特許第6226112号(P6226112)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6226112クリープ疲労試験方法、及びクリープ試験装置の制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6226112
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】クリープ疲労試験方法、及びクリープ試験装置の制御装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/32 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   G01N3/32 Z
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-535713(P2017-535713)
(86)(22)【出願日】2017年2月1日
(86)【国際出願番号】JP2017003656
【審査請求日】2017年7月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】森下 啓司
(72)【発明者】
【氏名】西田 秀高
(72)【発明者】
【氏名】松村 栄郎
(72)【発明者】
【氏名】片岡 敏明
【審査官】 素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−225333(JP,A)
【文献】 特開2009−198296(JP,A)
【文献】 特開2014−202652(JP,A)
【文献】 特開2003−114177(JP,A)
【文献】 特開2005−227065(JP,A)
【文献】 欧州特許第2757362(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリープ疲労試験方法であって、
実機の運転時にクリープ疲労を生じさせる応力が作用する部材の状況を模擬すべく、実機の運転サイクルにおける応力−時間特性に追随するように応力を作用させる制御である応力制御を試験片に対して行うことにより、前記試験片についてひずみ−時間特性を取得する第1ステップと、
前記ひずみ−時間特性のひずみの変化に追随するように前記試験片に応力を作用させる制御であるひずみ制御を、前記運転サイクルについて繰り返し行う第2ステップと、
を含む、クリープ疲労試験方法。
【請求項2】
請求項1に記載のクリープ疲労試験方法であって、
前記応力−時間特性は前記部材について熱応力解析を行うことにより得られたものである、
クリープ疲労試験方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のクリープ疲労試験方法であって、
前記第2ステップにおいて、前記ひずみ制御を少なくとも前記応力−時間特性において応力が一定となる期間において行う、
クリープ疲労試験方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のクリープ疲労試験方法であって、
前記実機は蒸気タービンであり、前記部材は蒸気タービンの車室又は弁の少なくとも一部である、
クリープ疲労試験方法。
【請求項5】
クリープ試験装置の制御装置であって、
実機の運転時にクリープ疲労を生じさせる応力が作用する部材の状況を模擬すべく、実機の運転サイクルにおける応力−時間特性に追随するように応力を作用させる制御である応力制御を試験片に対して行うことにより、前記試験片についてひずみ−時間特性を取得する、応力制御試験処理部と、
前記ひずみ−時間特性のひずみの変化に追随するように前記試験片に応力を作用させる制御であるひずみ制御を、前記運転サイクルについて繰り返し行う、ひずみ制御試験処理部と、
を備える、クリープ試験装置の制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載のクリープ試験装置の制御装置であって、
前記応力−時間特性は前記部材について熱応力解析を行うことにより得られたものである、
クリープ試験装置の制御装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のクリープ試験装置の制御装置であって、
前記ひずみ制御試験処理部は、前記ひずみ制御を少なくとも前記応力−時間特性において応力が一定となる期間において行う、
クリープ試験装置の制御装置。
【請求項8】
