(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6224416
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】セラミック体と金属体との接合体、およびセラミック体と金属体との接合体の製造方法
(51)【国際特許分類】
C04B 37/02 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
C04B37/02 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-226593(P2013-226593)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2015-86109(P2015-86109A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年7月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】児玉 智
【審査官】
田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭60−226464(JP,A)
【文献】
特開昭61−136968(JP,A)
【文献】
特開昭61−141679(JP,A)
【文献】
特開昭61−132570(JP,A)
【文献】
特開昭61−151070(JP,A)
【文献】
特開昭64−009884(JP,A)
【文献】
特開平01−282167(JP,A)
【文献】
特開平01−141881(JP,A)
【文献】
特開2002−097030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 37/00 − 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセラミックスからなるセラミック体と、金属体と、前記セラミック体と前記金属体とを接合する接合層とを有する、セラミック体と金属体との接合体であって、
前記接合層は、
前記第1のセラミックスよりも熱膨張係数が小さくかつ前記第1のセラミックスよりも3点曲げ強度が大きい第2のセラミックスからなる接合用セラミック層と、前記セラミック体と前記接合用セラミック層との間に配置されて前記セラミック体と前記接合用セラミック層とを接合する第1金属層と、前記接合用セラミック層と前記金属体との間に配置されて前記接合用セラミック層と前記金属体とを接合する第2金属層とを有し、
前記第1のセラミックスは炭化珪素(SiC)を主成分とし、前記第2のセラミックスは窒化珪素(Si3N4)を主成分とすることを特徴とするセラミック体と金属体との接合体。
【請求項2】
前記接合層は、前記接合用セラミック層の側面に被着するとともに前記第1金属層および前記第2金属層にも繋がって前記第1金属層と前記第2金属層とを電気的に導通させる、金属からなる側面被覆部を有することを特徴とする請求項1記載のセラミック体と金属体との接合体。
【請求項3】
前記第1金属層および前記第2金属層および前記側面被覆部は、銀(Ag)を主成分とし、銅(Cu)およびチタン(Ti)を含むことを特徴とする請求項2記載のセラミック体と金属体との接合体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック体と金属体との接合体の製造方法であって、前記セラミック体と、前記金属体と、前記第1金属層および前記第2金属層の前駆体である金属ペーストと、前記第2のセラミックスからなる板状セラミック部材を準備する工程と、
前記セラミック体と前記金属体との間に前記金属ペーストと前記板状セラミック部材とを配置することで、前記セラミック体と前記金属体との間に配置された前記板状セラミック部材からなる前記接合用セラミック層と、前記セラミック体と前記接合用セラミック層との間に配置された第1金属ペースト層と、前記接合用セラミック層と前記金属体との間に配置された第2金属ペースト層とを形成する工程と、
全体を加熱することで前記第1金属ペースト層を焼成した後に降温させて前記第1金属層を形成するとともに、前記第2金属ペースト層を焼成した後に降温させて前記第2金属層を形成する工程とを有することを特徴とするセラミック体と金属体との接合体の製造方法
