【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の課題は、独立請求項の特徴を有する、データ点のストリーム内の少なくとも1つの平滑化されたデータ点を判定するための方法、装置及び装置の使用方法、並びにコンピュータプログラム及びデータ媒体によって解決される。独立した形式で実現でき又は任意のあらゆる組み合わせによって実現できる好ましい実施形態は、従属請求項に列挙されている。
【0019】
以下で使用する「有する」、「備える」又は「含む」等の用語及びこの活用形は、非排他的な意図で使用される。すなわち、これらの用語は、何れも、これらの用語によって導入される特徴の他に、この文脈において記述される実体に更なる特徴が存在しない状況と、1つ以上の更なる特徴が存在する状況との両方に使用される。例えば、「Aは、Bを有する」、「Aは、Bを備える」及び「Aは、Bを含む」という表現は、何れも、Bの他に、他の如何なる要素もAに存在しない条件(すなわち、単独で排他的にBのみから構成される条件)と、Bの他に、要素C、要素C、D又はこれ以上の要素等、1つ以上の更なる要素が実体Aに存在する条件との両方を意味する。
【0020】
更に、以下で使用する「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「より詳しくは」、「具体的には」、「より具体的には」及びこれらに類似する用語は、他の可能性を制限することなく、オプションの特徴とともに使用される。このように、これらの用語によって導入される特徴は、オプションの特徴であり、如何なる形式であれ、特許請求の範囲を制限することを意図しない。本発明は、当業者にとって明らかなように、代替となる特徴を用いて実現してもよい。同様に、「本発明の実施形態において」又は類似した表現によって導入される特徴は、オプションの特徴であることを意図し、本発明の他の実施形態を限定することはなく、本発明の範囲を限定することはなく、及びこのようにして導入された特徴を本発明の他のオプション又は非オプションの特徴に組み合わせる可能性を制限することはない。
【0021】
第1の側面として、本発明は、データ点のストリーム{t
i,s
i}内の少なくとも1つの平滑化されたデータ点(t
k,s
k)を判定する方法を提供し、ここで、1≦i≦zは、データ点のストリーム{t
i,s
i}内のi番目のデータ点(t
i,s
i)を指し、1≦k<zは、k番目の平滑化されたデータ点(t
k,s
k)を指し、k番目の平滑化されたデータ点(t
k,s
k)は、本発明に基づく方法によって、データ点のストリーム{t
i,s
i}内で判定され、ここで、i、z及びkは、整数である。更に、ここで使用するデータ点のストリームという用語は、z個のデータ点の集合を意味し、データ点は、前のデータ点(t
i−1,s
i−1)が取得されてから、期間Δtの後に、特定のデータ点(t
i,s
i)が取得されるように、時系列順に取得される。ここで、数zは、特定のデータ点のストリーム内で記録されるデータ点の数を表す任意の数値である。例えば、数zは、1、2、3等の小さい数であってもよいが、実際には、データ点の数は、数十、数百、数千又はそれ以上の大きな数である。なお、本発明に関しては、各方法は、データ点のリアルタイム又は略リアルタイムの報告を意図し、データ点のストリームが記録されている途中でも実行できるため、数zの絶対値は、あまり重要でない。但し、本方法は、他の方式で行ってもよく、例えば、データの取得が完了した後にのみ平滑化プロセスを開始してもよい。
【0022】
特に、データ点のストリームを取得している間に平滑化プロセスを開始できる本発明の好ましい特徴は、従来の技術とは異なる点である。例えば、Roarkが開示する平滑化されたデータ点を判定する方法は、データ点の完全な集合が収集された後でなければ開始できない。従来の技術に対し、本発明に基づくアルゴリズムは、短い期間のデータ点の集合、すなわち、比較的小さい数zのデータ点を含むデータ点の集合でも平滑化でき、数zは、20以下であっても10以下であってもよい。したがって、本発明に基づく方法によれば、ストリーム内のz個全てのデータ点が既に記録されたか否かにかかわらず、入力されてくるデータ点のストリーム内の少なくとも1つの平滑化されたデータ点を判定することができる。但し、変形例として、本方法は、データ点のストリーム内のz個全てのデータ点が既に収集されている状況にも適用できる。
【0023】
従来の技術に基づく方法と同様に、データ点のストリーム{t
i,s
i}の各データ点(t
i,s
i)は、時刻t
iにおける信号s
iについて有効な値を含むことができる。ここで、信号s
iの有効な値とは、時刻t
iにおいて記録された値であり、「時刻t
iにおいて信号s
iを記録する」という表現は、特に、何らかの技術的なセットアップによって、物理的、化学的、生物学的、環境的及び/又は技術的なデータを取得することを意味し、これによって、データの第2の集合が記録され、第2の集合内の値は、信号s
iに関係する時刻t
iを示す。特に、第2の集合のそれぞれの値は、関連する信号s
iが記録され及び/又は他の何らかの手法で関連付けられた実際の時刻t
i又はその付近を表す。例えば、信号s
iは、電圧又は電流及び/又は電子的に実現されたこれらの等価物に関連する振幅又は他の物理的な量であってもよく、一方、信号s
iに関連する時刻t
iについての値は、クロック、ウォッチ、タイマ及び/又は電子的に実現されたこれらの等価物によって生成されるデータの第2の集合内の値であってもよい。より特定で非限定的な例は、ボリューム内の物質の濃度、例えば、体液、好ましくは、間質液内のブドウ糖濃度に関連する信号を含んでいてもよい。他の例は、ユーザの少なくとも1つの心機能、例えば、脈及び/又は血圧、及び/又はユーザ、例えば、患者の心電図(electrocardiographic:ECG)信号に関連する電子信号を含んでいてもよい。更なる例は、ユーザの頭皮に沿った電気的活性を記録するように適応化された脳波検査(electroencephalography:EEG)の適用によって記録されている信号であってもよい。
【0024】
本方法に関して、時刻t
iにおける信号s
iの値は、記録された値s
iが、データ点のストリーム{t
i,s
i}を供給するように構成された技術的なセットアップの設計内で有意なイベントを構成する限り、「有効な値」であるとみなされる。ここで、技術的なセットアップによって供給される信号の値が可能な値の期待される範囲内であれば、すなわち、技術的なセットアップ内及び/又は技術的なセットアップからデータ点のストリームを受信する他の何らかの装置内で実装された手順によって「有効である」と示されれば、有意なイベントが発生したとみなしてもよい。技術的なセットアップは、通常、一連の信号s
iを記録し、同時に時刻t
iに関連する第2のデータ点を記録するように適応化されたセンサを含む。これに代えて、センサは、一連の信号s
iのみを記録するように構成してもよく、時刻t
iに関連する第2の一連のデータ点は、独立したデバイス、好ましくは、技術的なセットアップの外部に設けられ、一連の信号s
iを記録するように構成されたクロック、ウォッチ及び/又はタイマによって記録してもよい。更に、このようなセンサは、単純な評価ユニット又はより特化された評価ユニットを含んでいてもよく、これらは、有効な値と無効な値とを区別できる少なくとも基本的な評価手順を実行するように構成されてもよい。更に、ここで言う「無効な値」とは、時刻t
iにおいて記録されたが、信号s
iの有意な値についての上述した基準を満たしておらず、したがって、誤りであると考えられる信号s
iの値である。なお、本発明に基づく方法は、信号s
