特許第6225024号(P6225024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6225024-毛髪化粧料組成物 図000018
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6225024
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】毛髪化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20171023BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 8/84 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 8/894 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 8/898 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 8/892 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 8/897 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 8/362 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 8/368 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20171023BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   A61K8/02
   A61K8/81
   A61K8/84
   A61K8/36
   A61K8/41
   A61K8/891
   A61K8/894
   A61K8/898
   A61K8/892
   A61K8/897
   A61K8/362
   A61K8/365
   A61K8/44
   A61K8/368
   A61K8/46
   A61Q5/12
【請求項の数】13
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2013-272933(P2013-272933)
(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-141485(P2014-141485A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2016年9月5日
(31)【優先権主張番号】特願2012-287838(P2012-287838)
(32)【優先日】2012年12月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】大角 高広
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 良輔
【審査官】 松本 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−173586(JP,A)
【文献】 特開2000−247846(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/149535(WO,A1)
【文献】 特開2012−232936(JP,A)
【文献】 特開2006−056802(JP,A)
【文献】 特開2013−216620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分:
(A)カチオン電荷密度が4meq/g以上10meq/g以下であるカチオンポリマー、
(B)脂肪酸、
(C)カチオン性界面活性剤、
(D)シリコーン類および、
(E)酢酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、ポリグルタミン酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸または無機酸
を含む毛髪化粧料組成物であって、
前記成分(A)と前記成分(B)の質量比(A)/(B)が0.1以上9以下であり、
前記成分(A)と前記成分(B)とが水不溶性の複合体を形成し、
20倍希釈時の当該組成物のpH(25℃)が2以上5以下であり、
前記成分(B)が、下記成分(B−1)および(B−2)からなる群から選択される一種以上である、洗い流すタイプの毛髪化粧料組成物;
(B−1)下記一般式(1)で示される分岐脂肪酸、
【化1】
〔上記一般式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を示し、nは9〜19の整数を示す。〕
(B−2)炭素数14〜22の直鎖脂肪酸とイソステアリン酸との混合脂肪酸であって、該混合脂肪酸中の炭素数14〜22の直鎖脂肪酸とイソステアリン酸との質量比(直鎖脂肪酸/イソステアリン酸)が0.25以上4以下である。
【請求項2】
前記成分(A)が、ジアリル4級アンモニウム塩重合体、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸共重合体、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、ビニルイミダゾリニウム塩/ビニルピロリドン共重合体およびアイオネンポリマーからなる群から選択される一種以上である、請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項3】
前記成分(A)の重量平均分子量Mwが1×103以上1×106以下である、請求項1または2に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項4】
前記成分(D)が、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーンおよびアルキルアミノ変性シリコーンからなる群から選択される一種以上である、請求項1〜3いずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項5】
前記成分(A)と(D)の質量比(A)/(D)が、0.05以上4以下である請求項1〜4いずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項6】
前記成分(A)と(E)の質量比(A)/(E)が、0.05以上8以下である請求項1〜5いずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項7】
前記成分(A)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.01質量%以上5質量%以下である請求項1〜6いずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項8】
前記成分(B)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.01質量%以上5質量%以下である請求項1〜7いずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項9】
前記成分(C)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.1質量%以上10質量%以下である請求項1〜8いずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項10】
前記成分(D)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.05質量%以上5質量%以下である請求項1〜9いずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項11】
前記成分(E)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.05質量%以上7.5質量%以下である請求項1〜10いずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項12】
請求項1〜11いずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物を毛髪に付与する工程と、
前記工程の後、水を用いて該毛髪をすすぐ工程と、
を含む、毛髪の処理方法。
【請求項13】
以下の工程で製造される請求項1〜11いずれか一項に記載の洗い流すタイプの毛髪化粧料組成物の製造方法;
工程1:成分(A)カチオンポリマーと、成分(B)脂肪酸とを水中でpH8以上13以下のアルカリ性条件下で50℃以上100℃以下に加熱し、混合する工程、
工程2:工程1で得られた混合液に、成分(C)カチオン性界面活性剤、成分(D)シリコーン類および(E)有機酸または無機酸を混合し、20倍希釈時の前記組成物のpH(25℃)を2以上5以下にする工程、
工程3:工程2で得られた混合液を5℃以上30℃以下に冷却する工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ポリアミン、酸、非水溶性成分、膜形成剤、および溶剤を含有するスタイリング処理組成物が記載されている。このスタイリング処理組成物は、耐水性であり、防湿バリアを毛髪表面に付与するため、容易に髪型を整えたり、スタイリングしたりできるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2067467号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、毛髪化粧料には、毛髪になめらかさやまとまりといった感触を付与できるコンディショニング効果が期待されている。しかしながら、特許文献1記載の技術においては、このような観点からの検討はなされていない。
【0005】
また、コンディショニング剤にカチオンポリマーのみ、または脂肪酸のみ添加することによって毛髪になめらかさやまとまりなどを付与する技術はすでに報告されている。しかし、それらは持続性に乏しく、翌日の洗髪時までには、なめらかさやまとまりといったコンディショニング効果が消失してしまう場合があった。
【0006】
一方、乾燥後の毛髪に滑り感や柔軟性を付与するためには、シリコーン類をはじめとする油性成分を用いることも考えられる。しかしながら、シリコーン類は比較的流動性が高いため、コンディショニング効果の持続性の点で改善の余地があった。
【0007】
また、消費者は日中又は洗髪時における毛髪の絡まりから傷みを感じるものである。そこで、次回の洗髪時までに毛髪の絡まりを感じないようにするコンディショニング技術の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、特定のカチオンポリマーと特定の脂肪酸との間で複合体を形成させ、更に、シリコーン類とを組み合わせた毛髪化粧料組成物を用いることで、処理直後から次の洗髪時まで持続するなめらかさとまとまりが得られることを見出し、本発明を完成させた。また、本毛髪化粧料組成物を用いることで、化学処理等により傷んだ毛髪を洗髪後に乾燥させる時に速く乾かすことができ、頭髪全体が均質に乾くことで髪のまとまりが持続することを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明によれば、
下記成分:
(A)カチオン電荷密度が4meq/g以上10meq/g以下であるカチオンポリマー、
(B)脂肪酸、
(C)カチオン性界面活性剤、
(D)シリコーン類および、
(E)有機酸または無機酸
を含む毛髪化粧料組成物であって、
