特許第6223944号(P6223944)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6223944フォーカス補正装置、フォーカス補正方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223944
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】フォーカス補正装置、フォーカス補正方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/02 20060101AFI20171023BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20171023BHJP
   G03F 7/207 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   G03F9/02 H
   G03F7/20 521
   G03F7/207 H
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-202071(P2014-202071)
(22)【出願日】2014年9月30日
(65)【公開番号】特開2016-39359(P2016-39359A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2016年8月24日
(31)【優先権主張番号】62/034,421
(32)【優先日】2014年8月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317006041
【氏名又は名称】東芝メモリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】谷崎 広幸
【審査官】 赤尾 隼人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−510046(JP,A)
【文献】 特開2001−035763(JP,A)
【文献】 特開平11−016822(JP,A)
【文献】 特開2003−177101(JP,A)
【文献】 特表2007−515806(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/029957(WO,A2)
【文献】 特表2005−513757(JP,A)
【文献】 特開平07−111233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20;9/00−9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の露光装置で作成されたQCウェーハを外部の計測装置で測定して得られた第1のデフォーカス量のデータと、前記外部の露光装置で作成された製品ウェーハを前記外部の計測装置で測定して得られた第2のデフォーカス量のデータとを入力する入力手段と、
前記第1のデフォーカス量に基づいて前記第2のデフォーカス量を補間してウェーハ全面の高次フォーカス補正データを生成する補正データ生成手段と、を備え
前記補正データ生成手段は、製品ウェーハの座標に対応させてQCウェーハのデフォーカスマップを作成し、前記デフォーカスマップと前記第2のデフォーカス量から製品ウェーハの表面高さのばらつきに起因する騙され成分を取得し、前記騙され成分を補間して騙され成分ウェーハマップを作成し、前記騙され成分ウェーハマップと前記第1のデフォーカス量から前記高次フォーカス補正データを生成することを特徴とするフォーカス補正装置。
【請求項2】
前記パラメータ補正手段は、補正前の露光装置制御パラメータにより得られるフォーカス補正マップと前記高次フォーカス補正データとの差の絶対値の総和が最小となるパラメータを抽出することにより、または、前記フォーカス補正マップと前記高次フォーカス補正データとの差の二乗和が最小となるパラメータを抽出することにより、前記露光装置制御パラメータを補正することを特徴とする請求項1に記載のフォーカス補正装置。
【請求項3】
QCウェーハを測定して得られた第1のデフォーカス量に基づいて、製品ウェーハを測定して得られた第2のデフォーカス量を補間することにより、ウェーハ全面の高次フォーカス補正データを生成することと、
前記高次フォーカス補正データに基づいてフォーカスを補正することと、
を備えるフォーカス補正方法であって、
製品ウェーハの座標に対応させてQCウェーハのデフォーカスマップを作成し、前記デフォーカスマップと前記第2のデフォーカス量から製品ウェーハの表面高さのばらつきに起因する騙され成分を取得し、前記騙され成分を補間して騙され成分ウェーハマップを作成し、前記騙され成分ウェーハマップと前記第1のデフォーカス量から前記高次フォーカス補正データを生成するフォーカス補正方法。
【請求項4】
露光装置と計測装置とに接続されるコンピュータに前記露光装置のフォーカス補正を実行させるプログラムであって、
前記フォーカス補正は、前記計測装置でQCウェーハを測定して得られた第1のデフォーカス量に基づいて、前記計測装置で製品ウェーハを測定して得られた第2のデフォーカス量を補間することにより、ウェーハ全面の高次フォーカス補正データを生成するものであって、