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック体と金属体との接合体、およびセラミック体と金属体との接合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
絶縁性セラミック部材として一般的に用いられてきたアルミナ(Al
2O
3)と、例えばコバール合金等の金属体との接合技術は古くから改良が重ねられており、比較的高い強度でアルミナと金属体とが接合された接合体が様々な分野で用いられている。近年、例えば使用時の静電気を散逸させる必要がある部材や、熱源からの熱を良好に伝熱させる必要がある部材等に、アルミナに比べて電気抵抗が低く、またアルミナに比べて熱伝導率が大きい炭化珪素(SiC)を用いることが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、セラミック体と金属体との接合体を構成するセラミック体として、従来のアルミナに代えて炭化珪素を用いた場合、金属体がセラミック体から比較的剥がれ易いといった課題があった。
【0004】
炭化珪素は熱膨張係数がアルミナと比べても小さいので、炭化珪素からなるセラミック体と金属体とをメタライズ技術やロウ付け技術等を用いて接合した場合、メタライズやロウ付け時の温度変化(温度上昇および温度降下)にともなって、炭化珪素からなるセラミック体と金属体との間に比較的大きな熱膨張差が発生し、炭化珪素からなるセラミック体と金属体との接合部にこの熱膨張差に起因した応力が生じる。炭化珪素は破壊靭性や3点曲げ強度が比較的小さく、すなわち比較的脆いため、発生したこの応力によって炭化珪素の表面が比較的割れ易かった。このように、セラミック体として従来のアルミナに代えて比較的脆い炭化珪素等のセラミック体を用いた場合、セラミック体の表面が割れて結果として金属体がセラミック体から比較的剥がれ易いといった課題があった。本願発明は、かかる課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願発明は、第1のセラミックスからなるセラミック体と、金属体と、前記セラミック体と前記金属体とを接合する接合層とを有する、セラミック体と金属体との接合体であって、前記接合層は、前記第1のセラミックスよりも熱膨張係数が小さくかつ前記第1のセラミックスよりも3点曲げ強度が大きい第2のセラミックスからなる接合用セラミック層と、前記セラミック体と前記接合用セラミック層との間に配置されて前記セラミック体と前記接合用セラミック層とを接合する第1金属層と、前記接合用セラミック層と前記金属体との間に配置されて前記接合用セラミック層と前記金属体とを接合する第2金属層とを有することを特徴とするセラミック体と金属体との接合体を提供する。また、上記セラミック体と金属体との接合体の製造方法であって、前記セラミック体と、前記金属体と、前記第1金属層および前記第2金属層の前駆体である金属ペーストと、前記第2のセラミックスからなる板状セラミック部材を準備する工程と、前記セラミック体と前記金属体との間に前記金属ペーストと前記板状セラミック部材とを配置することで、前記セラミック体と前記金属体との間に配置された前記板状セラミック部材からなる前記接合用セラミック層と、前記セラミック体と前記接合用セラミック層との間に配置された第1金属ペースト層と、前記接合用セラミック層と前記金属体との間に配置された第2金属ペースト層とを形成する工程と、全体を加熱することで前記第1金属ペースト層を焼成した後に降温させて前記第1金属層を形成するとともに、前記第2金属ペースト層を焼成した後に降温させて前記第2金属層を形成する工程とを有することを特徴とするセラミック体と金属体との接合体の製造方法を併せて提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のセラミック体と金属体との接合体は、例えば炭化珪素等からなる比較的脆いセラミック体を用いた場合でも、セラミック体と金属体とが強固に接合されており、金属体の剥がれやセラミック体の破損等が生じ難い。また、本発明のセラミック体と金属体との接合体の製造方法は、金属体の剥がれやセラミック体の破損等が生じ難いセラミック体と金属体との接合体を、比較的少ない工程数で容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】(a)および(b)は、本発明のセラミック体と金属体との接合体の一実施形態について説明する概略図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【
