【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 JAみなみ信州・JAオートパルいいだ 様向け「連結装置(新製品)」説明会 説明会開催日: 平成25年11月8日 開催場所 : 長野県下伊那郡高森町下市田2478−2 『市田柿工房』
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記テーブル本体の近傍には、このテーブル本体の保持部への物品の軸部の導入に伴って、導入された物品の軸部を拘束するラッチ部材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の連結装置。
前記テーブル本体の近傍には、軸部にとっくり結びが形成された物品の軸部を前記テーブル本体の保持部から物品の軸部を押し出すための押動部材が配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の連結装置。
前記テーブル本体の近傍には、物品が所定数連結されたら紐糸を切断する切断機構が配設されていることを特徴とする請求項1および請求項3のいずれか1項に記載の連結装置。
前記テンション機構には、紐糸を繰り出す方向および巻き戻す方向のいずれかの方向に選択的に回転駆動される駆動プーリと、この駆動プーリと前記巻回機構のスリーブとの間に介装され揺動することにより前記駆動プーリおよびスリーブ間における紐糸の長さを調整可能とするために揺動可能とされているテンションプーリが配設されていることを特徴とする請求項1および請求項4のいずれか1項に記載の連結装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1〜
図4は、本発明に係る連結装置2の全体を示すものであり、この実施形態の連結装置2は、軸部を有する物品の一例としての柿の実Pを干し柿にするために軸部の一例としての柿の実の蔕から伸びる臍Cに、紐や糸の総称としての紐糸の一例としてのたこ糸Sをとっくり結びで結びつけるためのものである。このとっくり結びとは、1本のたこ糸Sの中間部に2つのループを同じ向きに形成し、後から形成したループ内に柿の実の臍Cを位置させた状態において先に形成したループを後から形成したループの上に重ねて臍Cを両ループ内に位置させ、たこ糸Sを両ループが縮小するように引っ張り、臍Cにたこ糸Sを結びつけるようにした結び方である。
【0019】
前記連結装置2は、柿の実Pの臍Cを着脱自在に把持するためのテーブル機構4を有している。このテーブル機構4は、
図5〜
図7に示すように、円盤状をなすテーブル本体6を有しており、このテーブル本体6の外周縁には、柿の実Pの臍Cを遊挿するための保持部の一例としての4つの凹部8,8…が円周方向において等間隔、すなわち90°ずつの間隔をもって形成されている。
【0020】
前記テーブル本体6の中心部には、上方に延在する回転軸10が突設されている。前記回転軸10の側方には、基板12上に固定されたテーブル用モータ14が設置されており、このモータ14の駆動軸16と前記回転軸10には、プーリ18,20が固着され、両プーリ18,20に巻回されたベルト22により、前記モータ14の駆動が回転軸10に伝達されるようになっている。
【0021】
前記回転軸10の上部には、
図8〜
図11に詳示するように、位置検出円板24が固着されており、この位置検出円板24の外周部には、円周方向において等間隔、すなわち90°ずつの間隔をもって切欠き26,26…が配設されている。一方、この位置検出円板24の近傍には、図示しない発光素子から受光素子への光を検出するフォトセンサ28が設置されており、このフォトセンサ28の発光素子からの光をいずれかの前記切欠き26を介して受光素子が検出すると、前記モータ14の駆動が停止されるようになっている。
【0022】
前記テーブル本体6の上面には、それぞれ前記テーブル本体6の各凹部8に挿入されている柿の実Pの臍Cを凹部8の縁部に押圧して保持するようにばね付勢されている4つのラッチ部材30,30…が円周方向において等間隔、すなわち90°ずつの間隔をもって前記テーブル本体6に嵌着されているボス32にそれぞれ個別に回動しうるように支持されている。各ラッチ部材30の先端部分は、前記テーブル本体6の凹部8に挿入されている臍Cを抱持しうるようにほぼV字状に屈曲されている。
【0023】
