特許第6226067号(P6226067)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226067
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】歯車ポンプ又はモータ
(51)【国際特許分類】
   F04C 2/18 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   F04C2/18 321A
   F04C2/18 321B
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-523026(P2016-523026)
(86)(22)【出願日】2014年5月28日
(86)【国際出願番号】JP2014064132
(87)【国際公開番号】WO2015181908
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2016年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】木場 敬志
【審査官】 山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−181446(JP,A)
【文献】 特開2012−202254(JP,A)
【文献】 特開2012−117457(JP,A)
【文献】 実開昭63−031273(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 2/08−2/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに噛み合わせてなる歯車対と、この歯車対を収納する歯車収納室を内部に有したハウジング構造体と、その歯車収納室に収容された1つの側板とを具備し、前記歯車収納室の内側で、前記歯車対の一方の側面が前記ハウジング構造体と摺接するとともに、前記歯車対の他方の側面が前記側板に摺接する歯車ポンプ又はモータであって、
前記歯車対及び前記ハウジング構造体の間の摺動性と、前記歯車対及び前記側板の間の摺動性とのうち、摺動性の低い方の歯車の側面に作用する液圧の作用面積を、摺動性の高い方の歯車の側面に作用する液圧の作用面積よりも大きくしたことを特徴とする歯車ポンプ又はモータ。
【請求項2】
互いに噛み合わせてなる歯車対と、この歯車対を収納する歯車収納室を内部に有しその歯車収納室の内側で前記歯車対の両側面にそれぞれ摺接するハウジング構造体とを具備する歯車ポンプ又はモータであって、
前記歯車対及び前記ハウジング構造体の間の摺動性のうち、摺動性の低い方の歯車の側面に作用する液圧の作用面積を、摺動性の高い方の歯車の側面に作用する液圧の作用面積よりも大きくしたことを特徴とする歯車ポンプ又はモータ。
【請求項3】
互いに噛み合わせてなる歯車対と、この歯車対を収納する歯車収納室を内部に有したハウジング構造体と、その歯車収納室の内側で前記歯車対の両側面にそれぞれ摺接するように配置された2つの側板とを具備する歯車ポンプ又はモータであって、
前記歯車対及び前記2つの側板の間の摺動性のうち、摺動性の低い方の歯車の側面に作用する液圧の作用面積を、摺動性の高い方の歯車の側面に作用する液圧の作用面積よりも大きくしたことを特徴とする歯車ポンプ又はモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用機械等に用いられる歯車ポンプ又はモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボディ及びカバーを有するハウジング構造体内に一対の歯車を収容した液圧歯車ポンプ又はモータが周知である。斯かる歯車ポンプ又はモータにおいては、一対の歯車は機械効率および耐久性を担保すべく、両側から、ボディ及びカバーとは別体に構成された一対の側板に挟まれているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、前記側板において歯車に摺接する摺動面側からは作動中、歯車の側面へ向けて液圧が作用する。斯かる液圧が作用する領域の大きさすなわち液圧の強さは通常、歯車のボディに対する回転角と、歯車の歯底部から軸心へ向かう領域に亘って摺動する側板のシール長さの両方で決定される。そして歯車の回転角は時々刻々と周期的に変化するが、前記シール長さについては、歯車の歯底径と側板に設けられた孔径との差に相当する前記シール長さで決定される。