(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電飾ユニットは、さらに、前記透明板の裏面に対向して前記第1領域部と接近すると共に、前記第2領域部の前側に設置される意匠板と、前記第2領域部を透して前記意匠板を後方から照射可能なバックライト光源とを有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための一実施形態を添付図面を参照しながら詳述する。なお、以下の実施形態は本出願の特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
なお、以下の説明において遊技機1の各部の左右方向は、その遊技機1の正面に対面する者にとっての左右方向に合わせて説明する。
【0014】
(遊技機1の全体構造)
図1に示すように、遊技機1は、遊技場の島設備に設置される矩形枠状の外枠2と、当該外枠2の左枠部に蝶番(図示略)により垂直軸回りに開閉自在に取り付けられる内枠3と、当該内枠3に装着され、各種要素が組み付けられる遊技盤4(
図2参照)と、当該遊技盤4の前側にあって、内枠3の左枠部に上下の蝶番5、5により垂直軸回りに開閉自在に取り付けられ、遊技盤4の前面を閉塞し、遊技者が透視し得る透明な板(例えば、透明合成樹脂板)であるガラス板61を嵌め込んだガラス枠6と、遊技盤4の後側に設けられ賞球や貸球等の遊技球を払出可能な払出装置(図示略)と、ガラス枠6の下部に設けられ、払出装置から払い出される遊技球を貯留するための上受皿部7と、ガラス枠6の下部裏側に設けられ上受皿部7に貯留されている遊技球を導入して遊技盤4の前面に形成される遊技領域41へ向けて発射するための発射装置(図示略)と、上受皿部7に遊技球が満杯になった際、溢れ球を導入可能な下受皿部8と、ガラス枠6の前面右下部に設けられ上受皿部7に貯留された遊技球を遊技領域41へ打ち出す際に操作される発射ハンドル9と、ガラス枠6の上部に設けられ遊技状況に応じた効果音を出力するスピーカ10L、10Rと、ガラス枠6の前側に設けられ遊技状況に応じて点灯、消灯及び点滅する照明演出を行う電飾装置11と、遊技盤4の後側に設置される表示装置12(
図2参照)と、遊技盤4の裏側に設置され、遊技進行及び遊技演出を制御するためのマイクロコンピュータにより構成される各種制御装置(図示略)等を備える。なお、制御装置は、遊技機1を統括して制御(大当たり抽選を含む)する主制御装置と、演出に係る制御(演出抽選を含む)を行う副制御装置とに分けて設けるようにしてもよい。
【0015】
図3に示す特別図柄表示装置42は、遊技盤4の前面であってガラス枠6のガラス板61を透して遊技者が視認可能な部位に設置され、後述の始動入賞口17又は電動式チューリップ役物付きの始動入賞口28(以下、電チューとも称す)に遊技球が入って入賞検知がされて特別図柄抽選の判定が行われることに基づいて特別図柄(以下、特図とも称す)の変動表示が開始され、その後の所定時間の経過時に当該特図抽選結果に応じた態様で特図を停止表示させる表示制御が行われる。
表示装置12は、例えば液晶ディスプレイから構成され、ガラス板61を透して遊技者が視認可能な表示画面121(
図2参照)に遊技に係わる情報である各種キャラクタや左列、中列、右列の3列の数字等で構成される演出図柄を前述の特図の変動表示、及び停止表示と同期させるように変動、停止表示すると共に、そのときの遊技状態に応じた動画を表示することによって遊技の盛り上げ演出を行う。
【0016】
(遊技盤4及びそれに関係する構造)
図2に示すように、遊技盤4は、アクリル樹脂等の透明合成樹脂板により正面視ほぼ方形に形成されると共に、前面には、内外のガイドレール13、14によって包囲される円形(楕円形を含む)の遊技領域41が形成される。上受皿部7に貯留された遊技球は、発射ハンドル9が回転操作されることにより、発射装置から発射されて、内外のガイドレール13、14により左斜め上方へ誘導されて、遊技領域41の左上部から遊技領域41内に導入されて流下する。
【0017】
遊技領域41の略中央部には、遊技盤4の後側に設置される表示装置12の表示画面121に表示される演出図柄を視認し得るように開口する表示窓151を有すると共に、表面に各種模様が施された正面視で枠状の装飾枠15が固定される。
【0018】
