特許第6223792号(P6223792)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223792
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】給湯器付風呂装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/16 20060101AFI20171023BHJP
   F24H 9/00 20060101ALI20171023BHJP
   F24H 1/00 20060101ALI20171023BHJP
   F24H 8/00 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   F24H9/16 A
   F24H9/00 B
   F24H1/00 602G
   F24H8/00
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-238071(P2013-238071)
(22)【出願日】2013年11月18日
(65)【公開番号】特開2015-98957(P2015-98957A)
(43)【公開日】2015年5月28日
【審査請求日】2016年10月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(74)【代理人】
【識別番号】100192083
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸広
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義生
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−298412(JP,A)
【文献】 特開2007−054780(JP,A)
【文献】 特開2007−303726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/16
F24H 1/00
F24H 8/00
F24H 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナの燃焼により発生する燃焼ガスから顕熱及び潜熱を回収する熱交換部が設けられた給湯回路を有すると共に、浴槽に接続される追い焚き循環路を有しており、該追い焚き循環路は、接続路を介して前記給湯回路と接続可能とされて、前記熱交換部によって発生するドレンを受け入れて該ドレンを中和する中和剤が収容され、前記受け入れたドレンの水位が第1の所定値に到達したことを検出する第1水位検出手段が設けられた中和器と、該中和器の下流側に配置されて前記中和剤によって中和したドレンを内部に貯留して、該貯留したドレンの水位が第2の所定値に到達したことを検出する第2水位検出手段が設けられたドレン貯留手段と、前記中和器と前記ドレン貯留手段とを連結して、前記中和したドレンを前記ドレン貯留手段に導く導入路と、前記ドレン貯留手段に貯留した前記ドレンを前記追い焚き循環路に導くドレン導出路と、を有し、前記追い焚き循環路には、該追い焚き循環路に導かれた前記ドレンを排出するための排出路が接続可能とされており、前記ドレン貯留手段に貯留したドレンを、前記ドレン導出路と前記追い焚き循環路と前記排出路とを通して該追い焚き循環路の外部に排出するドレン排出制御手段を備えた給湯器付風呂装置であって、
前記ドレン排出制御手段は、前記第2水位検出手段の検出水位が前記第2の所定値に到達しておらず、前記第1水位検出手段の検出水位が前記第1の所定値に到達したときに、前記ドレンを前記追い焚き循環路の外部に排出し、
前記ドレンを前記追い焚き循環路の外部に排出することにより、前記第1水位検出手段の検出水位が前記第1の所定値よりも低下したか否かに基づいて、前記導入路が詰まる詰まり異常が発生しているかあるいは前記第2水位検出手段の異常が発生しているかを判別する判別手段を設けたことを特徴とする給湯器付風呂装置。
【請求項2】
前記第1水位検出手段の検出水位が前記第1の所定値よりも低下しないことに基づいて、前記判別手段は、前記詰まり異常が発生していると判別し、
前記判別手段によって、前記詰まり異常が発生していると判別したときに、前記バーナの燃焼を停止させる燃焼停止手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の給湯器付風呂装置。
【請求項3】
前記第1水位検出手段の検出水位が前記第1の所定値よりも低下したことに基づいて、前記判別手段は、前記第2水位検出手段の異常が発生していると判別し、
前記判別手段によって、前記第2水位検出手段の異常が発生していると判別したときに、該異常の発生を報知する報知手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯器付風呂装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バーナの燃焼により発生する燃焼ガスから潜熱及び顕熱を回収する熱交換部において発生するドレンを受け入れる中和器と、該中和器によって中和したドレンを内部に貯留するドレン貯留手段と、該ドレン貯留手段に貯留したドレンを、浴槽に接続される追い焚き循環路に導いた後に該追い焚き循環路の外部に排出するドレン排出制御手段と、を備えた給湯器付風呂装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1の図1には、バーナの燃焼によって発生するドレンを貯留するドレン貯留手段から、該ドレンを、浴槽に接続された追い焚き循環路と接続可能なドレン排水ユニットを通じて、浴室の排水パンに排出する給湯器付風呂装置が開示されている。