(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223874
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】揚重装置並びにそれを用いるポールの取付および取外方法
(51)【国際特許分類】
E04H 12/34 20060101AFI20171023BHJP
B66C 23/20 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
E04H12/34
B66C23/20
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-51462(P2014-51462)
(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公開番号】特開2015-175149(P2015-175149A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2016年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100044
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 重夫
(74)【代理人】
【識別番号】100183564
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 伸也
(72)【発明者】
【氏名】岩浪 秀夫
【審査官】
新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−159444(JP,A)
【文献】
米国特許第4560074(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 12/34
B66C 23/18 − 23/20
E04G 21/14 − 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁に突設したアンカーボルトに対し、ポールに固設されたフランジの孔にナットで締結して前記外壁に前記ポールを固定するときに用いる揚重装置であって、
前記アンカーボルトに対しその側方から抜き差し自在に設けられる差込片を有すると共に、前記アンカーボルトの側方から抜き差しするための切欠きを出現させたり、無くしたりできるように設けた仮設用ナットで該差込片を前記アンカーボルトに締めつけることにより固定されるベースと、
該ベースに立設すると共に、上端付近に前記ポールを吊るための吊り具が設けられるパイプとを備えており、
前記ポールを外壁に固定する際に、前記アンカーボルトに前記ベースを前記仮設用ナットで締結した後、前記ポールを前記パイプの前記吊り具で吊りながら前記フランジの孔に前記アンカーボルトを挿通して、前記ポールを本設ナットで仮固定した後に、前記差込片及び前記仮設用ナットをアンカーボルトの側方から引き抜いて、前記ベースを取外すことが可能な構成を有する
ことを特徴とする揚重装置。
【請求項2】
外壁に突設したアンカーボルトに対し、ポールに固設されたフランジの孔にナットで締結してある前記ポールを前記外壁から取外すときに用いる揚重装置であって、
前記アンカーボルトに対しその側方から抜き差し自在に設けられる差込片を有すると共に、前記アンカーボルトの側方から抜き差しするための切欠きを出現させたり、無くしたりできるように設けた仮設用ナットで該差込片を前記アンカーボルトに締めつけることにより固定されるベースと、
該ベースに立設すると共に、上端付近に前記ポールを吊るための吊り具が設けられるパイプとを備えており、
前記ポールを前記アンカーボルトから取外す際に、前記ポールの前記フランジの孔と前記アンカーボルトとを固定している本設ナットを緩め仮固定状態とした後、前記外壁と前記フランジ孔との間に前記差込片及び前記仮設用ナットとを側方から差し込んで、前記ベースを前記仮設用ナットで締結した後、前記ポールを前記パイプの前記吊り具で吊りながら前記本設ナットを取外して前記ポールの前記フランジの孔を前記アンカーボルトから取外した後に、前記差込片及び前記仮設用ナットをアンカーボルトの側方から引き抜いて、前記ベースを取外すことが可能な構成を有する
ことを特徴とする揚重装置。
【請求項3】
前記アンカーボルトは、前記ポールから張り出されて固設されるフランジに平行に少なくとも2本並ぶように配置され、外壁から水平に突設されていて、
前記差込片は、2本の前記アンカーボルト両方を銜え込むことが可能な長さの横長で一端が開放された差込スリットが形成されていて、
前記差込片と前記仮設用ナットとの間に、差込片の上に重ねられ、各々のアンカーボルトが個別に挿通されると共に、前記差込スリットにほぼ直交する方向に延びる下端が開放の2本の平行な押さえスリットが形成された押さえ部材を
備えている請求項1または2に記載の揚重装置。
【請求項4】
前記吊り具が前記パイプの上端付近に設けられたアーム部材に取り付けられており、前記パイプが前記ベース及び前記アーム部材に対して着脱自在な構造を有し、
前記ポールの長さや前記アンカーボルトの突設ピッチに応じて、前記パイプの長さを変更できることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の揚重装置。