前記成分(A)と前記成分(B)の質量比(A)/(B)が0.1以上9以下であり、
前記成分(A)と前記成分(B)とが水不溶性の複合体を形成し、
20倍希釈時の当該組成物のpH(25℃)が2以上5以下であり、
前記成分(B)が、下記成分(B−1)および(B−2)からなる群から選択される一種以上である、洗い流すタイプの毛髪化粧料組成物が提供される;
(B−1)下記一般式(1)で示される分岐脂肪酸、
【0010】
【化1】
【0011】
〔上記一般式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を示し、nは9〜19の整数を示す。〕
(B−2)炭素数14〜22の直鎖脂肪酸とイソステアリン酸との混合脂肪酸であって、該混合脂肪酸中の炭素数14〜22の直鎖脂肪酸とイソステアリン酸との質量比(直鎖脂肪酸/イソステアリン酸)が0.25以上4以下である。
【0012】
また、本発明によれば、前記本発明における毛髪化粧料組成物を毛髪に付与する工程と、
前記工程の後、水を用いて該毛髪をすすぐ工程と
を含む、毛髪の処理方法が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、以下の工程で製造される洗い流すタイプの毛髪化粧料組成物の製造方法が提供される;
工程1:成分(A)カチオンポリマーと、成分(B)脂肪酸とを水中でpH8以上13以下のアルカリ性条件下で50℃以上100℃以下に加熱し、混合する工程、
工程2:工程1で得られた混合液に、成分(C)カチオン性界面活性剤、成分(D)シリコーン類および(E)有機酸または無機酸を混合し、20倍希釈時の前記組成物のpH(25℃)を2以上5以下にする工程、
工程3:工程2で得られた混合液を5℃以上30℃以下に冷却する工程。
【発明の効果】
【0014】
本発明の毛髪化粧料組成物を用いれば、毛髪に対して、処理直後から次の洗髪時まで持続するなめらかさとまとまりを得ることができ、洗髪後に毛髪を乾燥させる時に速く乾かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】水不溶性複合体の赤外分光光度測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書中、「X〜Y」のように「〜」を用いて表される数値範囲は、いずれも、両端の数値であるXおよびYを含む。
本実施形態における毛髪化粧料組成物は、以下の成分(A)〜(E)を含む。
(A)カチオン電荷密度が4meq/g以上10meq/g以下であるカチオンポリマー、
(B)脂肪酸、
(C)カチオン性界面活性剤、
(D)シリコーン類および、
(E)有機酸または無機酸。
ここで、成分(B)は、以下の成分(B−1)および(B−2)からなる群から選択される一種以上である。
(B−1)下記一般式(1)で示される分岐脂肪酸、
【0017】
【化2】
【0018】
〔上記一般式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を示し、nは9〜19の整数を示す。〕
(B−2)炭素数14〜22の直鎖脂肪酸とイソステアリン酸との混合脂肪酸であって、該混合脂肪酸中の炭素数14〜22の直鎖脂肪酸とイソステアリン酸との質量比(直鎖脂肪酸/イソステアリン酸)が0.25以上4以下である。
また、本実施形態における毛髪化粧料組成物は、成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が0.1以上9以下であり、成分(A)と成分(B)とが水不溶性の複合体を形成し、20倍希釈時の組成物のpH(25℃)が2以上5以下であって、洗い流すタイプの毛髪化粧料組成物である。
【0019】
本実施形態の毛髪化粧料組成物においては、成分(A)〜(E)を組み合わせて用いるとともに、成分(A)および(B)を特定の割合で用いており、pHが特定の範囲にあって、成分(A)および(B)が水不溶性の複合体を形成している。これにより、傷んで親水化した毛髪の表面に、成分(A)および(B)の複合体ならびに成分(D)が吸着して残留し、毛髪の表面を安定的に疎水化することができる。このため、傷んだ髪の表面に持続的ななめらかさを与えることができる。さらに、成分(A)および(B)の複合体、成分(D)とともに、成分(E)が配合されており、pHが特定の範囲に調整されているため、毛髪化粧料組成物を洗い流した後、乾燥時に毛髪がほぐれやすく、また毛髪表面の疎水性が維持されている。このため、毛髪の速乾性に優れているとともに、頭髪全体を均一に乾燥させることで髪のまとまりが持続することができる。
以下、各成分について、具体例を挙げて説明する。
【0020】
成分(A)は、カチオン電荷密度が、4meq/g以上10meq/g以下のカチオンポリマーである。
ここで、カチオン電荷密度とは、ポリマー上の正電荷の数と該ポリマーの分子量(カチオン基の対イオンの重量は除く)の比を指す。カチオン電荷密度にポリマー分子量を乗じると、所与のポリマー鎖における正に荷電した部位の数が求められる。カチオン電荷密度は更に、ポリマーのグラム当たりの正電荷(カチオン性を有する窒素原子)のミリ当量の数(meq/g)として定義される。
成分(A)のカチオン電荷密度は、毛髪上へ強く吸着し、持続性を発現する観点から4meq/g以上であり、5meq/g以上が好ましく、6meq/g以上がより好ましく、7meq/g以上がさらに好ましい。また、入手が容易であり、扱いやすさの観点から、10meq/g以下であり、8meq/g以下であることが好ましい。
【0021】
成分(A)のカチオン電荷密度の値は、たとえば、以下の式(2)に従い求めることができる。
カチオン電荷密度(meq/g)=1÷(カチオンポリマー中のカチオン性を有する窒素原子を1つ含む単位分子量)×1000 ・・・ 式(2)
【0022】
毛髪になめらかさ、まとまりを付与する効果とその持続性、べたつき感を与えない観点から、成分(A)の重量平均分子量Mwは、たとえば1×103以上であり、好ましくは5×103以上、より好ましくは1×104以上、さらに好ましくは1×105以上である。また、不快なゴワつき感や硬さを髪へ与えないおよび毛髪が速く乾く効果の観点からは、成分(A)の重量平均分子量Mwは、たとえば1×106以下であり、8×105が好ましく、より好ましくは5×105以下である。なお、成分(A)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)等の公知の測定方法により測定され、測定装置は拘らないが、例としては、東ソー製HLC−8220シリーズ等が挙げられる。
【0023】
成分(A)は、具体的には、ジアリル4級アンモニウム塩重合体、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸共重合体、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、ビニルイミダゾリニウム塩/ビニルピロリドン共重合体、アイオネンポリマーから選ばれる一種以上である。成分(A)としては、これらカチオンポリマーを2種以上併用してもよい。
成分(A)における対イオンには、組成物中で成分(A)と後述する成分(B)との複合体を形成させるという観点から、ハロゲン化物イオンが好ましく、塩化物イオン、臭化物イオンがより好ましく、塩化物イオンがさらに好ましい。
【0024】
好ましくは、成分(A)として、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド重合体(ポリクオタニウム−6)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体(ポリクオタニウム−7)、ビニルイミダゾリニウムトリクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ポリクオタニウム−16)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体(ポリクオタニウム−22)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸/アクリルアミド共重合体(ポリクオタニウム−39)、アイオネンポリマーから選ばれる一種以上が挙げられ、より好ましくは、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド重合体(ポリクオタニウム−6)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体(ポリクオタニウム−22)、アイオネンポリマーから選ばれる一種以上が挙げられる。
【0025】
成分(A)としては、市販品を用いることができ、たとえば、ポリクオタニウム−6には、マーコート100(NALCO社製、7.9meq/g、Mw1.5×105)が挙げられ、ポリクオタニウム−22には、マーコート280(NALCO社製、6.1meq/g、Mw4.5×105)およびマーコート295(NALCO社製、7.7meq/g、Mw1.9×105)が挙げられ、アイオネンポリマーには、臭化ヘキサジメトリン(シグマ社製、9.3meq/g、Mw1.1×103)等が挙げられる。
【0026】
また成分(A)の含有量は、毛髪に対してなめらかさとまとまりを付与する効果とその持続性を高める観点から、本実施形態の毛髪化粧料組成物全体に対して、たとえば0.001質量%以上であり、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、また、毛髪にべたつき感を与えないで毛髪を揃いやすくするおよび毛髪が速く乾く効果の観点から、たとえば10.0質量%以下であり、5.0質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましい。
【0027】
次に、成分(B)について説明する。成分(B)は、以下の成分(B−1)および(B−2)からなる群から選択される一種以上である。
成分(B−1):下記一般式(1)で示される分岐脂肪酸、
成分(B−2):炭素数14〜22の直鎖脂肪酸とイソステアリン酸との混合脂肪酸であって、該混合脂肪酸中の炭素数14〜22の直鎖脂肪酸とイソステアリン酸との質量比(直鎖脂肪酸/イソステアリン酸)が0.25以上4以下である混合脂肪酸。
【0028】
【化3】
【0029】
上記一般式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を示し、nは9〜19の整数を示す。このうち、成分(B−1)の分岐脂肪酸としては、毛髪になめらかさ、まとまりを付与する効果の観点から総炭素数が14以上のものが好ましく、総炭素数が20以上のものがより好ましい。また、不快なゴワつき感や硬さを髪へ与えない観点からは、成分(B−1)は総炭素数24以下のものが好ましく、総炭素数22以下のものがより好ましい。
【0030】
成分(B−1)の具体例としては、20−メチルヘンエイコサン酸、19−メチルヘンエイコサン酸、19−メチルエイコサン酸、18−メチルエイコサン酸、18−メチルノナデカン酸、17−メチルノナデカン酸、17−メチルオクタデカン酸、16−メチルオクタデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、14−メチルヘキサデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、13−メチルペンタデカン酸、13−メチルテトラデカン酸、12−メチルテトラデカン酸、12−メチルトリデカン酸、11−メチルトリデカン酸が挙げられる。また、ラノリンからの抽出物、すなわちラノリン脂肪酸も用いることができる。いずれも2種以上の混合物を用いることもできる。
【0031】
成分(B−2)は、前述のとおり、炭素数14〜22の直鎖脂肪酸とイソステアリン酸との混合脂肪酸である。成分(B−2)の混合脂肪酸を構成する炭素数14〜22の直鎖脂肪酸としては、飽和または不飽和脂肪酸が挙げられ、毛髪の揃いやすさという観点から飽和脂肪酸が好ましい。毛髪の乾燥後の摩擦、まとまりの観点から、炭素数は14以上、さらに16以上が好ましく、炭素数22以下、さらに20以下が好ましく、中でも炭素数18のステアリン酸がより好ましい。
