(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
利用者が所持する移動端末と無線通信を行う基地局を含む通信網により他の移動端末との通信を可能にする無線通信システムが、輻輳の回避あるいは解消のために行う輻輳制御方法であって、
前記通信網より、輻輳の状況に応じた発信規制報知情報BCおよび再呼規制時間Trを、規制対象となるエリアの基地局を介して各移動端末へ供給し、
各移動端末は、利用者の操作により、前回と異なる番号にかける通信要求もしくは前回と同じ番号にかけ直すリダイヤルを時刻iに受けたとき、
前記発信規制報知情報BCが取り得る数値範囲の乱数を生成するランダム関数発生装置で乱数Xiを生成し、
前回と同じ番号で基地局に接続要求を行った連続回数である再呼要求回数Nに対応して一意に定まる係数L(N)を取得し、
発信規制条件である「Xi×L(N)>BC」を満たす場合は、基地局への接続を行わない発信規制処理を行い、発信規制条件を満たさない場合は、基地局への接続要求を行って再呼要求回数Nに1を加算し、
基地局への接続要求に対して通信に成功した場合は、通信回数Sに1を加算すると共に、その通信終了後、「再呼規制時間Tr×通信回数S」と定めたリダイヤル規制時間が経過するまで当該移動端末でリダイヤルを受け付けない再呼規制を行うようにしたことを特徴とする無線通信システムにおける輻輳制御方法。
利用者が所持する移動端末と無線通信を行う基地局を含む通信網により他の移動端末との通信を可能にする無線通信システムが、輻輳の回避あるいは解消のために行う輻輳制御方法であって、
前記通信網より、輻輳の状況に応じた発信規制報知情報BCおよび再呼規制時間Trを、規制対象となるエリアの基地局を介して各移動端末へ供給し、
各移動端末は、利用者の操作により、前回と異なる番号にかける通信要求もしくは前回と同じ番号にかけ直すリダイヤルを時刻iに受けたとき、
前記発信規制報知情報BCが取り得る数値範囲の乱数を生成するランダム関数発生装置で乱数Xiを生成し、
輻輳制御中に当該移動端末が通信に成功した回数である通信回数Sと、前回と同じ番号で基地局に接続要求を行った連続回数である再呼要求回数Nとに対応して一意に定まる係数L(S,N)を取得し、
発信規制条件である「Xi×L(S,N)>BC」を満たす場合は、基地局への接続を行わない発信規制処理を行い、発信規制条件を満たさない場合は、基地局への接続要求を行って再呼要求回数Nに1を加算し、
基地局への接続要求に対して通信に成功した場合は、通信回数Sに1を加算すると共に、その通信終了後、再呼規制時間Trを用いて定めたリダイヤル規制時間が経過するまで当該移動端末でリダイヤルを受け付けない再呼規制を行うようにしたことを特徴とする無線通信システムにおける輻輳制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、非特許文献1に記載の輻輳制御方法では、発呼端末が過去に通話に成功したものであるか、一度も通話成功していないものであるかの差異はなく、ランダム関数発生装置による偶発的な乱数値のみに依拠して通信の可否が判断されることとなるため、一度通話に成功した者がすぐ通話に成功する可能性があるし、逆に、ランダム関数発生装置で生成する乱数値の巡り合わせが悪く、いつまでも通話に成功できない者がでる可能性もある。運悪く通話が全く出来ない者は、何度も再呼を繰り返す可能性が高く、さらに輻輳を増長させてしまうことになりかねない。また、通話に成功した場合でも、さらに同じ人と通話したいとか、他の人に通話したいと思えば、通話成功以前と同様に通信要求を行うが、その後も電話のかかり難さは変わらないため、何度も再呼することになり、輻輳状態はなかなか解消されない。よって、被特許文献1に記載の発明は、輻輳の発生を回避あるいは解消するための輻輳制御方法として、必ずしも望ましいとは言えない点がある。
【0009】
また、特許文献1に記載の輻輳制御方法は、再呼受付回数を規制して通信機会の公平さを確保するために、接続要求をしてきた端末の情報に基づいて網側が接続可否を判断をするものであることから、多くの端末より同時に通信要求が発生している輻輳時においては、網側の処理負担が大きく、網側の処理能力を超える通信要求を受けた場合は捌ききれないため、輻輳の回避や解消が困難になる。
【0010】