この給湯器付風呂装置では、ドレンを中和する中和剤が収容された中和器に、該ドレンの水位が第1の所定値に到達したことを検出する第1水位検出手段が設けられ、前記中和剤によって中和したドレンを貯留するドレン貯留手段が前記中和器の下流側に配置されて、このドレン貯留手段に、該ドレン貯留手段に貯留したドレンが第2の所定値に到達したことを検出する第2水位検出手段が設けられている。その上で、中和器とドレン貯留手段とが、前記中和したドレンをドレン貯留手段に導く導入路によって連結されている。一般に、この給湯器付風呂装置では、ドレン貯留手段の第2水位検出手段の検出水位が第2の所定値に到達したときに、ドレンを、ドレン貯留手段から追い焚き循環路及びドレン排出ユニットを通じて、排水パンに排出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−50256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の給湯器付風呂装置では、第2水位検出手段の検出水位が第2の所定値に到達していない場合でも、中和器に設けられた第1水位検出手段の検出水位が第1の所定値に到達した場合には、中和器がドレンを過剰に受け入れることで該中和器からドレンが溢れることを防止するために、バーナの燃焼を停止させていた。
【0005】
しかしながら、第2水位検出手段の検出水位が第2の所定値に到達せず、第1水位検出手段の検出水位が第1の所定値に到達した場合には、中和器から漏れ出た中和剤が前記導入路に溜まることによる該導入路の詰まりが原因となって、中和器内のドレン水位が第1の所定値に到達すると共に、ドレン貯留手段にドレンが貯留されていないことで該ドレンの水位が第2の所定値に到達しない異常状態が発生していることが考えられる。これ以外にも、中和器に加えてドレン貯留手段にもドレンが貯留されて、本来は該ドレンの水位が第2の所定値に到達しているにもかかわらず、例えば断線等が原因となって、第2水位検出手段に異常が生じていることから、第2水位検出手段の検出水位が第2の所定値に到達したことを検出できない異常状態が発生していることも考えられる。仮に、前記導入路が詰まる詰まり異常が発生しているのか、あるいは第2水位検出手段の異常が発生しているのかを判別できれば、例えば給湯器付風呂装置の故障箇所の特定に役立つという利点が挙げられる。
【0006】
この発明は、このような状況に鑑み提案されたものであって、中和器とドレン貯留手段とを連結する導入路の詰まり異常が発生しているかあるいは第2水位検出手段の異常が発生しているかを簡単に判別できる給湯器付風呂装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、バーナの燃焼により発生する燃焼ガスから顕熱及び潜熱を回収する熱交換部が設けられた給湯回路を有すると共に、浴槽に接続される追い焚き循環路を有しており、追い焚き循環路は、接続路を介して給湯回路と接続可能とされて、熱交換部によって発生するドレンを受け入れてドレンを中和する中和剤が収容され、受け入れたドレンの水位が第1の所定値に到達したことを検出する第1水位検出手段が設けられた中和器と、中和器の下流側に配置されて中和剤によって中和したドレンを内部に貯留して、貯留したドレンの水位が第2の所定値に到達したことを検出する第2水位検出手段が設けられたドレン貯留手段と、中和器とドレン貯留手段とを連結して、中和したドレンをドレン貯留手段に導く導入路と、ドレン貯留手段に貯留したドレンを追い焚き循環路に導くドレン導出路と、を有し、追い焚き循環路には、追い焚き循環路に導かれたドレンを排出するための排出路が接続可能とされており、ドレン貯留手段に貯留したドレンを、ドレン導出路と追い焚き循環路と排出路とを通して追い焚き循環路の外部に排出するドレン排出制御手段を備えた給湯器付風呂装置であって、ドレン排出制御手段は、第2水位検出手段の検出水位が第2の所定値に到達しておらず、第1水位検出手段の検出水位が第1の所定値に到達したときに、ドレンを追い焚き循環路の外部に排出し、ドレンを追い焚き循環路の外部に排出することにより、第1水位検出手段の検出水位が第1の所定値よりも低下したか否かに基づいて、導入路が詰まる詰まり異常が発生しているかあるいは第2水位検出手段の異常が発生しているかを判別する判別手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成において、第1水位検出手段の検出水位が第1の所定値よりも低下しないことに基づいて、判別手段は、詰まり異常が発生していると判別し、判別手段によって、詰まり異常が発生していると判別したときに、バーナの燃焼を停止させる燃焼停止手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、第1水位検出手段の検出水位が第1の所定値よりも低下したことに基づいて、判別手段は、第2水位検出手段の異常が発生していると判別し、判別手段によって、第2水位検出手段の異常が発生していると判別したときに、異常の発生を報知する報知手段を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ドレン排出制御手段によって、ドレン貯留手段に貯留したドレンを追い焚き循環路の外部に排出することによって、第1水位検出手段により、導入路によって前記ドレン貯留手段と連結されて該ドレン貯留手段の上流側に配置された中和器内のドレン水位が、第1の所定値よりも低下したか否かを検出するだけで、判別手段が、この検出結果に基づいて、前記導入路が詰まる詰まり異常が発生しているかあるいは第2水位検出手段の異常が発生しているかを簡単に判別できる。加えて、例えば、詰まり異常が発生していると判別したときとは異なり、第2水位検出手段の異常が発生していると判別したときにバーナの燃焼を停止させなければ、給湯器付き風呂装置の給湯運転を継続できる。これにより、この給湯器付風呂装置の使い勝手が良くなる。
