(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記洗浄度検査部は、連続して前記第1測定部から取得された所定の複数個の導電率の二乗和の平均値を第1平均値として算出するとともに、連続して前記第2測定部から取得された所定の複数個の導電率の二乗和の平均値を第2平均値として算出し、前記第1平均値と前記第2平均値とを用いて、前記洗浄対象物の洗浄度を検査する、請求項1又は2に記載の洗浄度測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
(洗浄システムの概要)
先ず、
図1から
図3を用いて、本発明の一実施形態に係る洗浄度検査装置1を備えた洗浄システム100について説明する。
【0020】
洗浄システム100は、洗浄液Wによって洗浄対象物Oを洗浄する洗浄装置300と、洗浄対象物Oの洗浄度を検査するための洗浄度検査装置1とからなる。なお、本実施形態においては、洗浄装置300と洗浄度検査装置1とは別体であるが、一体に形成してもよい。本実施形態では、洗浄対象物Oは、例えば、プラスチック製やガラス製等の医療用容器等であるが、特に医療用容器等に限定されない。
【0021】
洗浄装置300は、洗浄対象物Oを配置するための洗浄容器301を有し、この洗浄容器301に対して洗浄液Wが所定時間継続的に供給(流入)されることで、洗浄対象物Oが洗浄される。なお、洗浄容器301に流入される前の洗浄液W、すなわち、洗浄対象物Oの洗浄に用いられていない洗浄液Wを、以下「給水W1」と記載する。なお、給水W1としては、例えば、水(例えば市水W11)や精製水W12等を用いることができる。
【0022】
そして、洗浄容器301からは、洗浄対象物Oの洗浄に用いられた洗浄液Wが流出されるようになっている。なお、洗浄に用いられた洗浄液Wを、以下「排水W2」と記載する。
【0023】
洗浄度検査装置1は、洗浄対象物Oの洗浄に用いられていない洗浄液W(給水W1)の導電率を測定する導電率計EC1(本発明の「第1測定部」に相当)と、洗浄対象物Oの洗浄に用いられた洗浄液W(排水W2)の導電率を測定する導電率計EC2(本発明の「第2測定部」に相当)と、導電率計EC1で測定された導電率と導電率計EC2で測定された導電率とを用いて、洗浄対象物Oの洗浄度を検査するCPU101(
図8参照、本発明の「洗浄度検査部」に相当)と、を備える。
【0024】
上記構成によれば、排水W2の導電率を用いて洗浄対象物Oの洗浄度が検査される。ここで、洗浄対象物Oの洗浄が進むと、排水W2に溶解している成分(洗浄剤や洗浄対象物Oに付着している汚れ等の成分。以下、「洗浄由来成分」と記載する)の量が減っていくため、導電率が低い程、洗浄対象物Oの洗浄度が高いことになる。このため、排水W2の導電率を用いることで、排水W2に溶解している成分の量に応じて洗浄対象物Oの洗浄度を検査することができる。
【0025】
更に、給水W1の導電率も洗浄対象物Oの洗浄度の検査に用いられるため、洗浄前から給水W1に溶解されていた成分に起因する導電率を洗浄対象物Oの洗浄度を検査するために用いることができる。例えば、給水W1の導電率と排水W2との導電率とを比較することで、洗浄対象物Oの洗浄によって排水W2に溶解された成分に起因する導電率を取得することができる。このため、洗浄前から洗浄液Wに溶解されているノイズ成分の影響を受けず、精度良く洗浄対象物Oの洗浄度を検査することができる。
【0026】
また、洗浄度検査装置1は、洗浄対象物Oへの流入前の洗浄液W(給水W1)の一部がこの流入前の洗浄液Wから分岐されて流入される第1流入管2と、洗浄対象物Oの洗浄に用いられた洗浄液W(排水W2)が流入される第2流入管3とを備える。そして、導電率計EC1は、第1流入管2に流入された洗浄液W(給水W1)の導電率を連続的に測定する。導電率計EC2は、第2流入管3に流入された洗浄液W(排水W2)の導電率を連続的に測定する。
【0027】
CPU101は、所定サンプリング周期で、導電率計EC1によって測定された導電率と導電率計EC2によって測定された導電率とを取得するとともに、連続して導電率計EC1から取得された所定の複数個(所定サンプル数)の導電率と、連続して導電率計EC2から取得された上記所定の複数個(所定サンプル数)の導電率とを用いて、洗浄対象物Oの洗浄度を検査する。
【0028】