そこで、本発明は、輻輳状態となっても利用者間で通信機会の公平性を高めつつ、網側の制御に過負荷とならない通信規制を端末毎の発信・通話状況に応じて的確に行い、輻輳の抑制や解消に好適な無線通信システムにおける輻輳制御方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、請求項1に係る無線通信システムにおける輻輳制御方法は、利用者が所持する移動端末と無線通信を行う基地局を含む通信網により他の移動端末との通信を可能にする無線通信システムが、輻輳の回避あるいは解消のために行う輻輳制御方法であって、前記通信網より、輻輳の状況に応じた発信規制報知情報BCおよび再呼規制時間Trを、規制対象となるエリアの基地局を介して各移動端末へ供給し、各移動端末は、利用者の操作により、前回と異なる番号にかける通信要求もしくは前回と同じ番号にかけ直すリダイヤルを時刻iに受けたとき、前記発信規制報知情報BCが取り得る数値範囲の乱数を生成するランダム関数発生装置で乱数Xiを生成し、前回と同じ番号で基地局に接続要求を行った連続回数である再呼要求回数Nに対応して一意に定まる係数L(N)を取得し、発信規制条件である「Xi×L(N)>BC」を満たす場合は、基地局への接続を行わない発信規制処理を行い、発信規制条件を満たさない場合は、基地局への接続要求を行って再呼要求回数Nに1を加算し、基地局への接続要求に対して通信に成功した場合は、通信回数Sに1を加算すると共に、その通信終了後、
「再呼規制時間Tr×通信回数S」と定めたリダイヤル規制時間が経過するまで当該移動端末でリダイヤルを受け付けない再呼規制を行うようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の無線通信システムにおける輻輳制御方法において、前記通信網より、再呼許容上限回数Nrejectを、規制対象となるエリアの基地局を介して各移動端末へ供給し、各移動端末が取得する係数L(N)は、少なくとも「再呼要求回数N=0」〜「再呼要求回数N=Nreject」の範囲で取得可能とし、係数L(1)〜係数L(Nreject)の範囲において、「L(N)≧L(N+1)」の条件を満たすようにしたことを特徴とする。
【0013】
前記課題を解決するために、請求項3に係る無線通信システムにおける輻輳制御方法は、利用者が所持する移動端末と無線通信を行う基地局を含む通信網により他の移動端末との通信を可能にする無線通信システムが、輻輳の回避あるいは解消のために行う輻輳制御方法であって、前記通信網より、輻輳の状況に応じた発信規制報知情報BCおよび再呼規制時間Trを、規制対象となるエリアの基地局を介して各移動端末へ供給し、各移動端末は、利用者の操作により、前回と異なる番号にかける通信要求もしくは前回と同じ番号にかけ直すリダイヤルを時刻iに受けたとき、前記発信規制報知情報BCが取り得る数値範囲の乱数を生成するランダム関数発生装置で乱数Xiを生成し、輻輳制御中に当該移動端末が通信に成功した回数である通信回数Sと、前回と同じ番号で基地局に接続要求を行った連続回数である再呼要求回数Nとに対応して一意に定まる係数L(S,N)を取得し、発信規制条件である「Xi×L(S,N)>BC」を満たす場合は、基地局への接続を行わない発信規制処を理行い、発信規制条件を満たさない場合は、基地局への接続要求を行って再呼要求回数Nに1を加算し、基地局への接続要求に対して通信に成功した場合は、通信回数Sに1を加算すると共に、その通信終了後、再呼規制時間Trを用いて定めたリダイヤル規制時間が経過するまで当該移動端末でリダイヤルを受け付けない再呼規制を行うようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に係る発明は、前記請求項3に記載の無線通信システムにおける輻輳制御方法において、前記通信網より、再呼許容上限回数Nrejectを、規制対象となるエリアの基地局を介して各移動端末へ供給し、各移動端末が取得する係数L(S,N)は、少なくとも「再呼要求回数N=0」〜「再呼要求回数N=Nreject」の範囲で取得可能とし、係数L(S,1)〜係数L(S,Nreject)の範囲において、「L(S,N)≧L(S,N+1)」の条件を満たし、且つ、「L(S,N)<L(S+1,N)」の条件を満たすようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に係る発明は、前記請求項2又は請求項4に記載の無線通信システムにおける輻輳制御方法において、前記通信網より、再呼規制時間Tr2を、規制対象となるエリアの基地局を介して各移動端末へ供給し、各移動端末は、再呼要求回数Nが再呼許容上限回数Nrejectに達すると、再呼規制時間Tr2が経過するまで当該移動端末でリダイヤルを受け付けない再呼規制を行うようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に係る発明は、前記請求項
3又は請求項
4に記載の無線通信システムにおける輻輳制御方法において、各移動端末で設定するリダイヤル規制時間は、「再呼規制時間Tr×通信回数S」としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る無線通信システムにおける輻輳制御方法によれば、移動端末は、輻輳の状況に応じて通信網側より供給される発信規制報知情報BCと、自らが備えるランダム関数発生装置で生成する乱数Xiおよび再呼要求回数Nに対応する係数L(N)に基づいて、発信規制条件を満たすか否かの判定を行い、発信規制条件を満たさなかった場合にのみ基地局への接続要求を行うことにより、移動端末が基地局へ行う接続要求発生頻度を網側の制御に依らず自律的に低減させ、通信に成功した移動端末はリダイヤル規制時間が経過するまで基地局への再呼を行わないので、輻輳状態となっても利用者間の公平性を高めつつ、網側の制御に過負荷とならない通信規制を的確に行い、輻輳の抑制や解消に好適な無線通信システムにおける輻輳制御方法を提供できる。
