特許第6225102号(P6225102)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イーテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6225102-分煙ボード 図000002
  • 特許6225102-分煙ボード 図000003
  • 特許6225102-分煙ボード 図000004
  • 特許6225102-分煙ボード 図000005
  • 特許6225102-分煙ボード 図000006
  • 特許6225102-分煙ボード 図000007
  • 特許6225102-分煙ボード 図000008
  • 特許6225102-分煙ボード 図000009
  • 特許6225102-分煙ボード 図000010
  • 特許6225102-分煙ボード 図000011
  • 特許6225102-分煙ボード 図000012
  • 特許6225102-分煙ボード 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6225102
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】分煙ボード
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
   A63F7/02 349Z
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-255858(P2014-255858)
(22)【出願日】2014年12月18日
(65)【公開番号】特開2016-112347(P2016-112347A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2016年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】501392497
【氏名又は名称】イーテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089026
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高明
(72)【発明者】
【氏名】田畑 悟
【審査官】 尾崎 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−118994(JP,A)
【文献】 特開2013−215316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
A63F 9/24
A63F 13/00−13/98
A47B 1/00−41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が並列して配設された島において遊技機間に配置され、ボード本体と、前記ボード本体を支持するフレーム部とを備え、隣接する遊技機からの煙草の煙の流入を防止すると共に必要時にはボード本体を遊技機の前方斜め上方へ回動して配置させうる分煙ボードであって、前記ボード本体は前記フレーム部に着脱可能に固定され
上記フレーム部は、前記ボード本体の前端部に固定され、遊技機の高さ方向に沿って配置されるフレーム本体と、前記フレーム本体の上端部に固定されフレーム本体を島設備に上下方向に回動可能に固定する回動固定具とを備え、前記フレーム本体は遊技機間に設けられた前記島設備の柱に近接又は当接するように構成されており、
前記フレーム部には係合部が設けられると共に前記ボード本体前縁部には前記係合部に係合しうる係合凹部が設けられ、前記フレーム部には係合孔部が設けられると共に前記ボード本体には前記係合孔部に着脱可能に係合しうる係合爪部が設けられていることを特徴とする分煙ボード。
【請求項2】
前記フレーム部は、前記フレーム部の幅方向にスライド可能で、前記島設備の柱当接でき隣接する遊技機との間を前記ボード本体と共に遮蔽するスライド遮蔽板を有することを特徴とする請求項1記載の分煙ボード。
【請求項3】
前記フレーム本体及び前記スライド遮蔽板は細長板状に形成されると共に、前記スライド遮蔽板には幅方向に沿ってスライド孔部が設けられ、前記フレーム部の幅方向に沿ってスライドしうるように形成されたことを特徴とする請求項記載の分煙ボード。
【請求項4】
