【実施例】
【0017】
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
図1〜
図6は実施例の減容可能な包装箱を示す。
図1は包装箱の一部を切り欠いた斜視図である。
図2は包装箱の展開図である。
図3は裏面側から見た包装箱の斜視図である。
図4は、
図1のIV−IV線に沿って切断した断面図である。
図5は、包装箱のベルトを取り去ることで形成される2つのハーフ包装箱のうち一方を減容包装箱本体として使用し、他方を蓋体として使用して減容包装箱を作ることを説明するための図である。
図6は、減容包装箱本体の中にトレーブロックを収納し、そして、蓋体で蓋をした状態を説明するための図である。
【0018】
図1、
図3を参照して、実施例の包装箱100はカレー又はシチューの固形ルウを収容したトレーの外装箱である。この包装箱100は、これを開封すると、
図5から最もよく分かるように、2つのハーフ包装箱が形成されるが、その一方を減容包装箱本体2として使用し、他方は蓋体4として使用される。この減容包装箱本体2と蓋体4は減容包装箱5(
図6)を構成する。
【0019】
図5を引き続き参照して、減容包装箱本体2の中には、固形ルウを収容したトレーブロック6が収納される。このトレーブロック6は、2つの等しい大きさのトレーブロック6を備えたトレー(図示せず)を2つに切り離すことにより作られる。すなわち、包装箱100は、切り離し可能な2つのトレーブロック6を備えたトレーを収納するように設計されている。
【0020】
減容包装箱本体2と蓋体4とを対比すると、減容包装箱本体2の方が長尺であり、蓋体4は短尺である。減容包装箱本体2はトレーブロック6よりも長い。すなわち、
図5、
図6を参照して、減容包装箱本体2にトレーブロック6を入れたときに、トレーブロック6の上端から上方に延びる余裕代部分8(
図5)を有する。この余裕代部分8は、消費者の手で前後方向に押し潰すことのできる潰し代としてその長さ寸法が設定され、この減容包装箱本体2の上端部分を扁平にすることで蓋体4を嵌装し易くなる。
【0021】
図1、
図3を参照して、包装箱100は、前面100a、裏面100b、一側面100c、他側面100d、一端面100e、他端面100fを有する直方体の形状を有する。包装箱100は、一枚の紙を主体とした複合材料を組み立てることにより形作られる。包装箱100の展開図である
図2には、折り目10によって区画された各部位に、包装箱100の各部位100a〜100fの参照符号を付してある。
図2の参照符号12は側部糊代を示す。参照符号14は端部糊代を示す。参照符号16は側面折り代を示す。
【0022】
図2に図示の展開した状態の包装箱100は、包材メーカで側部糊代12を接着する作業を行うのが通例である。包材メーカから食品製造メーカには、両端が開放した筒状の包装箱100を扁平にした状態で納品される。
【0023】
食品製造メーカでは、両端が開口した扁平状態の包装箱100を広げ、そして、包装箱100の一方の端部からトレーを挿入する。次いで、包装箱100の両端を糊付けすることで箱詰めが完了する。
【0024】
包装箱100は、これを横断する方向に且つ全周に亘って延びるベルト20を有し、このベルト20は2本の互いに平行に延びる第1、第2の弱化線22、24によって規定される幅Wを有している。ベルト20の始端20aは、展開図において前面100aと裏面100bとの間の折り目10、10で挟まれた一側面100cに位置している。すなわち、側部糊代12が接着される他側面100d(
図1)と対抗する位置にベルト始端20aが位置決めされている。このベルト始端20aは、折り目10に隣接して且つ折り目10と平行に延びる切れ目28(
図2)によって形成されている。
【0025】
ベルト始端20aは折り目10から内方にΔL、オフセットして位置決めされている点に注目して欲しい。このΔLは、包装箱100の材料つまり紙を主体とした複合材料の厚みに相当する寸法である。包装箱100の折り目10に隣接して、この折り目10から内方にオフセット(ΔL)した位置に、切れ目28(
図2)によって形成されたベルト始端20aを配置することにより、消費者が手にする前段階で、このベルト始端20aに不用意に外力が加わってベルト始端20aが捲れ上がってしまうのを抑制することができる。
【0026】
特に
図2を参照して、包装箱100を横断して全周に亘って延びるベルト20の中心線BCが、包装箱100を長手方向に二分する中心線CLからオフセットOfしている点に注目されたい。包装箱100の中心線CLは、包装箱100に収納されるトレー(図示せず)の2つのトレーブロック6の境界線(切断線)に相当する。
【0027】
引き続き
図2を参照して、包装箱100の一側面100c、他側面100dには、ベルト20を規定する第1、第2の2本の弱化線22、24のうち、包装箱100の中心線CLに近い側に位置する第1の弱化線22から他端面100fに向けて折り目誘導線30が延びている。この折り目誘導線30は、減容包装箱本体2の開口部をその前後方向に押し潰すときに谷折りの状態となる(
図5)。この点については後に詳しく説明する。
【0028】
包装箱100は、これを消費者が開封するにはベルト20をそのベルト始端20aから引っ張り上げて、ベルト20を切り取ることにより行われる。これにより、包装箱100は、比較的大きな減容包装箱本体2と比較的小さな蓋体4に変化する。包装箱100を図示する
図1、
図3において、減容包装箱本体2に相当する部位に参照符号「2」を付記し、蓋体4に相当する部位に参照符号「4」を付記してある。
【0029】
