(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
駅の近辺、市街地、ビルの地下などの様々な場所に駐車場が設置されている。営業活動や買い物など、多くの人が自動車を運転して、移動を行うからである。これら自動車は、短時間の用事で目的地に移動することが多い。このような自動車が短時間であっても道路上に駐車されることは当然に好ましくない。もちろん、場合によっては、路上駐車は違法行為である。このため、市街地はもちろんのこと、住宅地にも駐車場が設置されている。このような駐車場は、人件費の削減や営業時間の長時間化(例えば24時間営業)のために、常駐管理者のいない無人駐車場となっていることが多い。このため、無人駐車場は、駐車中の自動車の出入りを禁止するロック機構と会計機構を備えている。
【0003】
一方、近年のエコブームにより、自転車や自動二輪車などの二輪車の使用も増えている。通勤のみでなく、市街地のちょっとした移動や買い物に、二輪車が使用されることも多い。しかしながら、二輪車は、歩道や車道の一部であってり、建物の前などに簡単に駐輪できることもあって、迷惑駐輪が問題となっている。行政が迷惑駐輪を取り締まることもあるが、いたちごっこで、迷惑駐車の問題が解決することが少ない。また、二輪車の使用者も、路上駐車によって盗難や破損の危険性を感じることに嫌悪感や不安感を持つこともある。
【0004】
このような状況において、自動車だけでなく、二輪車の駐車場の設置も求められているし、実際に進んでいる。自動車の駐車場と同じく、二輪車の駐車場も、常駐の管理者がいない無人駐車場であることが多い。
【0005】
このような無人駐車場は、複数の駐停車区画を有しており、自動車や二輪車の使用者は、駐停車区画に合わせて駐車する。駐車されると、料金支払い前には出庫できないように、ロック機構が働いて、車両の出庫を防止する。また、駐車時間に応じた料金が算出されるように、会計機構がが、駐車時間と駐車料金を算出する。
【0006】
加えて、二輪車の駐車場では、駐車場内部は個々に区別されておらず、駐車場全体の出入り口にゲートが設けられて、このゲートにおいて課金処理がなされる。すなわち、ゲートに設けられた装置が、二輪車の車種を判別しつつ車両を検出することが求められる。
【0007】
このため、駐車場は、駐停車車両が駐停車区画に存在していることを検出できる検出機構を必要とする。あるいは、駐車場は、駐車場の出入り口となるゲートにおいて、車両を検出できる検出機構を必要とする。このため、駐停車区画やゲートにおいて(以下、駐停車区画もしくは通過区画という)、ループコイルが埋設されている。ループコイルには、所定の周波数を有する電気信号が流れており、この電気信号によってループコイルの周囲には、電流と垂直方向に磁界が発生する。ループコイルが発信する磁界の一部が駐停車中の車両によって吸収されることで、磁界が変化する。この磁界の変化は、ループコイルを流れる電気信号の周波数や電圧・電流を変化させる。車両検出装置は、この周波数や電圧・電流の変化を検出することで、車両の有無の検出および車種判別を行なえる。
【0008】
このような地面に埋設されるループコイルを用いる車両検出装置には、大きく2つの問題がある。
【0009】
一つの問題は、ループコイルの発信する磁界の変化に基づいた車両検出を行うので、ループコイルの設置場所の特性によっては、磁界の変化の検出が困難であることである。例えば、駐車場の地面にループコイルが埋設される場合に、地中に鉄筋が設置されていることがある。鉄筋は、金属製であるので、ループコイルから発信される磁界を吸収するので、車両による磁界の変化の検出が難しくなる。
【0010】
あるいは、立体駐車場にループコイルが設置される場合には、立体駐車場の床面には鉄筋の骨格が埋め込まれているので、この骨格によって磁界が吸収されたり吸収されたりして、本来の磁界の大きさが狂ってしまい、車両による磁界変化を検出しにくくなってしまう。
【0011】
このように、ループコイルの設置場所の特性や構造によっては、車両検出装置は車両の検出を行いにくいことがある。
【0012】
もう一つの問題は、ループコイルを用いる車両検出装置は、ループコイルの発信する磁界の吸収や吸収を利用している際に、車両の大きさによっては、十分に検出できないことである。上述の通り、近年ではエコブームによって、二輪車の駐車場も増えている。二輪車は、大型バイク、中型バイク、小型バイク、自転車など、様々な形状、大きさを有している。
【0013】
一方、大型バイクと自転車では、形状も大きさも大きく異なる。加えて、磁界を吸収するのは金属であるが、大型バイクと自転車では、使用されている金属の体積も異なり、自転車や小型バイクなどでは、十分な磁界変化が生じないこともある。磁界変化が不十分であると、車両検出装置は、自転車や小型バイクを検出できないこともある。
