特許第6223846号(P6223846)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223846
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 39/04 20060101AFI20171023BHJP
   H01F 6/04 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   H01L39/04
   H01F6/04ZAA
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-20404(P2014-20404)
(22)【出願日】2014年2月5日
(65)【公開番号】特開2015-149344(P2015-149344A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2016年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】鶴留 武尚
【審査官】 棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−291631(JP,A)
【文献】 特開平02−218184(JP,A)
【文献】 特開2008−192848(JP,A)
【文献】 実開平06−007075(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 39/04
H01L 39/18
H01F 6/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を冷却するための冷凍機と、
前記冷凍機に対して主要部が熱的に接続し、一の方向に延びる略柱状の第1伝熱部と、
前記第1伝熱部の前記主要部に対してその一部が一方側の端部で熱的に接続し、その径が前記第1伝熱部よりも小さく前記試料を収容可能な第2伝熱部と、
を含んで構成されるクライオスタットと、
前記第2伝熱部を挿入するための開口が形成された磁場発生部と、
を備える冷却装置であって、
前記第2伝熱部は、一方側の端部において外方に突出するフランジ部を有し、
前記第1伝熱部の前記一方側の端面と前記フランジ部とを互いに固定することで前記第1伝熱部と前記第2伝熱部とを連結する連結部が形成され、
前記連結部が前記磁場発生部上に載置される冷却装置。
【請求項2】
前記フランジ部は、その外径が前記第1伝熱部の外径と略同一となるように形成されている請求項1記載の冷却装置。
【請求項3】
前記連結部には、前記磁場発生部と当接する位置に弾性部材が設けられている請求項1又は2記載の冷却装置。
【請求項4】
前記第1伝熱部の前記一方側の端面は平坦であり、前記フランジ部の外周側において前記フランジ部と前記第1伝熱部の前記一方側の端面とを締結し、その端部がフランジ部から突出しない締結部材によって、前記第1伝熱部の前記一方側の端面と前記フランジ部とを互いに固定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記一の方向とは異なる方向への前記第1伝熱部の移動を規制するための規制部材を更に備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍機冷却型のクライオスタット(極低温真空容器)として、例えば図4に示す構造の装置が知られている。図4に示すクライオスタット5では、GM冷凍機の第1段冷却シリンダC1及び第2段冷却シリンダC2が真空容器100内の真空領域とは隔絶されたスリーブ7の内部に挿入されている。
【0003】
第1段スリーブ7aと第2段スリーブ7bとを含んで構成されるスリーブ7のうち、第1段スリーブ7aの下端における第1段コールドヘッドH1に対しては、第1段冷却フランジF1が熱接触している。第1段冷却フランジF1には、真空容器100における熱シールド容器106の天板部が伝熱可能に取り付けられている。また、第2段スリーブ7b内の第2段冷却シリンダC2の先端に設けられた第2段コールドヘッドH2に対して熱接触する第2段冷却フランジF2に真空容器100内の被冷却物Tが伝熱的に接触することで、被冷却物Tが冷却される。
【0004】
このようなクライオスタット5は、磁場中に被冷却物Tを配置して種々の評価を行う場合に用いられることがある。この場合、被冷却物Tに対して印加する磁場を生成する磁場発生部を被冷却物Tの近傍に配置することがある。図4では、クライオスタット5の被冷却物Tの周囲に磁場を生成する環状コイルCLを被冷却物Tの周囲に配置した場合の配置例を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−123313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図4に示すクライオスタット5では、磁場発生部の配置に対してクライオスタット5が背高になるため、クライオスタット5を安定して支持する構造が望まれる。ここで、例えばクライオスタット5を支持するための部材等を新たに設けることも考えられるが、クライオスタットを安定に取り付けるための工程数又は部品数が増加し、作業性が低下する可能性がある。