製品ウェーハの座標に対応させてQCウェーハのデフォーカスマップを作成し、前記デフォーカスマップと前記第2のデフォーカス量から製品ウェーハの表面高さのばらつきに起因する騙され成分を取得し、前記騙され成分を補間して騙され成分ウェーハマップを作成し、前記騙され成分ウェーハマップと前記第1のデフォーカス量から前記高次フォーカス補正データを生成することを備える、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、フォーカス補正装置、フォーカス補正方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路装置の製造において、微細なパターンを高い精度で形成するためには、フォトリソグラフィ工程でCD(Critical Dimension)管理のみならず、露光光のフォーカス管理も重要である。
【0003】
しかしながら、露光装置の継続使用で生じた制御パラメータの経時変化などによりフォーカス位置が変動する場合があり、このようなフォーカス変動を正確に補正する技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−194551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、フォーカスばらつきを低減することができるフォーカス補正装置、フォーカス補正方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態のフォーカス補正装置は、入力手段と補正データ生成手段とを持つ。入力手段は、外部の露光装置で作成されたQCウェーハを外部の計測装置で測定して得られた第1のデフォーカス量のデータと、外部の露光装置で作成された製品ウェーハを外部の計測装置で測定して得られた第2のデフォーカス量のデータとを入力する。補正データ生成手段は、第1のデフォーカス量に基づいて第2のデフォーカス量を補間してウェーハ全面の高次フォーカス補正データを生成し、補正データ生成手段は、製品ウェーハの座標に対応させてQCウェーハのデフォーカスマップを作成し、デフォーカスマップと第2のデフォーカス量から製品ウェーハの表面高さのばらつきに起因する騙され成分を取得し、騙され成分を補間して騙され成分ウェーハマップを作成し、騙され成分ウェーハマップと第1のデフォーカス量から高次フォーカス補正データを生成する
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態によるフォーカス補正方法の概略手順を示すフローチャート。
図2】一実施形態によるフォーカス補正装置の概略構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態のいくつかについて図面を参照しながら説明する。図面において、同一の部分には同一の参照番号を付し、その重複説明は適宜省略する。
【0009】
以下の説明において、「製品マスク」とは、半導体製造ラインにおいて製品デバイスを製造するために使用されるマスクをいい、「QC」マスクとは、製品マスク以外のダミーマスクであって、露光装置の管理のために作成されたマスクをいう。また、「製品ウェーハ」とは、半導体製造ラインにおいて製品デバイスを製造するために使用されるウェーハをいい、「QCウェーハ」とは、上記製品ウェーハ以外のダミーウェーハであって、露光装置の管理のために使用されるウェーハをいう。さらに、「高次」とは、2次以上の次数が高い関数で表現されることをいう。
【0010】
(1)フォーカス補正方法
実施の一形態によるフォーカス補正方法について図1のフローチャートを参照しながら説明する。
【0011】
まず、半導体リソグラフィ工程において、フォーカス補正の対象となる露光装置(図2の符号50を参照)を用いて製品マスクのパターンを製品ウェーハ上のレジストに露光して製品ウェーハを作成する(ステップS1)。
【0012】
続いて、作成した製品ウェーハをフォーカス計測装置(図2の符号60を参照)に導入し、露光時の露光装置におけるデフォーカス量を計測する(ステップS2)。製品ウェーハを測定して得られたデフォーカス量は、本実施形態において例えば第2のデフォーカス量に対応する。
【0013】
次いで、QCウェーハを準備する(ステップS3)。QCマスクとしてショット内に多数(例えば101×101点)のフォーカス計測用パターンを配置したフォーカスQCマスクを作成し、このフォーカスQCマスクを、製品マスクを露光した露光装置で露光する。これによりQCウェーハが作成される。
【0014】
次に、QCウェーハを製品ウェーハでのフォーカス計測に用いたフォーカス計測装置に導入し、QCウェーハのデフォーカス量を計測する(ステップS4)。QCウェーハを測定して得られたデフォーカス量は、本実施形態において例えば第1のデフォーカス量に対応する。
【0015】
続いて、得られたQCウェーハのデフォーカス量データに基づいてQCウェーハの全領域のうちフォーカス計測用パターンが配置されていない領域を補間してQCウェーハのデフォーカスマップを作成する。作成されたデフォーカスマップは、フォーカス計測装置により得られたデフォーカス量と補間処理により求められたデフォーカス量とを含む。デフォーカスマップの作成に際し、各デフォーカス量を、ステップS2でデフォーカス量を測定した製品ウェーハの座標に対応させておく(ステップS5)。
【0016】
製品ウェーハ上の領域はデバイスパターンを形成するためのスペースで殆どが占められており、計測目的の専用パターンはカーフなどの限られた領域にしか作成できないので、フォーカス計測用パターンの数量も限られている。このため、ショット内におけるデフォーカス傾向は概略の傾向しか分からない。
【0017】