具体例を説明すると、CPU101は、導電率計EC1で連続して測定された所定サンプル数の導電率の二乗和の平均値を第1平均値として算出するとともに、導電率計EC2で連続して測定された所定サンプル数の導電率の二乗和の平均値を第2平均値として算出し、第1平均値と第2平均値とを用いて、洗浄対象物Oの洗浄度を検査する。例えば、CPU101は、第1平均値(又は第1平均値に基づく値)と第2平均値(又は第2平均値に基づく値)とを比較することで、洗浄対象物Oの洗浄度の検査を行う。この一例を挙げれば、CPU101は、第1平均値(又は第1平均値に基づく値)と第2平均値(又は第2平均値に基づく値)との差が所定の閾値以下であるかどうかを判断することで、洗浄対象物Oの洗浄度の検査を行う。
【0029】
上記構成によれば、所定サンプル数の導電率の二乗和の平均値が算出されることで、給水W1や排水W2に溶解されている成分の部分的な濃度の偏り、流速等の導電率に与える影響を平滑化することができる。このため、より精度良く洗浄対象物Oの洗浄度を検査することができる。
【0030】
洗浄度検査装置1は、更に洗浄対象物Oの洗浄に用いられた洗浄液W(排水W2)中のパーティクルを検出するパーティクルセンサPS1(
図7)を更に備える。そして、CPU101は、パーティクルセンサPS1による検出結果に基づいて洗浄対象物Oの洗浄度を検査する。これによって、洗浄液W中に溶解している洗浄由来成分だけでなく、洗浄液W中のパーティクル(溶解しない洗浄由来成分)の検出結果に基づいて、洗浄対象物Oの洗浄度を検査することができる。
【0031】
(洗浄度検査装置の詳細)
以下に、
図1から
図9を用いて洗浄度検査装置1の詳細を説明する。
【0032】
(洗浄度検査装置の詳細:機械的構成)
まず、
図2Aから
図3を用いて洗浄度検査装置の機械的構成を説明する。洗浄度検査装置1は、キャスター付きの略直方体状の筐体内に、第1流入管2、第2流入管3、及び基盤1A等を備えるものである。第1流入管2には、洗浄装置100からの給水W1が流入される。なお、本実施形態では、給水W1として、洗浄対象物Oの洗浄のために市水W11を用いるだけでなく、洗浄の仕上げのリンス処理のために精製水W12を用いる。このため、第1流入管2には、市水W11だけでなく、精製水W12が流入される場合がある。なお、第2流入管3には、上述したように排水W2が流入される。
【0033】
また、
図3で示すように、基盤1Aには、導電率計EC1(導電率変換器)、導電率計EC2(導電率変換器)、バルブ切替タイマ(TM1、TM2)、A/D変換器(AD)等が搭載されている。
【0034】
導電率計EC1は、第1流入管2に流入された給水W1の導電率を所定の導電率計測期間において連続して測定する。また、導電率計EC2は、第2流入管3に流入された排水W2の導電率を所定の導電率計測期間において連続して測定する。これらの導電率計EC1、EC2としては、例えば、メトラートレド社製のものを使用することができる。パーティクルセンサPS1は、給水W1や排水W2に含有されているパーティクルを検出するセンサである。パーティクルセンサPS1としては、例えば、北斗電子工業社製のものを使用することができる。
【0035】
CPU101は、導電率計EC1、EC2の測定結果に基づいて洗浄対象物Oの洗浄度を検査するとともに、パーティクルセンサPS1の検出結果に基づいて洗浄対象物Oの洗浄度を検査する。詳細については、
図8を用いて後述する。
【0036】
(洗浄度検査装置の詳細:洗浄対象物Oの洗浄度の検査方法)
以下に、
図4から
図6Dを用いて、洗浄度検査装置1によって行われる洗浄度検査方法を説明する。本実施形態に係る洗浄度検査方法の第1の特徴は、上述したように、排水W2の導電率だけでなく、給水W1の導電率も用いることで、洗浄由来成分に起因した導電率を取得して洗浄対象物Oの洗浄度を検査することである。
【0037】
以下に、
図4を用いて、上記第1の特徴の利点を証明する。
図4では、給水W1(市水W11)の導電率の測定結果の推移と、排水W2の導電率の測定結果の推移とが示されている。具体的には、市水W11及び排水W2のそれぞれについて、所定サンプリング周期で導電率が取得され、各期間I、II、III、IVにおいて、取得された所定サンプル数の導電率の二乗和の平均値を平方根した値(以下、「検査値」と記載する)が算出されており、
図4では算出された検査値が示されている。なお、各期間I、II、III、IVは、測定開始から所定時間(例えば1000ms)経過する毎の期間である。
【0038】
