特許第6223854号(P6223854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223854
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】表皮付き発泡成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 44/00 20060101AFI20171023BHJP
   B29C 49/00 20060101ALI20171023BHJP
   B29K 23/00 20060101ALN20171023BHJP
   B29K 105/04 20060101ALN20171023BHJP
【FI】
   B29C44/00
   B29C49/00
   B29K23:00
   B29K105:04
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-27306(P2014-27306)
(22)【出願日】2014年2月17日
(65)【公開番号】特開2015-150803(P2015-150803A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2017年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000131810
【氏名又は名称】株式会社ジェイエスピー
(74)【代理人】
【識別番号】100077573
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100126413
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 太亮
(72)【発明者】
【氏名】常盤 知生
(72)【発明者】
【氏名】川上 弘起
【審査官】 増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/024191(WO,A1)
【文献】 特開2013−141780(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0175725(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 44/00
B29C 49/00
B29K 23/00
B29K 105/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレン系樹脂溶融混練物を押出して形成された軟化状態のパリソンを成形型キャビティ内でブロー成形して中空成形体を形成し、該中空成形体の中空部に熱可塑性樹脂発泡粒子を充填し、該中空成形体内に挿入された加熱媒体供給用のピンから加熱媒体を供給して該発泡粒子を加熱融着させて、中空成形体からなる表皮内に発泡粒子成形体が位置する表皮付き発泡成形体を製造する方法において、
中空成形体を形成しているポリエチレン系樹脂組成物の80℃における引張破壊伸びが500〜1000%、かつ120℃における半結晶化時間が5〜50秒であり、前記樹脂組成物には、脂環式カルボン酸金属塩化合物又はソルビトール系化合物を含む結晶化促進剤が配合されている、表皮付き発泡成形体の製造方法。
【請求項2】
前記樹脂組成物の230℃における溶融伸びが10m/分以上である、請求項1に記載の表皮付き発泡成形体の製造方法。
【請求項3】
前記結晶化促進剤の配合量が前記樹脂組成物を構成するポリエチレン系樹脂100重量部に対して0.01〜0.5重量部である、請求項1又は2に記載の表皮付き発泡成形体の製造方法。
【請求項4】
前記脂環式カルボン酸金属塩化合物が、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸金属塩である、請求項1〜3のいずれかに記載の表皮付き発泡成形体の製造方法。
【請求項5】
前記ポリエチレン系樹脂組成物の密度が940g/L以上である、請求項1〜のいずれかに記載の表皮付き発泡成形体の製造方法。
【請求項6】
前記熱可塑性樹脂発泡粒子が、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子である、請求項1〜のいずれかに記載の表皮付き発泡成形体の製造方法。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂発泡粒子が、発泡状態のポリプロピレン系樹脂芯層と該芯層を被覆するポリエチレン系樹脂被覆層とからなる、請求項1〜のいずれかに記載の表皮付き発泡成形体の製造方法。
【請求項8】