iの記録された値が「有効な値」であるか、「無効な値」であるかに関する判定をどの時点で実際に行うかを問わない。この方法は、このような弁別が技術的なセットアップのレベル上で既に実行されているか、及び/又は本発明に基づく方法の実行の間の特定の段階で及び/又は如何なる途中段階で実行されるかを問わず同様に適用でき、このような弁別は、例えば、この種の弁別を実行するように構成された独立したデバイスにおいて行ってもよい。更に、無効な値がどのような形式で供給されるか、例えば、無効な値が電圧及び/又は電流の値等の実際の数値のままであるか否か、又はこの特定の値が無効な値であることを示すサインが既にタグ付けされているか否かは、本発明に基づく方法の実際の性能に影響しない。
【0025】
更に、従来の技術と異なる点として、本方法は、時刻t
iにおける信号s
iの欠落した値に適切に対応できる。ここで言う「欠落した値」とは、技術的なセットアップによって、入力データ点のストリーム{t
i,s
i}の一部として期待される信号s
iが提供されない時刻t
iを含む。この特定の特徴は、技術的なセットアップが、通常、指定された期間内に少なくとも1回、信号s
iを供給することが期待されるリアルタイム又は略リアルタイム情報から知ることができる。上述したように、リアルタイム又は略リアルタイム測定の間に技術的なセットアップによって取得される信号は、多くの場合、特定の記録された値に基づく更なる判定の根拠として使用される。例えば、患者の更なる治療は、最も新しく記録された血糖値を表す信号s
iの実測値に基づいて行われる。通常、このような測定系列は、2つの連続的に取得される信号間の間隔が実際の信号の既知の又は期待される変化時間に関係を有するように構成される。例えば、集中治療ユニット及び/又は閉ループ治療システムでは、単に、測定系列によって取得される最も近い信号s
iの実測値のみを使用するだけでは不十分であることがあり、特に、この特定の信号が記録された時刻t
iから長い時間が経過している場合、不十分であることがある。後述するように、本発明に基づく方法によれば、時刻t
iにおいて信号s
iの値が欠落しているような状況においても、少なくとも1つの平滑化されたデータ点を判定することができる。
【0026】
本発明に基づく方法は、ステップa)〜ステップg)を含む。これらのステップは、好ましくは、ステップa)から順に実行される。但し、他のステップが同様に繰り返されているか否かに応じて、又はこのことから独立して、1つ以上のステップを繰り返し実行してもよい。
【0027】
ステップa)では、一組のデータ点を提供する。このデータ点の集合は、好ましくは、上述した手法、すなわち、隣接するデータ点が、これらの順序に応じて連続的に記録されて取得されたデータ点のストリーム{t
i,s
i}を含んでいてもよい。但し、本方法は、取得されたデータ点のストリーム{t
i,s
i}からデータ点の特定の集合が選択される状況にも適用でき、この場合、ステップa)は、このデータ点の特定の集合を提供する。更に、特定のケースでは、ステップa)によって、特に、更なる平滑化のために、既に平滑化されているデータ点{t
k,s
k}のセットから選択された特定のデータ集合を提供することが有利である場合もあり、この特定の集合は、更に詳細に後述する手順によって選択してもよい。
【0028】
データ点(t
k,s
k)のための平滑化処理は、後続するステップb)の間に開始される。したがって、各平滑化されたデータ点(t
k,s
k)について、平滑化集合(smoothing set)が生成される。この手順は、例えば、完全なデータ取得の後、完全なデータ集合が平滑化の目的で使用されるRoark他に記述されている従来の技術と特に異なるものである。従来の方法は、平滑化の開始の前に、全てのデータ点の集合が収集されることを要求するが、これに対し、本発明では、ステップa)に基づき、データ点のストリーム{t
i,s
i}から平滑化集合を直接的に選択してもよい。したがって、本発明に基づく方法は、連続的に取得されたデータを処理できるのみではなく、取得されたデータ点の集合を連続的に監視する手段も提供する。
【0029】
この目的のために、平滑化集合は、データ点の部分集合{t
l,s
l}を含み、特に、データ点の真部分集合{t
l,s
l}を含み、データ点の部分集合は、前のステップa)の間に提供されるデータ点の集合から、以下の式1を満たすデータ点(t
l,s
l)を選択することによって取得される。
(k+offset−smoothing window+1)<l<(k+offset) (1)
【0030】
式1において、offset(オフセット)>0は、オフセット数を構成する数値を含む。ここで言う「オフセット数」とは、t
i>t
kとして、本発明に基づく平滑化プロセスが現在実行されている特定のデータ点(t
k,s
k)より前に取得されたデータ点(t
i,s
i)の数から構成されるオフセットを指す。すなわち、offsetデータ点の数は、ステップb)に示す処理において現在平滑化中である特定のデータ点(t
k,s
k)のための平滑化プロセスを開始する前に記録されたデータ点の数である。なお、offsetデータ点は、上に定義した有効な値を有するデータ点のみを含む。好ましい実施形態においては、検証ステップの間に、平滑化集合から複数のデータ点の数を削除した後に、少なくとも1つのデータ点、より好ましくは、全てのoffsetデータ点が有効な値を有しているか否かに関する更なる条件を検証してもよい。更なる条件が満たされない場合、平滑化されたデータ点(t
k,s
k)のための値を判定せず、平滑化されたデータ点(t
k,s
k)を返さず、又はエラーフラグを返してもよい。また、式1で用いられるsmoothing windowは、平滑化集合の長さを定義する数値である。offsetの数値及びsmoothing windowのための好ましい値は、後述する。
【0031】
次のステップc)の前に、本発明に基づく方法の更なるステップc)〜g)に関して、このデータ点を保持するか削除するかを決定するために、ある基準をデータ点に適用する。ここで、基準は、上述した定義に基づいて、データ点が有効な値を有するか、無効な値を有するか、欠落した値を有するかを判定する検証ステップを含んでいてもよい。具体的には、有効な値を有するデータ点のみを更なる処理のために保持してもよく、一方、無効な値又は欠落した値を有するデータ点は削除し、したがって、この方法の更なる処理では使用しないようにしてもよい。検証ステップは、前のステップa)によって提供されるデータ点の集合の各データ点について、ステップb)の前に行ってもよい。これに代えて又はこれに加えて、検証ステップは、ステップb)によって生成される平滑化集合内で提供される既に選択された各データ点に対し、ステップb)の後に行ってもよい。重要な点は、検証ステップの詳細を問わず、及び/又は検証ステップがいつ適用されるかを問わず、検証ステップは、後述するギャップ長を定義するために、特に、ステップc)の前に実行される点である。
【0032】
本方法のステップc)では、各平滑化されたデータ点(t
k,s
k)について、第1の条件が満たされるか否かを検証する。ここで、「第1の条件」は、平滑化集合内の2つの隣接するデータ点{(t
l−1,s
l−1),(t
l,s
l)}の各対において、式2に基づく条件が満たされることを要求する。
(t
l−t
l−1)≦gap length (2)
【0033】
ここで、数値「gap length(ギャップ長)」は、平滑化集合内の2つの隣接するデータ点の間で許容される最大の時間差を定義する数値である。上述したように、検証ステップにおいて、ある基準を採用することによって、すなわち、幾つかのデータ点の数がデータ点の集合から削除され、これがステップc)への入力として使用されることによってギャップが生じる。この手順は、無効な値のみが取得され、及び/又は、値が欠落することがあり得るリアルタイム又は略リアルタイム測定においてギャップが生じることがある実際の状況を反映している。更に、ステップc)では、l<l