【0014】
また、二輪車の駐車においては、ロック機構の制御や課金の違いから、車両検出装置は、大型バイク、中型バイク、小型バイク、自転車のそれぞれを区別する必要を有している。もちろん、自動車と二輪車とを区別する必要も有している。しかしながら、自動車と異なり、二輪車は形状や大きさが様々であるし、地面に対向する面積が自動車より小さいので、磁界変化量が少なく、検出や区別が困難である問題もある。
【0015】
このような2つの問題に対して、いくつかの技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の第1の発明に係る車両検出装置は、電気信号によって磁界を発生させる導電体が周回するループコイルと、ループコイルを導電する電気信号の変化を検出する検出部と、を備え、ループコイルは、駐停車面に略平行な平面状に沿った平面ループ部と、駐停車面に交差する交差方向に沿った交差ループ部と、を有し、検出部、平面ループ部および交差ループ部は、電気的に接続する。
【0029】
この構成により、駐停車区画に駐車する二輪車のように、平面方向の占有面積が小さい車両であっても、車両検出装置は、検出できる。
【0030】
本発明の第2の発明に係る車両検出装置では、第1の発明に加えて、交差ループ部は、駐停車面に略垂直である。
【0031】
この構成により、車両検出装置は、車両の側面方向によって、磁界の吸収を生じさせることができる。
【0032】
本発明の第3の発明に係る車両検出装置では、第1又は第2の発明に加えて、平面ループ部は、駐停車面中に埋設され、交差ループ部は、駐停車面から上方に突出する。
【0033】
この構成により、ループコイルは、駐停車車両の駐車を妨げることなく設置される。加えて、駐停車車両の平面方向および垂直方向によって、磁界が吸収される。
【0034】
本発明の第4の発明に係る車両検出装置では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、ループコイルは、検出部に接続する第1端部から、平面ループ部の一部が延伸し、平面ループ部の延伸先端で駐停車面から上方に突出して交差ループ部が延伸し、交差ループ部は、駐停車面に戻って再び平面ループ部の残部が駐停車面に沿って延伸して検出部に接続する第2端部まで周回することでループ状となる。
【0035】
この構成により、ループコイルは、駐停車車両の平面方向および垂直方向のそれぞれによる磁界の吸収を受けて、電気信号を変化させる。
【0036】
本発明の第5の発明に係る車両検出装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、平面ループ部は、駐停車面の駐停車車両の底面に対して磁界を付与し、交差ループ部は、駐停車車両の側面に対して磁界を付与する。
【0037】
この構成により、駐停車車両の車種に関係なく、車両検出装置は、車両を検出できる。
【0038】
本発明の第6の発明に係る車両検出装置では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、交差ループ部は、駐停車区画を分離する管路および駐停車車両の出入り口の管路に埋設される。
【0039】
この構成により、駐車場の外観や構成を損なわずに、車両検出装置が設置される。
【0040】
本発明の第7の発明に係る車両検出装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、検出部は、ループコイルを流れる電気信号の、電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つを検出する。
【0041】
この構成により、検出部は、駐停車車両の検出および車種の判別を行なえる。
【0042】
本発明の第8の発明に係る車両検出装置では、第7の発明に加えて、検出部は、ループコイルを流れる電気信号の、電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つの変化量に基づいて、駐停車面の駐停車車両の種類を判別する。
【0043】
この構成により、車両検出装置は、駐停車車両の車種によって異なる駐車料金の課金を行うことができる。
【0044】
本発明の第9の発明に係る車両検出装置では、第8の発明に加えて検出部は、ループコイルを流れる電気信号の、電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つの変化量が、所定値以上である場合には、駐停車車両を四輪車として判別し、所定値未満である場合には、駐停車車両を二輪車として判別する。