前記中空成形体の平均肉厚が1〜5mmである、請求項1〜のいずれかに記載の表皮付き発泡成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表皮付き発泡成形体の製造方法に関し、詳しくはブロー成形して得られた中空成形体の中空部に発泡粒子を充填し、加熱して発泡粒子相互を融着させて、中空成形体からなる表皮内に発泡粒子成形体が位置する表皮付き発泡成形体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中空成形体からなる表皮材の内部に発泡粒子を充填し、発泡粒子を加熱媒体により加熱して発泡粒子相互間を融着させた表皮付き発泡成形体が知られている。例えば、特許文献1には、ポリエチレン系樹脂を押出してパリソンを形成し、パリソン下部の開口部から複数の加熱媒体供給用のパイプと充填フィーダをパリソン内に挿入した状態で成形型を型締めした後、該パリソンをブロー成形することにより中空成形体を形成し、次いで、該中空成形体が完全に冷却固化する前に、中空成形体内にポリエチレン系樹脂などを基材樹脂とする発泡粒子を充填し、中空成形体内に挿入した加熱媒体供給排出用のパイプからスチームなどの加熱媒体を中空成形体内に供給、排出することにより該発泡粒子を加熱して発泡粒子相互を融着させる方法が開示されている。また、特許文献2には、ポリスチレン系樹脂からなるパリソンを成形型内でブロー成形することにより中空成形体を形成し、次いで、該中空成形体が完全に冷却固化する前に、成形型側から複数の加熱媒体供給排出用のピンを中空成形体の壁部を貫通させて中空成形体内へと打ち込むと共に充填フィーダにより充填孔を形成した後、中空成形体内にポリスチレン系樹脂発泡粒子を充填し、前記ピンからスチームなどの加熱媒体を供給、排出することにより発泡粒子を加熱して発泡粒子相互を融着させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−166112号公報
【特許文献2】特開2010−46920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポリエチレン系樹脂はポリスチレン系樹脂に比べて延展性が高い樹脂であることから、ポリエチレン系樹脂により表皮となる中空成形体を形成する場合、冷却が不十分であると、加熱媒体供給用ピンの打ち込みに伴い、該ピンの周りの中空成形体を形成する樹脂が過度に引き伸ばされて穴が開かず、加熱媒体供給用ピンを中空成形体内に打ち込むことができなくなることや、打ち込めたとしても引き伸ばされた樹脂によりピンの加熱媒体供給口が塞がれてしまって加熱媒体を十分に供給することが困難となり、中空成形体内で発泡粒子同士を十分に融着させることができなくなる。そのため、ポリエチレン系樹脂で中空成形体を形成する場合には、中空成形体に加熱媒体供給用のピンを打ち込む際の該ピンによる穿孔性(穴開き性)を確保するために、ポリスチレン系樹脂で中空成形体を形成する場合よりも、中空成形体を十分に冷却してからピンを打ち込まなければならず、その結果、成形サイクルが長くなっていた。
【0005】
本発明は、ポリエチレン系樹脂により表皮となる中空成形体を形成し、該表皮内で発泡粒子を加熱融着させて表皮付き発泡成形体を製造する方法において、短い成形サイクルで、発泡粒子同士が十分に融着している表皮付き発泡成形体を得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、表皮付き発泡成形体を製造する方法において、特定の半結晶化時間、加熱時の引張破壊伸びを満足するポリエチレン系樹脂組成物によって中空成形体を形成することにより、加熱媒体供給用のピンによる中空成形体の穴あき性が改善されることを見出し、これに基づいて検討を重ねた結果、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は下記[1]〜[]を要旨とする。
[1]ポリエチレン系樹脂溶融混練物を押出して形成された軟化状態のパリソンを成形型キャビティ内でブロー成形して中空成形体を形成し、該中空成形体の中空部に熱可塑性樹脂発泡粒子を充填し、該中空成形体内に挿入された加熱媒体供給用のピンから加熱媒体を供給して該発泡粒子を加熱融着させて、中空成形体からなる表皮内に発泡粒子成形体が位置する表皮付き発泡成形体を製造する方法において、中空成形体を形成しているポリエチレン系樹脂組成物の80℃における引張破壊伸びが500〜1000%、かつ120℃における半結晶化時間が5〜50秒であり、前記樹脂組成物には、脂環式カルボン酸金属塩化合物又はソルビトール系化合物を含む結晶化促進剤が配合されている、表皮付き発泡成形体の製造方法。
[2]前記樹脂組成物の230℃における溶融伸びが10m/分以上である、前記[1]に記載の表皮付き発泡成形体の製造方法。
[3]前記結晶化促進剤の配合量が前記樹脂組成物を構成するポリエチレン系樹脂100重量部に対して0.01〜0.5重量部である、前記[1]又は[2]に記載の表皮付き発泡成形体の製造方法