前記スライド孔部は前記スライド遮蔽板の高さ方向に沿って複数設けられていると共に、前記フレーム本体には、前記スライド孔部にスライド可能に係合する係合突起部が前記フレーム本体の高さ方向に沿って複数個設けられていることを特徴とする請求項記載の分煙ボード。
【請求項5】
前記フレーム本体は、間にボード本体の端部を把持固定し得るように形成された互いに対向して配置される一対のフレーム板を有し、前記係合突起部は一方のフレーム板に設けられると共に、前記係合部は前記一対のフレーム板の間に設けられていることを特徴とする請求項記載の分煙ボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ等の遊技機が並列して配設された島設備において、遊技機間に設置され、各遊技機を仕切ってプライバシーを確保すると共に、隣接遊技者からの煙草の煙が当該遊技機エリアに流入することを防止する分煙ボードに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ等の遊技場においては十数台の遊技機が並列して配置され、一つの島設備を形成している。隣接する遊技機との間隔は狭く、各遊技者は非常に接近した状態で遊技を行うため、隣接遊技者が喫煙した場合で当該遊技者が非喫煙者の場合には、煙が自分の遊技機エリアにも流入して不快となる場合があった。
【0003】
このような不具合を解決するため、遊技機間に設置され、各遊技機を仕切ってプライバシーを確保すると共に、隣接遊技者からの煙草の煙が自分の遊技機エリアに流入することを防止する分煙ボードが提案されている(特許文献1)。
【0004】
図12に示すように上記特許文献1に係る分煙ボード40は、下端部41aを各遊技機42間の前方の床面43にボルト44、45で固定されると共に、上端部を上記遊技機42の前方に配設されたテーブル部46にボルト47で固定された仕切り板部48と、上記仕切り板部48の上方に配設され、ガラス若しくはアクル板等の合成樹脂板を使用した透明若しくは半透明の煙遮断板部49とを備えている。
【0005】
上記特許文献1に係る分煙ボード40にあっては、仕切り板部48を床面43にボルト47で固定する必要があるため、取り付け操作が大掛かりとなり、更に隣接する遊技機42からの煙の流入を防止するためには、煙遮断板部49の幅寸法を大きく確保する必要があり、大型化することから、煙遮断板部49の装着、取り外し、持ち運び操作が非常に煩雑であるという不具合を有していた。
また、上記煙遮断板部49は、折畳み、及び収納等ができないことから、遊技機42が対向して配置されているような場合には、対向する遊技機42から夫々上記煙遮断板部49が常時前方に突出する形態となるため、隣接する遊技機のドアを開けた場合に干渉したり、遊技機を交換するために遊技機を取り外す場合に邪魔になるという不具合をも有していた。
【0006】
従って、このような不具合を解消するために、例えば、特許文献2には、前記特許文献1の不具合を回避する観点から、略縦長長方形状に形成された分煙ボードの幅方向前端部であって上端部に回動具を取付けて遊技機盤面とに対して直角の状態のまま遊技機の前方斜め上方へ回動させて跳ね上げて配置できるように構成したものも開示されている。
【0007】
しかしながら、このような従来の遊技機にあっては、分煙ボードのボード本体がフレーム部に固定されており、例えば、分煙ボード本体が汚れたり又は破損した場合に、分煙ボード本体を迅速に交換することは不可能であった。
また、遊技機の前方斜め上方へ跳ね上げることができるように構成されていた場合であっても、遊技機を交換する作業を行う場合にはボード本体は所定の大きさに形成されていることから、ボード本体がフレーム部に固定されたままでは作業の邪魔になる、という不具合があった。
【0008】
また、このような従来の分煙ボードにあっては、遊技機を設置するための島を構成する遊技機の前面部の適宜の取付部位に回動具を固定した場合、分煙ボードを遊技機の間に配置した場合に、分煙ボードと遊技機の前面部との間に間隙が形成されてしまう場合があり、隣接する遊技機の遊技者が喫煙した場合には、タバコの煙が当該間隙から流入し、非喫煙者である遊技者にとっては遊技の妨げになる、という不具合があった。
【特許文献1】実登3136432号公報