図4で示すように、時間の経過とともに、排水W2の導電率に基づく上記検査値が下がり、給水W1の導電率に基づく検査値に近づいている。そして、洗浄が十分に進んだ期間IVでは、これらの値が一致している。このことから、排水W2の導電率と給水W1の導電率との差分は、洗浄対象物Oの洗浄によって洗浄液Wに溶解された洗浄由来成分に基づくものであり、この差分を用いることで、ノイズ成分の影響を受けずに、洗浄対象物Oの洗浄度の検査を精度良く行うことができることが示されている。
【0039】
更に、本実施形態に係る洗浄度検査方法の第2の特徴は、上述したように、所定サンプリング周期で給水W1及び排水W2の導電率を取得し、給水W1、排水W2それぞれについて、連続して取得された所定サンプル数の導電率の二乗和を平均した平均値を算出し、この平均値を洗浄対象物Oの洗浄度の検査に用いることである。
【0040】
以下に、
図5Aから
図6Dを用いて、本実施形態の第2の特徴の利点を証明する。
図5Aでは、マンニトール濃度0.1パーセントの洗浄液Wと、マンニトール濃度1パーセントの洗浄液Wと、市水W11との導電率の計測結果の推移を示す。
図5Aで示すように、マンニトール濃度が1パーセントの洗浄液Wの導電率と給水W1の導電率とは有意差がある。このことから、洗浄液Wに溶解されている洗浄由来成分がある程度多い場合については、排水W2の導電率と給水W1の導電率とを用いて洗浄対象物Oの洗浄度の検査を精度良く行うことができることが示される。
【0041】
しかしながら、
図5Aで示すように、マンニトール濃度が0.1パーセントの洗浄液Wの導電率と市水W11の導電率とには有意差がない。この理由としては、マンニトール濃度が0.1パーセントの洗浄液Wや市水W11の流速、溶解されている成分の部分的な濃度の偏り等によって、導電率の測定結果が不均一となっている(ばらつきが生じている)からである。このことから、洗浄対象物Oの洗浄が進み、排水W2に溶解されている洗浄由来成分が減少してくると、排水W2の導電率と給水W1の導電率とを用いて洗浄対象物Oの洗浄度の検査を精度良く行うことが困難であることが理解される。従って、高い洗浄レベルが要求される場合には、給水W1の導電率と排水W2の導電率とを単に比較するだけでは、洗浄対象物Oの洗浄度の検査の精度に不足がある。
【0042】
以下、本実施形態に係る洗浄度検査方法では、上記第2の特徴によって、給水W1や排水W2に溶解されている成分の部分的な濃度の偏り、流速等の導電率に与える影響を平滑化することができることを説明する。
図5Bでは、
図5Aで示すマンニトール濃度0.1パーセントの洗浄液Wの導電率と市水W11の導電率との測定結果から算出された検査値が示されている。なお、検査値は、上述したように、所定サンプル数の導電率の二乗和の平均値を平方根した値である。なお、
図5Bでは、測定開始から所定時間(例えば1000ms)経過する毎の各期間について、10点取得されたサンプル(導電率)を用いて検査値が算出されている。なお、グラフの右欄の説明において、「1〜10」と記載されているのは、1つめのサンプルから10個目のサンプルまでの導電率(測定開始から所定時間経過するまでの期間に取得された導電率)を用いて算出された値であることを意味している。グラフの右欄のその他の数値範囲についても、同様の意味である。
【0043】
図5Bのグラフで示すように、マンニトール濃度0.1パーセントの洗浄液Wの検査値と、市水W11の検査値との間には、有意差がある。この理由は、マンニトール濃度0.1パーセントの洗浄液Wの検査値と、市水W11について、所定サンプル数の導電率の二乗和を平均した平均値を算出することで、溶解されている成分の部分的な濃度の偏り、流速等の影響を平滑化することができるからである。このことから、排水W2についての所定サンプル数の導電率の二乗和を平均した第1平均値と、給水W1についての導電率の二乗和を平均した第2平均値とを用いることで、洗浄対象物Oの洗浄が進み、洗浄液Wに含有されている不純物が減少してきた場合でも、洗浄対象物Oの洗浄度の検査を精度良く行うことができることが理解される。従って、本実施形態に係る洗浄度検査方法では、上記第2の特徴によって、高い洗浄レベルが要求される場合であっても、洗浄対象物Oの洗浄度を精度良く行うことができることが理解される。
【0044】
次に、
図6Aから
図6Dを用いて、洗浄対象物Oの洗浄度の検査精度と、サンプル数との関係を説明する。なお、
図6Aから
図6Dは、マンニトール濃度0.1パーセントの洗浄液W、0.01パーセントの洗浄液W、及び市水W11について、測定開始から所定時間(例えば1000ms)経過する毎の各期間において、取得された所定サンプル数の導電率の二乗和を平均した平均値を示す(検査値ではない)。
