特許第6225730号(P6225730)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6225730
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/06 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   H02K9/06 G
   H02K9/06 C
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-16572(P2014-16572)
(22)【出願日】2014年1月31日
(65)【公開番号】特開2015-144512(P2015-144512A)
(43)【公開日】2015年8月6日
【審査請求日】2016年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】古川 智康
【審査官】 三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−093295(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/094350(WO,A1)
【文献】 特開平10−014161(JP,A)
【文献】 実開昭50−109803(JP,U)
【文献】 国際公開第2006/072489(WO,A1)
【文献】 特開平08−035751(JP,A)
【文献】 特開2002−34189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に配設された回転軸に対して固設され、前記回転軸とともに回転するロータと、
前記ロータの径方向外側に配設されたステータコアと、前記ステータコアに巻装され導線により構成されるコイルと、前記ステータコアの軸方向端面から軸方向に突出し、前記コイルを構成する導線によりなるコイルエンド部と、を有するステータと、
前記ロータと前記ステータとを内部に収容するハウジングと、を有する回転電機であって、
前記回転軸は、
当該回転軸に沿った軸方向の一方側において、前記ロータの軸方向端面よりも一方側に形成された吸入口と、前記軸方向他方側にあたる前記ロータの軸方向端面よりも他方側に形成された排出口とを連通する冷媒通路を、内部に有し、
前記冷媒通路の内部であって、前記吸入口と前記排出口との間となる位置に、冷媒に流れを生じさせる為の複数のファン部材を有し、
前記複数のファン部材は、それぞれ円筒部材の内部に複数の羽根部を有し、
前記複数のファン部材は、各ファン部材の前記複数の羽根部が前記回転軸の軸方向に従って螺旋を描くように配置され
ことを特徴とする回転電機。
【請求項2】
請求項1記載の回転電機であって、
前記ファン部材は、
記冷媒通路の内部であって、前記吸入口と前記排出口との間となる位置に焼き嵌めにより固定されている
ことを特徴とする回転電機。
【請求項3】
請求項1又は請求項に記載の回転電機であって、
前記回転軸の冷媒通路は、
前記回転軸の軸方向に従って螺旋を描く溝により構成されたネジ溝部を、当該冷媒通路の内壁面に有する
ことを特徴とする回転電機。
【請求項4】
回転可能に配設された回転軸に対して固設され、前記回転軸とともに回転するロータと、
前記ロータの径方向外側に配設されたステータコアと、前記ステータコアに巻装され導線により構成されるコイルと、前記ステータコアの軸方向端面から軸方向に突出し、前記コイルを構成する導線によりなるコイルエンド部と、を有するステータと、
前記ロータと前記ステータとを内部に収容するハウジングと、を有する回転電機であって、
前記回転軸は、
当該回転軸に沿った軸方向の一方側において、前記ロータの軸方向端面よりも一方側において、前記回転軸の外周面に開口された吸入口と、前記軸方向他方側にあたる前記ロータの軸方向端面よりも前記軸方向他方側に位置し、当該他方側における前記回転軸の端面に開口された排出口とを連通する冷媒通路を、内部に有し、
前記冷媒通路の内部であって、前記吸入口と前記排出口との間となる位置に、ファンを有し、
前記ロータの軸方向端面及び前記吸気口よりも前記一方側において、前記回転軸と共に回転することで、前記ロータの軸方向に向かう冷媒の流れを発生させて、前記ステータのコイルエンド部を冷却する外付ファン部材を有する
ことを特徴とする回転電機。
【請求項5】
請求項1乃至請求項の何れかに記載の回転電機であって、
前記回転軸は、
前記回転軸よりも軸長の短い複数の軸状部材の端面を、摩擦圧接により接合することによって構成されている
ことを特徴とする回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータやジェネレータ等の回転電機に関し、特に、回転電機及びその周辺を冷却可能な回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転電機として、ステータの内側にロータを配置させたモータが知られており、このような回転電機を運転すると、当該回転電機自体や、回転電機の駆動に連動する外部装置に熱が発生する。回転電機における課題の一つとしては、このように発生した熱を適当な方法で冷却することが挙げられる。
【0003】