[4]前記脂環式カルボン酸金属塩化合物が、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸金属塩である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の表皮付き発泡成形体の製造方法。
[5]前記ポリエチレン系樹脂組成物の密度が940g/L以上である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の表皮付き発泡成形体の製造方法。
[6]前記熱可塑性樹脂発泡粒子がポリプロピレン系樹脂発泡粒子である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の表皮付き発泡成形体の製造方法。
[7]前記熱可塑性樹脂発泡粒子が、発泡状態のポリプロピレン系樹脂芯層と該芯層を被覆するポリエチレン系樹脂被覆層とからなる、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の表皮付き発泡成形体の製造方法。
[8]前記中空成形体の平均肉厚が1〜5mmである、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の表皮付き発泡成形体の製造方法。
【0008】
なお、本発明において、「加熱媒体供給用のピン」を「スチームピン」、「加熱媒体供給用のピンを打ち込んだ際に中空成形体に形成された孔」を「スチームピン挿入孔」、「表皮を形成する中空成形体」を単に「中空成形体」あるいは「表皮」ということがある。
【発明の効果】
【0009】
本発明の製造方法では、中空成形体成形後、該中空成形体の樹脂温度を十分に低い温度にまで冷却することなくスチームピンを打ち込んでも、中空成形体の樹脂が過度に引き伸ばされることがなく、適度に引き伸ばされる。このため加熱媒体の供給に際してスチームピン挿入孔付近から加熱媒体が漏洩することなく、効率よく中空成形体内に加熱媒体を流通させことができるため、短い成形サイクルで、発泡粒子相互の融着性に優れる表皮付き発泡成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るスチームピンの配置状態、中空成形体の穿設状態の一例を示す概略の部分断面図である。図1(1)は中空成形体内にスチームピンを打ち込む前の状態を示す概略の部分断面図であり、図1(2)は中空成形体内にスチームピンを打ち込んで挿入し、中空成形体の樹脂がスチームピンに追従して引き伸ばされ切断されている状態を示す概略の部分断面図である。
図2】表皮付き発泡成形体の製造方法の概略の一例を示す縦断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の表皮付き発泡成形体の製造方法は、ポリエチレン系樹脂溶融混練物を押出してパリソンを形成し、図1図2に示すように軟化状態のパリソンをブロー成形型5内でブロー成形し、表皮付き発泡成形体における表皮となる中空成形体1を形成し、該中空成形体1の中空部に発泡粒子充填フィーダ6より発泡粒子7を充填し、中空成形体1の壁部を貫通させて中空成形体1内に挿入されたスチームピン2からスチームなどの加熱媒体を供給して該発泡粒子7を相互に加熱融着させる方法である。
【0012】
ポリエチレン系樹脂溶融混練物をダイから押出して形成したパリソンを成形型内でブロー成形して中空成形体1を形成した後、該中空成形体1内にスチームピン2が打ち込まれる。
【0013】
図1に示すようにスチームピン2の周壁部には、孔状又はスリット状の複数の加熱媒体供給口3が設けられていることが好ましく、加熱媒体供給口3の寸法は発泡粒子7の粒径よりも小さい直径または幅であることがより好ましい。
【0014】
このスチームピン打ち込み工程で中空成形体1の表皮樹脂の冷却が不十分であると、スチームピン2を打ち込む際に中空成形体1のスチームピン周りの樹脂が過度に引き伸ばされてしまいスチームピン2を打ち込むことができない。あるいはスチームピン2を打ち込むことができたとしても、スチームピン2の周壁部に設けられている加熱媒体供給口3が、引き伸ばされた樹脂によって塞がれて中空成形体1の内部に均一にスチームを供給することが困難となったり、十分量の加熱媒体を成形体内へ供給するのに時間が掛かったりしてしまい、中空成形体1の中空部に充填された発泡粒子7の融着が不十分となるおそれがある。
【0015】
スチームピン2を中空成形体1に打ち込む際、スチームピン2の周囲の樹脂は、僅かに中空成形体1の中空部に引き込まれ、この引き込まれた樹脂部分がひだ状に形成されることが望ましい。スチームピン2から加熱媒体を供給する際、該ひだ状の樹脂部分4がスチームピン2からの加熱媒体の漏れを効果的に防止するシールとして働くことで、加熱媒体の漏れが効果的に防止される。なお、スチームピン2の打ち込みに伴って樹脂が追従する際の中空成形体内面からひだ状の樹脂部分4の先端までの長さを樹脂追従長さということがある。
