特許第6226102号(P6226102)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6226102通信システム、通信方法及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226102
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】通信システム、通信方法及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20171030BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20171030BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   G06K7/10 152
   G06K7/10 176
   H04B5/02
   G06K19/07 230
   G06K19/07 100
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-503325(P2017-503325)
(86)(22)【出願日】2015年12月14日
(86)【国際出願番号】JP2015084948
(87)【国際公開番号】WO2016139865
(87)【国際公開日】20160909
【審査請求日】2017年2月7日
(31)【優先権主張番号】特願2015-39755(P2015-39755)
(32)【優先日】2015年3月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱川 剛史
【審査官】 月野 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−157736(JP,A)
【文献】 特開2009−303025(JP,A)
【文献】 特開2013−255039(JP,A)
【文献】 特開2014−222865(JP,A)
【文献】 特開2014−197288(JP,A)
【文献】 特開2015−023440(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0044964(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/008108(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
G06K 19/07
H04B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置、リーダーライター及び携帯端末を備え、前記リーダーライターと前記携帯端末とが、複数の通信モードのいずれかを選択して近距離無線通信をする通信システムであって、
前記画像形成装置は、
表示部と、
前記リーダーライターとの通信に使用される第1の通信部と、
前記複数の通信モードのいずれかと関連付けられた画面が、前記表示部に表示されたとき、前記画面と関連付けられている通信モードを示す通信モード情報を、前記第1の通信部に送信させる第1の通信制御部と、を備え、
前記リーダーライターは、
前記画像形成装置との通信に使用される第2の通信部と、
前記携帯端末との通信に使用される第3の通信部と、
前記複数の通信モードのいずれかが設定される第1のモード設定部と、
前記第1のモード設定部に設定された通信モードで前記第3の通信部を使用して前記リーダーライターが前記携帯端末と通信する制御をし、前記第2の通信部が前記通信モード情報を受信したとき、前記画面と関連付けられている通信モードで通信するリクエストを前記第3の通信部に送信させ、かつ、前記第1のモード設定部を前記画面と関連付けられている通信モードに設定する第2の通信制御部と、を備え、
前記携帯端末は、
前記リーダーライターとの通信に使用される第4の通信部と、
前記複数の通信モードのいずれかが設定される第2のモード設定部と、
前記第2のモード設定部に設定された通信モードで前記第4の通信部を使用して前記携帯端末が前記リーダーライターと通信する制御をし、前記第4の通信部が前記リクエストを受信したとき、前記第2のモード設定部を前記画面と関連付けられている通信モードに設定して、前記リーダーライターを介して前記携帯端末が前記画像形成装置と通信する制御をする第3の通信制御部と、を備える通信システム。
【請求項2】
前記複数の通信モードは、前記携帯端末を非接触ICカード又は非接触ICタグとして、前記携帯端末に記憶されているカード情報又はタグ情報を前記リーダーライターが読み取る読取通信モードを含み、
前記第1の通信制御部は、前記読取通信モードと関連付けられた画面が、前記表示部に表示されているとき、前記読取通信モードを示す前記通信モード情報を、前記第1の通信部に送信させ、
前記第2の通信制御部は、前記第2の通信部が前記読取通信モードを示す前記通信モード情報を受信したとき、前記読取通信モードで通信する前記リクエストを前記第3の通信部に送信させ、かつ、前記第1のモード設定部を前記読取通信モードに設定し、
前記第3の通信制御部は、前記第4の通信部が前記読取通信モードで通信する前記リクエストを受信したとき、前記第2のモード設定部を前記読取通信モードに設定して、前記リーダーライターを介して前記携帯端末が前記画像形成装置と通信する制御をする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記複数の通信モードは、前記リーダーライターと前記携帯端末とが双方向通信をする双方向通信モードを含み、
前記第1の通信制御部は、前記双方向通信モードと関連付けられた画面が、前記表示部に表示されているとき、前記双方向通信モードを示す前記通信モード情報を、前記第1の通信部に送信させ、
前記第2の通信制御部は、前記第2の通信部が前記双方向通信モードを示す前記通信モード情報を受信したとき、前記双方向通信モードで通信する前記リクエストを前記第3の通信部に送信させ、かつ、前記第1のモード設定部を前記双方向通信モードに設定し、