適当な方法で熱を冷却可能な回転電機に関する発明として、例えば、特許文献1記載の発明が知られている。特許文献1記載のモータは、回転軸に固設されたロータと、当該ロータの周囲に配設されたステータとを、モータケース内部に収容して構成されており、ステータに巻回されているステータコイルに電流を流すことで、ロータ及び回転軸を回転させることによって駆動する。ここで、特許文献1記載のモータにおいて、回転軸は、中空形状に形成されており、その内部に、線材を螺旋形状としたフィンが配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−034189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1記載の回転電機では、中空状の回転軸の内部に、螺旋形状のフィンが固設されており、当該回転軸は、ロータと共に回転する。従って、ロータと共に回転軸が回転すると、回転軸の中空部分には、フィンの螺旋形状によって、回転軸の軸方向に沿った気流が生じる。特許文献1記載の回転電機は、回転軸の内部に気流を発生させることにより、回転軸との間で熱交換を促進させ、当該回転電機を冷却することができる。このような回転電機においては、より簡便な構成で、中空状の回転軸内に気流を生じさせ、当該気流によって、効率よく冷却可能な回転電機が要望されている。
【0006】
本発明は、回転電機及びその周辺を冷却可能な回転電機に関し、中空状の回転軸内に気流を発生させることで、当該回転電機等をより効率よく冷却し得る回転電機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る回転電機は、回転可能に配設された回転軸に対して固設され、前記回転軸とともに回転するロータと、前記ロータの径方向外側に配設されたステータコアと、前記ステータコアに巻装され導線により構成されるコイルと、前記ステータコアの軸方向端面から軸方向に突出し、前記コイルを構成する導線によりなるコイルエンド部と、を有するステータと、前記ロータと前記ステータとを内部に収容するハウジングと、を有する回転電機であって、前記回転軸は、当該回転軸に沿った軸方向の一方側において、前記ロータの軸方向端面よりも一方側に形成された吸入口と、前記軸方向他方側にあたる前記ロータの軸方向端面よりも他方側に形成された排出口とを連通する冷媒通路を、内部に有し、前記冷媒通路の内部であって、前記吸入口と前記排出口との間となる位置に、冷媒に流れを生じさせる為の複数のファン部材を有し、前記複数のファン部材は、それぞれ円筒部材の内部に複数の羽根部を有し、前記複数のファン部材は、各ファン部材の前記複数の羽根部が前記回転軸の軸方向に従って螺旋を描くように配置されることを特徴とする。
【0008】
当該回転電機は、回転軸に固設されたロータと、当該ロータの径方向外側に配設されたステータとを、ハウジング内部に収容して構成されており、ロータを回転軸と共に回転させることにより駆動する。回転軸は、ロータの軸方向端面よりも一方側に吸入口を有し、ロータの軸方向端面よりも他方側に、排出口を有している。更に、当該回転軸は、吸入口と排出口とを連通する冷媒通路を有しており、冷媒通路内部における吸入口と排出口の間に、冷媒に流れを生じさせる為の複数のファン部材を有している。この複数のファン部材は、それぞれ円筒部材の内部に複数の羽根部を有し、各ファン部材の複数の羽根部が回転軸の軸方向に従って螺旋を描くように配置されている。
従って、当該回転電機によれば、ロータ及び回転軸の回転により、複数のファン部材が、冷媒通路内部において回転軸と共に回転する為、冷媒通路内部の冷媒に流れを生じさせ得る。これにより、当該回転電機によれば、ロータの軸方向端面よりも一方側の冷媒を、吸入口を介して、冷媒通路内部に導入し、排出口を介して、ロータの軸方向端面よりも他方側に排出することができるので、当該回転電機及びその周辺機器を、冷媒の循環を利用して冷却することができる。
また、複数のファン部材が、回転軸の軸方向に従って、各ファン部材の羽根部が螺旋を描くように配置されているので、冷媒通路内に強い冷媒の流れを生じさせることができ、回転電機及びその周辺装置を、より効率よく冷却することができる。
【0009】
そして、本発明の他の側面に係る回転電機は、請求項1記載の回転電機であって、前記ファン部材は、記冷媒通路の内部であって、前記吸入口と前記排出口との間となる位置に焼き嵌めにより固定されていることを特徴とする。
【0010】
当該回転電機において、前記ファン部材は、記冷媒通路の内部であって、前記吸入口と前記排出口との間となる位置に焼き嵌めにより固定されている。これにより、当該回転電機によれば、ァン部材を、焼き嵌めすることにより、冷媒通路内部の所定位置に固定することができるので、より簡単な作業で、回転電機及びその周辺機器を冷却可能な回転電機を実現し得る。
【0015】
又、本発明の他の側面に係る回転電機は、請求項1又は請求項に記載の回転電機であって、前記回転軸の冷媒通路は、前記回転軸の軸方向に従って螺旋を描く溝により構成されたネジ溝部を、当該冷媒通路の内壁面に有することを特徴とする。
【0016】
当該回転電機において、前記回転軸の冷媒通路は、前記回転軸の軸方向に従って螺旋を描く溝により構成されたネジ溝部を、当該冷媒通路の内壁面に有するので、冷媒通路内を通る冷媒との接触面積を増やすことができ、ロータにおける冷却効率を高めることができる。
【0017】
又、本発明の他の側面に係る回転電機は、回転可能に配設された回転軸に対して固設され、前記回転軸とともに回転するロータと、前記ロータの径方向外側に配設されたステータコアと、前記ステータコアに巻装され導線により構成されるコイルと、前記ステータコアの軸方向端面から軸方向に突出し、前記コイルを構成する導線によりなるコイルエンド部と、を有するステータと、前記ロータと前記ステータとを内部に収容するハウジングと、を有する回転電機であって、前記回転軸は、当該回転軸に沿った軸方向の一方側において、前記ロータの軸方向端面よりも一方側において、前記回転軸の外周面に開口された吸入口と、前記軸方向他方側にあたる前記ロータの軸方向端面よりも前記軸方向他方側に位置し、当該他方側における前記回転軸の端面に開口された排出口とを連通する冷媒通路を、内部に有し、前記冷媒通路の内部であって、前記吸入口と前記排出口との間となる位置に、ファンを有し、前記ロータの軸方向端面及び前記吸気口よりも前記一方側において、前記回転軸と共に回転することで、前記ロータの軸方向に向かう冷媒の流れを発生させて、前記ステータのコイルエンド部を冷却する外付ファン部材を有することを特徴とする。