【0016】
本発明の製造方法によれば、前記ひだ状の樹脂部分4の形成がより容易となる。前記引き込まれたひだ状の樹脂部分4の長さは、中空成形体1の厚み等を考慮して設計されるが、加熱媒体が挿入孔から漏れず、かつスチーム孔を塞ぐことなく成形体内部に均一にスチームを供給させるという観点から1〜5mmとすることが好ましい。
【0017】
本発明の製造方法においては、中空成形体1を、80℃における引張破壊伸び500〜1000%、かつ120℃における半結晶化時間5〜50秒のポリエチレン系樹脂組成物から形成することにより、中空成形体1の温度が従来よりも比較的高くても、加熱媒体を均一に供給可能な良好な状態でスチームピン2を中空成形体内に打ち込むことが可能となり、中空成形体1の中空部に存在する発泡粒子7同士が十分に融着した成形体を得ることが可能となる。
【0018】
通常、樹脂組成物の上記物性が調整されていない場合は、すなわち樹脂組成物の120℃における半結晶化時間が長すぎる場合には、中空成形体1へのスチームピン2の打ち込み可能な温度は70〜80℃であるが、樹脂組成物が上記範囲を満足することにより、中空成形体形成後、中空成形体の樹脂温度が従来よりも高温の領域を含む70℃〜100℃という、従来よりも広い温度範囲でスチームピン2の打ち込みが可能となる。一方、半結晶化時間が短すぎる場合や、半結晶化時間が適当であっても80℃における引張破壊伸びが小さすぎる場合には、スチームピン2の打ち込み自体は可能であるが、スチームピン2とスチームピン2の打ち込みにより形成された孔との間に隙間ができ、スチーム漏れを生じるおそれがある。
【0019】
かかる観点から、前記樹脂組成物の120℃における半結晶化時間は好ましくは10〜40秒であり、前記樹脂組成物の80℃における引張破壊伸びは好ましくは600〜900%、より好ましくは700〜850%である。なお、引張破壊伸びの温度を80℃で測定する理由としては、金型内でブロー成形して中空成形体1を形成する際の金型温度を概ね80℃としているためである。
【0020】
また、中空成形体1のブロー成形性の観点から、前記樹脂組成物の230℃における溶融伸びは10m/分以上であることが好ましく、より好ましくは15〜50m/分である。該溶融伸びが前記範囲内であることにより、中空成形体1が複雑な形状であっても、より均一な肉厚の中空成形体1を得ることができる。
【0021】
本発明において、半結晶化時間は、樹脂組成物をフィルム状とし、このフィルム状の試料を保持した支持体を、120℃に保持されたオイルバス中に浸漬して試料の結晶化に伴い増加する透過光を測定し、アブラミ式から半結晶化時間を算出することができる。測定装置として、例えば、コタキ製作所製の結晶化速度測定器(MK−801)を用いることができる。
【0022】
前記引張破壊伸びはJIS K7127(1999年)に準じて、80℃の雰囲気で測定される値である。測定装置としては、例えば、テンシロン万能試験機と恒温槽とを組み合わせて測定することができる。
【0023】
前記溶融伸びは、ノズル径2.095mm、長さ8.0mmのオリフィスを用いて、キャピログラフにより測定される値である。まず、キャピログラフのシリンダー内にオリフィスをセットし230℃に設定する。次に、230℃に設定されたシリンダー内に必要量の試料を入れ、4分間放置する。そして、ピストン速度を10mm/分として溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛け、4分で引き取り速度が0m/分から200m/分に達するように一定の増速で引取り速度を増加させながら引取りローラーで紐状物を引取る。紐状物が破断した際、その直前の引取り速度を230℃における溶融伸びとする。測定装置として、例えば、株式会社東洋精機製作所製のキャピログラフ1D(シリンダー径9.55mm、シリンダー長さ350mm)を用いることができる。
【0024】
中空成形体1の平均肉厚が1〜10mmの範囲であれば、軽量性と強度とのバランスに優れることから好ましい。通常中空成形体1の平均肉厚が薄くなるほど、スチームピン2を中空成形体1に打ち込む際に良好なスチームピン挿入孔を形成することが難しくなるが、本発明の製造方法により、中空成形体1の平均肉厚が5mm以下であっても良好なスチームピン挿入孔を形成することができる。
【0025】