0として、あるl
0について式2に基づく第1の条件が満たされない場合、データ点(t
l,s
l)を平滑化集合から取り除く。このような状況は、特に、一連の測定の間に、データ点のストリーム内に大きなギャップが生じたときに発生することがある。この場合、gap lengthに関して以前に取得されたデータ点は、トレーリングデータ(trailing data)として削除される。
【0034】
本方法のステップd)では、第2の条件が満たされるか否かを検証する。ここで、「第2の条件」は、数値nが少なくともminimal windowの数値に等しいことを要求する。ここで、数値nは、ステップc)の後に平滑化集合に残るデータ点(t
l,s
l)の数に等しい数値であり、数値「minimal window」は、ステップc)の後に平滑化集合に残ることが要求されるデータ点の数に等しい数値である。第2の条件は、平滑化集合{t
l,s
l}に残るデータ点の数nが、予め定義されたminimal windowの値以上であるかを調べることを目的とする。したがって、第2の条件は、平滑化集合が、後続するステップe)〜g)のために必要とされる十分な数のデータ点を含んでいることを確認するためのものである。したがって、第2の条件が満たされない場合、平滑化されたデータ点(t
k,s
k)の値を判定しない。このような場合、本方法は、平滑化されたデータ点を提供しなくてもよく、或いは、ステップa)によって提供され、後続する検証ステップにおいて削除されなかったデータ点から平滑化されたデータ点が判定できなかったことを示すエラーフラグを返してもよい。
【0035】
一方、第2の条件が満たされた場合、本発明に基づく方法は、後続するステップe)に進む。ステップe)では、各平滑化されたデータ点(t
k,s
k)について、1<l<nとして、平滑化集合のデータ点(t
l,s
l)毎に1つのデータ点(t
l,s
l’)を含む傾斜集合(slope set){t
l,s
l’}を算出する。ここで言う「傾斜(slope)」とは、データ点の集合{t
m,s
m}に沿って引かれた仮想線の特定のデータ点(t
l,s
l)における増加及び/又は減少の値を意味する。したがって、傾斜集合{t
l,s
l’}は、データ点の集合{t
l,s
l}の導関数又は勾配として定義される。
【0036】
好ましい実施形態において、ステップe)は、以下のサブステップe1)〜e3)を含んでいてもよく、これらのサブステップは、ここに示す順序で行うことが好ましい。
【0037】
サブステップe1)では、平滑化集合内の各データ点(t
l,s
l)における傾斜s
l’を算出するために使用できるデータ点の数として数値「SlopeRange」を定義してもよい。サブステップe2)で行われる更なる処理は、数値SlopeRangeが奇数であるか偶数であるかに依存していてもよい。数値SlopeRangeが奇数である場合、各データ点(t
l,s
l)の前の(SlopeRange−1)/2個のデータ点と、各データ点(t
l,s
l)の後の(SlopeRange−1)/2個のデータ点とが、各データ点の差集合{t
m,s
m}として選択されてもよい。これに関し、選択されるデータ点が存在するか否か、すなわち、特定のデータ点(t
l,s
l)が平滑化集合の冒頭又は末尾から十分に遠いかを検討してもよく、これは、以下のサブステップでは、このようなデータ点のみが使用されるためである。なお、データ点(t
m,s
m)が欠落している場合、(t
l,s
l)が平滑化集合の冒頭又は末尾に近すぎ、lが(SlopeRange−1)/2+1より小さい、又はn−(SlopeRange−1)/2より大きい場合、この特定のデータ点は無視され、差集合{t
m,s
m}は、実際に存在する選択されたデータ点のみから構成される。一方、数値SlopeRangeが偶数である場合、各データ点(t
k,s
k)の前の(SlopeRange/2)個前データ点と、各データ点(t
k,s
k)の後の(SlopeRange/2−1)個のデータ点とが、各データ点のための傾斜集合として選択されてもよい。この場合も選択されたデータ点の存在に関して、上述と同じ要件を適用できる。
【0038】
後続するサブステップe3)では、式3によって、平滑化集合内の各データ点(t
l,s
l)の傾斜s
l’を算出してもよい。
【数1】
【0039】
ここで、式3において、総和Σは、差集合{t
m,s
m}のデータ点に亘って算出され、dは、データ点が平滑化集合の端に存在しない場合、SlopeRange以下であり、ここでの算出処理は、平滑化集合1≦l≦nの各点について行われ、これによって、結果として得られる点(t
l,s
l’)から傾斜集合{t
l,s
l’}が生成される。
【0040】
ステップe)の間に各平滑化されたデータ点(t
k,s
k)について傾斜集合が取得された後、ステップe)によって提供される傾斜集合{t
l,s
l’}に対し、少なくとも1つの指数平滑化を適用してもよい。
【0041】
特に好ましい実施形態においては、ステップf)は、以下のサブステップf1)〜f3)を含んでいてもよく、これにより、少なくとも1回修正された傾斜集合{t
l,s
l’
*}を判定してもよく、これらのサブステップは、ここに記述する順序で行うことが好ましい。この特定の実施形態は、上述のRoarkによって提案される手順に近いが、ステップf1)〜f3)を実行するために、リアルタイム又は略リアルタイム情報を処理するための特定の要件に応じて適応化された特定の重みを使用してもよい。
【0042】
サブステップf1)では、ステップe)で取得された傾斜集合{t
l,s
l’}に昇順1,2,…,n−1,nで第1の順方向指数平滑化を適用してもよい。ここでは、以下の式4に示す関係を適用してもよい。
s
1’
*=s
1’及び
s
l’
*=W
f1・s
l’+(1−W
f1)・s
l−1’(1<l≦nの場合)(4)
ここで、W
f1は、第1の順方向指数平滑化に適用される第1の重みである。
【0043】
ステップf2)では、サブステップf1)において修正された傾斜集合{t
l,s
l’
*}に降順n,n−1,…2,1で逆方向指数平滑化を適用してもよい。ここでは、以下の式5に示す関係を適用してもよい。
s
n’
**=s
n’
*及び
s
l’
**=W
r・s
l’
*+(1−W
r)・s
l+1’
*(1≦l<nの場合)(5)
ここで、W
rは、逆方向指数平滑化に適用される第2の重みである。
【0044】
サブステップf3)では、前のサブステップf2)で更に修正された傾斜集合{t
l,s
l’
**}に昇順1,2,…,n−1,nで第2の順方向指数前の平滑化を適用してもよい。この平滑化は、式6に基づいて実行してもよい。
s
1’
***=s
1’
**及び
s
l’
***=W
f2・s
l’
**+(1−W
f2)・s
l−1’
**(1<l≦nの場合)(6)
ここで、W
f2は、第2の順方向指数平滑化に適用される第3の重みである。
【0045】
本発明に基づく方法のステップg)では、各平滑化されたデータ点(t
k,s
k)について、前のステップf)で判定された、ここでは{t
l,s
l’
***}と表す、最後に修正された傾斜集合を積分する。この手順では、各平滑化されたデータ点(t
k,s
k)について、指定された値を最終的に判定し、続いて、これを返す。
【0046】
好ましい実施形態においては、ステップg)は、以下のサブステップg1)〜g5)を含んでいてもよく、これらは、ここに示す順序で実行することが好ましい。
【0047】