図6Aは、平均値の算出に用いられるサンプル数が10のグラフ、
図6Bは、平均値の算出に用いられるサンプル数が200のグラフ、
図6Cは、平均値の算出に用いられるサンプル数が500のグラフ、
図6Dは、平均値の算出に用いられるサンプル数が1000のグラフである。
図6Aから
図6Dの各グラフでは、サンプル数が多い程、同一の洗浄液Wについての、各期間のそれぞれの平均値にばらつきが生じないことが示される。このことから、サンプル数が多い程、より精度よく洗浄対象物Oの洗浄度の検査を行うことが理解され、サンプル数が200以上であることが検査精度の点から好ましいことが理解される。
【0045】
(洗浄度検査装置の詳細:洗浄度検査装置における洗浄液Wの流路構成)
以下に、
図7を用いて、洗浄度検査装置1における洗浄液Wの流路構成の一例を説明する。まず、この説明の前提として、
図1を用いて、洗浄装置300に対する給水W1の供給方法と、洗浄装置300からの排水W2の流出方法の一例について説明する。洗浄装置300内の洗浄容器301に対して市水W11や精製水W12が給水W1として所定時間継続的に供給される。市水W11の供給及び精製水W12の供給は、個別の給水管(図略)を介して行われる。
【0046】
なお、精製水W12の供給は、洗浄対象物Oの洗浄度の検査結果が良好になった後に仕上げのリンス処理のために行われる。従って、市水W11の供給後に精製水W12の供給が行われるようになっている。なお、本実施形態では、市水W11の供給時だけでなく精製水W12の供給時にも洗浄対象物Oの洗浄度の検査を行うが、この限りではなく、リンス処理時には洗浄対象物Oの洗浄度の検査を行わなくてもよい。
【0047】
また、洗浄装置300において洗浄に用いられた排水W2は、排水管(図略)を介して洗浄装置300から流出されるようになっている。
【0048】
図7に戻って、洗浄度検査装置1は、市水W11を洗浄装置300に供給するための給水管から分岐された流路管10に連結された流路管11を備える。更に、洗浄度検査装置1は、精製水W12を洗浄装置に供給するための給水管から分岐された流路管20に連結された流路管21を備える。なお、
図2Bで示す第1流入管2は、流路管11、21から成る。
【0049】
流路管11の途中にはモータM1に接続された市水元弁V1が配置されており、流路管21の途中にはモータM2に接続された精製水元弁V2が配置されている。モータM1、M2の作動及び停止を切り替えることによって、これらの弁V1、V2の開閉を制御して、市水W11及び精製水W12の洗浄度検査装置1への流入を制御することができる。流路管11と流路管21とはそれぞれその下流側端で、流路管12に連結されており、流路管11を通った市水W11が流路管12に流入し、流路管21を通った精製水W12が流路管12に流入することが出来るようになっている。
【0050】
なお、本実施形態では、上述したように市水W11を用いて洗浄対象物Oを十分に洗浄した後に、洗浄の仕上げとして精製水W12を用いて洗浄対象物Oのリンス処理を行う。従って、市水元弁V1と精製水元弁V2との両方が開状態になることはなく、市水W11及び精製水W12のうち何れか一方のみが流路管12に流入するようになっている。もっとも、この構成に限定されず、市水W11及び精製水W12の混合液が流路管12に流入されてもよい。
【0051】
流路管12の途中には、導電率計EC1が配置されており、これによって、流路管12に流入された市水W11や精製水W12の導電率を測定することができるようになっている。なお、本実施形態では、市水W11と精製水W12の混合液の導電率を測定することはないが、これらの導電率を測定してもよい。
【0052】
流路管12における導電率計EC1の下流側の所定位置には、流路管13が分岐されているとともに、この所定位置の下流側には、モータM4に接続された給水下流側弁V4が配置されている。モータM4の作動及び停止を切り替えることによって、給水下流側弁V4の開閉を制御することができる。流路管12を通過した市水W11及び精製水W12は洗浄度検査装置1の外部に排出される。
【0053】
また、洗浄度検査装置1は、洗浄装置300の排水管(図略)から分岐された流路管30に連結された流路管31を備える。なお、
図2Bで示す第2流入管3は、
図7の流路管31から成る。この流路管31は、その下流側端に継ぎ手C1を介して、流路管32と流路管35とが接続されており、流路管31から流路管32、35に排水W2が流入される。なお、流路管35に流入された排水W2は流路管35を通って洗浄度検査装置1の外部に排出される。