【特許文献2】特開2013−118994公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明は、隣接する遊技機の盤面ドアを開放した場合に干渉したり、隣接する遊技機を交換するために取り外す場合に邪魔にならず、容易に交換することができると共に、隣接する遊技機において遊技する遊技者が喫煙をした場合であっても有効にタバコの煙を確実に遮断して、非喫煙者である遊技者の遊技環境を確保することが可能な分煙ボードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題達成のため、請求項1記載の発明にあっては、複数の遊技機が並列して配設された島において遊技機間に配置され、ボード本体と、前記ボード本体を支持するフレーム部とを備え、隣接する遊技機からの煙草の煙の流入を防止すると共に必要時にはボード本体を遊技機の前方斜め上方へ回動して配置させうる分煙ボードであって、前記ボード本体は前記フレーム部に着脱可能に固定され、上記フレーム部は、前記ボード本体の前端部に固定され、遊技機の高さ方向に沿って配置されるフレーム本体と、前記フレーム本体の上端部に固定されフレーム本体を島設備に上下方向に回動可能に固定する回動固定具とを備え、前記フレーム本体は遊技機間に設けられた前記島設備の柱に近接又は当接するように構成されており、前記フレーム部には係合部が設けられると共に前記ボード本体前縁部には前記係合部に係合しうる係合凹部が設けられ、前記フレーム部には係合孔部が設けられると共に前記ボード本体には前記係合孔部に着脱可能に係合しうる係合爪部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
従って、請求項1記載の発明にあっては、分煙ボードを遊技機間に配置した場合には遊技機間に配置されて隣接する遊技機との間を仕切ることができると共に、遊技機の前方斜め上方に跳ね上げて配置することもでき、必要な場合には前記ボード本体を前記フレーム部から取り外すことができる。
【0012】
また、分煙ボードが前記遊技機の間に配置された場合には、前記フレーム本体及びボード本体により隣接する遊技機から当該遊技機エリアを空間として分離することができ、隣接する遊技機のエリアから流入するタバコの煙の進入を防止する。
【0013】
さらに、ボード本体は、係合凹部が前記係合部に係合することによりフレーム部に固定され、前記係合爪部を操作することによりボード本体をフレーム部から着脱することができる。
【0014】
請求項記載の発明にあっては、前記フレーム部は、前記フレーム部の幅方向にスライド可能で、前記島設備の柱当接でき隣接する遊技機との間を前記ボード本体と共に遮蔽するスライド遮蔽板を有することを特徴とする。
【0015】
従って、請求項記載の発明にあっては、分煙ボードを遊技機間に配置した場合には、前記スライド遮蔽板を前出させて遊技機間に設けられている島設備の柱に当接させて分煙ボードと共に隣接する遊技機との間を仕切ることができる。
【0016】
請求項記載の発明にあっては、前記フレーム本体及び前記スライド遮蔽板は細長板状に形成されると共に、前記スライド遮蔽板には幅方向に沿ってスライド孔部が設けられ、前記フレーム部の幅方向に沿ってスライドしうるように形成されたことを特徴とする。
【0017】
請求項記載の発明にあっては、前記スライド孔部は前記スライド遮蔽板の高さ方向に沿って複数設けられていると共に、前記フレーム本体には、前記スライド孔部にスライド可能に係合する係合突起部が前記フレーム本体の高さ方向に沿って複数個設けられていることを特徴とする。
【0018】
従って、請求項記載の発明にあっては、スライド遮蔽板は複数の係合突起部にガイドされてスライドする。
【0019】
請求項記載の発明にあっては、前記フレーム本体は、間にボード本体の端部を把持固定し得るように形成された互いに対向して配置される一対のフレーム板を有し、前記係合突起部は一方のフレーム板に設けられると共に、前記係合部は前記一対のフレーム板の間に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項記載の発明にあっては、分煙ボードを複数の遊技機が並列して配設された島の遊技間に配設した場合には分煙ボードにより隣接する遊技機との間を仕切ることができ、必要な場合には前記ボード本体を前記フレーム部から取り外すことができるように構成されていることから、ボード本体が汚れたり、破損したような場合には容易に交換することができる。
また、遊技機を交換する作業を行う場合に、ボード本体を前方斜め上方へ回動して配置させうると共に、さらに、容易にフレーム部から取り外すことができるため、遊技機の交換作業をより円滑に行うことが可能となる。
【0021】