前記第3の通信制御部は、前記第4の通信部が前記双方向通信モードで通信する前記リクエストを受信したとき、前記第2のモード設定部を前記双方向通信モードに設定して、前記リーダーライターを介して前記携帯端末が前記画像形成装置と通信する制御をする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1の通信制御部は、前記複数の通信モードのいずれにも関連付けられていない画面が、前記表示部に表示されている期間、前記画像形成装置と前記リーダーライターとの通信を遮断する請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記複数の通信モードは、前記携帯端末を非接触ICカード又は非接触ICタグとして、前記携帯端末に記憶されているカード情報又はタグ情報を前記リーダーライターが読み取る読取通信モードを含み、
前記第1の通信制御部は、前記読取通信モードと関連付けられた画面が、前記表示部に表示されているとき、前記読取通信モードを示す前記通信モード情報を、前記第1の通信部に送信させ、
前記第2の通信制御部は、前記第2の通信部が前記読取通信モードを示す前記通信モード情報を受信したとき、前記読取通信モードで通信する前記リクエストを前記第3の通信部に送信させ、かつ、前記第1のモード設定部を前記読取通信モードに設定し、
前記第3の通信制御部は、前記第4の通信部が前記読取通信モードで通信する前記リクエストを受信したとき、前記第2のモード設定部を前記読取通信モードに設定して、前記リーダーライターを介して前記携帯端末が前記画像形成装置と通信する制御をし、
前記複数の通信モードは、前記リーダーライターと前記携帯端末とが双方向通信をする双方向通信モードを含み、
前記第1の通信制御部は、前記双方向通信モードと関連付けられた画面が、前記表示部に表示されているとき、前記双方向通信モードを示す前記通信モード情報を、前記第1の通信部に送信させ、
前記第2の通信制御部は、前記第2の通信部が前記双方向通信モードを示す前記通信モード情報を受信したとき、前記双方向通信モードで通信する前記リクエストを前記第3の通信部に送信させ、かつ、前記第1のモード設定部を前記双方向通信モードに設定し、
前記第3の通信制御部は、前記第4の通信部が前記双方向通信モードで通信する前記リクエストを受信したとき、前記第2のモード設定部を前記双方向通信モードに設定して、前記リーダーライターを介して前記携帯端末が前記画像形成装置と通信する制御をし、
前記第1の通信制御部は、前記複数の通信モードのいずれにも関連付けられていない画面が、前記表示部に表示されている期間、前記画像形成装置と前記リーダーライターとの通信を遮断する請求項1に記載の通信システム。
【請求項6】
画像形成装置、リーダーライター及び携帯端末を備え、前記リーダーライターと前記携帯端末とが、複数の通信モードのいずれかを選択して近距離無線通信をする通信システムに適用される通信方法であって、
前記画像形成装置の表示部に、前記複数の通信モードのいずれかと関連付けられた画面を表示し、前記画面と関連付けられている通信モードを示す通信モード情報を前記画像形成装置から前記リーダーライターに送信させ、
前記通信モード情報を受信した前記リーダーライターに、前記画面と関連付けられている通信モードで通信するリクエストを前記携帯端末に送信させ、
前記リクエストを受信した前記携帯端末は、前記画面と関連付けられている通信モードに設定して、
当該通信モードを介して前記携帯端末と前記画像形成装置とを通信させる通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置と携帯端末とを近距離無線通信を使用して連携させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近距離無線通信の一つとして、NFC(Near Field Communication)がある。NFCには、カードエミュレーションモード、リーダーライターモード、機器間通信(ピアツーピア)モードと称される三つの通信モードがある。
【0003】
カードエミュレーションモードは、携帯端末を非接触ICカード又は非接触ICタグとして利用する通信モードである。携帯端末をリーダーライターにかざすことにより、リーダーライターは、携帯端末に記憶されているカード情報又はタグ情報を読み取る。
【0004】
リーダーライターモードは、携帯端末をリーダーライターとして利用する通信モードである。携帯端末を非接触ICカード又は非接触ICタグにかざすことにより、携帯端末は、非接触ICカード又は非接触ICタグに記憶されている情報を読み取る。
【0005】
機器間通信モードは、二つの機器間で双方向通信をすることにより、二つの機器間でデータを交換する通信モードである。二つの機器(例えば、二つの携帯端末)どうしをかざすことにより、二つの機器の間でデータ(例えば、アドレス帳)を交換する。
【0006】
例えば、特許文献1には、画像形成装置と携帯端末とをNFCを使用して連携する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−214806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
携帯端末を非接触ICカード又は非接触ICタグとして、画像形成装置にログインするとき、携帯端末の通信モードをカードエミュレーションモードに設定する必要がある。一方、携帯端末と画像形成装置との間でデータを交換するとき(例えば、画像形成装置に記憶されているアドレス帳を携帯端末で受け取るとき)、携帯端末の通信モードを機器間通信モードに設定する必要がある。
【0009】
ユーザーにとって、画像形成装置を操作しながら、携帯端末の通信モードを設定する操作をするのは煩雑である。
【0010】