【0054】
流路管32の途中には、モータM3に接続された排水元弁V3が配置されている。モータM3の作動及び停止を切り替えることによって、排水元弁V3の開閉を制御して、排水W2の洗浄度検査装置1への流入を制御することができる。流路管32における排水元弁V3より下流側には、導電率計EC2が配置されており、これによって、流路管32に流入された排水W2の導電率を測定することができるようになっている。
【0055】
流路管32の下流側端には、この端から2つに分岐するように流路管33と流路管34とが連結されている。流路管33には、流路管32からの排水W2が流入するが、この排水W2は流路管33を通過して洗浄度検査装置1の外部に排出される。
【0056】
また、流路管34の途中には、上述した流路管13の下流側端が連結されており、この連結部より下流側には、パーティクルセンサPS1が配置されている。これによって、パーティクルセンサPS1は、流路管32を通過して流路管34を流通する排水W2のパーティクルを検出することができるとともに、流路管13を通過して流路管34に流入された市水W11や精製水W12のパーティクルを検出することができる。なお、本実施形態では、市水W11のパーティクルだけでなく精製水W12のパーティクルも検出するが、市水W11のパーティクル及び精製水W12のパーティクルのうち何れか一方のみを検出してもよい。
【0057】
なお、流路管13の途中には、モータM5に接続された給水・センサ間弁V5が配置されており、流路管34におけるパーティクルセンサPS1より上流側には、モータM6に接続された排水・センサ間弁V6が配置されている。モータM5、M6の作動及び停止をそれぞれ切り替えることで、給水・センサ間弁V5及び排水・センサ間弁V6の開閉をそれぞれ切り替えることができる。
【0058】
なお、給水・センサ間弁V5及び排水・センサ間弁V6は、択一的に開状態に切り替えられ、その両方が開状態になることはない。従って、パーティクルセンサPS1は、給水W1(市水W11や精製水W12)及び排水W2のうち何れか一方のパーティクルを検出することになる。
【0059】
流路管34を通過した市水W11又は排水W2は洗浄度検査装置1の外部に排出される。
【0060】
(洗浄度検査装置の詳細:洗浄度検査装置の電気的構成)
以下に、
図8を用いて、洗浄度検査装置1における電気的構成を説明する。洗浄度検査装置1は、上述した導電率計EC1、EC2、パーティクルセンサPS1、及びモータM1〜M6の他に、CPU101、A/Dコンバータ102、駆動制御回路103、モニタ104、RAM105、ROM106及び操作部107等を備える。
【0061】
CPU101は、図略のバスを介してA/Dコンバータ102、駆動制御回路103、モニタ104、RAM105、ROM106、及び操作部107等と通信可能に接続されている。なお、モニタ104は、例えば液晶表示パネル等である。RAM105は、CPU101のワーキングメモリとして機能するものである。ROM106は、洗浄度検査装置1の起動用プログラム等が記憶される。操作部107は、例えばタッチパネル等であり、ユーザの操作を受け付けるものである。
【0062】
また、CPU101には、A/Dコンバータ102を介して導電率計EC1、EC2が接続されている。これによって、導電率計EC1、EC2によって測定された導電率を示すアナログ信号が、導電率計EC1、EC2からA/Dコンバータ102に連続的に入力される。そして、A/Dコンバータ102でアナログ信号がデジタルデータ(導電率データ)に変換されてCPU101に入力される。
【0063】
CPU101は、入力された導電率データを所定サンプリング周期で取得してRAM105に記憶する。なお、RAM105には、導電率計EC1、EC2それぞれについて所定の複数個(所定サンプル数)の導電率データを記憶することができるようになっており、RAM105に記憶されている導電率データのうち最も古い導電率データに上書きするように新たな導電率データを記憶する。そして、CPU101は、RAM105に記憶されている所定サンプル数の導電率データを用いて、洗浄対象物Oの洗浄度の検査を行う。
【0064】