中空成形体1を形成する樹脂組成物には、結晶化促進剤が配合されていることが好ましい。結晶化促進剤としては、ソルビトール系化合物、脂肪族カルボン酸金属塩化合物、脂環式カルボン酸金属塩化合物、脂肪族カルボン酸アミド化合物、有機リン酸金属塩系化合物、ロジン系化合物が知られているが、樹脂組成物が上記特性を満足するためには、該結晶化促進剤は、脂環式カルボン酸金属塩化合物又はソルビトール系化合物を主成分として(50重量%以上)含むことが好ましく、脂環式カルボン酸金属塩を主成分として含むことがより好ましい。脂環式カルボン酸金属塩化合物としては特に1,2−シクロヘキサンジカルボン酸金属塩が好ましい。ソルビトール系化合物としては、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール系化合物が好ましい。脂環式カルボン酸金属塩化合物を含む結晶化促進剤は、例えば、ミリケンケミカル社製「Hyperform」シリーズなどの商品名で市販されており、またはマスターバッチの形態で理研ビタミン社製「リケマスターCN」シリーズ、ミリケンケミカル社製「HL3−4」等の商品名で市販されている。ソルビトール系化合物を含む結晶化促進剤は、例えば、新日本理化社製「ゲルオールMD」等の商品名で市販されている。
【0026】
上記結晶化促進剤の配合量は、ポリエチレン系樹脂の種類、特性にもよるが、中空成形体1を形成するポリエチレン系樹脂100重量部に対し、0.01〜1重量部とすることが好ましく、0.02〜0.7重量部とすることがより好ましく、0.03〜0.5重量部とすることがさらに好ましい。
【0027】
本発明において、ポリエチレン系樹脂とは、樹脂中にエチレン成分構造単位が50モル%以上存在するものを意味し、好ましくは60モル%以上、より好ましくは80モル%以上エチレン成分構造単位が存在するものである。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが例示でき、これらは1種又は2種以上混合して使用することができる。
【0028】
樹脂組成物が上記の特性を満足するためには、高密度ポリエチレンが好ましく、中でも密度940g/L以上のものが好ましく、945〜970g/Lのものがより好ましい。
【0029】
ブロー成形性の観点から、該ポリエチレン系樹脂としては、メルトフローレイト(MFR)が、0.01〜10g/10分を有するものが、好ましく使用される。なお、メルトフローレイト(MFR)の測定は、ポリエチレン系樹脂についてはJIS K7210(1999年)の試験条件D(温度190℃、荷重2.16kg)に基づいて行う。
【0030】
前記中空成形体1を形成するポリエチレン系樹脂には、上記結晶化促進剤の他に必要に応じて各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、導電性付与剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線防止剤、難燃剤、無機充填剤、抗菌剤、電磁波遮蔽剤、ガスバリヤー剤、帯電防止剤等が挙げられる。これらの添加剤は、その目的、効果が発揮し得る範囲で添加され、添加量は概ねポリエチレン系樹脂100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは5重量部以下、更に好ましくは3重量部以下である。
【0031】
本発明においては、既述したように、中空成形体1を形成する樹脂組成物の半結晶化時間と引張破壊伸びを特定の範囲とすることによって、中空成形体1の樹脂温度が高い状態であっても良好な状態でスチームピン2の打ち込みが可能となる。さらに本発明の製造方法によれば、加熱時の引張破壊伸びを上記特定の範囲とすることで、スチームピン2を打ち込む際に適度に中空成形体1の樹脂を追従させることが可能となり、スチームピン2による穿設不良や蒸気漏れを防ぎ、発泡粒子が十分に融着した成形体を得ることができる。
【0032】
すなわち、本発明の製造方法は、中空成形体1を形成する樹脂組成物の半結晶化時間と引張破壊伸びを上記特定の範囲とすることで成形サイクルを短縮しつつ、発泡粒子の融着に優れた良好な成形体を得ることを可能とする。
【0033】
本発明において用いられる発泡粒子7は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂発泡粒子であれば、中空成形体1の熱により発泡粒子の気泡構造が破壊されにくくなるため、金型寸法どおりの成形体を得ることができる。
【0034】
また、前記の利点と共に、特に中空成形体1からなる表皮と発泡粒子成形体との接着性を考慮すると、本発明に用いられる発泡粒子7は、発泡状態のポリプロピレン系樹脂芯層と該芯層を被覆するポリエチレン系樹脂被覆層とからなる、所謂鞘芯構造の発泡粒子であることが好ましい。さらに、メタロセン系重合触媒を用いて重合してなるポリエチレン系樹脂で被覆層が形成されていると、芯層と被覆層との接着性が高まることからより好ましい。
【0035】
本発明において、前記発泡粒子の見かけ密度には特に制限はないが、見かけ密度が0.015〜0.3g/cmの発泡粒子を用いることが好ましい。さらには、加熱媒体による発泡粒子の2次発泡性の制御が容易となる点から、発泡粒子の見かけ密度が0.02〜0.15g/cmであることがより好ましい。
【0036】