また、前記フレーム本体及びボード本体により隣接する遊技機から当該遊技機エリアを空間として分離することができ、隣接する遊技機のエリアから流入するタバコの煙の進入を防止することができるため、喫煙をしない遊技者は、隣接する遊技機の遊技者が喫煙者であった場合であっても快適に遊技を行うことができる。
【0022】
さらに、前記フレーム部には係合孔部が設けられると共にボード本体には前記係合孔部に着脱可能に係合しうる係合爪部が設けられていることから、係合爪部を操作することにより、迅速にボード本体をフレーム部から取り外すことができると共にボード本体のフレーム部への取付もワンタッチで行うことができる。
【0023】
請求項記載の発明にあっては、分煙ボードを遊技機間に配置した場合には、前記スライド遮蔽板をスライドさせて前出させることにより遊技機間に設けられている島設備の柱に当接させて分煙ボードと共に隣接する遊技機との間を仕切るように構成されていることから、ボード本体部と遊技機間に設けられた島設備の柱との間を仕切ることが可能となる。
【0024】
その結果、遊技機の機種による分煙ボードの島設備への取付位置の相違や、島設備の形状、構成の相違により発生する、ボード本体と遊技機の間に配設される島設備の柱との間の空隙を、前記スライド遮蔽板によって仕切ることができ、遊技機の機種や島設備の形状及び構成の相違に関らず、遊技機の盤面間付近を完全に遮蔽し、隣接する遊技機の遊技者が喫煙を行った場合のタバコの煙の遊技機盤面に沿った侵入をシャットアウトし、非喫煙者の遊技者に快適な遊技環境を提供することが可能となる。
【0025】
また、請求項1〜記載の発明に係る分煙ボードは、必要時には遊技機の前方かつ斜め上方へ回動させて跳ね上げて配置することができるため、跳ね上げて配置した場合には、隣接する遊技機のドアを開放した場合であっても分煙ボードに干渉することはなく、また、隣接する遊技機を交換するために取り外す場合であっても分煙ボードが作業の邪魔になることはない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る分煙ボードの一実施の形態を示す斜視図であって、分煙ボードを回動させて跳ね上げて遊技機の前方斜め上方に配置した状態を示す図である。
図2】本発明に係る分煙ボードの一実施の形態を示す一方側面から見た場合の斜視図である。
図3】本発明に係る分煙ボードの一実施の形態を示す他方側面から見た場合の斜視図である。
図4】本発明に係る分煙ボードの一実施の形態を示す側面図である。
図5】本発明に係る分煙ボードの一実施の形態を示す側面図である。
図6】本発明に係る分煙ボードの一実施の形態を示す側面図であって、ボード本体を示す図である。
図7】本発明に係る分煙ボードの一実施の形態を示し、図5VIIVII線断面図である。
図8】本発明に係る分煙ボードの一実施の形態を示す側面図であって、スライド遮蔽板が後退位置にある状態を示す図である。
図9】本発明に係る分煙ボードの一実施の形態を示す側面図であって、スライド遮蔽板が前出位置にあって、島設備を構成する柱に当接して遊技機間を仕切った状態を示す図である。
図10】本発明に係る分煙ボードの一実施の形態を示す一方側面から見た場合の斜視図であって、ボード本体のフレーム部への着脱構造を示す説明図である。
図11】本発明に係る分煙ボードの一実施の形態を示す一方側面から見た場合の斜視図であって、ボード本体をフレーム部から取り外した状態を示す説明図である。
図12】従来の分煙ボードを示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づき、本発明を詳細に説明する。なお、本実施の形態にあっては、フレーム部に、島設備の柱にスライド可能に当接して隣接する遊技機との間を前記ボード本体と共に遮蔽するスライド遮蔽板が設けられている場合を例に説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る分煙ボード10は、複数の遊技機13が並列して配設された島14において遊技機13間に配置され、ボード本体11と前記ボード本体11を支持するフレーム部12とを備えており、隣接する遊技機13aからの煙草の煙の流入を防止すると共に必要時には遊技機13の前方斜め上方へ回動して配置させうるように構成されている。
【0028】
図1図3に示すように、前記フレーム部12はステンレス製であって、遊技機13と隣接する遊技機13aとの間に配置された場合に、遊技機13間に設けられた島設備34の柱15にスライド可能に当接して隣接する遊技機13aとの間を前記ボード本体11と共に遮蔽するスライド遮蔽板20が設けられている。
