(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るスラスト軸受装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0013】
以下の実施例では、本実施例にかかるスラスト軸受装置が、軸受ユニットが過給機の回転軸を支持する場合として説明する。なお、スラスト軸受装置が支持する機器は、過給機に限定されず、ガスタービンや、発電機、圧縮機、エンジン等、各種回転機械の軸受装置として用いることができる。
【0014】
図1は、スラスト軸受装置の一実施例を備える過給機の概略構成を示す模式図である。過給機1は、排気ターボ過給機であり、
図1に示すように、タービン部2と、コンプレッサ部3と、タービンシャフト4と、軸受ユニット5と、を備える。
【0015】
タービン部2は、内燃機関(図示せず)から導かれた排気ガスによって駆動されるものである。タービン部2は、タービンケーシング21を有している。タービンケーシング21は、外周部に、渦巻状に形成されたスクロール22が形成されている。このスクロール22は、内燃機関の排気側に接続される。また、スクロール22の中心部には、輻流型のタービンロータ23が配置されている。タービンロータ23は、タービンシャフト4に固定され、タービンシャフト4と共にタービンシャフト4の軸心廻りに回転可能に設けられている。また、タービンケーシング21は、軸方向の一方の端部側の径方向外側の面に、内燃機関(図示せず)から導かれた排気ガスが供給される給気管が接続される排気ガス入口24が設けられている。また、タービンケーシング21は、コンプレッサ3と対面している面の径方向外側の面、つまりタービンケーシング21の軸方向の他方の端部側の径方向外側の面に、排気管(図示せず)が接続される排気ガス出口25が設けられている。
【0016】
コンプレッサ部3は、タービン部2の駆動に伴って駆動されて内燃機関に外気を圧送する。コンプレッサ部3は、コンプレッサハウジング31を有している。コンプレッサハウジング31は、外周部に、渦巻状の空気通路32が形成されている。この空気通路32は、内燃機関の給気側に接続される。また、空気通路32の中心部には、コンプレッサ33が配置されている。コンプレッサ33は、タービンシャフト4の一端に固定され、タービンシャフト4と共にタービンシャフト4の軸心廻りに回転可能に設けられている。また、コンプレッサハウジング31は、軸方向の一方の端部側の径方向外側の面に、給気管(図示せず)が接続される空気入口34が設けられている。また、コンプレッサハウジング31は、タービン2と対面している面の径方向外側の面、つまりコンプレッサハウジング31の軸方向の他方の端部側の径方向外側の面に、圧縮した空気を内燃機関に供給する給気管が接続された空気出口35が設けられている。
【0017】
タービンシャフト(回転軸)4は、タービン部2とコンプレッサ部3とに連結されており、タービン部2の回転をコンプレッサ部3に伝達する。これにより、タービン部2の回転部(タービンロータ23)とコンプレッサ部3の回転部(コンプレッサ33)とが一体で回転する。
【0018】
軸受ユニット5は、タービン部2とコンプレッサ部3との間に介在し、タービンシャフト4をタービンケーシング21及びコンプレッサ33に対して、回転自在に支持している。軸受ユニット5は、ジャーナル軸受装置51と、スラスト軸受装置52と、を有する。ジャーナル軸受装置51と、スラスト軸受装置52と、は、過給機1のケーシング(タービンケーシング21及びコンプレッサハウジング31と一体で固定されている部分)に固定されている。
【0019】
ジャーナル軸受機構51は、過給機1のケーシングに固定されており、タービンシャフト4の径方向の荷重を受け、ケーシングに対するタービンシャフト4の径方向の移動を規制する。
【0020】
スラスト軸受装置52は、ケーシングに固定されており、タービンシャフト4の軸方向の荷重を受け、ケーシングに対するタービンシャフト4の軸方向の移動を規制する。
スラスト軸受装置52は、回転軸をスラスト方向(回転軸の軸方向)に支持する機構であり、ケーシングと回転軸との間に配置されている。