前記テーブル本体6の上方には、他の基板34が位置しており、この基板34上には、リリース用モータ36が設置されている。前記リリース用モータ36の駆動軸38は、前記基板34の下方まで延在している。
【0024】
前記基板34の下面の一端部には、
図12〜
図15に示すように、水平方向に延在する支軸40が垂設されており、この支軸40には、コ字状をなすアーム42の平行に延在する2辺42a,42cが揺動自在に支持されている。このアーム42の1辺42aにはその長手方向への延長部が延設されている。一方、フォトセンサ44が前記基板34の下面に設置されており、このフォトセンサ44は図示しない発光素子から受光素子への光を検出するようになっている。そして、前記アーム42の延長部たる遮光部46が発光素子から受光素子への光を遮光すると、前記両モータ14,36が所定のタイミングで駆動されるようになっている。
【0025】
さらに、アーム42の中間の1辺42bには、下方に延在し、前記テーブル本体6の上面近傍まで位置するL字状のセットスイッチレバー48が垂設されている。このセットスイッチレバー48の下端の水平部48aは、前記テーブル本体6のセット位置に臨む凹部8内に柿の実Pの臍Cを遊挿すると、この臍Cによりセットスイッチレバー48が押動されて、このセットスイッチレバー48が回動され、この結果、前記遮光部46がフォトセンサ44の発光素子から受光素子への光を遮光することになる。
【0026】
前記リリース用モータ36の駆動軸38の基板34の下方となる下端部には、リリースアーム50の一端部が駆動軸38と一体に回動しうるように固着されており、このリリースアーム50の長手方向中央部には、下方に突出するピン52が垂設されている。前記リリースアーム50の他端部には、上向きに屈曲された遮光部54が連設されている。
【0027】
前記リリースアーム50の他端部近傍の前記基板34の下面には、他のフォトセンサ56が設置されており、このフォトセンサ56の図示しない発光素子から受光素子への光を前記遮光部54が常時遮光するようになっている。前記リリースアーム50の遮光部54の近傍の前記基板34には、前記リリースアーム50がフォトセンサ56の発光素子から受光素子への光を前記遮光部54が遮光する位置から反時計方向(平面視における時計方向)への回動を拘束するストッパピン58が垂設されている。
【0028】
前記駆動軸38の近傍の前記基板34の下面には、支軸60が垂設されており、この支軸60には、リリースレバー62の長手方向のほぼ中央部が回動自在に支持されている。このリリースレバー62の一端部には、このリリースレバー62を時計方向(平面視における反時計方向)に付勢するコイルばね64が前記基板34に垂設されたピン66との間に介装されている。そして、前記リリースアーム50のピン52に前記コイルばね64の付勢力により当接するリリースレバー62の係合部68がリリースレバー62の一端部に形成されている。このリリースレバー62の他端部の一側には、柿の実Pの臍Cに係合して柿の実Pをテーブル本体6の凹部8から押し出すための押動部材の一例としての押動板70が垂設されている。
【0029】
前記基板34には、さらに他の支軸74が垂設されており、この支軸74には、上下方向において前記リリースアーム50とリリースレバー62との間における前記リリースアーム50の近傍に位置するオープンレバー76の中間部が回動自在に支持されている。このオープンレバー76の一端部には、前記リリースアーム50のピン52が挿通され、前記リリースアーム50の回動に伴ないリリースアーム50と同方向にオープンレバー76を回動させるための直線状の長孔78が形成されている。また、前記オープンレバー76の他端部には、前記複数のラッチ部材30のうち柿の実Pをセットする位置と、柿の実Pを開放する位置とにあるラッチ部材30をテーブル本体6の凹部8から退避するように回動させるための1対の押動ローラ80a、80bがそれぞれ回転自在に垂設されている。
【0030】
さらに、前記リリースレバー76の近傍の前記基板34には、さらに他のフォトセンサ82が設置されている。このフォトセンサ82は、ラッチ部材30が柿の実Pの臍Cを抱持させるためのものであり、このフォトセンサ82の発光素子からの光は、ラッチ部材30がテーブル本体6の凹部8の縁部に柿の実Pの臍Cを押圧するようにして柿の実Pを抱持したときに前記リリースアーム50の遮光部54により受光素子へ到達するのを阻止され、これによりリリース用モータ36の駆動が停止されるようになっている。
【0031】