【0045】
この構成により、車両検出装置は、四輪車と二輪車を判別できる。
【0046】
本発明の第10の発明に係る車両検出装置では、第8の発明に加えて、検出部は、ループコイルを流れる電気信号の、電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つの変化量が、(1)第1閾値以上である場合には、駐停車車両を大型二輪車であると判別し、(2)第2閾値以上第1閾値未満である場合には、駐停車車両を中型二輪車であると判別し、(3)第3閾値以上第2閾値未満である場合には、駐停車車両を小型二輪車であると判別し、(4)第3閾値未満である場合には、駐停車車両を自転車であると判別する。
【0047】
この構成により、車両検出装置は、二輪車の中での車種を判別できる。
【0048】
本発明の第11の発明に係る車両検出装置は、電気信号によって磁界を発生させる第1ループコイルと、第1ループコイルを導電する電気信号の変化を検出する第1検出部と、電気信号によって磁界を発生させる第2ループコイルと、第2ループコイルを導電する電気信号の変化を検出する第2検出部と、第1検出部および第2検出部とおの検出結果を選択もしくは合成する選択・合成部と、を備え、第1ループコイルおよび第2ループコイルのそれぞれは、駐停車面に略平行な平面状に沿った平面ループ部と、駐停車面に交差する交差方向に沿った交差ループ部と、を有し、平面ループ部および交差ループ部とは、電気的に接続する。
【0049】
この構成により、車両検出装置は、より高い精度で車両の検出および車種の判別を行なえる。
【0050】
本発明の第12の発明に係る車両検出装置では、第11の発明に加えて、第1ループコイルの交差ループ部のループが形成する仮想平面と、第2ループコイルの交差ループ部のループが形成する仮想平面とは、駐停車面の駐停車車両を挟んで対向する。
【0051】
この構成により、2つのループコイルが、一つの駐停車車両に対応する。
【0052】
本発明の第13の発明に係る車両検出装置では、第11又は第12の発明に加えて、選択・合成部は、第1検出部で検出する電気信号の変化量と第2検出部で検出する電気信号の変化量を比較し、(1)第1検出部で検出される変化量が第2検出部で検出される変化量より大きい場合には、選択・合成部は、第1検出部で検出される変化量に基づいて、駐停車車両の車種を判別し、(2)第2検出部で検出される変化量が第1検出部で検出される変化量より大きい場合には、選択・合成部は、第2検出部で検出される変化量に基づいて、駐停車車両の車種を判別する。
【0053】
この構成により、車両検出装置は、より高い精度で、車両を検出すると共に車両の車種を判別できる。
【0054】
本発明の第14の発明に係る車両検出装置では、第11の発明に加えて、選択・合成部は、第1検出部で検出する電気信号の変化量と、第2検出部で検出する電気信号の変化量を所定条件で合成して合成変化量を算出し、選択・合成部は、合成変化量に基づいて、駐停車車両の車種を判別する。
【0055】
この構成により、車両検出装置は、より高い精度で、車両を検出すると共に車両の車種を判別できる。
【0056】
本発明の第15の発明に係る車両検出装置では、第11から第14のいずれかの発明に加えて、選択・合成部は、第1検出部で検出する電気信号の変化量と、第2検出部で検出する電気信号の変化量を比較し、(1)第1検出部で検出される変化量が第2検出部で検出される変化量より大きい場合には、駐停車車両は、第1ループコイル側に近いと判断し、(2)第2検出部で検出される変化量が第1検出部で検出される変化量より大きい場合には、駐停車車両は、第2ループコイル側に近いと判断する。
【0057】
この構成により、車両検出装置は、駐停車区画での駐車不具合などを検出できる。結果として、ユーザーフレンドリーが向上する。
【0058】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
なお、本特許の車両検出装置は、(1)駐車や停車を行う駐停車区画に設置されて、駐停車区画に駐停車している駐停車車両を検出する(加えて、車種を判別する)場合、(2)複数の駐停車車両が駐車する駐車場(駐輪場)の出入り口を通過する車両を検出する(加えて、車種を判別する)。このため、(1)の場合には、駐車場全体が複数の駐停車区画に区分されており、複数の駐停車区画のそれぞれに、車両検出装置が設置される。一方(2)の場合には、駐車場全体は、囲いと出入り口を開閉させるゲートで囲まれており、車両検出装置は、このゲートの出口前の車両の通過地点に設置される。このとき、車両はゲートを通過する際には、徐行ないしは停車を行うので、車両検出装置は、ゲートを通過する車両を検出できる。