つまり歯車の形状が同じである場合における前記液圧が作用する領域は、前記シール長さによって決まる。なお側板における摺動面の裏面側である非摺動面において前記液圧とは反対方向に作用する液圧は、高低圧を仕切る3の字ガスケットの形状によって決定付けられる。すなわち、従来の液圧ポンプ又はモータにおいては、前記シール長さ及び前記ガスケットの形状を適宜調整することにより液圧をバランスさせることで、側板を適切な力で歯車に押し付けて歯車側面からの内部漏れを抑制している。これにより、上記特許文献1に記載しているような液圧歯車ポンプ又はモータは、同一形状の側板で歯車を挟み込んでいるため、歯車の両側面に向かって作用する液圧はフロント側とリヤ側とで等しい。その結果、歯車に対して軸方向に作用する両側板側からの液圧は打ち消し合い、歯車は軸方向については力学的に中立の状態にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−077686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで現在では、設計自由度の増大などを目的として、歯車の両側で異なる素材を用いるような場合も想定される。斯かる場合では従来同様に歯車に作用する両側からの液圧を等しく設定すると、歯車に摺接する摺動面のうち、摺動性が劣る素材側では摺動性に優れた素材側に比べて摩擦が大きいことから焼き付きの可能性が高くなるという懸念がある。また斯かる場合では歯車の両側で摺動性が等しい摺動材を使う従来の場合と比べて機械効率や耐久性も悪くなることが考えられる。
【0006】
本発明は、このような不具合に着目したものであり、歯車の両側でそれぞれ摺動性が異なる素材を使う場合であっても機械効率及び耐久性を有効に担保し得る歯車ポンプ又はモータを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0008】
すなわち本発明に係る歯車ポンプ又はモータは、互いに噛み合わせてなる歯車対と、この歯車対を収納する歯車収納室を内部に有したハウジング構造体と、その歯車収納室に収容された1つの側板とを具備し、前記歯車収納室の内側で、前記歯車対の一方の側面が前記ハウジング構造体と摺接するとともに、前記歯車対の他方の側面が前記側板に摺接する歯車ポンプ又はモータであって、前記歯車対及び前記ハウジング構造体の間の摺動性と、前記歯車対及び前記側板の間の摺動性とのうち、摺動性の低い方の歯車の側面に作用する液圧の作用面積を、摺動性の高い方の歯車の側面に作用する液圧の作用面積よりも大きくしたことを特徴とする。
【0009】
また本発明に係る歯車ポンプ又はモータは、互いに噛み合わせてなる歯車対と、この歯車対を収納する歯車収納室を内部に有しその歯車収納室の内側で前記歯車対の両側面にそれぞれ摺接するハウジング構造体とを具備する歯車ポンプ又はモータであって、前記歯車対及び前記ハウジング構造体の間の摺動性のうち、摺動性の低い方の歯車の側面に作用する液圧の作用面積を、摺動性の高い方の歯車の側面に作用する液圧の作用面積よりも大きくしたことを特徴とする。
【0010】
そして本発明に係る歯車ポンプ又はモータは、互いに噛み合わせてなる歯車対と、この歯車対を収納する歯車収納室を内部に有したハウジング構造体と、その歯車収納室の内側で前記歯車対の両側面にそれぞれ摺接するように配置された2つの側板とを具備する歯車ポンプ又はモータであって、前記歯車対及び前記2つの側板の間の摺動性のうち、摺動性の低い方の歯車の側面に作用する液圧の作用面積を、摺動性の高い方の歯車の側面に作用する液圧の作用面積よりも大きくしたことを特徴とする。
【0011】
これらのようなものであれば、作動中、前記歯車対に対して摺動性が低い方から高い方へ付勢する力が発生する。これにより、摺動性が低い方において焼き付きが起こり易くなるという不具合を抑制することができる。加えて、前記作用面積並びに摺動性を等しくしたときに比べて一方の摺動性を低くした場合に起因する機械効率の低下も併せて抑制することができる。その結果、歯車の両側でそれぞれ摺動性が異なる素材を使う場合であっても機械効率及び耐久性を有効に保ち得るため、歯車収納室を構成する設計自由度を有効に向上せしめた歯車ポンプ又はモータを提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、歯車の両側でそれぞれ摺動性が異なる素材を使う場合であっても機械効率及び耐久性を有効に担保し得る歯車ポンプ又はモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第一実施形態に係る歯車ポンプの構成を示す概略図及び要部の拡大図。
