(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのプリンター1における各構成要素の配置を説明するための左側面断面図である。本実施形態において、後述する手差しトレイ65が配置された側(
図1における右側)をプリンター1の前側とする。
【0011】
プリンター1は、筐体Mと、所定の画像情報に基づいて用紙(被転写材)Tに所定の画像を形成する画像形成部と、用紙Tを画像形成部に給紙すると共に画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部とを有する。
【0012】
図1に示すように、画像形成部は、感光体ドラム2と、帯電部10と、レーザースキャナーユニット4と、現像器16と、トナーカートリッジ5と、トナー供給装置6と、転写ローラー8と、定着装置9と、ドラムクリーニング装置11とを備える。また、給排紙部は、給紙カセット52と、手差しトレイ65と、レジストローラー対80と、用紙Tの搬送路Lとを備える。
【0013】
感光体ドラム2は、円筒形状の部材からなり、像担持体として機能する。感光体ドラム2は、
図1に対して垂直な回転軸を中心に回転可能な態様で筐体Mに配置される。感光体ドラム2の表面には、静電潜像が形成される。
【0014】
帯電部10は、感光体ドラム2の上方に配置される。帯電部10は、感光体ドラム2の表面を一様に正(プラス極性)帯電させる。
【0015】
レーザースキャナーユニット4は、感光体ドラム2の上方に感光体ドラム2から離間して配置される。レーザースキャナー4は、不図示のレーザー光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モーター等を有して構成される。
【0016】
レーザースキャナーユニット4は、PC(パーソナルコンピューター)等の外部機器から出力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2の表面を走査露光する。レーザースキャナーユニット4により走査露光されることによって、感光体ドラム2の表面に帯電した電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2の表面に静電潜像が形成される。
【0017】
現像器16は、感光体ドラム2の前方(
図1における右側)に配置される。現像器16は、感光体ドラム2に形成された静電潜像に単色(通常はブラック)のトナー画像を現像する。現像器16は、感光体ドラム2に対向配置可能な現像ローラー17とトナー攪拌用の攪拌ローラー18とを有して構成される。
【0018】
トナーカートリッジ5は、現像器16に供給されるトナーを収容する。
【0019】
トナー供給装置6は、トナーカートリッジ5に収容されたトナーを、現像器16に供給する。
【0020】
ドラムクリーニング装置11は、感光体ドラム2の後方(
図1における左側)に配置される。ドラムクリーニング装置11は、感光体ドラム2の表面に残留したトナーや付着物を除去する。ドラムクリーニング装置11によって除去されたトナーを蓄積する廃トナー部12が定着装置9の搬送上流側に隣接配置されている。
【0021】
転写ローラー8は、感光体ドラム2の表面に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる転写装置として機能する。転写ローラー8には、不図示の電圧印加手段により、感光体ドラム2に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させるための転写バイアスが印加される。
【0022】
転写ローラー8は、感光体ドラム2に対して接離される。具体的には、転写ローラー8は、感光体ドラム2に当接される当接位置と、感光体ドラム2から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、転写ローラー8は、感光体ドラム2に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる場合には当接位置に移動され、他の場合には離間位置に移動される。
【0023】
用紙Tは、感光体ドラム2と転写ローラー8とによって挟み込まれ、感光体ドラム2の表面(トナー画像が現像された側)に押し当てられる。このようにして転写ニップNが形成され、感光体ドラム2に現像されたトナー画像は、用紙Tに転写される。
【0024】
定着装置9は、用紙Tに転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融させて、用紙Tに定着させる。定着装置9は、ヒーターにより加熱される加熱ローラー9aと、加熱ローラー9aに圧接される加圧ローラー9bと、を備える。加熱ローラー9aと加圧ローラー9bとは、トナー画像が転写された用紙Tを挟持するようにして搬送する。用紙Tが加熱ローラー9aと加圧ローラー9bとの間に挟持されるように搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融し、定着する。なお、本実施形態では、このように加熱ローラー9a及び加圧ローラー9bを有する定着装置9を例にして説明するが、定着装置は、他の構成、例えば、加熱ローラー9aに代えて加熱ベルトによる加熱機構を有するものであってもよい。
