(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226328
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】レーザ切断方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/38 20140101AFI20171030BHJP
【FI】
B23K26/38 A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-206447(P2014-206447)
(22)【出願日】2014年10月7日
(65)【公開番号】特開2016-74007(P2016-74007A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2017年1月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000185374
【氏名又は名称】小池酸素工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513116324
【氏名又は名称】神鋼鋼板加工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】特許業務法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田辺 良一
(72)【発明者】
【氏名】望月 陽平
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 和則
(72)【発明者】
【氏名】中山 和彦
(72)【発明者】
【氏名】東 和彦
【審査官】
竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−265247(JP,A)
【文献】
特開平5−224727(JP,A)
【文献】
特開平10−80784(JP,A)
【文献】
特開平10−156567(JP,A)
【文献】
特開昭61−108489(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0185368(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 − 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被切断材に配列された角部を有する複数の製品をレーザ切断するための方法であって、
被切断材には、該被切断材から切断すべき角部を有する複数の製品が予め設定された間隔を持って配列されており、
各製品の角部を切断する際に、
前記角部を構成する一方側の辺から該角部を超えて該辺の延長方向に、隣接する角部を有する製品との間を切断し、前記一方側の辺の延長方向に対する切断から連続させて、前記角部を構成する他方側の辺の延長方向から切断して該他方側の辺に対する切断を行うことで、各角部に隣接する他の角部を有する製品との間に連続した切溝を形成し、
被切断材に配列された角部を有する複数の製品を、各角部に隣接する他の角部を有する製品との間に連続した切溝を形成して切断することによって、該連続した切溝どうしを交差させることで、残材を同時に切断して他の残材から切り離すことを特徴とするレーザ切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被切断材に配列された角部を有する複数の製品をレーザ切断する際に、切断された製品を被切断材から確実に取り出すことができ、且つ残材の処理を容易に行うことができるレーザ切断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス切断トーチやプラズマ切断トーチ或いはレーザ切断トーチを用いて、大きい寸法を有する鋼板やステンレス鋼板等の被切断材から、例えば長方形或いは矩形等の角部を有する製品を複数枚切断することがある。このような切断を行う場合、被切断材には、切断すべき角部を有する複数の製品を予め設定された間隔を持って配列(ネスティング)しておき、これらの製品を個別に切断するのが一般的である。
【0003】
被切断材に配列される隣接する製品どうしの間隔は、採用する切断法がガス切断法であるか、又はプラズマ切断法であるか、或いはレーザ切断法であるかに応じて異なる。例えば、レーザ切断法を採用した場合、隣接する製品どうしの間隔は5mm〜6mm程度に設定されるのが一般的である。
【0004】
一方、複数の製品に対する切断が終了した被切断材では、製品と残材(被切断材)とが同一平面上に存在するため、この平面から製品を取り出す作業が行われる。被切断材から切断された多数の製品を取り出す作業を人手で行う場合、多くの工数を投入する必要が生じる。このため、切断された製品を被切断材から分離して取り出す作業を機械的に行う装置が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1に記載された切断処理装置は、内側のレールに載置された切断装置と、外側のレールに載置され内周寸法が切断装置の外周寸法よりも大きい仕分装置と、切断装置及び仕分装置を制御する制御装置と、を有して構成されている。特に、仕分装置には複数の吸着部材を有する吸着ヘッドが設けられ、この吸着ヘッドによって被切断材から切断された製品を吸着すると共に上昇させて取り出すように構成されている。