具体例としては、CPU101は、所定サンプリング周期毎に、RAM105から導電率計EC1についての所定サンプル数の導電率データを取得する。そして、CPU101は、取得されたこれらの導電率データが示す各導電率の二乗和の平均値(第1平均値)を算出して、この第1平均値を平方根した検査値(「給水W1の検査値」と記載する)を算出する。同様にして、CPU101は、RAM105から導電率計EC2についての所定サンプル数の導電率データを取得する。そしてCPU101は、取得されたこれらの導電率データが示す各導電率の二乗和の平均値(第2平均値)を算出して、この第2平均値を平方根した検査値(「排水W2の検査値」と記載する)を算出する。
【0065】
CPU101は、給水W1の検査値と排水W2の検査値との差分を算出し、この差分が所定の閾値以下であるかどうかで洗浄対象物Oの洗浄度の検査を行い、この差分が所定の閾値以下である場合には、この検査結果が良好であると判断する。なお、必ずしも給水W1の検査値と排水W2の検査値との差分を算出する必要はなく、他の方法によって、給水W1の検査値と排水W2の検査値との比較を行い、洗浄対象物Oの洗浄度の検査を行ってもよい。
【0066】
また、本実施形態では、給水W1の検査値と排水W2の検査値を算出し、給水W1の検査値と排水W2の検査値を洗浄対象物Oの洗浄度の検査に用いているが、給水W1の検査値と排水W2の検査値を算出しなくてもよい。例えば、給水W1についての上記第1平均値と排水W2についての上記第2平均値とを直接比較することで、検査対象物Oの洗浄度の検査を行ってもよい。
【0067】
CPU101は、洗浄対象物Oの洗浄度の検査結果(検査結果が不良又は良好等)をモニタ104に表示する。更に、CPU101は、算出された給水W1の検査値と排水W2の検査値等もモニタ104に表示してもよい。例えば、CPU101は、
図6Aから
図6Dで示すようなグラフを表示することもできる。
【0068】
また、CPU101には、A/Dコンバータ102を介してパーティクルセンサPS1が接続されている。これによって、パーティクルセンサPS1によって検出されたパーティクルの量を示すアナログ信号が、A/Dコンバータ102に入力される。このアナログ信号は、A/Dコンバータ102でデジタルデータ(パーティクル量データ)に変換される。パーティクル量データは、A/Dコンバータ102からCPU101に入力される。
【0069】
CPU101は、入力されるパーティクル量データを所定の時間経過毎に取得して、このパーティクル量データに基づいて、洗浄対象物Oの洗浄度を検査する。具体例としては、CPU101は、パーティクルデータの示す排水W2のパーティクル量を用いて洗浄対象物Oの洗浄度を検査する。なお、給水W1に予めパーティクルが混入している可能性もある。このようなパーティクルを考慮して洗浄対象物Oの洗浄度の検査を行うため、本実施形態では、排水W2のパーティクル量だけでなく、給水W1のパーティクル量も検出されて洗浄度の検査に用いられる。例えば、洗浄対象物Oに対する洗浄の開始前や、リンス処理の開始前の所定期間において、所定周期毎に給水W1(市水W11、精製水W12)のパーティクル量を検出し、この検出したパーティクル量の平均値を初期値として算出する。そして、この初期値と排水W2のパーティクル量とを比較して、検査結果が判断される。具体例を挙げれば、給水W1のパーティクル量から初期値を差し引いた値が所定の閾値以下であれば、検査結果が良好であると判断される。なお、給水W1のパーティクル量は必ずしも検出される必要はなく、排水W2のパーティクル量が所定の閾値以下である場合に、洗浄度の検査結果が良好となってもよい。CPU101は、この検査結果をモニタ104に表示してもよい。
【0070】
本実施形態では、洗浄装置300と洗浄度検査装置1とが通信可能に構成され、洗浄度検査装置1によって自動的に精製水W12によるリンス処理を行うように設定が変更される。もっとも、ユーザ(洗浄者)は、モニタ104によって、導電率に基づく検査結果とパーティクル量に基づく検査結果との両方が良好であることを確認した場合に、市水W11による洗浄を終了させて、精製水W12によるリンス処理を行うように洗浄装置300の設定を変更してもよい。なお、本実施形態においては、市水W11と同様にリンス処理においても、精製水W12についての導電率の測定及びパーティクルの検出を行うが、精製水W12については導電率の測定及びパーティクルの検出を行わず、リンス処理時には洗浄対象物Oの洗浄度の検査を行わなくてもよい。
【0071】
CPU101は、駆動制御回路103に対して、モータM1〜M6を動作させることを指示する駆動信号を送信することで、各弁V1〜V6の開閉を制御する。以下、各弁V1〜V6の開閉タイミングを、導電率計EC1、EC2による給水W1、排水W2の導電率の測定の期間と、パーティクルセンサPS1による給水W1、排水W2のパーティクルの検出の期間と関連づけて説明する。