さらに、遊技領域41には、遊技領域41に打ち込まれた遊技球の流下方向を変化させる多数の釘(図示略)及び単一の風車16と、表示窓151の下方にあって、遊技領域41の左領域(装飾枠15の左側の領域)を流下する遊技球のうち装飾枠15の左部に設けられたワープ孔152に進入したワープ球を導入し、当該ワープ球を左右及び前後方向へ転動させ得るステージ153と、当該ステージ153の下方にあって、遊技領域41を流下する遊技球及びステージ153の前側から落下したワープ球が入賞可能な始動入賞口17と、始動入賞口17の右側にあって、遊技状態に応じた電飾演出を行う電飾ユニット18と、右領域(装飾枠15の右側の領域)にあって、遊技球が通過可能なスルーチャッカ19と、遊技領域41に打ち込まれた遊技球のうち入賞(入球)しなかったアウト球を遊技盤4の裏面側に排出するアウト口20と、始動入賞口17の真下で、かつ電飾ユニット18の左側にあって、表示画面121に表示される保留球数と同期して、又は保留球数の表示に代わって点灯及び消灯する光源とレンズとを有する4個の保留ランプ21〜24とが設けられる。
【0019】
装飾枠15は、遊技盤4に固定されることにより、自体の上面及び右外周面とそれらの外側に位置する外側のガイドレール14との間に、発射装置から発射された遊技球を遊技領域41の右領域へ誘導するための右打ち通路411を形成する。
【0020】
なお、装飾枠15には、装飾枠15を遊技盤4に固定する前の段階で、予め電飾ユニット18、スルーチャッカ19及びステージ153が組み付けられる。これにより、特に、多数の構成要素を有する電飾ユニット18においては、後述するように、装飾枠15をベース部材とし、当該ベース部材に後述の各種構成要素を組み付けた形態のユニット化を形成することができる。
【0021】
装飾枠15におけるステージ153の後側には、ワープ孔152を通過してステージ153に導出されたワープ球がステージ153の後側に落下しないようにするための透明保護板25と、透明保護板25の裏面に重ねた形態で設置され、遊技盤4の盤面に平行な透明導光板26とが設けられる。
【0022】
さらに、
図3に示すように、遊技領域41には、遊技状態が「通常遊技」から遊技者にとって有利な「大当たり」に移行した際、遊技領域41の右領域を流下する右打ち遊技球が大入賞口へ入球不能な閉鎖状態から大入賞口へ入球可能な開放状態に変化可能な開閉部材であるアタッカー27と、遊技状態が「特定遊技」(例えば、「確率変動」または「時短」)に移行した際、右打ち遊技球が始動入賞口へ入球不能な閉鎖状態から始動入賞口へ入球可能な開放状態に変化可能な開閉部材である電チュー(電動式チューリップ役物付きの始動入賞口)28と、アタッカー27の開放に基づいて大入賞口に入球した遊技球を検出するためのアタッカーセンサ(検出センサ)272と、電チュー28の開放に基づいて始動入賞口に入球した遊技球を検出するための電チューセンサ(検出センサ)282とが設けられる。
【0023】
遊技球がアタッカーセンサ272及び電チューセンサ282を通過した際の検出信号は、主制御装置に送信される。主制御装置は、検出信号に基づいて内部で発生させた乱数の取得に応じて、「リーチ」、「大当たり」、「確率変動」、「外れ」等の判定を行うと共に、所定の確率で実行される特図抽選の結果に応じさせた変動パターンの選択に基づいて特図の変動表示を制御し、主制御装置に基づく制御処理を補助させる副制御装置に基づいて表示装置12の表示画面121に表示される演出図柄の変動表示を制御する。
【0024】
なお、本明細書で使用する「リーチ」とは、例えば、表示画面121に変動表示される左、中、右3列の演出図柄のうち2列の図柄列を先に停止させ、既に停止表示された2列の表示結果が同一の図柄の組み合わせとなって最終停止図柄の停止に期待をもたせる演出のことである。
また、「リーチ」は、通常の変動パターンとは異なる特別な変動パターン、つまりリーチ変動パターンが選択された場合に、副制御装置に基づいて実行される。
なお、「通常遊技」とは、「大当たり」、「特定遊技(「確率変動」または「時短」)」等の遊技とは異なる初期の遊技状態を指す。
【0025】
なお、本明細書で使用する「大当り」とは、特図が予め定められた停止表示となると共に、表示画面121に左、中、右列に同一の図柄又は隣り合う図柄同士に関連性(例えば、1・2・3)を持たせて揃って確定表示されることに基づいてアタッカー27を所定期間作動させる大当り遊技状態に移行可能とすることである。
「確率変動」とは、アタッカー27の作動前の通常遊技の状態よりも、アタッカー27の作動後の遊技状態の方が特図抽選の当選確率が高くなる高確率状態(例えば、「通常遊技」では大当たり確率1/350、「確率変動」では大当り確率1/60)となると共に、表示画面121に表示される演出図柄及び特別図柄表示装置42の特図が停止表示する前の可変表示時間が通常の遊技より短くなり、単位時間あたりの遊技回数(特図抽選の判定回数)が多くなり易くなるよう制御された状態となる。