請求項5又は6に記載のクリープ試験装置の制御装置であって、
前記実機は蒸気タービンであり、前記部材は蒸気タービンの車室又は弁の少なくとも一部である、
クリープ試験装置の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリープ疲労試験方法、及びクリープ試験装置の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、応力緩和現象を考慮に入れて蒸気タービンなどの高温に曝される部材の余寿命を評価するため、実機における部材の高温に曝される部位でクリープ疲労の進行状況を調査し、調査したクリープ疲労の進行状況に基づき、クリープの応力緩和現象を考慮した解析手法に基づく逆解析により、実機をモデル化した数値計算モデルに作用させて作用熱応力を求め、数値解析モデルのクリープ疲労が所定の進行状況になるまで、求めた作用熱応力を数値解析モデルに作用させ、解析手法を用いた数値解析を実行し、余寿命を算出することが記載されている。
【0003】
特許文献2には、残存疲労寿命推定装置が、溶接部の応力又はひずみ、及び変位を連続的に測定し、測定した応力又はひずみ、及び変位を記憶し、応力又はひずみの振幅の頻度を計算し、応力又はひずみ、及び変位の測定中の測定期間を計測し、応力又はひずみと変位との関係における傾きを計算し、傾きの変化量に基づいて疲労亀裂発生寿命を判定し、応力又はひずみの振幅の頻度、測定期間及び疲労寿命データベースに基づいて疲労被害度および残存疲労寿命を計算し、疲労亀裂発生寿命に基づき残存疲労寿命を修正することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−39649号公報
【特許文献2】特開2003−322593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
火力発電設備における蒸気タービンの車室や弁を構成している鋳鋼構造物の内面等の部材にあっては、蒸気タービンの起動停止時の熱応力変動による高温疲労と運転中の熱応力保持によるクリープを原因として亀裂が発生し進展する。そのため、クリープ疲労試験により亀裂の進展を正確に模擬するには、実機の起動停止時については熱応力変動を、実機の運転中については熱応力保持を、夫々考慮する必要がある。また実機の運転中については、さらにひずみを与え続けることによる応力緩和についても考慮する必要がある。
【0006】
本発明はこうした背景に鑑みてなされたもので、クリープ疲労試験により実機の状況を精度よく模擬することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための本発明は、クリープ疲労試験方法であって、実機の運転時にクリープ疲労を生じさせる応力が作用する部材の状況を模擬すべく、実機の運転サイクルにおける応力−時間特性に追随するように応力を作用させる制御である応力制御を試験片に対して行うことにより、前記試験片についてひずみ−時間特性を取得する第1ステップと、前記ひずみ−時間特性のひずみの変化に追随するように前記試験片に応力を作用させる制御であるひずみ制御を、前記運転サイクルについて繰り返し行う第2ステップと、を含む。
【0008】
このように、第1ステップにて取得したひずみ−時間特性のひずみの変化に追随するように第2ステップにて試験片に応力を作用させるひずみ制御を行うことで、実機の起動停止時については熱応力変動を、実機の運転中については熱応力保持を、夫々反映することができる。また実機の運転中については、さらにひずみを与え続けることによる応力緩和についても反映することができる。このため、実機の状況を精度よく模擬することができる。
【0009】
尚、上記応力−時間特性は、例えば、上記部材について熱応力解析を行うことにより得られたものである。上記第2ステップでは、上記ひずみ制御を少なくとも上記応力−時間特性において行うとしてもよい。上記実機は、例えば、蒸気タービンであり、また上記部材は、例えば、蒸気タービンの車室又は弁の少なくとも一部である。
【0010】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、クリープ疲労試験により実機の状況を精度よく模擬することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】クリープ試験装置の概略的な構成を示す図である。
図2】制御装置のハードウェア構成を示す図である。
図3】制御装置が備える機能、及び制御装置が記憶するデータを示す図である。