本発明は、画像形成装置と携帯端末とを近距離無線通信を使用して連携させるために、リーダーライターと携帯端末とが、二以上の通信モードのいずれかを選択して近距離無線通信をする際に、ユーザーの利便性を向上させることができる通信システムと、このシステムに適用される通信方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明の第1の局面に係る通信システムは、画像形成装置、リーダーライター及び携帯端末を備え、前記リーダーライターと前記携帯端末とが、複数の通信モードのいずれかを選択して近距離無線通信をする通信システムであって、前記画像形成装置は、表示部と、前記リーダーライターとの通信に使用される第1の通信部と、前記複数の通信モードのいずれかと関連付けられた画面が、前記表示部に表示されたとき、前記画面と関連付けられている通信モードを示す通信モード情報を、前記第1の通信部に送信させる第1の通信制御部と、を備え、前記リーダーライターは、前記画像形成装置との通信に使用される第2の通信部と、前記携帯端末との通信に使用される第3の通信部と、前記複数の通信モードのいずれかが設定される第1のモード設定部と、前記第1のモード設定部に設定された通信モードで前記第3の通信部を使用して前記リーダーライターが前記携帯端末と通信する制御をし、前記第2の通信部が前記通信モード情報を受信したとき、前記画面と関連付けられている通信モードで通信するリクエストを前記第3の通信部に送信させ、かつ、前記第1のモード設定部を前記画面と関連付けられている通信モードに設定する第2の通信制御部と、を備え、前記携帯端末は、前記リーダーライターとの通信に使用される第4の通信部と、前記複数の通信モードのいずれかが設定される第2のモード設定部と、前記第2のモード設定部に設定された通信モードで前記第4の通信部を使用して前記携帯端末が前記リーダーライターと通信する制御をし、前記第4の通信部が前記リクエストを受信したとき、前記第2のモード設定部を前記画面と関連付けられている通信モードに設定して、前記リーダーライターを介して前記携帯端末が前記画像形成装置と通信する制御をする第3の通信制御部と、を備える。
【0012】
本発明の第1の局面に係る通信システムによれば、複数の通信モードのいずれかと関連付けられている画面が、画像形成装置の表示部に表示されると、その画面に関連付けられた通信モードを自動的に携帯端末に設定することができる。従って、携帯端末の通信モードを設定する操作を省略できるので、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0013】
本発明の第2の局面に係る通信方法は、画像形成装置、リーダーライター及び携帯端末を備え、前記リーダーライターと前記携帯端末とが、複数の通信モードのいずれかを選択して近距離無線通信をする通信システムに適用される通信方法である。また、前記画像形成装置の表示部に、前記複数の通信モードのいずれかと関連付けられた画面を表示し、前記画面と関連付けられている通信モードを示す通信モード情報を前記画像形成装置から前記リーダーライターに送信させ、前記通信モード情報を受信した前記リーダーライターに、前記画面と関連付けられている通信モードで通信するリクエストを前記携帯端末に送信させ、前記リクエストを受信した前記携帯端末は、前記画面と関連付けられている通信モードに設定して、当該通信モードを介して前記携帯端末と前記画像形成装置とを通信させる。
【0014】
本発明の第2の局面に係る通信方法によれば、複数の通信モードのいずれかと関連付けられている画面が、画像形成装置の表示部に表示されると、その画面に関連付けられた通信モードを自動的に携帯端末に設定して携帯端末と前記画像形成装置とを通信させることができる。従って、携帯端末の通信モードを設定する操作を省略できるので、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0015】
本発明の第3の局面に係る画像形成装置は、リーダーライターと携帯端末とが、複数の通信モードのいずれかを選択して近距離無線通信をする通信システムに適用される画像形成装置であって、表示部と、前記リーダーライターとの通信に使用される第1の通信部と、前記複数の通信モードのいずれかと関連付けられた画面が、前記表示部に表示されたとき、前記画面と関連付けられている通信モードを示す通信モード情報を、前記第1の通信部に送信させる第1の通信制御部と、を備える。
【0016】
本発明の第3の局面に係る画像形成装置は、本発明の第1の局面に係る通信システムに適用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像形成装置と携帯端末とを近距離無線通信を使用して連携させるために、リーダーライターと携帯端末とが、二以上の通信モードのいずれかを選択して近距離無線通信をする際に、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
図2図1に示す画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図3図1に示すリーダーライターの構成を示すブロック図である。
図4図1に示す携帯端末の構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係る通信システムの動作の第1例において、画像形成装置、リーダーライター及び携帯端末との関係を説明する説明図である。
図6】第1例を説明するフローチャートである。
図7】本実施形態に係る通信システムの動作の第2例において、画像形成装置、リーダーライター及び携帯端末との関係を説明する説明図である。
図8】第2例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム1の構成を示すブロック図である。通信システム1は、画像形成装置3、リーダーライター5、携帯端末7、サーバー9及びアクセスポイント11を備える。
【0020】
画像形成装置3は、ネットワークの一例である有線のLAN609に接続されている。図1には、LAN609に接続された複数の画像形成装置3A,3B,3Cが示されている。これらを区別する必要がない場合、画像形成装置3と記載する。画像形成装置3が三つを例にして説明するが、画像形成装置3は一つ又は複数であればよく、三つに限定されない。
【0021】
リーダーライター5は、NFC方式の近距離無線通信を用いて、非接触ICカードや非接触ICタグから情報を読み出したり、非接触ICカードや非接触ICタグに情報を書き込んだりする装置である。