図2】本発明のセラミック体と金属体との接合体の製造方法の一実施形態について説明する断面図である。
【
図3】
図1に示すセラミック体と金属体との接合体に発生する内部応力を矢印で示した図である。
【
図4】本発明のセラミック体と金属体との接合体の他の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上記課題を解決するために、本願発明は、第1のセラミックスからなるセラミック体と、金属体と、前記セラミック体と前記金属体とを接合する接合層とを有する、セラミック体と金属体との接合体であって、前記接合層は、前記第1のセラミックスよりも熱膨張係数が小さくかつ前記第1のセラミックスよりも3点曲げ強度が大きい第2のセラミックスからなる接合用セラミック層と、前記セラミック体と前記接合用セラミック層との間に配置されて前記セラミック体と前記接合用セラミック層とを接合する第1金属層と、前記接合用セラミック層と前記金属体との間に配置されて前記接合用セラミック層と前記金属体とを接合する第2金属層とを有
し、前記第1のセラミックスは炭化珪素(SiC)を主成分とし、前記第2のセラミックスは窒化珪素(Si3N4)を主成分とするセラミック体と金属体との接合体を提供する。また、上記セラミック体と金属体との接合体の製造方法であって、前記セラミック体と、前記金属体と、前記第1金属層および前記第2金属層の前駆体である金属ペーストと、前記第2のセラミックスからなる板状セラミック部材を準備する工程と、前記セラミック体と前記金属体との間に前記金属ペーストと前記板状セラミック部材とを配置することで、前記セラミック体と前記金属体との間に配置された前記板状セラミック部材からなる前記接合用セラミック層と、前記セラミック体と前記接合用セラミック層との間に配置された第1金属ペースト層と、前記接合用セラミック層と前記金属体との間に配置された第2金属ペースト層とを形成する工程と、全体を加熱することで前記第1金属ペースト層を焼成した後に降温させて前記第1金属層を形成するとともに、前記第2金属ペースト層を焼成した後に降温させて前記第2金属層を形成する工程とを有することを特徴とするセラミック体と金属体との接合体の製造方法を併せて提供する。
【0009】
接合体10は、第1のセラミックスからなるセラミック体12と、金属体14と、セラミック体12と金属体14とを接合する接合層20とを有する。接合層20は、第1のセラミックスよりも熱膨張係数が小さくかつ第1のセラミックスよりも3点曲げ強度が大きい第2のセラミックスからなる接合用セラミック層22と、セラミック体12と接合用セラミック層22との間に配置されてセラミック体12と接合用セラミック層22とを接合する第1金属層31と、接合用セラミック層22と金属体14との間に配置されて接合用セラミック層22と金属体14とを接合する第2金属層32とを有する。本実施形態の接合体10は、第1のセラミックスは炭化珪素(SiC)を主成分とし、第2のセラミックスは窒化珪素(Si
3N
4)を主成分とする。すなわち、セラミック体12は炭化珪素(SiC)を主成分とし、接合用セラミック層22は窒化珪素(Si
3N
4)を主成分とする。また、金属体14は例えばチタン(Ti)を主成分とする。セラミック体12は炭化珪素を例えば約90質量%以上含有し、接合用セラミック層22は窒化珪素を約90質量%以上含有している。
【0010】
また本実施形態の接合体10の接合層20は、接合用セラミック層22の側面に被着するとともに第1金属層31および第2金属層32にも繋がって第1金属層31と第2金属層32とを電気的に導通させる、金属からなる側面被覆部33を有する。また接合体10では、第1金属層31および第2金属層32および側面被覆部33は、銀(Ag)を主成分とし、銅(Cu)およびチタン(Ti)を含む。
【0011】
炭化珪素(SiC)は例えば電気抵抗が体積抵抗率で約1×10
3〜10
8(Ω・cm)と比較的小さく、また熱伝導率が60〜200(W/(m・k))程度と比較的高い。接合体10は、例えば各種測定装置など、使用時の静電気を散逸させる必要がある部材や、半導体製造装置の静電チャックなど、熱源からの熱を良好に伝熱させる必要がある部材等に用いることができる。