【0059】
このため、本明細書の「駐停車車両」は、駐車区画に駐車している車両、駐車場内部に停車している車両、駐車場のゲート前で徐行ないしは停車している車両の全てを含む。「駐停車」の用語も同様に、駐車、停車、徐行、一時停止などを含む。要は、駐車場において、課金処理等のために車両を検出したり、車種を判別したりするのに必要となる車両の状態全てを含む。また、「駐停車面」は、駐停車している車両に対応する地面(床面)およびゲート前で徐行や一旦停止している車両に対応する地面(床面)を含む。
【0060】
なお、車両は、特に定義しない限り、四輪車、二輪車、三輪車(特殊車両含む)を含む。このため、駐車場は、駐輪場を含む概念である。
【0062】
(全体概要)
まず、本発明の実施の形態1の車両検出装置の全体概要を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における車両検出装置の模式図である。実際の車両検出装置1は、駐車場に埋設されて使用されるが、
図1は、埋設される前の状態を示している。但し、車両検出装置1が、駐車場に埋設される場合には、平面ループ部21は、駐車場となる地面(実際の地面だけでなく、立体駐車場の床面も含む)に埋設される。なお、上述の通り、平面ループ部21が埋設される駐車場とは、駐車場に設けられる複数の駐停車区画のそれぞれであったり、駐車場の出入り口のゲート前であったりする。もちろん、駐車場だけでなく、駐輪場も含む。
【0063】
車両検出装置1は、導電体が周回したループコイル2と、検出部3と、を備える。また、必要に応じて、発信器4を備える。また、駐車場に車両検出装置1が設置される際には、導電線であるループコイル2の形態維持と保護のために、管路5に、ループコイル2が通されている状態でも良い。
【0064】
ループコイル2は、発信器4からの電気信号を導電させる。この電気信号の導電によって、ループコイル2は、磁界を発生させる。また、ループコイル2は、
図1に示されるように、駐車場の駐停車面に略平行な平面に沿った平面ループ部21と、駐停車面に交差する交差方向に沿った交差ループ部22を有する。また、平面ループ部21と交差ループ部22とは、連続して電気的に接続する。但し、ループコイル2は、平面ループ部21と交差ループ部22とが連続して一周すると、発信器4や検出部3に、それぞれの端部から接続する。このため、ループコイル2は、発信器4や検出部3を基点に、周回している部材である。
【0065】
なお、ループコイル2が発信器4や検出部3を基点に周回するとは、ループコイル2を形成する導電体が1周あるいは2〜3周にわたって周回され、周回の終わった端部が、発信器4や検出部3に最終的に接続されることである。例えば、検出部3に繋がる導電体の端部から導電体が周回し、複数周の周回をしてループコイル2を形成し、周回の終わった導電体のもう一方の端部が、検出部3に戻る状態である。導電体の周回数は、適宜定められればよい。
【0066】
この周回の途中において、駐停車面に略平行な平面ループ部21と駐停車面に交差する交差ループ部22とが存在することになる。このように、ループコイル2は、発信器4や検出部3を基点として、平面ループ部21と交差ループ部22とを経て、再び発信器4や検出部3に戻る周回の部材である。
【0067】
発信器4は、ループコイル2に所定の周波数の電気信号を出力する。ループコイル2は、導電性の部材であるので、発信器4からの電気信号は、ループコイル2を導電する。
【0068】
検出部3は、ループコイル2を導電する電気信号の変化を検出する。ループコイル2は、導電する電気信号によって、周囲に磁界を発生させる。この発生している磁界中に吸収物が存在すると、磁界の一部が吸収される。磁界の一部が吸収されることで、ループコイル2を導電する電気信号の種々の要素が変化する。例えば、電気信号の電流値、電圧値、電力値などの要素が変化する。このとき、吸収物の大きさによって、変化量は異なる。
【0069】
検出部3は、これらの変化や変化量に基づいて、吸収物の大きさを推定する。ここで、ループコイル2は、駐車場に設けられるので、吸収物は、四輪車や二輪車などの車両である。すなわち、検出部3は、電気信号の変化や変化量に基づいて、(1)車両検出装置1が検出対象とする領域に、駐停車車両が存在すること、(2)駐停車車両の車種、を検出できる。変化量が大きい場合には、吸収物となる駐停車車両も大きいと考えられるので、検出部3は、四輪車であると判別する。もしくは、変化量が大きい場合には、検出部3は、大型バイクや中型バイクであると判別し、変化量が小さい場合には、検出部3は、小型バイクや自転車であると判別する。
【0070】