【0021】
次に、
図1に加え、
図2を用いて、スラスト軸受装置について説明する。
図2は、本実施例のスラスト軸受装置の概略構成を示す断面図である。スラスト軸受装置52は、軸受ユニット72と、給油装置74と、回転検出装置75と、制御装置76と、を有する。軸受ユニット72は、
図2に示すように、タービンシャフト4のスラストカラー70a、70bの軸方向の端面の両方と対面する2つのスラスト軸受100a、100bと、スラスト軸受100a、100bを支持する支持機構101と、を備える。支持機構101は、過給機1のケーシングに固定されている。
【0022】
ここで、スラストカラー70aは、支持機構101よりもタービン部2側の部分のタービンシャフト4に固定され、支持機構101側の面が径方向(タービンシャフト4に直交する方向)に延在した板状の部材である。スラストカラー70aは、軸方向から見た外周の形状が円形となる。スラストカラー70bは、支持機構101よりもコンプレッサ3側の部分のタービンシャフト4に固定され、支持機構101側の面が径方向(タービンシャフト4に直交する方向)に延在した板状の部材である。スラストカラー70bは、軸方向から見た外周の形状が円形となる。
【0023】
スラスト軸受100aは、支持機構101のスラストカラー70aと対面する面に固定されている。スラスト軸受100bは、支持機構101のスラストカラー70bと対面する面に固定されている。このように、スラスト軸受100bは、スラストカラー70aと、スラストカラー70bとにはさまれた位置に配置されている。スラスト軸受100bは、給油装置74からスラスト軸受100aに供給され、スラスト軸受100aから飛散した一部の潤滑油が供給される。スラスト軸受100bは、スラスト軸受100aから飛散した一部の潤滑油によってスラストカラー70bとの間に潤滑油の油膜を形成する。なお、過給機1は、スラストカラー70bとスラスト軸受100bとが近づく方向には大きな力が作用しない構造である。スラスト軸受100bは、スラスト軸受100aと同じ構造としてもよい。スラスト軸受100aについては後述する。
【0024】
給油装置74は、スラスト軸受100aに潤滑油を供給する装置であり、スラスト軸受100aに潤滑油を供給し、スラスト軸受100aから排出された潤滑油を回収して、潤滑油を循環させる。また、スラスト軸受100aに供給される潤滑油は、一部が、スラスト軸受100aからスラスト軸受100bに飛散して供給される。給油装置74は、潤滑油タンク90と、給油配管91と、給油ポンプ96と、回収容器97と、回収配管98と、を有する。潤滑油タンク90は、潤滑油を貯留している。潤滑油タンク90は、貯留している潤滑油を給油配管91に供給する。給油配管91は、スラスト軸受100aに供給される潤滑油が流れる配管である。給油ポンプ96は、給油配管91に配置されており、給油配管91を流れる潤滑油を、潤滑油タンク90からスラスト軸受100aに向けて送る。給油ポンプ96は、潤滑油の供給量を調整することができる。回収容器97は、スラスト軸受100aが配置されている位置の鉛直方向下側に配置され、鉛直方向上側が開放された容器である。回収容器97は、スラスト軸受100aから排出され、鉛直方向下側に流れてきた潤滑油を貯留させる。回収容器97には、回収配管98が接続されている。回収配管98は、スラスト軸受100aから排出され、回収された潤滑油が流れる配管である。回収配管98は、回収容器97に貯留された潤滑油を潤滑油タンク90に搬送する。
【0025】
給油装置74は、給油ポンプ96を駆動させることで、給油配管91を介して、潤滑油タンク90の潤滑油をスラスト軸受100aに供給する。また給油装置74は、スラスト軸受100aから排出された潤滑油を回収容器97で回収して、回収配管98を介して潤滑油タンク90に戻す。また、給油装置74は、給油ポンプ96の駆動を制御することで、スラスト軸受100aに供給する潤滑油の量を制御することができる。
【0026】