【0006】
上記特許文献1に記載された装置では、切断された製品を被切断材から分離する際に、吸着ヘッド(吸着部材)によって製品を吸着して上昇させることで、製品を被切断材に形成されている切溝を通過させて被切断材から分取り出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2824277号公報(特開平03−008570号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された装置を用いて、被切断材から切断した製品を吸着部材によって吸着して取り出す場合、ガス切断やプラズマ切断で切断した製品は確実に分離して取り出すことができる。しかし、レーザ切断で角部を有する製品を切断した場合、該製品を被切断材から円滑に分離することができず、被切断材から取り出す作業が容易でないという問題が生じている。
【0009】
また、被切断材から製品を分離して取り出したとき、被切断材は製品どうしの間隔に相当する部位が連続したリブ状に残置されることとなる。このような残材では、吸着部材によって吸着することができず、スクラップヤードに移動する際の作業が困難になる。このため、リブ状の部位を手動で切断する必要があり、廃棄処理が容易ではないという問題が生じている。
【0010】
本発明の目的は、レーザ切断トーチによって被切断材に配列された角部を有する複数の製品を切断したとき、該製品を取り出す際の作業を確実に行うことができ、且つ残材の廃棄処理も容易に行うことができるレーザ切断方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明に係るレーザ切断方法は、被切断材に配列された角部を有する複数の製品をレーザ切断するための方法であって、被切断材には、該被切断材から切断すべき角部を有する複数の製品が予め設定された間隔を持って配列されており、各製品の角部を切断する際に、前記角部を構成する一方側の辺から該角部を超えて該辺の延長方向に、隣接する角部を有する製品との間を切断し、前記一方側の辺の延長方向に対する切断から連続させて、前記角部を構成する他方側の辺の延長方向から切断して該他方側の辺に対する切断を行うことで、各角部に隣接する他の角部を有する製品との間に連続した切溝を形成し、被切断材に配列された角部を有する複数の製品を、各角部に隣接する他の角部を有する製品との間に連続した切溝を形成して切断することによって、該連続した切溝どうしを交差させることで、残材を同時に切断して他の残材から切り離すことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るレーザ切断方法では、被切断材に対し予め設定された間隔を持って配列された角部を有する製品を切断する際に、一つの製品に対し、一方側の辺から角部を超えて延長方向する切断と、他方側の辺の延長方向から該他方の辺に対する切断を連続して行うことで、連続した切溝を形成することができる。そして、隣接する他の製品に対しても同様の切断を行って、角部に対応して形成された切溝を既に形成されている切溝に交差させることで、製品を切断すると同時に隣接する製品との間の残材を切断して他の残材から切り離すことができる。
【0013】
このため、隣接する製品の間に存在する複数の残材が夫々独立したものとなり、製品を取り出す際に、該製品が位置ずれして残材に接触したとしても、製品の接触に伴って残材も位置ずれすることとなる。このように、切断された製品を被切断材から取り出す際に、隣接する製品間の被切断材が作業の障害となることがない。従って、切断された製品の被切断材からの円滑な分離を実現することができ、製品の被切断材からの取り出す作業を容易に行うことができる。
【0014】
特に、切断された製品の間の残材は製品の角部と対応する部位で切断されることとなり、製品を取り出した後は、枠状の残材と棒状の残材とが残置される(
図2参考)。このため、製品を取り出した後の残材の処理する際に、切断を必要とする部位が少なくなり、廃棄処理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】被切断材に配列された角部を有する複数の製品を切断する際の切断トーチの軌跡を説明する図である。
【
図2】複数の製品に対する切断が終了した後の被切断材の状態を説明する図である。
【
図3】切断された製品の角部に対応する被切断材の状態を説明する図であり、
図2のB部詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るレーザ切断方法(以下単に「切断方法」という)について説明する。本発明に係る切断方法は、被切断材に対して予め設定された間隔を持って配列(ネスティング)された角部を有する複数の製品を、一方の辺から角部を超えて延長方向に切断した後、連続して他方の辺に対する切断を行うことで、角部に対応する被切断材に連続した切溝を形成し、隣接する製品の角部毎に形成した連続した切溝を互いに交差させて切断するものである。
【0017】