【0032】
混合脂肪酸(B−2)を構成するイソステアリン酸としては、多分岐型イソステアリン酸および下記一般式(4)で示されるイソステアリン酸が挙げられる。
【0033】
【化4】
【0034】
(上記一般式(4)中、aおよびcは独立して正の整数であり、a、bおよびcの総和は、a+b+c=15であり、bは1である。)
【0035】
イソステアリン酸は、たとえば「化粧品原料基準 第二版注解I(1984)薬事日報社」P.87(C)イソステアリン酸に記載されている分岐脂肪酸であり、メチル基が側鎖であり、位置は特定されていないが、オレイン酸からダイマー酸を合成する際に副生される不飽和側鎖脂肪酸に水素添加して得られるC(炭素数)18の脂肪酸であると記載されている。
本実施形態においてもそのような脂肪酸を用いることができる。
【0036】
多分岐型イソステアリン酸としては、たとえば日油社製のイソステアリン酸、イソステアリン酸N、イソステアリン酸Tが挙げられる。また、上記一般式(4)に示したようなイソステアリン酸としては、たとえば高級アルコール工業社製のイソステアリン酸EXが挙げられる。
【0037】
成分(B−2)の混合脂肪酸中の炭素数14〜22の直鎖脂肪酸とイソステアリン酸との質量比(直鎖脂肪酸/イソステアリン酸)は、ベタつき感を与えない観点から0.25以上であり、好ましくは0.67以上、さらに好ましくは1以上である。また、不快なゴワつき感や硬さを髪へ与えない観点からは、成分(B−2)の混合脂肪酸中の直鎖脂肪酸/イソステアリン酸の質量比は4以下であり、3以下であることが好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
【0038】
成分(B)の含有量は、毛髪化粧料組成物全体に対して、毛髪に揃いの良さ、ひんやり感を提供するおよび毛髪が速く乾く効果の観点からたとえば0.001質量%以上であり、好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.02質量%以上、さらに好ましくは0.8質量%以上である。また、ベタつき感、束感のない自然なまとまりとなめらかさの付与および毛髪が速く乾く効果の観点からは、成分(B)の含有量は、毛髪化粧料組成物全体に対して、たとえば10.0質量%以下、好ましくは5.0質量%以下である。
さらに、当然に(B−1)と(B−2)を併用することも可能である。
【0039】
成分(A)と成分(B)との質量比(A)/(B)は、毛髪に持続的になめらかさとまとまりを付与する観点および毛髪が速く乾く観点から、0.1以上、好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上であり、さらにまた好ましくは0.5以上である。また、ベタつき感、束感のない自然なまとまりとなめらかさの付与および毛髪が速く乾く効果の観点からは、質量比(A)/(B)が9以下であるが、好ましくは4以下、さらに好ましくは2以下である。
【0040】
本実施形態の成分(A)と成分(B)は水不溶性の複合体を形成させた状態で用いる。コンディショニング効果と速乾効果をより確実に得る観点から、本実施形態の毛髪化粧料組成物に含まれる成分(A)のうち、たとえば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは実質的にすべての成分(A)が成分(B)との水不溶性の複合体の状態で存在しているとよい。
水不溶性の複合体の形成は、たとえば以下の方法で確認することができる。
すなわち、毛髪化粧料組成物をろ紙上に少量とり、水洗、乾燥させて、得られた残留物について赤外吸収スペクトルを測定する。成分(A)と成分(B)との複合体が形成されているときは、成分(A)と成分(B)とは異なるピークが検出される。たとえば1500〜1600cm-1付近の位置に成分(A)及び成分(B)の単なる混合物の場合とは異なるピークが検出される。
【0041】
次に、成分(C)について説明する。
成分(C)は、カチオン性界面活性剤である。
【0042】
カチオン性界面活性剤の具体例としては、下記一般式(6)または(7)で表される4級アンモニウム塩、下記一般式(8)、(9)、(10)で表される3級アミン及びその塩から選択される一種以上が挙げられる。
【0043】
<4級アンモニウム塩>
(i)アルキル4級アンモニウム塩
【化5】
【0044】
上記一般式(6)中、R31およびR32は、同一または異なっており、水素原子、炭素数1〜28のアルキル基またはベンジル基を示すが、同時に水素原子またはベンジル基となることはなく、少なくとも1つは炭素数8以上のアルキル基である。R33およびR34は、同一または異なっており、炭素数1〜5のアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基、または付加モル数10以下のポリオキシエチレンを有する(ヒドロキシ)アルキル基を示し、Anは、陰イオンを示す。
【0045】
上記一般式(6)で表されるアルキル4級アンモニウム塩において、R31またはR32がアルキル基である場合は、炭素数16〜24のものが好ましく、また直鎖アルキル基が好ましい。Anとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン、エチル硫酸イオン、炭酸メチルイオン等の有機アニオン等が挙げられ、ハロゲン化物イオンが好ましく、塩化物イオンがより好ましい。
【0046】
上記一般式(6)で表されるアルキル4級アンモニウム塩としては、モノ長鎖アルキル(R31の炭素数が8〜28、R32の炭素数が1〜6である。)4級アンモニウム塩が好ましく、具体的には、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム等の塩化アルキルトリメチルアンモニウムから選択される一種以上が挙げられ、中でも塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウムが好ましい。
【0047】
(ii)アルキルエーテル4級アンモニウム塩
【化6】
【0048】
上記一般式(7)中、R41は、炭素数6〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、R42〜R44は、同一または異なっており、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基または(DO)fH(Dは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、fは1〜6の平均付加モル数を示し、f個のDは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示し、Anは、陰イオンを示す。
【0049】
上記一般式(7)で表されるアルキルエーテル4級アンモニウム塩において、R41は炭素数12〜22のものが好ましく、炭素数16〜18のものがより好ましく、また直鎖のアルキル基が好ましい。R42〜R44は炭素数1〜6のアルキル基および−(CH2CH2O)kH基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基としてはメチル基およびエチル基が好ましく、メチル基がより好ましく、−(CH2CH2O)kH基としてはkが1〜3が好ましく、1がより好ましい。R42〜R44のいずれか1つは、メチル基またはエチル基であることが好ましく、メチル基がより好ましい。Anとしては、一般式(6)で挙げたものと同様のものが好ましい。
【0050】
上記一般式(7)で表されるアルキルエーテル4級アンモニウム塩としては、たとえば塩化ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウムから選択される一種以上が挙げられる。
【0051】
<3級アミン>
(iii)ヒドロキシエーテルアルキルアミン及びその塩
たとえば下記一般式(8)で表される化合物が挙げられる。
【0052】
【化7】
【0053】
(上記一般式(8)中、R17は、炭素数6〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、R18およびR19は、同一または異なっており、炭素数1〜6のアルキル基または(AO)H(AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基、fは1〜6の数を示し、f個のAOは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示す。eは1〜5の数を示す。)
(iii)ヒドロキシエーテルアルキルアミンは、酸と反応してアンモニウム塩となり、界面活性剤となる。従って、ここでは、ヒドロキシエーテルアルキルアミン及びその塩をカチオン界面活性剤と定義する。また、その含有量は、ヒドロキシエーテルアルキルアミンの質量で換算する。
【0054】
塩としては、有機酸又は無機酸による塩が挙げられる。
無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸等による塩が挙げられる。
有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸による塩;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸による塩;ポリグルタミン酸等のポリカルボン酸による塩;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸による塩等が挙げられる。これらの中で、有機酸塩としては、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、酸性アミノ酸による塩が好ましく、無機酸塩としては塩酸による塩がより好ましい。ジカルボン酸による塩としてはマレイン酸、コハク酸による塩がより好ましい。ヒドロキシカルボン酸による塩としてはグリコール酸、乳酸、リンゴ酸による塩がより好ましい。酸性アミノ酸による塩としてはグルタミン酸による塩がより好ましい。
【0055】
(iii)ヒドロキシエーテルアルキルアミンとして、具体的には、ヘキサデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン、オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン及びその塩が示され、有機酸塩が好ましい。好ましいものとしては、ヘキサデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン乳酸塩、オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン乳酸塩が挙げられる。
【0056】
(iv)エーテルアミン及びその塩
たとえば下記一般式(9)で表される化合物が挙げられる。
【0057】
【化8】
【0058】
(上記一般式(9)中、R20は、炭素数6〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、R21およびR22は、同一または異なっており、炭素数1〜6のアルキル基または(AO)H(AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を示し、gは1〜6の数を示し、g個のAOは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示す。)
(iv)エーテルアミンは、酸と反応して4級アンモニウム塩となり、界面活性剤となる。従って、ここでは、エーテルアミン及びその塩をカチオン界面活性剤と定義する。また、その含有量は、エーテルアミンの質量で換算する。
【0059】
塩としては、有機酸又は無機酸による塩が挙げられる。