請求項2に記載の発明によれば、判別手段によって、詰まり異常が発生していると判別したときに、燃焼停止手段によってバーナの燃焼を停止させると、バーナの燃焼ガスが液化してドレンが発生することがない。よって、前記詰まり異常が発生した状態で、中和器がドレンを受け入れることがない。したがって、ドレンが中和器から溢れることを防止できる。
請求項3に記載の発明によれば、ユーザは、報知手段の報知内容によって、第2水位検出手段の異常が発生していることを簡単に知ることができる。これにより、ユーザに第2水位検出手段の点検や補修を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の給湯器付風呂装置の概略システム図である。
図2】給湯器付風呂装置においてドレンタンクに貯留したドレンを浴室の外部に排出するための概略制御ブロック図である。
図3】給湯器風呂装置が備える風呂給湯器のコントローラが実行してドレン導入管の詰まり異常が発生しているかあるいはドレンタンクに設けられた第2水位センサの異常が発生しているかを判別する処理に関するフローチャートである。
図4】その第2フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を図1ないし図4を参照しつつ説明する。図1には本発明の実施形態の給湯器付風呂装置1の概略システム図を示した。この給湯器付風呂装置1は、風呂給湯器2と、浴室3に設置された浴槽4とを備えている。風呂給湯器2内には、図示しない第1バーナが配設されている。風呂給湯器2内で前記第1バーナの燃焼ガスの上流側に顕熱回収用熱交換器(図示せず。)が配設され、前記燃焼ガスの下流側に潜熱回収用熱交換器7(図1参照。)が配設されている。この顕熱回収用熱交換器は前記燃焼ガスの顕熱を回収する。一方、潜熱回収用熱交換器7は前記燃焼ガスの顕熱及び潜熱を回収する。そして風呂給湯器2内には、顕熱回収用熱交換器と潜熱回収用熱交換器7とを備えた給湯回路が形成されている。この給湯回路では、図示しない給水管が潜熱回収用熱交換器7の入口側に接続され、該潜熱回収用熱交換器7の出口側が、前記顕熱回収用熱交換器の入口側に接続されている。これに加えて、該顕熱回収用熱交換器の出口側に出湯管(図示せず。)が接続されている。なお、顕熱回収用熱交換器及び潜熱回収用熱交換器7は本発明の熱交換部の一例である。
【0011】
一方、風呂給湯器2内には、図示しない第2バーナが配設されている。風呂給湯器2内で第2バーナの上側には、図1に示す追い焚き熱交換器10が配設されている。この追い焚き熱交換器10は、浴槽4に接続される追い焚き循環路11に設けられている。追い焚き循環路11は、往き管12と戻り管13とによって形成されている。この往き管12は、風呂循環ポンプ14の吐出口側に接続されている。さらに往き管12には、該往き管12内を湯水が流通するときにオン状態になる水流スイッチ15が設けられている。加えて往き管12には、該往き管12内を流通する湯水の温度を検出するサーミスタ16が設けられている。また、往き管12の途中には第1三方切替弁17が接続されている。この第1三方切替弁17には、浴室3と連通する排出路18が接続されている。この第1三方切替弁17によって、往き管12と戻り管13とが連通する状態と、往き管12と排出路18とが連通して往き管12と戻り管13とが連通しない状態と、に切り替え可能に構成されている。
【0012】
図1に示すように戻り管13は、風呂循環ポンプ14の吸込口側に接続されている。加えて戻り管13には、該戻り管13内を流通する湯水の温度を検出するサーミスタ25が設けられている。また、戻り管13の途中には第2三方切替弁26が接続されている。この第2三方切替弁26には、本発明の接続路としての注湯路27の一端側が接続されている。また注湯路27の他端側は、前記出湯管に接続可能とされている。この注湯路27の他端側には、出湯管を開閉可能な電磁弁28が設けられている。さらに注湯路27には、追い焚き循環路11から注湯路27への逆流や後述するドレン導出路42から注湯路27への逆流を防止する逆止弁29と、注湯路27から出湯管への逆流を防止する逆止弁30とが設けられている。これに加えて注湯路27には、該注湯路27内の湯水の流量を検出する流量センサ31が設けられている。この注湯路27の途中には、第3三方切替弁32が接続されている。
【0013】