このような発泡粒子は、この種の発泡粒子を製造する公知の方法によって製造することができる。例えば、オートクレーブ等の加圧可能な密閉容器内の所要量の分散媒体(通常は水)中に、樹脂粒子を分散させ、発泡剤を圧入して加熱下で発泡剤を樹脂粒子に含浸させ、所定時間経過後、高温高圧条件下の容器内から分散媒体とともに発泡剤を含む発泡性樹脂粒子を低圧域(通常大気圧下)に放出して発泡させ、発泡粒子を得る方法などによって製造される。
【0037】
本発明の表皮付き発泡成形体の製造方法を具体的に説明すると、押出機から押し出された軟化状態のパリソンをブロー成形して、パリソンの外面が成形型のキャビティの内表面に接し成形型形状を反映した中空成形体1を成形する。
【0038】
ブロー成形の際には、パリソンの外面と成形型キャビティ内面との間を減圧にすることによって中空成形体1を成形すると、成形型キャビティの形状を反映した形状とすることが容易となるので好ましい。
【0039】
本発明の方法において、軟化状態のパリソンをブロー成形する際にパリソン内に吹き込まれる気体(ブローエア)は、目的の成形体の形状やパリソンの樹脂の流動性等にもよるが、パリソン内への導入圧力0.5MPa(G)程度の加圧気体が導入される。また、金型の温度条件は、通常70〜80℃とすることが好ましい。
【0040】
本発明の製造方法においては、該中空成形体1の中空部に発泡粒子充填フィーダ6より発泡粒子7を充填し、該中空成形体1の中空部に挿入されたスチームピン2に形成されている加熱媒体供給口3から加熱媒体を供給して、発泡粒子7を加熱融着させる。加熱媒体としてスチームを用いる場合、中空成形体1内へ供給される加熱スチームの蒸気圧は、0.15MPa〜0.6MPa(G)であることが好ましく、さらには0.18MPa〜0.5MPa(G)であることがより好ましい。
【0041】
スチームピン2の構造としては、一般的に先端部が閉鎖された内部が空洞の管状体であることが好ましい。スチームピン2の先端部の形状は、中空成形体1を打ち抜くことができる形状であれば特に制限はない。例えば、先端部が凹状に陥没したもの、先鋭状に突出した凸形状のもの、平坦型形状のものなどが挙げられる。
【0042】
本発明の製造方法において、中空成形体1の中空部へ挿入されるスチームピン2は、通常、加熱媒体の供給と共に加熱媒体の排出にも使用することができ、複数のスチームピン2が挿入される。スチームピン2を打ち込む本数や間隔は、発泡粒子が十分に融着するだけのスチームが供給できれば良い。加熱方法としては、複数のスチームピン2のうちの一部を加熱媒体の供給側、残りを排出側として固定し、一方向からのみ加熱を行う一方加熱法、あるいは複数のスチームピン2の一部を供給側、残りを排出側として一旦加熱媒体による加熱を行った後、供給側と排出側のスチームピン2を交替して加熱を行う交互加熱法のいずれも採用することができるが、発泡粒子同士をより強固に融着させるためには、交互加熱法が好ましい。
【実施例】
【0043】
以下に、本発明について実施例により説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0044】
実施例、比較例で使用したポリエチレン系樹脂を表1に、結晶化促進剤を表2に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
実施例、比較例における各物性は下記により測定、評価した。
[引張破壊伸び]
JIS K7127(1999年)に準じて、株式会社オリエンテック製のテンシロン万能試験機と株式会社東洋ボールドウイン製の引張試験機用恒温槽を組み合わせて測定した。具体的には、中空成形体の一部を、ヒートプレス(プレス温度220℃)により厚さ0.27mmにプレスし、該プレス体から試験片タイプ5を作製し、80℃に保温された恒温槽内で60秒間保持後、つかみ具間距離25mm、引張速度500mm/minの条件で測定して算出された値を引張破壊伸びとした。
[半結晶化時間]
中空成形体から切り出した試験片を、ヒートプレス(プレス温度220℃)により、フィルム状にした試料を用意する。この場合、そのフィルム状試料の厚みは0.1±0.02mmのものとし、その寸法は15×15mmの四角形状とする。これを顕微鏡用カバーガラスに挟み込んだものを測定試料として使用する。半結晶化時間は、前記フィルム状の試料を保持したカバーガラスを、結晶化速度測定器(コタキ社製MK−801)のエアバス内に入れて試料を完全に溶融させ、次いで溶融試料を支持体ごと120℃に保持されたオイルバス中で、直交した偏光板の間に置き、試料の結晶化に伴い増加する光学異方性結晶成分による透過光を測定(脱偏光強度(Depolarization)法)し、以下に示すアブラミ式を用いて結晶化度が1/2となる時間から半結晶化時間を算出した。
(数1)
1−Xc=Exp(−kt
=(It−Ig)/(I0−Ig)