無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸等による塩が挙げられる。
有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸による塩;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸による塩;ポリグルタミン酸等のポリカルボン酸による塩;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸による塩等が挙げられる。これらの中で、有機酸塩としては、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、酸性アミノ酸による塩が好ましく、無機酸塩としては塩酸による塩がより好ましい。ジカルボン酸による塩としてはマレイン酸、コハク酸による塩がより好ましい。ヒドロキシカルボン酸による塩としてはグリコール酸、乳酸、リンゴ酸による塩がより好ましい。酸性アミノ酸による塩としてはグルタミン酸による塩がより好ましい。
【0060】
(iv)エーテルアミンとして、具体的にはN,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン及びその塩が示され、有機酸塩が好ましい。好ましいものとしては、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミン乳酸塩、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン乳酸塩が挙げられる。
【0061】
(v)アルキルアミドアミン及びその塩
たとえば下記一般式(10)で表される化合物が挙げられる。
【0062】
【化9】
【0063】
(上記一般式(10)中、R23は炭素数11〜23の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、R24およびR25は、同一または異なっており、炭素数1〜4のアルキル基を示し、mは2〜4の数を示す。)
(v)アルキルアミドアミンは、酸と反応して4級アンモニウム塩となり、界面活性剤となる。従って、ここでは、アルキルアミドアミン及びその塩をカチオン界面活性剤と定義する。また、その含有量は、アルキルアミドアミンの質量で換算する。
【0064】
塩としては、有機酸又は無機酸による塩が挙げられる。
無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸等による塩が挙げられる。
有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸による塩;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸による塩;ポリグルタミン酸等のポリカルボン酸による塩;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸による塩等が挙げられる。これらの中で、有機酸塩としては、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、酸性アミノ酸による塩が好ましく、無機酸塩としては塩酸による塩がより好ましい。ジカルボン酸による塩としてはマレイン酸、コハク酸による塩がより好ましい。ヒドロキシカルボン酸による塩としてはグリコール酸、乳酸、リンゴ酸による塩がより好ましい。酸性アミノ酸による塩としてはグルタミン酸による塩がより好ましい。
【0065】
(v)アルキルアミドアミンとして、具体的には、(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド、(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド及びその塩が示され、有機酸塩が好ましい。好ましいものとしては、(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド乳酸塩、(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド乳酸塩から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
【0066】
中でも、アルキル4級アンモニウム塩、エーテルアミン及びその塩、アルキルアミドアミン及びその塩が、まめらか感や、髪の揃いやすさの点から好ましい。具体的には、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン及びその塩、(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド、(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド及びその塩が挙げられる。
【0067】
成分(C)として用いられるカチオン性界面活性剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。毛髪化粧料組成物中の成分(C)カチオン性界面活性剤の含有量は、良好な使用感を付与する観点から、毛髪化粧料組成物全体に対してたとえば0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、ベタつき感、束感のない自然なまとまりとなめらかさの付与の観点からは、毛髪化粧料組成物中のカチオン性界面活性剤の含有量は、毛髪化粧料組成物全体に対してたとえば20質量%以下、好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、より一層好ましくは2.5質量%以下である。
【0068】
次に、成分(D)について説明する。
成分(D)のシリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、アルキルアミノ変性シリコーンから選択される一種以上が挙げられる。
【0069】
中でも、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、アルキルアミノ変性シリコーンが好ましく、ジメチルポリシロキサン、アミノポリエーテル変性シリコーン、アルキルアミノ変性シリコーンがより好ましい。これらのシリコーン類は、毛髪に良好ななめらかさやまとまり、しっとり感および毛髪が速く乾く効果を付与することができる。
【0070】
本実施形態においては、求める性能に応じて、各種のシリコーン類を単独でまたは2種以上を使用することができる。
ジメチルポリシロキサンとしては、求める感触に応じて5mm2/sの粘度のものから、エマルションとして供給される場合が多い1000万mm2/sの粘度のものまで使用できるが、5000〜1000万mm2/sのものが、更には5万〜1000万mm2/sのものが好ましい。市販品としては、信越シリコーン社製のKHS−3等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンとしては、アモジメチコーンオイルまたはそのエマルションが好ましく、市販品としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のアモジメチコーンエマルションSM8704Cや、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製のKT−1989、XF42−B1989、XS65−C0032等が挙げられる。アミノポリエーテル変性シリコーンとしては、日本ユニカー社製のFZ−3789、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSS−3588等が挙げられる。アルキルアミノ変性シリコーンとしては、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製のXF42−C4570等が挙げられる。
【0071】
毛髪化粧料組成物中の成分(D)の含有量は、毛髪になめらかさとまとまりを付与する効果とその持続性および毛髪が速く乾く効果の観点から、毛髪化粧料組成物全体に対してたとえば0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上である。
また、ベタつき感、束感のない自然なまとまりとなめらかさの付与および毛髪が速く乾く効果の観点からは、毛髪化粧料組成物中の成分(D)の含有量は、毛髪化粧料組成物全体に対してたとえば10質量%以下、好ましくは7.5質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、さらにまた好ましくは2質量%以下である。
本実施形態の毛髪化粧料組成物では、成分(D)を成分(A)に対して特定の範囲内の量添加することで毛髪が速く乾く効果がより一層安定的に現れる。具体的には、成分(A)と成分(D)との質量比(A)/(D)は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上であり、好ましくは4以下、より好ましくは2以下である。
【0072】
次に、成分(E)について説明する。
成分(E)は有機酸または無機酸である。有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸;ポリグルタミン酸等のポリカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸;安息香酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族酸等が挙げられる。無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。これらの中でも有機酸が好ましく、有機カルボン酸がさらに好ましい。
【0073】
本実施形態の毛髪化粧料組成物では、成分(E)が成分(A)と成分(B)の水不溶性の複合体の力学的特性に大きく影響する。成分(E)が存在しない場合、成分(A)と成分(B)の水不溶性の複合体が柔らかくなり、粘着性が大きくなるため、本実施形態の効果である毛髪のなめらかさやまとまりとその持続性および毛髪を速く乾かす効果が充分に得られない懸念がある。
成分(E)の有無による複合体の特性の違いは、たとえば前述した複合体の形成を確認する方法でも確認することができる。赤外吸収スペクトルに出現する成分(A)と成分(B)との複合体に由来する1500〜1600cm-1付近のピーク位置が成分(E)の有無により異なり、特性の違いが反映されている。
【0074】
毛髪化粧料組成物中の成分(E)の含有量は、上記の観点から、毛髪化粧料組成物全体に対してたとえば0.01質量%以上であり、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.2質量%以上であり、たとえば7.5質量%以下、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
さらに、同様に上記の観点から成分(E)を成分(A)に対して特定の範囲内の量添加することが好ましい。具体的には、成分(A)と成分(E)との質量比(A)/(E)は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上であり、好ましくは8以下、より好ましくは4以下である。
【0075】
本実施形態の毛髪化粧料組成物は、塩基性化合物を含有してもよいが、最終的な毛髪化粧料組成物は成分(E)に由来して酸性であることが成分(A)と成分(B)の水不溶性の複合体の力学的特性の観点から好ましい。その酸性の程度としては、20倍希釈時の組成物のpH(25℃)が2以上5以下である。
【0076】
また、本実施形態において、毛髪化粧料組成物は媒体として水を含んでもよい。水としては、精製水を使用することが好ましい。