【0022】
携帯端末7は、モバイル端末とも称され、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコンのようなポータブルデバイスである。携帯端末7とリーダーライター5とは、NFC方式を用いて近距離無線通信をすることができる。
【0023】
この通信のモードは、読取通信モード及び双方向通信モードを含む。読取通信モードは、いわゆるカードエミュレーションモードであり、携帯端末7を非接触ICカード又は非接触ICタグとし、携帯端末7の記憶部79(図4)に記憶されているカード情報又はタグ情報をリーダーライター5が読み取る通信モードである。以下、「非接触ICカード又は非接触ICタグ」を、単に、「非接触ICカード」と記載し、「カード情報又はタグ情報」を、単に、「カード情報」と記載する。
【0024】
双方向通信モードは、いわゆる機器間通信モードであり、二つの機器間(ここでは、携帯端末7とリーダーライター5との間)で双方向通信をすることにより、二つの機器間でデータを交換する通信モードである。携帯端末7とリーダーライター5とは、複数の通信モード(読取通信モード、双方向通信モード)のいずれかを選択してNFC方式を用いて近距離無線通信をする。NFC方式を例に説明するが、他の近距離無線通信を排除するものではない。
【0025】
サーバー9及びアクセスポイント11は、LAN609に接続されている。
【0026】
アクセスポイント11と携帯端末7との無線通信は、例えば、無線LANである。アクセスポイント11は、携帯端末7とLAN609とを相互に接続する。携帯端末7から無線通信によって送信されてきた印刷データ(すなわち、画像形成装置3を用いて印刷する画像を示す印刷データ)は、アクセスポイント11を経由して、画像形成装置3に送られる。
【0027】
サーバー9は、LAN609に接続されている複数の画像形成装置3のそれぞれの情報を管理する(例えば、画像形成装置3のファームウェアの最新のバージョン)。
【0028】
図2は、図1に示す画像形成装置3の構成を示すブロック図である。画像形成装置3として、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリの機能を有するデジタル複合機を例に説明する。画像形成装置3は、画像を印刷する機能を有する装置であればよく、デジタル複合機に限定されない。例えば、プリンターを画像形成装置3としてもよい。画像形成装置3は、印刷部100、原稿読取部200、原稿給送部300、操作部400、制御部500及び通信部600を備える。
【0029】
原稿給送部300は、原稿給送部300に設けられた原稿載置部に1枚の原稿が置かれている場合、その原稿を原稿読取部200に送り、原稿載置部に複数枚の原稿が置かれている場合、複数枚の原稿を連続的に原稿読取部200に送る。
【0030】
原稿読取部200は、原稿台に載置された原稿や、原稿給送部300から給送された原稿を読み取り、その原稿の画像データを出力する。
【0031】
印刷部100は、印刷ジョブを実行する。印刷ジョブとは、画像を示すデータ(例えば、携帯端末7から送信されてきた印刷データ、原稿読取部200から出力された画像データ、ファクシミリ受信の画像データ)について、そのデータで示される画像を印刷した印刷物を生成するジョブである。
【0032】
操作部400は、操作キー部401と表示部403を備える。表示部403は、タッチパネル機能を有しており、ソフトキーを含む画面が表示される。ユーザーは、画面を見ながらソフトキーを操作することによって、コピー等の機能の実行に必要な設定等をする。
【0033】
操作キー部401には、ハードキーからなる操作キーが設けられている。操作キーは、例えば、スタートキー、テンキー、リセットキー、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリを切り換えるための機能切換キーである。
【0034】
制御部500は、CPU、ROM及びRAM等を備える。CPUは、画像形成装置3を動作させるために必要な制御を、画像形成装置3の上記構成要素(例えば、印刷部100)に対して実行する。ROMは、画像形成装置3の動作の制御に必要なソフトウェアを記憶している。RAMは、ソフトウェアの実行時に発生するデータの一時的な記憶及びアプリケーションソフトの記憶等に利用される。
【0035】
制御部500は、機能ブロックとして、表示制御部501、記憶部503、通信制御部505及び認証部507を備える。これらのブロックの詳細は、後で説明する。
【0036】
通信部600は、ファクシミリ通信部601、ネットワークI/F部603及びUSBI/F部605を備える。ファクシミリ通信部601は、相手先ファクシミリとの電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)及びファクシミリ通信用の信号を変復調する変復調回路を備える。ファクシミリ通信部601は、電話回線607に接続される。
【0037】
ネットワークI/F部603は、LAN609に接続される。ネットワークI/F部603は、LAN609に接続された機器(サーバー9、アクセスポイント11、不図示のパーソナルコンピューター等)との間で通信を実行するための通信インターフェイス回路である。
【0038】
USB I/F部605は、USBケーブル611を介して、画像形成装置3とリーダーライター5との間で通信を実行するための通信インターフェイス回路である。USBI/F部605は、リーダーライター5との通信に使用される第1の通信部として機能する。
【0039】
表示制御部501は、表示部403に画面を表示させる制御をする。表示部403に表示される画面は、例えば、ログイン画面、機器状態画面、ネットワーク設定画面、ファームウェアのバージョン画面、コピーの設定画面がある。ログイン画面とは、認証部507が画像形成装置3のユーザー認証をするときに、表示部403に表示される画面である。機器状態画面とは、画像形成装置3の状態(例えば、トナー残量、用紙残量、メンテナンス時期)を示す画面である。ネットワーク設定画面とは、画像形成装置3をLAN609に接続したときに画像形成装置3に設定される情報(画像形成装置3に割り当てられたIPアドレス等)を示す画面である。ファームウェアのバージョン画面とは、画像形成装置3のファームウェアのバージョン情報を示す画面である。コピーの設定画面とは、拡大縮小、用紙サイズ、コピー濃度等のコピーをするために必要な設定をする画面である。
