【実施例】
【0023】
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明する。例中、%および部はいずれも重量基準を意味する。
【0024】
実施例では、ローズマリーとして、シソ科の常緑低木であるマンネンロウ(Rosmarinus officinalis Linne)の乾燥葉を粉砕して得られるローズマリーパウダーを使用した。
【0025】
(長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂の官能評価方法)
製造直後の長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂は、風味の評価項目を油臭さ、魚臭さ、ローズマリー臭とし、10名のパネラ−による10段階での官能評価により行った。
すべての項目で4以上の評価となった油脂を良好と判断した。
油臭さ:数字が大きい方が油脂の劣化臭が弱く、数字が小さい方が油脂の劣化臭が強い。
魚臭さ:数字が大きい方が魚臭さが弱く、数字が小さい方が魚臭さが強い。
ローズマリー臭:数字が大きい方がローズマリー臭が弱く、数字が小さい方がローズマリー臭が強い。
【0026】
(長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂の保存試験方法)
・均一に混合した油脂50gを100mlガラス瓶に入れ、密封する。
・該ガラス瓶を、40℃にて14日間保存する。
・保存後に、過酸化物価(POV)及び、風味評価を行う。
【0027】
(保存した長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂の官能評価方法)
保存試験により劣化させた長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂は、風味の評価項目を油臭さ、魚臭さ、ローズマリーの戻り臭(金属味)とし、10名のパネラ−による10段階での官能評価により行った。
すべての項目で4以上の評価となった油脂を良好と判断した。
油臭さ:数字が大きい方が油脂の劣化臭が弱く、数字が小さい方が油脂の劣化臭が強い。
魚臭さ:数字が大きい方が魚臭さが弱く、数字が小さい方が魚臭さが強い。
ローズマリーの戻り臭:数字が大きい方が金属味が弱く、数字が小さい方が金属味が強い。
【0028】
[実施例1]
脱酸鮪油(酸価=0.10、過酸化物価=5.5、ヨウ素価=184、EPA+DHA含量=28.0%)100部に対し、ローズマリーパウダー(商品名:ローズマリー(パウダー)、エスビー食品株式会社製)1部、活性白土 3.0部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙(商品名:定性濾紙 No.2、アドバンテック東洋株式会社製)にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、160℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
ローズマリーパウダーから油脂に溶解した物質は、0.2部であった。製造直後のPOVは0.2であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表1にまとめた。
【0029】
[実施例2]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリーパウダー1部、活性白土 3.0部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、220℃、90分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
ローズマリーパウダーから油脂に溶解した物質は、0.2部であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、225.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表1にまとめた。
【0030】
[比較例1]
脱酸鮪油100部に対し、活性白土 3.0部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分にて脱色処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、180℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
脱酸鮪油、脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、18.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表1にまとめた。
【0031】
[比較例2]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリー抽出物(商品名:RM-21Bベース、三菱化学フーズ株式会社製)0.2部、活性白土 3.0部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、180℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、18.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表1にまとめた。
【0032】
[比較例3]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリー抽出物(商品名:RM-21Bベース、三菱化学フーズ株式会社製)0.6部、活性白土 3.0部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、180℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、18.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表1にまとめた。
【0033】
[比較例4]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリー抽出物(商品名:RM-21Bベース、三菱化学フーズ株式会社製)0.6部、活性白土 3.0部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、130℃、60分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。製造直後のPOVは0.7であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表1にまとめた。
【0034】
[比較例5]
脱酸鮪油100部に対し、活性白土 3.0部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分にて脱色処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、180℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、精製油を得た。精製油100部に対し、ローズマリー抽出物 0.2部を加え、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
脱酸鮪油、脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、18.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表1にまとめた。
【0035】
[比較例6]
脱酸鮪油100部に対し、活性白土 3.0部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分にて脱色処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、180℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、精製油を得た。精製油100部に対し、ローズマリー抽出物 0.6部を加え、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
脱酸鮪油、脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、18.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表1にまとめた。
【0036】
【表1】
【0037】
・ローズマリーパウダーを使用した実施例では、製造直後および保存後においても良好な風味評価が得られた。
・ローズマリー抽出物を使用した、比較例2〜比較例4では、実施例よりも風味評価が劣る結果であった。
・比較例2と比較例3は、保存後の品質が著しく劣る結果であった。
・比較例4は、製造直後の風味が著しく劣る結果であった。
・比較例5と比較例6は、製造直後のローズマリー臭のため、風味が著しく劣る結果であった。
【0038】
[実施例3]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリーパウダー1部、活性白土 3部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、180℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
ローズマリーパウダーから油脂に溶解した物質は、0.2部であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、18.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表2にまとめた。