水の含有量は特に限定されず、使用する目的に応じて適宜調整して用いることができるが、たとえば、毛髪化粧料組成物全体から水以外の成分を除いた残部とすることができる。さらに具体的には、髪への塗布と馴染ませ易さ、すすぎによる過剰分の除去しやすさの観点からは、毛髪化粧料組成物全体中の水の含有量を25質量%以上とすることが好ましく、好ましくは65質量%以上であり、70質量%以上である。また、毛髪への十分ななめらかさ、まとまりを付与する効果とその持続性の観点からは、99質量%以下とすることが好ましく、好ましくは85質量%であり、更に好ましくは80質量%以下である。
【0077】
本実施形態では、成分(A)である特定のカチオンポリマー、成分(B)である特定の脂肪酸、および成分(D)のシリコーン類を組み合わせて用いることで、過度のダメージが進行して親水化した毛髪の表面に対しても、疎水性の成分(D)が吸着阻害されることなく持続的に残留される。これにより、ダメージ毛の表面を改質させることができ、毛髪になめらかさとまとまりを付与しているものとも推察される。
こうした成分(A)と成分(B)との併用によりその効果を翌日の洗髪まで持続させることができ、かつ、コンディショニング処理後の毛髪にべたつき感を与えず、ひんやり感を付与し、心地よい感触を与えることができる。
さらに、本実施形態の毛髪化粧料組成物では、成分(A)および(B)の複合体、成分(D)ならびに(E)を組み合わせて用いるとともに、水で20倍希釈時のpHが特定の範囲となっている。これにより、成分(A)および(B)により形成される複合体の柔らかさおよび粘着性を適度な物性としつつ、複合体および成分(D)を毛髪に残留させることができる。このため、毛髪化粧料組成物を適用し、水で洗い流した後の毛髪のほぐれ性が良好であり、毛髪に速乾性を与えることができる。
【0078】
本実施形態の毛髪化粧料組成物には、上述した成分以外に、毛髪化粧料で通常用いられる成分を、目的に応じて加えることができる。このような任意の成分としては、たとえば可溶化剤、他の界面活性剤、希釈剤、有機溶剤、油脂・油剤、感触向上剤、毛髪補修剤、キレート剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、保湿剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、香料から選択される一種以上が挙げられる。
【0079】
次に、毛髪化粧料組成物の製造方法について説明する。
毛髪化粧料の製造方法は、以下の工程を含んで製造される。
工程1:成分(A)カチオンポリマーと、成分(B)脂肪酸とを水中でpH8以上13以下のアルカリ性条件下で50℃以上100℃以下に加熱し、混合する工程、
工程2:工程1で得られた混合液に、成分(C)カチオン性界面活性剤、成分(D)シリコーン類および(E)有機酸または無機酸を混合し、20倍希釈時の組成物のpH(25℃)を2以上5以下にする工程、
工程3:工程2で得られた混合液を5℃以上30℃以下に冷却する工程。
毛髪化粧料組成物の製造方法は、成分(A)カチオンポリマーと、成分(B)脂肪酸とを必要に応じてアルカリ性条件下で例えば、50℃以上100℃以下、好ましくは70℃以上90℃以下の条件で加熱しながら混合した後に、引き続き成分(C)カチオン性界面活性剤、成分(D)シリコーン類および(E)有機酸または無機酸をさらに混合する工程を含む。
上記のように、成分(A)と成分(B)の複合体は、あらかじめ成分(A)と成分(B)とを均一に混合させた状態で、アルカリ性条件下で加熱して、pHの変化がなくなるまで混合した後に、成分(E)で酸性に戻して得ることが好ましい。アルカリ性条件としては、たとえばpHが7より高ければよいが、pH8以上13以下であることが好ましく、pH10以上12以下の範囲がより好ましい。こうすることで、効率よく成分(A)と成分(B)との複合体をさらに安定的に形成させることができる。
【0080】
この後、成分(C)のカチオン性界面活性剤、成分(D)のシリコーン類、成分(E)の有機酸または無機酸および各種添加剤を上記水相中に添加し、攪拌して乳化させる。得られた乳化物を引き続き攪拌しながら放冷することで、毛髪化粧料組成物を得ることができる。得られた組成物はヘアコンディショナー基材に用いることができる。
【0081】
添加剤としては、たとえば高級アルコールおよび多価アルコールから選ばれる一種以上が用いられる。高級アルコールとしては、頭皮や毛髪への塗布時やその後のすすぎ時において、毛髪を滑らかにすることができるという観点から、炭素数12〜26の脂肪族アルコールを用いることができ、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を有するものが好ましい。具体的には、セチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。
高級アルコールの配合量は、毛髪化粧料組成物全体に対し、たとえば0.1質量%以上、好ましくは1.5質量%以上であり、また、たとえば20質量%以下、好ましくは10質量%以下とする。
また、多価アルコールとしては、たとえば、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ソルビットおよびポリオキシアルキレンアルキルグルコシドから選ばれる一種以上を使用することができる。
【0082】
つづいて、本実施形態における毛髪化粧料組成物を用いて毛髪の処理を行う方法について説明する。この方法は、前述した本発明の毛髪化粧料組成物を毛髪に付与する工程と、その後、水を用いて該毛髪をすすぐ工程とを含むものである。
【0083】
まず、毛髪化粧料組成物を毛髪に付与する工程では、本発明の毛髪化粧料組成物を乾いた或いは湿った毛髪に適用する。このとき、手で毛髪化粧料組成物を毛髪に付与してもよいし、ブラシ等の道具を介して毛髪化粧料組成物を毛髪に付与してもよい。その後、組成物を頭髪の内部あるいは表面に浸透させる為に手や道具を用いて揉み込む。その時間は15分以内が好ましく、30秒〜5分がより好ましい。
次に、水を用いて毛髪化粧料組成物が付与された毛髪をすすぎ、洗い流す。水温は身体に負担にならない温度であればよく、15〜50℃が好ましく、25〜45℃がより好ましい。すすぐ時間は5秒〜3分が好ましい。
【0084】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0085】
以上に述べた実施形態に関し、以下に本発明の好ましい態様を更に開示する。
【0086】
<1> 下記成分:
(A)カチオン電荷密度が4meq/g以上10meq/g以下であるカチオンポリマー、
(B)脂肪酸、
(C)カチオン性界面活性剤、
(D)シリコーン類および、
(E)有機酸または無機酸
を含む毛髪化粧料組成物であって、
前記成分(A)と前記成分(B)の質量比(A)/(B)が0.1以上9以下であり、
前記成分(A)と前記成分(B)とが水不溶性の複合体を形成し、
20倍希釈時の当該組成物のpH(25℃)が2以上5以下であり、
前記成分(B)が、下記成分(B−1)および(B−2)からなる群から選択される一種以上である、洗い流すタイプの毛髪化粧料組成物;
(B−1)下記一般式(1)で示される分岐脂肪酸、
【化10】
〔上記一般式(1)中、R1はメチル基またはエチル基を示し、nは9〜19の整数を示す。〕
(B−2)炭素数14〜22の直鎖脂肪酸とイソステアリン酸との混合脂肪酸であって、該混合脂肪酸中の炭素数14〜22の直鎖脂肪酸とイソステアリン酸との質量比(直鎖脂肪酸/イソステアリン酸)が0.25以上4以下である。
【0087】
<2> 前記成分(A)が、ジアリル4級アンモニウム塩重合体、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸共重合体、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、ビニルイミダゾリニウム塩/ビニルピロリドン共重合体およびアイオネンポリマーからなる群から選択される一種以上である、<1>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0088】
<3> 前記成分(A)の重量平均分子量Mwが1×103以上1×106以下である、<1>または<2>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0089】
<4> 前記成分(D)が、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーンおよびアルキルアミノ変性シリコーンからなる群から選択される一種以上である、<1>〜<3>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0090】
<5> 前記成分(A)と(D)の質量比(A)/(D)が、0.05以上4以下である<1>〜<4>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0091】
<6>前記成分(A)と(E)の質量比(A)/(E)が、0.05以上8以下である<1>〜<5>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0092】
<7> 前記成分(A)のカチオン電荷密度が6meq/g以上8meq/g以下である<1>〜<6>に記載の毛髪化粧料組成物。
<8> 前記成分(A)が、ジアリル4級アンモニウム塩重合体、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸共重合体、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、である<1>〜<7>に記載の毛髪化粧料組成物。
<9>前記成分(B)の炭素数14〜22の直鎖脂肪酸とイソステアリン酸との質量比(直鎖脂肪酸/イソステアリン酸)が0.67以上1.5以下である<1>〜<8>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0093】
<10> 前記成分(C)が、アルキル4級アンモニウム塩、エーテルアミン及びその塩、アルキルアミドアミン及びその塩から選択される1種又は2種以上である<1>〜<9>に記載の毛髪化粧料組成物。
<11> 前記成分(D)が、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーンおよびアルキルアミノ変性シリコーンから選択される1種又は2種以上である<1>〜<10>に記載の毛髪化粧料組成物。
<12> 前記成分(E)が、有機カルボン酸である<1>〜<11>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0094】
<13> 前記成分(A)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.01質量%以上5質量%以下である<1>〜<12>に記載の毛髪化粧料組成物。
<14> 前記成分(A)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.1質量%以上2.5質量%以下である<1>〜<13>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0095】
<15> 前記成分(B)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.01質量%以上5質量%以下である<1>〜<14>に記載の毛髪化粧料組成物。
<16> 前記成分(B)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.02質量%以上5質量%以下である<1>〜<15>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0096】