【0018】
当該回転電機は、回転軸に固設されたロータと、当該ロータの径方向外側に配設されたステータとを、ハウジング内部に収容して構成されており、ロータを回転軸と共に回転させることにより駆動する。回転軸は、ロータの軸方向端面よりも一方側において、回転軸の外周面に開口された吸入口を有し、ロータの軸方向端面よりも軸方向他方側に位置し、当該他方側における前記回転軸の端面に開口された排出口を有している。更に、当該回転軸は、吸入口と排出口とを連通する冷媒通路を有しており、冷媒通路内部における吸入口と排出口の間に、ファンを有している。また、回転軸は、ロータの軸方向端面及び吸入口よりも一方側において、回転軸と共に回転することで、ロータの軸方向に向かう冷媒の流れを発生させて、ステータのコイルエンド部を冷却する外付ファン部材を有している。
従って、当該回転電機によれば、ロータ及び回転軸の回転により、ファンが、冷媒通路内部において回転軸と共に回転する為、冷媒通路内部の冷媒に流れを生じさせ得る。これにより、当該回転電機によれば、ロータの軸方向端面よりも一方側の冷媒を、吸入口を介して、冷媒通路内部に導入し、排出口を介して、ロータの軸方向端面よりも他方側に排出することができるので、当該回転電機及びその周辺機器を、冷媒の循環を利用して冷却することができる。
また、当該回転電機において、回転軸の吸入口は、ロータの軸方向端面よりも軸方向一方側において、回転軸の外周面に開口されている。ここで、ロータの軸方向端面よりも一方側において、ロータの径方向外側には、ステータのコイルエンド部が位置しており、コイルエンド部やロータ(二次導体や磁石)は、回転電機の駆動に伴い発熱し、その周囲の温度は上昇する。従って、当該回転電機によれば、駆動に伴い上昇したコイルエンド部やロータ周辺の冷媒を、吸入口を介して吸入し、他方側における前記回転軸の端面に開口されている排出口を介して、当該回転電機のハウジング外部へ排出することができ、冷媒を用いて冷却し得る。
また、当該回転電機において、ロータの軸方向端面及び吸気口よりも一方側において、外付ファン部材を有しており、当該外付ファン部材は、回転軸と共に回転することで、ロータの軸方向(ロータやステータ)に向かう気流を発生させて、ステータのコイルエンド部やロータを冷却することができる。これにより、当該回転電機によれば、冷媒通路内に配設されたファンと、外付ファン部材によって、更に効率よく、回転電機(特に、コイルエンド部やロータ)を冷却し得る。
また、外付ファン部材によって吹き付けられることで、コイルエンド部と熱交換をした空気を、吸気口を介して吸気し、回転軸の端面に開口されている排気口を介して排気することができ、更に効率よく、回転電機(特に、コイルエンド部)を冷却し得る。
【0021】
又、本発明の他の側面に係る回転電機は、請求項1乃至請求項の何れかに記載の回転電機であって、前記回転軸は、前記回転軸よりも軸長の短い複数の軸状部材の端面を、摩擦圧接により接合することによって構成されていることを特徴とする。
【0022】
当該回転電機において、前記回転軸は、前記回転軸よりも軸長の短い複数の軸状部材の端面を、摩擦圧接により接合することによって構成されているので、軸状部材単位で作業することで、冷媒通路内の所定位置に対するファンの配設作業等を、より簡便に行い得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態に係る回転電機の概略構成を示す断面図である。
図2】第1実施形態に係る回転電機の主要部を示す拡大断面図である。
図3】第1実施形態に係る回転電機の回転軸の拡大断面図である。
図4】第1実施形態に係る回転電機における回転軸に対する第1ファン部材〜第4ファン部材の配置を示す説明図である。
図5】第1実施形態における各ファン部材の外観斜視図である。
図6】第1実施形態における各ファン部材の正面図である。
図7】回転軸の通気路内に配置した状態の各ファン部材を示す正面図である。
図8】第2実施形態に係る回転電機における回転軸に対するファン部材の配置を示す説明図である。
図9】第2実施形態におけるファン部材の外観斜視図である。
図10】第2実施形態におけるファン部材の正面図である。
図11】第3実施形態に係る回転電機の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る回転電機を、回転電機1に具体化した実施形態(第1実施形態)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下の説明においては、回転電機1の回転軸20が載置面に対して平行となるように配置した場合に、当該回転軸20の軸方向を、回転電機1の前後方向とする。そして、この状態の回転電機1を基準として、回転電機1の上下方向及び左右方向を定義して説明する。
【0025】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係る回転電機1の概略構成について、図1を参照しつつ詳細に説明する。第1実施形態に係る回転電機1は、例えば、車両の駆動機器を構成し、動力伝達部Bと、インバータユニットIとの間に配設されたモータケース50内部に収納されている。図1に示すように、当該回転電機1は、かご型三相誘導電動機であり、かご型回転子として構成されたロータ10と、三相交流電流によって回転磁束を発生させるステータ40と、により構成されている。当該回転電機1は、後述するステータ40から発生する回転磁束と、かご型回転子として構成されたロータ10の二次導体12に発生する誘導電流とが鎖交することにより、ロータ10を回転軸20と共に回転させる。動力伝達部Bは、例えば、ギアボックスであったり、ギア、プーリといった回転力を伝達する機構である。