【0040】
記憶部503は、携帯端末7とリーダーライター5とが双方向通信をすることによって、画像形成装置3から携帯端末7に送る情報(例えば、機器状態画面、ネットワーク設定画面、ファームウェアのバージョン画面及びコピーの設定画面に含まれる情報)を記憶している。機器状態画面で説明すると、記憶部は、画像形成装置3の状態(例えば、トナー残量、用紙残量、メンテナンス時期)を示す情報を記憶している。
【0041】
通信制御部505は、第1の通信制御部として機能し、複数の通信モード(本実施形態では読取通信モード、双方向通信モード)のいずれかと関連付けられた画面が、表示部403に表示されたとき、その画面と関連付けられている通信モードを示す通信モード情報を、ネットワークI/F部603に送信させる。
【0042】
通信制御部505は、表示部403に表示される全ての画面のうち、複数の通信モードのいずれかと関連づけられている画面について、この関係を示す情報を予め記憶している。通信制御部505は、例えば、読取通信モードが、ログイン画面と関連付けられている情報、並びに、双方向通信モードが、機器状態画面、ネットワーク設定画面、ファームウェアのバージョン画面及びコピーの設定画面と関連付けられている情報を記憶している。
【0043】
認証部507は、この認証部507を備える画像形成装置3のユーザー認証をし、ユーザー認証が成功したとき、ユーザーに画像形成装置3の使用を許可し、ユーザー認証が失敗したとき、ユーザーに画像形成装置3の使用を許可しない。本実施形態のユーザー認証は、ICカードに記憶されているカード情報を用いるICカード認証である。カード情報には、ユーザーを特定するユーザー情報が含まれる。
【0044】
図3は、図1に示すリーダーライター5の構成を示すブロック図である。リーダーライター5は、通信部51、通信部53及び制御部55を備える。
【0045】
通信部51は、USBケーブル611を介して、リーダーライター5と画像形成装置3との間で通信を実行するための通信インターフェイス回路である。通信部51は、画像形成装置3との通信に使用される第2の通信部として機能する。
【0046】
通信部53は、NFC方式を用いてリーダーライター5と携帯端末7との間で近距離無線通信を実行するための通信インターフェイス回路である。通信部53は、携帯端末7との通信に使用される第3の通信部として機能する。
【0047】
制御部55は、CPU、ROM及びRAM等を備える。CPUは、リーダーライター5を動作させるために必要な制御を、通信部51及び通信部53に対して実行する。ROMは、リーダーライター5の動作の制御に必要なソフトウェアを記憶している。RAMは、ソフトウェアの実行時に発生するデータの一時的な記憶及びアプリケーションソフトの記憶等に利用される。
【0048】
制御部55は、機能ブロックとして、モード設定部57及び通信制御部59を備える。
【0049】
モード設定部57は、読取通信モード又は双方向通信モードのいずれかに設定される。モード設定部57は、複数の通信モードのいずれかが設定される第1のモード設定部として機能する。
【0050】
通信制御部59は、第2の通信制御部として機能し、モード設定部57に設定された通信モードで通信部53を使用してリーダーライター5が携帯端末7と通信する制御をし、通信部51が通信モード情報を受信したとき、画面と関連付けられている通信モードで通信するリクエストを通信部53に送信させ、かつ、モード設定部57を画面と関連付けられている通信モードに設定する。
【0051】
図4は、図1に示す携帯端末7の構成を示すブロック図である。携帯端末7は、通信部71、制御部72及び操作表示部73を備える。
【0052】
通信部71は、無線通信を実行する通信インターフェイス回路であり、NFC方式を用いて携帯端末7とリーダーライター5との間で近距離無線通信を実行するための通信インターフェイス機能を含む。通信部71は、リーダーライター5との通信に使用される第4の通信部として機能する。
【0053】
制御部72は、CPU、ROM及びRAM等を備える。制御部72は、携帯端末7を動作させる制御を実行する。制御部72は、機能ブロックとして、モード設定部75、通信制御部77及び記憶部79を備える。
【0054】
モード設定部75は、読取通信モード又は双方向通信モードのいずれかに設定される。モード設定部75は、複数の通信モードのいずれかが設定される第2のモード設定部として機能する。
【0055】
通信制御部77は、第3の通信制御部として機能し、モード設定部75に設定された通信モードで通信部71を使用して携帯端末7がリーダーライター5と通信する制御をし、通信部71がリクエストを受信したとき、モード設定部75を画面と関連付けられている通信モードに設定して、リーダーライター5を介して携帯端末7が画像形成装置3と通信する制御をする。
【0056】
記憶部79は、NFCカード情報(NFCタグ情報と言うこともできる)を記憶している。NFCカード情報には、ユーザー認証に用いられるユーザー情報(ユーザーのID等)が含まれる。
【0057】
操作表示部73は、液晶表示パネルのような表示部を備えるタッチパネル式のユーザーインターフェイスである。操作表示部73において、携帯端末7を動作させるための各種操作がされる。
【0058】
本実施形態に係る通信システム1の動作として、第1例及び第2例がある。これらの前提条件として、以下の二つがある。
【0059】
図2を参照して、画像形成装置3に電源が投入されることにより、画像形成装置3の各システムが起動すると、通信制御部505は、初期化を命じる信号を、USB I/F部605に送信させる。図3を参照して、その信号は、USBケーブル611を介してリーダーライター5の通信部51で受信され、通信制御部59は、リーダーライター5を初期化させる。
【0060】