図2図1に係る要部の説明図。
図3】本発明の第二実施形態に係る図1に対応した概略図及び要部の拡大図。
図4図3に係る要部の説明図。
図5】本発明の第三実施形態に係る図1に対応した概略図及び要部の拡大図。
図6図5に係る要部の説明図。
図7】本発明の第四実施形態に係る図1に対応した概略図及び要部の拡大図。
図8図7に係る要部の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
本発明の各実施形態に係る歯車ポンプは、一端を外部に延出させてなる前記駆動軸4を介して前記駆動歯車2及び従動歯車3を駆動した場合に吸込口から導入した作動液を駆動歯車2及び従動歯車3の歯先とハウジング構造体1の内周との間に閉成される容積空間に閉じ込めて吐出口にまで導き吐出するポンプ作用を営むようにしているものである。またこの歯車ポンプは、高圧の作動液を導入し、これにより前記駆動軸4から回転トルクを取り出して外部負荷を駆動するとともに、低圧となった作動液を吐出するというモータ作用を営む歯車モータとしても機能させ得ることはいうまでもない。
【0016】
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態を図1及び図2を参照しつつ以下に説明する。
【0017】
本実施形態に係る歯車ポンプは、主として、歯車収納室11aを内部に有するハウジング構造体1と、このハウジング構造体1の歯車収納室11a内に収納保持され互いに噛み合わせてなる外接歯車対、すなわち駆動歯車2及び従動歯車3と、本実施形態では歯車2、3のフロント側に添接する1つの側板6とを具備する。すなわち本実施形態に係る歯車ポンプは、歯車2、3と、この歯車2、3を収納する歯車収納室11aを内部に有したハウジング構造体1と、その歯車収納室11aに収容された1つの側板6とを具備し、歯車収納室11aの内側で、歯車2、3の一方の側面2a、3aが前記ハウジング構造体1のボディ11と摺接するとともに、他方の側面2a、3aが側板6に摺接する。詳述すれば、ハウジング構造体1と側板6とが、歯車収納室11aの内側で歯車2、3の側面2a、3aにフロント側及びリヤ側からそれぞれ摺接する摺動面11d、6dをそれぞれ有している。
【0018】
駆動歯車2及び従動歯車3は、複数の歯体を歯底2b、3bから歯先2c、3cすなわち外周面へ向けて所定間隔で放射状に設けた周知のものである。なお、本実施形態では、前記駆動歯車2の中心から駆動軸4を回転軸方向に一体に延伸させて設けているとともに、従動歯車3から従動軸5を回転軸方向に一体に延伸させて設けているが、駆動歯車2と駆動軸4とを別体に構成してもよく、また、従動歯車3と従動軸5とを別体に構成してもよい。
【0019】
ハウジング構造体1は、例えば、前記歯車収納室11aを有するボディ11と、この歯車収納室11aの開口面を閉塞するカバーたるフロントカバー12とを有している。なお本実施形態ではボディ11単体でリヤ側を閉塞し得るものとしているが勿論当該ボディ11のリヤ側をも開口させ別体のリヤカバーで閉塞させる構成としても良い。
【0020】
ボディ11は、本実施形態では例えば鋳鉄からなるものを適用している。ボディ11には、前記歯車対すなわち駆動歯車2及び従動歯車3を噛合状態で収容する略眼鏡状の歯車収納室11aと、歯車収納室11aのリヤ側に連通し前記駆動軸4及び従動軸5がそれぞれ挿入可能な軸受孔11b、11cとが形成されている。駆動歯車2を挿入すべき位置寄りの軸受孔11bにはブッシュ7を嵌装し、このブッシュ7に前記駆動軸4の一端部を挿入し回転可能に軸承している。一方、従動歯車3を挿入すべき位置寄りの軸受孔11cにもブッシュ7を嵌装していて、このブッシュ7に前記従動軸5の一端部を挿入し回転可能に軸承している。また、ボディ11には、前記駆動歯車2と従動歯車3との噛合ピッチ円における接線方向側の所定位置、すなわち前記駆動歯車2と従動歯車3との噛合ピッチ円に臨む位置に、図示しない吸込口及び吐出口をそれぞれ開口させてある。
【0021】