【0026】
第1実施形態に係る回転電機1のロータ10は、かご型回転子として構成されており、回転軸20の軸芯周りに回転可能に固設されている。図1図2に示すように、ロータ10は、円筒形状のロータコア11と、ロータコア11の周方向に分散配置された複数の二次導体12と、二次導体12の軸方向両端部と接合するエンドリング13と、を有している。
【0027】
そして、ロータコア11は、複数の電磁鋼板製のプレートを積層することによって、回転軸20を取り囲むように円筒形状に構成されており、回転軸20に対して固定されている。又、当該ロータコア11の外周面は、ステータ40の内周面(回転軸20側の面)と間隔を隔てた状態で対向している。
【0028】
複数の二次導体12は、導電材によって中実の棒状に形成されており、ロータコア11の周方向に沿って、等間隔で分散配置されている。図1に示すように、各二次導体12は、ロータコア11の軸方向に沿って一直線状に延びるように配設されている。又、各二次導体12の長さ寸法は、ロータコア11の軸方向寸法とほぼ等しく形成されている。
【0029】
エンドリング13は、端絡環又は短絡環と呼ばれる部材であり、二次導体12と同様に導電材によって、円環状に形成されている。当該エンドリング13は、回転軸20の軸方向におけるロータコア11の両端面に沿って配設されており、各二次導体12の端部に接合されている。これにより、各二次導体12は、一対のエンドリング13と接合されることにより、短絡されている。
【0030】
そして、回転軸20は、モータケース50に配設されたベアリング55を介して、モータケース50内に回転可能に支持されており、ロータ10の回転中心として機能する(図1参照)。回転軸20は、回転電機1の鉛直断面におけるステータ40の中心において、前後方向に延びており、ロータ10の回転中心として機能する。
【0031】
図1に示すように、回転軸20は、中空状に形成された軸部材であり、冷媒通路としての通気路21と、吸入口としての吸気口23と、排出口としての排気口24とを有している。通気路21は、回転軸20の軸方向に沿って延びており、吸気口23と排気口24との間を連結している。
【0032】
吸気口23は、図1に示すように、インバータユニットI側のロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側に形成されている。第1実施形態において、吸気口23は、回転軸20におけるインバータユニットI側の端面に形成されており、更に、インバータユニットI側における回転軸20の外周面の複数個所に形成されている。当該吸気口23は、インバータユニットI側に位置する冷媒としての空気を、通気路21内部に吸気する開口部として機能する。
【0033】
尚、第1実施形態において、吸気口23は、前記ロータ10の軸方向端面よりも一方側(即ち、インバータユニットI側)に位置する回転軸20の端面、及び回転軸20の外周面における複数個所に形成されているが、この位置に限定されるものではない。ロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側であれば、吸気口23は、回転軸20における種々の箇所に形成することができる。
【0034】
そして、排気口24は、図1に示すように、動力伝達部B側のロータ10の軸方向端面よりも動力伝達部B側に形成されている。第1実施形態において、排気口24は、図示は省略するが、回転軸20における動力伝達部B側の端面に形成されており、例えば、ギアやプーリが接続されていれば、ギアやプーリを貫通した回転軸20の端面に形成されている。そして、排気口24は、通気路21内部の空気を、動力伝達部B側へ排気する開口部として機能する。
【0035】
尚、第1実施形態においては、排気口24は、前記ロータ10の軸方向端面よりも他方側(即ち、動力伝達部B側)に位置する回転軸20の端面に形成されているが、この位置に限定されるものではない。ロータ10の軸方向端面よりも動力伝達部B側であれば、排気口24は、回転軸20における種々の箇所に形成することができる。
【0036】
又、図3に示すように、回転軸20は、複数の軸状部材20Aを接合することにより形成されている。各軸状部材20Aは、回転軸20よりも軸長の短い略円筒形状の部材である。回転軸20は、各軸状部材20Aの端面を、例えば、相互に摩擦圧接することにより構成されている。そして、回転軸20の内部に形成された通気路21の内壁面には、回転軸20の軸方向に従って螺旋を描くネジ溝が形成されており、ネジ加工面22とされている(図3参照)。
【0037】
図1図2に示すように、回転軸20の通気路21内部には、ファン部材30が、吸気口23と排気口24の間に、焼き嵌めにより固設されている。ファン部材30は、円筒部材の内部に、当該ファン部材30の軸方向に従って螺旋を描く複数の羽根部31を有しており、当該ファン部材30を回転させることで、軸方向へ向かう気流を発生させる。
【0038】
第1実施形態においては、ファン部材30として、第1ファン部材30A〜第4ファン部材30Dを、通気路21内部における吸気口23と排気口24の間に、夫々焼き嵌めにより固設している(図1図3参照)。具体的には、インバータユニットI側に位置する吸気口23側から動力伝達部B側の排気口24に向かって、第1ファン部材30A、第2ファン部材30B、第3ファン部材30C、第4ファン部材30Dの順に固設されている。尚、各ファン部材30(第1ファン部材30A〜第4ファン部材30D)が固設される通気路21の内壁面は、ネジ加工面22であってもよいし、ネジ加工がされていなくてもよい。