ここで、ループコイル2は、駐停車面に沿った平面ループ部21と、駐停車面に交差する交差ループ部22を有している。平面ループ部21は、駐停車面の平面領域に対して磁界を発生させる。一方、交差ループ部22は、駐停車面の交差(垂直)領域に磁界を発生させる。このため、平面ループ部21が発する磁界は、駐停車面の駐停車車両の平面領域の吸収状態の影響を受ける。一方、交差ループ部22が発する磁界は、駐停車面の駐停車車両の垂直方向の吸収状態の影響を受ける。
【0071】
四輪車は、駐停車面の平面領域を大きく吸収するので、平面ループ部21からの磁界を大きく吸収する。このため、ループコイル2全体を導電する電気信号は、この平面ループ部21からの磁界の吸収によって、大きく変化する。一方、二輪車は、駐停車面の平面領域では、余り吸収しないので、平面ループ部21からの磁界を余り吸収できない。このため、平面ループ部21からの磁界変化によるループコイル2を導電する電気信号の変化量は小さくなる。この結果、平面ループ部21のみでは、車両検出装置は、二輪車を検出できなかったり、二輪車の車種を判別できなかったりする。
【0072】
交差ループ部22は、駐停車面の垂直方向の吸収物によって磁界を吸収される。二輪車は、垂直方向においては一定の大きさを有しているので、駐停車面の平面方向の磁界を余り吸収しないが、垂直方向の磁界を吸収する。すなわち、二輪車は、交差ループ部22が発する磁界を吸収するので、ループコイル2を導電する電気信号が、検出可能な程度に変化する。検出部3は、このループコイル2を導電する電気信号の変化を検出し、駐停車車両が二輪車であっても、駐停車車両を検出できる。もちろん、大型バイクと自転車とでは、垂直方向の吸収量および平面方向の吸収量が異なるので、電気信号の変化量も異なる。これにより、検出部3は、二輪車での車種を判別できる。
【0073】
このように、実施の形態1における車両検出装置1は、駐停車面に平行な平面ループ部21と駐停車面に交差する交差ループ部22とを備えることで、駐停車車両の平面方向および垂直方向のそれぞれでの吸収による電気信号の変化を生じさせることができる。この結果、車両検出装置1は、二輪車の検出でき、二輪車の車種を判別できる。ここで、車両検出装置1は、個々の駐停車車両に対応する駐停車区画に設置される場合には、駐停車区画に駐停車している車両を検出しつつ車種を判別する。あるいは、車両検出装置1は、駐車場の出入り口のゲートに設置されている場合には、ゲートを出ようとして徐行や一旦停止をしている車両を検出しつつ車種を判別できる。
【0074】
(他の形状)
ループコイル2は、
図1に示されるように、平面ループ部21と交差ループ部22とを有する。また、平面ループ部21と交差ループ部22とが、電気的に接続されて一連となっている。加えて、平面ループ部21と交差ループ部22とは、同じ発信器4および検出部3と電気的に接続されていることで、ループコイル2は、駐停車面の平面方向での磁界の吸収および駐停車面の垂直方向での磁界の吸収の両方の影響を受ける。この結果、駐停車車両が四輪車であっても二輪車であっても、高い精度で検出できる。
【0075】
このような交差ループ部22は、
図1に示されるように平面ループ部21の一方のみに設けられても良いし、
図2に示されるように平面ループ部21の両方に設けられても良い。
図2は、本発明の実施の形態1における車両検出装置の斜視図である。
図2の車両検出装置1のループコイル2では、交差ループ部22が平面ループ部21の両方に設けられている。駐車場にループコイル2が埋設される場合には、平面ループ部21が駐車場に埋設され、両端の交差ループ部22は、駐停車面から上方に突出する形態となる。
【0076】
このように、交差ループ部22が、平面ループ部21の両端に設けられる形態であることで、駐停車面に垂直方向の吸収物による磁界変化を大きくすることができる。磁界変化が大きくなることで、検出部3は、二輪車をより確実に検出できる。
【0077】
ここで、ループコイル2は、導線などの軟性を有する部材であることが多いので、管路5によってその形態が維持される。このため、
図1もしくは
図2のようなループコイル2の形態を構成するには、管路5の形状に依存する。管路5の形状を様々にすることで、ループコイル2は、様々な形態を有することができる。もちろん、ループコイル2そのものが形態維持性を有していれば、管路5を用いずに、
図1や
図2のような平面ループ部21と交差ループ部22とを有することができる。
【0078】
(ループコイルの詳細)