<17> 前記成分(C)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.1質量%以上10質量%以下である<1>〜<16>に記載の毛髪化粧料組成物。
<18> 前記成分(C)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.5質量%以上5質量%以下である<1>〜<17>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0097】
<19> 前記成分(E)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.05質量%以上7.5質量%以下である<1>〜<18>に記載の毛髪化粧料組成物。
<20> 前記成分(E)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.1質量%以上5質量%以下である<1>〜<19>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0098】
<21> 前記成分(D)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.05質量%以上5質量%以下である<1>〜<20>に記載の毛髪化粧料組成物。
<22> 前記成分(D)の含有量が、当該毛髪化粧料組成物全体に対して0.1質量%以上2質量%以下である<1>〜<21>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0099】
<23> 前記成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が0.3以上4以下である<1>〜<22>に記載の毛髪化粧料組成物。
<24> 前記成分(A)と(D)の質量比(A)/(D)が、0.1以上2以下である<1>〜<23>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0100】
<25> 前記成分(A)と(E)の質量比(A)/(E)が、0.1以上4以下である<1>〜<24>に記載の毛髪化粧料組成物。
【0101】
<26> <1>〜<25>に記載の毛髪化粧料組成物を毛髪に付与する工程と、
前記工程の後、水を用いて該毛髪をすすぐ工程と、
を含む、毛髪の処理方法。
【0102】
<27> 以下の工程で製造される<1>〜<25>に記載の洗い流すタイプの毛髪化粧料組成物の製造方法;
工程1:成分(A)カチオンポリマーと、成分(B)脂肪酸とを水中でpH8以上13以下のアルカリ性条件下で50℃以上100℃以下に加熱し、混合する工程、
工程2:工程1で得られた混合液に、成分(C)カチオン性界面活性剤、成分(D)シリコーン類および(E)有機酸または無機酸を混合し、20倍希釈時の組成物のpH(25℃)を2以上5以下にする工程、
工程3:工程2で得られた混合液を5℃以上30℃以下に冷却する工程。
【実施例】
【0103】
(実施例A1〜A6、C1〜C6、比較例B1〜B6、D1〜D5)
実施例A1〜A6、C1〜C6及び比較例B1〜B6、D1〜D5の毛髪化粧料組成物を下記の方法で調製及び評価した。実施例A1〜A6、C1〜C6及び比較例B1〜B6、D1〜D5の毛髪化粧料組成物の組成及び評価結果は、表1〜5に示した。表中の各成分は質量%を示す。
【0104】
(実施例A1)
300mLビーカーにイオン交換水167.7g、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド水溶液(マーコート100、重量平均分子量15万、カチオン電荷密度7.9meq/g、ポリマー濃度41.6%、ナルコ社製)2.0g、16−メチルオクタデカン酸2.0gを加えて、80℃加熱下で攪袢した。次に前記の混合物に水酸化ナトリウム0.14gを加えて80℃で攪拌し、水に不溶の白色不溶物が形成することを確認した。pHが11付近であることを確認した後、前記の白色不溶物を含む混合物に乳酸水溶液(ムサシノ乳酸90、乳酸濃度90%、武蔵野化学研究所社製)4.0gを加え、均一に分散するまで撹拌し、水相を調製した。一方、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、有効濃度90%、花王社製)3.5g、ステアリルアルコール(カルコール8098:花王社製)10.7g、ジプロピレングリコール(DPG−RF、ADEKA社製)6.0g、ジメチルポリシロキサン(KHS−3、信越シリコーン社製)3.0g、アミノポリエーテル変性シリコーン(SS−3588、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)0.4gの各成分を80℃で均―混合し、油相を調製した。80℃の前記の水相と油相を混合し10分間300rpmの攪拌条件下で乳化した。次に300rpm攪拌条件下で35℃以下まで冷却し、最後に香料0.6gを加えて得られた組成物を以って本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0105】
(実施例A2)
300mLビーカーにイオン交換水168.8g、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド・アクリル酸共重合体水溶液(マーコート280、重量平均分子量45万、カチオン電荷密度6.1meq/g、ポリマー濃度39.9%、ナルコ社製)2.0g、ラノリン脂肪酸(18−MEA、酸価154、クローダジャパン社製)2.0gを加えて、80℃加熱下で攪袢した。次に前記の混合物に水酸化ナトリウム0.2gを加えて80℃で攪拌し、水に不溶の白色不溶物が形成することを確認した。pHが11付近であることを確認した後、に前記の白色不溶物を含む混合物に乳酸水溶液(ムサシノ乳酸90、乳酸濃度90%、武蔵野化学研究所社製)4.0gを加えて、均一に分散するまで撹拌して、水相を調製した。一方、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、有効濃度90%、花王社製)3.5g、ステアリルアルコール(カルコール8098:花王社製)10.7g、ジプロピレングリコール(DPG−RF、ADEKA社製)6.0g、ジメチルポリシロキサン(KHS−3、信越シリコーン社製)2.0g、アミノポリエーテル変性シリコーン(SS−3588、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)0.2gの各成分を80℃で均―混合して、油相を調製した。80℃の前記の水相と油相を混合し10分間300rpmの攪拌条件下で乳化した300rpm攪拌条件下で35℃以下まで冷却し、最後に香料0.6gを加えて得られた組成物を以って本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0106】
(実施例A3)
300mLビーカーにイオン交換水163.0g、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド・アクリル酸共重合体水溶液(マーコート295、重量平均分子量19万、カチオン電荷密度7.7meq/g、ポリマー濃度37.5%、ナルコ社製)4.0g、18−メチルエイコサン酸2.0gを加えて、80℃加熱下で攪袢した。次に前記の混合物に水酸化ナトリウム0.2gを加えて80℃で攪拌し、水に不溶の白色不溶物が形成することを確認した。pHが11付近であることを確認した後、前記の白色不溶物を含む混合物に乳酸水溶液(ムサシノ乳酸90、乳酸濃度90%、武蔵野化学研究所社製)4.0gを加えて、均一に分散するまで撹拌して、水相を調製した。一方、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、有効濃度90%、花王社製)3.5g、ステアリルアルコール(カルコール8098:花王社製)10.7g、ジプロピレングリコール(DPG−RF、ADEKA社製)6.0g、ジメチルポリシロキサン(KHS−3、信越シリコーン社製)6.0gの各成分を80℃で均―混合して、油相を調製した。80℃の前記の水相と油相を混合し10分間300rpmの攪拌条件下で乳化した。300rpm攪拌条件下で35℃以下まで冷却し、最後に香料0.6gを加えて得られた組成物を以って本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0107】
(実施例A4)
300mLビーカーにイオン交換水170.1g、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド水溶液(マーコート100、重量平均分子量15万、カチオン電荷密度7.9meq/g、ポリマー濃度41.6%、ナルコ社製)2.0g、ステアリン酸1.6gとイソステアリン酸(イソステアリン酸EX、酸価193.8、高級アルコール工業社製)0.4gを加え、不溶物がなくなるまで80℃加熱下で攪袢した。次に前記の混合物に水酸化ナトリウム0.14gを加え80℃で攪拌し、水に不溶の白色不溶物が形成することを確認した。pHが11付近であることを確認した後、前記の白色不溶物を含む混合物に乳酸水溶液(ムサシノ乳酸90、乳酸濃度90%、武蔵野化学研究所社製)4.0gを加え、均一に分散するまで撹拌し、水相を調製した。一方、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、有効濃度90%、花王社製)3.5g、ステアリルアルコール(カルコール8098:花王社製)10.7g、ジプロピレングリコール(DPG−RF、ADEKA社製)6.0g、アミノポリエーテル変性シリコーン(SS−3588、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)1.0gの各成分を80℃で均―混合し、油相を調製した。80℃の前記の水相と油相を混合し10分間300rpmの攪拌条件下で乳化した。次に300rpm攪拌条件下で35℃以下まで冷却し、最後に香料0.6gを加えて得られた組成物を以って本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0108】
(実施例A5)
300mLビーカーにイオン交換水166.7g、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド・アクリル酸共重合体水溶液(マーコート280、重量平均分子量45万、カチオン電荷密度6.1meq/g、ポリマー濃度39.9%、ナルコ社製)4.0g、ステアリン酸1.6gとイソステアリン酸(イソステアリン酸EX、酸価193.8、高級アルコール工業社製)0.4gを加えて、不溶物がなくなるまで80℃加熱下で攪袢した。次に前記の混合物に水酸化ナトリウム0.26gを加えて80℃で攪拌し、水に不溶の白色不溶物が形成することを確認した。pHが11付近であることを確認した後、前記の白色不溶物を含む混合物に乳酸水溶液(ムサシノ乳酸90、乳酸濃度90%、武蔵野化学研究所社製)4.0gを加え、均一に分散するまで撹拌して、水相を調製した。一方、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、有効濃度90%、花王社製)3.5g、ステアリルアルコール(カルコール8098:花王社製)10.7g、ジプロピレングリコール(DPG−RF、ADEKA社製)6.0g、ジメチルポリシロキサン(KHS−3、信越シリコーン社製)2.0g、アミノポリエーテル変性シリコーン(SS−3588、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)0.2gの各成分を80℃で均―混合して、油相を調製した。80℃の前記の水相と油相を混合し10分間300rpmの攪拌条件下で乳化した。次に300rpm攪拌条件下で35℃以下まで冷却し、最後に香料0.6gを加えて得られた組成物を以って本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0109】