この一方、QCマスクには製品マスクのような制限がないため、前述した通り、多数のフォーカス計測用パターンを配置可能である。このため、QCウェーハからはショット内における高次のデフォーカス傾向を把握することができる。
【0018】
しかしながら、QCウェーハには製品パターンが作成されていないため、デバイスの段差や下層のスタック構造などによる下地やレジストの膜厚、及びレジスト表面高さのばらつきに起因する、製品ウェーハならではの騙され量の分布を測定することができない。そこで、本実施形態では、QCウェーハと製品ウェーハとの間でX,Y平面内の同一座標でのデフォーカス量を比較してウェーハ面内での傾向差を求めることにより、騙され量の分布(x,y,騙され量)を取得する。以下、X,Y平面内の座標位置に対応づけられた騙され量を「騙され成分」という。
【0019】
より具体的には、まず、製品ウェーハのフォーカス計測用パターンを測定して得られたデフォーカス量と、QCウェーハのフォーカス計測用パターンを測定して得られたデフォーカス量との差を計算することにより、下地やレジストの膜厚、及びレジスト表面高さのばらつきに起因する騙され成分を取得する(図1、ステップS6)。
【0020】
続いて、得られた騙され成分に基づいて製品ウェーハの領域中でフォーカス計測用パターンが形成されていない領域を補間することにより、QCウェーハの座標に対応した騙され成分ウェーハマップが取得される(ステップS7)。
【0021】
次いで、このようにして補間処理がなされた騙され成分を露光装置制御パラメータに反映させるための高次デフォーカスマップを取得する。
【0022】
より具体的には、ステップS7で取得された騙され成分ウェーハマップにおける騙され成分と、ステップS4で取得されたQCウェーハのデフォーカス量との和を算出し、算出結果に応じた騙され量を、騙され成分ウェーハマップの各騙され成分からキャンセルする。これにより、下地やレジストの膜厚、及びレジスト表面高さのばらつきが反映された高次デフォーカスマップが取得される(ステップS8)。本実施形態において、高次デフォーカスマップのデータは例えば高次フォーカス補正データに対応する。
【0023】
続いて、露光装置制御パラメータにより得られるフォーカス補正マップと上記ステップS8で得られた高次デフォーカスマップとの間で所定の演算を行うことにより、最適の露光装置制御パラメータを算出する(ステップS9)。所定の演算としては、例えばフォーカス補正マップと高次デフォーカスマップとの差の絶対値の総和が最小となる露光装置制御パラメータを抽出することの他、フォーカス補正マップと高次デフォーカスマップとの差の二乗和が最小となる露光装置制御パラメータを抽出することなどが含まれる。
【0024】
最後に、上記ステップS9で得られた露光装置制御パラメータの最適値を露光装置にフィードバックする(ステップS10)ことにより、後続するロットのデフォーカス量を最小化することができる。
【0025】
以上の手順を露光装置レシピ毎の製造ロット数や経過時間、装置メンテナンス状態に応じて定期的に繰り返すことにより、最小のデフォーカス量での製造が維持される。
【0026】
なお、上述した補間では、例えば線形補間や三次補間などを使用することができる。
【0027】
上述した実施形態では、QCウェーハのデフォーカス量を計測する前に、製品ウェーハのデフォーカス量を取得する態様について説明したが、これらの順序に限ることなく、先にQCウェーハのデフォーカス量を計測した後に製品ウェーハのデフォーカス量を取得することとしてもよい。
【0028】
以上述べた少なくとも一つの実施の形態によるフォーカス補正方法によれば、QCウェーハのデフォーカスマップに、製品ウェーハの下地やレジストの膜厚、及びレジスト表面高さのばらつきに起因する騙され成分が反映された高次デフォーカスマップを取得し、得られた高次デフォーカスマップに基づいて最適の露光装置制御パラメータを算出してフォーカスを補正するので、半導体リソグラフィ工程において、製品ウェーハのフォーカスばらつきを低減することができる。
【0029】
(2)フォーカス補正装置
図2は、一実施形態によるフォーカス補正装置の概略構成を示すブロック図である。図2に示すフォーカス補正装置は、上述した実施形態のフォーカス補正を実現するための装置である。
【0030】
本実施形態のフォーカス補正装置は、図2に示すように、入力手段12と、補正データ生成手段10と、パラメータ補正手段14と、記憶装置MRと、を含む。
【0031】
入力手段12は、外部の計測装置60に接続され、計測装置60の計測結果を補正データ生成手段10に取り込むためのインタフェイスとして機能する。
【0032】
外部の計測装置60は、外部の露光装置50で作成された製品ウェーハW1およびQCウェーハW2を受け入れて露光装置50でのデフォーカス量を計測する。露光装置50は、半導体リソグラフィ工程においてフォーカス補正の対象となる露光装置であり、製品マスクM1から製品ウェーハW1を作成し、また、QCマスクM2からQCウェーハを作成する。
【0033】
補正データ生成手段10は、計測装置60から与えられた計測結果を処理してウェーハ全面の高次フォーカス補正データを生成する。
【0034】
パラメータ補正手段14は、高次フォーカス補正データから露光装置制御パラメータを補正して露光装置50へフィードバックする。
【0035】
記憶装置MRは、各種の演算プログラムを格納するほか、露光装置50の制御パラメータやフォーカス補正マップを格納する。
【0036】
図2に示すフォーカス補正装置の動作は以下の通りである。