【0029】
本実施の形態にあっては、図4及び図5に示すように、ボード本体11は、全体略縦長長方形状であって素材は塩化ビニール製であり、上縁部24、前縁部25及び下縁部35は直線状に形成され、後縁部16のみが曲線により形成されている。後縁部16は、上半部17が外方に膨出するように円弧状に形成されると共に、下半部18は内方に凹むような円弧状を以て形成されており、後縁部16の全域に亘ってモール材26が固定されている。
【0030】
従って、ボード本体11がフレーム部12に固定されて遊技機13の間に配置された場合には、遊技者の顔に相当する後縁部16の上半部17は遊技者方向に突出して遊技者の顔の部分を被覆し、下半部18は凹んで遊技者の移動等の差異の邪魔にならないようになっている。
【0031】
また、ボード本体11は塩化ビニール製であって型成型により作製されるため、縁部にバリの発生の可能性があることから円弧状のモール材26を、遊技者が触れやすい後縁部16に固定することにより遊技者が触れた場合であっても怪我をしないように配慮されている。
【0032】
図6に示すように、ボード本体11の前縁部25には高さ方向に沿って3か所に固定用の係合凹部19が設けられている。これらの係合凹部19は、上下方向に沿って形成され下方に向かって開放された長穴であって、傾斜して形成された進入ガイド部19aと、進入ガイド部19aの端部に形成された係合部19bとにより構成されている。
【0033】
図4図6及び図7に示すように、3つの係合凹部19には、夫々、後述のフレーム部12を構成する2枚のフレーム板12a、12bの間に設けられた3個の固定用ピン21が係合するように構成されている。
また、ボード本体11の第一の係合凹部19Xの下方には、ボード本体11の一般面から一部が突出配置されたストッパー片22が設けられ、後述の一方のフレーム板12aに設けられた係合孔部23に係合するように構成されている。
【0034】
従って、ボード本体11は、フレーム部12への固定時には、3つの係合凹部19にフレーム板12aの3個の固定用ピン21を、進入ガイド部19aを介して係合部19bに係合させると共に、ストッパー片22を係合孔部23に係合させることにより着脱可能に固定する。
【0035】
フレーム部12は、図1図3及び図4に示すように、全体細長板状に形成され、前記ボード本体11の前端部に固定され、遊技機13の高さ方向に沿って配置されるフレーム本体27と、前記フレーム本体27の上端部に固定されフレーム本体27を島設備13に上下方向に回動可能に固定する回動固定具28とを備えている。
【0036】
本実施の形態にあっては、図7に示すように、フレーム本体27は、所定間隔を置いて、内方にボード本体11を把持固定しうるように対向して配置された一対のフレーム板12a、12bと、一対のフレーム板12a、12bの上端部に設けられた回動固定具取付部29とを備えている。
【0037】
本実施の形態にあっては固定回動具28としては、いわゆるトルクヒンジが使用され、ボード本体11に所定の力が加わった場合には回動するように構成されている。
【0038】
上記のように、フレーム板12aとフレーム板12bとの間には、長さ方向に沿って、ボード本体11を固定するための3個の固定用ピン21が等間隔に長さ方向に沿って設けられていると共に、一方のフレーム板12aには、図4に示すように、上記のボード本体11に設けられたストッパー片22が係合する係合孔部23が、上端部において、第一の固定用ピン21aと第二の固定用ピン21bとの間の部位に配設されている。
【0039】
一方、図2及び図5に示すように、スライド遮蔽板20は全体細長板状に形成され他方のフレーム板12bに幅方向に沿ってスライド可能に固定されている。
【0040】
スライド遮蔽板20はボード本体11と同一の長さ寸法に形成され、幅方向後端部側に幅方向に沿うスライド孔部30が長さ方向に沿って等間隔に3つ設けられていると共に、フレーム板12bにはスライド孔部30の間隔寸法に合致するように、スライド孔部30内に配置される係合突起部31が外方へ突設されている。
【0041】
以下、本実施の形態に係る分煙ボード10の作用について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る分煙ボード10は、複数の遊技機13が並列状態で配設された島14において遊技機13の間に配置され、島設備34の上方張り出し部32に固定されている。即ち、フレーム部12の回動固定具取付部29を介して上方張り出し部32の前縁部に固定され、上方張り出し部32から吊下されるようにして島設備34の遊技機13の間に配設される各柱15の前方に高さ方向に沿って配置されている。