前記テーブル本体6の近傍にはこのテーブル本体6の凹部8内にラッチ部材30により保持されている柿の実Pから上方に延在する臍Cにたこ糸Sをとっくり結びで結びつけるための巻回機構84が基板86上に設置されている。また、この巻回機構84の近傍の基板86上には、巻回機構84によりたこ糸Sに最初のループを形成する際にたこ糸Sが巻回されるボビン機構88が設置されている。
【0032】
前記巻回機構84は、
図16〜
図19に詳示するように、前記基板86上に複数本の脚部材90,90…を介して主要部を水平部とされた板体92を有している。この板体92上には、前記テーブル本体6の、後述するとっくり結び形成位置における接線方向と平行な水平方向に移動可能とされているX方向テーブル94が前記板体92の両側の直立部間に橋架された1対の平行な水平方向のガイドロッド96、96に移動可能に支持されている。
【0033】
前記板体94の下面には、前記X方向テーブル94を駆動するモータ97が垂設されている。このモータ97とX方向テーブル94とは図示しない伝達機構により接続されており、モータ97の駆動により前記X方向テーブル94がX方向に駆動されるようになっている。
【0034】
前記板体92には、X方向テーブル94の移動位置を検出してモータ97を制御するための1対のフォトセンサ98a、98bがX方向に間隔を隔てて設けられており、X方向テーブル94には、これらのフォトセンサ98a、98bの発光素子から受光素子への光を遮光する遮光部99が設けられている。
【0035】
また、前記X方向テーブル94上には、前記テーブル本体6のとっくり結び形成位置における半径方向となる水平方向に移動可能とされているY方向テーブル100が前記X方向テーブル94の両側の直立部間に橋架された1対の平行な水平方向のガイドロッド102、102に移動可能に支持されている。
【0036】
前記板体92の下面には、前記Y方向テーブル100を駆動する他のモータ103が垂設されている。このモータ103とY方向テーブル100とは図示しない伝達機構により接続されており、モータ103の駆動により前記Y方向テーブル100がY方向に駆動されるようになっている。
【0037】
前記X方向テーブル94には、Y方向テーブル100の移動位置を検出してモータ103を制御するための1対のフォトセンサ104,104bがY方向に間隔を隔てて設けられており、Y方向テーブル100には、これらのフォトセンサ104a、104bの発光素子から受光素子への光を遮光する遮光部105が設けられている。
【0038】
前記Y方向テーブル100の前記テーブル本体6側の先端部には、斜め前方の水平方向に突出するアーム106が突設されており、このアーム106の先端部には、鉛直方向に延在するスリーブ108がアーム106の上下に突出するように支持されている。このスリーブ108は、前記たこ糸Sがとっくり結びのために挿通されるようになっている。このスリーブ108は、前記アーム106の上方より下方に大きく突出しており、このスリーブ108の下端は、前記テーブル本体6の上面より若干上方に位置して、テーブル本体6に当接しないようになっている。
【0039】
前記ボビン機構88は、前記巻回機構84に隣接する前記基板86上に設置されている。このボビン機構88は、
図20〜
図24に詳示するように、鉛直方向に延在するガイドロッド110に沿って鉛直方向に移動可能とされたZ方向テーブル112を有している。また、前記ボビン機構88には、前記Z方向テーブル112を駆動するためのモータ114が設置されている。このモータ114と前記Z方向テーブル112とは図示しない伝達機構を介して接続されており、モータ114の駆動により前記Z方向テーブル112がZ方向に駆動されるようになっている。
【0040】
前記Z方向テーブル112には、1対の平行な水平方向のガイドロッド116,116に沿って前記巻回機構84のY方向テーブル100と同方向の水平方向に移動可能とされたY方向テーブル118が配設されている。前記Z方向テーブル112には、モータ120が設置されており、このモータ120と前記Y方向テーブル118とは、図示しない伝達機構を介して接続されており、モータ120の駆動により前記Y方向テーブル118がY方向に駆動されるようになっている。
【0041】