【0072】
(洗浄度検査装置の詳細:各弁V1〜V6の開閉タイミング)
図7、
図8及び
図9を参照して、各弁V1〜V6の開閉タイミングの一例を説明する。なお、
図9では、CPU101が導電率計EC1、EC2、及びパーティクルセンサPS1から信号を受け付ける期間についても示しているが、CPU101は、洗浄度検査の開始時(例えば、電源オン時)からこれらの信号の受け付けを開始し、洗浄度検査装置1の動作停止時(例えば、電源オフ時)にこれらの信号の受け付けを終了する。
【0073】
まず、洗浄度の検査処理の開始タイミングt1に、CPU101は、市水元弁V1と、給水・センサ間弁V5を開状態にさせる。これによって、パーティクルセンサPS1には市水が流入される。(市水W11及び排水W2を用いた検査期間の開始)。この後のタイミングt2に、CPU101は、給水・センサ間弁V5を閉状態にさせる。このタイミングt1からタイミングt2までの期間(例えば約1分間)において、CPU101は、パーティクルセンサPS1からの信号に基づいて、所定周期毎に市水W11のパーティクル量を取得し、これらの取得されたパーティクル量の平均値を初期値として算出する。なお、初期値の算出には、所定値以上の量のパーティクルが安定的に検出され始めた後に取得されたパーティクル量(例えば、20秒から40秒間に取得されたパーティクル量)が使用される。初期値は、洗浄対象物Oの洗浄に由来せず、予め市水W11に含有されているパーティクル量を示す。
【0074】
そして、タイミングt2では、CPU101は、給水・センサ間弁V5を閉状態にさせて、初期値の算出を終了する。そして、CPU101は、給水下流側弁V4を開状態にさせて、導電率計EC1に市水W11が連続的に流入される。これによって、市水W11の導電率の測定が開始される。また、排水元弁V3は、上記タイミングt1において開状態にされており、タイミングt2では、導電率計EC21には排水W2が連続的に流入される。これによって、排水W2の導電率測定が開始される。なお、CPU101は、導電率計EC1、EC2から入力された信号(導電率データ)の示す導電率が所定の値(例えば、0)よりも大きくなったときに、所定サンプリング周期毎に導電率データを取得してRAM105に記憶する処理を開始する。そして、CPU101は、導電率データを取得する毎に、市水W11、排水W2のそれぞれについて所定のサンブル数の導電率データを用いて検査値を取得し、これらの検査値の差分が所定の閾値以下であるかどうかを判断して洗浄対象物Oの洗浄度の検査結果が良好になったかを判断する。
【0075】
また、タイミングt2において、CPU101は、排水・センサ間弁V6を開状態にして、パーティクルセンサPS1に排水W2を流入させる。そして、CPU101は、パーティクルセンサPS1からの信号に基づいて、所定周期毎に排水W2のパーティクル量を取得する処理を開始する。排水W2のパーティクル量が取得されたときに、CPU101は、タイミングt1からタイミングt2までの期間に算出された初期値と、取得されたパーティクル量との差分が所定の閾値以下であるかどうかを判断して洗浄対象物Oの洗浄度の検査結果が良好になったかを判断する。
【0076】
CPU101は、導電率に基づく洗浄対象物Oの洗浄度の検査結果が良好になっるとともに、パーティクル量に基づく洗浄対象物Oの洗浄度の検査結果が良好になったと判断したタイミングt3に、弁V1、V3、V4、V6を閉状態にするとともに、洗浄完了の信号を洗浄機300に送信する(市水W11及び排水W2を用いた検査期間の終了)。この洗浄完了の信号を受信した洗浄機300は、市水W11を用いた洗浄対象物Oの洗浄を終了し、精製水W12を用いた洗浄対象物Oの洗浄処理(リンス処理)を開始する。なお、CPU101は、洗浄完了の信号を洗浄機300に送信するのに代えて、又はこの送信に加えて、モニタ104に洗浄完了を表示してもよい。そして、ユーザが、洗浄機300の設定を、市水W11を用いた洗浄対象物Oの洗浄からリンス処理に手動で切り替えてもよい。
【0077】