回転検出装置75は、エンコーダ、レゾルバ等、回転要素の回転を検出する装置であり、タービンシャフト4の回転を検出する。本実施形態では、回転検出装置75は、タービンシャフト4の回転数を検出する。また、回転検出装置75は、タービンシャフト4の回転方向における向き(回転角度)も検出するようにしてもよい。回転検出装置75は、タービンシャフト4に回転を検出する際の指標となる被検出素子を設け、ケーシングに被検出素子を検出する検出素子を設け、検出素子で被検出素子を検出することで、タービンシャフト4の回転を検出する。回転検出装置75は、検出素子が、反射光を検出するセンサで、被検出素子が光を反射する反射材等の組み合わせがある。また、回転検出装置75には、検出素子が、磁気を検出するセンサで、被検出素子が磁石の組み合わせがある。
【0027】
制御装置76は、回転検出装置75の検出結果に基づいて給油装置74の動作を制御し、スラスト軸受100aに供給する潤滑油の量を制御する。制御装置76の制御動作については、後述する。
【0028】
次に、
図1及び
図2に加え、
図3から
図5を用いて、スラスト軸受について説明する。
図3は、本実施例のスラスト軸受装置の概略構成を示す正面図である。
図4は、
図3のA−A断面図である。
図5は、
図3のB−B断面図である。
【0029】
スラスト軸受100aは、外側軸受110と、内側軸受112と、を有する。外側軸受110は、内側にタービンシャフト4が挿入され、タービンシャフト4よりも径が大きい穴が形成された円形の板状の部材(リング状の板状部材)であり、締結機構116によって、支持機構101に固定されている。締結機構116は、ねじ等であり、外側軸受110に形成されたねじ穴140と支持機構101に形成されたねじ穴にひねり込み嵌め合わされることで、外側軸受110を支持機構101に固定する。締結機構116は、外側軸受110の円形に周方向に所定の間隔で複数配置されている。
【0030】
また、外側軸受110は、給油装置74の給油配管91と接続された給油路131と、給油路131と接続され、円形の外側軸受110と同心円状に形成されたリング状の給油路132と、給油路132と接続され、リング状の給油路132の内側で、径方向に延在する給油路133と、給油路133と接続され、内側軸受112に接続された給油路134と、が形成される。給油路133と、給油路134とは、内側軸受112の後述する給油孔120に対応して設けられている。外側軸受110は、給油路131、132、133、134を経由させ、給油配管91から供給された潤滑油を内側軸受112に供給する。
【0031】
内側軸受112は、外側軸受110のスラストカラー70aと対面する側の面に固定されている。内側軸受112は、
図4に示すように、タービンシャフト4の軸方向において、最もスラストカラー70aに突出している。内側軸受112は、内側にタービンシャフト4が挿入され、タービンシャフト4よりも径が大きい穴が形成された円形の板状の部材(リング状の板状部材)である。内側軸受112は、スラストカラー70a側の面に周方向に隣接した複数のパッド114が形成されている。パッド114は、給油孔120と、油溝124と、パッド面126と、を有する。給油孔120は、タービンシャフト4の回転方向102の上流側でかつ径方向の内側に形成されており、外側軸受110の給油路134と繋がっている。油溝124は、給油孔120と繋がっており、径方向に延在している。油溝124は、パッド114の他の部分よりもスラストカラー70aから離れた位置に形成されている。つまり、油溝124は、パッド114の他の部分よりも凹んでいる。パッド面126は、回転方向102において、油溝124よりも下流側の領域となる面である。パッド面126は、タービンシャフト4の軸方向に直交する面に対して傾斜している面である。具体的には、パッド面126は、回転方向102において、油溝124よりも下流側に向かうにしたがって、スラストカラー70aに近づく方向に傾斜している。パッド面126は、隣接するパッド114の油溝124に近い側の端部がスラストカラー70aに最も近くなる。
【0032】
次に、
図3及び
図5に加え、
図6から
図8を用いて、スラスト軸受装置の動作について説明する。
図6は、スラスト軸受装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図7及び