【0018】
また、請求項2に係る無線通信システムにおける輻輳制御方法によれば、再呼要求回数Nが再呼許容上限回数Nrejectへ近づくほど発信規制条件を満たす可能性が低くなって、基地局へ接続要求する可能性が高くなるので、通信に成功する可能性を高めることができ、通信に対する強い欲求からリダイヤルを頻繁に繰り返すような場合には、接続可能性を高めるように優遇できる。
【0019】
請求項3に係る無線通信システムにおける輻輳制御方法によれば、移動端末は、輻輳の状況に応じて通信網側より供給される発信規制報知情報BCと、自らが備えるランダム関数発生装置で生成する乱数Xi、輻輳制御中の通信回数Sおよび再呼要求回数Nに対応する係数L(S,N)に基づいて、接続判定条件を満たすか否かの判定を行い、接続判定条件を満たす場合にのみ基地局への接続要求を行うことにより、移動端末が基地局へ行う接続要求発生頻度を自律的に低減させ、通信に成功した移動端末はリダイヤル規制時間が経過するまで基地局への再呼を行わないので、輻輳状態となっても利用者間の公平性を高めつつ、網側の制御に過負荷とならない通信規制を的確に行い、輻輳の抑制や解消に好適な無線通信システムにおける輻輳制御方法を提供できる。
【0020】
また、請求項4に係る無線通信システムにおける輻輳制御方法によれば、再呼要求回数Nが再呼許容上限回数Nrejectへ近づくほど発信規制条件を満たす可能性が低くなって、基地局へ接続要求する可能性が高くなるので、通信に成功する可能性を高めることができ、通信に対する強い欲求からリダイヤルを頻繁に繰り返すような場合には、接続可能性を高めるように優遇できる。加えて、輻輳制御中に通信に成功して通信回数Sが多くなれば、それだけ発信規制条件を満たす可能性が高くなって、基地局へ接続要求する可能性が低くなるので、通信に成功していない利用者が通信に成功する優先度を高めることができ、利用者間の公平性を高められる。
【0021】
また、請求項5に係る無線通信システムにおける輻輳制御方法によれば、輻輳制御中にリダイヤルを頻繁に行うことで再呼要求回数Nが再呼許容上限回数Nrejectに達すると、再呼規制により当該移動端末でリダイヤルを受け付けなくなるので、再呼による通信網側の負担を軽減できる。
【0022】
また、請求項6に係る無線通信システムにおける輻輳制御方法によれば、輻輳制御中に成功した通信回数Sが増えるに従ってリダイヤル規制時間が長くなるので、通信に成功していない利用者が通信に成功する優先度を高めることができ、利用者間の公平性が一層高くなる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、添付図面に基づいて、本発明に係る無線通信システムにおける輻輳制御方法の実施形態につき説明する。
【0025】
図1は、本発明方法を適用可能な無線通信システムの概略構成を示すもので、無線通信の利用者が所持する移動端末(Mobile Terminal)1(1a,1b)によって、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network)を介した無線通話やデータ送受信を可能にする。無線アクセスネットワークは、無線ネットワーク制御局(Radio Network Controller)2が複数の基地局(Base Station)3(3a,3b,3c)を束ね、送受信する信号を整理したり、回線を接続したり、ハンドオーバーの制御をしたりする。基地局3は、それぞれのセル内で移動端末1との直接交信を行う。
【0026】
また、無線ネットワーク制御局2は有線でコアネットワーク(Core Network)4と接続され、このコアネットワーク4を介して他の無線アクセスネットワークと接続可能な移動体通信ネットワーク(Mobile Communication Network)が構成される。例えば、地上の移動端末1と衛星軌道上の通信衛星5とが直接繋がる移動体衛星通信システムにおいては、通信衛星5を束ねる地球局6が有線でコアネットワーク4と接続され、移動体通信ネットワークに組み込まれる。コアネットワーク4は広域ネットワーク7と接続され、固定端末との通話やインターネットへのアクセスも可能である。
【0027】
上述したような無線通信システムにおいて、特定地域の通信量が増大して、通常行えるはずの通話・通信ができなくなる状況、すなわち輻輳が生じると、ネットワークシステムのダウンを回避するために、輻輳対応を速やかに行う必要がある。輻輳対応として行うのは、セル内の各移動端末1から基地局3への通信要求を低率に抑える発呼規制であり、その規制率は輻輳の状況から無線ネットワーク制御局2にて決定される。
【0028】