【請求項5】
外壁に突設したアンカーボルトに対し、ポールに固設されたフランジの孔にナットで締結して前記外壁に前記ポールを固定する際に揚重装置を用いて取り付けるポールの取付方
法であって、
前記アンカーボルトに対しその側方から抜き差し自在に設けられる差込片を有すると共に、該前記アンカーボルトの側方から抜き差しするための切欠きを出現させたり、無くしたりできるように設けた仮設用ナットで該差込片を前記アンカーボルトに締めつけることにより固定されるベースと、
該ベースに立設すると共に、上端付近に前記ポールを吊るための吊り具が設けられるパイプとを備えた揚重装置を用いて、
前記ポールを外壁に固定する際に、
まず、前記アンカーボルトに前記ベースを前記仮設用ナットで締結した後、前記ポールを前記パイプの前記吊り具で吊りながら前記フランジの孔に前記アンカーボルトを挿通して、前記ポールを本設ナットで仮固定し、
次に、前記吊り具から前記ポールをはずした後、前記差込片及び前記仮設用ナットをアンカーボルトの側方から引き抜いて、前記ベースつまり揚重装置を取外し、
最後に、前記フランジを前記アンカーボルトに沿って前記本設ナットで外壁に向けて締結することを特徴とするポールの取付方法。
【請求項6】
外壁に突設したアンカーボルトに対し、ポールに固設されたフランジの孔にナットで締結してある前記ポールを前記外壁から取外す際に揚重装置を用いて取外すポールの取外方法であって、
前記アンカーボルトに対しその側方から抜き差し自在に設けられる差込片を有すると共に、該前記アンカーボルトの側方から抜き差しするための切欠きを出現させたり、閉じたりできるように設けた仮設用ナットで該差込片を前記アンカーボルトに締めつけることにより固定されるベースと、
該ベースに立設すると共に、上端付近に前記ポールを吊るための吊り具が設けられるパイプとを備えた揚重装置を用いて、
前記ポールを前記アンカーボルトから取外す際に、
まず、前記ポールの前記フランジの孔と前記アンカーボルトとを固定している本設ナットを緩め仮固定状態とし、
次に、前記外壁と前記フランジ孔との間に前記差込片及び前記仮設用ナットとを側方から差し込んで、前記ベースを前記仮設用ナットで締結した後、前記ポールを前記パイプの前記吊り具で吊りながら前記本設ナットを取外して前記ポールの前記フランジの孔を前記アンカーボルトから取外し、
最後に、前記差込片及び前記仮設用ナットをアンカーボルトの側方から引き抜いて、前記ベースを取外すことを特徴とするポールの取外方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外壁に突設したアンカーボルトを利用してポールを揚重する揚重装置並びにそれを用いるポールの取付および取外方法に関する。さらに詳しくは、外灯ポールや避雷針など建物の設備を外壁に固定するポールのための揚重装置並びにそれを用いる取付および取外方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築設備には、建屋の外壁から支持をとって上方へ突き出す必要のある装置がいくつか存在する。例えば、建屋の外壁そばに人の動線がある場合、夜間照明する外灯を上方に設置するため、外灯ポールを建屋外壁で支持したり、屋上の塔屋の外壁から避雷針を上方へ突設する避雷針ポールを塔屋外壁で支持したり、各種電波を受信するアンテナを取り付けるアンテナポールを塔屋外壁で支持したりする場合が多い。
以降からは、外灯ポールを例に説明していくが、上記ほかの装置のポールであってももちろん同じである。
通常新設現場などでは、外壁に突設したアンカーボルトに外灯ポールを取り付けるには、外壁に沿って立ち上げ組まれた単管足場を利用して、作業者がアンカーボルトそばに寄り付き、ポールを建築側が用意するクレーンなどで持ち上げながら、アンカーボルトに外灯ポールフランジの孔を挿通させ、その後ナットで締結して設置する。
しかし、建築側である外壁仕上げの工事範囲と、電気設備側である外灯ポールの工事範囲とは別の業者が担当するので、外壁が仕上がった状態で取り付ける外灯ポールなどの場合、建築側の足場がすでに撤去されている工程での取付作業になる場合も多い。その際には、外灯ポールの設置のために多大な仮設費用を用いて単管足場を設けることなり工事費用の増大や工程の延長を引き起こす。
このような場合、中型トラックの運転席と荷台との間に小型クレーンを備えた、通称ユニック車で外灯ポールを運搬してきて、取り付けるべき外壁のそばにユニック車を寄り付けて、ユニッククレーンでポールを吊り上げ、作業者は立ち馬を利用した簡易足場を使って外壁面に突設したアンカーボルトに寄り付いて取り付けることも行われる。
また、仕上がった外壁を補修することを覚悟して、外壁にわざわざドリル開口をあけて、仮設揚重装置を固定するためのホールインアンカーを設置し、そこに仮設アンカーボルトを設置し、揚重装置を設置し、外灯ポールを吊って設置した後、外壁の補修を建築側に依頼して有償で行うこともされている
【0003】
アンカーボルトで楊重装置を仮固定するものではないが、ポールのような柱状の部材を立設する方法として、以下の特許文献1、2、3の技術が知られている。