【0012】
接合体10において、セラミック体12は3点曲げ強度が小さめで比較的脆いが、接合層20に接合用セラミック層22を設けることで、セラミック体12に引張応力が発生することが抑止され、比較的脆いセラミック体12の破損を抑制している。この接合層20とセラミック体12との接合部分に生じる応力については追って詳述する。
【0013】
以下、本発明のセラミック体と金属体との接合体の製造方法について説明するとともに、本願の効果についてより詳述する。まず、セラミック体12と、金属体14と、第1金属層31および第2金属層32の前駆体である金属ペースト32と、第2のセラミックスからなる接続用セラミック層22を準備する。接続用セラミック層22として、厚さ約1〜5mm程度の板状の部材を準備する。金属ペーストとしては、例えばAgを主成分とし、Cu、TiさらにCrが含有された粉末と、バインダーや有機溶剤とが混合されたペーストを準備する。具体的には、例えば、Agの粉末とCuの粉末とTiの粉末とCrの粉末を所定量計量し、エチルセルロースなどのバインダーをテルピネオールなどの有機溶剤で溶解したビヒクルと上記粉体をミキサーで混合し、ペーストを作成する。AgとCuとTiとCrの各粉末は、例えばAgが88質量%、Cuが5質量%、Tiが5質量%、Crが2質量%となるよう混合したものを用いればよい。AgとCuとTiとCrの各粉末は、例えばAgが70〜97.8質量%、Cuが1〜5質量%、Tiが1〜10質量%、Crが0.2〜5質量%程度であれば好ましい。
【0014】
次に、
図2に示す断面図のように、セラミック体12と金属体14との間に金属ペースト32と接合用セラミック層22とを配置することで、セラミック体12と金属体14との間に配置された接合用セラミック層22と、セラミック体12と接合用セラミック層22との間に配置された第1金属ペースト層41と、接合用セラミック層22と金属体12との間に配置された第2金属ペースト層42とを形成する。なお本実施形態では、接合用セラミック層22の側面に被着するとともに第1金属ペースト層41および第2金属ペースト層42にも繋がって第1金属ペースト層41と第2金属ペースト層42とを接続する、金属からなる側面被覆ペースト部43も形成しておく。具体的には、まず金属ペーストを塗布して第1金属ペースト層41を形成した後に接合用セラミック層22をその上に置き、次に接合用セラミック層22を覆うようにさらに金属ペーストを塗布することで、第2金属ペースト層42および側面被覆ペースト部43を形成する。
【0015】
その後、全体を加熱することで、第1金属ペースト層41を焼成した後に降温させて第1金属層31を形成すると同時に、第2金属ペースト層42を焼成した後に降温させて第2金属層32を形成して、接合体10を得ることができる。焼成は例えば約1.0×10
−5Torrの真空雰囲気で、約1100℃で15分行う。
【0016】
図3(a)は、
図1(b)に示す接合体10に発生している応力を矢印で示している。
図3(a)に矢印で示す応力は、上述の加熱および降温の工程にともなって発生するものである。なお、
図3(b)は比較例として、接続用セラミック層22を設けずに金属ペースト34のみで接合層20を形成した場合に発生する応力の方向を示している。
【0017】
第1金属ペースト層41と第2金属ペースト層42の焼成時、すなわち約1100℃の高温状態では、炭化珪素を主成分とするセラミック体12と、窒化珪素を主成分とする接合用セラミック層22と、チタンを主成分とする金属体14とがそれぞれ熱膨張する。ここで、チタンの熱膨張係数が約9(ppm/K)であり、窒化珪素の熱膨張係数が約3.2(ppm/K)であり、炭化珪素の熱膨張係数が約4.4(ppm/K)であるので、熱膨張の程度は接合用セラミック層22<セラミック体12<<金属体14の順番で大きくなっている。
【0018】
焼成の後に温度を降下させていくと今度は各部材が収縮を始めるが、収縮の程度も接合用セラミック層22<セラミック体12<<金属体14の順番で大きい。異なる部材同士の接合界面では、各部材の相対的な熱収縮の程度の違いに応じて、各部材に応力が生じる。具体的には、収縮が大きい方の部材には圧縮応力が発生し、収縮が小さい方の部材には引張応力が発生する。
【0019】
この応力の方向を矢印で示すと、