その後、洗浄装置300においてリンス処理が開始されたタイミングt4において、CPU101は、精製水元弁V2と給水・センサ間弁V5とを開状態に切り替え、パーティクルセンサPS1に精製水W12を流入させる。これによって、CPU101は、パーティクルセンサPS1から精製水W12のパーティクル量を示す信号を受信する。CPU101は、その後のタイミングt5において、給水・センサ間弁V5を閉状態に変更する。タイミングt4からタイミングt5までの期間において、CPU101は、精製水W12のパーティクル量を取得し、この取得したパーティクル量を用いて精製水W12についての初期値を算出する。この初期値の算出方法は、市水W12についての初期値の算出方法と同様である。
【0078】
そして、タイミングt5では、CPU101は、給水下流側弁V4を開状態にさせ、精製水W12が導電率計EC1に流入される。これによって、精製水W12の導電率の測定が開始される。。また、排水元弁V3は、上記タイミングt4において開状態にされており、タイミングt5では、導電率計EC21には排水W2が流入される。これによって、排水W2の導電率測定が開始される。なお、CPU101は、導電率計EC1、EC2から入力された信号(導電率データ)の示す導電率が所定の値(例えば、0)よりも大きくなったときに、所定サンプリング周期毎に導電率データを取得してRAM105に記憶する処理を開始する。CPU101は、導電率データを取得する毎に、精製水W12、排水W2のそれぞれについて所定のサンブル数の導電率データを用いて検査値を取得し、これらの検査値の差分が所定の閾値以下であるかどうかを判断して洗浄対象物Oの洗浄度の検査結果が良好になったかを判断する。
【0079】
また、タイミングt5において、CPU101は、排水・センサ間弁V6を開状態にして、パーティクルセンサPS1に排水W2を流入させる。これによって、CPU101は、パーティクルセンサPS1からの信号に基づいて、所定周期毎に排水W2のパーティクル量を取得する処理を開始する。CPU101は、タイミングt4からタイミングt5までの期間に算出された初期値と、取得されたパーティクル量との差分が所定の閾値以下であるかどうかを判断して洗浄対象物Oの洗浄度の検査結果が良好になったかを判断する。
【0080】
CPU101は、導電率に基づく洗浄対象物Oの洗浄度の検査結果が良好になっるとともに、パーティクル量に基づく洗浄対象物Oの洗浄度の検査結果が良好になったと判断したタイミングt6に、弁V2、V3、V4、V6を閉状態にするとともに、リンス処理完了の信号を洗浄機300に送信する(精製水W12及び排水W2を用いた検査期間の終了)。このリンス処理完了の信号を受信した洗浄機300は、リンス処理を終了する。なお、CPU101は、リンス処理完了の信号を洗浄機300に送信するのに代えて、又はこの送信に加えて、モニタ104にリンス処理完了を表示してもよい。そして、ユーザが、リンス処理を終了させるように、洗浄機300の設定を手動で切り替えてもよい。
【0081】
なお、上述したように、本実施形態では、CPU101は、パーティクル量に基づく洗浄度の検査と、導電率に基づく洗浄度の検査とを平行して行うが、この限りではない。例えば、導電率に基づく洗浄度の検査がまず行われ、この検査結果が良好である場合に、パーティクル量に基づく洗浄度の検査が行われてもよい。また、逆に、パーティクル量に基づく洗浄度の検査がまず行われ、その後に導電率に基づく洗浄度の検査が行われてもよい。
【0082】
また、本実施形態では、市水W11を用いての洗浄対象物Oの洗浄度の検査後に、精製水W12を用いての洗浄対象物Oの洗浄度の検査を開始しているが、市水W11及び精製水W12の何れか一方についてのみ、洗浄度の検査を行ってもよい。
【0083】
なお、上述した各弁V1〜V6の開閉タイミング、導電率計EC1、EC2及びパーティクルセンサPS1からの信号の受け付け開始や終了タイミングはあくまで一例であり、適宜変更することができる。
【0084】
(変形例)
本実施形態では、導電率計EC1で連続して測定された所定サンプル数の導電率の二乗和の平均値(第1平均値)を算出するとともに、導電率計EC2で連続して測定された所定サンプル数の導電率の二乗和の平均値(第2平均値)を算出し、これらの第1平均値と第2平均値とを洗浄対象物Oの洗浄度の検査に用いているが、第1平均値と第2平均値とを算出することは本発明の必須の構成ではない。洗浄度の精度がそれほど必要でない場合や微量の溶解された成分であっても導電率に大きな差がある場合などは、導電率計EC1、EC2で測定された導電率を直接比較することで、洗浄対象物Oの洗浄度の検査をおこなってもよい。この場合には、例えば、導電率計EC1、EC2で測定された各導電率に対してフィルタ処理を行うことで、洗浄液Wに予め溶解されているノイズ成分の影響を受けずに、洗浄対象物Oの洗浄度を検査することができる。