上記の如くして、被切断材から複数の製品をレーザ切断することで、隣接する製品間の被切断材は、対向する2辺が製品の辺と対応し、これらの辺を結んで対向する2辺が連続して形成された切溝の交差部位と対応する。即ち、被切断材に対する複数の製品の切断が終了したとき、該被切断材には、切断された複数の独立した製品と、隣接する製品間に存在する複数の独立した残材と、が形成される。
【0018】
このため、切断された製品と、製品間に存在する残材は互いに独立して移動することが可能となり、製品を被切断材から取り出す際に位置ずれが生じてもこの位置ずれに伴って残材も位置ずれすることが可能となる。従って、切断された製品の取り出しや、残材の廃棄処理を容易に行うことが可能となる。
【0019】
製品の角部に対応する被切断材に製品の各辺の延長方向に連続した切溝を形成する際の連続形状は限定するものではなく、円弧状に連続した形状や三角形を含む多角形状に連続した形状であれば良い。しかし、製品の角部に対応する被切断材に形成された連続した切溝は、隣接する製品の角部に対応して形成された連続した切溝と互いに交差することが必要である。このため、連続した形状に形成された切溝の角部から最も離隔した位置は、隣接する製品どうしの間に設定された間隔寸法の半分よりも大きい寸法に設定されている。
【0020】
本発明に係る切断方法を実施する切断装置の構造は特に限定するものではなく、搭載したレーザ切断トーチを用いて被切断材から角部を有する製品を切断することが可能なものであれば良い。このような切断装置としては、大型の被切断材を対象とした切断装置や、比較的小型の被切断材を対象とした切断ロボット等があり、何れも採用することが可能である。
【0021】
大型の切断装置としては、レールに走行可能に載置された門型のガーターと、該ガーターに横行可能に載置されたキャリッジと、該キャリッジに搭載されたレーザ切断トーチと、ガーター、横行キャリッジ、レーザ切断トーチの稼働を制御する数値制御(NC)装置と、を有して構成されたものがある。また、切断ロボットとしては、先端にレーザ切断トーチを装着した多関節アームと、NC装置と、を有して構成されたものがある。これらの切断装置では、NC装置によって、ガーターの走行とキャリッジの横行、或いは多関節アームを制御すると共にレーザ切断トーチの稼働を制御することで、被切断から角部を有する目的の製品を切断することが可能である。
【0022】
本発明に係る切断方法を実施するためのレーザ発振器の仕様を限定するものではなく、炭酸ガスレーザ発振器やファイバーレーザ発振器等のレーザ発振器を選択的に用いることが可能である。そして、選択したレーザ発振器に応じた最適なレーザ切断トーチが選択されて切断装置に搭載される。
【0023】
被切断材の材質も特に限定するものではなく、鋼板やステンレス鋼板等を含むレーザ切断トーチによって切断することが可能な材質を対象とすることが可能である。また、被切断材の板厚は限定するものではなく、レーザ発振器の出力に応じて変化する。
【0024】
本発明に於いて、被切断材から切断する製品は角部を有する。この角部の角度は限定するものではなく、製品の角部が被切断材側の対応する部位に形成された隅部に接触したとき、係止されて円滑な分離を阻害する虞のある角度を含むものである。即ち、製品が有する角部は、鋭角な角部及び鈍角な角部を含む。
【0025】
また、被切断材から角部を有する製品を取り出す際の手段は限定するものではなく、特許文献1、2に記載された仕分装置やピッキング装置を用いることが可能である。しかし、人手によって分離して取り出すことでも良い。機械を利用した場合でも、人手による場合でも、切断された製品の被切断材からの円滑な取り出しを実現することが可能であり、且つ製品間に残置された残材の円滑で容易な廃棄処理を実現することが可能となる。
【0026】
次に、本発明に係る切断方法の実施例について
図1〜
図3を用いて説明する。
【0027】
図1に示すように、被切断材Aには、角部1aを有し且つ予め寸法が設定された辺1b、1cを有する複数の製品1(本実施例では9枚)が、予め設定された間隔寸法Lを持って配列(ネスティング)されている。そして、この配列に基づいて図示しないレーザ切断トーチの移動経路及び製品の寸法等の条件が設定される。
【0028】
即ち、被切断材Aに配列された各製品1毎に、レーザ切断の開始起点となるピアシング点Pの位置が設定され、レーザ切断トーチのピアシング点Pから製品1までの導入線2や製品1の各辺1b、1cを切断する際の切断方向に沿った移動経路3が設定される。そして、設定されたこれらの条件に基づいてレーザ切断トーチの移動情報が設定される。
【0029】
また、被切断材Aの板厚や材質に基づいて切断速度やレーザ発振器の出力を含む切断条件が設定され、これらの切断条件に基づいて切断情報が設定される。前記各情報、及びレーザ切断トーチの稼働に必要な他の情報はNC装置に入力される。
【0030】
特に、被切断材Aの製品1の角部1aに対応する部位に於けるレーザ切断トーチの移動情報は、製品1の辺1b、1cの寸法の如何に関わらず予めNC装置に入力されている。即ち、製品1の辺1b(1c)を切断した後、連続して辺1c(1b)の切断に移行する際に、レーザ切断トーチが被切断材Aを連続して切断するための切断経路4は予め設定されており、この切断経路4の移動情報はNC装置に入力されている。
【0031】