図4】クリープ疲労試験処理を説明するフローチャートである。
図5】応力−時間特性の一例である。
図6】ひずみ−時間特性の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態として、火力発電設備における蒸気タービン(以下、実機とも称する。)の車室や弁を構成している鋳鋼構造物の内面(以下、模擬対象部材とも称する。)の状況を模擬すべく行われるクリープ疲労試験について説明する。
【0014】
図1に本実施形態で例示するクリープ試験装置1の概略的な構成を示している。同図に示すように、クリープ試験装置1は、模擬対象部材と同一もしくは模擬対象部材と類似する材質(CrMoV鋳鋼等の金属材料)からなる試験片2がセットされる恒温槽3(電気炉)、試験片2を固定する上側固定具4a及び下側固定具4b、上側ロッド5a及び下側ロッド5b、引張圧縮装置6、荷重センサ7、変位センサ8、温度制御装置9、クリープ試験装置1の監視や制御を行う制御装置10等を備える。制御装置10には荷重センサ7や変位センサ8から送られてくる計測値が入力される。制御装置10は引張圧縮装置6及び温度制御装置9と通信可能に接続している。
【0015】
上側固定具4aは、棒状に加工された試験片2の上端を固定する機構(チャック等)を備える。下側固定具4bは、試験片2の下端を固定する機構(チャック等)を備える。上側ロッド5aは、上側固定具4aに連続する棒状の部材であり、上側固定具4aを上方側から支持する。下側ロッド5bは、下側固定具4bに連続する棒状の部材であり、下側固定具4bを下方側から支持する。
【0016】
引張圧縮装置6は、下側ロッド5b及び下側固定具4bを介して、試験片2に上下方向(試験片2の長手方向)の引張力又は圧縮力を作用させる。引張圧縮装置6は、制御装置10から送られてくる制御信号に応じて引張力又は圧縮力を調節する機構を備える。上記機構として、例えば、電動機(モータ)とネジ構造とを組み合わせたもの、電動機と歯車を組み合わせたもの、油圧シリンダを用いたもの等がある。
【0017】
荷重センサ7は、例えば、ひずみゲージ(ロードセル)を用いて構成される。荷重センサ7は、例えば、上側ロッド5aの所定位置に設けられる。荷重センサ7は、試験片2に作用している引張力又は圧縮力の大きさを計測し、計測した値を制御装置10に入力する。
【0018】
変位センサ8は、例えば、ひずみゲージ(ロードセル)を用いて構成される。変位センサ8は、試験片2の変位(伸縮量)を計測し、計測した値を制御装置10に入力する。
【0019】
温度制御装置9は、恒温槽3内に設けられた温度センサ9aから入力される値(恒温槽内(試験片)の温度)に基づくフィードバック制御により恒温槽3内に設けられたヒータ9bに供給する電力を調整し、恒温槽3内の温度(試験片2の温度)を制御する。温度制御装置9は、例えば、恒温槽内の温度(試験片2の温度)が制御装置10から送られてくる設定温度になるようにヒータ9bに供給する電力を調整する。温度制御装置9は、温度センサ9aにより計測された恒温槽3内の温度(試験片2の温度)の情報を制御装置10に入力する。
【0020】
尚、試験片2に作用する応力は試験片2の断面積によって変化するため、例えば、試験片2の形状(外形(外径))に関する情報を計測して制御装置10に入力する形状センサをクリープ試験装置1に設けてもよい。上記形状センサとして、例えば、レーザ光を利用するもの(レーザ変位センサ)等がある。クリープ試験装置1は、上記形状センサから入力される値(断面積)を用いて試験片2に作用する応力を精度よく算出する。
【0021】
制御装置10は、荷重センサ7や変位センサ8から入力される信号に基づき引張圧縮装置6をフィードバック制御することにより試験片2に作用する応力を制御する。
【0022】
図2に制御装置10のハードウェア構成を示している。制御装置10は、プロセッサ11、メモリ12、記憶装置13、入力装置14、出力装置15、及び通信装置16を備え、情報処理装置(コンピュータ)として機能する。プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等であり、メモリ12や記憶装置13からプログラムを読み出して実行する。メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、NVRAM(Non-Volatile RAM)等であり、プログラムやデータを記憶する。記憶装置13は、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等であり、プログラムやデータを記憶する。