特許文献1には、仮設電柱の立設・回収装置が開示されている。その装置は、下部柱材と、それの上端に嵌合される上部柱材とを備えている。前記下部柱材の下方の部位は土中に埋設され、上方の部位は地表に垂立されている。その下部柱材の上方には、上部柱材を取り付ける前に、揚重装置の一部である支持パイプがクランプ2つで巻きつけられ下部柱材の側方に仮固定されている。その支持パイプの上端からは、アームが水平に突設している。そのアームには滑車が設けられ、その滑車にフックつきのチェーンが掛けられ、いわゆるチェーンブロックが設けられている。
前記仮設電柱を立設するには、まず、上部柱材を、前記フックに係止する。次いで、その上部柱材を下部柱材との嵌合位置まで垂直に近い姿勢で吊り上げる。そして、上部柱材の下端を下部柱材の上端付近に嵌着する。一方、回収するには、上述したのと逆の手順で、前記嵌着された上部柱材を下部柱材から取り外して行う。
【0004】
特許文献2には、折損電柱仮支持工法が開示されている。その工法は、折れた電柱の地
中残存部に、仮支柱の下部に設けられた埋め込み部を挿入する。その埋め込み部からアウトリガー(爪状の部材)を外向きに突出させ、折損電柱の内壁に圧接固定する。そして、前記仮支柱の上部に折れた電柱の地上残存部を固定する、というものである。
【0005】
特許文献3には、避雷針取外方法が開示されている。その取外方法は、まず、第1台付ワイヤの一端を鞘管に取り付け、その他端をクレーンのフックに取り付ける。前記避雷針は上から順に第1支持管、第2支持管、第3支持管を軸方向に並べて接合されている。前記鞘管をクレーンで吊り上げ、避雷針の第1支持管および第2支持管の接続部を含むように鞘管を被せる。避雷針の第3支持管に第2台付ワイヤの一端を固定し、その他端を前記クレーンのフックに固定する。この状態で、クレーンにより避雷針及び鞘管を吊上げることにより、前記接続部の抜け落ちを防止する。そして、所定のスペースまで避雷針を運び、荷降ろしする、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−61420号公報
【特許文献2】特開平6−323040号公報
【特許文献3】特開2012−209989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
建屋の外壁の高所に、外灯ポールを取り付けるのをチェーンブロックなど吊り具を用いずに人力で行う場合には、多くの作業員による運搬及び位置あわせが必要である。さらに、外灯ポールは4人以上で作業すべき100kg程度以上の重量であるにもかかわらず重量バランスが悪く、重心に近いところを多人数で持てない形状で手元が滑りやすい。そして、建築外壁が仕上がった状態での簡易足場であるたち馬を用いて多人数で重量物である外灯ポールを昇降させる作業は、危険作業となる。一方で、安全性を高めるため単管足場と吊り元及びクレーンを準備すると大掛かりな足場構築が必要となり、費用や手間がかかる。
また、前記ユニック車のユニッククレーンを利用すると便利ではあるが、実際に舗装された車道がそばにないと、中型トラックであるユニック車が寄り付けない。車が寄り付けるスペースが近傍にある外壁に作業が限られる。さらに、建屋の外壁に揚重装置を固定するための仮設のアンカーボルトなどの固定部を設けると、工事後仮設のアンカーボルトの撤去及び外壁補修工事が必要となり手間や費用が掛かる。
【0008】
また、特許文献1のように仮設電柱を下部柱材と上部柱材とに分割し、下部柱材の外径部分を利用して揚重装置の支持パイプを保持するのでは、下部柱材の外径に従って多数のクランプを用意しなくてはいけなくなり、また、下部柱材の表面摩擦によりクランプを固定するので、クランプが滑落して吊り上げ時に事故を起こしかねない。
さらに、特許文献2では、仮支柱を折損電柱の地中残存部に取り付けるための複雑な機構が必要である。そして、特許文献3では、部材を吊るのにクレーンを用いている。
【0009】
そこで、本発明は簡易な構造で、かつ、安全に作業を進めることができる揚重装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の揚重装置は、外壁に突設したアンカーボルトに対し、ポールに固設されたフランジの孔にナットで締結して前記外壁に前記ポールを固定するときに用いる揚重装置であって、前記アンカーボルトに対しその側方から抜き差し自在に設けられる差込片を有すると共に、該前記アンカーボルトの側方から抜き差しするための切欠きを出現させたり
、無くしたりできるように設けた仮設用ナットで該差込片を前記アンカーボルトに締めつけることにより固定されるベースと、該ベースに立設すると共に、上端付近に前記ポールを吊るための吊り具が設けられるパイプとを備えており、前記ポールを外壁に固定する際に、前記アンカーボルトに前記ベースを前記仮設用ナットで締結した後、前記ポールを前記パイプの前記吊り具で吊りながら前記フランジの孔に前記アンカーボルトを挿通して、前記ポールを本設ナットで仮固定した後に、前記差込片及び前記仮設用ナットをアンカーボルトの側方から引き抜いて、前記ベースを取外すことが可能な構成を有する、ことを特徴とする。
【0011】