【0007】
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、より簡単な構造で安定して設置することが可能な冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る冷却装置は、試料を冷却するための冷凍機と、前記冷凍機に対して主要部が熱的に接続し、一の方向に延びる略柱状の第1伝熱部と、前記第1伝熱部の前記主要部に対してその一部が一方側の端部で熱的に接続し、その径が前記第1伝熱部よりも小さく前記試料を収容可能な第2伝熱部と、を含んで構成されるクライオスタットと、前記第2伝熱部を挿入するための開口が形成された磁場発生部と、を備える冷却装置であって、前記第2伝熱部は、一方側の端部において外方に突出するフランジ部を有し、前記第1伝熱部の前記一方側の端面と前記フランジ部とを互いに固定することで前記第1伝熱部と前記第2伝熱部とを連結する連結部が形成され、前記連結部が前記磁場発生部上に載置されることを特徴する。
【0009】
上記の冷却装置によれば、第1伝熱部の一方側の端面と第2伝熱部のフランジ部とが互いに固定された連結部が磁場発生部と当接する状態でクライオスタットが磁場発生部上に載置される。ここで、第2伝熱部に対して第1伝熱部の径が大きいため、磁場発生部において、連結部を介して冷凍機、第1伝熱部及び第2伝熱部による荷重を安定して受けることができるため、クライオスタットを含む冷却装置を安定して設置することができる。また、第1伝熱部と第2伝熱部との連結部の構造を従来の構成から変更するのみであり、より簡単な構造で冷却装置の安定性を高めることができる。
【0010】
ここで、前記フランジ部は、その外径が前記第1伝熱部の外径と略同一となるように形成されている態様とすることができる。
【0011】
このように、フランジ部の外径を第1伝熱部の外径と略同一となるようにフランジ部の外径を大きくすることで、磁場発生部上に載置されたクライオスタットの安定性を更に高めることができる。
【0012】
また、前記連結部には、前記磁場発生部と当接する位置に弾性部材が設けられている態様とすることができる。
【0013】
磁場発生部と当接する位置に弾性部材が設けられていることで、磁場発生部上に連結部を載置する場合の衝撃を緩和することができると共にクライオスタットの安定性を更に高めることができる。
【0014】
前記第1伝熱部の前記一方側の端面は平坦であり、前記フランジ部の外周側において前記フランジ部と前記第1伝熱部の前記一方側の端面とを締結し、その端部がフランジ部から突出しない締結部材によって、前記第1伝熱部の前記一方側の端面と前記フランジ部とが互いに固定されている態様とすることができる。
【0015】
締結部材によって第1伝熱部の一方側の端面とフランジ部とが互いに固定されていて、且つ締結部材の端部はフランジ部よりも突出しない形状とすることで、締結部材によって第1伝熱部と第2伝熱部とをより確実に固定することができると共に締結部材が磁場発生部に対して当接することなくクライオスタットを安定して載置することができる。
【0016】
また、前記一の方向とは異なる方向への前記第1伝熱部の移動を規制するための規制部材を更に備える態様とすることができる。
【0017】
この場合、第1伝熱部の一の方向とは異なる方向への移動が規制されるため、第1伝熱部を含むクライオスタットの安定性が更に向上する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、より簡単な構造で安定して設置することができる冷却装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る冷却装置の概略構成図である。
図2】クライオスタットの第2伝熱部側の拡大図である。
図3】クライオスタットの第1伝熱部と第2伝熱部との連結部の構造を説明する図である。
図4】従来の冷却装置の構造を説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る冷却装置1の概略構成図である。また、図2は、冷却装置1のうち、クライオスタット2の第2伝熱部20側の拡大図である。また、図3は、冷却装置1の第1伝熱部10と第2伝熱部20との連結部の構造を説明する図である。
【0022】
冷却装置1は、冷凍機冷却型のクライオスタット(極低温真空容器)2及び磁場発生部80を含んで構成される。クライオスタット2は、GM冷凍機3と、GM冷凍機3の下部に連結された第1伝熱部10と第2伝熱部20とを含んで構成されている。第1伝熱部10及び第2伝熱部20は、それぞれ外径が円柱状であり、軸線Xに沿って上下方向にGM冷凍機3、第1伝熱部10及び第2伝熱部20がこの順に連結されている。第1伝熱部10及び第2伝熱部20は被冷却物である試料Sを収容する真空容器としても機能する。