そして本実施形態ではこのボディ11に歯車2、3のリヤ側の側面2a、3aに摺接する摺動面11dを形成している。そして摺動面11dが側面2a、3aに摺接する面積、すなわち摺動面11d側から側面2a、3aを押圧する液圧の作用面積は、軸受孔11b、11cの径の設定により決まる。換言すれば、図1におけるII部を拡大して示すように、軸受孔11b、11cの端部11b1、11c1から歯底2b、3bまでの距離であるシール長さL11によって決まる。すなわち歯車ポンプの作動中は、歯車収納室11a内の高圧の作動液は常に摺動面11dと側面2a、3aとの間の隙間に流れ込もうとすることによって摺動面11dと側面2a、3aとを離間させようとする作用力すなわち側面2a、3aを押圧する作用力が常に働いている。そしてこの作用力の大きさは、摺動面11dと側面2a、3aとが摺接している面積に比例する。そして斯かる面積は本実施形態では、シール長さL11の寸法を厚みとした側面視(図示せず)円環状の領域の大きさに比例することになる。つまり、このシール長さL11が長い程、歯車収納室11a内の作動液によって発生する側面2a、3aをフロント側へ押圧する作用力は大きくなる。
【0022】
フロントカバー12は、例えばボディ11にボルト等によって着脱可能に装着されて前記歯車収納室11aの前側開口面を閉塞する、例えばアルミダイキャスト製のものであり、前記駆動軸4及び従動軸5がそれぞれ挿入可能な軸受孔12b、12cが形成さている。駆動歯車2を挿入すべき位置寄りの軸受孔12bにはブッシュ7を嵌装し、このブッシュ7に前記駆動軸4の一端部を挿入し回転可能に軸承している。一方、従動歯車3を挿入すべき位置寄りの軸受孔12cにもブッシュ7を嵌装していて、このブッシュ7に前記従動軸5の一端部を挿入し回転可能に軸承している。
【0023】
側板6は、例えば鉛や、鉛青銅鋳物といった耐食性、強度、耐摩耗性に優れた適宜の素材が用いられている板状のものであり、前記駆動軸4及び従動軸5がそれぞれ挿入可能な軸受孔6b、6cが形成さている。本実施形態では図1に示すように、前記駆動歯車2及び従動歯車3のフロント側の側面2a、3aに添接させるべく配され、駆動歯車2及び従動歯車3の側面2a、3aをシールするためのものである。一方、同図に示すように、前記側板6の非摺動面6eにはガスケット溝6fを設けていて、このガスケット溝6fにガスケット8を嵌め入れるようにしている。
【0024】
そして本実施形態ではこの側板6に歯車2、3のフロント側の側面2a、3aに摺接する摺動面6dを形成している。そして摺動面6dが側面2a、3aに摺接する面積すなわち摺動面6d側から側面2a、3aを押圧する液圧の作用面積は、図2に示す軸受孔6b、6cの径φSの寸法設定により決まる。換言すれば、図1におけるI部を拡大して示すように軸受孔6b、6cの端部6b1、6c1から歯底2b、3bまでの距離であるシール長さL6によって決まる。すなわち歯車ポンプの作動中は、歯車収納室11a内の高圧の作動液は常に摺動面6dと側面2a、3aとの間の隙間に流れ込もうとすることによって摺動面6dと側面2a、3aとを離間させようとする作用力すなわち側面2a、3aを押圧する作用力が常に働いている。そしてこの作用力の大きさは、摺動面6dと側面2a、3aとが摺接している面積に比例する。そして斯かる面積は本実施形態では、シール長さL6の寸法を厚みとした側面視(図示せず)円環状の領域の大きさに比例することになる。つまり、このシール長さL6が長い程、歯車収納室11a内の作動液によって発生する側面2a、3aをリヤ側へ押圧する作用力は大きくなる。
【0025】
しかして本実施形態に係る歯車ポンプ又はモータは上述の通り互いに噛み合わせてなる歯車2、3と、この歯車2、3を収納する歯車収納室11aを内部に有しその歯車収納室11aの内側に歯車2、3の両側面2a、3aにそれぞれ摺接するようにした歯車ポンプ又はモータであって、歯車2、3及びボディ11の間の摺動性と、前記歯車2、3及び側板6の間の摺動性とのうち、摺動性の低い方であるボディ11に面した歯車2、3の側面2a、3aに作用する液圧の作用面積を、摺動性の高い方である側板6に面する歯車2、3の側面2a、3aに作用する液圧の作用面積よりも大きくした。詳述すると、歯車2、3の一側面2a、3aに摺接する一方の摺動面11dの摺動性、すなわち鋳鉄の摺動性が他方の摺動面6dの摺動性、すなわち鉛や、鉛青銅鋳物といった素材よりも低いという状況の下で、一方の摺動面11d側から歯車2、3の一側面2a、3aに作用する液圧の作用面積を決定するシール長さL11を他方の摺動面6d側から歯車2、3の側面2a、3aに作用する液圧の作用面積を決定するシール長さL6よりも大きくした。
【0026】