図8は、それぞれ、スラスト軸受装置の動作を説明するための説明図である。まず、
図6を用いて、制御装置76により実行される制御について説明する。
【0033】
制御装置76は、回転検出装置75によりタービンシャフト4の回転数を検出する(ステップS12)。制御装置76は、検出した回転数に基づいて供給油量を決定する(ステップS14)。具体的には、制御装置76は、
図7に示す線分150または線分152の関係を用いて、回転数から供給する潤滑油の量を決定する。線分150、152は、回転数が多くなるほど、供給する油量が多くなる。また、線分152は、回転数A
1まで回転数に応じて油量が増加し、その後、回転数A
1から回転数A
2まで一定の供給油量となる。給油装置74で決定した油量の潤滑油をスラスト軸受100aに供給する(ステップS16)。
【0034】
図6の処理で潤滑油が供給されるスラスト軸受100aは、給油路134から供給された潤滑油が給油孔120から内側軸受112のスラストカラー70aと対面している面に供給される。給油孔120から供給された潤滑油は、スラストカラー70aの回転方向102の回転力によって、一部が油溝124に沿って径方向外側に移動し、一部が、回転方向102に移動する。回転方向102に移動した潤滑油はパッド面126に沿って移動する。パッド面126に沿って移動した潤滑油は、
図8に示すように矢印104で示す遠心力で径方向外側に移動する力が作用し、径方向外側または隣接する油溝124まで移動する。
【0035】
ここで、スラスト軸受装置52は、
図6に示す処理で
図7に示す関係に基づいて、供給する潤滑油の量を調整することで、回転数が高い場合、例えば、線分152の関係を用いて、回転数が回転数A
1よりも高い場合、潤滑油が多く供給される。これにより、
図5及び
図7に示すように潤滑油160がパッド面126の全面で、パッド面126とスラストカラー70aとの間に充填される。これにより、スラスト方向においてより大きい荷重を受けることができる。また、スラスト軸受装置52は、
図6に示す処理で
図7に示す関係に基づいて、供給する潤滑油の量を調整することで、回転数が低い場合、例えば、線分152の関係を用いて、回転数が回転数A
1よりも低い場合、潤滑油の供給量が少なくなる。これにより、
図5及び
図7に示すように潤滑油162がパッド面126の一部の面のみで、パッド面126とスラストカラー70aとの間に充填される。つまり、パッド面126にスラストカラー70aとの間に潤滑油162が充填されない領域が生じる。スラストカラー70aのうち潤滑油が接する面積が小さくなり、スラスト軸受装置52が、タービンシャフト4の回転に与える抵抗を小さくすることができる。また、回転数が低い場合、スラスト方向の力が小さくなるため、パッド面126とスラストカラー70aとの間の一部に潤滑油が充填されていない状態でもスラスト方向においてより大きい荷重を受けることができる。以上より、スラスト軸受装置52は、スラスト軸受装置52で受けるタービンシャフト4からのスラスト力と、スラスト軸受装置52でタービンシャフト4に与える機械損失とを、適切なバランスにすることができ、スラスト軸受としての機能を維持しつつ、タービンシャフトをより効率よく回転させることができる。また、スラスト軸受装置52は、回転数に応じて供給する潤滑油の量を制御することで、高い応答性で軸受の特性を変更することができる。
【0036】
ここで、上記実施例では、回転数に応じて、給油装置74から供給する潤滑油の量を調整したが、これに限定されない。スラスト軸受装置は、回転数に応じて、供給する潤滑油の量を調整することができればよく、潤滑油を供給するパッドの数を変更してもよい。
図9は、他の実施例のスラスト軸受装置の概略構成を示す模式図である。
図10は、他の実施例のスラスト軸受装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0037】