図1に示すように潜熱回収用熱交換器7の下側には、中和器33が設けられている。この中和器33には、潜熱回収用熱交換器7で発生した酸性のドレンが受け入れられる。そして中和器33には、前記ドレンを中和する中和剤(ここでは粒状の炭酸カルシウム、図示せず。)が収容されていると共に、中和器33内には、未中和のドレンが中和器33の外部に流出することを防ぐ仕切板34が設置されている。これに加えて中和器33には、該中和器33内のドレン水位が上限水位に到達したことを検出する第1水位センサ35,35が設けられている。さらに、中和器33の出口には、本発明の導入路としてのドレン導入管36が接続されており、このドレン導入管36の出口側は、中和器33の下流側(図1の下側)に配置されたドレンタンク37と接続されている。このように、中和器33とドレンタンク37とは、ドレン導入管36によって連結されている。ドレンタンク37の内部には、中和器33の中和剤によって中和した所定量のドレンが一時的に貯留可能とされている。加えてドレンタンク37には、該ドレンタンク37内のドレン水位を検出する第2水位センサ38〜40が設けられ、ドレンタンク37の上部には、ドレンタンク37内の空気をドレンタンク37の外部に排出する空気抜きパイプ41が接続されている。本実施形態では、第2水位センサ38によって、ドレンタンク37内のドレン水位が上限水位に到達したことを検出可能とし、第2水位センサ39によって、ドレンタンク37内のドレン水位が下限水位よりも低下したことを検出可能とした。さらには、ドレンタンク37の下部に、該ドレンタンク37に貯留されたドレンを追い焚き循環路11側へ導くためのドレン導出路42の一端側が接続されている。このドレン導出路42の他端側は前記第3三方切替弁32(図1参照。)と接続されている。またドレン導出路42には、注湯路27からドレンタンク37への逆流を防止する逆止弁43が設けられている。なお、中和器33の上限水位は本発明の第1の所定値の一例であり、ドレンタンク37の上限水位は本発明の第2の所定値の一例である。また、第1水位センサ35,35は本発明の第1水位検出手段の一例であり、第2水位センサ38は本発明の第2水位検出手段の一例である。さらに、ドレンタンク37は本発明のドレン貯留手段の一例である。
【0014】
また図1に示すように第1三方切替弁17には、後述するように第1三方切替弁17が備える弁体の回転角度を所定の回転角度に制御する第1角度制御回路63(図2参照。)を備えた電気回路基板45が接続されている。この電気回路基板45には、浴室3に設置された風呂リモコン46と、風呂給湯器2に備えられたコントローラ47とが接続されている。風呂リモコン46には表示画面48が設けられている。本実施形態では、ユーザが風呂リモコン46の運転スイッチをオン操作すると、コントローラ47(第1演算処理部53、図2参照。)が、風呂リモコン46から電気回路基板45を介して給湯開始指令信号を受信することで、出湯管から注湯路27を介して追い焚き循環路11に湯水が通るように各三方切替弁17,26,32の弁体の回転角度を切り替える。これにより前記湯水を、出湯管から注湯路27及び追い焚き循環路11を通じて浴槽4に供給することで、浴槽4への湯張りを行うことができる。
【0015】
図2には、本実施形態の給湯器付風呂装置1が、ドレンタンク37の内部に貯留したドレンを浴室3の外部へ排出するための概略制御ブロック図を示した。図2に示すように給湯器付風呂装置1は、風呂給湯器2のコントローラ47(図1参照。)に備えられたメイン基板51と、上述した電気回路基板45とを備えている。
【0016】
メイン基板51は、電源検知回路52と、第1演算処理部53と、第1通信回路54と、記憶部55と、第2角度制御回路56と、第3角度制御回路57と、風呂循環ポンプ駆動回路58と、電磁弁駆動回路59と、表示制御回路60とを備えている。電源検知回路52は、風呂給湯器2の電源コードが商用交流電源のコンセントに挿入されて風呂給湯器2が通電状態であることを検出するために用いられる。第1演算処理部53には、第1通信回路54と、記憶部55とが接続されている。第1通信回路54は、電源回路基板45に各種の信号を送信したり、該電気回路基板45から送信された各種の信号を受信するために用いられる。記憶部55には、ドレンタンク37内のドレン水位が上限水位に到達したときに第1ないし第3三方切替弁17,26,32の回転角度を切り替えてドレンタンク37内のドレンを浴室3の外部へ排出する処理を実行するプログラムや、後述するようにドレンタンク37内のドレン水位が上限水位に到達していなくても中和器33内のドレン水位が上限水位に到達したときに、ドレンタンク37内のドレンを浴室3の外部へ強制的に排出する処理を実行するプログラムが記憶されている。さらに、第1演算処理部53には第2角度制御回路56が接続され、この第2角度制御回路56には第2三方切替弁26が接続されている。第2角度制御回路56は、第1演算処理部53からの指令信号に基づいて、第2三方切替弁26の弁体を回転させて該弁体の回転角度を所定の角度に制御する。
【0017】
加えて、第1演算処理部53には第3角度制御回路57が接続され、この第3角度制御回路57には第3三方切替弁32が接続されている。第3角度制御回路57は、第1演算処理部53からの指令信号に基づいて、第3三方切替弁32の弁体を回転させて該弁体の回転角度を所定の角度に制御する。さらには、第1演算処理部53には風呂循環ポンプ駆動回路58が接続され、この風呂循環ポンプ駆動回路58には風呂循環ポンプ14(図1参照。)が接続されている。風呂循環ポンプ駆動回路58は、第1演算処理部53からの指令信号に基づいて、風呂循環ポンプ14の運転を制御する。これに加えて、第1演算処理部53には電磁弁駆動回路59が接続され、この電磁弁駆動回路59には電磁弁28(図1参照。)が接続されている。電磁弁駆動回路59は、第1演算処理部53からの指令信号に基づいて、電磁弁28の開閉を制御する。また、第1演算処理部53には、各第1水位センサ35(図1参照。)が接続されている。本実施形態では第1演算処理部53は、第1水位センサ35,35の検出水位が中和器33の上限水位に到達したと判断すると、ドレン導出路42と注湯路27と追い焚き循環路11と排出路18とを接続するように各三方切替弁17,26,32の弁体の回転角度を切り替える。