に固定設置してもよいし、あるいは、通常は退避位置にあり、ブリッジ形成時にのみ所定位置に移動するようにしてもよい。
【0035】
また、この実施形態においても、運転状況監視部50を設置して遠隔操作や自動制御を行うことが可能である。
また、ブリッジ解除部20A,20Bは、出口開口17との位置関係を可変とする可動機構を備えていることにより、形成されたブリッジの状況等により異なる最適位置を選択すれば、ブリッジの破壊をより確実に行うことが可能になる。
【0036】
<第3実施形態>
次に、本発明に係る定量供給ホッパ及び粉粒体供給装置について、第3実施形態及びその変形例を
図5及び
図6に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分については、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
この実施形態では、出口開口17の周辺部に電動機21等の駆動源により回転する1または複数の回転式ブリッジ解除部20C,20Dを備えている。本実施形態の回転式ブリッジ解除部20C,20Dは、レーキ16の回転により移動する粉粒体Pに形成されたブリッジを出口開口17の上流側で干渉させることにより、ブリッジを破壊して閉塞を解除するものである。
【0037】
この場合に好適なブリッジ解除部20C,20Dは、例えば金属製の羽根板、羽根網、羽根棒等を回転軸に固定したものであり、ブリッジ解除部20C,20Dが回転して粉粒体Pのブリッジと干渉することにより、ブリッジの破壊が可能となるような剛性の高い部材であればよい。すなわち、ブリッジ解除部20C,20Dは、電動機21の回転軸と同軸に、1または複数枚の羽根板、羽根網または羽根棒を取り付けて一体に回転するように構成されている。
【0038】
このようなブリッジ解除部20C,20Dにおいて、図
5に示すブリッジ解除部20Cは、電動機21の回転軸が水平に設置された構成の実施形態であり、図
6に示すブリッジ解除部20Dは、電動機21の回転軸が垂直に設置された構成の変形例であり、どちらの構成を選択してもよい。
【0039】
また、この実施形態においても、運転状況監視部50を設置して遠隔操作や自動制御を行うことが可能であり、電動機21の消費電力低減に有効である。
また、ブリッジ解除部20C,20Dは、出口開口17との位置関係を可変とする可動機構を備えていることにより、形成されたブリッジの状況等により異なる最適位置を選択すれば、ブリッジの破壊をより確実に行うことが可能になる。
【0040】
上述したように、本発明の粉粒体供給装置1A〜1Fは、上述した各実施形態及びその変形例の定量供給ホッパ1A〜1Fを備えているので、定量供給ホッパ側におけるブリッジ形成に起因した供給量の変動が防止される。この結果、本発明の粉粒体供給装置1A〜1Fにおいては、粉粒体Pの安定した定量供給を継続することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0041】
1,1A〜1F 紛体供給装置
10,10A〜10F 定量供給ホッパ
11 内ホッパ
12 外ホッパ
13 仕切板
14 底面
15 連通部
16 レーキ
17 出口開口
20,20A,20B ブリッジ解除部
20C,20D 回転式ブリッジ解除部
30 スクリューフィーダ
50 運転状況監視部