図4を参照して、ユーザーは、携帯端末7の操作表示部73を操作して、NFCを使用するモードに携帯端末7を設定する。
【0061】
本実施形態に係る通信システム1の動作の第1例を説明する。図5は、第1例において、画像形成装置3、リーダーライター5及び携帯端末7との関係を説明する説明図である。第1例では、画像形成装置3の表示部403にログイン画面が表示されたとき、リーダーライター5と携帯端末7とが読取通信モードに自動的に設定される。図6は、第1例を説明するフローチャートである。
【0062】
図2及び図6を参照して、ユーザーが画像形成装置3の操作部400を操作して、ログイン画面を表示させる命令を入力したとき、表示制御部501は、表示部403にログイン画面を表示させる(ステップS1)。
【0063】
通信制御部505は、ログイン画面と読取通信モードとを関連付けて記憶しているので、読取通信モードを示す通信モード情報を、USB I/F部605に送信させる(ステップS2)。
【0064】
図3及び図6を参照して、リーダーライター5の通信部51は、ステップS2で送信された通信モード情報を受信する(ステップT1)。
【0065】
通信制御部59は、リーダーライター5とNFCで通信できる圏内に携帯端末7があるか否かを判断する(ステップT2)。通信制御部59は、リーダーライター5とNFCで通信できる圏内に携帯端末7がないと判断したとき(ステップT2でNo)、ステップT2の処理を繰り返す。
【0066】
通信制御部59は、リーダーライター5とNFCで通信できる圏内に携帯端末7があると判断したとき(ステップT2でYes)、読取通信モードで通信するリクエストを、通信部53に送信させ(ステップT3)、そして、モード設定部57を読取通信モードに設定する(ステップT4)。
【0067】
図4及び図6を参照して、携帯端末7が、リーダーライター5とNFCで通信できる圏内にあるとき、通信部71は、ステップT3で送信されたリクエストを受信する(ステップU1)。そして、通信制御部77は、モード設定部75を読取通信モードに設定し(ステップU2)、以降、リーダーライター5を介して携帯端末7が画像形成装置3と通信する制御をする。
【0068】
ステップT4及びステップU2後、リーダーライター5と携帯端末7とが、読取通信モードで通信をして、リーダーライター5は、携帯端末7からカード情報を受信する(ステップT5、ステップT6、ステップU3、ステップU4)。詳しく説明すると、図3及び図6を参照して、リーダーライター5の通信制御部59は、カード情報のリクエストを通信部53に送信させる(ステップT5)。
【0069】
図4及び図6を参照して、携帯端末7の通信部71は、ステップT5で送信されたリクエストを受信する(ステップU3)。通信制御部77は、記憶部79に記憶されているカード情報を読み出して、カード情報を通信部71に送信させる(ステップU4)。
【0070】
図3及び図6を参照して、リーダーライター5の通信部53は、ステップU4で送信されたカード情報を受信する(ステップT6)。
【0071】
通信制御部59は、ステップT6で通信部53が受信したカード情報を通信部51に転送させる(ステップT7)。
【0072】
図2及び図6を参照して、画像形成装置3のUSB I/F部605は、ステップT7で転送されたカード情報を受信する(ステップS3)。
【0073】
認証部507は、ステップS3で受信されたカード情報を利用してユーザー認証をする(ステップS4)。
【0074】
認証部507は、ユーザー認証の結果、カード情報で特定されるユーザーが、画像形成装置3を使用できるユーザーか否かを判断する(ステップS5)。認証部507は、カード情報で特定されるユーザーが、画像形成装置3を使用できるユーザーと判断したとき(ステップS5でYes:ユーザー認証が成功)、そのユーザーに画像形成装置3の使用を許可する(ステップS6)。
【0075】
認証部507は、カード情報で特定されるユーザーが、画像形成装置3を使用できないユーザーと判断したとき(ステップS5でNo:ユーザー認証が失敗)、そのユーザーに画像形成装置3の使用を許可しない(ステップS7)。
【0076】
次に、本実施形態に係る通信システム1の動作の第2例を説明する。図7は、第2例において、画像形成装置3、リーダーライター5及び携帯端末7との関係を説明する説明図である。第2例では、双方向通信モードに関連付けられた画面として、機器状態画面を例にして説明する。画像形成装置3の表示部403に機器状態画面が表示されたとき、リーダーライター5と携帯端末7とが双方向通信モードに自動的に設定される。図8は、第2例を説明するフローチャートである。
【0077】
図2及び図8を参照して、ユーザーが画像形成装置3の操作部400を操作して、機器状態画面を表示させる命令を入力したとき、表示制御部501は、表示部403に機器状態画面を表示させる(ステップS11)。
【0078】
通信制御部505は、機器状態画面と双方向通信モードとを関連付けて記憶しているので、双方向通信モードを示す通信モード情報を、USB I/F部605に送信させる(ステップS12)。
【0079】
図3及び図8を参照して、リーダーライター5の通信部51は、ステップS12で送信された通信モード情報を受信する(ステップT11)。
【0080】
通信制御部59は、リーダーライター5とNFCで通信できる圏内に携帯端末7があるか否かを判断する(ステップT12)。通信制御部59は、リーダーライター5とNFCで通信できる圏内に携帯端末7がないと判断したとき(ステップT12でNo)、ステップT12の処理を繰り返す。
【0081】
通信制御部59は、リーダーライター5とNFCで通信できる圏内に携帯端末7があると判断したとき(ステップT12でYes)、双方向通信モードで通信するリクエストを、通信部53に送信させ(ステップT13)、そして、モード設定部57を双方向通信モードに設定する(ステップT14)。
【0082】
図4及び図8を参照して、携帯端末7は、リーダーライター5とNFCで通信できる圏内にあるとき、通信部71は、ステップT13で送信されたリクエストを受信する(ステップU11)。そして、通信制御部77は、モード設定部75を双方向通信モードに設定し(ステップU12)、以降、リーダーライター5を介して携帯端末7が画像形成装置3と通信する制御をする。