これにより、ドレンタンク37にドレンが貯留されている場合には、このドレンを、ドレン導出路42と注湯路27と追い焚き循環路11とを順番に流通させた後に、排出路18及び浴室3内に設けられて浴槽4の下側に配置される排水パン(図示せず。)の排出部を通じて浴室3の外部に排出することが可能になる。その際には、中和器33内のドレン水位が上限水位よりも低下するように、中和器33内のドレンを、ドレン導入管36によりドレンタンク37に導くことができる。さらに、第1演算処理部53には第2水位センサ38〜40(図1参照。)が接続されている。本実施形態では第1演算処理部53は、第2水位センサ38の検出水位がドレンタンク37の上限水位に到達したと判断すると、第1水位センサ35,35の検出水位が中和器33の上限水位に到達したと判断した場合と同様にして、ドレンタンク37に貯留したドレンを浴室3の外部へ排出する。さらに加えて、第1演算処理部53には表示制御回路60が接続され、この表示制御回路60には、風呂リモコン46の表示画面48(図1参照。)が接続されている。表示制御回路60は、第1演算処理部53からの指令信号に基づいて、表示画面48に異常内容を示すエラーコードを表示させるように制御する。
【0018】
図2に示すように電気回路基板45は、第2通信回路61と、第2演算処理部62と、第1角度制御回路63とを備えている。第2通信回路61は、メイン基板51の第1通信回路54及び第2演算処理部62に接続されている。第2通信回路61は、前記第1通信回路54に各種の信号を送信したり、該第1通信回路54から送信された各種の信号を受信するために用いられる。第2演算処理部62には第1角度制御回路63が接続され、この第1角度制御回路63には第1三方切替弁17が接続されている。第1角度制御回路63は、第2演算処理部62からの指令信号に基づいて、第1三方切替弁17の弁体を回転させて該弁体の回転角度を所定の角度に制御する。
【0019】
次に、図3及び図4を用い、メイン基板51の第1演算処理部53が、ドレン導入管36が詰まる詰まり異常が発生しているかあるいは第2水位センサ38の異常が発生しているかを判別する処理の例を説明する。従来は、中和剤の使用に伴って該中和剤の粒径が減少することや、中和器33に異物が混入したことが原因となって、図1に示す中和器33から漏れ出た中和剤や異物がドレン導入管36に溜まる結果ドレン導入管36が詰まる詰まり異常が発生することがあった。このような場合には、本明細書の背景技術の項で述べたように、第2水位センサ38の検出水位がドレンタンク37の上限水位に到達しておらず、第1水位センサ35,35の検出水位が中和器33の上限水位に到達した状態になることがある。一方、例えば第2水位センサ38の断線が原因となって、第2水位センサ38の異常が発生した場合にも、背景技術の項で述べたように、本来は第2水位センサ38の検出水位がドレンタンク37の上限水位に到達しているにもかかわらず、これを検出できず、中和器33にもドレンが受け入れられていることにより、第1水位センサ35,35の検出水位が中和器33の上限水位に到達した状態になることがある。このように、詰まり異常の発生時と第2水位センサ38の異常の発生時とでは、第1水位センサ35,35や第2水位センサ38の検出状態が同じになることがあるため、従来の技術では、詰まり異常が発生しているか、それとも第2水位センサ38の異常が発生しているかを判別できないという問題があった。この問題を解決するために、本実施形態では、第2水位センサ38の検出水位がドレンタンク37の上限水位に到達しておらず、第1水位センサ35,35の検出水位が中和器33の上限水位に到達した状態になると、第1演算処理部53が以下に説明する処理を行って、詰まり異常が発生しているかあるいは第2水位センサ38の異常が発生しているかを判別可能にした。
【0020】
第1演算処理部53は、所定の時間毎に記憶部55に記憶されたプログラムに基づいて、図3に示すスタートから図3及び図4に示すエンドまでの処理を繰り返し実行する。図3に示すように第1演算処理部53は、ドレンタンク37に設けられた第2水位センサ38(図1参照。)の検出水位が上限水位に到達したか否か判断する(S1)。ここでは第1演算処理部53は、第2水位センサ38から受信した水位検出信号がドレンタンク37内のドレン水位が前記上限水位に到達したことを示すハイレベル信号であるか否かを判断する。
【0021】
S1において、第1演算処理部53が前記ハイレベル信号を受信せず、第2水位センサ38の検出水位が上限水位に到達していないと判断した場合には、中和器33に設けられた第1水位センサ35,35(図1参照。)の検出水位が上限水位に到達したか否かを判断する(S2)。ここでは第1演算処理部53は、第1水位センサ35,35から、第1水位センサ35,35同士の間が導通したことを検出した導通検出信号を受信したか否かを判断する。
【0022】
S1において、第2水位センサ38の検出水位が上限水位に到達していないと判断したにもかかわらず、S2において、第1演算処理部53が前記導通検出信号を受信して、第1水位センサ35,35の検出水位が上限水位に到達していると判断した場合には、詰まり異常あるいは第2水位センサ38の異常が発生している可能性がある。このため、以下で述べる排出運転処理(S3)以降の処理により、異常の発生を知らせる処理や発生した異常に応じて適切な処理を実行する。S2において、第1水位センサ35,35の検出水位が上限水位に到達していると判断した場合には、排出運転処理(S3)を実行する。この排出運転処理(S3)では、以下に説明するように、ドレンタンク37に貯留したドレンを、浴室3内の排水パンによって受けた後に浴室3の外部に排出することと、このドレンの排出後に出湯管からの湯水によって追い焚き循環路11内を洗浄することとの双方を行う。本実施形態では、第1演算処理部53は、S1において第2水位センサ38の検出水位が上限水位に到達していないと判断した場合であっても、S2におて第1水位センサ35,35の検出水位が上限水位に到達していると判断すれば、強制的にドレンタンク37からドレンを排出する。なお、第1演算処理部53は本発明のドレン排出制御手段の一例である。