サブステップg1)では、ステップe)の前に、1≦l≦nとして、平滑化集合内の値の平均値orig meanを算出する。この目的のために、特に、平滑化集合内の平滑化されたデータ点の値の合計を平滑化集合内の平滑化されたデータ点の数によって除算することによって、平滑化集合内の平滑化されたデータ点の中心値を取得してもよい。
サブステップg2)では、最後に修正された傾斜集合{t
l,s
l’
***}を式7によって数値的に積分してもよい。
integral
1=0及び
integral
l=integral
l−1+{(1−w
i)・s
l’
***+w
i・s
l−1’
***}・{t
l−t
l−1} (1<l<nの場合) (7)
ここで、w
iは、積分に適用される第4の重みである。
【0048】
このサブステップg2)によって、積分された集合が得られ、これに対し、サブステップg3)において、1<i<nとして、値integral
iの平均値「new mean」を算出してもよい。この目的のために、特に、積分集合内の積分値の合計を積分集合内の積分値の数で除算することによって積分集合内の積分値の中心値を取得してもよい。
【0049】
次のサブステップg4)では、以下の式8を適用することによって、積分定数「int const」を算出してもよい。
int const=orig mean−new mean (8)
【0050】
サブステップg5)では、最終的に、以下の式9を適用することによって、s
kの平滑化された値を算出してもよい。
s
k=integral
k+int const (9)
この手順によって、k=n−offsetにより、少なくとも1つの平滑化されたデータ点(t
k,s
k)の値を判定し、返すことができる。
【0051】
このようにして、本発明に基づく方法によって、データ点のストリーム{t
i,s
i}内の平滑化されたデータ点(t
k,s
k)が判定される。なお、更なるステップにおいて次の平滑化されたデータ点(t
k1,s
k1)に対してステップb)〜g)を連続的に実行することによって、次の平滑化されたデータ点(t
k1,s
k1)について方法を継続してもよい。このように、本発明に基づく方法は、データ点が要求される限り、実行することができる。これに代えて、データ点のストリームから選択された任意のデータ点を使用して、少なくとも1つの更に平滑化された値を算出してもよい。
【0052】
特に好ましい実施形態においては、少なくとも1つの3個一組のデータ点(t
k,s
k,s
k’)が返される。ここで、3個一組のデータ点(t
k,s
k,s
k’)は、平滑化された値s
kの導関数である値s
k’を更に含む。上述したように、本方法によって、時系列測定からの導関数を表すこのような3個一組のデータ点を容易に返すことができ、このような情報は、更なる評価目的のために要求されることが多い。
【0053】
特に好ましい実施形態においては、offset、smoothing window、gap length、minimal window、SlopeRange、第1の順方向指数平滑化のための第1の重みW
f1、逆方向指数平滑化のための第2の重みW
r、第2の順方向指数平滑化のための第3の重みW
f2、及び/又は積分のための第4の重みw
iの数値の一部又は全部は、表1に示す好ましい範囲、適用可能であれば、より好ましい範囲、及び/又は最も好ましい値から選択してもよい。但し、本発明に基づく方法の適用に関連して、特定の目的のために表1に示す数値以外の数値を選択してもよい。一方、実験結果として後述するように、既に優れた平滑化を提供する各数値について表1に示す値及び/又は範囲から値を選択することによって、この方法の性能が特に短いタイムスケールで向上する。
【0054】
【表1】
【0055】
更に好ましい実施形態においては、ステップa)で提供される特定の集合は、p番目毎のアイテムを取ることによって選択され、pは、好ましくは、範囲[2,6]から選択される数値であり、3が最も好ましい値である。この手順によって、特定の集合内でp番目毎のデータ点のみを維持し、この他のデータ点を削除してもよい。
【0056】
この手順は、好ましくは、以下のように採用される。まず、ステップa)に基づくデータ点のオリジナルのストリーム(元のストリーム)をデータ点の集合として使用し、本方法のステップb)〜g)までの1回目の実行を開始する。これに代えて、データ点のオリジナルのストリームから、データ点の既に削減されている集合を生成し、これをステップa)における特定の集合として使用し、ここから、本方法のステップb)〜g)までの1回目の実行を開始してもよい。次に、平滑化されたデータ点のストリーム又は平滑化されたデータ点のストリームから選択された数のデータ点をステップa)によるデータ点の集合のための更なる入力として使用し、続いて、2回目の実行における更なるステップb)〜g)を適用する。ここで、例えば、表1に示すパラメータは、第2の実行でも第1の実行と同様に選択してもよく、2つの実行間で異なるパラメータを選択してもよい。更に、表1に含まれる数値とは異なる数値を適用してもよい。
【0057】
これに代えて又はこれに加えて、ステップa)で提供される特定の集合は、p個の部分集合の1つを提供することによって提供してもよく、q番目の部分集合は、各アイテムが有効な値を含む限り、i=q,p+q,2p+q,…及びq≦pとして、複数のアイテム(t
i,s
i)を含む。特定の実施形態においては、平滑化の後に、好ましくは、p個の部分集合内の対応するアイテムに演算手段を適用した後に、p個の部分集合をマージ(merge)してもよい。例えば、更なる処理なしで、p個の部分集合をマージしてもよく、これにより、入力データ集合と同数のデータ点が得られる。他の例として、時間及び/又は信号に、演算手段、例えば、算術平均、メジアン及び/又は他の手順を更に適用することによって、p個の平滑化されたデータ集合をマージしてもよく、これにより、オリジナルのデータ集合と比べて、数が削減されたデータ点が得られる。更なる例として、n個の平滑化されたデータ集合のマージに関して、時刻及び/又は信号に対して、スライド方式で演算手段を適用してもよく、これによって、オリジナルのデータ集合と同数のデータ点を得ることができる。「スライド方式」による処理とは、各データ点に亘って窓を順次的に移動させ、それぞれ、これらのデータ点及び隣接するデータ点に対して演算手段を適用することと定義される。更なる例では、演算手段を適用する前に、特定の基準に基づいて、データ点を削除してもよく、これは、他の具体例に適用してもよい。この手順は、特に、3個一組のデータ(t
k,s
k,s
k’)を報告するために有用であり、これによって、対応する傾斜s
i’にもマージの処理及び演算手段が適用される。
【0058】
本発明では、データ点(t
i,s
i)は、好ましくは、前のデータ点(t
i−1,s
i−1)の取得の後、特定の期間Δt=(t
i−t
i−1)後に取得される。この定義は、リアルタイム又は略リアルタイム測定系列において、データ点が期間Δ毎に周期的に記録される状況を反映している。しかしながら、特に、前のデータ点(t
i−1,s
i−1)が無効な値又は欠落した値を有するおそれがある場合、期間Δtを一定の値にしない方が好ましいことがあり、これは、例えば、1つ以上の前のデータ点の連続的な対について、期間Δtが終わる前の時刻t
iにおいて特定のデータ点(t
i,s
i)が取得されるような場合を指す。この手順では、特に、期間Δtによる標準的なサンプリングレートによって実行し、データ点を受信した直後に検証ステップを実行し、この検証ステップによって、実際の点が読み出されたか及び受信したデータ点が有効であるか否かに関する情報を返してもよい。欠落したデータ点又は無効なデータ点が発生した場合、早期に、好ましくは、できるだけ早く、特に、サンプリング期間によって定まる読み出し時点より早く、第2の読み出しを行う。