更に本実施形態では、スルーチャッカ19への遊技球の通過を契機に実行される普通図柄抽選(以下、普図とも称す)の結果、小当たりとなったときには電チュー28を所定回数、所定時間開放することで、電チュー28に係る始動入賞口への遊技球の入賞の確率を高めるようにしており、当該普図抽選の当選確率もアタッカー27の作動前の通常遊技よりも、アタッカー27の作動後の遊技状態の方が高くなる高確率状態となる。
更に、通常遊技の状態よりも高確率状態のときの方が、普図抽選の結果報知をする迄の普図変動の表示時間が短くなるとと共に、通常遊技より電チュー28に遊技球を入賞させ易くする所定回数、所定時間開放(例えば、開放時間が長くなる)の状態に移行制御されるようになる。
「時短」とは、普図抽選が前述の高確率状態となり、スルーチャッカ19への遊技球の通過を契機に実行される普図抽選の結果、小当たりとなったときには電チュー28を所定回数、所定時間開放し、単位時間あたりの電チュー28への遊技球の入賞の確率を通常遊技よりも高めると共に、表示画面121に表示される演出図柄及び特別図柄表示装置42の特図の可変表示時間が通常遊技より短くなるが、特図抽選における大当り確率が通常遊技と同じ状態(例えば、大当たり確率1/350などの特図当選を獲得し難い低確率状態)を指す。
【0026】
(電飾ユニット18の構造)
図2〜
図6に基づいて、本発明の特徴部分について説明する。なお、
図4は、電飾ユニット18の内部構造を明示するため、後述の透明導光板29を省略した状態で示している。
電飾ユニット18は、ベース部材とする装飾枠15に、第1開閉部材をなすアタッカー27と、第2開閉部材をなす電チュー28と、最前の透明導光板29と、遊技状態に応じて電飾演出が変化し得るモードランプサブユニット30と、透明導光板29の左右方向に延びる下端面29aに沿って左右方向に所定間隔に配列し、対向する第1光源をなす複数のエッジ光源31aを複数実装した横置きの光源基板31と、後述の第2領域部293を介して後述の前側意匠板32の裏面対向するように配置された第2光源をなす複数のバックライト光源34aを実装した縦置きの光源基板34とを組み付けることで構成される。
【0027】
装飾枠15は、前述のように、透明合成樹脂板に模様、色彩等を施すことで形成され、表示窓151の周囲を装飾する枠部154と、前述のワープ孔152及びステージ153と、枠部154の右下方にあって各種要素が組み付けられるベース部155とを一体形成する。
【0028】
アタッカー27は、装飾枠15におけるベース部155の前面に前後方向の軸回りに
図4に実線で示す閉位置と仮想線で示す開位置とに揺動可能に枢支され、開位置となることで遊技球の入球を可能にし、閉位置となることで遊技球の入球を不能にする。電チュー28は、アタッカー27の下方にあって、ベース部155の前面に前後方向の軸回りに
図4に実線で示す閉位置と仮想線で示す開位置とに揺動可能に枢支され、開位置となることで遊技球の入球を可能にし、閉位置となることで遊技球の入球を不能にする。
【0029】
図3に示すように、モードランプサブユニット30は、前側から前面に所定の情報を示す意匠を施した表示部301a(本実施形態においては「強」)を形成した透明合成樹脂材の情報表示体301と、アタッカー27及び電チュー28に入球した遊技球を遊技盤4の裏側へ排出するための透明合成樹脂材により形成される球排出路302と、情報表示体301の周辺に設置され、遊技状態に応じて電飾演出を行う環状の補助ランプ300と、補助ランプ300及び球排出路302を透して情報表示体301の表示部301aを裏面側から照射する第3光源である複数の情報照射光源306a及び補助ランプ300を照射する第4光源である複数の補助ランプ照射光源306bを実装した縦置きの光源基板306と、光源基板306の裏側を覆うカバー307と、アタッカー27を開閉動作させるためのアタッカー用ソレノイド308と、電チュー28を開閉動作させるための電チュー用ソレノイド309と、各ソレノイド308、309を支持するためのソレノイドカバー310を含んで構成される。
なお、表示部301aの「所定の情報」を示す意匠は、文字情報、数字情報、図形、記号、又は模様情報などを表示可能とする意匠であって、所定の遊技状態や当選に対する信頼度の報知ための情報提供として利用される。
【0030】