【0025】
給紙カセット52は、筐体Mの下部に配置される。給紙カセット52は、筐体Mの前側(
図1における右側)に水平方向に引き出し可能に配置される。給紙カセット52は、用紙Tが載置される載置板521を備えており、給紙カセット52には、載置板521に用紙Tが積層された状態で、用紙Tが収容される。カセット給紙部51は、給紙カセット52の用紙送り出し側端部(
図1における右側端部)に配置される。カセット給紙部51は、給紙カセット52に収容された用紙Tを搬送路Lに送り出す。
【0026】
カセット給紙部51は、載置板521に載置された用紙Tを取り出す前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すローラー対63とからなる重送防止機構を備える。
【0027】
カセット給紙部51又は手差し給紙部64と排紙部50との間には、用紙Tを搬送する搬送路Lが形成される。搬送路Lは、カセット給紙部51から第1合流部P1までの第1搬送路L1と、第1合流部P1からレジストローラー対80までの第2搬送路L2と、レジストローラー対80から転写ローラー8までの第3搬送路L3と、転写ローラー8から定着装置9までの第4搬送路L4と、定着装置9から分岐部P3までの第5搬送路L5と、分岐部P3から排紙部50までの第6搬送路L6と、手差しトレイ65から第1合流部P1までの第7搬送路L7と、を有する。
【0028】
第1合流部P1は、カセット給紙部51から用紙Tを搬送する第1搬送路L1と、手差しトレイ65から用紙Tを搬送する第7搬送路L7との合流部である。
【0029】
第2搬送路L2の途中には、第2合流部P2が配置される。さらに、搬送路Lは、分岐部P3から第2合流部P2までの戻し搬送路Lbを有する。第2合流部P2は、第2搬送路L2と戻し搬送路Lbとの合流部である。
【0030】
ここで、転写ローラー8における用紙Tの搬送方向の上流側(
図1における右側)には、レジストローラー対80が配置される。レジストローラー対80は、停止状態で給紙コロ66から給紙された用紙Tの先端部T1が一旦当接された後、回転駆動して用紙Tを搬送方向の下流側に送り出すローラー対である。また、レジストローラー対80は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や、トナー画像とのタイミング調整を行うためのローラー対である。
【0031】
戻し搬送路Lbは、用紙Tの両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(非印刷面)を感光体ドラム2に対向させるために設けられる搬送路である。戻し搬送路Lbによれば、分岐部P3から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第2搬送路L2に戻すことができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tは、感光体ドラム2により非印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
【0032】
筐体Mの前面側(
図1における右側)であって給紙カセット52の上方には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、用紙載置部である手差しトレイ65と、給紙ローラーである給紙コロ66とを備える。
【0033】
手差しトレイ65は、その基端部が第7搬送路L7の入口近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。手差しトレイ65は、その閉状態において、筐体Mの前面の一部を構成する。
【0034】
給紙コロ66は、手差しトレイ65に載置された用紙Tを取り出し、第7搬送路L7に向けて送り出す。
【0035】
手差し給紙部64は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを、第7搬送路L7及び第1合流部P1を介して、第2搬送路L2に給紙する。
【0036】
第6搬送路L6における端部には、排紙部50が形成される。排紙部50は、筐体Mにおける上方側に配置される。排紙部50は、筐体Mの前方(
図1における右方)に向けて開口している。排紙部50は、定着装置9によりトナーが定着された用紙Tを筐体Mの外部に排紙する。
【0037】