【0059】
これに関し、特定の集合は、rを0より大きい整数とし、t
0,t
0+rΔt,t
0+2rΔt,…のデータ点におけるアイテム、又は無効な値又は欠落した値を含むデータ点(t
i,s
i)から±Δt若しくは±2Δtの距離にある隣接するアイテムを保持することによって選択してもよい。この手順は、特に、データ点のストリーム内に大きなギャップが生じやすいケースに適用できる。
【0060】
特に好ましい実施形態においては、データ点のストリーム{t
i,s
i}は、測定系列を含んでいてもよく、これをセンサによって連続的に記録してもよい。ここで、センサは、時刻t
iにおいて信号s
iを記録するように構成されてもよく、信号s
iは、特に、ボリューム内の物質の濃度に関連していてもよい。したがって、センサは、光学センサ、特に、蛍光センサを選択し、体液内、特に、間質液内のブドウ糖濃度を判定するように構成することが好ましい。但し、本発明に基づく方法が同様に適用される他の実施形態も想到される。
【0061】
本発明の更なる側面として提供される装置は、1≦i≦z、k<zとして、データ点のストリーム{t
i,s
i}内の少なくとも1つの平滑化されたデータ点(t
k,s
k)を判定する装置である。本発明に基づく装置は、センサに指示を与え、時刻t
iにおいて一連の信号s
iを記録させ、データ点のストリーム{t
i,s
i}を供給させる指示デバイスを備え、データ点のストリーム{t
i,s
i}内の少なくとも幾つかのデータ点(t
i,s
i)は、時刻t
iにおける信号s
iのための有効な値を含む。ここで、センサは、装置を構成する一部であってもよいが、より好ましい実施形態においては、センサは、装置の筐体外に配設される独立した任意の実体として実現してもよい。これに関し、上述した何れのセンサも装置内で用いることができる。
【0062】
装置は、更に、データ点のストリーム{t
i,s
i}を受信し、続いて保存する受信及び保存デバイスを備える。このようなデバイスとしては、データ点の形式で情報を保存するための周知の如何なるメモリを採用してもよい。
【0063】
装置は、更に、1<i<zとして、データ点のストリーム{t
i,s
i}内の少なくとも1つの平滑化されたデータ点(t
k,s
k)を判定する演算デバイスを備える。したがって、この目的を実行するために、如何なるコンピュータ、マイクロコンピュータ及び/又はハードウェア実装されたデバイスを採用してもよい。
【0064】
特に好ましい実施形態において、装置は、2つの機械部品に分けられ、指示デバイスは、センサに機械的に接続され、例えば、人体に装着され、又はセンサが適用される人体の近傍に配設され、指示デバイスは、無線送信機能を有してもよい。記録及び保存デバイス並びに演算デバイスが、共に機械的に接続されてもよく、これらは、例えば、ユーザによって携帯されてもよく、看護職員の管理下に置かれてもよい。
【0065】
ここで、少なくとも装置の一部を構成する指示デバイス、記録及び保存デバイス並びに演算デバイスは、上述したようなデータ点のストリーム内の少なくとも1つの平滑化されたデータ点を判定するための方法に基づく如何なるステップを実行するように構成されてもよい。これに関し、方法に関して記述した全ての如何なる特定の実施形態も、適切な変形を加えて装置に適用されてもよい。
【0066】
好ましい実施形態において、装置は、ユーザの少なくとも1つの身体機能を判定するための分析装置であってもよく、装置は、ユーザ、例えば、患者の少なくとも1つの身体機能を記録するための少なくとも1つのセンサを更に含んでいてもよい。ここで、少なくとも1つのセンサは、ユーザの体組織又は体液内の少なくとも1つの分析物の分析物濃度を測定するセンサ、ユーザの少なくとも1つの心機能を判定するための心臓センサ、脈センサ、血圧センサ、ECG及びEEGからなるグループから選択されてもよい。また、特に物理的パラメータ、化学的パラメータ及び/又は環境パラメータを記録するように適応化された他のセンサを用いてもよい。
【0067】
本発明の更なる側面は、装置の使用方法に関し、その目的は、ユーザの体組織又は体液内の少なくとも1つの分析物の分析物濃度を測定すること、ユーザの少なくとも1つの心機能を判定すること、ユーザの脈を判定すること、ユーザの血圧を判定すること、ECGを記録すること及びEEGを記録することからなるグループから選択される。また、装置は、他の目的のために、特に、選択されたセンサがアクセスできる物理的値、化学的値、生物学的値及び/又は環境値を測定するために使用されてもよい。前述の用途にかかわらず、本方法及び装置は、特に、例えば、臨床試験、並びに市販の医療デバイスによるリアルタイム又は略リアルタイムのデータ収集によって取得されるデータ点のストリームの詳細分析のために使用できる。
【0068】
本発明は、更に、コンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行されると、ここに開示する1つ以上の実施形態で本発明に基づく方法を実現するコンピュータが実行可能な命令を含むコンピュータプログラムを開示する。詳しくは、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データ媒体に格納されていてもよい。このように、上述したステップa)〜d)の1つ以上は、コンピュータ又はコンピュータネットワークを用いて、好ましくはコンピュータプログラムを用いて実行されてもよい。
【0069】
本発明は、更に、コンピュータ又はコンピュータネットワーク上でプログラムが実行されると、ここに含まれる実施形態の1つ以上で本発明に基づく方法を実現するプログラムコード手段を備えるコンピュータプログラム製品を開示し、提案する。詳しくは、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データ媒体に格納されていてもよい。
【0070】
更に、本発明は、コンピュータ又はコンピュータネットワーク、例えば、コンピュータ又はコンピュータネットワークのワーキングメモリ又はメインメモリにロードされて、ここに開示する実施形態の1つ以上によって方法を実現するデータ構造が格納されているデータ媒体を開示し、提案する。ここでいうコンピュータとは、データを格納し、演算ステップ及び/又は指示ステップを実行することができるあらゆるデバイスを含む。例えば、この定義は、ワークステーション及びノート型コンピュータのみではなく、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array:FPGA)も含む。
【0071】
本発明は、更に、プログラムがコンピュータ又はコンピュータネットワークにおいて実行されると、ここに開示する実施形態の1つ以上によって方法を実現するプログラムコード手段がマシン可読媒体に保存されたコンピュータプログラム製品を提案し、開示する。ここで言うコンピュータプログラム製品とは、取引可能な製品としてのプログラムを意味する。製品は、包括的に、任意の形式で存在でき、例えば、紙形式であってもよく、又はコンピュータ可読媒体上にあってもよい。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワークを介して配信されてもよい。
【0072】
最後に、本発明は、ここに開示する実施形態の1つ以上によって方法を実行するためにコンピュータシステム又はコンピュータネットワークによって可読な指示を含む変調されたデータ信号を提案し、開示する。
【0073】