前記Y方向テーブル118の上部には、たこ糸Sによりとっくり結びを形成する際に最初のループを形成するための平板状のボビン板122が水平方向に延在するように形成されている。前記テーブル本体6側のこのボビン板122には、平面視ほぼU字状の切欠き124が形成されており、この切欠き124の縁部には、たこ糸Sをループ状に巻回するために上方に突出する平面視ほぼU字状のボビン壁126が立設されている。このボビン壁126の中央部の彎曲部126aは、前記切欠き124の細奥部124aにより分断されている。
【0042】
前記ボビン壁126の上方には、このボビン壁126に巻回されたループ状のたこ糸Sの抜け止めをはかるためのシャッタ板128が前記ボビン壁126の上方を被覆する位置と前記ボビン壁126の上方を開放する位置とを取り得るようにスリーブ状支軸129を中心として回動自在に配設されている。このシャッタ板128は、前記支軸129内に配設されている図示しないコイルばねにより平面視時計方向に付勢されている。そして、このシャッタ板128は、ばね付勢されても図示しないストッパにより前記ボビン壁126を被覆する位置において停止するようになっている。
【0043】
前記シャッタ板128には、テーブル本体6側の先端部に中央開口128Aが形成されており、この中央開口128A内には、前記ボビン機構88のZ方向テーブル112に固定的に突設されている解除爪部材130が臨むようになっている。この解除爪部材130は、前記Y方向テーブル118のテーブル本体6に対する接離方向(Y方向)の移動に伴ない、前記シャッタ板128の中央開口132内において前後方向に相対位置がずれることになる。
【0044】
また、前記Z方向テーブル112には、前記Y方向テーブル118がX方向テーブル94から上方に離間してY方向移動をする際にそのガイドするためのガイドフォロワ131が回転自在に支持されている。さらに、前記基板86には、前記Y方向テーブル118のY方向への移動状態を検知して、このY方向への移動を制御する2つのフォトセンサ132a,132bがY方向に間隔を隔てて立設されており、前記Y方向テーブル118には、いずれか一方のフォトセンサ132aまたはフォトセンサ132bの発光素子から受光素子への光を遮断する遮光板133が取付けられている。
【0045】
また、前記Y方向テーブル118には、前記Z方向テーブル112のZ方向への移動状態を検知して、このZ方向への移動を制御する2つのフォトセンサ134a、134bがY方向に間隔を隔てて立設されており、前記Z方向テーブル112には、いずれか一方のフォトセンサ134aまたはフォトセンサ134bの発光素子から受光素子への光を遮断する遮光板135が取付けられている。
【0046】
前記巻回機構84のY方向テーブル100上には、このY方向テーブル100上にアーム106を介して固定されているスリーブ108に挿通されるたこ糸Sをガイドするためのガイドプーリ136が回転自在に支持されており、このガイドプーリ136の上流側の前記基板86上には、前記スリーブ108に供給されるたこ糸Sに適度の張力を付与するためのテンション機構138が設置されている。なお、前記巻回機構84上には、たこ糸Sのための他の少なくとも1つのガイドプーリを設けることも可能である。
【0047】
前記テンション機構138は、
図24〜
図27に詳示するように、前記基板86上に立設されている支持板140を有している。この支持板140の表面には、たこ糸Sを図示しない供給元から繰り出すための駆動プーリ142が取付けられており、この支持板140の背面には、前記駆動プーリ142を回転駆動するためのモータ144が取付けられている。また、前記駆動プーリ142には、たこ糸Sを挟持する従動プーリ146が押圧されている。なお、前記モータ144は、前記駆動プーリ142をたこ糸Sにさらに張力を与える逆方向にも回転させうるようになっている。
【0048】
また、前記駆動プーリ142および従動プーリ146間から駆動プーリ142の駆動により供給されるたこ糸Sに張力を付与するためのテンションプーリ148が配設されている。このテンションプーリ148は、前記支持板140の表面において前記駆動プーリ142の近傍位置から駆動プーリ142の下方に離間する約60°の範囲だけ揺動自在となるように支持板140に支持された揺動アーム150に回転自在に支持されている。なお、前記駆動プーリ142の近傍の前記支持板14の表面には、前記揺動アーム150に当接してこの揺動アーム142のテンションプーリ148側における前記範囲外への揺動を拘束するストッパ152が取付けられている。
【0049】