図9に示すスラスト軸受装置52aの給油装置74は、スラスト軸受100cに潤滑油を供給する系統を2系統有する。給油装置74は、潤滑油タンク90a、90bと、給油配管91a、91bと、給油ポンプ96a、96bと、回収容器97、回収配管98と、を有する。給油装置74は、潤滑油タンク90aと、給油配管91aと、給油ポンプ96aと、回収容器97と、回収配管98とが、潤滑油を循環させる1つの系統となり、潤滑油タンク90bと、給油配管91bと、給油ポンプ96bと、回収容器97と、回収配管98とが、潤滑油を循環させる1つの系統となる。給油装置74は、それぞれの系統が、スラスト軸受100cの異なる給油路に潤滑油を供給する。
【0038】
また、スラスト軸受装置52aは、スラスト軸受100aに換えてスラスト軸受100cを有する。スラスト軸受100cは、外側軸受110に設けられた潤滑油を循環させる経路以外は、スラスト軸受100aと同様の構造である、外側軸受110は、給油装置74の給油配管91aと接続された給油路131aと、給油路131aと接続され、円形の外側軸受110と同心円状に形成されたリング状の給油路132aと、給油路132aと接続され、リング状の給油路132aの内側で、径方向に延在する給油路133aと、給油路133aと接続され、内側軸受112に接続された給油路134と、が形成される。また、外側軸受110は、給油装置74の給油配管91bと接続された給油路131bと、給油路131bと接続され、円形の外側軸受110と同心円状に形成されたリング状の給油路132bと、給油路132bと接続され、リング状の給油路132bの内側で、径方向に延在する給油路133bと、給油路133bと接続され、内側軸受112に接続された給油路134と、が形成される。給油路133aと給油路133bとは、周方向において交互に配置されている。つまり、給油路133aは、周方向において、1つおきのパッド114の給油孔120に対して設けられている。また、給油路133bも周方向において、1つおきのパッド114に対応して設けられている。スラスト軸受100cは、独立して異なるパッドの給油孔120に接続された潤滑油の供給系統を備えている。
【0039】
次に
図10を用いて、制御装置76による制御の一例を説明する。制御装置76は、回転数を検出し(ステップS20)、回転数が閾値以上であるかを判定する。なお、閾値は、任意の回転数に設定することができる。制御装置76は、回転数が閾値以上である(ステップS22でYes)と判定した場合、高回転モードの潤滑油を供給し(ステップS24)、回転数が閾値未満である(ステップS22でNo)と判定した場合、低回転モードの潤滑油を供給する(ステップS26)。
【0040】
ここで、高回転モードの潤滑油の供給とは、給油ポンプ96a、96bの両方を駆動させ、2系統の両方から潤滑油を供給するモードである。低回転モードの潤滑油の供給とは、給油ポンプ96a、96bの一方のみ駆動させ、2系統のいずれかから潤滑油を供給するモードである。
【0041】
スラスト軸受装置52aは、以上のように、潤滑油を供給する系統を複数設け、回転数によって潤滑油を供給する系統を変化させることで、具体的には、回転数が高くなるほど、潤滑油を供給するパッドの数を多くすることで、回転数が低くなるほど、潤滑油を供給するパッドの数を少なくすることで、スラスト軸受装置52aで受けるタービンシャフト4からのスラスト力と、スラスト軸受装置52aでタービンシャフト4に与える機械損失と、適切なバランスにすることができ、スラスト軸受としての機能を維持しつつ、タービンシャフトをより効率よく回転させることができる。
【0042】
また、スラスト軸受装置52aは、潤滑油を供給する各系統が、周方向のパッドに交互となるように、つまり各系統が等間隔で潤滑油を供給するようにすることで、一部の系統のみで潤滑油を供給した場合も回転方向102における潤滑油の量の偏りを抑制することができる。また、
図9のスラスト軸受装置52は、循環油を供給する系統を2系統としたが3系統としてもそれ以上としてもよい。
【0043】
また、スラスト軸受装置52aも、ポンプを複数段階で駆動する機構とし、
図10に示すように供給する潤滑油の量を複数段で切り換えてもよい。また、スラスト軸受のパッドの数は特に限定されない。また本実施例は、スラストカラーとの間に潤滑油を供給し、スラスト方向の力を受ける各種構造のスラスト軸受に適用することができる。