例えば、基地局3aのセル内にて通信量が増大し、危険な状態であると無線ネットワーク制御局2が判断した場合、無線ネットワーク制御局2より基地局3aを介してセル内の移動端末1aへ輻輳制御に必要な情報が送信され、この受信情報に基づいて、各移動端末1aが基地局3への通信要求を低率に抑える輻輳制御が実行され、輻輳状態を回避・解消するのである。なお、基地局3から各移動端末1への情報送信は、ユーザの通話やパケット通信用のチャネルとは別のチャネルにて一斉送信されるものとし、輻輳制御の対象となったセル内の全移動端末1aは、同じ受信情報に基づく公平な規制が行われる。
【0029】
無線ネットワーク制御局2から送信される輻輳制御のための情報として、少なくとも、輻輳の状況に応じた発信規制報知情報BCと再呼規制時間Trを含むものとする。発信規制報知情報BCは、輻輳状態を回避・解消するために発信規制を行う指標となる数値(0≦BC≦1)である。再呼規制時間Trは、輻輳制御中に通信に成功した移動端末1aが同じ通信先への通信要求を規制する時間(リダイヤル規制時間)の指標となる時間である。
【0030】
上述した発信規制報知情報BC、再呼規制時間Trに加えて、再呼許容上限回数Nrejectと再呼規制時間Tr2を含ませることで、移動端末1aによる輻輳制御を一層好ましいものとすることも可能である。再呼許容上限回数Nrejectは、各移動端末1aから基地局3aへ前回と同じ番号で接続要求を行った連続回数(再呼要求回数N)として許容できる回数の上限を定める数値である。再呼規制時間Tr2は、移動端末1aから基地局3aへの再呼要求回数Nが再呼許容上限回数Nrejectに達した場合に、更なる再呼を実行できないように規制する時間である。
【0031】
基地局3aより発信規制報知情報BC、再呼規制時間Tr、再呼許容上限回数Nreject、再呼規制時間Tr2を受け取った移動端末1aは、利用者の操作により、前回と異なる番号にかける通信要求もしくは前回と同じ番号にかけ直すリダイヤルを時刻iに受けたとき、発信規制報知情報BCが取り得る数値範囲の乱数を生成するランダム関数発生装置で乱数Xi(0≦Xi≦1)を生成し、再呼要求回数Nに対応して一意に定まる係数L(N)を取得し、接続要求先の電話番号で基地局3aへの通信要求を行わない発信規制条件「Xi×L(N)>BC」を満たすか否かを判定し、発信規制条件を満たす場合は、基地局3aへの接続を行わない発信規制処理を行い、発信規制条件を満たさない場合は、基地局3aへの接続要求を行って再呼要求回数Nに1を加算する。
【0032】
すなわち、利用者からの接続要求に対して移動端末1aが判定する発信規制条件は、乱数Xiと発信規制報知情報BCとの単純な大小関係ではなく、係数L(N)が小さいか、大きいかで発信規制条件の成立・不成立の確率が異なってくるので、係数L(N)設定如何により、基地局3aへの接続を行わない発信規制処理となる頻度を高めたり、基地局3aへの接続要求が行われる頻度を高めたりできる。
【0033】
なお、係数L(N)の取得方法は特に限定されるものではなく、再呼要求回数Nから所定の演算式に基づいて求めるものでも良いし、予め定めた再呼要求回数Nと係数L(N)との対応表を移動端末1aに記憶させておいても良い。また、係数L(N)を求めるための演算式や対応表は、通信網側から適宜送信されるようにしても良い。
【0034】
例えば、Nreject=30が通信網側より移動端末1aに送信されたとき、再呼要求回数Nが0から30の範囲に対応する係数L(N)を取得するために、再呼要求回数Nが0〜10の範囲で係数L(N)=1、再呼要求回数Nが11〜20の範囲で係数L(N)=0.8、再呼要求回数Nが21〜30の範囲で係数L(N)=0.7となる対応表を用意した場合、再呼要求回数Nが0〜10の範囲よりも再呼要求回数Nが11〜20の範囲で発信規制条件を回避できる可能性が高まり、再呼要求回数Nが11〜20の範囲よりも再呼要求回数Nが21〜30の範囲で発信規制条件を回避できる可能性が一層高まる。
【0035】
すなわち、再呼要求回数Nと係数L(N)の対応が「L(N)≧L(N+1)」の条件を満たすようにすれば、再呼要求回数Nが再呼許容上限回数Nrejectへ近づくほど発信規制条件を満たす可能性が低くなって、基地局3aへ接続要求する可能性が高くなるので、通信に成功する可能性を高めることができ、通信に対する強い欲求からリダイヤルを頻繁に繰り返すような場合には、再呼要求回数Nが大きくなるに従って接続可能性が高まるように優遇できる。
【0036】
逆に、再呼要求回数Nと係数L(N)の対応が「L(N)≦L(N+1)」の条件を満たすようにすれば、再呼要求回数Nが再呼許容上限回数Nrejectへ近づくほど発信規制条件を満たす可能性が高くなって、基地局3aへ接続要求せずに発信規制処理が行われる可能性が高くなるので、頻度の高いリダイヤルによる接続要求を抑制でき、輻輳の早期解消を期待できる。
【0037】
なお、係数L(N)に設定する数値範囲は1以下に限定されるものではなく、1より大きな数値を設定することで、発信規制条件を満たす可能性が極めて高い(殆ど基地局3aへの接続要求が行われない)ようにも調整できる。また、発信規制条件は「Xi×L(N)>BC」に限らず、「Xi×L(N)≧BC」としても良い。
【0038】