【0023】
この排出運転処理(S3)では、以下に説明する処理を実行する。第1演算処理部53は、弁体の駆動指令信号を第2及び第3角度制御回路56,57(図2参照。)に送信する。これに加えて第1演算処理部53は、弁体の駆動指令信号を、図2に示す第1及び第2通信回路54,61、第2演算処理部62を通じて第1角度制御回路63に送信する。続いて第2角度制御回路56は、第2三方切替弁26に弁体を回転させるモータの駆動信号を送信して、該弁体を回転させて回転角度を切り替えることで、この第2三方切替弁26を介して図1に示す注湯路27と追い焚き循環路11とを接続する。加えて第3角度制御回路57は、第3三方切替弁32に弁体を回転させるモータの駆動信号を送信して、該弁体を回転させて回転角度を切り替えることで、この第3三方切替弁32を介して図1に示すドレン導出路42と注湯路27とを接続する。さらに第1角度制御回路63は、第1三方切替弁17に弁体を回転させるモータの駆動信号を送信して、該弁体を回転させて回転角度を切り替えることで、この第1三方切替弁17を介して図1に示す追い焚き循環路11(往き管12)と排出路18とを接続する。その後に第1演算処理部53が、駆動指令信号を風呂循環ポンプ駆動回路58に送信する。続いて、風呂循環ポンプ駆動回路58が図1に示す風呂循環ポンプ14に駆動信号を送信することで、該風呂循環ポンプ14を駆動させる。すると、ドレンタンク37に貯留したドレンが、ドレン導出路42と注湯路27と追い焚き循環路11とを順番に流通した後に、排出路18及び浴室3内の排水パンに設けられた排出部を通じて浴室3の外部に排出される。
【0024】
これに加えて排出運転処理(S3)では、ドレンが浴室3の外部に排出された後に、第1演算処理部53が、第3三方切替弁32の弁体を回転させる駆動指令信号を第3角度制御回路57に送信する。その後に第3角度制御回路57は、第3三方切替弁32の弁体を回転させるモータの駆動信号を送信して、該弁体を回転させて回転角度を切り替えることで、この第3三方切替弁32を介して出湯管と注湯路27とを接続する。そして、第1演算処理部53が、開弁指令信号を電磁弁駆動回路59に送信する。続いて、電磁弁駆動回路59が図1に示す電磁弁28に駆動信号を送信して該電磁弁28を開弁した後に、第1演算処理部53から風呂循環ポンプ駆動回路58に送信される駆動指令信号に応じ、風呂循環ポンプ14を駆動させる。これにより、出湯管からの湯水を、注湯路27を介して追い焚き循環路11内に流通させる。したがって、この湯水によって追い焚き循環路11内を洗浄できる。なお、S2において第1演算処理部53が、第1水位センサ35,35の検出水位が上限水位に到達していないと判断した場合には、前記S1の判断に戻る処理を実行する。
【0025】
排出運転処理(S3)の後には、該排出運転処理(S3)を行うことにより、中和器33内のドレン水位が上限水位よりも低下するように、中和器33内のドレンが、図1に示すドレン導入管36に導かれる結果、中和器33の第1水位センサ35,35の検出水位が上限水位よりも低下したか否かを判断する(S4)。ここでは第1演算処理部53が、第1水位センサ35,35同士の間が導通せず、第1水位センサ35,35から前記導通検出信号を受信しないことを判断する。
【0026】
S4において、第1演算処理部53が、前記導通検出信号を受信せず、第1水位センサ35,35の検出水位が上限水位よりも低下したと判断した場合には、第1演算処理部53は、第2水位センサ38の異常が発生したために、S1において該第2水位センサ38の検出水位が上限水位に到達していないと判断したと判別する。このとき、第1演算処理部53は第2水位センサ異常報知処理(S5)を実行する。第2水位センサ異常報知処理(S5)では、以下に説明するように、風呂リモコン46の表示画面48(図1及び図2参照。)に、第2水位センサ38の異常を示すエラーコード(ここでは「E1」)を表示するようにしている。このように本実施形態ではユーザは、表示画面48に表示されたエラーコード「E1」を確認することにより、第2水位センサ38の異常が発生していることを簡単に知ることができる。これにより、ユーザに第2水位センサ38の点検や補修を促すことができる。なお、第1演算処理部53は本発明の判別手段の一例であり、表示画面48は本発明の報知手段の一例である。
【0027】
具体的にはこの第2水位センサ異常報知処理(S5)では、以下に説明する処理を実行する。第1演算処理部53が、排出運転処理(S3)を行った後に、前記導通検出信号を受信できない場合には、該第1演算処理部53が、エラーコード「E1」を表示画面48に表示させることを指示する表示指令信号を表示制御回路60に送信する。続いて表示制御回路60が、エラーコード「E1」を表示画面48に表示するための表示制御信号を該表示画面48に送信して、表示画面48にエラーコード「E1」を表示するようにしている。なお、第2水位センサ異常報知処理(S5)の後には、前記S1の判断に戻る処理を実行する。