【0039】
尚、第1実施形態においては、第1ファン部材30A〜第4ファン部材30Dは、通気路21内において固設される位置を除き、基本的に同一の構成である。以下の説明においては、第1ファン部材30Aにおける羽根部31を「第1羽根部31A」といい、第2ファン部材30Bにおける羽根部31を「第2羽根部31B」という。そして、第3ファン部材30Cにおける羽根部31を「第3羽根部31C」といい、第4ファン部材30Dの羽根部31を「第4羽根部31D」という。
【0040】
そして、図5図6に示すように、第1実施形態においては、第2ファン部材30Bは、吸気口23側に隣接する第1ファン部材30Aよりも時計回りに所定角度回転した状態で、通気路21内に第1ファン部材30Aに隣接して固設されている。そして、第3ファン部材30Cは、吸気口23側に隣接する第2ファン部材30Bよりも時計回りに所定角度回転した状態で、通気路21内に第2ファン部材30Bに隣接して固設されている。更に、第4ファン部材30Dは、吸気口23側に隣接する第3ファン部材30Cよりも時計回りに所定角度回転した状態で、通気路21内に第3ファン部材30Cに隣接して固設されている。
【0041】
従って、第1ファン部材30A〜第4ファン部材30Dをこのような状態で固設することで、図7に示すように、第1羽根部31A〜第4羽根部31Dは、回転軸20の軸方向に従って螺旋を描くように配置される。この結果、ロータ10及び回転軸20の回転に伴って、第1羽根部31A〜第4羽根部31Dによって、回転軸20内により強い気流を発生させることができる。
【0042】
図1に示すように、ステータ40は、モータケース50内部において固定されており、略円筒形状のステータコア41と、ステータコア41に巻装されたステータコイルと、を備えている。ステータコア41は、複数枚の電磁鋼板を積層して形成された略円筒形状をなす。又、ステータコア41は、周方向に分散配置されて軸方向に延びる複数のティース及びスロット(図示せず)を有している。各スロットは、夫々、2つのティースの周方向の間に形成されている。
【0043】
ステータコイルは、導体で構成されており、ステータコア41に形成された各スロットを通ってティースに巻装されている。上述したように、当該ステータ40は、三相交流で駆動される誘導電動機のステータである為、U相、V相、及びW相の三相のステータコイルを備え、各相の交流電流が供給されることによって、回転磁束を発生させる。そして、各相のステータコイルは、ステータコア41の軸方向端面にかぶさるように、ステータコア41に形成された複数のスロットを跨って巻装されている。従って、ステータコア41の軸方向両側には、コイルエンド部42が、当該ステータ40におけるステータコイルの一部として、ステータコア41の軸方向端面から突出するように形成されている。
【0044】
モータケース50は、ロータ10と、ステータ40とを収容するケースであり、ステータ固定部51と、フロントケース52と、リアケース53とを有している(図1参照)。ステータ固定部51は、フロントケース52とリアケース53との間に位置する筒状の筐体であり、筒状の筐体における内径に対して、ステータコア41が圧入されることにより、モータケース50内部の所定位置に、ステータ40を固定している。
【0045】
フロントケース52は、モータケース50前方側(動力伝達部B側)の部分を構成し、動力伝達部B側におけるロータ10及びステータ40を覆っている。フロントケース52は、動力伝達部B側の面に、ベアリング55を有しており、当該ベアリング55によって、回転軸20を回転可能に支持している。
【0046】
そして、リアケース53は、モータケース50後方側(インバータユニットI)の部分を構成し、インバータユニットI側におけるロータ10、ステータ40を覆っている。リアケース53は、インバータユニットI側の面に、フロントケース52と同様に、ベアリング55を有しており、当該ベアリング55によって、回転軸20を回転可能に支持している。
【0047】
又、リアケース53には、ベアリング55の周囲に、複数の通気口53Aを有しており、モータケース50の内部と外部を連通している。従って、当該回転電機1によれば、回転軸20の回転に伴って、インバータユニットI周辺の空気を、モータケース50内部へ吸い込み、吸気口23、通気路21、排気口24を介して、動力伝達部B側に排気することができる。
【0048】
以上説明したように、第1実施形態に係る回転電機1は、回転軸20に固設されたロータ10と、当該ロータ10の径方向外側に配設されたステータ40とを、モータケース50内部に収容して構成されており、ロータ10を回転軸20と共に回転させることにより駆動する。回転軸20は、ロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側に吸気口23を有し、ロータ10の軸方向端面よりも動力伝達部B側に、排気口24を有している。更に、当該回転軸20は、吸気口23と排気口24とを連通する通気路21を有しており、通気路21内部における吸気口23と排気口24の間に、第1ファン部材30A〜第4ファン部材30Dを有している。
【0049】