実施例の包装箱100は、幅Wを備えたベルト20を備え、このベルト20は包装箱100を開封した時点で廃棄される。消費者は、包装箱100から取り出したトレーから必要量のルウピースを取り出して調理する。標準世帯では、一つのトレーブロック6に含まれるルウピースを1回の調理で使い切る。残ったトレーブロック6を保存するのに、次の手順に従って減容化した包装箱を作ることができる。
【0030】
図5を参照して、包装箱100の減容化の手順を説明する。先ず、残ったトレーブロック6を減容包装箱本体2に入れる。次に、減容包装箱本体2の上端開口部を押し潰す。減容包装箱本体2の左右の側面100c、100dには、前述したように、その開口縁から下方に延びる折り目誘導線30が形成されている。減容包装箱本体2の高さ寸法は、前述したようにトレーブロック6よりも大きい。減容包装箱本体2のトレーブロック6と干渉しない上端開口部(特に減容包装箱本体2の左右の側面100c、100dの近傍)を
図5に矢印で示すように押し潰す。
【0031】
この操作によって、左右の側面100c、100dは、折り目誘導線30が谷折りの状態となって、減容包装箱本体2の上端開口部は扁平に押し潰した状態となる。次いで、蓋体4を減容包装箱本体2の上端開口部に嵌装する。減容包装箱本体2の上端開口部が潰れた状態になっているため、減容包装箱本体2の上端開口部に蓋体4を装着する作業は容易である。蓋体4で減容包装箱本体2の上端部を覆う減容化した状態を
図6に示す。減容包装箱本体2に蓋体4を装着することで、減容包装箱本体2と蓋体4とで構成された減容包装箱5でトレーブロック6を格納することができる。
【0032】
ところで、消費者が商品を購入するときの一般的な行動を観察すると、消費者は、主要な面である前面100a、裏面100bの表示を先ず確認する。そして、必要に応じてその他の面の表示を確認する。一般的な消費者が確認する事項の優先順序は次の通りである。
【0033】
(1)商品のブランド名やキャッチフレーズ、商品のイメージ絵や写真。
(2)商品を使った調理方法や喫食の仕方。
(3)製造販売元。
(4)商品の特徴(例えば調理の手順)。
(5)商品の保存方法(例えば包装箱の減容化の手順)。
(6)賞味期限。
(7)商品の種別(カレールウであれば辛さのレベル)。
(8)商品の種別の一覧及びその説明(カレールウであれば「辛口」、「中辛」、「普通」、「甘口」の説明)。
(9)原材料表示。
(10)アレルギー表示。
【0034】
上記(9)及び(10)は、原材料にこだわりのある消費者やアレルギー体質の消費者が注目する表示であり、これに注目する消費者は仮に比較的小さな文字であっても注意深く読む。
【0035】
包装箱100の主要な面である前面100aには、従来と同様に、商品のブランド名やキャッチフレーズ、商品のイメージ絵や写真が印刷されている。また、商品の種別(カレーの辛さの程度)も包装箱100の前面100aに比較的目立つように印刷されている。
【0036】
包装箱100の他の主要な面である裏面100bの表示に関し、ベルト20を挟んで減容包装箱本体2の部分と蓋体4の部分とに分けて説明する。減容包装箱本体2の部分の記載について説明すると、この減容包装箱本体2の部分は、ベルト20の近傍部分が上述した潰し代であり、この潰し代の分だけ一つのトレーブロック6よりも大きい。この減容包装箱本体2の部分には、ルウを使った調理の方法(手順)が好ましくはイラストで横並びに(包装箱100の長手方向に)時系列で表示される。この表示部分を参照符号32で示す(
図3)
【0037】
蓋体4の部分には、上述した包装箱100の減容化の手順が好ましくはイラストで横並びに(包装箱100の長手方向に)時系列で表示される。この表示部分を参照符号34で示す(
図3)。
【0038】
包装箱100の側面100c、100dには、次の項目が表示される。先ず、一側面100cについて説明すると、減容包装箱本体2の部分に原材料の表示36が印刷される(
図1、
図3)。他方、蓋体4の部分にアレルギー表示38が印刷されている(
図1、
図3)。
【0039】
包装箱100の他側面100dには、商品の種別の一覧(カレールウであれば例えば「辛口」、「中辛」、「普通」、「甘口」の文字とその説明)が表示される。この表示部分を
図2に参照符号40で示す。
【0040】
減容包装箱本体2の閉塞した端面を構成する包装箱100の一端面100fには賞味期限が印刷される。この表示部分を
図2に参照符号42で示す。
【0041】
上述した実施例の包装箱100によれば、2つのトレーブロック6に分割可能なトレーを格納する包装箱100を開封した後で、この包装箱100を減容化したハーフ包装箱として使うことができる。また、ベルト20を取り去って、包装箱100を開封しても、このベルト20に干渉しない部分に表示されている調理方法や減容化した包装箱(減容包装箱5)の組立方法を参照することができる。減容包装箱5の組立方法の表示に関連して、減容包装箱本体2が、その上端開口部の潰し代(余裕代部分8)だけトレーブロック6よりも大きく、換言すれば、その分だけ蓋体4が小さいだけであることから、包装箱100の主要な面である裏面100bにおいて蓋体4の部分に、減容包装箱5の組立方法をイラストで時系列に横並びで表示できる。したがって、消費者は一見して理解できる。
【0042】
勿論、包装箱100の主要な面である裏面100bにおいて減容包装箱本体2の部分は、調理方法をイラストで時系列に横並びで表示できる。
【0043】
また、包装箱100の折り目10に隣接して、この折り目10から内方にオフセット(ΔL)した位置に、切れ目28(
図2)によって形成されたベルト始端20aを配置することにより、消費者が手にする前段階で、このベルト始端20aに不用意に外力が加わってベルト始端20aが捲れ上がってしまうのを抑制することができる。
【0044】
上記の実施例では、包装箱100の開封手段として、幅Wを有するベルト20を採用したが、これに代えて、一本の弱化線を採用してもよい。