入力装置14は、ユーザから操作入力を受け付けるインタフェースであり、タッチパネル、キーパッド、キーボード、マウス等である。出力装置15は、ユーザに情報を提供するインタフェースであり、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)等である。通信装置16は、引張圧縮装置6、荷重センサ7、変位センサ8、及び温度制御装置9の各装置と通信するインタフェースを含み、例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)、SPI(Serial Peripheral Interface)、USB(Universal Serial Bus)、RS−232C等のプロトコルに従って上記各装置と通信する。
【0023】
図3に制御装置10が備える機能、及び制御装置10が記憶するデータを示している。同図に示すように、制御装置10は、クリープ疲労試験実施部110を備える。またクリープ疲労試験実施部110は、応力−時間特性取得部111、応力制御試験処理部112、及びひずみ制御試験処理部113、の各機能を備える。これらの機能は、プロセッサ11が、メモリ12や記憶装置13に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、もしくは、制御装置10が備えるハードウェア(ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等)により実現される。また同図に示すように、制御装置10は、応力−時間特性121、ひずみ−時間特性122、及びクリープ疲労試験結果123を記憶する。
【0024】
クリープ疲労試験実施部110は、応力−時間特性取得部111、応力制御試験処理部112、及びひずみ制御試験処理部113の各機能により、試験片2についてクリープ疲労試験を実施する。
【0025】
応力−時間特性取得部111は、実機の起動から停止までの運転サイクルにおける模擬対象部材の応力−時間特性を取得し、取得した応力−時間特性を応力−時間特性121として記憶する。応力−時間特性取得部111は、例えば、他の情報処理装置によって生成された応力−時間特性を、入力装置14や通信装置16を介して取得する。また応力−時間特性取得部111は、例えば、模擬対象部材について有限要素法による熱応力解析を行うことにより、応力−時間特性を取得する。尚、クリープ疲労試験を効率よく行うべく、応力−時間特性取得部111が取得する応力−時間特性として、実機の運転サイクルに時間軸を短縮したものを用いてもよい。
【0026】
応力制御試験処理部112は、応力−時間特性121に追随するように試験片2に応力を作用させる制御(以下、応力制御とも称する。)を行うことにより、試験片2についてひずみ−時間特性を取得する。応力制御試験処理部112は、取得したひずみ−時間特性をひずみ−時間特性122として記憶する。
【0027】
ひずみ制御試験処理部113は、ひずみ−時間特性122のひずみの変化に追随するように試験片2に応力を作用させる制御(以下、ひずみ制御とも称する。)を繰り返し行うことにより試験片2についてクリープ試験を行う。ひずみ制御試験処理部113は、上記ひずみ制御を、少なくとも応力−時間特性121において応力が一定となる期間において行う。
【0028】
続いて、試験片2についてクリープ疲労試験を行う際にクリープ疲労試験実施部110が行う処理(以下、クリープ疲労試験処理S400と称する。)について説明する。
【0029】
図4は、クリープ疲労試験処理S400を説明するフローチャートである。以下、同図とともにクリープ疲労試験処理S400について説明する。
【0030】
同図に示すように、まず応力−時間特性取得部111が、実機の起動から停止までの運転サイクルにおける模擬対象部材の応力−時間特性を取得し、取得した応力−時間特性を応力−時間特性121として記憶する(S411)。
【0031】
図5に応力−時間特性121の一例を示す。同図に示すグラフの横軸の時間幅は、実機の起動から停止までの1回の運転サイクルに相当する。尚、クリープ疲労試験を効率よく行うべく、上記時間幅は実際の時間幅よりも適宜短縮される。
【0032】
同図において、0〜0.6(h)の期間は実機の起動期間に相当し、このうち0〜0.2(h)の期間は圧縮力が、また0.2〜0.6(h)の期間は引張力が、試験片2に作用している。また0.6〜3.4(h)の期間は実機の運転期間(高温保持)に相当し、試験片2に作用する応力は一定である。また3.4〜3.6(h)の期間は実機の停止期間に相当し、3.4〜3.5(h)の期間は引張力が、3.5〜3.6(h)の期間は圧縮力が、試験片2に作用している。