(ただし、Xc:結晶化度、k:結晶化速度定数、n:アブラミ定数、t:時間(秒)、I0:脱偏光透過強度[始点]、It:脱偏光透過強度[t秒後]、Ig:脱偏光透過強度[終点])
[表皮厚み]
得られた表皮付き発泡成形体を長手方向に対して垂直に計3箇所切断し、それぞれの切断面において周方向に沿って等間隔に6箇所表皮部分を測定し、得られた18箇所の厚みの算術平均値を表皮厚み(中空成形体の平均肉厚)とした。
[発泡粒子の見かけ密度]
水を入れたメスシリンダー内に重量:W(g)の発泡粒子群を、金網を使用して沈め、水位の上昇分の目盛から発泡粒子群の体積:V(L)を求め、発泡粒子群の重量:Wを体積:Vで除した値(W/V)を[kg/m]に単位換算することにより求めた。
[スチームピン打込みまでの時間、ピン打込み時温度]
スチームピン打込みまでの時間は、金型の型締め完了からスチームピンを打ち込み開始までの時間とし、スチームピンを打ち込んだ時の温度をピン打込み時温度とした。
[発泡粒子と表皮との融着性]
融着性評価化試験片として、成形した板状の表皮付き発泡成形体の中心部および四隅付近(R部を除く)の合計5箇所から、表皮を含む100mm×100mm×表皮つき発泡成形体の厚みの計5個の試験片を切り出した。該試験片の上下面を接着剤にて接着強度測定用冶具に強固に接着させ、引張強度試験機テンシロンにて10mm/分の引張速度にて各試験片について表皮剥離試験を行なった。その剥離面における全ての発泡粒子について、目視観察により、剥離面粒子の状態観察し、発泡粒子自体が破壊した数と、発泡粒子と表皮間の界面で剥離した発泡粒子の数をそれぞれ計数し、破壊した発泡粒子の数と、表皮との界面で剥離した発泡粒子の数との合計に対する破壊した発泡粒子の数の割合を求め、5個の試験片から得た値のうちの最も低い値を発泡粒子と表皮との融着率とし、以下の判断基準により評価した。
【0047】
○:表皮と発泡粒子との融着率が50%以上
×:表皮と発泡粒子との融着率が50%未満
[発泡粒子間の融着性]
融着性評価試験片として、成形した板状の表皮付き発泡成形体の中心部および四隅付近(R部を除く)の合計5箇所から、表皮を含まないように、100mm×100mm×表皮部を除いた部分の厚み、の計5個の試験片を切り出した。カッターナイフで試験片の厚み方向に約3mmの切り込みを入れた後、切り込み部から試験片を破断させた。破断面における全ての発泡粒子について、目視観察で破断面の粒子の状態を観察し、発泡粒子自体が破壊した数と、発泡粒子間の界面で剥離した発泡粒子の数をそれぞれ計数し、破壊した発泡粒子の数と、発泡粒子間の界面で剥離した発泡粒子の数の合計に対する破壊した発泡粒子の数の割合を求め、5個の試験片から得た値のうちの最も低い値を発泡粒子の融着率とし、以下の判断基準により評価した。
○:発泡粒子の融着率が50%以上
×:発泡粒子の融着率が50%未満
[スチームピン挿入孔形成状態]
中空成形体へスチームピンを打込む際に、中空成形体の樹脂がスチームピンによって引き込まれた長さから、下記のように判定した。
○ :スチームピンの打ち込みが可能であり、スチームピンに引き込まれた樹脂部分の長さが1mm以上、5mm以下の範囲であった。
× :スチームピンの打ち込みは可能であったが、スチームピンに引き込まれた樹脂部分の長さが5mmを超えた。
× :スチームピンの打ち込みは可能であったが、スチームピンに引き込まれた樹脂部分の長さが1mm未満であった。
××:スチームピンの打込みが不可能な箇所があった。
[全工程の成形時間]
中空成形体を成形する際の型締め開始から、成形が終了し表皮付発泡成形体を金型から取り出すまでに要した時間(秒)を全工程の成形時間とした。
実施例1
内径65mmの押出機に、表1に示したポリエチレン系樹脂と、表2に示した結晶化促進剤を表3に示す配合となるように供給し、210℃で加熱、混練して樹脂組成物の溶融物を調製した。次に、該樹脂組成物の溶融物を押出機に付設され210℃に調整されたアキュムレータに充填した。次いで、ダイから該樹脂組成物の溶融物を押出して軟化状態のパリソンを形成し、ダイ直下に配置された縦730mm×横420mm×厚み30mmの直方体状の成形キャビティーを有する分割型ブロー成形金型を型締めし、パリソンを金型にて挟み込んだ。なお、金型温度は80℃に調整した。その後、パリソンにブローピンを打ち込み、ブローピンから0.50MPa(G)の加圧空気をパリソン内に吹き込むと同時にパリソン外面と金型内表面との間を減圧してパリソンをブロー成形し、前記金型キャビティの形状を反映した中空成形体を形成した。
【0048】