補助ランプ300は、円弧状の複数のレンズ303aを有する透明合成樹脂材で形成されたレンズカバー303と、レンズ303aの裏側に固定されるリフレクタ304と、レンズカバー303の裏側にリフレクタ304を挟んだ状態で固定される透明裏カバー305とを含んで構成される。補助ランプ照射光源306bの光は、透明裏カバー305に設けた複数の開口305cを通してレンズカバー303及びレンズ303aの裏面を照射する。情報照射光源306aは、透明裏カバー305の中央部分の円形透明部305d、レンズカバー303の円形開口303b、及び球排出路302を通して情報表示体301の表示部301aを裏面側から照射する。
【0031】
レンズカバー303は、円弧状の複数のレンズ303aの周辺に、文字、記号、マーク、図形等によって形成された不透明部303c(本実施形態においては「ABCD」)と、不透明部303cの輪郭に沿って透明部303dが設けられている。これにより、レンズ303aと合わせて、遊技演出が強調される。
【0032】
情報表示体301は、正面視で略円形であって、球排出路302の前側に固定される。
なお、情報表示体301における表示部301a「強」を含む表面全域は、黒色の点がある所定の比率パターン(所謂、スクリーントーン(登録商標)状)となる印刷が「強」の文字全体を覆うように施されている。
これにより、透明導光板29における後述の第1領域部291の後面に接触する情報表示体301によって、第1領域部291の裏面がドット状に濃色で被覆されることから、1又は複数のエッジ光源31aが点灯している状態において、第1領域部291の反射部291aによって所定の模様(本実施形態においては、渦状)を呈する光反射領域291b(複数の微少凹部)を正面視で視認可能に発光する乱反射の輝きが、より鮮明になる。
さらに、エッジ光源31aが消灯している状態において、情報表示体301の表示部301a「強」の文字(所定の情報)を示す意匠が、ドット状の濃色の被覆によってバックライト光源34aが照射されない限り遊技者にとって視認し難くすることも可能となる。
なお、情報表示体301の表面に施される彩色は、黒色に限定されるものでなく、濃色であれば、例えば濃い青色、濃い緑色等であってもよい。
【0033】
球排出路302は、アタッカー27に入球した遊技球を遊技盤4の裏側に排出するためのアタッカー用排出路302aと、電チュー28に入球した遊技球を遊技盤4の裏側に排出するための電チュー用排出路302bと、情報表示体301の裏面に対面する位置にあって、情報照射光源306aの光を拡散し、当該拡散した光を情報表示体301の裏面に照射されるための凹凸状の光拡散部302cとを有している。
【0034】
アタッカー用排出路302a及び電チュー用排出路302bの各上流側には、アタッカー27及び電チュー28に入球した遊技球の通過を検出するアタッカーセンサ272及び電チューセンサ282がそれぞれ設けられる。
【0035】
アタッカー用排出路302aの上流部分は、遊技機1の前側から目視可能であり、下流部分は、情報表示体301及び光拡散部302cの後側に位置し、遊技機1の前側からは目視不能である。電チュー用排出路302bは、後述の前側意匠板32及び後述の後側意匠板33の後側にあって、その長手方向(横方向)へ沿うように位置する。
【0036】
レンズカバー303は、球排出路302を介して情報表示体301の後側に固定されると共に、内側には、情報表示体301の周辺を囲むように配列される複数(本実施の形態では4個)のレンズ303aが嵌め込まれている、リフレクタ304は、レンズカバー303の裏側に固定され、レンズカバー303の外周と各レンズ303aとの後方をそれぞれ区画する壁部304aを有する。これにより、レンズカバー303の外周と各レンズ303aとにそれぞれ対向する補助ランプ照射光源306bは、対象とするレンズカバー303の外周とレンズのみを各々照射することが可能となる。
【0037】
透明裏カバー305は、レンズカバー303の裏側にリフレクタ304を挾んだ状態で固定されると共に、球排出路302におけるアタッカー用排出路302aの下流部分に繋がる排出口305a、及び電チュー用排出路302bの下流部分に繋がる排出口305bを有する。
【0038】
光源基板306は、透明裏カバー305の裏側に固定され、中央部分には球排出路302の光拡散部302cや、透明裏カバー305の円形透明部305aを介して情報表示体301の表示部301aの裏側に対向する複数の情報照射光源306aが実装され、情報照射光源306aの周辺にはレンズカバー303及び各レンズ303aに対向する複数の補助ランプ照射光源306bが実装される。
【0039】
情報照射光源306aの光は、球排出路302の光拡散部302cで拡散されて情報表示体301の表示部301aを裏側から照射する。これにより、表示部301aは、情報照射光源306aが発光することで明るく光って遊技者に対して表示内容を報知する。補助ランプ照射光源306bの光は、レンズカバー303及び各レンズ303aを裏側から照射し、レンズカバー303及び各レンズ303aの表面を照明する。