【0083】
図3及び図8を参照して、ステップT14後、リーダーライター5の通信制御部59は、機器状態を示す情報のリクエストを通信部51に送信させる(ステップT15)。
【0084】
図2及び図8を参照して、画像形成装置3のUSB I/F部605は、ステップT15で送信されたリクエストを受信する(ステップS13)。そして、通信制御部505は、記憶部503に記憶されている機器状態を示す情報を読み出して、機器状態を示す情報及び所定の起動情報をUSB I/F部605に送信させる(ステップS14)。ここでの起動情報は、機器状態を示す情報を図4に示す携帯端末7の操作表示部73に表示させるためのアプリケーションを起動させる情報である。携帯端末7の記憶部79は、そのアプリケーションを記憶している。
【0085】
図3及び図8を参照して、リーダーライター5の通信部51は、ステップS14で送信された機器状態を示す情報及び所定の起動情報を受信する(ステップT16)。
【0086】
通信制御部59は、ステップT16で通信部51が受信した機器状態を示す情報及び所定の起動情報を通信部53に転送させる(ステップT17)。
【0087】
図4及び図8を参照して、携帯端末7の通信部71は、ステップT17で転送された機器状態を示す情報及び所定の起動情報を受信する(ステップU13)。ステップU13及びステップT17において、リーダーライター5と携帯端末7とは、双方向通信モードで通信をしている。
【0088】
携帯端末7の制御部72は、ステップU13で通信部71が受信した所定の起動情報を用いて、機器状態を示す情報を操作表示部73に表示させるためのアプリケーションを起動させ、ステップU13で通信部71が受信した機器状態を示す情報を、操作表示部73に表示させる(ステップU14)。
【0089】
操作表示部73に表示される機器状態を示す情報には、警告情報(例えば、トナー残量が予め設定したしきい値以下である)が含まれる。画像形成装置3において、表示部403に表示される機器状態画面に、警告情報を含めない設定がされている場合、ユーザーは操作表示部73に表示される機器状態を示す情報から警告情報を知ることができる。
【0090】
画像形成装置3の表示部403に表示される画面がネットワーク設定画面のとき、画像形成装置3をLAN609に接続したときに画像形成装置3に設定される情報(画像形成装置3に割り当てられたIPアドレス等)を示す画面が、操作表示部73に表示される。通信制御部77は、その情報を基にして、通信部71を制御し、図1に示すアクセスポイント11及びLAN609を介してその画像形成装置3とネットワーク接続できるか確認する。
【0091】
表示部403に表示される画面がファームウェアのバージョン画面のとき、その画像形成装置3のファームウェアのバージョン情報の一覧が、操作表示部73に表示される。通信制御部77は通信部71を制御し、図1に示すアクセスポイント11及びLAN609を介してサーバー9にアクセスし、その画像形成装置3のファームウェアの最新のバージョン情報を取得する。携帯端末7の制御部72は、画像形成装置3のファームウェアが最新のバージョンでなく、更新が必要と判断したとき、その旨を操作表示部73に示す。
【0092】
表示部403に表示される画面がコピーの設定画面のとき、その画面に設定された設定値(拡大縮小、用紙サイズ、コピー濃度の設定値等)が操作表示部73に表示される。ユーザーは、次回、これらの設定値を、NFC方式の近距離無線通信を使用して、携帯端末7からリーダーライター5を介して、画像形成装置3に設定することができる。
【0093】
図6に示すステップU1や図8に示すステップU11において、携帯端末7がリクエストを受信したとき、携帯端末7の制御部72は、リーダーライター5を介して通信する画像形成装置3が、携帯端末7の記憶部79に記憶されるデバイスリストに未登録と判断したとき、デバイスリストにその画像形成装置3に関する情報(画像形成装置3のIPアドレス、画像形成装置3に付けられた名前等)を登録する。そして、携帯端末7の通信制御部77は、その画像形成装置3と携帯端末7とが、アクセスポイント11及びLAN609を用いたネットワーク通信をするための設定がされていないと判断したとき、通信部71を制御して、NFC方式の近距離無線通信を使用して(すなわち、リーダーライター5を介して)、画像形成装置3に、上記ネットワーク通信をするために必要な設定を要求する。この要求を、図2に示す画像形成装置3のUSB I/F部605が受信すると、通信制御部505は、携帯端末7とネットワーク通信するために必要な設定をする。
【0094】
携帯端末7と画像形成装置3とがネットワーク接続することにより、携帯端末7と画像形成装置3との間でネットワーク(アクセスポイント11及びLAN609)を用いて情報やデータを交換できる。何らかの原因で携帯端末7と画像形成装置3との間でネットワークを用いて情報やデータを交換できないとき(例えば、画像形成装置3のLANケーブルが外れている)、データ量が小さい情報(例えば、画像形成装置3の機器状態を示す情報、画像形成装置3のファームウェアのバージョン情報)やデータについては、NFC方式の近距離無線通信を使用して、携帯端末7と画像形成装置3との間で情報やデータを交換できる。
【0095】
携帯端末7は、サーバー9とネットワーク(アクセスポイント11及びLAN609)を介して定期的に情報やデータを交換することにより、画像形成装置3に関する最新の情報やデータを保持する。
【0096】
本実施形態の主な効果を説明する。図6のステップS1〜S2、ステップT1〜T4及びステップU1〜U2で説明したように、本実施形態によれば、読取通信モードと関連付けられた画面(例えば、ログイン画面)が、画像形成装置3の表示部403に表示されると、携帯端末7の通信モードを自動的に読取通信モードに設定することができる。
【0097】
図8のステップS11〜S12、ステップT11〜T14及びステップU11〜U12で説明したように、本実施形態によれば、双方向通信モードと関連付けられた画面(例えば、機器状態画面)が、画像形成装置3の表示部403に表示されると、携帯端末7の通信モードを自動的に双方向通信モードに設定することができる。