移動端末1aから基地局3aへの接続要求に対して通信に成功した場合は、輻輳制御中に当該移動端末1aで通信に成功した回数を示す通信回数Sに1を加算すると共に、その通信終了後、再呼規制時間Trを用いて定めたリダイヤル規制時間が経過するまで当該移動端末1aでリダイヤルを受けても発信動作を行わない再呼規制1を行う。すなわち、輻輳制御中に通信に成功した移動端末1aは、リダイヤル規制時間が経過するまで基地局3aへの再呼を行わないので、輻輳状態となっても利用者間の公平性を高めつつ、網側の制御に過負荷とならない通信規制を的確に行える。
【0039】
なお、「リダイヤル規制時間=再呼規制時間Tr」としても良いが、例えば、「リダイヤル規制時間=再呼規制時間Tr×通信回数S」とすれば、輻輳制御中に成功した通信回数Sが増えるに従ってリダイヤル規制時間が長くなるので、通信に成功していない利用者が通信に成功する優先度を高めることができ、利用者間の公平性が一層高くなる。
【0040】
上述した通信網側より発信規制報知情報BCと再呼規制時間Trを供給して移動端末1で輻輳制御を行う方法は、衛星通信システムにも適用可能である。すなわち、地球局6より通信衛星5を介して各移動端末3bに発信規制報知情報BCと再呼規制時間Trを供給し、発信規制報知情報BCと再呼規制時間Trを受けた移動端末3bが発信規制条件に基づいて通信衛星5に対する発信要求の頻度を低減させれば、回線容量を超えてシステムがダウンするような輻輳状態を解消できる。特に、普段携帯する小型の携帯電話端末から衛星への直接アクセスを可能とする地上/衛星共用携帯電話システムでは、安否確認などにより、地上経由の通信の需要が高まって輻輳状態になった時、災害の被害を受け難い衛星経由の通信へ呼が集中することになるが、通信衛星5による通信の容量は限られているため、各移動端末1bによる公平で効率の良い発信規制を行えば、輻輳状態の回避・解消に大きな効果があると考えられる。
【0041】
次に、通信網側である基地局3より発信規制報知情報BC、再呼規制時間Trに加えて、再呼許容上限回数Nrejectと再呼規制時間Tr2を移動端末1へ供給することで、各移動端末1が行う輻輳制御の詳細を、
図2〜5に基づき詳述する。
【0042】
図2は、各移動端末1が行う状態移行制御処理の一例を示すものである。先ず、無線ネットワーク制御局2において輻輳状態への移行が決定されたことに基づく輻輳状態への移行指示を受信したか否かを判定し(ステップS1)、輻輳状態への移行指示を受信していなければ、無線ネットワーク制御局2において輻輳状態から通常状態への復帰が決定されたことに基づく通常状態への復帰指示を受信したか否かを判定し(ステップS2)、通常状態への復帰指示も受信していなければ、状態移行制御処理を一旦終了する。
【0043】
ここで、上記ステップS1にて輻輳状態への移行指示を受信していれば、輻輳制御状態へ移行し(ステップS3)、以後は輻輳制御処理を実行する。なお、ステップS3では、通信回数Sを帰零し、この輻輳制御状態での通信回数Sを計数できるようにする。また、輻輳制御状態となって輻輳制御処理を行っているとき、上記ステップS2にて通常状態への復帰指示を受信していれば、輻輳制御処理を中止して、通常状態へ復帰する(ステップS4)。
【0044】
上記のようにして輻輳制御状態になったときに行う輻輳制御処理の一例を
図3に示す。先ず、基地局3からの情報受信タイミングか否かを判定し、受信タイミングであれば、基地局3より発信規制報知情報BC、再呼規制時間Tr、再呼許容上限回数Nreject、再呼規制時間Tr2を受信する(ステップS12)。続いて、再呼規制タイマ1(後に詳述する)が動作中か否かを判定し(ステップS13)、動作中であれば、
図4に詳細を示す再呼規制1処理を行い(ステップS14)、再びステップS11に戻る。再呼規制タイマ1が動作中でなければ、再呼規制タイマ2(後に詳述する)が動作中か否かを判定し(ステップS15)、動作中であれば、
図5に詳細を示す再呼規制2処理を行い(ステップS16)、再びステップS11に戻る。
【0045】
再呼規制タイマ2も動作中でなければ、通信要求情報記憶(後に詳述する)の有無を判定し(ステップS17)、通信要求情報記憶が有れば、再呼要求回数Nを帰零すると共に通信要求情報記憶を消去する(ステップS18)。上記ステップS17で通信要求情報記憶が無いと判定された場合は、当該移動端末1の所有者の操作に基づく新たな通信要求が発生したか否かを判定し(ステップS19)、新たな通信要求が有れば、再呼要求回数Nを帰零する(ステップS20)。上記ステップS19で新たな通信要求が発生していないと判定された場合は、当該移動端末1の所有者の操作に基づくリダイヤル要求が発生したか否かを判定し(ステップS21)、リダイヤル要求も発生していなければ、再びステップS11に戻る。
【0046】
一方、通信要求情報記憶か新たな通信要求かリダイヤル要求の何れかに基づく通信要求を受けていた場合には、各移動端末1が標準的に備えているランダム関数発生装置により、その時刻iにおける乱数Xiを生成する(ステップS22)。ランダム関数発生装置は、0〜1の範囲内の数値をランダムに生成するものであり、生成される乱数Xiは、基地局3より受信した発信規制報知情報BCの数値範囲と同じである。