前記揺動アーム150の揺動範囲のほぼ両端部となる部位の前記支持板140には、それぞれフォトセンサ154aとフォトセンサ154bが取付けられている。一方、前記揺動アーム150には、揺動アーム150が可動範囲の端部に達したことを、いずれかのフォトセンサ154a、154bの発光素子から受光素子への光を遮断して検出する遮光板156a、156bが取付けられている。これらの遮光板156a、156bは、たこ糸Sをスリーブ108方向に繰り出したり、とっくり結びを強固にするためにたこ糸Sに緊張させたりする際にいずれかのフォトセンサ154a、154bの発光素子からの光を遮断して各モータの駆動を制御するために用いられる。
【0050】
前記揺動アーム150が揺動範囲における最下位置にあるときにたこ糸Sは最大長さ引き出された状態となり、とっくり結びを形成する際には、この引き出されていたたこ糸Sを使用するすることになるため、揺動アーム150が上向きに揺動して最終的にはストッパ152に当接して停止することになる。
【0051】
なお、前記支持板140には、前記巻回機構84のY方向テーブル118上の前記ガイドローラ136にたこ糸Sを安定的に送るためのガイドローラ158が回転自在に取付けられている。
【0052】
1本のたこ糸Sに順次とっくり結びされて連結された柿の実Pの数が吊すのに適した所定数(一例として20個)になったら、たこ糸Sを切断して、つぎの所定数連結された柿の実Pを形成する。このための切断機構160が前記テーブル本体6に臨むようにテーブル本体6の近傍に設置されている。
【0053】
この切断機構160は、
図28〜
図31に示すように、に示すように、ポストホルダ162に揺動自在に中間部を枢支されているカッタアーム164を有しており、このカッタアーム164の先端部には、下向きに刃が形成されているカッタ166が突設されている。このカッタ166は、通常、たこ糸Sの通過経路の上方に位置しており、カッタアーム164の揺動に伴って下降することによりたこ糸Sを切断するようになっている。
【0054】
前記カッタアーム164の基端部の近傍には、モータ168が配設されており、このモータ168には、クランクアーム170を介して前記カッタアーム164の基端部が接続されている。したがって、前記モータ168の駆動により前記カッタ166が下降するようにカッタアーム164が揺動し、カッタ166によりたこ糸Sが切断されることになる。
【0055】
前記切断機構160には、カッタアーム164の揺動位置を検出して、モータ168の駆動を制御するフォトセンサ172が設けられており、前記クランクアーム170の下端部に一体形成された遮光板174がフォトセンサ172の発光素子から受光素子への光を遮光してカッタアーム164の位置を検出するようになっている。
【0056】
前記テーブル本体6には、カッタ166がたこ糸Sを切断するときの逃げとなる長孔176が相互に90度ずつ間隔を隔てて形成されている。
【0057】
前記各モータ14、97、103、114、120、144、168および各フォトセンサ28、44、56、82、98a、98b、104a、104b、134a、134b、154a、156a、156b、172は、それぞれ連結装置の図示しないCPU(中央処理装置)に接続されており、CPUにより所定の動作がなされるようになっている。また、本発明の連結装置2には、図示しない操作パネルが設けられており、この操作パネルを操作することにより、連結される柿の実Pの数やその他の条件を設定するようになっている。
【0058】
つぎに、前述した実施形態の作用について説明する。なお、最初の動作は、その後の動作とは異なる特殊な動作を含んでいる。
【0059】
1本のたこ糸Sに順次とっくり結びされて連結された柿の実P(いわゆる「柿のれん」)を形成するためには、まず、テンション機構138の駆動プーリ142および従動プーリ146間、テンションプーリ148、巻回機構84のガイドプーリ136などに掛け回したたこ糸Sを巻回機構84のスリーブ108の上端から下端に挿通させる。そして、たこ糸Sの先端部を、結び形成位置より下流側の方向となる斜め方向に位置する支柱(図示せず)に巻回し、その先端を人が保持しておく。このような状態において、柿の実Pの臍Cをセット位置に臨むテーブル本体6の凹部8内に遊挿する。このとき、テーブル本体6の他のいずれの凹部8にも柿の実Pの臍Cはセットされていない。
【0060】