(2)本発明の揚重装置は、外壁に突設したアンカーボルトに対し、ポールに固設されたフランジの孔にナットで締結してある前記ポールを前記外壁から取外すときに用いる揚重装置であって、前記アンカーボルトに対しその側方から抜き差し自在に設けられる差込片を有すると共に、該前記アンカーボルトの側方から抜き差しするための切欠きを出現させたり、無くしたりできるように設けた仮設用ナットで該差込片を前記アンカーボルトに締めつけることにより固定されるベースと、該ベースに立設すると共に、上端付近に前記ポールを吊るための吊り具が設けられるパイプとを備えており、前記ポールを前記アンカーボルトから取外す際に、前記ポールの前記フランジの孔と前記アンカーボルトとを固定している本設ナットを緩め仮固定状態とした後、前記外壁と前記フランジ孔との間に前記差込片及び前記仮設用ナットとを側方から差し込んで、前記ベースを前記仮設用ナットで締結した後、前記ポールを前記パイプの前記吊り具で吊りながら前記本設ナットを取外して前記ポールの前記フランジの孔を前記アンカーボルトから取外した後に、前記差込片及び前記仮設用ナットをアンカーボルトの側方から引き抜いて、前記ベースを取外すことが可能な構成を有することを特徴とする。
【0012】
(3)このような揚重装置において、前記アンカーボルトは、前記ポールから張り出されて固設されるフランジに平行に少なくとも2本並ぶように配置され、外壁から水平に突設されていて、前記差込片は、2本の前記アンカーボルト両方を銜え込むことが可能な長さの横長で一端が開放された差込スリットが形成されていて、前記差込片と前記仮設用ナットとの間に、差込片の上に重ねられ、各々のアンカーボルトが個別に挿通されると共に、前記差込スリットにほぼ直交する方向に伸びる下端が開放の2本の平行な押さえスリットが形成された押さえ部材を備えているのが好ましい。
(4)また、前記吊り具が前記パイプの上端付近に設けられたアーム部材に取り付けられており、前記パイプが前記ベース及び前記アーム部材に対して着脱自在な構造を有し、前記ポールの長さや前記アンカーボルトの突設ピッチに応じて、前記パイプの長さを変更できるのが好ましい。
【0013】
(5)本発明のポールの取付方法は、外壁に突設したアンカーボルトに対し、ポールに固設されたフランジの孔にナットで締結して前記外壁に前記ポールを固定する際に揚重装置を用いて取り付けるポールの取付方法であって、前記アンカーボルトに対しその側方から抜き差し自在に設けられる差込片を有すると共に、該前記アンカーボルトの側方から抜き差しするための切欠きを出現させたり、無くしたりできるように設けた仮設用ナットで該差込片を前記アンカーボルトに締めつけることにより固定されるベースと、該ベースに立設すると共に、上端付近に前記ポールを吊るための吊り具が設けられるパイプとを備えた揚重装置を用いて、前記ポールを外壁に固定する際に、まず、前記アンカーボルトに前記ベースを前記仮設用ナットで締結した後、前記ポールを前記パイプの前記吊り具で吊りながら前記フランジの孔に前記アンカーボルトを挿通して、前記ポールを本設ナットで仮固定し、次に、前記吊り具から前記ポールをはずした後、前記差込片及び前記仮設用ナットをアンカーボルトの側方から引き抜いて、前記ベースつまり揚重装置を取外し、最後に、前記フランジを前記アンカーボルトに沿って前記本設ナットで外壁に向けて締結する、ことを特徴としている。
【0014】
(6)本発明のポールの取外方法は、外壁に突設したアンカーボルトに対し、ポールに固設されたフランジの孔にナットで締結してある前記ポールを前記外壁から取外す際に揚重装置を用いて取外すポールの取外方法であって、前記アンカーボルトに対しその側方から抜き差し自在に設けられる差込片を有すると共に、該前記アンカーボルトの側方から抜き差しするための切欠きを出現させたり、無くしたりできるように設けた仮設用ナットで該差込片を前記アンカーボルトに締めつけることにより固定されるベースと、該ベースに立設すると共に、上端付近に前記ポールを吊るための吊り具が設けられるパイプとを備えた揚重装置を用いて、前記ポールを前記アンカーボルトから取外す際に、まず、前記ポールの前記フランジの孔と前記アンカーボルトとを固定している本設ナットを緩め仮固定状態とし、次に、前記外壁と前記フランジ孔との間に前記差込片及び前記仮設用ナットとを側方から差し込んで、前記ベースを前記仮設用ナットで締結した後、前記ポールを前記パイプの前記吊り具で吊りながら前記本設ナットを取外して前記ポールの前記フランジの孔を前記アンカーボルトから取外し、最後に、前記差込片及び前記仮設用ナットをアンカーボルトの側方から引き抜いて、前記ベースを取外す、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
(1)(2)本発明の揚重装置では、ポールを取り付けるための、すなわちポールをそのフランジの孔に挿通して本設ナットで締結するための、外壁から突設するアンカーボルトにベースを予め仮固定し、そのベースに本設のポールのフランジを重ねても、側方にベースや仮設用ナットを引き抜いて後から取り除けるので、前記アンカーボルトが仮設揚重装置の仮固定にも、ポールの本設にも利用できる。そのため、別途、仮設揚重装置の固定用のボルト等を外壁に設ける必要がなく、施工後の補修などが不要である。そして、本来、ポールが設置されるのとほぼ同じ位置に、揚重装置の支持パイプを立設することができるから、ポールをその重心に沿って吊り上げることが可能で、さらに揚重装置を仮固定するための別個の空間を必要としないので、狭い場所で施工ができる。
【0016】