(実施例A6)
300mLビーカーにイオン交換水165.0g、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド・アクリル酸共重合体水溶液(マーコート295、重量平均分子量19万、カチオン電荷密度7.7meq/g、ポリマー濃度37.5%、ナルコ社製)2.0g、ステアリン酸1.6gとイソステアリン酸(イソステアリン酸EX、酸価193.8、高級アルコール工業社製)0.4gを加えて、不溶物がなくなるまで80℃加熱下で攪袢した。次に前記の混合物に水酸化ナトリウム0.2gを加えて80℃で攪拌し、水に不溶の白色不溶物が形成することを確認した。pHが11付近であることを確認した後、前記の白色不溶物を含む混合物に乳酸水溶液(ムサシノ乳酸90、乳酸濃度90%、武蔵野化学研究所社製)4.0gを加えて、均一に分散するまで撹拌して、水相を調製した。一方、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、有効濃度90%、花王社製)3.5g、ステアリルアルコール(カルコール8098:花王社製)10.7g、ジプロピレングリコール(DPG−RF、ADEKA社製)6.0g、ジメチルポリシロキサン(KHS−3、信越シリコーン社製)6.0gの各成分を80℃で均―混合して、油相を調製した。80℃の前記の水相と油相を混合し10分間300rpmの攪拌条件下で乳化した。次に300rpm攪拌下で35℃以下まで冷却し、最後に香料0.6gを加えて得られた組成物を以って本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0110】
(実施例C1)
500mLのビーカーにイオン交換水205.7gを添加し、80℃に加熱した。別途ステアリン酸1.0gとイソステアリン酸(イソステアリン酸EX、酸価193.8、高級アルコール工業社製)1.5gを80℃に加熱して溶融混合し、上記イオン交換水を撹拌させた状態の中へ添加した。次にポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド水溶液(マーコート100、ナルコ社製)3.5gを添加し、水酸化ナトリウム0.35gを添加して1時間撹拌した。pHが11付近であることを確認した後、乳酸水溶液(ムサシノ乳酸90、武蔵野化学研究所社製)0.75g、セチルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液(コータミン60W、有効濃度30%、花王社製)16.2g、プロピレングリコール2.5gを添加して30分撹拌した。pHが3〜5付近であることを確認した後、別途ステアリルアルコール(カルコール8098:花王社製)13.6gとプロピレングリコール2.5gを80℃で加熱して溶融混合したものを添加し、30分撹拌した。できた溶液を60℃まで冷却し、ジメチルポリシロキサン(KHS−9、信越シリコーン社製)2.5g添加し、さらに30℃付近まで冷却して得られた流動体を本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0111】
(実施例C2)
イオン交換水205.7gを195.3gに、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド水溶液3.5gを6.0gに、ステアリン酸1.0gを0.5gに、セチルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液16.2gを20.8gに、乳酸水溶液0.75gを0.6gに、ステアリルアルコール13.6gを17.5gに、水酸化ナトリウム0.35gを0.28gに変更する以外は実施例C1に準じて調製して、本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0112】
(実施例C3)
イオン交換水205.7gを200.9gに、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド水溶液3.5gを12.0gに、ステアリン酸1.0gを1.5gに、イソステアリン酸1.5gを1.0gに、セチルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液16.2gを12.5g、水酸化ナトリウム0.35gを0.38gに変更する以外は実施例C1に準じて調製して、本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0113】
(実施例C4)
イオン交換水205.7gを207.1gに、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド水溶液3.5gを15.0gに、ステアリン酸1.0gを6.0gに、セチルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液16.2gを5.0gに、乳酸水溶液0.75gを2.33gに、ステアリルアルコール13.6gを4.5gに、水酸化ナトリウム0.35gを1.10gに変更する以外は実施例C1に準じて調製して、本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0114】
(実施例C5)
イオン交換水205.7gを204.3gに、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド水溶液3.5gをジメチルジアリルアンモニウムクロリド・アクリル酸共重合体水溶液(マーコート280、ナルコ社製)0.95gに、ステアリン酸1.0gを0.05gに、イソステアリン酸1.5gを0.05gに、セチルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液16.2gを(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド10.0gに、ジメチルポリシロキサン2.5gを0.75gに、追加でアモジメチコーン(XS65−C0032、有効濃度40.3%、モメンティブパフォーマンスマテリアル社製)0.25gを配合し、乳酸水溶液0.75gをコハク酸5.68gに、ステアリルアルコール13.6gを23.0gに、水酸化ナトリウム0.35gを0.048gに変更する以外は実施例C1に準じて調製して、本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0115】
(実施例C6)
イオン交換水205.7gを212.3gに、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド水溶液3.5gをジメチルジアリルアンモニウムクロリド・アクリル酸共重合体水溶液(マーコート295、ナルコ社製)13.3gに、ステアリン酸1.0gを2.0gに、イソステアリン酸1.5gを3.0gに、セチルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液16.2gをN,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、花王社製)3.3gに、ジメチルポリシロキサン2.5gを0.75gに、追加でアルキルアミノ変性シリコーン(XF42−C4570、モメンティブパフォーマンスマテリアル社製)0.50gを配合し、乳酸水溶液0.75gをリンゴ酸1.7gに、ステアリルアルコール13.6gを7.5gに、水酸化ナトリウム0.35gを0.65gに変更する以外は実施例C1に準じて調製して、本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0116】
(比較例B1)
300mLビーカーにイオン交換水169.1g、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド水溶液(マーコート100、重量平均分子量15万、カチオン電荷密度7.9meq/g、ポリマー濃度41.6%、ナルコ社製)2.0gを加えて、80℃で加熱溶解した。次に前記の混合物に水酸化ナトリウム0.1gを加えて、均一に溶解した。最後に、乳酸水溶液(ムサシノ乳酸90、乳酸濃度90%、武蔵野化学研究所社製)4.0gを加えて、均一に溶解するまで撹拌し、水相を調製した。一方、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、有効濃度90%、花王社製)3.5g、ステアリルアルコール(カルコール8098:花王社製)10.7g、ジプロピレングリコール(DPG−RF、ADEKA社製)6.0g、ジメチルポリシロキサン(KHS−3、信越シリコーン社製)4.0gの各成分を80℃で均―に混合し、油相を調製した。80℃の前記の水相と油相を混合し10分間300rpmの攪拌条件下で乳化した。次に300rpm攪拌条件下で35℃以下まで冷却し、最後に香料0.6gを加えて得られた組成物を以って本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0117】
(比較例B2)
300mLビーカーにイオン交換水169.6gに18−メチルエイコサン酸2.0gを加えて、80℃で加熱混合した。次に前記の混合物に水酸化ナトリウム0.14gを加えて均一になるまで攪拌した。最後に、前記の混合物に乳酸水溶液(ムサシノ乳酸90、乳酸濃度90%、武蔵野化学研究所社製)4.0gを加えて、均一になるまで撹拌し、水相を調製した。一方、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、有効濃度90%、花王社製)3.5g、ステアリルアルコール(カルコール8098:花王社製)10.7g、ジプロピレングリコール(DPG−RF、ADEKA社製)6.0g、ジメチルポリシロキサン(KHS−3、信越シリコーン社製)3.0g、アミノポリエーテル変性シリコーン(SS−3588、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)0.5gの各成分を80℃で均―に混合し、油相を調製した。80℃の前記の水相と油相を混合し10分間300rpmの攪拌条件下で乳化した。次に300rpm攪拌下で35℃以下まで冷却し、最後に香料0.6gを加えて得られた組成物を以って本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0118】
(比較例B3)
300mLビーカーにイオン交換水166.5gにステアリン酸1.6gとイソステアリン酸(イソステアリン酸EX、酸価193.8、高級アルコール工業社製)0.4gを加えて、80℃で加熱混合した。次に前記の混合物に水酸化ナトリウム0.14gを加えて均一になるまで攪拌した。最後に、前記の混合物に乳酸水溶液(ムサシノ乳酸90、乳酸濃度90%、武蔵野化学研究所社製)4.0gを加えて、均一になるまで撹拌し、水相を調製した。一方、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、有効濃度90%、花王社製)3.5g、ステアリルアルコール(カルコール8098:花王社製)10.7g、ジプロピレングリコール(DPG−RF、ADEKA社製)6.0g、ジメチルポリシロキサン(KHS−3、信越シリコーン社製)6.0g、アミノポリエーテル変性シリコーン(SS−3588、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)0.6gの各成分を80℃で均―に混合し、油相を調製した。80℃の前記の水相と油相を混合し10分間300rpmの攪拌条件下で乳化した。次に300rpm攪拌下で35℃以下まで冷却し、最後に香料0.6gを加えて得られた組成物を以って本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0119】
(比較例B4)