このようにして、柿の実Pの臍Cをセット位置に臨むテーブル本体6の凹部8内に遊挿すると、柿の実Pの臍Cがセットスイッチレバー48を押動して揺動させ、この結果、セットスイッチレバー48と一体の遮光部46がフォトセンサ44の発光素子から受光素子への光を遮光する。そして、この遮光によりリリース用モータ36が駆動されてラッチ部材30がセット位置にある柿の実Pの臍Cを抱持するように回動する。このラッチ部材30の回動は、前記遮光部46がフォトセンサ44の発光素子から受光素子への光を遮光することにより停止される。このリリース用モータ36の駆動が停止されるタイミングで、モータ14が駆動され、テーブル本体6が90度回動され、柿の実Pは結び形成位置に移送される。前記モータ14は、位置検出円板24の切欠き26をフォトセンサ26が検出することにより駆動を停止される。
【0061】
このようにして、セット位置にある柿の実Pが結び形成位置に移送されると、巻回機構84のX方向テーブル94とY方向テーブル100を、それぞれを移動させるモータ98、104を同時あるいは選択的に駆動して、まず、
図32Aに示すように、ボビン機構88のボビン壁126にたこ糸Sを巻回する。
【0062】
その後、
図32Bに示すように、巻回機構84のX方向テーブル94をスリーブ108がシャッタ板128を押動させるようにX方向に移動させる。すると、巻回機構84のスリーブ108がシャッタ板128をばねに抗して押動させるようにしてボビン壁126の彎曲部126aに沿ってたこ糸Sを延在させる。
【0063】
さらに、巻回機構84のY方向テーブル100をテーブル本体6に近接するY方向に移動させるようにして、
図32Cに示すように、巻回機構84の近傍のボビン壁126の他辺に沿ってたこ糸Sを延在させる。その後、スリーブ108を柿の実Pの臍Cの側方に沿って通過させ、たこ糸Sを臍Cの側方に延在させる。このとき、前記シャッタ板128は、スリーブ108が外れると、ばねの作用によりボビン機構88のY方向テーブル118上に位置することになる。
【0064】
つぎに、巻回機構84のX方向テーブル94をスリーブ108がシャッタ板128を押動させる方向とは逆方向となるX方向に移動させる。すると、
図32Dに示すように、たこ糸Sが柿の実Pの臍Cの外周に巻き付きはじめる。
【0065】
その後、巻回機構84のY方向テーブル100をテーブル本体6のほぼ半径方向外方のY方向に移動させるようにして、
図32Eに示すように、たこ糸Sを柿の実Pの臍Cに巻回させる。
【0066】
さらに、前記柿の実Pの臍Cの近傍において、再度、巻回機構84のX方向テーブル94をスリーブ108がシャッタ板128を押動させるようにX方向に移動させる。すると、
図32Fに示すように、たこ糸Sを柿の実Pの臍Cにさらに巻回させる。
【0067】
その後、
図32C、Dと同様の方向に、巻回機構84のY方向テーブル100およびX方向テーブル94を移動させて、
図32Gに示すように、たこ糸Sを柿の実Pの臍Cに完全に1周巻回させる。このとき、スリーブ108は、柿の実Pの臍Cから大きく離間して、柿の実Pのセット位置の近傍に位置している。
【0068】
前述した動作中、シャッタ板128は、スリーブ108に押動されないときには、ばねの作用によりボビン壁126の上方に位置しており、ボビン壁126に巻回されているたこ糸Sが上方に抜けないための抜け止めの役割を果たすようになっている。
【0069】
また、前述したようにしてたこ糸Sがテンション機構138から繰り出されているが、前記揺動アーム150が揺動範囲における最下位置にあるときにたこ糸Sは最大長さ引き出された状態となり、前述したように、とっくり結びを形成する際には、この引き出されていたたこ糸Sを使用するすることになるため、揺動アーム150が上向きに揺動して最終的にはストッパ152に当接して停止することになる。
【0070】
つぎに、柿の実Pの臍Cの周囲にとっくり結びを形成するためボビン壁126の外周に形成したたこ糸Sの第1のループを柿の実Pの臍Cに形成したたこ糸Sの第2のループ上に重積する必要がある。
【0071】
このためには、ボビン機構88のZ方向テーブル112を上昇させて、ボビン壁126の外周に形成したたこ糸Sの第1のループが柿の実Pの臍Cに形成した第2のループより鉛直方向上方に位置させる。この状態において、ボビン機構88のY方向テーブル118を、
図32Hに示すように、テーブル本体6の上方に前進させ、ボビン機構88のボビン壁126を柿の実Pの臍Cの直上に位置させる。
【0072】