【0040】
透明導光板29は、透明のアクリル板により形成され、裏面がモードランプサブユニット30における情報表示体301の前面に接触(又は近接)するように装飾枠15の前面に固定されると共に、情報表示体301の前面に対面接触する第1領域部291と、当該第1領域部291の左右方向に延びる下部に後斜め下方に「Sの字カーブ状」の断面となるような緩やかに屈曲傾斜する傾斜部292(特に、
図5に明示)を介して連結されることで第1領域部291よりも後方に位置する第2領域部293と、第1領域部291の右斜め上方に連接され開閉部材であるアタッカー27の前面を覆うアタッカー覆い部294と、第1領域部291の右側にあって、開閉部材である電チュー28の前面を覆う電チュー覆い部295とを一体形成する。
すなわち、透明導光板29の第1領域部291は、
図5に示すように、遊技盤4の前面を閉塞するガラス板61の裏面に接触(又は近接)し、透明導光板29の第1領域部291の裏面と遊技盤4との間のスペースS1方向に、情報表示体301等の所定の演出用役物が配設可能な前後空間を大きく確保させることができる。
また、第1領域部291よりも後側に第2領域部293を位置させ、第2領域部293をガラス板61から離すことで、ガラス板61と第2領域部293との間に空間を確保でき、第2領域部293の下端面29aへ光を入射させる光源基板31の配設領域の確保をし易くできる。
よって、第2領域部293におけるガラス板61の裏面から後方へ離れる位置は、光源基板31の奥行の長さに基づいて設定するとよい。
なお、本実施形態の屈曲傾斜する傾斜部292に係るSの字カーブは、第2領域部293の下端面29aから略垂直方向で入射させるエッジ光源31aの光を斜め上方に向けて導光させるのに都合のよい緩やかな屈曲としているが、エッジ光源31aの光照射方向の行き先における傾斜部292の対向斜面に対し、鏡面の効果を有する塗装処理、又は所定の反射鏡部材を配設されるようにしてもよい。
また、透明導光板29は、ガラス板61の裏面に対して傾斜する傾斜部292を境にして、ガラス板61の裏面に対向近接し、ガラス板61と平行な第1領域部291と、第1領域部291よりも後側に位置して後述の前側意匠板32を介してガラス板61の裏面に対向し、ガラス板61と平行な第2領域部293とを一体形成する。
【0041】
第1領域部291の裏面の全域又は一部の領域には、左右方向に複数配列されるエッジ光源31aが上方向(遊技盤4の前面に沿う方向)に下端面29aから光を照射することに基づいて、第2領域部293及び傾斜部292を介して導光してくる光を乱反射させ、これにより所定の模様を発光表示可能な複数の微少凹部が郡状に形成され、正面視で視認可能に発光する予め定められた所定形状の光反射領域が形成されている。
例えば、渦を模した反射部291aの光反射領域が形成される。
なお、第1領域部291の「所定の模様」は、前述の表示部301aの「所定の情報」を示す意匠とは異なり、文字情報、数字情報、図形、記号、又は模様情報などを表示可能とする所定形状の光反射領域であって、所定の遊技状態や当選に対する信頼度の報知に基づく情報提供とさせるために利用される。
本実施形態の反射部291aは、情報表示体301の表示部301aの前側に位置し、情報表示体301の表示部301aの全域又は一部を覆うように光反射領域を有し、第2領域部293の下端面29aに対向するエッジ光源31aの光が透明導光板29の板肉厚S2内に入射されると当該光の伝達に基づいて第1領域部291内で散乱させて渦状に光輝くことで、第1領域部291の裏面に対面する情報表示体301の表示部301aの全域又は一部を目視不能に隠蔽し、また、1又は複数のエッジ光源31aが点灯していないときには表示部301aの全域又は一部を目視可能にする。すなわち、反射部291aは、エッジ光源31aが発光することによって表示部301aを隠蔽するカーテンの役目を行う。
【0042】
なお、反射部291aは、第1領域部291の裏面に限らず、表面又は裏面に、透明アクリル板に白色インクで反射ドットを印刷したシルク印刷方式、スタンパーやインジェクションでアクリル面に凹凸をつけた成形方式、凹部を機械的又はレーザーにより掘る加工方式等によって形成される。
【0043】
図5に示すように、第2領域部293の前側には、ガラス板61の裏面に対向近接し、第1領域部291の下部と接近し、第1領域部291と略同一面となる透明合成樹脂材により形成される前側意匠板32が設置される。