本実施例では、製品1の各辺1b、1cの延長方向に連続して切断することで、角部1aに対応する被切断材Aに形成する切溝5を円弧状に形成している。このため、製品1の一方の辺1b或いは辺1c(以後、辺1bとする)を切断した後、他方の辺1c或いは辺1b(以後、辺1cとする)に至るレーザ切断トーチによる切断経路4は、辺1bの延長方向に継続した後、円弧状(略3/4円)に移動し、その後、辺1cの延長方向から該辺1cに導入されるように設定されている(
図3参照)。
【0032】
製品1の角部1aと対応する被切断材Aに円弧状の切溝5を形成する際に、該円弧の直径は隣接する製品1の間隔寸法Lの1/2よりも大きい寸法となるように設定されている。例えば、間隔寸法Lが5mmに設定されている場合、円弧の直径は3mm〜4mm程度に設定されている。また、円弧の中心の位置は角部1aの二等分線上で、各辺1b、1cから半径分離隔した位置に設定されている。
【0033】
従って、レーザ切断トーチによる切断経路4は、製品1の角部1aを基点とし、辺1bの延長方向に向けた円弧の半径分の直線部分と、該直線部分に連続した略3/4円の円弧状部分と、該円弧状部分に連続し辺1cの延長方向から該辺1cに向けた円弧の半径分の直線部分と、によって構成されている。
【0034】
次に、上記各情報に従ってレーザ切断トーチを制御して被切断材Aに対する切断を行う手順について説明する。
【0035】
先ず、被切断材Aに於ける製品1の近傍に設定されたピアシング点Pにレーザ切断トーチを対向させ、被切断材Aに向けてレーザ光を照射すると共にアシストガスを噴射してピアシングを行い、被切断材Aに厚さ方向に貫通した孔を形成する。その後、ピアシング点Pから導入線2を経て製品1の辺1b、1cに沿った移動経路3に沿って切断を開始する。
【0036】
レーザ切断トーチが製品1の辺1bを切断して角部1aに到達したとき、該レーザ切断トーチは、切断経路4に設定された切断情報に従って移動方向、稼働条件が制御されて被切断材Aに対する切断が継続される。即ち、製品1の辺1bを切断して角部1aに到達したレーザ切断トーチを切断を継続させた状態で延長方向に移動させ、切断経路4に沿って辺1cの延長方向にまで円弧状に移動させ、その後、該辺1cの延長側から切断する。
【0037】
上記の如くして製品1を切断した結果、該製品1の角部1aに対応する被切断材Aには、製品1の辺1b、1cと連続した円弧状の切溝5が形成される。特に、円弧状の切溝5の直径が3mm〜4mmと小さいため、円弧に囲まれた部分の母材は溶融して被切断材Aから排除され、切溝5は連続した溝の形状をなさず、大きな穴状となる。
【0038】
一つの製品1に対する切断が終了すると、レーザ切断トーチは被切断材Aに配列された他の製品1に対する新たな切断を行う。このとき、新たに切断する製品1は、必ずしも既に切断された製品1に隣接したものである必要はなく、該既に切断された製品1の熱影響を受けることの少ない充分に離隔した位置にある製品1であって良い。
【0039】
レーザ切断トーチによる被切断材Aに配列された複数の製品1に対する切断の手順は全て同一であり、個々の製品1を切断する度に、角部1aに対応して円弧状の切溝5が形成される。そして、被切断材Aに配列された全ての製品1を切断したとき、隣接した各製品1の角部1aに対応する被切断材Aに形成された円弧状の切溝5は、
図3に示すように、互いに交差することとなる。
【0040】
この結果、隣接する製品1の間の被切断材Aは、製品1の辺1b或いは辺1cに対応した切溝11によって2つの辺12aが形成され、角部1aに対応する部位には交差した円弧状の切溝5によって、直線と円弧からなる2つの辺12bが形成される。このため、隣接する製品1に挟まれた被切断材Aには、辺12a、12bを有する独立した残材13が形成されることとなる。
【0041】
従って、配列された複数の製品1の全てを切断した後の被切断材Aは、
図2に示すように、切断された複数の製品1と、隣接する製品1の間に形成された複数に残材13と、枠状の残材14と、に分割されている。また、残材13どうしの間は、円弧状の切溝5が集中した穴として形成されている。
【0042】
被切断材Aが上記の如く切断されることによって、複数の製品1及び残材13は夫々が独立したものとなり、各製品1を取り出す際に位置ずれが生じて角部1aが残材13に接触したような場合でも、該残材13が障害となることがない。このため、製品1を被切断材Aから取り出す際の作業を容易に且つ確実に行うことが可能となる。
【0043】
また、被切断材Aから全ての製品1を取り出した後は、枠状の残材14と隣接する製品1の間の棒状の残材13とが残置されることとなる。このため、廃棄処理するに際し、枠状の残材14を切断する必要はあるものの、残材13を集合させることで良い。従って、残材13、14を廃棄処理する際の作業を容易に行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係るレーザ切断方法は、長時間の連続運転を行うレーザ切断装置に利用したとき、製品の取り出し、残材の廃棄処理を容易に行うことが可能となり有利である。
【符号の説明】
【0045】
A 被切断材
1 製品
1a 角部
1b、1c 辺
2 導入線
3 移動経路
4 切断経路
5、11 切溝
12a、12b 辺
13 残材
14 枠状の残材