そして、ボビン機構88のY方向テーブル118を下降して、ボビン機構88のたこ糸Sが巻回されているボビン壁126を柿の実Pの臍Cの外周に位置させる。その後、ボビン機構88のY方向テーブル118を、
図32Iに示すように、テーブル本体6の上方から後退させる。すると、解除爪部材134が、ボビン壁126の外周に巻回されているたこ糸Sをボビン壁126の上方に逃がし、この結果、テンション機構138により緊張されているたこ糸Sは、柿の実Pの臍Cの外周において絞られ、この臍Cの周囲においてとっくり結びが形成される。
【0073】
前記テンション機構136は、柿の実Pの臍Cの外周にたこ糸Sによるとっくり結びが形成される間、前述したように、テンションプーリ148を駆動プーリ142および従動プーリ146に近接する方向に揺動させるようにしてテンションプーリ148に巻回されて屈曲されていたたこ糸Sを直線状に伸長するようにして使用し、最終的には、駆動プーリ142を従動プーリ146とともにたこ糸Sを巻取る方向に回転して、柿の実Pの臍Cの外周にたこ糸Sによるとっくり結びを強固なものにするようになっている。
【0074】
前述するようにして1個目の柿の実Pの臍Cの外周にたこ糸Sによるとっくり結びが形成されたら、2個目の柿の実Pの臍Cをセット位置に臨むテーブル本体6の凹部8内に遊挿する。すると、この2個目の柿の実Pの臍Cがセットスイッチレバー48を押動して、前述したと同様に、ラッチ部材30がセット位置にある柿の実Pの臍Cを抱持したうえで、テーブル本体6が回動してセット位置にある柿の実Pを結び形成位置に移送させる。
【0075】
セット位置にある2個目の柿の実Pが結び形成位置に移送されると、巻回機構84のスリーブ108には、この段階では、すでにたこ糸Sが挿通されているので、巻回機構84、ボビン機構88およびテンション機構138が相互に関連動作して、前述したように結び形成位置にある柿の実Pの臍Cにたこ糸Sによりとっくり結びを形成する。
【0076】
このとき、さきほどたこ糸Sによるとっくり結びが形成され1個目の柿の実Pは、結び形成位置から90度先行した位置にある。
【0077】
つぎに、3個目の柿の実Pの臍Cをセット位置に臨むテーブル本体6の凹部8内に遊挿する。すると、この3個目の柿の実Pの臍Cがセットスイッチレバー48を押動して、前述したと同様に、ラッチ部材30がセット位置にある柿の実Pの臍Cを抱持したうえで、テーブル本体6が回動してセット位置にある柿の実Pを結び形成位置に移送させる。
【0078】
セット位置にある3個目の柿の実Pが結び形成位置に移送されるのと同時に、1個目の柿の実Pは解放位置に到達し、この解放位置において、柿の実Pの臍Cを抱持しているラッチ部材30はリリース用モータ36の駆動により、柿の実Pの臍Cを解放する。このとき、3つの柿の実Pの臍Cは1本のたこ糸Sにより順次連結されているので、柿の実Pの臍Cを解放しても、テーブル本体6の凹部8から柿の実Pの臍Cが脱落して落下することはない。
【0079】
このような状態において、リリース用モータ36の駆動によりリリースレバー62が従動されてその押動板70が1個目の柿の実Pの臍Cを払うようにしてテーブル本体6の凹部8から外部に押し出し、所定の収容場所に貯留する。
【0080】
つぎに、4個目の柿の実Pの臍Cをセット位置に臨むテーブル本体6の凹部8内に遊挿する。このようにして、1本のたこ糸Sにより順次とっくり結びされて連結されている柿の実Pが最初に設定した所定数に達したら、切断機構160のモータ168が駆動されて、テーブル本体6の解放位置に位置している柿の実Pからテーブル本体6の他の凹部8に臍Cが位置しとっくり結びされている他の柿の実Pの方向に延在するたこ糸Sをカッタ164により切断する。
【0081】
たこ糸Sを切断され他の凹部8に臍Cが位置し、とっくり結びされている他の柿の実Pは、次回の第1個目の柿の実となる。
【0082】
前述した実施形態によれば、セット位置にあるテーブル本体6の凹部8に柿の実Pの臍Cをセットするのを人手により行うだけで、あらかじめ設定した数の柿の実Pを1本のたこ糸Sにとっくり結びで強固に連結することができるので、1本のたこ糸Sのみで複数個の柿の実Sを簡単に連結することができる。
【0083】
なお、前述した実施形態においては、柿の実を1本のたこ糸Sによりとっくり結びで順次連結するように説明したが、本発明の連結装置によれば、臍のあるその他の果実、あるいは、臍状の軸部を上部に有する他の物品を順次連結することが可能である。