ベース部155の前側で、かつ第1領域部291の下部及び傾斜部292の裏側に対向する位置には、ガラス板61に対して平行な透明合成樹脂材により形成される後側意匠板33とが配置される。
つまり、前側意匠板32及び後側意匠板33は、互いに透明導光板29の前後を挟むように重ね合った状態で固定され、所定の遊技状態(例えば、入賞の発生)や、当選に対する信頼度の報知のための情報提供として利用可能である。
また、本発明の一実施形態の前側意匠板32及び後側意匠板33は、第1領域部291の下部から第2領域部293及び光源基板31の略全域を覆い隠すカバー機能として構成されている。
【0044】
前側意匠板32及び後側意匠板33は、後方からバックライト光源34aの光L2が照射可能な位置で、かつ電チュー28の左斜め下方の位置に配置される。
また、本発明の一実施形態の前側意匠板32及び後側意匠板33の表面には、電チュー28に入球した遊技球が入賞することで、特図抽選の判定待ちの保留が発生したことを報知可能な意匠とし、例えば電飾ユニット18の左側に配設されている入賞報知装置(保留ランプ21〜24)に向かって電チュー28の下部から左方を指す矢印の意匠部32a及び33aが形成される。
このようにすると、矢印を前方から見た場合、前側意匠板32及び後側意匠板33の表面の矢印が互いに前後に重ね合わさることで立体的に見え迫力ある表示を行うことが可能となる。
【0045】
これにより、バックライト光源34aが点灯することで、矢印を形成した意匠32a及び33aによって、電チュー28に入球した遊技球のその後の排出移動の示唆が行われ、電チュー28に遊技球が入球したことに基づく保留状態発生が示唆される。
また、バックライト光源34aの光L2は、意匠板32、33の後方から照射するものであるから、第1領域部に形成する光反射領域を反射させることなく、意匠板32、33のみを照射させることができる。そのため、透明導光板29の板肉厚S2内に光L2が入射されることは無い。
【0046】
また、前述のように、ベース部材とする装飾枠15に、予めスルーチャッカ19、ステージ153、及び電飾ユニット18(アタッカー27、電チュー28、透明導光板29、モードランプサブユニット30、エッジ光源31aを有する光源基板31、バックライト光源34aを有する光源基板34)の各種遊技要素を集中組付けすることによって、装飾枠15を遊技盤4に固定する前の作業段階で、各種遊技要素がユニット化されているので、装飾枠15を遊技盤4に固定する際、装飾枠15のみを遊技盤4に固定するだけでよく、作業効率を向上させることが可能となる。
【0047】
(遊技の進行及び電飾ユニット18の電飾演出)
遊技状態が「通常遊技」の場合には、上受皿部7に貯留された遊技球を遊技領域41の左領域に流下させるように、発射ハンドル9の回転操作により発射装置の発射力を調節する。
【0048】
また、遊技状態が「通常遊技」の場合には、副制御装置の処理に基づいて複数のエッジ光源31aが発光している。
これにより、
図5に示すように、エッジ光源31aの光L1は、透明導光板29における第2領域部293の下端面29aから上方に向けて入射され、傾斜部292内で光L1が傾斜部292の形状に基づくSの字カーブ状に沿って反射されて斜め前上方に向かった経過を経て第1領域部291へ導かれるよう上方に向かう光L1とする。
第1領域部291へ導かれた光L1は、透明導光板29の上端に向かう過程において反射部291aで乱反射して光り輝くことで渦状の意匠(透明導光板29の光反射領域)を表示させる。
この結果、反射部291aは、幕状の光反射領域として情報表示体301の表示部301aを隠蔽して前方から目視不能にしている。すなわち、「通常遊技」においては、渦状の意匠が表示された状態で、その裏側にある表示部301a(「強」の文字)は見えない。
【0049】
遊技領域41の左領域に導出された遊技球が装飾枠15の左側を流下して始動入賞口17に入賞した場合には、これを契機に、主制御装置により実行される特図抽選の結果、所定の変動パターン(特図の可変表示時間に係る情報を含む)に基づいて、副制御装置により実行させる表示装置12の表示画面121に演出図柄が特別図柄表示装置42の特図と同期しつつ特図の可変表示時間に応じた所定時間において演出態様で表示演出される。
そして、特図抽選の結果に応じさせる演出図柄の変動表示の進行に伴って、通常の変動パターンが選択された「通常遊技」以外の遊技、例えば、「リーチ」を行わせる変動パターンが選択されてリーチの状態に移行した場合には、副制御装置の処理に基づいてエッジ光源31aが消灯すると同時に、情報照射光源306aの光L3が点灯又は点滅する。