【0042】
そして、回動固定具取付部29にはトルクヒンジ28が取り付けられていることから、遊技者や店員が所定の力を、例えば、上方に向かってボード本体11に対して加えた場合には、図1に示すように、ボード本体11、スライド遮蔽板20はフレーム部12と共に、トルククヒンジ28を回動中心として上方へ回動し、遊技機13の前方であってかつ斜め上方へ回動して所定の角度位置で停止して配置される。この場合、本実施の形態にあっては、分煙ボード10は遊技機13の上下方向に対して90度以上に回動して停止する。
【0043】
その結果、当該遊技機13の右側の遊技機13aの調整、修理等のために遊技機13aのドア33を開放した場合であっても、ドア33が分煙ボード10に干渉することはない。また、遊技機13aを、故障等の事情により取り外すような場合であっても、分煙ボード10が交換作業の邪魔になることはない。
【0044】
そして、分煙ボード10を遊技機13の間に配置した場合には、図8に示すように、島設備34の柱15と分煙ボード10との間に空隙Sが形成されていた場合であっても、図9に示すように、スライド遮蔽板20を適宜前出させることによりスライド遮蔽板20を島設備34の、遊技機13の間に配設されている柱15に当接させることにより、スライド遮蔽板20及びボード本体11により隣接する遊技機13aとの間を完全に仕切ることができる。
【0045】
その結果、隣接する遊技機13aの遊技者が喫煙を行った場合であっても、タバコの煙が遊技機13aの盤面を伝わって遊技機13aと遊技機13との間の柱15を介して遊技機13の空間へ進入する、という事態は有効に防止することができる。
【0046】
また、図10及び図11に示すように、ボード本体11が汚れた場合や、破損したような場合には、ストッパー片22を操作することにより、ボード本体11の一方のフレーム板12aへの固定を解除して、容易にフレーム部12から取り外すことができる。その結果、ボード本体11を迅速かつ容易に掃除したり、交換することも可能となる。
【0047】
なお、フレーム板、スライド遮蔽板及びボード本体の具体的構成に関しては本実施の形態には限定されない。また、素材に関しても本実施の形態には限定されない。
【0048】
また、本実施の形態にあっては、フレーム部12に島設備34の柱15にスライド可能に当接して隣接する遊技機13との間を前記ボード本体11と共に遮蔽するスライド遮蔽板20が設けられている場合を例に説明したが、フレーム部12にスライド遮蔽板20が設けられていなくてもよい。
【0049】
即ち、島設備34は、様々な形状及び構成のものがあり、図1に示すような上方張り出し部32が設けられていないものもある。そのような島設備34に対して分煙ボードを設置する場合には、スライド遮蔽板20がフレーム部12に設けられていなくとも、直接にフレーム部12の前端部が柱15に近接又は当接させることが可能となる。従って、このような場合にあっては、スライド遮蔽板20が設けられていない状態であっても、隣接された遊技機15との間を仕切り、遮蔽することができ、タバコの煙の進入を防止することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は遊技機が設置された島設備に装着される分煙ボードに係ることから、産業上の利用可能性を有している。
【符号の説明】
【0051】
10 分煙ボード
11 ボード本体
12 フレーム部
12a 一方のフレーム板
12b 他方のフレーム板
13 遊技機
14 島設備
15 柱
16 後縁部
17 上半部
18 下半部
19 係合凹部
19a 進入ガイド部
19b 係合部
19x 第一の係合部
20 スライド遮蔽板
21 固定用ピン
22 ストッパー片
23 係合孔部
24 上縁部
25 前縁部
26 モール材
27 フレーム本体
28 回動固定具
29 回動固定具取付部
30 スライド孔部
31 係合突起部
32 上方張り出し部
33 ドア
35 下縁部
40 分煙ボード
41a 下端部
42 遊技機
43 床面
44 ボルト
45 ボルト
46 テーブル部
47 ボルト
48 仕切板部
49 煙遮断板部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12