そうすることにより図1に示すように、ボディ11の摺動面11d側から歯車2、3の側面2a、3aをフロント側へ押圧する作用力である液圧Xが、側板6の摺動面6d側から歯車2、3の側面2a、3aをリヤ側へ押圧する作用力である液圧Yよりも大きくなる。その結果、液圧X及び液圧Yの作用力の差分Zだけ歯車2、3が付勢される。その結果、摺動性の低いボディ11から発生する摩擦が軽減される。
【0027】
ここで本実施形態では、歯車2、3は両側で同形状或いは対称形状のものを適用している。すなわち歯車については歯底、歯先の寸法を始めとして何ら形状を変えずに上記本実施形態に係る構成を実現している。すなわち図2に示すように本実施形態では、軸受孔6b、6cの径φSよりも、軸受孔11b、11cの径φBを小さくすることのみで、図1にて拡大して示すように、シール長さL11をシール長さL6よりも大きくすることで、液圧が作用する作用面積を大きくしている。
【0028】
以上のような構成とすることにより、本実施形態では側板6へ向けて付勢する力Zが発生することにより、摺動性が低い一方の摺動面11dにおいて焼き付きが起こり易くなるという不具合を有効に抑制している。加えて、ボディ11の摺動面11dの摺動性が側板6の摺動面6dを低くした場合に起因する機械効率の低下も併せて抑制している。その結果、歯車2、3の両側2a、3aに対しそれぞれ摺動性が異なる素材を使う場合であっても機械効率及び耐久性を有効に担保し得る。そのため、摺動面を構成する設計自由度を有効に向上せしめた歯車ポンプ又はモータを実現している。
【0029】
特に本実施形態では、リヤ側すなわちボディ11側に側板を設けなくとも従来同様の機械効率並びに耐久性を有しているため、歯車ポンプ又はモータを少なくとも設けずに済んだ側板の厚み寸法だけ歯車の軸方向にコンパクトに構成せしめている。
【0030】
以下、本発明の各実施形態について説明する。以下の実施形態について、上記実施形態における構成要素に相当するものに対しては同じ符号を付すとともに、その詳細な説明を省略する。
【0031】
<第二実施形態>
上記第一実施形態では側板6を歯車2、3のフロント側にのみ設けた態様を開示したが勿論、図3及び図4に示す本実施形態のように、歯車2、3のリヤ側にのみ側板6を設けたものとしても良い。
【0032】
すなわち本実施形態に係る歯車ポンプは、歯車2、3と、この歯車2、3を収納する歯車収納室11aを内部に有したハウジング構造体1と、その歯車収納室11aに収容された1つの側板6とを具備し、歯車収納室11aの内側で、歯車2、3の一方の側面2a、3aがハウジング構造体1のフロントカバー12と摺接するとともに、他方の側面2a、3aが側板6に摺接する。詳述すれば、ハウジング構造体1と側板6とが歯車収納室11aの内側で歯車2、3の側面2a、3aにフロント側及びリヤ側からそれぞれ摺接する摺動面12d、6dを備えたものである。換言すれば本実施形態では、フロントカバー12に歯車2、3のフロント側の側面2a、3aに摺接する摺動面12dを形成している。そして摺動面12dが側面2a、3aに摺接する面積すなわち摺動面12d側から側面2a、3aを押圧する液圧の作用面積は、図4に示す軸受孔12b、12cの径φBの寸法設定により、換言すれば、同図III部を拡大して示すように軸受孔12b、12cの端部12b1、12c1から歯底2b、3bまでの距離であるシール長さL12によって決まる。すなわち歯車ポンプの作動中は、歯車収納室11a内の高圧の作動液は常に摺動面12dと側面2a、3aとの間の隙間に流れ込もうとすることによって摺動面12dと側面2a、3aとを離間させようとする作用力すなわち側面2a、3aを押圧する作用力が常に働いている。そしてこの作用力の大きさは、摺動面12dと側面2a、3aとが摺接している面積に比例する。そして斯かる面積は本実施形態では、シール長さL12の寸法を厚みとした側面視(図示せず)円環状の領域の大きさに比例することになる。つまり、このシール長さL12が長い程、歯車収納室11a内の作動液によって発生する側面2a、3aをリヤ側へ押圧する作用力は大きくなる。
【0033】
加えて本実施形態では側板6は上記第一実施形態とは対称形状をなすものであって、歯車2、3のリヤ側の側面2a、3aに摺接する摺動面6dを形成している。そして摺動面6dが側面2a、3aに摺接する面積すなわち摺動面6d側から側面2a、3aを押圧する液圧の作用面積は、図4に示す軸受孔6b、6cの径φSの寸法設定により決まる。換言すれば、図3におけるIV部を拡大して示すように軸受孔6b、6cの端部6b1、6c1から歯底2b、3bまでの距離であるシール長さL6によって決まる。すなわち歯車ポンプの作動中は、歯車収納室11a内の高圧の作動液は常に摺動面6dと側面2a、3aとの間の隙間に流れ込もうとすることによって摺動面6dと側面2a、3aとを離間させようとする作用力すなわち側面2a、3aを押圧する作用力が常に働いている。そしてこの作用力の大きさは、摺動面6dと側面2a、3aとが摺接している面積に比例する。そして斯かる面積は本実施形態では、シール長さL6の寸法を厚みとした側面視(図示せず)円環状の領域の大きさに比例することになる。つまり、このシール長さL6が長い程、歯車収納室11a内の作動液によって発生する側面2a、3aをフロント側へ押圧する作用力は大きくなる。