【0033】
図4に戻り、続いて、応力制御試験処理部112が、実機の起動から停止までの一回の運転サイクルについて、S411で記憶した応力−時間特性121に追随するように試験片2に応力を作用させる制御(応力制御)を行うことにより、試験片2についてひずみ−時間特性を取得し、取得したひずみ−時間特性をひずみ−時間特性122として記憶する(S412)。
【0034】
図6に、ひずみ−時間特性122の一例を示す。同図において、0〜0.6(h)の実機の起動期間のうち、0〜0.2(h)の期間は圧縮力によりひずみが減少し、0.2〜0.6(h)の期間は引張力によりひずみが増加している。また0.6〜3.4(h)の実機の運転期間(高温保持)では試験片2に作用する応力は一定であり、ひずみは徐々に増大している。また3.4〜3.6(h)の実機の停止期間のうち、3.4〜3.5(h)の期間は引張力が減少してひずみが減少し、3.5〜3.6(h)の期間は圧縮力によりひずみがさらに減少している。
【0035】
図4に戻り、続いて、ひずみ制御試験処理部113は、実機の起動から停止までの一回の運転サイクルについて、ひずみ−時間特性122のひずみの変化に追随するように試験片2に応力を作用させる制御(ひずみ制御)を行う(S413)。
【0036】
具体的には、ひずみ制御試験処理部113は、ひずみ−時間特性122のひずみの変化に追随するように試験片2に応力を作用させる制御(ひずみ制御)を行う。これによりひずみについては図6のグラフに従って変化させつつ、応力が時間とともに低下していく様子、即ち応力緩和を模擬することができる。
【0037】
図4に戻り、クリープ疲労試験実施部110は、停止条件が成立するまで、S413の処理を繰り返すことにより、試験片2についてクリープ疲労試験を行う(S414:NO)。ここで停止条件とは、例えば、試験片2が破断したこと、S413の処理の実行回数が予め設定された繰り返し回数に達したこと等である。
【0038】
S414において停止条件が成立すると(S414:YES)、クリープ疲労試験実施部110は、試験結果(試験片2が破断するまでの運転サイクルの実行回数、クリープ疲労試験中に試験片2の状態について取得される各種情報等)を出力する(415)。
【0039】
以上に説明したように、本実施形態のクリープ疲労試験においては、応力制御試験処理部112によって取得されたひずみ−時間特性122のひずみの変化に追随するようにひずみ制御試験処理部113が試験片2に応力を作用させるひずみ制御を行うことで、実機の起動停止時については熱応力変動を、実機の運転中については熱応力保持を、夫々反映することができる。また実機の運転中については、さらにひずみを与え続けることによる応力緩和についても反映することができる。このため、実機の状況を精度よく模擬することができる。
【0040】
尚、以上に説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0041】
1 クリープ試験装置、2 試験片、3 高温槽、4a 上側固定具、4b 下側固定具、5a 上側ロッド、5b 下側ロッド、6 引張圧縮装置、7 荷重センサ、8 変位センサ、9 温度制御装置、10 制御装置、110 クリープ疲労試験実施部、111 応力−時間特性取得部、112 応力制御試験処理部、113 ひずみ制御試験処理部、121 応力−時間特性、122 ひずみ−時間特性、123 クリープ疲労試験結果
【要約】
クリープ疲労試験により実機の部材の状況を精度よく模擬する。クリープ試験装置の制御装置は、実機の運転時にクリープ疲労を生じさせる応力が作用する部材の状況を模擬すべく、実機の運転サイクルにおける応力−時間特性に追随するように応力を作用させる制御である応力制御を試験片に対して行うことにより、試験片のひずみ−時間特性を取得し、ひずみ−時間特性におけるひずみの変化に追随するように試験片に応力を作用させる制御であるひずみ制御を、上記運転サイクルについて繰り返し行う。上記応力−時間特性としては、例えば、部材について熱応力解析を行うことにより得られたものを用いる。上記ひずみ制御は、少なくとも上記応力−時間特性において応力が一定となる期間において行う。実機は、例えば、蒸気タービンであり、上記部材は、例えば、蒸気タービンの車室又は弁の少なくとも一部である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6