型締め完了から30秒後に、前記金型の一方の金型から製品厚み方向に向かって、中空成形体に、側面にスリット状のスチーム供給口を有するスチームピン(口径8mmφ)を等間隔に8箇所(2列×4段、200mmピッチ)中空成形体に打ち込むと共に(金型からの突出長さ25mm)、発泡粒子充填フィーダ(口径18mmφ)を中空成形体に打ち込んだ。打ち込み完了後、スチームピンから排気しながら、発泡粒子充填フィーダから見かけ密度0.055g/cmのポリプロピレン系樹脂発泡粒子を中空成形体の中空部に充填した。なお、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子として、ポリプロピレン系樹脂(チーグラーナッタ系重合触媒により重合されたエチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレンコンテント2.8重量%、融点143℃)から形成された発泡状態の芯層と、ポリエチレン系樹脂(メタロセン重合触媒を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレン、密度0.906g/cm、融点102℃)から形成された被覆層(芯層重量/鞘層重量=95/5)とからなる鞘芯構造の発泡粒子を用いた。
【0049】
中空成形体の中空部に発泡粒子を充填した後、中空成形体内に挿入されたスチームピンの一方よりスチームを吸引しながら、他方のスチームピンから0.32MPa(G)のスチームを8秒間供給した。次に、前記スチームを供給していたスチームピンから吸引しながら、スチームを吸引していた他方のスチームピンから0.32MPa(G)のスチームを8秒間供給した。この後、全てのスチームピンから0.32MPa(G)のスチームを8秒間供給して発泡粒子相互を加熱融着させた。金型を冷却した後、金型を開き、目的の表皮付き発泡成形体を得た。ブロー成形金型を閉めてから、中空成形体へスチームピン打込みまでの時間、スチームピン打ち込み時の中空成形体の温度、スチームピン挿入孔の形成状態(穿孔性)、発泡粒子間の融着性、全工程の成形時間を表4に示した。
実施例2
樹脂組成物の120℃での半結晶化時間を27秒、80℃での引張破壊伸びを760%に調整した以外は、実施例1と同様に中空成形体を成形した。
実施例3
樹脂組成物の120℃での半結晶化時間を31秒、80℃での引張破壊伸びを800%に調整し、型締め完了後から50秒後にスチームピンを中空成形体に打ち込んだ以外は、実施例1と同様に中空成形体を成形した。
実施例4
樹脂組成物の120℃での半結晶化時間を30秒、80℃での引張破壊伸びを800%に調整し、型締め完了後から35秒後にスチームピンを中空成形体に打ち込んだ以外は、実施例1と同様に中空成形体を成形した。
実施例5
樹脂組成物の120℃での半結晶化時間を30秒、80℃での引張破壊伸びを730%に調整し、型締め完了後から35秒後にスチームピンを中空成形体に打ち込んだ以外は、実施例1と同様に中空成形体を成形した。
実施例6
樹脂組成物の120℃での半結晶化時間を40秒、80℃での引張破壊伸びを750%に調整し、型締め完了後から50秒後にスチームピンを中空成形体に打ち込んだ以外は、実施例1と同様に中空成形体を成形した。
比較例1
樹脂組成物として120℃での半結晶化時間が75秒、80℃での引張破壊伸びが1200%以上のものを用い、実施例に準じて中空成形体を成形したが、スチームピンの打込みまでの冷却時間を50秒とした場合にはスチームピンの打込みが不可能であり、良好なスチーム挿入孔を形成するには、スチームピンの打込みまでの冷却時間を90秒とする必要があった。
比較例2
樹脂組成物の120℃での半結晶化時間を56秒、80℃での引張破壊伸びを1200%以上とし、実施例に準じて中空成形体を成形したが、型締め完了後から50秒後にスチームピンを中空成形体に打ち込んだ場合には、スチームピン挿入孔を形成することができなかった。
比較例3
樹脂組成物の120℃での半結晶化時間を40秒、80℃での引張破壊伸びを1200%以上とし、実施例に準じて中空成形体を成形したが、半結晶化時間が40秒であっても引張破壊伸びが1200%以上であるため、型締め完了後から50秒後にスチームピンを中空成形体に打ち込んだ場合には、引き伸ばされた中空成形体の樹脂によってスチームピンの側面のスチーム供給口の大部分が覆われてしまい、発泡粒子同士を強固に融着させることができなかった。
比較例4
樹脂組成物の120℃での半結晶化時間を29秒、80℃での引張破壊伸びを440%とし、実施例に準じて中空成形体を成形したが、半結晶化時間は29秒であっても引張破壊伸びが440%であるため、型締め完了後から50秒後にスチームピンを中空成形体に打ち込むことは可能であったが、スチームピンによって引き込まれた樹脂部分の長さが1mm未満であったため、供給したスチームがスチームピン挿入孔から漏れてしまい、発泡粒子同士を強固に融着させることができなかった。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【符号の説明】
【0052】
1 中空成形体
2 スチームピン
3 加熱媒体供給口
4 ひだ状樹脂部分
5 ブロー成形型
6 発泡粒子充填フィーダ
図1
図2