【0047】
次いで、通信回数Sと再呼要求回数Nに対応した係数L(S,N)を取得する(ステップS23)。この係数L(S,N)は、前述した係数L(N)と同様に、演算式で求めるようにしても良いし、対応表を予め用意しておいて、通信回数Sと再呼要求回数Nから特定するようにしても良い。本実施形態においては、係数L(S,N)対応表を予め用意しておき、ステップS23実行時の通信回数Sと再呼要求回数Nから係数L(S,N)を特定するものとした。
【0049】
この係数L(S,N)対応表では、一度も通信に成功していない通信回数S=0の場合、再呼要求回数Nが多くなると、1.0→0.8→0.7の3段階で数値が小さくなる。また、通信に1回成功して通信回数S=1となった場合、係数L(1,N)は、2.0→1.6→1.4となって、「係数L(1,N)=2×係数L(0,N)」の関係を満たし、更に、通信に2回成功して通信回数S=2となった場合、係数L(2,N)は、3.0→2.4→2.1となって、「係数L(2,N)=3×係数L(0,N)」の関係を満たす。すなわち、係数L(0,N)のみ特定されていれば、任意の通信回数Sに対して、「係数L(S,N)=(S+1)×係数L(0,N)」の演算式により、係数L(S,N)を特定できる。
【0050】
なお、例示した係数L(S,N)対応表は、再呼許容上限回数Nreject=30を基地局3から受信したときのものであり、再呼要求回数Nは0から30の範囲を取り得ることから、その範囲において係数L(S,N)を取得できることが必要条件となる。無線ネットワーク制御局2にて決定される再呼許容上限回数Nrejectは、輻輳の状況によって異なる数値となるので、例えば、無線ネットワーク制御局2が指示できる再呼許容上限回数Nrejectを予め制限し、それらの再呼許容上限回数Nreject毎に対応表を用意しておいても良いし、無線ネットワーク制御局2が指示できる再呼許容上限回数Nrejectの最大値を定め、この再呼許容上限回数Nrejectの最大値に対応させて用意しておいた対応表を全ての再呼許容上限回数Nrejectで共用するようにしても良い。
【0051】
また、通信回数Sについては、輻輳制御中における通信成功回数に上限が設けられていないことから、S=0のときの係数L(0,N)から通信回数Sに対応する係数L(S,N)を演算式で求められるようにし、無限の通信回数に対応できる場合を例示したが、輻輳制御中における通信成功回数として通信回数S=9は非常に大きな数字であり、現実的には、通信回数S=0〜9の範囲で対応表を用意しておけば、十分に対応可能である。もし、通信回数S=9を超えて通信に成功することがあれば、通信回数Sが10以上の場合、S=9のときの係数L(9,N)を使うことで対応させるようにしても良い。
【0052】
上記のようにして、通信回数係数L(S,N)を取得した後、接続要求先の電話番号で基地局3への通信要求を行わない発信規制条件「Xi×L(S,N)>BC」を満たすか否かを判定し(ステップS24)、発信規制条件を満たしてれば、基地局3への接続を行わず、「ただ今、電話が込み合っています。しばらくたってからお掛けなおし下さい。」といった内容をディスプレイ表示やトーキーで利用者に報らせる発信規制処理を行い(ステップS25)、ステップS11に戻る。一方、ステップS24で発信規制条件を満たさないと判定された場合は、再呼要求回数Nに1を加算し、基地局3もしくは通信衛星5への接続要求を行う(ステップS26)。
【0053】
本実施形態における発信規制条件は、乱数Xiと発信規制報知情報BCとの単純な比較ではなく、通信回数Sと再呼要求回数Nとに対応させた係数L(S,N)を乱数Xiに乗ずることで、ランダムに抽出された乱数Xiを大きくしたり、小さくしたりすることで、発信規制報知情報BCとの大小関係を補正し、発信規制条件の達成確率を上げたり、或いは下げたり、移動端末毎の発信・通信状況に応じた微調整ができるのである。
【0054】
前述したように、通信回数0において、再呼要求回数Nが0〜10回の範囲では、係数L(S,N)=1.0なので、係数L(S,N)による微調整はなく、単純に乱数Xiが発信規制報知情報BCよりも大きければ発信規制条件を満たすこととなり、発信規制処理が実行されることとなる。例えば、輻輳状況がシビアで、無線ネットワーク制御局2や地球局6によって発信規制報知情報BCに低い値が設定されていれば、それだけ発信規制条件を満たす可能性が高まり、移動端末1から基地局3や通信衛星5へ接続要求が行われる頻度が抑えられ、輻輳の回避・解消につながる。
【0055】
また、通信回数0において、再呼要求回数Nが11〜20回の範囲では、係数L(S,N)=0.8なので、Xi×L(S,N)<Xiとなり、発信規制報知情報BCよりも大きくなる確率は下がり、発信規制条件から外れて移動端末1から基地局3や通信衛星5へ接続要求が行われる可能性が高まる。同様に、再呼要求回数Nが21〜30回の範囲では、係数L(S,N)=0.7なので、Xi×L(S,N)が発信規制報知情報BCよりも大きくなる確率は一層下がり、発信規制条件から外れて移動端末1から基地局3や通信衛星5へ接続要求が行われる可能性が更に高まる。