【0034】
しかして本実施形態に係る歯車ポンプ又はモータは、歯車2、3及びフロントカバー12の間の摺動性と、前記歯車2、3及び側板6の間の摺動性とのうち、摺動性の低い方であるフロントカバー12に面した歯車2、3の側面2a、3aに作用する液圧の作用面積を、摺動性の高い方である側板6に面する歯車2、3の側面2a、3aに作用する液圧の作用面積よりも大きくした。詳述すると、歯車2、3の一側面2a、3aに摺接するフロント側の一方の摺動面12dの摺動性、すなわちアルミダイキャストの摺動性がリヤ側の他方の摺動面6dの摺動性、すなわち鉛や、鉛青銅鋳物といった素材よりも低いという状況の下で、一方の摺動面12d側から歯車2、3の一側面2a、3aに作用する液圧の作用面積を決定するシール長さL12を他方の摺動面6d側から歯車2、3の側面2a、3aに作用する液圧の作用面積を決定するシール長さL6よりも大きくした。
【0035】
そうすることにより、図3に示すようにフロントカバー12の摺動面12d側から歯車2、3の側面2a、3aをリヤ側へ押圧する作用力である液圧Xが、側板6の摺動面6d側から歯車2、3の側面2a、3aをフロント側へ押圧する作用力である液圧Yよりも大きくなる。これにより、液圧X及び液圧Yの作用力の差分Zだけ歯車2、3が付勢される。その結果、摺動性の低いフロントカバー12から発生する摩擦が軽減される。
【0036】
本実施形態では、軸受孔6b、6cの径φSよりも、軸受孔12b、12cの径φFを小さくすることのみで、図1にて拡大して示すように、シール長さL12をシール長さL6よりも大きくすることで、液圧が作用する作用面積を大きくしている。
【0037】
このようなものであっても上記第一実施形態同様、機械効率及び耐久性を有効に担保し、且つコンパクトに構成された歯車ポンプ又はモータを実現している。
【0038】
<第三実施形態>
上記各実施形態ではフロント側又はリヤ側の何れか一方のみに側板6を設けるとともに他方には設けない構成とすることでコンパクトに構成された歯車ポンプ又はモータを開示したが勿論、フロント側、リヤ側の両方に側板6を設けない態様としても良い。換言すれば、ハウジング構造体1が側板6を有さない構成としても良い。
【0039】
すなわち本実施形態に係る歯車ポンプ又はモータは図5に示すように、歯車2、3と、この歯車2、3を収納する歯車収納室11aを内部に有しその歯車収納室11aの内側に歯車2、3の両側面2a、3aにそれぞれ摺接する摺動面12d、11dを備えたハウジング構造体1とを具備するものである。換言すれば当該歯車ポンプは、ハウジング構造体1を構成するボディ11及びフロントカバー12にそれぞれ摺動面11d、12dを形成したものとしている。そして、図5に拡大して示すように、シール長さL12よりもシール長さL11を大きく設定することにより、作動中、フロントカバー12寄りに歯車2、3を付勢する力Zが発生するようにしている。
【0040】
具体的に説明すると、本実施形態ではフロントカバー12には上記第二実施形態と同じく歯車2、3のフロント側の側面2a、3aに摺接する摺動面12dを形成している。そして摺動面12dが側面2a、3aに摺接する面積すなわち摺動面12d側から側面2a、3aを押圧する液圧の作用面積は、図4に示す軸受孔12b、12cの径φBの寸法設定により、換言すれば、同図V部拡大図に示すように軸受孔12b、12cの端部12b1、12c1から歯底2b、3bまでの距離であるシール長さL12によって決まる。すなわち歯車ポンプの作動中は、歯車収納室11a内の高圧の作動液は常に摺動面12dと側面2a、3aとの間の隙間に流れ込もうとすることによって摺動面12dと側面2a、3aとを離間させようとする作用力すなわち側面2a、3aを押圧する作用力が常に働いている。そしてこの作用力の大きさは、摺動面12dと側面2a、3aとが摺接している面積に比例する。そして斯かる面積は本実施形態では、シール長さL12の寸法を厚みとした側面視(図示せず)円環状の領域の大きさに比例することになる。つまり、このシール長さL12が長い程、歯車収納室11a内の作動液によって発生する側面2a、3aをリヤ側へ押圧する作用力は大きくなる。