【0039】
[実施例4]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリーパウダー3部、活性白土 3部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、180℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
ローズマリーパウダーから油脂に溶解した物質は、0.6部であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、18.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表2にまとめた。
【0040】
[実施例5]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリーパウダー5部、活性白土 3部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、180℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
ローズマリーパウダーから油脂に溶解した物質は、1.0部であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、18.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表2にまとめた。
【0041】
[実施例6]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリーパウダー1部、活性白土 3部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、170℃、360分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
ローズマリーパウダーから油脂に溶解した物質は、0.2部であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表2にまとめた。
【0042】
[実施例7]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリーパウダー1部、活性白土 1.5部、活性炭(商品名:梅蜂SKA印活性炭、太平化学産業株式会社製) 1.5部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、180℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
ローズマリーパウダーから油脂に溶解した物質は、0.2部であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、18.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表2にまとめた。
【0043】
[実施例8]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリーパウダー1部、活性白土 1.5部、塩化亜鉛賦活木質活性炭(商品名:梅蜂ZM印活性炭、太平化学産業株式会社製) 1.5部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、180℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
ローズマリーパウダーから油脂に溶解した物質は、0.2部であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、18.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表2にまとめた。
【0044】
[実施例9]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリーパウダー1部、活性白土 1.5部、燐酸賦活粉末木質活性炭(商品名:梅蜂FN印活性炭、太平化学産業株式会社製) 1.5部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、180℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
ローズマリーパウダーから油脂に溶解した物質は、0.2部であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、18.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表2にまとめた。
【0045】
[実施例10]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリーパウダー3部、活性白土 1.5部、燐酸賦活粉末木質活性炭 1.5部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、180℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
ローズマリーパウダーから油脂に溶解した物質は、0.6部であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、18.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表2にまとめた。
【0046】
[実施例11]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリーパウダー3部、活性白土 1.5部、燐酸賦活粉末木質活性炭 1.5部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、180℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し脱臭油を得た。
ローズマリーパウダーから油脂に溶解した物質は、0.6部であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
次いで、チャ抽出物(商品名:サンフェノン90S、太陽化学株式会社製)を水に加え2.0%チャ抽出物含有水溶液を作製し、70℃に加温した脱臭油100部に対し、乳化剤(理研ビタミン株式会社製 ポエムPR-100)0.02部を加えて溶解し、2.0%チャ抽出物水溶液1.0部を加えた後、ホモミキサー(TK ROBO MIX:特殊機化工業株式会社製)にて10000rpmで10分の撹拌を行った。その後、50℃、10Torrの減圧条件下で、攪拌しながら30分間脱水処理を行って、チャ抽出物を200ppm含有する長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、18.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表2にまとめた。
【0047】
[実施例12]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリーパウダー3部、活性白土 1.5部、燐酸賦活粉末木質活性炭 1.5部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、190℃、180分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
ローズマリーパウダーから油脂に溶解した物質は、0.6部であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、72.0であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表2にまとめた。
【0048】
[実施例13]
脱酸鮪油100部に対し、ローズマリーパウダー3部、活性白土 1.5部、燐酸賦活粉末木質活性炭 1.5部を加え、真空度1.6kPa(12torr)、120℃、15分 脱色工程にて撹拌接触処理を行った後、濾紙にて濾別した。次いで、脱色油100部に対し、水蒸気脱臭処理を真空度0.4kPa(3torr)以下、215℃、30分、水蒸気添加量3部にて実施し、長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂を得た。
ローズマリーパウダーから油脂に溶解した物質は、0.6部であった。
脱酸鮪油、ローズマリー処理・脱色工程、脱臭工程を通して、油脂中の水分含有量は0.01〜0.10%であった。
熱履歴=(脱臭温度―170℃)×(脱臭温度―170℃)×脱臭時間(分)/1000
とした場合の熱履歴条件は、60.8であった。製造直後のPOVは0であった。
実施例1と同様に長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂のEPA+DHAの含量、製造直後の風味評価、及び保存試験を行った。結果を表2にまとめた。
【0049】
【表2】
【0050】
・水蒸気脱臭工程における熱履歴を適切に管理して得られた、実施例3から実施例13では、脱色油に対するEPA+DHA残存率が90%以上に向上し、製造直後、保存後の品質とも、実施例1、2よりも良好な品質が得られた。
・実施例3から実施例11にかけて、水蒸気脱臭工程の温度が170℃以上、かつ、熱履歴条件を50以下とする事で、脱酸油に対するEPA+DHAの残存率が上昇し、かつ、保存した後の風味や酸化安定性の指標である過酸化物価がより良好な数値が得られた。
・実施例7から実施例11にかけて、薬品賦活処理された活性炭、更には燐酸賦活処理された活性炭を用いる事で、保存した後の風味や酸化安定性の指標である過酸化物価が更に良好な数値が得られた。