【0056】
このように、再呼要求回数Nと係数L(S,N)の対応が「L(S,N)≧L(S,N+1)」の条件を満たすようにすれば、再呼要求回数Nが再呼許容上限回数Nrejectへ近づくほど発信規制条件を満たす可能性が低くなって、基地局3が通信衛星5へ接続要求する可能性が高くなるので、通信に成功する可能性を高めることができ、通信に対する強い欲求からリダイヤルを頻繁に繰り返すような場合には、再呼要求回数Nが大きくなるに従って接続可能性が高まるように優遇できる。
【0057】
なお、輻輳制御中のセル内で、再呼要求回数Nが11〜30の範囲での通信要求が多いと、無線ネットワーク制御局2や地球局6によって発信規制報知情報BCよりも高い頻度で基地局3や通信衛星5への接続要求が発生し、却って輻輳状況を悪くする懸念もあるが、その場合は、無線ネットワーク制御局2や地球局6が発信規制報知情報BC、再呼規制時間Tr、再呼許容上限回数Nreject、再呼規制時間Tr2を新たな値に設定すれば良い。
【0058】
一方、通信に1回成功した後(通信回数S=1)においては、再呼要求回数Nが0〜10回の範囲で係数L(1,N)=2.0、再呼要求回数Nが11〜20回の範囲で係数L(1,N)=1.6、再呼要求回数Nが21〜30回の範囲で係数L(1,N)=1.4と、何れの場合も係数L(S,N)>1となるので、Xi×L(S,N)>Xiとなり、発信規制報知情報BCよりも大きくなる確率は上がり、発信規制条件を満たして発信規制処理が実行される可能性が高まる。しかも、通信回数Sが増えるほど、Xi×L(S,N)は大きくなるので、発信規制条件から外れる可能性はどんどん低くなり、通信回数Sが増えると、通信に成功する可能性は累進的に低くなって、通信に成功していない者(S=0)や通信の成功回数が低いものを優先させるので、輻輳状態となっても利用者間の公平性を高められる。
【0059】
上記ステップS24で基地局3や通信衛星5へ接続要求を行った結果、基地局3や通信衛星5からの回答で空きチャネルの有無を判定する(ステップS27)。空きチャネルが有れば、通信を実行し(ステップS28)、通信回数Sを+1し(ステップS29)、再呼規制時間Tr×Sであるリダイヤル規制時間を計時する再呼規制タイマ1をセットし(ステップS30)、「これから“再呼規制時間Tr×S”が経過するまで、リダイヤルは全く受け付けられません。」といった内容をディスプレイ表示やトーキーで利用者に報らせる再呼規制1開始の通知を行い(ステップS31)、ステップS11へ戻る。
【0060】
上記のようにして、再呼規制タイマ1が動作開始した後は、再呼規制1処理が繰り返されることとなる。再呼規制1処理の詳細は、
図4に示す。
【0061】
再呼規制1処理においては、再呼規制タイマ1(減数カウント式)が計時するリダイヤル規制時間が経過したか否かを判定し(ステップS41)、未だ再呼規制タイマ1が0になっていなければ、「あと“XX分XX秒”リダイヤルを受け付けません。」といった内容のディスプレイ表示を5秒行った後にディスプレイを5秒非表示にする表示動作をサイクリックに行う再呼規制1実行中の通知処理を行い(ステップS42)、利用者が端末操作することで新たな通信要求を行ったか否かを判定する(ステップS43)。
【0062】
上記ステップS43で新たな通信要求(別の電話番号へのダイヤル)が発生していなければ、リダイヤル要求が発生したか否かを判定し(ステップS44)、リダイヤル要求が発生していなければ、そのまま再呼規制1処理を終了するが、リダイヤル要求が発生していた場合には、基地局3や通信衛星5への接続要求を行うことなく「ただいまリダイヤル規制中です。この番号にはお繋ぎできません。」といった内容をディスプレイ表示やトーキーで利用者に報らせる発信規制処理を実行して(ステップS45)、再呼規制1処理を終了する。
【0063】
一方、上記ステップS43で新たな通信要求が発生していれば、再呼規制タイマ1を解除し(ステップS46)、再呼規制1実行中の通知を中止し(ステップS47)、新たな通信要求が発生したことに基づく通信要求情報記憶をセットして(ステップS48)、再呼規制1処理を終了する。すなわち、再呼規制1は、既に成功した通信先と同じ番号へのリダイヤルを規制したものに過ぎないので、異なる通信先への通信要求が有れば、速やかに再呼規制1を解除し、輻輳制御処理のステップS17にて通信要求情報記憶に基づく乱数値Xiや係数L(S,N)の取得が行われて、発信規制条件の判定に基づき、発信規制処理か、基地局3や通信衛星5への接続要求が行われる。
【0064】
新たな通信要求が行われることなくリダイヤル規制時間が経過し、ステップS41で再呼規制タイマ1が0になった場合は、再呼規制タイマ1を解除し、再呼規制1実行中の通知を中止して「リダイヤル規制が解除されました。」といった内容をディスプレイ表示やトーキーで利用者に報らせ、再呼規制回数Nを帰零させる(ステップS49)。これにより、再呼規制1処理が行われなくなるので、利用者がリダイヤルを行って(ステップS21)も、乱数値Xiや係数L(S,N)の取得が行われて、発信規制条件の判定に基づき、発信規制処理か、基地局3や通信衛星5への接続要求が行われる。