排紙部50における開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、筐体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、筐体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、筐体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、排紙部50から排紙された、所定画像が転写された用紙Tが積層して集積される。
【0038】
以下、定着装置9から発生する熱を効率よく機外へ排出するための構造について、いくつかの実施形態を提示しつつ説明する。
【0039】
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置(プリンター1)の定着装置9付近の構造を示す左側面断面図である。
図3は、定着装置9を外した状態の第1の実施形態に係る画像形成装置(プリンター1)の斜視図である。
図4は、さらにガイド部材56を外した第1の実施形態に係る画像形成装置(プリンター1)の斜視図である。ガイド部材56は、搬送路L6の湾曲内側のガイド部材であり、ダクトフレーム55の上部に配置される。
【0040】
ダクトフレーム55は、例えば樹脂でできている。ダクトフレーム55は、定着装置9を挟んで加熱ローラー9a及び加圧ローラー9bの回転軸方向における各側方に対向させて配置された2つの側板70L、70R間に渡されている。ダクトフレーム55は、定着装置9の直上に配置されて下面が開口している。ダクトフレーム55の上内面55aは、上記回転軸方向からの視認で上方(
図2に示す側面視では、ダクトフレーム55の短手方向)に傾斜しており、具体的には、廃トナー部12へ向かって上がるように傾斜している。
【0041】
ダクトフレーム55の上内面55aの傾斜上端部には、定着装置9から発生する熱100をダクトフレーム55の外部へ排出する開口部55bが形成されている。開口部55bは、例えば、スリット状にしてダクトフレーム55の傾斜上端部に、ダクトフレーム55の長手方向、すなわち上記回転軸方向において数カ所設けることができる。
【0042】
なお、定着装置9が、加熱ローラー9a及び加圧ローラー9bを有するものではない場合、例えば、加熱ローラー9aに代えて加熱ベルトによる加熱機構を有するといった他の構成である場合は、ダクトフレーム55は、定着装置9を挟む各側方に配置された2つの側板70L、70R間に架け渡されることになる。また、ダクトフレーム55の上内面は、定着装置9に対する当該側方からの視認で上方に傾斜するものとされる。
【0043】
また、側板70Lに、少なくともダクトフレーム55の上内面55aの傾斜上端部の側端面及び廃トナー部12の側端面を露出させる開口部601が設けられている。側板70Lの開口部601にファン60が設置されている。側板70Lではなく、側板70Rに同様の開口部とファン60を設けてもよい。
【0044】
本実施形態によると、
図2中の矢印101で示したように、ダクトフレーム55の上内面55aが上方に傾斜しているため、定着装置9から発生した熱100がダクトフレーム55の上内面55aに沿って傾斜上方へ移動し、開口部55bからダクトフレーム55の外部へ排出される。そして、プリンター1の側面から開口部55b及び廃トナー部12に向けてファン60によってプリンター1内へ外気を吹き付ける、又はプリンター1内の空気を吸い出すことにより、開口部55bからの排熱を効率的に冷却することができるとともに、廃トナー部12も冷却することができる。
【0045】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る画像形成装置(プリンター1)の定着装置9付近の構造を示す左側面断面図である。
図6は、定着装置9を外した状態の第2の実施形態に係る画像形成装置(プリンター1)の斜視図である。
図7は、さらにガイド部材58を外した第2の実施形態に係る画像形成装置(プリンター1)の斜視図である。ガイド部材58は、搬送路L6の湾曲内側のガイド部材であり、ダクトフレーム57の外面を覆うように配置されている。
【0046】
ダクトフレーム57は、板金でできている。ダクトフレーム55は、上記回転軸方向における各側方に対向させて配置された2つの側板70L、70R間に渡されている。ダクトフレーム57は、定着装置9の直上に配置されて下面が開口している。ダクトフレーム57の上内面57aは、上記回転軸方向からの視認で上方(
図5に示す側面視では、ダクトフレーム57の短手方向)に傾斜しており、具体的には、廃トナー部12へ向かって上がるように傾斜している。
【0047】
ダクトフレーム57の上内面57aの傾斜上端部に、定着装置9から発生する熱100をダクトフレーム57の外部へ排出する開口部57bが設けられている。開口部57bは、例えば、スリット状にしてダクトフレーム57の傾斜上端部に、ダクトフレーム57の長手方向、すなわち上記回転軸方向において数カ所設けることができる。
【0048】