さらに、外壁から突設されたアンカーボルトに対しその側方から抜き差し自在に設けられる差込片を有すると共に、前記アンカーボルトの側方から抜き差しするための切欠きを出現させたり、無くしたりできるように設けた仮設用ナットで該差込片を前記アンカーボルトに締めつけることにより固定されるベースと、ベースに立設すると共に、上端付近にポールを吊るための吊り具が設けられるパイプとを備えた揚重装置を用いて、ポールを外壁に固定する際に、まず、アンカーボルトにベースを仮設用ナットで締結した後、ポールをパイプの吊り具で吊りながらフランジの孔にアンカーボルトを挿通して、ポールを本設ナットで仮固定し、次に、吊り具からポールをはずした後、差込片及び仮設用ナットをアンカーボルトの側方から引き抜いて、ベースつまり揚重装置を取外し、最後に、フランジをアンカーボルトに沿って本設ナットで外壁に向けて本締結することができる。
一方、ポールを取り外す際には、ポールを固定している本設ナットを緩めて、ポールのフランジの孔とアンカーボルトとを固定している本設ナットを緩め仮固定状態とした後、外壁とフランジの孔との間に差込片及び仮設用ナットとを側方から差し込んで、ベースを仮設用ナットで締結した後、ポールをパイプの吊り具で吊りながら本設ナットを取外してポールのフランジの孔をアンカーボルトから取外し、ポールを吊りながら外壁から取り外す。その後、差込片及び仮設用ナットをアンカーボルトの側方から引き抜いて、揚重装置のベースを取外す。このため、ポールの取付、取外しが容易であり、少人数、例えば2人の作業員で行うことができる。このため、低コストである。
【0017】
さらに、本設のアンカーボルトのあるポール設置位置に揚重装置を設置できるので、ポール設置位置よりも高所に足場を組む必要もなく、また、ポールをその重心に留意しながら略垂直に吊りながら仮設置まで持っていけるので、揚重装置が水平方向に離れている場合の作業員による介錯も不要となり、ポールを1点吊りで確実に吊り上げることができる
ので、安全である。そして、揚重装置は本設用のアンカーボルトから取り外してそのまま他の現場で用いることができ、使い勝手が良い。そして、部品点数が少ないので構造が簡易で且つ強度がある。
【0018】
(3)このような揚重装置において、アンカーボルトは、ポールから張り出されて固設されるフランジに平行に少なくとも2本並ぶように配置され、外壁から水平に突設されていて、差込片は、2本のアンカーボルト両方を銜え込むことが可能な長さの横長で一端が開放された差込スリットが形成されていて、差込片と仮設用ナットとの間に、差込片の上に重ねられ、各々のアンカーボルトが個別に挿通されると共に、差込スリットにほぼ直交する方向に伸びる下端が開放の2本の平行な押さえスリットが形成された押さえ部材を備えている場合は、横長のスリットが形成されたベースの差込片の上から、重ねるように2本のスリットを有する押さえ部材を2つのアンカーボルトに渡すように固定できる。このため、差込片が抜け落ちるのを防止することができ、安全である。さらに、仮設用ナットを緩めると、押さえ部材および差込片をアンカーボルトから容易に抜き取ることができる。このため、作業が容易である。
さらに、アンカーボルトはほとんどの場合、ポールの軸方向に直行してポールに固定されるフランジに対し平行に、つまり水平方向に少なくとも2本が並んで配置されているから、アンカーボルトの水平方向の取り付けピッチ、すなわちポール径に応じた水平取り付けピッチに影響を受けずに、ある程度の長さを有する差込片の横長のスリットを、2本のアンカーボルトを両方とも銜え込んだ形に差し込むことができる。このため、ベースは他のポールの設置、例えば径の異なるポールの取り付けにも用いることができ、使い勝手が良い。
【0019】
(4)また、吊り具がパイプの上端付近に設けられたアーム部材に取り付けられており、パイプがベース及びアーム部材に対して着脱自在な構造を有し、ポールの長さやアンカーボルトの鉛直方向の突設ピッチに応じて、パイプの長さを変更できるようになっている場合は、長さの異なるパイプに交換することによって、吊りの高さを変更でき、さまざまなポールに対応できる吊り具となる。例えば、2本の長さが同じでも、鉛直方向のアンカーボルト突設ピッチが異なるためフランジ位置を異にする2本のポールをそれぞれ最適な吊り位置で吊ることができ、重心や吊り姿勢をきちんと制御できる。そして、パイプとして安価で強度のある単管を用いることができる。さらに、ベース3、ベースプレート4、パイプ5およびアーム6は、分割することにより容易に運搬できる。
【0020】
(5)(6)本発明のポールの取付及び取外方法は、アンカーボルトに対しその側方から抜き差し自在に設けられる差込片を有すると共に、前記アンカーボルトの側方から抜き差しするための切欠きを出現させたり、無くしたりできるように設けた仮設用ナットで該差込片を前記アンカーボルトに締めつけることにより固定されるベースが固定される。そのベースに立設すると共に上端付近にポールを吊るための吊り具を用いてポールを外壁に固定する際に、アンカーボルトにベースを仮設用ナットで締結した後、ポールをパイプの吊り具で吊りながらフランジの孔にアンカーボルトを挿通して、ポールを本設ナットで仮固定し、次に、吊り具からポールをはずした後、差込片及び仮設用ナットをアンカーボルトの側方から引き抜いて、ベースつまり揚重装置を取外し、フランジをアンカーボルトに沿って本設ナットで外壁に向けて本締結する。