図3(a)で示す矢印A〜Cのようになる。矢印Aは金属体14の内部に生じる応力を示し、矢印Bは接合用セラミック層22の内部に生じる応力を示し、矢印Cはセラミック体12に生じる応力を示している。金属体14と接続用セラミック層22との組み合わせでは、熱膨張係数が大きい金属体14に圧縮応力が発生し、接続用セラミック層22には引張応力が発生する。金属体14と接続用セラミック層22との熱膨張係数の差は大きく、比較的強い引張応力が接合用セラミック層22に発生する。
【0020】
接続用セラミック層22とセラミック体12との組み合わせでも、熱膨張係数が大きいセラミック体12に圧縮応力が発生し、接続用セラミック層22には引張応力が発生する。セラミック体12と接続用セラミック層22との熱膨張係数の差は比較的小さく、3点曲げ強度が約450(MPa)と比較的脆い炭化珪素からなるセラミック体12には、矢印Cで示すような比較的小さい大きさの圧縮応力がかかる。炭化珪素等のセラミックは、圧縮応力がかかる場合の方が引張応力がかかる場合に比べて破壊され難いことが知られている。本実施形態のセラミック体12は接合界面にかかる応力にともなって破壊され難くなっている。上述のように、接続用セラミック層22には比較的大きな引張応力が発生するが、接続用セラミック層22は3点曲げ強度が約1000(MPa)と比較的高いので、大きな引張応力が接続用セラミック層22に発生した場合でも、接続用セラミック層22は破壊され難い。
【0021】
図3(a)に示す本発明の実施形態に対して、
図3(b)のように接合用セラミック層22を設けずに金属ペースト34のみで接合層20を形成した場合は、
図3(b)に矢印で示すように、チタンからなる金属体14の大きな熱収縮にともなって、炭化珪素からなるセラミック体12に比較的強い引張応力が発生する。この場合、
図3(b)に丸印で示す接合層20の端部付近から、比較的脆い炭化珪素からなるセラミック体12の表面にクラックXが生じて、最終的にはセラミック体12の表面の一部が金属体14に被着した状態で剥離して、金属体14が完全にセラミック体12から剥がれることもあった。
図3(a)に示す本実施形態では上述のように、熱膨張係数の大小関係と強度の組み合わせを工夫することで、例えば炭化珪素等からなるセラミック体12と金属体14とを強固に接合するとともに、金属体の剥がれやセラミック体の破損等を抑制している。
【0022】
また
図4は、本発明のセラミック体と金属体との接合体の他の実施形態の断面図である。本発明のセラミック体と金属体との接合体は、
図4に示すように、接合層20が側面被覆部33を有さず、第1金属層31と第2金属層32とが電気的に絶縁されていてもよい。このように本発明のセラミック体と金属体との接合体は、その使用用途に応じて接合層の構成等を変形させてもよい。
【0023】
本発明では、第2のセラミックスからなる接合用セラミック層が、第1のセラミックスよりも熱膨張係数が小さくかつ前記第1のセラミックスよりも3点曲げ強度が大きければ、第1のセラミックスおよび第2のセラミックスの材料については特に限定されない。例えば窒化アルミニウム(AlN)に対して金属体を接合した場合は窒化アルミニウム(AlN)が破損するが、炭化珪素(SiC)に対して金属体を接合した場合は炭化珪素(SiC)は破損しない金属体があり、この金属体と窒化アルミニウム(AlN)とを接合したい場合など、第1のセラミックスとして3点曲げ強度が約300MPaで熱膨張係数が約5.2(ppm/K)程度の窒化アルミニウム(AlN)を用いた場合、3点曲げ強度が約450(MPa)で熱膨張係数が約4.4(ppm/K)程度の炭化珪素(SiC)を、第2のセラミックスからなる接合用セラミック層として用いてもよい。このように各部材の材質については特に限定されない。
【0024】
以上、本発明の実施形態および実施例について説明したが、本発明は上述の実施形態や実施例に限定されるものでない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行なってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0025】
10 セラミック体と金属体との接合体
12 セラミック体
14 金属体
20 接合層
22 セラミック層
31 第1金属層
32 第2金属層
33 側面被覆部
41 第1金属ペースト層
42 第2金属ペースト層
43 側面被覆ペースト部