また、第1実施形態と同様に、側板70Lに、少なくともダクトフレーム57の上内面57aの傾斜上端部の側端面及び廃トナー部12の側端面を露出させる開口部601が設けられている。側板70Lの開口部601にファン60が設置されている。側板70Lではなく、側板70Rに開口部601とファン60を設けてもよい。
【0049】
本実施形態によると、
図5中の矢印101で示したように、ダクトフレーム57の上内面57aが上方に向かって傾斜しているため、定着装置9から発生した熱100がダクトフレーム57の上内面57aに沿って傾斜上方へ移動し、開口部57bからダクトフレーム57の外部へ排出される。そして、プリンター1の側面から開口部57b及び廃トナー部12に向けてファン60によってプリンター1内へ外気を吹き付ける、又はプリンター1内の空気を吸い出すことにより、開口部57bからの排熱を効率的に冷却することができるとともに、廃トナー部12も冷却することができる。さらに、ダクトフレーム57が板金でできていることにより、樹脂でできたダクトフレーム55を用いる第1の実施形態よりも放熱効果が上がり、より冷却効率を上げることができる。
【0050】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る画像形成装置(プリンター1)の定着装置9付近の構造を示す左側面断面図である。
【0051】
第1実施形態と同様に、ダクトフレーム55は、樹脂でできており、対向して配置された2つの側板(図略)間に渡され、定着装置9の直上に配置されて下面が開口している。ダクトフレーム55の上部には、搬送路L6の湾曲内側のガイド部材56が配置されている。第3実施形態では、ダクトフレーム55の上内面55aは、上記回転軸方向からの視認で上方(ダクトフレーム55の短手方向)に傾斜しており、具体的には、搬送路L6へ向かって上がるように傾斜している。
【0052】
ダクトフレーム55の上内面55aの傾斜上端部に、定着装置9から発生する熱100をダクトフレーム55の外部へ排出する開口部55bが設けられている。開口部55bは、例えば、スリット状にしてダクトフレーム55の傾斜上端部に、ダクトフレーム55の長手方向、すなわち上記回転軸方向において数カ所設けることができる。
【0053】
また、第1及び第2実施形態と同様に、2つの側板のいずれか一方に、少なくともダクトフレーム55の上内面55aの傾斜上端部の側端面及び搬送路L6の側端面を露出させる開口部が設けられている。その側板の開口部にファン60が設置されている。
【0054】
本実施形態によると、
図8中の矢印101で示したように、ダクトフレーム55の上内面55aが上方に向かって傾斜しているため、定着装置9から発生した熱100がダクトフレーム55の上内面55aに沿って傾斜上方へ移動し、開口部55bからダクトフレーム55の外部へ排出される。そして、プリンター1の側面から開口部55b及び搬送路L6に向けてファン60によってプリンター1内へ外気を吹き付ける、又はプリンター1内の空気を吸い出すことにより、開口部55bからの排熱を効率的に冷却することができる。また、搬送路L6も冷却することができるため、搬送路L6を搬送されて排紙部50から排出される用紙も同時に冷却することができる。
【0055】
(第4の実施形態)
図9は、第4の実施形態に係る画像形成装置(プリンター1)の定着装置9付近の構造を示す左側面断面図である。
【0056】
ダクトフレーム57は、板金でできている。ダクトフレーム55は、上記回転軸方向における各側方に対向させて配置された2つの側板70L、70R間に渡されている。ダクトフレーム57は、定着装置9の直上に配置されて下面が開口している。ダクトフレーム57の上内面57aは、上記回転軸方向からの視認において、具体的には、廃トナー部12へ向かって上がるように傾斜している。
【0057】
ダクトフレーム57の上内面57aの傾斜上端部に、定着装置9から発生する熱100をダクトフレーム57の外部へ排出する開口部57bが設けられている。開口部57bは、例えば、スリット状にしてダクトフレーム57の長手方向、すなわち上記回転軸方向において数カ所設けることができる。
【0058】
また、第1乃至第3実施形態と同様に、2つの側板のいずれか一方に、少なくともダクトフレーム57の上内面57aの傾斜上端部の側端面及び搬送路L6の側端面を露出させる開口部が設けられている。その側板の開口部にファン60が設置されている。
【0059】
本実施形態によると、
図9中の矢印101で示したように、ダクトフレーム57の上内面57aが上方に向かって傾斜しているため、定着装置9から発生した熱100がダクトフレーム57の上内面57aに沿って傾斜上方へ移動し、開口部57bからダクトフレーム57の外部へ排出される。そして、プリンター1の側面から開口部57b及び搬送路L6に向けてファン60によってプリンター1内へ外気を吹き付ける、又はプリンター1内の空気を吸い出すことにより、開口部57bからの排熱を効率的に冷却することができる。また、搬送路L6も冷却することができるため、搬送路L6を搬送されて排紙部50から排出される用紙も同時に冷却することができる。さらに、ダクトフレーム57が板金でできていることにより、樹脂でできたダクトフレーム55を用いる第3の実施形態よりも放熱効果が上がり、より冷却効率を上げることができる。