【0041】
そして本実施形態ではこのボディ11には上記第一実施形態と同じく歯車2、3のリヤ側の側面2a、3aに摺接する摺動面11dを形成している。そして摺動面11dが側面2a、3aに摺接する面積すなわち摺動面11d側から側面2a、3aを押圧する液圧の作用面積は、軸受孔11b、11cの径の設定により、同図VI部に拡大して示すように、軸受孔11b、11cの端部11b1、11c1から歯底2b、3bまでの距離であるシール長さL11によって決まる。すなわち歯車ポンプの作動中は、歯車収納室11a内の高圧の作動液は常に摺動面11dと側面2a、3aとの間の隙間に流れ込もうとすることによって摺動面11dと側面2a、3aとを離間させようとする作用力すなわち側面2a、3aを押圧する作用力が常に働いている。そしてこの作用力の大きさは、摺動面11dと側面2a、3aとが摺接している面積に比例する。そして斯かる面積は本実施形態では、シール長さL11の寸法を厚みとした側面視(図示せず)円環状の領域の大きさに比例することになる。つまり、このシール長さL11が長い程、歯車収納室11a内の作動液によって発生する側面2a、3aをフロント側へ押圧する作用力は大きくなる。
【0042】
しかして本実施形態に係る歯車ポンプ又はモータは、歯車2、3及びボディ11の間の摺動性と、前記歯車2、3及びフロントカバー12の間の摺動性とのうち、摺動性の低い方であるボディ11に面した歯車2、3の側面2a、3aに作用する液圧の作用面積を、摺動性の高い方であるフロントカバー12に面する歯車2、3の側面2a、3aに作用する液圧の作用面積よりも大きくした。詳述すると、歯車2、3の一側面2a、3aに摺接する一方の摺動面11dの摺動性、すなわち鋳鉄の摺動性が他方の摺動面12dの摺動性、すなわちアルミダイキャストよりも低いという状況の下で、一方の摺動面11d側から歯車2、3の一側面2a、3aに作用する液圧の作用面積を決定するシール長さL11を他方の摺動面12d側から歯車2、3の側面2a、3aに作用する液圧の作用面積を決定するシール長さL12よりも大きくした。
【0043】
これにより、図5に示すように、ボディ11の摺動面11d側から歯車2、3の側面2a、3aをフロント側へ押圧する作用力である液圧Xが、フロントカバー12の摺動面12d側から歯車2、3の側面2a、3aをリヤ側へ押圧する作用力である液圧Yよりも大きくなる。その結果、液圧X及び液圧Yの作用力の差分Zだけ歯車2、3が付勢される。その結果、摺動性の低いボディ11から発生する摩擦が軽減される。
【0044】
特に本実施形態では図6に示すように、軸受孔12b、12cの径φFよりも、軸受孔11b、11cの径φBを小さくすることのみで、図5にて拡大して示すように、シール長さL11をシール長さL12よりも大きく設定することで、液圧が作用する作用面積を大きくしている。
【0045】
以上のように構成することにより本実施形態に係る歯車ポンプ又はモータは上記各実施形態同様に機械効率及び耐久性を有効に担保しつつ、上記各実施形態よりも更にコンパクトなものとなる。
【0046】
<第四実施形態>
上記各実施形態において示したように本発明によれば、歯車の側面に摺接する素材の選択の幅を広くすることができる。すなわち本実施形態に示すように、歯車のフロント側、リヤ側共に側板6を設けた歯車ポンプ又はモータに対しても本発明を適用することができる。
【0047】
すなわち本実施形態に係る歯車ポンプ又はモータは、歯車2、3のフロント側、リヤ側にそれぞれ概ね対称形状をなす、2つの側板6を有している。そしてリヤ側の側板6は上記実施形態同様、鉛や、鉛青銅鋳物といった素材からなる一方、フロント側の側板6は例えば鉄板といった、リヤ側よりも摺動性が低い、換言すれば摩擦係数が高い素材を用いている。そして上記実施形態同様これら対をなす側板6は、歯車2、3のフロント側、リヤ側の側面2a、3aに摺接する摺動面61d、62dをそれぞれ形成している。そして摺動面61d、62dが側面2a、3aに摺接する面積すなわち液圧の作用面積は、図8に示す軸受孔6b、6cの径φS1、φS2の寸法差により決定される。換言すれば、同図VII部拡大図及びVIII部拡大図に示すように軸受孔6b、6cの端部6b1、6c1から歯底2b、3bまでの距離であるシール長さL61、L62によって決まる。