300mLビーカーにイオン交換水170.1g、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド水溶液(マーコート100、重量平均分子量15万、カチオン電荷密度7.9meq/g、ポリマー濃度41.6%、ナルコ社製)2.0g、ステアリン酸2.0gを加えて、不溶物がなくなるまで80℃加熱下で攪袢した。次に前記の混合物に水酸化ナトリウム0.14gを加えて攪拌し、水に不溶の白色不溶物が形成することを確認した。最後に、乳酸水溶液(ムサシノ乳酸90、乳酸濃度90%、武蔵野化学研究所社製)4.0gを加えて、均一に分散するまで撹拌し、水相を調製した。一方、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、有効濃度90%、花王社製)3.5g、ステアリルアルコール(カルコール8098:花王社製)10.7g、ジプロピレングリコール(DPG−RF、ADEKA社製)6.0g、アミノポリエーテル変性シリコーン1.0gの各成分を80℃で均―に混合し、油相を調製した。80℃の前記の水相と油相を混合し10分間300rpmの攪拌条件下で乳化した。次に300rpm攪拌条件下で35℃以下まで冷却し、最後に香料0.6gを加えて得られた組成物を以って本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0120】
(比較例B5)
300mLビーカーにイオン交換水164.7gに、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体水溶液(マーコート550、重量平均分子量160万、カチオン電荷密度3.4meq/g、ポリマー濃度9.0%、ナルコ社製)6.0g、18−メチルエイコサン酸2.0gを加えて、80℃加熱下で攪袢した。次に前記の混合物に水酸化ナトリウム0.16gを加えて攪拌し、水に不溶の白色不溶物が形成することを確認した。最後に、前記の混合物に乳酸水溶液(ムサシノ乳酸90、乳酸濃度90%、武蔵野化学研究所社製)4.0gを加えて、均一に分散するまで撹拌し、水相を調製した。一方、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、有効濃度90%、花王社製)3.5g、ステアリルアルコール(カルコール8098:花王社製)10.7g、ジプロピレングリコール(DPG−RF、ADEKA社製)6.0g、ジメチルポリシロキサン(KHS−3、信越シリコーン社製)2.0g、アミノポリエーテル変性シリコーン(SS−3588、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)0.4gの各成分を80℃で均―に混合し、油相を調製した。80℃の前記の水相と油相を混合し10分間300rpmの攪拌条件下で乳化した。次に300rpm攪拌下で35℃以下まで冷却し、最後に香料0.6gを加えて得られた組成物を以って本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0121】
(比較例B6)
300mLビーカーにイオン交換水162.8gに、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド・アクリル酸・アクリルアミド共重合体水溶液(マーコート2003、重量平均分子量120万、カチオン電荷密度3.6meq/g、ポリマー濃度21.0%、ナルコ社製)4.0g、18−メチルエイコサン酸2.0gを加えて、80℃加熱下で攪袢した。次に前記の混合物に水酸化ナトリウム0.2gを加えて攪拌し、水に不溶の白色不溶物が形成することを確認した。最後に、前記の混合物に乳酸水溶液(ムサシノ乳酸90、乳酸濃度90%、武蔵野化学研究所社製)4.0gを加えて、均一に溶解するまで撹拌し、水相を調製した。一方、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、有効濃度90%、花王社製)3.5g、ステアリルアルコール(カルコール8098:花王社製)10.7g、ジプロピレングリコール(DPG−RF、ADEKA社製)6.0g、ジメチルポリシロキサン(KHS−3、信越シリコーン社製)6.0g、アミノポリエーテル変性シリコーン(SS−3588、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)0.2gの各成分を80℃で均―に混合し、油相を調製した。80℃の前記の水相と油相を混合し10分間300rpmの攪拌条件下で乳化した。次に300rpm攪拌下で35℃以下まで冷却し、最後に香料0.6gを加えて得られた組成物を以って本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0122】
(比較例D1)
イオン交換水205.7gを212.0gに、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド水溶液3.5gを未配合に、ステアリン酸1.0gを未配合に、イソステアリン酸1.5gを未配合に、水酸化ナトリウム0.35gを未配合に変更する以外は実施例C1に準じて調製して、本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0123】
(比較例D2)
イオン交換水205.7gを209.5gに、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド水溶液3.5gを未配合に変更する以外は実施例C1に準じて調製して、本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0124】
(比較例D3)
イオン交換水205.7gを199.8gに、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド水溶液3.5gを12.0gに、ステアリン酸1.0gを0.075gに、イソステアリン酸1.5gを0.1gに、水酸化ナトリウム0.35gを0.068gに変更する以外は実施例C1に準じて調製して、本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0125】
(比較例D4)
イオン交換水205.7gを208.2gに、ジメチルポリシロキサン2.5gを未配合に変更する以外は実施例C1に準じて調製して、本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0126】
(比較例D5)
イオン交換水205.7gを206.4gに、乳酸水溶液0.75gを未配合に変更する以外は実施例C1に準じて調製して、本例の毛髪化粧料組成物とした。
【0127】
(複合体の形成の確認例)
実施例C1で得られた毛髪化粧料組成物2.0gをろ紙上にのせ、イオン交換水の流水(100g程度)で水洗し乾燥した。残留した固体について、赤外分光光度計(Nicolet iS10 FT-IR、Thermo SCIENTIFIC社製、ATR法)により赤外吸収スペクトルの測定をおこなった。ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリドのみおよびステアリン酸とイソステアリン酸の混合物のみの測定結果と併せて図1(a)および図1(b)に示す。
図1(a)は、最終的に得られた毛髪化粧料組成物(pH4.2)の測定結果を示す。また、図1(b)は、複合体由来のピークが見やすいように図1(a)を拡大した結果を示す。
【0128】
(評価方法1)
ストレートパーマ1回、ブリーチ2回処理を施した日本人女性の毛髪をダメージ毛髪とし、それぞれ20g(長さ15〜20cm、平均直径80μm)の毛髪束を、パネラー5名が次の方法で処理しながら官能評価を行った。
下記の処方の標準シャンプー2gを用いて洗浄した毛髪束に、表1〜表3のそれぞれに示すコンディショナー2gを塗布し、毛髪全体に十分に馴染ませた後、およそ30秒間約40℃の流水下で濯ぎ、ついで、タオルドライを行い、ドライヤーで十分に乾燥させた後、1日(24時間)乾燥後に4段階で評価を行った。評価は5人のパネラーで行い、評価ポイントの積算値を求めた。
【0129】
・標準シャンプーの処方(pH7.0)
25%ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩 62.0質量%
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.3質量%
エデト酸二ナトリウム 0.15質量%
安息香酸ナトリウム 0.5質量%
塩化ナトリウム 0.8質量%
75%リン酸 適量
香料、メチルパラベン 適量
精製水 残量
【0130】
評価基準
(1)1日経過後のなめらかさ
4:非常になめらか
3:なめらか
2:あまりなめらかでない
1:なめらかでない
【0131】
(2)1日経過後の髪のまとまりやすさ
4:非常にまとまりやすい
3:まとまりやすい
2:あまりまとまりやすくない
1:まとまりやすくない
【0132】
(3)1日経過後、毛髪に手で触れた時のひんやり感
4:非常にひんやりする
3:ひんやりする
2:あまりひんやりしない
1:ひんやりしない
【0133】
(4)1日経過後の髪の揃い易さ
4:非常に髪が揃い易い
3:髪が揃い易い
2:あまり髪が揃い易くない
1:髪が揃い易くない
【0134】
(評価方法2)
ストレートパーマ1回、ブリーチ2回処理を施した日本人女性の毛髪を試料毛髪とし、表1〜表3に示す組成のコンディショナーを毛髪との重量比1:0.2として塗布し30秒馴染ませ、30秒間流水によりすすぎを行った。
その後、毛髪束の根本から2cm〜5cmの部分で切り出した毛髪7本の前進接触角を測定し、その平均の値をそのコンディショナー処理後の前進接触角とした。これを処理後のコンディショニング効果の指標とした。
また、その後上記標準シャンプーを毛髪との重量比1:0.2として塗布し30秒間洗浄し、30秒間流水ですすいだ後の毛髪7本の前進接触角を測定し、その平均の値を洗浄後前進接触角とした。これをコンディショニング効果持続性の指標とした。
前進接触角の測定は、KRUSS社製、高機能自動表面張力計 K100を用いて、3cmの長さに切断した毛髪を純水水面に垂直になるように0.1mm/sの速度で挿入する際の重量変化の測定から行った。
【0135】
(評価方法3)
ブリーチ3回処理を施した日本人女性の毛髪をダメージ毛髪とし、約10g(長さ20〜30cm程度、平均直径80μm)の毛髪束を、パネラー5名が次の方法で処理しながら官能評価を行った。
前述した処方の標準シャンプー2.0gを用いて洗浄した毛髪束に、表1、表2、表4、表5のそれぞれに示す毛髪化粧料組成物2.0gを塗布し、毛髪全体に十分に馴染ませた後、およそ30秒間約40℃の流水下ですすぎ、ついで、タオルドライをおこなった。その際の毛髪束の束感を下記の評価基準で5段階評価をおこない、5名のパネラーの評価ポイントの積算値を求めた。さらに、そこからドライヤーで乾燥させ、乾燥を感じるまでの時間を測定し、各パネラーの測定時間を平均した。
【0136】
タオルドライ後の束感の評価基準
5:小さな束の単位まで均一にばらけている
4:おおむね小さな束の単位までばらけている
3:中程度の束の単位まではばらけている
2:一部大きな束の単位が残っている
1:大きな束の単位が多く残っている
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
【表3】
【0140】
【表4】
【0141】
【表5】
【0142】
表1〜3より、実施例A1〜A6の毛髪化粧料組成物を用いることにより、毛髪に対して、なめらかさやまとまりといったコンディショニング効果を持続させることができた。また、毛髪を疎水化し、毛髪になめらかさ、ひんやり感、引っかかりや絡まりがなく指通りが良くて髪が揃いやすい、といった心地よい感触を与えることもできた。
【0143】
また、表1〜5より、実施例A1〜A6およびC1〜C6の毛髪化粧料組成物を用いることにより、頭髪全体を均一に速く乾燥させることができた。
図1