一方、ポールを取り外す際には、アンカーボルトに対しその側方から抜き差し自在に設けられる差込片を有すると共に、前記アンカーボルトの側方から抜き差しするための切欠きを出現させたり、無くしたりできるように設けた仮設用ナットで該差込片を前記アンカーボルトに締めつけることにより固定されるベースと、ベースに立設し上端付近にポールを吊るための吊り具が設けられるパイプとを備えた揚重装置を用いて、ポールのフランジの孔とアンカーボルトとを固定している本設ナットを緩め仮固定状態とし、外壁とフランジの孔との間に差込片及び仮設用ナットとを側方から差し込んで、ベースを仮設用ナット
で締結した後、ポールをパイプの吊り具で吊りながら本設ナットを取外してポールのフランジの孔をアンカーボルトから取外して外壁からポールを取り外す。その後、差込片及び仮設用ナットをアンカーボルトの側方から引き抜いてベース、つまり揚重装置を取外す。
このため、ポールの取付、取り外しが容易であり、少ない人数、例えば2人の作業員で行うことができる、このため、低コストである。
そして、本設のアンカーボルトのあるポール設置位置に揚重装置を設置できるので、ポール設置位置よりも高所に足場を組む必要もなく、また、ポールをその重心に留意しながら略垂直に吊りながら仮設置まで持っていけるので、揚重装置が水平方向に離れている場合の作業員による介錯も不要となり、ポールを1点吊りで確実に吊り上げることができるので、安全である。さらに、別途、揚重装置固定用の仮設アンカーボルト等を外壁に設ける必要がないから、施工後の補修などが不要である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は本発明の揚重装置の一実施形態を示す概略図である。
【
図2】
図2は本発明の揚重装置で取り付けられるべき、あるいは、取り外されるべき外灯ポールを示す正面図である。
【
図4】
図4aはアンカーボルトの側方から抜き差しできる仮設用ナットの一実施形態を示す斜視図、
図4bは
図4aの仮設用ナットをアンカーボルトに取り付ける様子を示す平面図、
図4cは
図4bの正面図である。
【
図5】
図5は揚重装置によりポールを取り付ける方法を示す概略図である。
【
図6】
図6は揚重装置によりポールを取り外す方法を示す概略図である。
【
図7】
図7は本発明の関連技術であり、差込片のないベース(ベースプレート)を水平にボルト締結する揚重装置を示す概略図である。
【
図8】
図8はナットの他の実施形態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず、
図2を用いて、本発明の揚重装置1(
図1参照)により、固定され、あるいは、取り外されるべき外灯ポール10を示す。その外灯ポール10は、円柱状で長さのあるポール10aと、その上端付近に設けられている照明10bとからなる。前記ポール10aには、その下方の背面に左右に延びるフランジ10cが上下の二か所に設けられている。そして、その外灯ポール10が固定される外壁11には、フランジ10cに開設された孔に挿通して本設ナットで締結して固定するアンカーボルト12が設けられている。そのアンカーボルト12は、前記ポール10aの中心軸に直交して延びるフランジ10cの孔に、すなわち前記ポール10aの外径側面から一定距離にあるフランジの孔に挿通する位置に配置されている。この実施形態では、前記ポール10aは、その下端付近において上下に間隔を空けて鉛直方向に所定の突設ピッチを有して設けられる上下のアンカーボルト12にて二か所固定される。そして、左右のアンカーボルト12、12は、水平になるように設けられている。
【0023】
図1に示すように、揚重装置1は、ポール10a(
図2参照)を外壁11に設けたアンカーボルト12を用いて外壁11に固定し、および、前記ポール10aを前記アンカーボルトから12取り外すのに用いる。その楊重装置1は、組み立て式である。前記揚重装置1は、前記アンカーボルト12(
図2参照)を利用して、アンカーボルトの側方から抜き差しできる仮設用ナット(以下、中間挿入式ナットという)2およびその中間挿入式ナット2との間に介在される押さえ部材8ともども中間挿入式ナット2により締結固定されるベース3を備えている。
そのベース3は、使用時水平に枠体を形成する枠状部3a(
図3参照)と使用時スリットが鉛直に開口する差込片3bとを有し、その枠状部3aの上にベースプレート4が設けられている。そして、そのベースプレートの上面にパイプ5が立設されている。
【0024】
図3に示すように、前記ベース3は、従来公知のアングルを溶接などにより連結した、ほぼ正方形状の枠状部3aを備えている。その枠状部3aは、上面と側面とを有している。前記正方形を形成する一辺の側面には、板状の差込片3bが重なるように固定されている。その差込片3bは、枠状部3aを超えて、延長されている。その差込片3bには、先端で開口し、枠状部3a側に延びた横スリット3cが形成されている。その横スリット3cは前記外壁11に設けられた左右一対の二本のアンカーボルト12、12(下方の一対のアンカーボルト)が差し込まれる幅を有している(
図1参照)。
【0025】
前記ベースプレート4は、枠状部3aの上面に取り付けられる板部4aと、その板部4aの中央付近に立設される取付管4bとを備えている。その取付管4bには、その上端縁から鉛直下方に向けて延びる二本の縦溝4c、4cが対向するように形成されている。それら縦溝4c、4cの下端からはそれぞれ周方向の反対向きに延びる横向きの横溝4d、4dが形成されている。前記ベースプレート4はネジ4eで前記ベース3に締結されている。