【0060】
(第5の実施形態)
図10は、第5の実施形態に係る画像形成装置(プリンター1)の定着装置9付近の構造を示す左側面断面図である。
【0061】
ダクトフレーム55は、樹脂でできており、対向して配置された2つの側板(図略)間に渡され、定着装置9の直上に配置されて下面が開口している。ダクトフレーム55の上部には、搬送路L6の湾曲内側のガイド部材56が配置されている。ダクトフレーム55の上内面55aは、上記回転軸方向からの視認で上方(
図5に示す側面視、ダクトフレーム57の短手方向)ダクトフレーム55の短手方向に傾斜しており、具体的には、搬送路L6へ向かって上がるように傾斜している。
【0062】
ダクトフレーム55の上内面55aの傾斜上端部に、定着装置9から発生する熱100をダクトフレーム55の外部へ排出する開口部55bが設けられている。開口部55bは、スリット状とされ、例えば、ダクトフレーム55の長手方向、すなわち上記回転軸方向において数カ所設けることができる。
【0063】
また、ガイド部材56には、
図10に示す側面視(上記回転軸方向からの側面視)において上下方向に開口部55bと連なる位置に、ダクトフレーム55から排出される熱を搬送路L6へ排出する開口部56a、56bが設けられている。開口部56a、56bは、例えば、スリット状とされ、ダクトフレーム55の長手方向において、ガイド部材56に数カ所設けることができる。
【0064】
本実施形態によると、
図10中の矢印101で示したように、ダクトフレーム55の上内面55aが斜めになっているため、定着装置9から発生した熱100がダクトフレーム55の上内面55aに沿って傾斜上方へ移動し、開口部55bからダクトフレーム55の外部へ排出される。さらに、ダクトフレーム55の外部へ排出された熱は開口部56a、56bから搬送路L6へ排出される。例えば、フレーム56には開口が設けられて、この開口から熱が搬送路L6に案内される。或いは、フレーム56と、これに隣接する他の部材との隙間から熱が搬送路L6に案内される。搬送路L6では用紙が搬送されることでその搬送方向と同じ向きに気流が生じるため、開口部56a、56bから搬送路L6へ排出された熱はその気流によってプリンター1の外部へと排出される。これにより、ファンを設けなくとも自然空冷によって、定着装置9から発生する熱100を機外に効率よく排出することができる。
【0065】
(第6の実施形態)
図11は、第6の実施形態に係る画像形成装置(プリンター1)の定着装置9付近の構造を示す左側面断面図である。
【0066】
ダクトフレーム57は、板金でできており、対向して配置された2つの側板(図略)間に渡され、定着装置9の直上に配置されて下面が開口している。ダクトフレーム57の外面を覆うように、搬送路L6の湾曲内側のガイド部材58が配置されている。ダクトフレーム57の上内面57aは、上記回転軸方向からの視認で上方(
図5に示す側面視、ダクトフレーム57の短手方向)に傾斜しており、具体的には、搬送路L6へ向かって上がるように傾斜している。
【0067】
ダクトフレーム57の上内面57aの傾斜上端部に、定着装置9から発生する熱100をダクトフレーム57の外部へ排出する開口部57b、57cが設けられている。開口部57b、57cは、スリット状とされ、例えば、ダクトフレーム57の長手方向、すなわち上記回転軸方向において数カ所設けることができる。
【0068】
また、ガイド部材58に、ダクトフレーム55から排出される熱を搬送路L6へ排出する開口部58aが設けられている。開口部58aは、例えば、スリット状とされ、ガイド部材56の長手方向、すなわち上記回転軸方向に数カ所設けることができる。
【0069】
本実施形態によると、ダクトフレーム57の上内面57aが斜めになっているため、
図11中の矢印101で示すように、定着装置9から発生した熱100がダクトフレーム57の上内面57aに沿って傾斜上方へ移動し、開口部57b、57cからダクトフレーム57の外部へ排出される。さらに、ダクトフレーム57の外部へ排出された熱は開口部58aから搬送路L6へ排出される。例えば、フレーム56には開口が設けられて、この開口から熱が搬送路L6に案内される。或いは、フレーム56と、これに隣接する他の部材間の隙間から熱が搬送路L6に案内される。搬送路L6では用紙が搬送されることでその搬送方向と同じ向きに気流が生じるため、開口部58aから搬送路L6へ排出された熱はその気流によってプリンター1の外部へと排出される。これにより、ファンを設けなくとも自然空冷によって、定着装置9から発生する熱100を機外に効率よく排出することができる。
【0070】
(第7の実施形態)
図12は、第5の実施形態に係る画像形成装置(プリンター1)の定着装置9付近の構造を示す正面断面図である。
【0071】