交差ループ部22は、駐停車面に交差する方向に沿っている。すなわち、駐停車面から上方に突出する。交差ループ部22は、駐停車面に交差すればよいが、駐停車面に略垂直であることも好適である。車両検出装置1が、駐停車区画のそれぞれに設置される場合には、交差ループ部22が駐停車面に略垂直であることで、交差ループ部22が、駐車場における駐停車車両同士を仕切る駐停車区画を形成しやすくなる。また、駐車場における外観もすっきりとする。加えて、交差ループ部22は、駐停車車両の垂直方向の吸収による電気信号の変化を生じさせるので、交差ループ部22も駐停車面に略垂直であることで、電気信号の変化を生じさせやすくなる。
【0079】
ループコイル2は、平面ループ部21と交差ループ部22とを有する周回する部材である。言い換えれば、周回するループコイル2は、その途中に駐停車面に沿った平面ループ部21と駐停車面に交差する交差ループ部22を有していることになる。
【0080】
ループコイル2は、検出部3に接続する第1端部から開始され、平面ループ部21および交差ループ部22を経過して、再び検出部3に接続する第2端部に戻るように周回する。このとき、ループコイル2は、検出部3にその両端部を接続する前に、2,3周のように複数の周回を行っておいても良い。
図1、
図2は、このように、ループコイル2を形成する導電体の周回と、周回後にループコイル2の端部が検出部3に接続する状態を示している。
【0081】
より詳細な一例として、ループコイル2は、検出部3に接続する第1端部から開始され、平面ループ部21の一部が延伸する。次いで、平面ループ部21の延伸先端で駐停車面から上方に突出して交差ループ部22が延伸する。更に、交差ループ部22は、駐停車面に戻って再び平面ループ部21の残部につながり、この平面ループ部21が駐停車面に沿って延伸して検出部3に第2端部において接続する。もちろん、ループコイル2は、何周かにわたって周回してから、その第2端部を検出部3に接続させても良い。この結果、検出部3を基点とした始点(第1端部)と終点(第2端部)を結んで周回するループ状の形状を、ループコイル2は、有するようになる。特に、周回する途中で、平面方向に沿う平面ループ部21と交差する交差ループ部22とを、備える。この結果、平面方向に対しても垂直方向に対しても磁界を十分に発生させつつ、平面方向の吸収物および垂直方向の吸収物による磁界の減衰を確実に生じさせることができるようになる。
【0082】
(駐車場への設置と車両検出)
次に、車両検出装置1の駐車場への設置と、車両検出の動作について説明する。
【0083】
図3は、本発明の実施の形態1における車両検出装置が設置された駐車場の模式図である。駐停車区画101は、繁華街や住宅地に設置されるコイン式駐車場における駐停車車両を駐車させる一つの区画である。駐停車区画101には、駐停車車両が駐車する駐停車面100が存在する。もちろん、車両検出装置1が、駐車場の出入り口のゲートに設けられる場合には、
図3は、このゲートの状態を示している。駐停車面100は、ゲートを通過する際の車両が徐行したり一旦停止したりする面である。
図3は、このように駐停車区画および出入り口のゲートの両方を示しており、以下の説明もいずれをも含んでいる。
【0084】
図3に示されるように、ループコイル2における平面ループ部21は、駐停車面100の内部に埋設される。一方、交差ループ部22は、駐停車面100から上方に突出する。この突出によって、交差ループ部22は(あるいは、交差ループ部22を覆う管路5は)、駐車場における駐停車区画101もしくはゲートを形成できる。駐停車車両は、この交差ループ部22によって囲まれる駐停車区画101に駐車する。このように、交差ループ部22は、駐停車区画101もしくはゲートを形成するので、駐車場に既に設置されている管路5内部に収容されても良い。すなわち、車両検出装置1が設置される際に交差ループ部22を収容する管路5も合わせて設置されても良いし、予め設置されている管路5に交差ループ部22が収容されても良い。
【0085】
駐停車区画101には、清算用の清算ボックス10が備えられている。清算ボックス10は、駐停車区画101毎に備えられていることもあるし、複数の駐停車区画101に対応して備えられていることもある。あるいは、ゲートに一つ設けられていることもある。検出部3および発信器4は、この清算ボックス10に組み込まれれば良い。清算ボックス10が予め設置されている場合には、検出部3および発信器4が設置されている清算ボックス10に格納される。清算ボックス10が新たに設置される場合には、検出部3および発信器4が組み込まれた清算ボックス10が設置される。清算ボックス10は、検出部3と発信器4を備えているので、ループコイル2と電気的に接続されている。
【0086】
(二輪車の検出)