【0028】
一方、上記のS4において第1演算処理部53が、前記導通検出信号を受信して、第1水位センサ35,35の検出水位が上限水位よりも低下していないと判断した場合には、第1演算処理部53は、ドレン導入管36が詰まる詰まり異常が発生したために、排出運転処理(S3)を行っても、第1水位センサ35,35の検出水位が上限水位よりも低下しなかったと判別する。このとき、第1演算処理部53はドレン導入管詰まり異常報知処理(S6)を実行する。ドレン導入管詰まり異常報知処理(S6)では、以下に説明するように、前記表示画面48に、ドレン導入管36の詰まり異常を示すエラーコード(ここでは「E2」)を表示するようにしている。ユーザは、表示画面48に表示されたエラーコード「E2」を確認することにより、ドレン導入管36の詰まり異常が発生していることを簡単に知ることができる。
【0029】
具体的にはこのドレン導入管詰まり異常報知処理(S6)では、以下に説明する処理を実行する。第1演算処理部53が、排出運転処理(S3)を行った後に、前記導通検出信号を受信した場合には、該第1演算処理部53が、エラーコード「E2」を表示画面48に表示させることを指示する表示指令信号を表示制御回路60に送信する。続いて表示制御回路60が、エラーコード「E2」を表示画面48に表示するための表示制御信号を該表示画面48に送信して、表示画面48にエラーコード「E2」を表示するようにしている。
【0030】
ドレン導入管詰まり異常報知処理(S6)の後には第1演算処理部53が、燃焼停止処理(S7)を実行する。この燃焼停止処理(S7)では、第1演算処理部53が、上述した風呂給湯器2の第1バーナへのガス供給路を閉鎖することにより、第1バーナへのガスの供給を停止させる。これにより、第1バーナの燃焼を停止させる。このように本実施形態では第1演算処理部53は、ドレン導入管36の詰まり異常が発生していると判別すると第1バーナの燃焼を停止させるため、第1バーナの燃焼ガスが液化してドレンが発生することがない。よって、前記詰まり異常が発生した状態で、中和器33がドレンを受け入れることがないので、ドレンが中和器33から溢れることを防止できる。なお、第1演算処理部53は本発明の燃焼停止手段の一例である。
【0031】
またS1において、第2水位センサ38の検出水位が上限水位に到達していると判断した場合には、図4に示すように排出運転処理(S11)を実行する。この排出運転処理(S11)では、上述した排出運転処理(S3)と同様の処理がなされる。
【0032】
排出運転処理(S11)の後には、該排出運転処理(S11)を行うことにより、ドレンタンク37内のドレン水位が低下する結果、ドレンタンク37の第2水位センサ38の検出水位が上限水位よりも低下したか否かを判断する(S12)。ここでは第1演算処理部53が、第2水位センサ38から上述のハイレベル信号を受信したか否かを判断する。
【0033】
S12において、第1演算処理部53が、前記ハイレベル信号を受信して、第2水位センサ38の検出水位が上限水位よりも低下していないと判断した場合には、第1演算処理部53は、例えば、ドレンタンク37の下部に接続されたドレン導出路42(図1参照。)が詰まるという異常が原因で、排出運転処理(S11)を行ってもドレンタンク37内の水位が低下しないため、S12において第2水位センサ38の検出水位が上限水位よりも低下しないと判別する。このとき、第1演算処理部53は排出運転異常報知処理(S13)を実行する。排出運転異常報知処理(S13)では、以下に説明するように、表示画面48(図1参照。)に排出運転の異常を示すエラーコード(ここでは「E3」)を表示するようにしている。ユーザは、表示画面48に表示されたエラーコード「E3」を確認することにより、排出運転の異常が発生していることを簡単に知ることができる。
【0034】
具体的にはこの排出運転異常報知処理(S13)では、以下に説明する処理を実行する。第1演算処理部53が、排出運転処理(S11)を行った後に、前記ハイレベル信号を受信した場合には、該第1演算処理部53が、エラーコード「E3」を表示画面48に表示させることを指示する表示指令信号を表示制御回路60に送信する。続いて表示制御回路60が、エラーコード「E3」を表示画面48に表示するための表示制御信号を該表示画面48に送信して、表示画面48にエラーコード「E3」を表示するようにしている。
【0035】
排出運転異常報知処理(S13)の後には第1演算処理部53が、燃焼停止処理(S14)を実行する。この燃焼停止処理(S14)では、上述した燃焼停止処理(S7)と同様の処理がなされて、風呂給湯器2の第1バーナの燃焼を停止させる。このように本実施形態では第1演算処理部53は、排出運転の異常が発生すると、第1バーナの燃焼を停止させることによりドレンを発生させることがない。よって、例えばドレン導出路42が詰まったままの状態で、中和器33がドレンを受け入れることがない。これにより、ドレンが、ドレンタンク37及び中和器33を満たして該中和器33から溢れることを防止できる。