ロータ10及び回転軸20の回転により、第1ファン部材30A〜第4ファン部材30Dが、通気路21内部において回転軸20と共に回転する為、通気路21内部に、吸気口23から排気口24へと向かう気流を生じさせ得る。これにより、ロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側の空気を、吸気口23を介して、通気路21内部に導入し、排気口24を介して、ロータ10の軸方向端面よりも動力伝達部B側に排出することができるので、当該回転電機1によれば、当該回転電機1及びその周辺機器(例えば、インバータユニットI、動力伝達部B)を、気体の循環を利用して冷却することができる。
【0050】
図4図6等に示すように、第1ファン部材30A〜第4ファン部材30Dは、前記回転軸20とは別体に形成されており、前記通気路21の内部における前記吸気口23と前記排気口24との間に、焼き嵌めにより固定されている。これにより、当該回転電機1によれば、別体に形成された第1ファン部材30A〜第4ファン部材30Dを、回転軸20に焼き嵌めすることにより、通気路21内部の所定位置に夫々固定することができるので、より簡単な作業で実現し得る。
【0051】
そして、第1ファン部材30A〜第4ファン部材30Dは、夫々、気流を生じさせる為の複数の羽根部31として、第1羽根部31A〜第4羽根部31Dを有しており、通気路21内部の所定位置に配設されているので、回転電機1等に対する冷却効率を、より高めることができる。更に、第1羽根部31A〜第4羽根部31Dは、回転軸20の軸方向に従って、螺旋を描くように配置されているので、通気路21内に強い気流を生じさせることができ、回転電機1及びその周辺装置を、より効率よく冷却することができる。
【0052】
又、図3に示すように、通気路21内壁面は、ネジ加工面22として構成されており、回転軸20の軸方向に従って螺旋を描くネジ溝が形成されている。通気路21の内壁面を、ネジ加工面22として構成することにより、通気路21内を通る気流との接触面積を増やすことができるので、ロータ10における冷却効率を高めることができる。
【0053】
そして、回転軸20の吸気口23は、前記ロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側において、回転軸20の端面に加え、インバータユニットI側に位置する回転軸20の外周面における複数個所に開口されている。ここで、図1等に示すように、ロータ10の径方向外側には、ステータ40のコイルエンド部42が位置しており、コイルエンド部42は、回転電機1の駆動に伴い発熱し、その周囲の温度は上昇する。従って、当該回転電機1によれば、駆動に伴い上昇したコイルエンド部42周辺の空気を、吸気口23を介して吸気し、動力伝達部B側における前記回転軸20の端面に開口されている排気口24を介して、当該回転電機1のモータケース50外部へ排気することができ、気体を用いて冷却し得る。
【0054】
又、このようにすることで、例えばインバータユニットIを冷却した冷媒を、回転電機1を冷却するのに用い、暖められた冷媒を動力伝達部B側へ排出することで、再びインバータユニットIを冷却するために用いられることを抑制でき、インバータユニットIの冷却には新鮮な(比較的低温な)冷媒を用いることができる。つまり、本実施形態は、回転電機1の軸方向一方から吸入された冷媒は他方へ排出することで、温められた冷媒がそのまま再循環してしまうことを抑制している。一方、例えば、回転電機1の外周面側へ冷媒を排出した場合、暖かい冷媒が再びインバータユニットIの冷却に用いられる可能性が高い。
【0055】
そして、図3に示すように、前記回転軸20は、複数の軸状部材20Aの端面を、相互に摩擦圧接により接合することで構成されているので、各軸状部材20A単位で、種々の作業を行い得る。即ち、当該回転電機1によれば、軸状部材20A単位で作業することで、通気路21内の所定位置に対するファン部材30の配設作業や、ネジ加工面22の形成作業等を、より簡便に行い得る。
【0056】
(第2実施形態)
次に、上述した第1実施形態と異なる実施形態(第2実施形態)について、図8図10を参照しつつ詳細に説明する。尚、第2実施形態に係る回転電機1は、第1実施形態に係る回転電機1と同一の基本的構成を有しており、ファン部材30の構成が相違する。即ち、第2実施形態に係る回転電機1においては、ロータ10と、回転軸20と、ステータ40と、モータケース50等の構成は第1実施形態と同一である為、これらの構成に関する説明は省略する。
【0057】
第2実施形態に係る回転電機1においては、回転軸20の通気路21内部において、一のファン部材30が、吸気口23と排気口24の間の所定位置に、焼き嵌めによって固設されている。第2実施形態に係るファン部材30は、第1実施形態に係る第1ファン部材30A〜第4ファン部材30Dと同様に、円筒部材の内部に、当該ファン部材30の軸方向に従って螺旋を描く8枚の羽根部31を有しており、当該ファン部材30を回転させることで、軸方向へ向かう気流を発生させる。
【0058】
即ち、本発明におけるファン部材30は、第1実施形態における第1ファン部材30A〜第4ファン部材30Dのように、複数配設しなればならないものではなく、一のファン部材30としてもよい。又、ファン部材30における複数の羽根部31は、第1実施形態のように、4枚であってもよいし、第2実施形態のように8枚であってもよい。一のファン部材30における羽根部31の数は、必要とする気流の強さに応じて、適宜設定することができる。
【0059】
以上説明したように、第2実施形態に係る回転電機1は、第1実施形態と同様に、回転軸20に固設されたロータ10と、当該ロータ10の径方向外側に配設されたステータ40とを、モータケース50内部に収容して構成されており、ロータ10を回転軸20と共に回転させることにより駆動する。回転軸20は、ロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側に吸気口23を有し、ロータ10の軸方向端面よりも動力伝達部B側に、排気口24を有している。更に、当該回転軸20は、吸気口23と排気口24とを連通する通気路21を有しており、通気路21内部における吸気口23と排気口24の間に、ファン部材30を有している。