【0023】
GM冷凍機3は、2段式ギフォード・マクマホン(G−M:GiffordMacMahone)サイクルを用いた冷凍機であり、第1ステージでは約40K程度まで冷却可能であり、試料Sの周囲に設けられる輻射シールド等の冷却に用いられる。また、第2ステージは、約4K程度まで冷却可能であり、試料Sの冷却に用いられる。
【0024】
本実施形態に係るクライオスタット2では、第1ステージのコールドヘッド及び第2ステージのコールドヘッドを含む主要部が第1伝熱部10の本体部11内に収容されると共に試料Sは第2伝熱部20の本体部21内に収容される。そして、GM冷凍機3と第1伝熱部10の主要部とは熱的に接続される。
【0025】
第1伝熱部10及び第2伝熱部20は、それぞれ略円柱状をなしている。また、第1伝熱部10の本体部11の径は第2伝熱部20の本体部21の径よりも大きく、軸線X方向下側から見たときに、第2伝熱部20の本体部21に対して第1伝熱部10の下端面15が外方に突出している。第2伝熱部は、略円柱状の本体部21と、本体部21の上端に形成された本体部21よりも径が大きいフランジ部22とを含んで構成され、第1伝熱部10の下端面15に対してフランジ部22が固定されることで、第1伝熱部10と第2伝熱部20とが連結されている。第1伝熱部10と第2伝熱部20とを連結する連結部についての構成は後述する。
【0026】
また、冷却装置1においては、試料Sの周囲に磁場を生成する磁場発生部80が第2伝熱部20の周囲に設けられる。円環状をなし軸線Xに沿った開口81を備える磁場発生部80は、例えば、真空容器に封入され、軸線Xを中心にして配置された円環状の超電導コイル82を含んで構成される。開口81は、その径が、第2伝熱部20の本体部21よりも大きく、第1伝熱部10の本体部11よりも小さくされている。
【0027】
磁場発生部80は、図示しない冷却手段によって冷却されて超電導状態とされた超電導コイル82に対して電流を流すことにより、強力な磁場を発生させることができる。高磁場環境下において試料Sを冷却するために、第2伝熱部20は、磁場発生部80の開口81に挿入される。このとき、図1に示すように、第1伝熱部10の下端面15と第2伝熱部20のフランジ部22とを含んで構成される連結部30が磁場発生部80の上面84に当接した状態となる。すなわち、磁場発生部80の上面84がクライオスタット2を載置する載置面となり、クライオスタット2の上下方向の座屈荷重は磁場発生部80の上面84によって支持される。
【0028】
また、第1伝熱部10の上端側には、第1伝熱部10の本体部11から外方に突出した本体部11よりも径が大きなフランジ部12が設けられる。図1に示すように、第1伝熱部10の本体部11に対応する開口61を有すると共にクライオスタット2を磁場発生部80の上面84に載置した際にフランジ部12と当接する規制部材60を磁場発生部80とは別に設けることで、クライオスタット2の水平方向の移動を規制する構成とすることができる。
【0029】
次に、クライオスタット2の内部について、図2を参照しながら説明する。上述したように、GM冷凍機3の第1ステージのコールドヘッド及び第2ステージのコールドヘッドを含む主要部が第1伝熱部10の本体部11内に収容される。第2伝熱部20の本体部21内には、第2ステージのコールドヘッドに対して熱的に接続して試料Sを冷却すると共に試料Sへの通電を行う棒状の冷却部材25が第1伝熱部10内から軸線Xに沿って延び、冷却部材25の下端部27に試料Sが吊り下げられる状態で試料Sが第2伝熱部20内に収容される。
【0030】
第2伝熱部20内では試料Sの周囲には略円筒状の輻射シールド40が設けられる。輻射シールド40は、第2伝熱部20の下端側にも試料Sの下端側を覆うように配置されている。輻射シールド40は、第1伝熱部10内の第1ステージのコールドヘッドと熱的に接続し、約40K程度まで冷却される。
【0031】
ここで、図2及び図3を参照しながら、第1伝熱部10と第2伝熱部20との間の連結部30について説明する。連結部30では、第2伝熱部20のフランジ部22が第1伝熱部10の下端面15に対してネジ(締結部材)37によって固定され、フランジ部22が第1伝熱部10の下端面15に連結した状態で磁場発生部80の上面84に載置される。このとき、第2伝熱部20は磁場発生部80等によって支持されていない(図1参照)。したがって、すなわち、第1伝熱部10及び第2伝熱部20を含むクライオスタット2の座屈荷重が全て第1伝熱部10の下端面15及び下端面15と連結された第2伝熱部20のフランジ部22にかかる。
【0032】
ここで、第1伝熱部10の本体部11の径が第2伝熱部20の本体部21の径に対して十分に大きくされているので、クライオスタット2の座屈荷重をより広い面で受けることができ、単位面積当たりの過重負荷を低減することができる。また、第1伝熱部10の下端面15及び第2伝熱部上下方向に長いクライオスタット2を安定して支持することができる。