【0026】
前記パイプ5は、前記取付管4bの上方からその内面に前記取付管4bの外周面が沿うように被せられ、立設される。そのパイプ5の下端の開口の内部にはロック棒5aが渡され、その内壁に固定されている。このパイプ5は、そのロック棒5aを前記取付管の縦溝4c、4cに通した上で、軸を中心にして回動される。これにより、前記ロック棒5aは横溝4d、4dに通され、上方に抜けない。このため、パイプ5は取付管4bから抜けないように、ロックされる。
一方、そのロックされたパイプ5は、ロックしたのと反対の方向に回動することにより、ロック解除され、上方に抜き取ることができる。
【0027】
前記アーム6は、パイプ5の上端付近にかぶさるように、その内面をパイプ5の外面にほぼ当接させながら嵌め込む単管6aと、その単管6aの上端の開口を塞ぐように取り付けられるアングル6bとを備えている。前記単管6aの外周面には固定用ボルト6cがねじ込まれている。その固定用ボルト6cをねじ込むことにより、その先端は単管6aの内面から突出し、パイプ5にアーム6を固定することができる。
また、その固定用ボルト6cを緩めることで、アーム6をパイプ5の外周周りに回動させ、その向きを変更することができる。向きを変更した後に、再び固定用ボルト6bを締め付けて、パイプ5に固定できる。
【0028】
ここで、前記アングル6bの先端付近には、チェーンブロック7を吊るための孔6dが形成されている。この孔6dにアイボルトなどを取り付け、チェーンブロックなどの吊り部材を架けるようにしてもよい。
【0029】
前記パイプ5は、前記ベースプレート4およびアーム6に対しそれぞれ脱着自在である。このため、吊り上げる外灯ポール10の重心および長さに応じて、前記パイプ5の長さが選択される。その際に、パイプ5を切断して、長さを調整してもよい。
【0030】
図1に戻って、前記チェーンブロック7は、従来公知の物であり、前記アーム6に架けられる架け部7aを備えている。電源がとれる場合は、モータ駆動のホイストを用いてもよい。
【0031】
前記差込片3bは、アンカーボルト12を横スリット3cに差し込んだ上で、その上から押さえ部材8で押さえ付ける。その押さえ部材8は、板状の部材であり、前記差込片3bの上に重ねられる。その押さえ部材8は、2本のアンカーボルト12、12の上方から通される二本の縦スリット8a、8aを有している。そして、その縦スリット8a、8a
に通されるアンカーボルト12、12に、前記中間挿入式ナット2が締め付けられる。
【0032】
図4aに示すように、前記中間挿入式ナット2は、アンカーボルトの中間部へその側方から直接、挿入して取り付けることのできる、従来公知のものである。その中間挿入式ナット2は、上下に重ねられた二つのナット部材2a、2aからなる。それらの上下のナット部材2a、2aは、中央のメネジ周りに回動自在に連結されている。それらナット部材2a、2aの側方には、切欠き2b、2bが形成されており、その切欠き2b、2bからアンカーボルトが挿入される。
【0033】
図4bおよび
図4cには、その中間挿入式ナット2をボルト12に挿入し、締め付ける様子を示す。まず、上下のナット部材2a、2aの切欠き2b、2bを合わせて、アンカーボルト12に挿入する(T1)。次いで、どちらかのナット部材2a(図では上方のナット部材2a)を指で120°回す(T2)。そして、二枚のナット部材2a、2aをスパナ(図示せず)で通常のナットと同じように一緒に回して締め付ける(T3)。最後に、二枚のナットの切欠き2b、2bが、互いに反対に向くように、一方のナット部材2aを回す(T4)。
また、この中間挿入式ナット2を取り外すには、スパナで二枚のナット部材2a、2aを緩め、その後に切欠き2b、2bの位置を合わせて、アンカーボルトから抜き取って行う。
【0034】
次に、
図5を用いて、前記揚重装置1(
図1参照)を用いて、外灯ポール10を外壁11に取り付ける方法を説明する。
まず準備工程(S1)として、前記揚重装置1のうち、ベース3、ベースプレート4、パイプ5およびアーム6を、予め組み付けて冶具1aとする(
図1参照)。この冶具1aが下記の工程を経て、前記アンカーボルト12に、自身の差込片3b押さえ部材8および中間挿入ナット2を差し込んだ上で中間挿入ナット2を締結することで、外壁11に固定されていく。
最初に、ポールを取り付けるべき外壁11の壁面に、ポールのフランジの孔位置を投影した、アンカーボルトを設けるための位置を決めるため、墨だしを行う(S2)。
次いで、前記墨だしした位置に、例えばドリルで開口し、ケミカルアンカーを打ち込んで一部が突出するようにアンカーボルトを打設する。
図5では4本のアンカーボルト12を、水平方向にはポールのフランジの延長方向の孔ピッチ、鉛直方向には、鉛直方向のアンカーボルト突設ピッチになるよう打設する(S3)。
そして、このアンカーボルト12のうち下に位置する水平に並んだ2本を、
図1に示すように組みあがった冶具1aの差込片3bの横スリット3c内に差し込むようにして冶具1aを引っ掛ける(S4)。このとき、チェーンブロック7(
図1参照)はアーム6にまだ取り付けない。そのような重量物は、前記ベースをアンカーボルト12に固定した後に取り付ける。