【0060】
ロータ10及び回転軸20の回転により、ファン部材30が、通気路21内部において回転軸20と共に回転する為、通気路21内部に、吸気口23から排気口24へと向かう気流を生じさせ得る。これにより、ロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側の空気を、吸気口23を介して、通気路21内部に導入し、排気口24を介して、ロータ10の軸方向端面よりも動力伝達部B側に排出することができるので、当該回転電機1は、当該回転電機1及びその周辺機器(例えば、インバータユニットI、動力伝達部B)を、気体の循環を利用して冷却することができる。
【0061】
図8図10に示すように、ファン部材30は、前記回転軸20とは別体に形成されており、前記通気路21の内部における前記吸気口23と前記排気口24との間に、焼き嵌めにより固定されている。これにより、当該回転電機1によれば、別体に形成されたファン部材30を、回転軸20に焼き嵌めすることにより、通気路21内部の所定位置に固定することができるので、より簡単な作業で実現し得る。
【0062】
そして、ファン部材30は、気流を生じさせる為の複数の羽根部31を有しており、各羽根部31は、回転軸20の軸方向に従って、螺旋を描くように配置されているので、通気路21内に強い気流を生じさせることができ、回転電機1及びその周辺装置を、より効率よく冷却することができる。
【0063】
又、第2実施形態においても、通気路21内壁面は、ネジ加工面22として構成されており、回転軸20の軸方向に従って螺旋を描くネジ溝が形成されている。通気路21の内壁面を、ネジ加工面22として構成することにより、通気路21内を通る気流との接触面積を増やすことができるので、ロータ10における冷却効率を高めることができる。
【0064】
そして、回転軸20の吸気口23は、前記ロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側において、回転軸20の端面に加え、インバータユニットI側に位置する回転軸20の外周面における複数個所に開口されている。従って、当該回転電機1によれば、第1実施形態と同様に、駆動に伴い上昇したコイルエンド部42周辺の空気を、吸気口23を介して吸気し、動力伝達部B側における前記回転軸20の端面に開口されている排気口24を介して、当該回転電機1のモータケース50外部へ排気することができ、気体を用いて冷却し得る。
【0065】
又、第2実施形態に係る回転軸20も、複数の軸状部材20Aの端面を、相互に摩擦圧接により接合することで構成されているので、各軸状部材20A単位で、種々の作業を行い得る。即ち、当該回転電機1によれば、軸状部材20A単位で作業することで、通気路21内の所定位置に対するファン部材30の配設作業や、ネジ加工面22の形成作業等を、より簡便に行い得る。
【0066】
(第3実施形態)
続いて、上述した第1実施形態、第2実施形態と異なる実施形態(第3実施形態)について、図11を参照しつつ詳細に説明する。尚、第3実施形態に係る回転電機1は、第1実施形態、第2実施形態に係る回転電機1と同一の基本的構成を有しており、回転軸20、ファン部材30、外付ファン部材60の構成が相違する。即ち、第3実施形態に係る回転電機1においては、ロータ10と、ステータ40等の構成は第1実施形態等と同一である為、これらの構成に関する説明は省略する。
【0067】
第3実施形態に係る回転電機1において、回転軸20は、回転軸20の軸方向に沿って伸び、吸気口23と排気口24の間を連通する通気路21を有している。図11に示すように、第3実施形態における吸気口23は、インバータユニットI側における回転軸20の外周面の複数個所に形成されており、インバータユニットI側のロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側に位置している。そして、第3実施形態における排気口24は、回転軸20における動力伝達部B側の端面に形成されており、ロータ10の軸方向端面よりも動力伝達部B側に位置している。
【0068】
そして、第3実施形態においても、ファン部材30は、通気路21内部において、吸気口23と排気口24の間に固設されており、回転軸20等の回転に伴って、吸気口23から排気口24へと向かう気流を発生させる。
【0069】
ここで、第3実施形態に係る回転電機1においては、外付ファン部材60が、前記ロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側において、回転軸20に対して固設されている。当該外付ファン部材60は、前記回転軸20と共に回転することで、前記ロータ10の軸方向(ロータ10やステータ40)に向かう気流を発生させることができる。これにより、当該回転電機1は、モータケース50外部から通気口53Aを介して導入された気体を、外付ファン部材60により生じる気流としてコイルエンド部42とロータ10に吹き付けることができ、当該気流によって、前記ロータ10と前記ステータ40のコイルエンド部42を冷却することができる。
【0070】