【0065】
一方、輻輳制御処理のステップS27にて、空きチャネルが無いと判定された場合には、「ただ今、電話が込み合っています。しばらくたってからお掛けなおし下さい。」といった内容をディスプレイ表示やトーキーで利用者に報らせる呼損処理を行い(ステップS32)、再呼要求回数Nが再呼許容上限回数Nrejectに達したか否かを判定し(ステップS33)、未だ再呼許容上限回数Nrejectに達していなければステップS11へ戻る。
【0066】
しかしながら、上記ステップS33にて再呼要求回数Nが再呼許容上限回数Nrejectに達したと判定された場合には、再呼要求回数Nを帰零させ(ステップS34)、再呼規制時間Tr2を計時する再呼規制タイマ2をセットし(ステップS35)、「再呼回数の上限を超えました。これから“再呼規制時間Tr2”が経過するまで、再呼は全く受け付けられません。」といった内容をディスプレイ表示やトーキーで利用者に報らせる再呼規制2開始の通知を行い(ステップS36)、ステップS11へ戻る。
【0067】
上記のようにして、再呼規制タイマ2が動作開始した後は、再呼規制2処理が繰り返されることとなる。再呼規制2処理の詳細は、
図5に示す。
【0068】
再呼規制2処理においては、再呼規制タイマ2(減数カウント式)が計時する再呼規制時間Tr2が経過したか否かを判定し(ステップS51)、未だ再呼規制タイマ2が0になっていなければ、「あと“XX分XX秒”再呼を受け付けません。」といった内容のディスプレイ表示を5秒行った後にディスプレイを5秒非表示にする表示動作をサイクリックに行う再呼規制2実行中の通知処理を行い(ステップS52)、利用者が端末操作することで新たな通信要求を行ったか否かを判定する(ステップS53)。
【0069】
上記ステップS53で新たな通信要求が発生していなければ、リダイヤル要求が発生したか否かを判定し(ステップS54)、リダイヤル要求が発生していなければ、そのまま再呼規制2処理を終了するが、リダイヤル要求が発生していた場合には、基地局3や通信衛星5への接続要求を行うことなく「ただいま再呼規制中です。この番号にはお繋ぎできません。」といった内容をディスプレイ表示やトーキーで利用者に報らせる発信規制処理を実行して(ステップS55)、再呼規制2処理を終了する。
【0070】
一方、上記ステップS53で新たな通信要求が発生していれば、再呼規制タイマ2を解除し(ステップS56)、再呼規制2実行中の通知を中止し(ステップS57)、新たな通信要求が発生したことに基づく通信要求情報記憶をセットして(ステップS58)、再呼規制2処理を終了する。すなわち、再呼規制2は、リダイヤルによって基地局3や通信衛星5への接続要求を行ったが通信を実行できなかった再呼要求回数Nが再呼許容上限回数Nrejectに達することで、その番号へのリダイヤルを規制したものに過ぎないので、異なる通信先への通信要求が有れば、速やかに再呼規制2を解除し、輻輳制御処理のステップS17にて通信要求情報記憶に基づく乱数値Xiや係数L(S,N)の取得が行われて、発信規制条件の判定に基づき、発信規制処理か、基地局3や通信衛星5への接続要求が行われる。
【0071】
新たな通信要求が行われることなく再呼規制時間Tr2が経過し、ステップS51で再呼規制タイマ2が0になった場合は、再呼規制タイマ2を解除し、再呼規制2実行中の通知を中止して「再呼規制が解除されました。」といった内容をディスプレイ表示やトーキーで利用者に報らせる(ステップS59)。これにより、再呼規制2処理が行われなくなるので、利用者がリダイヤルを行って(ステップS21)も、乱数値Xiや係数L(S,N)の取得が行われて、発信規制条件の判定に基づき、発信規制処理か、基地局3や通信衛星5への接続要求が行われる。
【0072】
このように、本実施形態の輻輳制御方法においては、輻輳制御中に利用者がリダイヤルを繰り返して再呼要求回数Nが大きくなると、発信規制条件から外れて基地局3や通信衛星5への接続要求が行われる可能性が高くなるので、端末操作に熟達してリダイヤル操作を素早く行える者ほど早く通信に成功する可能性が高くなって、利用者の端末操作スキルで不公平が生ずる可能性があるものの、再呼要求回数NがNrejectに達することで再呼規制時間Tr2が経過するまで再呼規制をかけ、更に再呼要求回数Nを0にリセットするので、再呼による通信要求で通信に成功する確率の不均衡が利用者間で顕著になることを抑制できる。
【0073】
以上、本発明に係る無線通信システムにおける輻輳制御方法の実施形態に基づき説明したが、本発明は、この実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りにおいて実現可能な全ての無線通信システムにおける輻輳制御方法を権利範囲として包摂するものである。