ダクトフレーム59は、樹脂又は板金でできている。ダクトフレーム59は、定着装置9の両ローラーの回転軸方向における各側方に対向させて配置された2つの側板70L、70R間に渡されている。ダクトフレーム59は、定着装置9の直上に配置されて下面が開口している。ダクトフレーム59の上内面59aは、ダクトフレーム59の長手方向(上記回転軸方向)において傾斜している。すなわち、ダクトフレーム59の上内面59aは、上記回転軸方向に直交する方向からの側面視(
図12に示す側面視)において傾斜を有している。ダクトフレーム59の上内面59aは、具体的には、側板70Rから側板70Lへ向かって上がるように傾斜している。側板70Lに、少なくともダクトフレーム59の上側端面を露出させる開口部701が設けられている。
【0072】
なお、定着装置9が、加熱ローラー9a及び加圧ローラー9bを有するものではない場合、例えば、加熱ローラー9aに代えて加熱ベルトによる加熱機構を有するといった他の構成である場合は、ダクトフレーム55は、定着装置9を挟む各側方に配置された2つの側板70L、70R間に渡されることになる。また、ダクトフレーム55の上内面は、定着装置9に対する当該側方に向かう方向において傾斜するものとされる。
【0073】
本実施形態によると、
図12中の矢印101で示したように、ダクトフレーム59の上内面59aが斜めになっているため、定着装置9から発生した熱100がダクトフレーム59の上内面59aに沿って傾斜上方へ移動し、ダクトフレーム59の開口部701側の端部からダクトフレーム59の外部へ排出される。これにより、自然空冷によって、定着装置9から発生する熱100を機外に効率よく排出することができる。
【0074】
なお、ダクトフレーム59の上内面59aを側板70Lから側板70Rへ向かって上がるように傾斜させ、側板70Rに、少なくともダクトフレーム59の上側端面を露出させる開口部701を設けるようにしてもよい。
【0075】
(第8の実施形態)
図13は、第6の実施形態に係る画像形成装置(プリンター1)の定着装置9付近の構造を示す正面断面図である。
【0076】
ダクトフレーム59は、樹脂又は板金でできており、対向して配置された2つの側板70L、70R間に渡され、定着装置9の直上に配置されて下面が開口している。ダクトフレーム59の上内面59aは、ダクトフレーム59の長手方向に傾斜しており、具体的には、側板70Rから側板70Lへ向かって上がるように傾斜している。側板70Lに、少なくともダクトフレーム59の開口側端面を露出させる開口部が設けられている。
【0077】
側板70Lの開口部にファン60が設置されている。ファン60は、ダクトフレーム59内に溜まった熱をプリンター1の外部へ排出する気流を発生させる向きの羽及びその回転機構を有する。
【0078】
本実施形態によると、
図13中の矢印101で示したように、ダクトフレーム59の上内面59aが斜めになっているため、定着装置9から発生した熱100がダクトフレーム59の上内面59aに沿って傾斜上方へ移動し、ファン60によってダクトフレーム59の開口側端部からダクトフレーム59の外部へ強制的に排出される。これにより、強制空冷によって、定着装置9から発生する熱100を機外に効率よく排出することができる。
【0079】
なお、ダクトフレーム59の上内面59aを側板70Lから側板70Rへ向かって上がるように傾斜させ、側板70Rに、少なくともダクトフレーム59の上側端面を露出させる開口部及びファン60を設けるようにしてもよい。
【0080】
また、上記の第1から第4、及び第8の実施形態において、連続通紙時にのみファン60を動作させるようにしてもよい。例えば、プリンター1は、プリンター1の全体的な動作制御を司る制御部100(
図1)を有し、制御部100は、ファン60を駆動制御する。制御部100は、プリンター1が連続通紙動作を行う時にのみファン60を動作させる。
【0081】
このようにするのは、連続通紙時には定着装置9における加熱ローラー9aが長時間加熱され続けることで定着装置9から発生する熱量が多くなるのに対して、1枚のみの通紙時には加熱ローラー9aの加熱時間が短いため定着装置9から発生する熱量が少なくなるため、ファン60によって強制空冷する必要がないからである。これにより、ファン60を動作させる時間をより短くして、省エネルギー及び低騒音化を達成することができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態としてプリンター1を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、他の電子機器、例えば、コピー機、ファクシミリ装置、複合機等の他の画像形成装置でもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、
図1乃至
図13を用いて上記実施形態により示した構成は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成に限定する趣旨ではない。