【0033】
フランジ部22の上面側(第1伝熱部10との接続面側)は平坦面とされている。これによって、第1伝熱部10からの荷重をフランジ部22全面で受けることができる。また、フランジ部22の下面側(本体部21側)も平坦面とされていることで、連結部30における単位面積当たりの過重負荷を低減することができる。
【0034】
また、第2伝熱部20のフランジ部22は、その外径が第1伝熱部10の本体部11の外径と略同一とされている。これにより、フランジ部22によって第1伝熱部10からの荷重をより大きな面積で受けることができる。
【0035】
また、ネジ止め固定する位置は、フランジ部22の外周側であることが好ましく、固定後のネジ37の下端は、フランジ部22の下面側表面よりも上方であることが好ましい。これにより、ネジ37がクライオスタット2の荷重を受けることを防止することができる。
【0036】
更に、連結部30では、フランジ部22の外周よりも外側であって第1伝熱部10の本体部11の下端面15には、弾性部材32が取り付けられている。弾性部材32は、クライオスタット2を磁場発生部80上に載置した際に、磁場発生部80の上面84と当接する位置に設けられる。これによって、磁場発生部80との当接による衝撃を緩和すると共に、クライオスタット2の安定性を向上させることができる。したがって弾性部材32は、第1伝熱部10の本体部11の外周側に設けられることが好ましい。弾性部材32は、ネジ止め又は接着等の種々の方法で取り付けることができる。また、弾性部材32は、外力が作用していない状態では、フランジ部22の下面側表面よりも下方に突出していることが好ましい。弾性部材32としては、クライオスタット2の第1伝熱部10及び第2伝熱部20を構成する材料よりもヤング率が低い材料を用いることができ、例えばゴムや樹脂が好適に用いられる。
【0037】
以上のように、上記の冷却装置1によれば、第1伝熱部10の下端面15と第2伝熱部20のフランジ部22とが互いに固定された連結部30が磁場発生部80と当接する状態で、クライオスタット2が磁場発生部80上に載置される。ここで、第2伝熱部20に対して第1伝熱部10の径が大きいため、連結部30を介してGM冷凍機3、第1伝熱部10及び第2伝熱部20による荷重を磁場発生部80が安定して受けることができるため、クライオスタット2を含む冷却装置1を安定して設置することができる。また、従来のクライオスタットの場合の場合には安定性を高めるために支持部材等を用いる必要があったが、より簡単な構造で冷却装置の安定性を高めることができる。
【0038】
また、フランジ部22の外径と第1伝熱部10の本体部11の外径とが略同一となるようにフランジ部22の外径を大きくされている。したがって、磁場発生部80上に載置されたクライオスタット2の安定性を更に高めることができる。
【0039】
また、連結部30には、磁場発生部80と当接する位置に弾性部材32が設けられている。これにより、磁場発生部80上に連結部30を載置する場合の衝撃を緩和することができると共にクライオスタット2の安定性を更に高めることができる。なお、弾性部材32は、第1伝熱部10の下端面15側に取り付ける必要はなく、フランジ部22上に設ける態様としてもよい。
【0040】
また、第1伝熱部10の下端面15は平坦であり、フランジ部22の外周側においてネジ37によって締結される。また、ネジ37の端部がフランジ部22から突出しない構造となっている。これにより、第1伝熱部10と第2伝熱部20とをより確実に固定することができると共にネジ37と磁場発生部80とが当接することを防止できるため、クライオスタット2を安定して載置することができる。
【0041】
また、冷却装置1では、規制部材60によって、第1伝熱部10の上側で第1伝熱部10の水平方向の移動が規制されている。このように、軸線X方向とは異なる方向への移動を規制する規制部材60を備えることで、第1伝熱部10を含むクライオスタット2の安定性が更に向上する。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態のクライオスタット2では、第1伝熱部に2段分のコールドヘッドが収容されて、第2伝熱部20には試料Sが収容されている構成とされていたが、この構成には限定されない。また、第1伝熱部10及び第2伝熱部20は、それぞれ外形が円柱状である場合について説明した。しかしながら、第1伝熱部10は略柱状であればよく特に限定されない。また、第2伝熱部20については特に形状は限定されない。
【0043】
また、磁場発生部80の構成は上記実施形態に限定されず、例えば超電導コイルの数等適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0044】
1…冷却装置、2…クライオスタット、3…GM冷凍機、10…第1伝熱部、20…第2伝熱部、22…フランジ部、30…連結部、40…輻射シールド、60…規制部材、80…磁場発生部。

図1
図2
図3
図4