駐車場に車両検出装置1が設置されて駐停車区画101が形成されると、この駐停車区画101に駐停車車両が進入して駐停車するようになる。あるいは、ゲートに車両検出装置1が設置されている場合には、このゲートに車両が進入して、駐車場に入退場する。以下においては、前者の駐停車区画に車両が駐停車している場合の、車両検出および車両判別を説明する。もちろん、以下の説明は、ゲートを通過する車両の検出および車両判別でも同様である。
【0087】
図4は、本発明の実施の形態1におけるループコイルに進入した駐停車車両の正面図である。
図4では、二輪車であるバイク30が駐停車区画101に駐停車している。コイン式駐車場は、二輪車専用の駐停車区画を有することもあり、バイク30が駐停車区画101に駐停車することがある。
【0088】
駐停車区画101には、車両検出装置1が設置されている。すなわち、駐停車面100には、平面ループ部21が埋設されており、バイク30の横には、交差ループ部22が突出している。上述の通り、平面ループ部21と交差ループ部22は、検出部3を始点と終点として周回する一連のループコイル2を構成する。交差ループ部22は、突出する形態を維持するためおよび保護のために、管路5に収容されている。この管路5は、駐停車区画101を明確にする仕切りでもある。
【0089】
ループコイル2は、検出部3および発信器4と電気的に接続されている。発信器4は、ループコイル2に所定の周波数や電流値を有する電気信号を出力する。なお、発信器4は、検出部3と一体の部材であって、検出部3が電気信号をループコイル2に付与することでも良い。
【0090】
発信器4もしくは検出部3によって付与された電気信号は、ループコイル2を導電する。ループコイル2のような導体を電気信号が流れると、その電気信号が導電する方向に垂直に磁界20が発生する。このとき、平面ループ部21は、駐停車車両であるバイク30の底面に対して磁界20を付与する。一方、交差ループ部22は、駐停車車両であるバイク30の側面に対して磁界20を付与する。
【0091】
ここで、駐停車区画101にバイク30が駐停車していると、バイク30のボディーによって磁界20が吸収される。磁界20が吸収されれば、磁界20が減衰し、この減衰によってループコイル2を流れる電気信号の特性が変化する。検出部3は、この電気信号の変化に基づいて、駐停車車両であるバイク30を検出し、場合によっては、駐停車車両がバイク30であるとその車種を判別する。
【0092】
このとき、駐停車車両がバイク30のような二輪車である場合には、駐停車面100に平行な平面方向に対する占有面積は、駐停車面100に垂直な垂直方向に対する占有面積よりも小さい。
図5は、本発明の実施の形態1における駐停車区画の模式図である。
図5に示される駐停車面100の下に記載される斜線の方形31は、駐停車面100に平行な平面方向に対する占有面積を示す。一方、駐停車面100からバイク30に平行するように突出する斜線の方形32は、駐停車面100に垂直な垂直方向に対する占有面積を示す。
【0093】
方形31と方形32を比較すればわかる通り、駐停車車両がバイク30である場合には、平面方向の占有面積は小さく、垂直方向の占有面積は大きい。平面ループ部21は、この方形31に対応する平面方向の占有面積に対応する磁界の吸収をうける(バイク30によって)。一方、交差ループ部22は、この方形32に対応する垂直方向の占有面積に対応する磁界の吸収を受ける(バイク30によって)。このことから、ループコイル2全体では、駐停車車両がバイク30のような二輪車では、交差ループ部22が平面ループ部21よりもよりセンシティブである。
【0094】
このように、平面ループ部21と交差ループ部22とを有するループコイル2によって駐停車面に平行な平面方向の占有面積が小さい二輪車であっても、検出可能なレベルで、磁界の変化が生じる。これだけの磁界の変化が生じることで、ループコイル2を導電する電気信号も、検出部3で検出可能なレベルで変化する。
【0095】
図6は、本発明の実施の形態1におけるバイクが駐停車している駐停車区画の側面図である。
図6は、
図4、
図5の状態を横方向から見た状態を示している。駐停車区画101に駐停車車両であるバイク30が駐停車すると、ループコイル2は、バイク30の側面に対向する。この対向によって、交差ループ部22からの磁界が、バイク30の側面によって吸収される。バイク30は、駐停車面100の平面方向の占有面積は小さいが、垂直方向の占有面積は大きいので、交差ループ部22からの磁界は、バイク30によって十分に吸収されることが分かる。
【0096】