すなわち歯車ポンプの作動中は、歯車収納室11a内の高圧の作動液は常に摺動面61dと側面2a、3aとの間の隙間に流れ込もうとすることによって摺動面61dと側面2a、3aとを離間させようとする作用力すなわち側面2a、3aを押圧する作用力が常に働いている。そしてこの作用力の大きさは、摺動面61dと側面2a、3aとが摺接している面積に比例する。そして斯かる面積は本実施形態では、シール長さL61の寸法を厚みとした側面視(図示せず)円環状の領域の大きさに比例することになる。つまり、このシール長さL61が長い程、歯車収納室11a内の作動液によって発生する側面2a、3aをフロント側へ押圧する作用力は大きくなる。他方前記作動液は、常に摺動面62dと側面2a、3aとの間の隙間に流れ込もうとすることによって摺動面62dと側面2a、3aとを離間させようとする作用力すなわち側面2a、3aを押圧する作用力が常に働いている。そしてこの作用力の大きさは、摺動面62dと側面2a、3aとが摺接している面積に比例する。そして斯かる面積は本実施形態では、シール長さL62の寸法を厚みとした側面視(図示せず)円環状の領域の大きさに比例することになる。つまり、このシール長さL62が長い程、歯車収納室11a内の作動液によって発生する側面2a、3aをリヤ側へ押圧する作用力は大きくなる。
【0048】
しかして本実施形態に係る歯車ポンプ又はモータは、歯車2、3及びフロント側の側板6の間の摺動性と、前記歯車2、3及びリヤ側の側板6の間の摺動性とのうち、摺動性の低い方であるフロント側の側板6に面した歯車2、3の側面2a、3aに作用する液圧の作用面積を、摺動性の高い方であるリヤ側の側板6に面する歯車2、3の側面2a、3aに作用する液圧の作用面積よりも大きくした。詳述すると、歯車2、3の一側面2a、3aに摺接するフロント側の一方の摺動面62dの摺動性、すなわち鉄板の摺動性がリヤ側の他方の摺動面61dの摺動性、すなわち鉛や、鉛青銅鋳物といった素材よりも低いという状況の下で、一方の摺動面62d側から歯車2、3の一側面2a、3aに作用する液圧の作用面積を決定するシール長さL62を他方の摺動面61d側から歯車2、3の側面2a、3aに作用する液圧の作用面積を決定するシール長さL61よりも大きくした。
【0049】
そうすることにより、図3に示すようにフロント側の側板6の摺動面62d側から歯車2、3の側面2a、3aをリヤ側へ押圧する作用力である液圧Xが、リヤ側の側板6の摺動面61d側から歯車2、3の側面2a、3aをフロント側へ押圧する作用力である液圧Yよりも大きくなる。これにより、液圧X及び液圧Yの作用力の差分Zだけ歯車2、3が付勢される。その結果、摺動性の低いフロント側の側板6から発生する摩擦が軽減される。
【0050】
本実施形態では、リヤ側の軸受孔6b、6cの径φS1よりも、フロント側の軸受孔6b、6cの径φS2を相対的に小さくすることのみで、図7にて拡大して示すように、シール長さL62をシール長さL61よりも大きくすることで、液圧が作用する作用面積を大きくしている。
【0051】
このようなものであっても上記各実施形態同様、機械効率及び耐久性を有効に担保した歯車ポンプ又はモータが実現される。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0053】
例えば、上記各実施形態では一の軸に一の歯車のみを備えた態様の歯車ポンプ又はモータを開示したが勿論、一の軸に二つの歯車を備えた、所謂二連式の液圧ポンプ又はモータに本発明を適用しても良い。斯かる二連式の歯車ポンプ又はモータの場合、一方の軸受け側のブッシュを省略し、その省略した寸法だけ軸径を小さくしてシール長さすなわち作用面積を大きくする態様を適用しても良い。
【0054】
また歯車や側板、さらにはブッシュの具体的な態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
【0055】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は産業用機械等に用いられる歯車ポンプ又はモータとして利用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1…ハウジング構造体
2…歯車(駆動歯車)
3…歯車(従動歯車)
2a、3a…側面
6d、61d、62d、11d、12d…摺動面
L6、L61、L62、L11、L12…作用面積(シール長さ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8