次いで、押さえ部材8を差込片3bの上(壁面から離れた垂直面)に重なるように配置する。その際に、押さえ部材8を、アンカーボルト12の上方から、横スリット3cの差込方向と直交するように、その縦スリット8a、8aにアンカーボルト12、12を通す(S5)。
そして、中間挿入式ナット2をアンカーボルト12に螺合し、差込片3bを押さえ部材8とともにアンカーボルト12に沿って締め付ける(S6)。これにより、冶具1aがアンカーボルト12に固定される。なお、前記中間挿入式ナット2をアンカーボルト12の先端から螺合させても良い。
次いで、アーム6にチェーンブロック7を取り付け、外灯ポール10を、チェーンブロック7のフックで重心よりわずかに上方を吊り上げる(S7)。
そして、前記ポール10aのフランジ10cの取付孔(図示せず)をアンカーボルト12に位置合わせし、吊り上げたままフランジ10cの取付孔にアンカーボルト12を挿通
させて、その後本設ナット(図示せず)をアンカーボルト12に挿通してゆるく締結し、外灯ポール10のフランジ10cを仮固定する(S8)。
その後に、前記中間挿入式ナット2をアンカーボルト12から、
図4のように切欠き2bをそろえて切欠きを出現させてボルト12の側方に引き抜く。そして差込片3bおよび押さえ部材8をアンカーボルト12の側方へ引き抜き、冶具1aを取り外す(S9)。このとき、先にチェーンブロック7、アーム6およびパイプ5を取り外しておくと作業が楽である。
最後に、前記本設ナットを本締めして、外灯ポール10のフランジ10cを締結してポールの取り付けが完了する(S10)。
【0035】
次に、
図6を用いて、前記揚重装置1を用いて、外灯ポール10を外壁11から取り外す方法を説明する。
まず、前記本設ナット(図示せず)を緩めて前記ポールを仮固定の状態にして、壁面とポールのフランジ10cとの間に隙間を生じさせる(R1)。
次いで、前記外灯ポール10(図の仮想線参照)のフランジ10cと外壁11との隙間に、前記治具1aの差込片3bの横スリット3cを差し込む(R2)。
次いで、差込片3bの上に重ねるように、アンカーボルト12の上方から、横スリット3cの差込方向と直交するように、押さえ部材8の縦スリット8a、8aにアンカーボルト12、12を通す(R3)。
そして、中間挿入式ナット2をアンカーボルト12に螺合し、差込片3bを締め付ける(R4)。これにより、治具1aがアンカーボルト12を介して外壁11に固定される。
次いで、アーム6にチェーンブロック7を取り付け、外灯ポール10を吊り、固定用ナット(図示せず)を取り外す(R5)。
そして、前記フランジ10cをアンカーボルト12から抜く(R6)。
その後に、前記ベース3、押さえ部材8および中間挿入式ナット2を取り外す(R7)。
【0036】
本実施形態においては、揚重装置1は組み立て式であり、ベース3、ベースプレート4、パイプ5およびアーム6は分割して容易に運搬するようにされている。なお、これら部品を溶接などで一体にしてもよい。
【0037】
本発明の揚重装置は、前記外灯ポールの他、避雷針、電柱など、高く延びる柱部材に用いると、簡易な構造で、かつ、安全に作業を進めることができる。
【0038】
また、前記アンカーボルト12は、コンクリートに埋込んだり、打設したり、化学反応を利用した接着剤によって固定する従来公知のものである。
【0039】
さらに、前記外壁11は、塀、建屋の壁などでもよい。さらに、壁が両側から接近しているような場所でも、本発明の揚重装置は、取り付けるべき、あるいは、取り外すべきポールとほぼ同じ位置に立設できるから、作業が容易である。例えば、小型のクレーン車が入り込めないような狭い場所でも作業できる。
【0040】
また、
図7に示すように、外灯ポール10が地中埋め込み型である場合には、ベース3には差込片3bがなく、ベースプレート4のみがあり、ベースプレート4をポールの基礎13に上方に突設したアンカーボルト13aに仮止めし、ポールを吊り上げて地中の開口に外灯ポール10の下部を挿入し、固定することも考えられる。ただ、本設用のアンカーボルト13aに仮固定したベースプレートは、特に側方に抜けることもなく、本願の揚重装置とは少し異なる。
【0041】
図8にその他の中間挿入式ナット9を示す。その中間挿入式ナット9は、コ字状の壁を
有する挿入部材9aを有している。そのコ字状の開口9bから前記アンカーボルト12が差し込まれる。その差し込まれたアンカーボルト12は、挿入部材9aのコ字の一方の壁から差し込まれる内面にアンカーボルト12のオネジと係合する複数の突条9cが形成された金属製の二枚の板材からなる止め部材9dにより係合される。
【符号の説明】
【0042】
1 揚重装置
1a 治具
2 仮設用ナット(中間挿入式ナット)
2a ナット部材
2b 切欠き
3 ベース
3a 枠状部
3b 差込片
3c 横スリット
4 ベースプレート
4a 板部
4b 取付管
4c 縦溝
4d 横溝
4e ネジ
5 パイプ
5a ロック棒
6 アーム
6a 単管
6b L型アングル
6c 固定用ボルト
6d 孔
7 チェーンブロック
7a フック
8 押さえ部材
8a 縦スリット
9 中間挿入式ナット
9a 挿入部材
9b 開口
9c 突条
9d 止め部材
10 外灯ポール
10a ポール
10b 照明
10c フランジ
11 外壁
12 アンカーボルト
13 基礎
13a アンカーボルト