これにより、透明導光板29に導光されたエッジ光源31aの光L1に基づいて乱反射されていた渦巻状の意匠(光反射領域)が消えて、後方が視認可能となり、通常の変動パターンが選択された「通常遊技」では視認不能な表示部301a(「強」の文字)が情報照射光源306aから光3Lによって強調するように突然に出現する。
【0050】
さらに、「リーチ」が進展して、特図が予め定められた停止表示となると共に、演出図柄が左、中、右列に同一の図柄が揃って確定表示された場合には、遊技状態が「大当り」に移行する。
【0051】
遊技状態が「大当り」に移行した場合には、遊技盤4の右側領域に設けられたアタッカー27が作動することから遊技球を右打ちとなるように、発射ハンドル9を回転操作して発射装置の発射力が通常遊技時(左打ち)よりもより強く(例えば、最大力)なるように調整する。
【0052】
右打ちされた遊技球は、右打ち通路411を通過して遊技領域41の右領域に導かれ、大入賞口を開放状態とするアタッカー27に容易に入球する。
アタッカー27の大入賞口に入球した遊技球は、電飾ユニット18の内部に設けたアタッカー用排出路302aの上流部に備えられたアタッカーセンサ272を通過した後、情報表示体301の後側に配置されたアタッカー用排出路302aを通って遊技盤4の裏側へ排出される。
【0053】
アタッカー27は、アタッカーセンサ272が遊技球が10個入球したことを検知するか、または開放してから30秒が経過すると閉鎖し、閉鎖後に再度開放する1ラウンド遊技の開閉実行制御がされる。
これを複数回(最大15回)まで繰返す。これにより、「大当り」が発生した場合には、アタッカー27に多数の遊技球が入球可能となり、遊技球を払出可能な払出装置(図示略)から賞球として大量の遊技球が短時間に上受皿部7に払い出される。
【0054】
また、副制御装置の処理に基づいてアタッカー27に入球した遊技球がアタッカーセンサ272を通過すると、そのときの遊技状態に応じて、補助ランプ照射光源306bの光L4を順次点灯させることで、1ラウンド遊技あたりの遊技球大入賞球増加量(アタッカーセンサ272のカウント数)の入球に合わせて、4個の各レンズ303aを順次照明し、最後にレンズカバー303全体であるレンズカバー303の表面における透明部及び4個の各レンズ303aが照明することで、遊技者にそのときの大入賞球増加量に基づく遊技状態を報知する。
【0055】
「大当り」終了後、例えば、「確率変動」へ移行した場合には普図抽選の当選確率が通常遊技よりも高確率状態となり、遊技球がスルーチャッカ19を通過したことを契機にして普通抽選が当選した場合に、電チュー28が通常遊技よりも長い時間の開放状態となり、遊技球は電チュー28に容易に入球する。
電チュー28の始動入賞口に入球した遊技球は、電チュー用排出路302bの上流部に備えた電チューセンサ282を通過したあと、バックライト光源34a(光源基板34)の後側に配置された電チュー用排出路302bを通って遊技盤4の裏側に排出される。
この場合、副制御装置の処理に基づいて電チューセンサ282が遊技球の通過を検出するとほぼ同時に、前側意匠板32及び後側意匠板33の後側にあって、左右方向に並ぶバックライト光源34aを右側から左側へ向けて所定秒数毎に順次点灯させる。
これにより、前側意匠板32及び後側意匠板33に施された矢印の意匠部32a及び33aは、恰も電チュー28に入球した後の遊技球が左側、すなわち保留ランプ21〜24に向かって排出移動するような形態で順次照明、消灯を繰り返す。
すなわち、意匠部32a及び33aは、バックライト光源34aが点灯、消灯を繰り返すことで、電チュー28に入球した後の遊技球の排出移動を示唆する表示を行う。
【0056】
また、前側意匠板32における意匠部32aの左横、つまり矢印の先で遊技球の排出移動を示唆する方向の端部に接近した位置には、特図抽選の判定が保留された入賞状態を報知する4個の保留ランプ21〜24を併設している
なお、本実施形態では保留可能な上限数を4個(所定数でも良い)としている。
保留ランプ21〜24は、表示画面121に表示される保留球数の報知の代わりに保留入賞の発生に基づいて1つずつ発光し、特図抽選の判定の保留解除に基づいて1つずつ消灯制御されるようにしている。
左右方向に並ぶバックライト光源34aは、保留ランプ21〜24の何れか1つが発光する時期と同期させ、電チュー28における始動入賞口寄りのバックライト光源34aから保留ランプ24寄りのバックライト光源34aに向けてそれぞれを順次点灯させる。
この際に、右側の保留ランプ24から左側の保留ランプ21に向けて保留入賞の発生毎に順次点灯(これとは逆方向からの順次点灯でもよい)させることで、恰も電チュー28に入球した遊技球に基づく保留入賞が増えていくような表示を可能にする。