好ましくは、本発明のコンピュータによって実現される側面では、ここに開示する実施形態の1つ以上に基づく方法のステップの1つ以上又はステップの全てを、コンピュータ又はコンピュータネットワークを用いて実行してもよい。このように、包括的には、データの提供及び/又は操作を含む方法ステップの何れをコンピュータ又はコンピュータネットワークを用いて実行してもよい。包括的には、これらの方法ステップは、通常、手作業を必要とする方法ステップ、例えば、サンプルの提供及び/又は実際の測定を実行する特定の側面を除いて、如何なる方法ステップを含んでいてもよい。
【0074】
本発明は、従来の技術にない幾つかの利点を有する。第1に、本発明は、平滑化集合と呼ばれるスライドするデータ点の部分集合を適用する。平滑化集合は、主に過去を参照して、本方法に基づく平滑化手順の実行から生じる単一の出力値をのみを報告するものであってもよい。単一の出力値は、特に、平滑化集合の終端付近で報告されてもよく、続いて、新しい平滑化集合を用いて、次の出力値のために処理が繰り返されてもよい。この構成を適用することによって、高度な平滑化を実現しながら、リアルタイム又は略リアルタイムで、あらゆる測定値を報告できる。この利点は、本発明の主要な到達点の1つであり、従来の技術と大きく異なる点でもある。
【0075】
第2に、SlopeRangeによって定義される範囲の端点が正しく考慮されるように、傾斜の推定を実行できる。後述するように、本発明に基づく方法は、データ集合の端部付近の歪みを回避し、データによる有意な値を提供する。Roarkは、その方法において、全てのデータ集合に対する平滑化を行うのみであり、端部付近の値に特別な注意を払っていない。しかしながら、リアルタイム又は略リアルタイム出力を提供するためには、平滑化集合の端部付近の値も可能な限り正確であることが望ましい。
【0076】
第3に、本発明に基づく方法は、データ点のストリーム内のリアルタイム又は略リアルタイム測定において生じる可能性があるギャップ、特に大きなギャップに正しく対処する。後述するように、Roarkのアルゴリズムによって生じる許容できない誤差は、本発明に基づく方法によって回避できる。特に、平滑化部分集合の適用と共にギャップのサイズを制限する前述のサブステップによって、これらの問題が回避される。
【0077】
第4に、本発明の主要な利点は、データの前処理の適用を含む。本発明に基づく方法は、1〜5個のサンプリング間隔のタイムスケールにおいて、平滑化による雑音の除去が優れていながら、他方で、出力をより緩やかな変化に調整することが見出された。このように変化が平滑化される場合、好ましくは、データの間隔を増加させてもよい。前処理を逆平滑化(reverse smoothing)と組み合わせることによって、より良い結果が提供されることが見出された。標準的な指数平滑化を中間データの削減と組み合わせて実行することによって、満足な平滑化の結果が得られるが、これによって、30個のデータ点を遡って読み出すスライド平均に相当する大きなタイムラグが導入されることがある。
【0078】
第5に、本発明の更なる利点は、データ点のストリーム内のデータ点が、必ずしも等間隔である必要がないという事実に基づく。検証ステップを使用することによって、大きなギャップなしでデータ点を利用できることが保証され、これによって、略リアルタイムの報告が提供される。したがって、期間Δtによって、標準的サンプリングレートを、装置が技術的に提供することができるサンプリングレートより遅く調整することができる。この実施形態によって、特に、装置の電力消費を最小化できると共に、何らかの入射(radiation)によってセンサが影響を受ける等、測定手段によって影響を受けることなくセンサを露出でき、これらによって、装置の寿命を向上させることができる。
【0079】
本発明の発見を要約し、以下に好ましい実施形態を示す。
【0080】
実施形態1:i、z及びkを整数とし、1≦i≦z、k<zとして、データ点のストリーム{t
i,s
i}内の少なくとも1つの平滑化されたデータ点(t
k,s
k)を判定する方法であって、データ点のストリーム{t
i,s
i}は、好ましくは、前のデータ点(t
i−1,s
i−1)の取得から期間Δtの後にデータ点(t
i,s
i)が取得されるように連続的に取得され、データ点のストリーム{t
i,s
i}内の各データ点(t
i,s
i)は、それぞれ、
−時刻t
iにおいて記録される時刻t
iにおける信号s
iの有効な値、
−時刻t
iにおいて記録され、無効であるとみなされる時刻t
iにおける信号s
iの無効な値、又は
−期待される時刻t
iにおいて欠落した時刻t
iにおける信号s
iの欠落した値を含み、
時刻t
iにおける信号s
iは、技術的なセットアップによって取得される、物理的、化学的、生物学的、環境的及び/又は技術的なデータを含み、この方法は、
a)1≦i≦z、k≦zとして、データ点のストリーム{t
i,s
i}を含むデータ点の集合、又はデータ点のストリーム{t
i,s
i}から又は平滑化されたデータ点の集合{t
k,s
k}から選択された特定の集合を提供するステップと、
b)各平滑化されたデータ点(t
k,s
k)について、ステップa)の間に提供されたデータ点の集合から、以下の式によって得られるデータ点の部分集合{t
l,s
l}を含む平滑化集合を生成し、
(k+offset−smoothing window+1)<l<(k+offset) (1)
offset>0は、t
i>t
kとして、有効な値を含むデータ点(t
k,s
k)のための平滑化集合を生成する前に取得されたデータ点(t
i,s
i)の数を定義するオフセット数からなる数値であり、smoothing windowは、平滑化集合の長さを定義する数値である、ステップと、
c)各平滑化されたデータ点(t
k,s
k)について、平滑化集合内の2つの隣接するデータ点{(t
l−1,s
l−1),(t
l,s
l)}の各対において、以下の条件が満たされることを要求する第1の条件が満たされるか否かを検証し、
(t
l−t
l−1) ≦gap length (2)
gap lengthは、平滑化集合内の2つの隣接するデータ点の間で許容される最大の時間差を定義する数値であり、
l<l
0として、あるl
0について第1の条件が満たされない場合、データ点(t
l,s
l)を平滑化集合から取り除くステップと、
d)各平滑化されたデータ点(t
k,s
k)について、数値nが少なくともminimal windowの数値に等しいことを要求する第2の条件が満たされるか否かを検証し、数値nは、ステップc)の後に平滑化集合{t
l,s
l}に残るデータ点の数に等しい数値であり、minimal windowは、ステップc)の後に平滑化集合{t
l,s
l}に残ることが要求されるデータ点の数に等しい数値であり、
第2の条件が満たされない場合、平滑化されたデータ点(t
k,s
k)のための値を判定せず、平滑化されたデータ点(t
k,s
k)を返さず、又はエラーフラグを返し、
第2の条件が満たされる場合、後続するステップに進むステップと、
e)各平滑化されたデータ点(t
k,s
k)について、1≦l≦nとして、平滑化集合に対応する傾斜集合{t
l,s
l’}を算出するステップと、
f)各平滑化されたデータ点(t
k,s
k)について、傾斜集合{t
l,s
l’}に対し少なくとも1つの指数平滑化ステップを適用して、少なくとも1つの修正された傾斜集合{t
l,s
l’
*}を判定するステップと、
g)各平滑化されたデータ点(t
k,s
k)について、ステップf)において判定された少なくとも1回は修正された傾斜集合{t
l,s
l’
*}を積分して、平滑化されたデータ点(t
k,s
k)の値を判定し、返すステップとを含み、
ステップb)の前に、ステップa)によって提供されるデータ点の集合内のデータ点について、及び/又はステップb)の後、ステップb)によって提供される平滑化集合内のデータ点について、検証ステップにおいて、ある基準をデータ点に適用し、データ点を保持するか削除するかを判定する方法。