以上説明したように、第3実施形態に係る回転電機1は、第1実施形態、第2実施形態と同様に、回転軸20に固設されたロータ10と、当該ロータ10の径方向外側に配設されたステータ40とを、モータケース50内部に収容して構成されており、ロータ10を回転軸20と共に回転させることにより駆動する。回転軸20は、ロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側に吸気口23を有し、ロータ10の軸方向端面よりも動力伝達部B側に、排気口24を有している。更に、当該回転軸20は、吸気口23と排気口24とを連通する通気路21を有しており、通気路21内部における吸気口23と排気口24の間に、ファン部材30を有している。
【0071】
ロータ10及び回転軸20の回転により、ファン部材30が、通気路21内部において回転軸20と共に回転する為、通気路21内部に、吸気口23から排気口24へと向かう気流を生じさせ得る。これにより、ロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側の空気を、吸気口23を介して、通気路21内部に導入し、排気口24を介して、ロータ10の軸方向端面よりも動力伝達部B側に排出することができるので、当該回転電機1は、当該回転電機1及びその周辺機器(例えば、インバータユニットI、動力伝達部B)を、気体の循環を利用して冷却することができる。
【0072】
図11に示すように、ファン部材30は、前記回転軸20とは別体に形成されており、前記通気路21の内部における前記吸気口23と前記排気口24との間に、焼き嵌めにより固定されている。これにより、当該回転電機1によれば、別体に形成されたファン部材30を、回転軸20に焼き嵌めすることにより、通気路21内部の所定位置に固定することができるので、より簡単な作業で実現し得る。
【0073】
そして、ファン部材30は、第1実施形態、第2実施形態と同様に、気流を生じさせる為の複数の羽根部31を有しており、各羽根部31は、回転軸20の軸方向に従って、螺旋を描くように配置されているので、通気路21内に強い気流を生じさせることができ、回転電機1及びその周辺装置を、より効率よく冷却することができる。
【0074】
又、第3実施形態においても、通気路21内壁面は、ネジ加工面22として構成されており、回転軸20の軸方向に従って螺旋を描くネジ溝が形成されている。通気路21の内壁面を、ネジ加工面22として構成することにより、通気路21内を通る気流との接触面積を増やすことができるので、ロータ10における冷却効率を高めることができる。
【0075】
又、第3実施形態においては、外付ファン部材60が、前記ロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側において、回転軸20に対して固設されている。当該外付ファン部材60は、前記回転軸20と共に回転することで、前記ロータ10の軸方向に向かう気流を発生させることができる。これにより、当該回転電機1は、モータケース50外部から通気口53Aを介して導入された気体を、外付ファン部材60により生じる気流としてコイルエンド部42に吹き付けることができ、当該気流によって、前記ステータ40のコイルエンド部42を冷却することができる。
【0076】
そして、回転軸20の吸気口23は、前記ロータ10の軸方向端面よりもインバータユニットI側において、回転軸20の外周面における複数個所に開口されている。従って、当該回転電機1によれば、第1実施形態、第2実施形態と同様に、駆動に伴い上昇したコイルエンド部42周辺の空気や、外付ファン部材60によって吹き付けられることで、コイルエンド部42と熱交換をした空気を、吸気口23を介して吸気し、動力伝達部B側における前記回転軸20の端面に開口されている排気口24を介して、当該回転電機1のモータケース50外部へ排気することができ、気体を用いて冷却し得る。
【0077】
又、第3実施形態に係る回転軸20も、複数の軸状部材20Aの端面を、相互に摩擦圧接により接合することで構成されているので、各軸状部材20A単位で、種々の作業を行い得る。即ち、当該回転電機1によれば、軸状部材20A単位で作業することで、通気路21内の所定位置に対するファン部材30の配設作業や、ネジ加工面22の形成作業等を、より簡便に行い得る。
【0078】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上述した実施形態においては、本発明における回転電機を、かご型三相誘導電動機に適応していたが、この態様に限定されるものではなく、回転電機であれば、本発明を適応することができる。具体的には、例えば、本発明を、IPMモータに適応することができる。
又、上述した実施形態においては、冷媒として空気(気体)を用いていたが、水や油を用いた液冷式としてもよい。
又、排出口としての排気口24を回転軸20の動力伝達部B側端部に設けたが、ロータ10の軸方向端面よりも動力伝達部B側に設ければよく、回転軸20の外周面に設けても良い。その場合、フロントケース52に通気口を設け、冷媒を排出させるとよい。
【0079】
又、上述した実施形態においては、回転軸20は、ロータコア11に対して、インバータユニットI側に吸気口23を有し、ロータコア11に対して動力伝達部B側に排気口24を有していたが、この構成に限定されるものではない。即ち、回転軸20の構成を、動力伝達部B側に吸気口23、インバータユニットI側に排気口24を有する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 回転電機
10 ロータ
20 回転軸
21 通気路
23 吸気口
24 排気口
30 ファン部材
30A 第1ファン部材
30B 第2ファン部材
30C 第3ファン部材
30D 第4ファン部材
31 羽根部
40 ステータ
42 コイルエンド部
50 モータケース
B 動力伝達部
I インバータユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11