【0037】
まず、製品マスクM1がセットされた露光装置50に、前処理を終えた製品ウェーハが導入され、この製品ウェーハ上のレジスト(図示せず)に製品マスクM1のパターンが転写されて製品ウェーハW1が作成される。続いて製品ウェーハW1は計測装置60に導入され、露光時の露光装置50におけるデフォーカス量が計測される。計測結果は、入力手段12を介して補正データ生成手段10に入力される。製品ウェーハW1の測定により得られたデフォーカス量は、本実施形態において例えば第2のデフォーカス量に対応する。
【0038】
次いで、QCマスクM2がセットされた露光装置50に、前処理を終えたQCウェーハが導入され、このQCウェーハ上のレジスト(図示せず)にQCマスクM2のパターンが転写されてQCウェーハW2が作成される。QCマスクには、ショット内に多数(例えば101×101点)のフォーカス計測用パターンが配置されている。作成されたQCウェーハW2は、計測装置60に導入され、露光時の露光装置50におけるデフォーカス量が計測される。計測結果は、入力手段12を介して補正データ生成手段10に入力される。QCウェーハW2の測定により得られたデフォーカス量は、本実施形態において例えば第1のデフォーカス量に対応する。
【0039】
補正データ生成手段10は、入力されたQCウェーハW2のデフォーカス量データに基づいてQCウェーハの全領域のうちフォーカス計測用パターンが配置されていない領域を補間してQCウェーハのデフォーカスマップを作成する。その際に、補正データ生成手段10は、補間処理により求められたデフォーカス量を含め、各デフォーカス量を製品ウェーハW1の座標に対応させておく。
【0040】
次に、補正データ生成手段10は、製品ウェーハW1を測定して得られたデフォーカス量と、QCウェーハW2を測定して得られたデフォーカス量との傾向差を計算することにより、下地やレジストの膜厚及びレジスト表面高さのばらつきに起因する騙され成分を取得する。
【0041】
続いて、補正データ生成手段10は、得られた騙され成分に基づいて製品ウェーハの領域中でフォーカス計測用パターンが形成されていない領域を補間することにより、QCウェーハの座標に対応した騙され成分ウェーハマップを取得する。
【0042】
さらに、補正データ生成手段10は、騙され成分ウェーハマップにおける騙され成分と、QCウェーハのデフォーカス量との和を算出し、算出結果に応じた騙され量を、騙され成分ウェーハマップの各騙され成分からキャンセルする。これにより、下地やレジストの膜厚及びレジスト表面高さのばらつきが反映された高次デフォーカスマップが取得される。補正データ生成手段10は、取得した高次デフォーカスマップのデータをパラメータ補正手段14へ送る。本実施形態において、高次デフォーカスマップのデータは例えば高次フォーカス補正データに対応する。
【0043】
パラメータ補正手段14は、記憶装置MRからフォーカス補正マップを引き出し、該フォーカス補正マップと、補正データ生成手段10から送られた高次デフォーカスマップとの間で所定の演算を行うことにより、最適の露光装置制御パラメータを算出し、露光装置50へフィードバックする。パラメータ補正手段14による演算には、例えばフォーカス補正マップと高次デフォーカスマップとの差の絶対値の総和が最小となる露光装置制御パラメータを抽出することの他、フォーカス補正マップと高次デフォーカスマップとの差の二乗和が最小となる露光装置制御パラメータを抽出することなどが含まれる。
【0044】
以上述べた少なくとも一つの実施の形態によるフォーカス補正装置によれば、高次のデフォーカス傾向が反映されたQCウェーハW2のデフォーカスマップに、製品ウェーハW1の下地やレジストの膜厚及びレジスト表面高さ位置のばらつきに起因する騙され成分がさらに反映された高次デフォーカスマップを取得する補正データ生成手段10と、補正データ生成手段10により取得された高次デフォーカスマップに基づいて最適の露光装置制御パラメータを算出するパラメータ補正手段14とを含む。これにより、半導体リソグラフィ工程において、製品ウェーハのフォーカスばらつきを低減することができる。
【0045】
(3)プログラム
前述の実施形態では、図2に示す専用のフォーカス補正装置を用いたフォーカス補正について説明したが、上述した一連のフォーカス補正は、レシピファイルとしてプログラムに組み込み、露光装置および計測装置に接続可能な汎用コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。これにより、上述した実施形態によるフォーカス補正を、汎用コンピュータを用いて実現することができる。
【0046】
また、上述したフォーカス補正の一連の手順をコンピュータに実行させるプログラムに組み込み、フレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の携帯可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。また、上述したフォーカス補正の一連の手順を組込んだプログラムをインターネット等の通信回線(無線通信を含む)を介して頒布しても良い。さらに、上述したフォーカス補正の一連の手順を組込んだプログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、または記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0048】
10…補正データ生成手段、12…入力手段、14…パラメータ補正手段。
図1
図2