一方、S12において第1演算処理部53が、ハイレベル信号を受信せず、第2水位センサ38の検出水位が上限水位よりも低下したと判断した場合には、この判断から所定時間の経過後に、第2水位センサ39の検出水位が下限水位よりも低下したか否かを判断する(S15)。ここでは第1演算処理部53が、第2水位センサ39から受信した水位検出信号がドレンタンク37内のドレン水位が前記下限水位を上回ることを示すハイレベル信号であるか否かを判断する。S15において、第1演算処理部53が、該ハイレベル信号を受信して、第2水位センサ39の検出水位が下限水位よりも低下していないと判断した場合には、第2水位センサ異常報知処理(S16)を実行する。この第2水位センサ異常報知処理(S16)では、上述した第2水位センサ異常報知処理(S5)と同様の方法により、風呂リモコン46の表示画面48(図1参照。)に、第2水位センサ39の異常を示すエラーコード(ここでは「E4」)を表示するようにしている。このように本実施形態ではユーザは、表示画面48に表示されたエラーコード「E4」を確認することにより、第2水位センサ39の異常が発生していることを簡単に知ることができる。これにより、ユーザに第2水位センサ39の点検や補修を促すことができる。なお、S15において第1演算処理部53が、第2水位センサ39から前記ハイレベル信号を受信せず、第2水位センサ39の検出水位が下限水位よりも低下したと判断した場合には、図1に示すS1の判断に戻る処理を実行する。
【0036】
<本実施形態の効果>
本実施形態の給湯器付風呂装置1では、図3中の排出運転処理(S3)によって、ドレンタンク37に貯留したドレンを追い焚き循環路11の外部に排出した後に、図3中のS4において、中和器33に設けられた第1水位センサ35,35の検出水位が上限水位よりも低下したか否かを判断することに基づいて、ドレン導入管36の詰まり異常が発生しているかあるいは第2水位センサ38の異常が発生しているかを簡単に判別できる。加えて、ドレン導入管36の詰まり異常が発生していると判別したときとは異なり、図3中のS4において、第2水位センサ38の異常が発生していると判別したときには、図3中の燃焼停止処理(S7)を実行しないため、第1バーナの燃焼を停止させることがない。よって、第2水位センサ38の異常が発生しているときには、給湯器付風呂装置1の給湯運転を継続できるため、この給湯器付風呂装置1の使い勝手が良くなる。
【0037】
また、図3中のS4において、第1演算処理部53が、中和器33に設けられた第1水位センサ35,35の検出水位が上限水位よりも低下していないと判断することにより、ドレン導入管36の詰まり異常が発生していると判別したときに、図3中の燃焼停止処理(S7)によって、風呂給湯器2の第1バーナの燃焼を停止させる。すると、第1バーナの燃焼ガスが液化してドレンが発生することがない。よって、前記詰まり異常が発生した状態で、中和器33がドレンを受け入れることがない。したがって、ドレンが中和器33から溢れることを防止できる。
【0038】
さらに、図3中の第2水位センサ異常報知処理(S5)によって、風呂リモコン46の表示画面48に、第2水位センサ38の異常を示すエラーコード「E1」を表示すれば、ユーザは、表示画面48に表示されたエラーコード「E1」によって、第2水位センサ38の異常が発生していることを簡単に知ることができる。これにより、ユーザに第2水位センサ38の点検や補修を促すことができる。
【0039】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨を逸脱しない範囲内において構成の一部を適宜変更して実施できる。上述した実施形態では、浴室3に設置された風呂リモコン46の表示画面48に、第2水位センサ38の異常を示すエラーコード「E1」等を表示する例を示したが、これに限らない。例えば、風呂リモコン46以外にも、浴槽4への湯張りを行うための運転スイッチを備えた給湯リモコンを台所に設置して、この給湯リモコンの表示画面にも、前記エラーコード「E1」等を表示するようにしてもよい。
【0040】
また、上述した実施形態とは異なり、風呂リモコン46や給湯リモコンにスピーカをそれぞれ設けて、各スピーカから第2水位センサ38の異常等を知らせる音声を発することにより、ユーザに異常が発生していることを報知してもよい。これ以外にも、例えば風呂リモコン46や給湯リモコンに発光ダイオード(LED)をそれぞれ設けて、異常の内容毎に各LEDの発光態様を異ならせることにより、ユーザにいずれの異常が発生しているかを報知してもよい。さらに、風呂リモコン46や給湯リモコンに、エラーコードを表示する表示画面に加えて、スピーカやLEDを設けてもよい。
【0041】
加えて、上述した実施形態では、風呂給湯器2内に、顕熱回収用熱交換器と潜熱回収用熱交換器7とを別体にして設けた例を示したが、これに限らず、顕熱回収用熱交換器と潜熱回収用熱交換器7とを一体にして風呂給湯器2内に設けてもよい。さらに加えて、上述した実施形態では、第3三方切替弁32を介してドレン導出路42と注湯路27とを接続可能としたが、これに代えて、三方切替弁を介してドレン導出路42と追い焚き循環路11とを接続可能としてもよい。
【0042】
また、上述した実施形態とは異なり風呂給湯器2内では、追い焚き熱交換器10に代えて、第2バーナの燃焼ガスの上流側に顕熱回収用熱交換器を配設し、前記燃焼ガスの下流側に潜熱回収用熱交換器を配設してもよい。さらに、上述した実施形態とは異なり、第1水位センサ35,35や第2水位センサ38〜40以外にも、例えばレーザ光を利用した光波式水位計測装置やこれ以外の水位計測装置によって、ドレンの水位を検出してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1・・給湯器付風呂装置、4・・浴槽、7・・潜熱回収用熱交換器、11・・追い焚き循環路、18・・排出路、27・・注湯路、33・・中和器、35・・第1水位センサ、36・・ドレン導入管、37・・ドレンタンク、38・・第2水位センサ、42・・ドレン導出路、46・・風呂リモコン、48・・風呂リモコンの表示画面、53・・第1演算処理部。
図1
図2
図3
図4