これにより、「確率変動」のとき、遊技者が表示画面121を視認することなく、電飾ユニット18及びその近傍を視認していたとしても、現在の保留数量に基づく遊技状態を把握することができ、遊技者の疲労感を軽減することができる。
更に、保留された特図抽選の判定を事前判定し、その事前判定結果に基づいて補助ランプ照射光源306bを点灯させる、又は通常時とは異なる発光色となるようにしてもよい。
【0057】
また、「確率変動」に限らず、遊技機1における遊技領域41の右下領域(装飾枠15の右下側の領域)に、電飾ユニット18、透明導光板29及び保留ランプ21〜24を集中配置したことにより、遊技領域41の一部となるアタッカー27又は電チュー28に関係させる遊技球の流れ(右打ちの遊技球の流れ)を視認するだけで、目線をずらすことなく遊技状態を把握することができ、遊技者の疲労感を軽減することができる。
【0058】
本実施形態における副制御装置により実行されるエッジ光源31a及びバックライト光源34aのそれぞれ独立発光、順次発光、又は同時発光の発光制御は、以下の(i)〜(iii)のような状態時に発光制御の処理が行われるようにしてもよい。
(i)始動入賞口17及び電チュー28に遊技球が入賞した際の検出信号に基づいて特図抽選が行われ、この特図抽選の結果報知(図柄停止確定)をする前の当選示唆に基づく信頼度演出や煽り演出として発光制御の処理が行われる。
(ii)遊技領域41に設けられる所定の演出可動役物が、初期位置から可動位置に向かって移動するときに発光制御の処理が行われる。
(iii)遊技者にとって有利な大当り遊技状態や確率変動状態、時短状態、又は遊技待ち状態などの所定の遊技状態への移行に基づいて発光制御の処理が行われる。
なお、本実施形態では、複数のLEDで構成されるエッジ光源31a及びバックライト光源34は、フルカラー方式のLED(発光源)の構成としている。
そして、エッジ光源31a及びバックライト光源34aは、発光制御が行われる各場面に応じさせて青緑(シアン)・赤紫(マゼンタ)・黄(イエロー)などの発光種類の色分けをする差別化の発光演出をし得るようにしている。
例えば、特図抽選の結果に係る信頼度が高い場合には、反射部291(渦状の光反射領域)又は意匠板32、33の少なくとも何れか一方を赤色LEDの発光による照射とし、信頼度が高くない場合には反射部291(渦状の光反射領域)又は意匠板32、33の少なくとも何れか一方が青色LEDの発光による照射となる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような変形や変更を施すことが可能である。
(a) 「確率変動」又は「時短」の際、4個の保留ランプ21〜24を、順次点灯させ、4個目の保留ランプ21(又は24)が点灯後、または通常とは異なる発光色となった保留ランプ21〜24の点灯後、レンズカバー303を点灯させると共に、情報表示体301を点灯させることで、電飾ユニット18全体が光り輝くようにする。
(b) 情報表示体301に施した所定の情報は、本発明の実施例では、板状の透明合成樹脂材に情報である「強」の文字・記号情報を施したが、他の文字情報等でもよい。
更には、所定のキャラクタ形状の役物、可動する役物、画像表示できる表示器、又は本実施形態のアタッカー用排出路302a、及び電チュー用排出路302b等を目視可能に配置することで、遊技者の興趣を高めるものとしてもよい。
(c) 情報表示体301の表面にスクリーントーン状の濃色印刷を施す代わりに、透明導光板29における第1領域291と、情報表示体301との間にスクリーントーン状の透過性の濃色のシートを挟み込む。
(d) 透明導光板29は、遊技領域41に設けられる電飾ユニット18の一部としてベース部材15に組み付けられているが、遊技領域41以外の遊技者が視認可能な箇所(例えば、遊技機1の表面)等に設け、副制御装置に処理に基づく光源の発光及び消灯により、透明導光板29の後側を目視不能及び目視可能とする幕状の光反射領域に基づく電飾演出を行ってもよい。
(e) 電飾ユニット18の配設位置において、例えば、90度回転させてエッジ光源31aの光L1を、透明導光板29における第2領域部293の側端面から左右方向(遊技盤4の前面に沿う方向)に向けて入射させるようにしてもよい。
(f) 第1領域部291に形成された所定の模様は、本発明の実施例では、透明のアクリル板に「渦状」を形成したが、例えば、文字、図形、記号、イラスト等でもよく、エッジ光源31aが点灯している状態において、第1領域部291の裏面に対面する情報表示体301の表示部301aを隠蔽するカーテンの役目を行えればよい。