【0081】
実施形態2:基準は、データ点(t
j,s
j)が有効な値、無効な値、又は欠落した値を含むかを判定する検証ステップを含み、有効な値を含むデータ点(t
j,s
j)は保持され、無効な値又は欠落した値を含むデータ点(t
j,s
j)は削除される、上記実施形態に基づく方法。
【0082】
実施形態3:有効な値を含む少なくとも1つのデータ点がオフセット内に存在するか否か、又は、好ましくは、オフセット内の全てのデータ点が有効な値を含むか否かについての更なる条件を検証し、オフセットは、t
i>t
kとして、検証ステップの間に平滑化集合から幾つかのデータ点の数を削除した後に、ステップb)が現在実行されている平滑化されたデータ点(t
k,s
k)より前に取得されたデータ点(t
i,s
i)のoffset数を含み、更なる条件が満たされない場合、平滑化されたデータ点(t
k,s
k)のための値を判定せず、平滑化されたデータ点(t
k,s
k)を返さず、又はエラーフラグを返す、上記何れかの実施形態に基づく方法。
【0083】
実施形態4:数値offsetは、範囲[1,4]から選択され、2が好ましい値である、上記何れかの実施形態に基づく方法。
【0084】
実施形態5:数値smoothing windowは、範囲[7,40]、好ましくは範囲[15,25]から選択され、20が最も好ましい値である、上記何れかの実施形態に基づく方法。
【0085】
実施形態6:数値gap lengthは、範囲[5Δt,30Δt]、好ましくは範囲[5Δt,15Δt]から選択され、6Δtが最も好ましい値である、上記何れかの実施形態に基づく方法。
【0086】
実施形態7:数値minimal windowは、範囲[5,20]、好ましくは範囲[5,10]から選択され、5が最も好ましい値である、上記何れかの実施形態に基づく方法。
【0087】
実施形態8:ステップa)において提供される特定の集合は、p番目毎のアイテムを取ることによって選択され、pは、好ましくは、範囲[2,6]から選択される数値であり、3が最も好ましい値である、上記何れかの実施形態に基づく方法。
【0088】
実施形態9:p個の部分集合が選択され、q番目の部分集合は、各アイテムが有効な値を含む限り、複数のアイテムを含み、ここで、i=q,p+q,2p+q,…及びq≦pである、上記実施形態に基づく方法。
【0089】
実施形態10:p個の部分集合は、平滑化の後にマージされる、上記実施形態に基づく方法。
【0090】
実施形態11:p個の部分集合は、p個の部分集合内の対応するアイテムに演算手段を適用した後にマージされる、上記実施形態に基づく方法。
【0091】
実施形態12:データ点(t
i,s
i)は、特定の期間Δt=(t
i−t
i−1)が終わる前の時刻t
iにおいて取得される、上記何れかの実施形態に基づく方法。
【0092】
実施形態13:データ点(t
i,s
i)は、先行するデータ点(t
i−1,s
i−1)が無効な値又は欠落した値を含んだ後に、特定の期間Δt=(t
i−t
i−1)が終わる前の時刻t
iにおいて取得される、上記実施形態に基づく方法。
【0093】
実施形態14:特定の集合は、rを0より大きい整数とし、t
0,t
0+rΔt,t
0+2rΔt,…のデータ点におけるアイテムを保持することによって選択される、上記何れかの実施形態に基づく方法。
【0094】
実施形態15:隣接するアイテムは、無効な値又は欠落した値を含むデータ点(t
i,s
i)から±Δt若しくは±2Δtの距離だけ離れたものである、上記実施形態に基づく方法。
【0095】
実施形態16:ステップe)は、
e1)各データ点(t
l,s
l)の傾斜を算出するために使用されるデータ点の数として数値SlopeRangeを定義するサブステップと、
e2)SlopeRangeが奇数である場合、選択されるデータ点が平滑化集合内に存在する限り、各データ点(t
l,s
l)の前の(SlopeRange−1)/2個のデータ点と、各データ点(t
l,s
l)の後の(SlopeRange−1)/2個のデータ点とを選択し、データ点(t
l,s
l)が平滑化集合の端に存在しない場合、存在するデータ点を使用し、
SlopeRangeが偶数である場合、選択されるデータ点が平滑化集合内に存在する限り、各データ点(t
l,s
l)の前のSlopeRange/2個のデータ点と、各データ点(t
l,s
l)の後の(SlopeRange/2−1)個のデータ点とを選択し、データ点(t
l,s
l)が平滑化集合の端に存在しない場合、存在するデータ点を使用することによって、
各データ点(t
l,s
l)に差集合{t
m,s
m}を割り当てるサブステップと、
e3)以下の式に基づいて、平滑化集合に対応する傾斜集合{t
l,s
l’}を算出し、
【数2】
総和Σは、差集合{t
m,s
m}内のデータ点に亘って算出され、dは、データ点が平滑化集合の端に存在しない場合、SlopeRange以下であり、ここでの算出処理は、平滑化集合1≦l≦nの各点について行われるサブステップと
を含む上記何れかの実施形態に基づく方法。
【0096】
実施形態17:数値SlopeRangeは、好ましくは、範囲[3,6]から選択され、3が最も好ましい値である、上記実施形態に基づく方法。
【0097】
実施形態18:ステップf)は、
f1)ステップe)で取得された傾斜集合{t
l,s
l’}に昇順1,2,…,n−1,nで以下のような第1の順方向指数平滑化を適用し、
s
1’
*=s
1’及び
s
l’
*=W
f1・s
l’+(1−W
f1)・s
l−1’(1<l≦nの場合)(4)
W
f1は、第1の順方向指数平滑化に適用される第1の重みである、サブステップと、
f2)サブステップf1)において修正された傾斜集合{t
l,s
l’
*}に降順n,n−1,…2,1で
以下のような逆方向指数平滑化を適用し、
s
n’
**=s
n’
*及び
s
l’
**=W
r・s
l’
*+(1−W
r)・s
l+1’
*(1≦l<nの場合)(5)
W
rは、逆方向指数平滑化に適用される第2の重みである、サブステップと、
f3)サブステップf2)において修正された傾斜集合{t
l,s
l’
*}に昇順1,2,…,n−1,nで以下のような第2の順方向指数平滑化を適用し、
s
1’
***=s
1’
**及び
s
l’
***=W
f2・s
l’
**+(1−W
f2)・s
l−1’
**(1<l≦nの場合)(6)
W
f2は、第2の順方向指数平滑化に適用される第3の重みである、サブステップと
を含む上記何れかの実施形態に基づく方法。
【0098】
実施形態19:第1の順方向指数平滑化に適用される第1の重みW
f1は、範囲[0.3,0.6]から選択され、0.5が最も好ましい値である、上記実施形態(実施形態18)に基づく方法。
【0099】
実施形態21:逆方向指数平滑化に適用される第2の重みW
rは、範囲[0.2,0.5]から選択され、0.33が最も好ましい値である、上記2つの実施形態(実施形態18、19)の何れかに基づく方法。
【0100】
実施形態22:第2の順方向指数平滑化に適用される第3の重みW
f2は、範囲[0.3,0.6]から選択され、0.5が最も好ましい値である、上記3つ実施形態(実施形態18、19、21)の何れかに基づく方法。
【0101】
実施形態23:ステップg)は、
g1)ステップe)の前に、1≦l≦nとして、平滑化集合内の値s
lの平均値orig meanを算出するサブステップと、
g2)以下の式によって少なくとも1回修正された傾斜集合(t
l,s
l’
*)を数値的に積分し、
integral
1=0及び
integral
l=integral