【0098】
上記したように、本実施形態に係る通信システム1によれば、複数の通信モードのいずれかと関連付けられている画面が、画像形成装置3の表示部403に表示されると、その画面に関連付けられた通信モードを自動的に携帯端末7に設定することができる。従って、携帯端末7の通信モードを設定する操作を省略できるので、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0099】
上記構成において、前記複数の通信モードは、携帯端末7を非接触ICカード又は非接触ICタグとして、携帯端末7に記憶されているカード情報又はタグ情報をリーダーライター5が読み取る読取通信モードを含み、第1の通信制御部(通信制御部505)は、前記読取通信モードと関連付けられた画面が、表示部403に表示されているとき、前記読取通信モードを示す前記通信モード情報を、第1の通信部(USBI/F部605)に送信させ、第2の通信制御部(通信制御部59)は、第2の通信部(通信部51)が前記読取通信モードを示す前記通信モード情報を受信したとき、前記読取通信モードで通信する前記リクエストを第3の通信部(通信部53)に送信させ、かつ、第1のモード設定部(モード設定部57)を前記読取通信モードに設定し、第3の通信制御部(通信制御部77)は、第4の通信部(通信部71)が前記読取通信モードで通信する前記リクエストを受信したとき、第2のモード設定部(モード設定部75)を前記読取通信モードに設定して、リーダーライター5を介して携帯端末7が画像形成装置3と通信する制御をする。
【0100】
この構成によれば、読取通信モードと関連付けられた画面(例えば、ログイン画面)が、画像形成装置3の表示部403に表示されると、携帯端末7の通信モードを自動的に読取通信モードに設定することができる。
【0101】
上記構成において、前記複数の通信モードは、リーダーライター5と携帯端末7とが双方向通信をする双方向通信モードを含み、第1の通信制御部(通信制御部505)は、前記双方向通信モードと関連付けられた画面が、表示部403に表示されているとき、前記双方向通信モードを示す前記通信モード情報を、第1の通信部(USBI/F部605)に送信させ、第2の通信制御部(通信制御部59)は、第2の通信部(通信部51)が前記双方向通信モードを示す前記通信モード情報を受信したとき、前記双方向通信モードで通信する前記リクエストを第3の通信部(通信部53)に送信させ、かつ、第1のモード設定部(モード設定部57)を前記双方向通信モードに設定し、第3の通信制御部(通信制御部77)は、第4の通信部(通信部71)が前記双方向通信モードで通信する前記リクエストを受信したとき、第2のモード設定部(モード設定部75)を前記双方向通信モードに設定して、リーダーライター5を介して携帯端末7が画像形成装置3と通信する制御をする。
【0102】
この構成によれば、双方向通信モードと関連付けられた画面(例えば、残りのトナー量、用紙等を示す機器状態画面)が、画像形成装置3の表示部403に表示されると、携帯端末7の通信モードを自動的に双方向通信モードに設定することができる。
【0103】
上記構成において、第1の通信制御部(通信制御部505)は、前記複数の通信モードのいずれにも関連付けられていない画面が、表示部403に表示されている期間、画像形成装置3とリーダーライター5との通信を遮断する。
【0104】
この構成によれば、複数の通信モードのいずれにも関連付けられていない画面に対して、携帯端末7からの不正アクセスを防止できる。
【0105】
上記したように、本開示に係る通信方法は、画像形成装置3、リーダーライター5及び携帯端末7を備え、リーダーライター5と携帯端末7とが、複数の通信モードのいずれかを選択して近距離無線通信をする通信システム1に適用される通信方法である。また、画像形成装置3の表示部403に、前記複数の通信モードのいずれかと関連付けられた画面を表示し、前記画面と関連付けられている通信モードを示す通信モード情報を画像形成装置3からリーダーライター5に送信させ、前記通信モード情報を受信したリーダーライター5に、前記画面と関連付けられている通信モードで通信するリクエストを携帯端末7に送信させ、前記リクエストを受信した携帯端末7は、前記画面と関連付けられている通信モードに設定して、当該通信モードを介して携帯端末7と画像形成装置3とを通信させることを特徴としている。
【0106】
この通信方法によれば、複数の通信モードのいずれかと関連付けられている画面が、画像形成装置3の表示部403に表示されると、その画面に関連付けられた通信モードを自動的に携帯端末7に設定して携帯端末7と画像形成装置3とを通信させることができる。
【0107】
このように本実施形態によれば、複数の通信モードのいずれかと関連付けられている画面が、画像形成装置3の表示部403に表示されると、その画面に関連付けられた通信モードを自動的に携帯端末7に設定することができる。従って、携帯端末7の通信モードを設定する操作を省略できるので、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0108】
本実施形態に係る通信システム1は、第1例と第2例の両方を実行できる態様、第1例を実行できるが、第2例を実行できない態様、第1例を実行できないが、第2例を実行できる態様がある。第1例を実行できないが、第2例を実行できる態様において、携帯端末7でなく、カード情報を記憶している非接触ICカードやタグ情報を記憶している非接触ICタグを利用して、画像形成装置3のユーザー認証ができるようにしてもよい。
【0109】
本実施形態に以下の構成を追加してもよい。図2を参照して、画像形成装置3において、通信制御部505は、複数の通信モードのいずれにも関連付けられていない画面が、表示部403に表示されている期間、画像形成装置3とリーダーライター5との通信を遮断する。これによれば、複数の通信モードのいずれにも関連付けられていない画面に対して、携帯端末7からの不正アクセスを防止できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8