l−1+{(1−w
i)・s
l’+w
i・s
l−1’
*}・{t
l−t
l−1} (1≦l≦nの場合) (7)
w
iは、積分に適用される第4の重みであり、これによって、積分された集合を生成するサブステップと、
g3)1≦i≦nとして、積分された集合内で値integral
iの平均値new meanを算出するサブステップと、
g4)以下の式を適用することによって、積分定数int constを算出するサブステップと、
int const=orig mean−new mean (8)
g5)以下の平滑化された値を算出し、
s
k=integral
k+int const (9)
k=n−offsetとして、平滑化されたデータ点(t
k,s
k)の値を返すサブステップと
を含む上記何れかの実施形態に基づく方法。
【0102】
実施形態24:積分に適用される第4の重みw
iは、好ましくは、範囲[0.25,0.75]から選択され、0.33が最も好ましい値である、上記実施形態(実施形態23)に基づく方法。
【0103】
実施形態25:平滑化された値s
kの傾斜のための値s
k’を含む3個一組のデータ点(t
k,s
k,s
k’)を少なくとも1つ返す、上記何れかの実施形態に基づく方法。
【0104】
実施形態26:データ点のストリーム{t
i,s
i}は、センサによって連続的に記録される測定系列を含み、センサは、時刻t
iにおいて信号s
iを記録するように適応化されている、上記何れかの実施形態に基づく方法。
【0105】
実施形態27:時刻t
iにおける信号s
iは、特にボリューム内の物質の濃度に関連を有する、上記実施形態に基づく方法。
【0106】
実施形態28:センサは、好ましくは光学センサである、上記2つ実施形態(実施形態26、27)の何れかに基づく方法。
【0107】
実施形態29:センサは、蛍光センサである、上記実施形態(実施形態28)に基づく方法。
【0108】
実施形態30:センサは、体液内のブドウ糖濃度を判定するように構成されている、上記4つの実施形態(実施形態26〜29)の何れかに基づく方法。
【0109】
実施形態31:センサは、間質液内のブドウ糖濃度を判定するように構成されている、上記実施形態(実施形態30)に基づく方法。
【0110】
実施形態32:1≦i、k≦mとして、データ点のストリーム{t
i,s
i}内の少なくとも1つの平滑化されたデータ点(t
k,s
k)を判定する装置であって、
センサに指示を与え、時刻t
iにおいて一連の信号s
iを記録させ、データ点のストリーム{t
i,s
i}を供給させる指示デバイスであって、時刻t
iにおける信号s
iは、技術的なセットアップによって取得される物理的、化学的、生物学的、環境的及び/又は技術的なデータを含み、データ点のストリーム{t
i,s
i}内の少なくとも幾つかのデータ点(t
i,s
i)は、時刻t
iにおける信号s
iのための有効な値を含む、指示デバイスと、
データ点のストリーム{t
i,s
i}を受信し、続いて保存する受信及び保存デバイスと、
1≦i≦mとして、データ点のストリーム{t
i,s
i}内の少なくとも1つの平滑化されたデータ点(t
k,s
k)を判定する演算デバイスとを備え、
上記何れかの実施形態に基づく方法の何れかのステップを実行するように構成された装置。
【0111】
実施形態33:装置は、ユーザの少なくとも1つの身体機能を判定するための分析装置であり、ユーザの少なくとも1つの身体機能を記録するための少なくとも1つのセンサを更に含む上記実施形態に基づく装置。
【0112】
実施形態34:少なくとも1つのセンサは、好ましくは、ユーザの体組織又は体液内の少なくとも1つの分析物の分析物濃度を測定するセンサ、ユーザの少なくとも1つの心機能を判定するための心臓センサ、脈センサ、血圧センサ、ECG及びEEGからなるグループから選択される、上記実施形態に基づく装置。
【0113】
実施形態35:装置は少なくとも2つの別々の部分に分割され、指示デバイスは、センサに接続され、指示デバイスは、無線送信デバイスを含み、記録及び保存デバイス並びに演算デバイスは、共に接続される、上記何れかの実施形態に基づく装置。
【0114】
実施形態36:上記何れかの実施形態に基づく装置の使用方法であって、ユーザの体組織又は体液内の少なくとも1つの分析物の分析物濃度を測定すること、ユーザの少なくとも1つの心機能を判定すること、ユーザの脈を判定すること、ユーザの血圧を判定すること、ECGを記録すること及びEEGを記録することからなるグループから選択される目的のための使用方法。
【0115】
実施形態37:コンピュータが実行可能な命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令は、コンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行されると、上記何れかの実施形態に基づく方法を実現する、コンピュータプログラム。
【0116】
実施形態38:データ構造が格納されているデータ媒体であって、前記データ構造は、コンピュータ又はコンピュータネットワークにロードされて、上記何れかの実施形態に基づく方法を実現する、データ媒体。
【0117】
実施形態39:少なくとも1つのプロセッサを備えるコンピュータ又はコンピュータネットワークであって、前記プロセッサは、上記何れかの実施形態に基づく方法を実現するように適応化されている、コンピュータ又はコンピュータネットワーク。
【0118】
実施形態40:コンピュータ上で実行され、上記何れかの実施形態に基づく方法を実現するように構成された、コンピュータにロード可能なデータ構造。
【0119】
実施形態41:コンピュータ上で実行されると、上記何れかの実施形態に基づく方法を実現するように適応化されたコンピュータプログラム。
【0120】
実施形態42:上記何れかの実施形態に基づく方法を実現するプログラム手段を含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがコンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行されると、上記何れかの実施形態に基づく方法を実現する、コンピュータプログラム。
【0121】
実施形態43:上記実施形態に基づくプログラム手段を含むコンピュータプログラムであって、前記プログラム手段がコンピュータ可読媒体に格納されている、コンピュータプログラム。
【0122】
実施形態44:データ構造を格納するストレージ媒体であって、前記データ構造は、コンピュータ又はコンピュータネットワークのメインストレージ及び/又はワーキングストレージにロードされて上記何れかの実施形態に基づく方法を実現するように構成されている、ストレージ媒体。
【0123】
実施形態45:プログラムコード手段を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記プログラムコード手段は、ストレージ媒体に格納でき、又は格納されており、コンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行されると、上記何れかの実施形態に基づく方法を実現する、コンピュータプログラム製品。
【0124】
本発明の更なる任意の特徴及び実施形態は、好ましくは従属請求項に関連する、好ましい実施形態の説明によって更に詳細に開示される。ここで、任意の特徴のそれぞれは、独立した形式で実現してもよく、当業者にとって明らかな可能な任意の如何なる組み合わせによって実現してもよい。本発明の範囲は、好ましい実施形態によっては制限されない。これらの実施形態は、図面において図式的に表されている。これらの図面において、同一の符号は、同一又は機能的に等価な要素を示している。