バイク30の吸収によって、ループコイル2を導電する電気信号の電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つが変化する。なお、変化とは、駐停車車両が存在していない場合と駐停車車両が存在する場合とでの変化である。検出部3は、この電気信号の電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つを検出する。検出部3は、検出する電気信号の電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つに基づいて、バイク30を駐停車車両として検出する。
【0097】
更に、検出部3は、電気信号の電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つの変化量に基づいて、駐停車車両の存在を検出する。すなわち、
図4,5では、バイク30を駐停車車両として検出できる。このとき、上述の通り、駐停車車両がバイク30のような二輪車であっても、交差ループ部22での磁界変化によって、検出部3は、電気信号の変化量を検出できる。バイク30を駐停車車両として検出できれば、駐車時間に応じた清算が実現できる。
【0098】
以上は、車両検出装置1が駐停車区画に設置された場合に、駐停車区画に駐停車している駐停車車両の検出の説明である。車両検出装置1が、駐車場の出入り口のゲートに設置されている場合には、
図3〜
図6で示されている車両検出装置1は、ゲートでの説明に対応する。すなわち、ゲートを通過するために、ゲート付近に設置されているループコイル2を徐行したり一旦停止したりする車両が、このループコイル2の磁界を吸収する。この結果、検出部3は、ゲートを通過する車両を検出できる。
【0099】
また、検出部3は、駐停車車両の存在を検出できるだけでなく、変化量に基づいて、駐停車車両の車種を判別できる。
【0100】
駐停車車両が四輪車である場合には、駐停車面100の平面方向および垂直方向のいずれに対しても占有面積が大きいので、ループコイル2を導電する電気信号の変化量は大きくなる。一方、駐停車車両が二輪車である場合には、駐停車面100の平面方向での磁界変化は小さく、垂直方向での磁界変化は大きい。このため、ループコイル2全体での磁界変化は、駐停車車両が四輪車の場合よりも小さい。これは、ループコイル2を導電する電気信号の電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つの変化量が、四輪車の場合よりも小さいことに繋がる。検出部3は、この変化量の違いに基づいて、駐停車車両が二輪車であることを判別できる。
【0101】
また、駐停車車両が二輪車である場合でも、二輪車が大型二輪車、中型二輪車、小型二輪車、自転車のいずれかによって、磁界変化は異なる。駐停車車両が大型バイクである場合の駐停車面100に垂直な垂直方向での占有面積は、駐停車車両が自転車である場合の駐停車面100に垂直な垂直方向での占有面積よりも大きい。特に、磁界を吸収するのは金属部材であるが、大型二輪車は、自転車に比較して多くの金属部材を有しているので、磁界をより吸収する(一方で、駐停車面100に平行な平面方向での磁界の吸収については、大型二輪車と自転車とで、そこまで大きな差は生じないこともある)。
【0102】
この結果、駐停車車両が大型二輪車である場合の方が、駐停車車両が自転車である場合よりも、ループコイル2を導電する電気信号の電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つの変化量が大きくなる。検出部3は、このことを利用して、駐停車車両が二輪車である場合でも、二輪車の中での車種を判別できる。
【0103】
ここで、検出部3は、予め設定された閾値や関数テーブルなどの参考値を有しておき、検出された変化量と参考値とを比較することで、車種を判別すればよい。これらの閾値や関数テーブルは、経験値や実験値によって予め定められれば良いし、事後的に変更可能であることも好適である。このため、検出部3は、書き換え可能なメモリを備えていることも好適である。
【0104】
検出部3が、閾値や関数テーブルなどの参考値を有している場合には、検出部3は、これらの参考値に基づいて、車種を判別する。
【0105】
例えば、ループコイル2を導電する電気信号の電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つの変化量が、所定値以上である場合には、検出部3は、駐停車車両を四輪車として判別する。あるいは、ループコイル2を導電する電気信号の電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つの変化量の場合わけに応じて、検出部3は、次のように駐停車車両の車種を判別する。
【0106】
(1)第1閾値以上である場合には、駐停車車両を大型二輪車であると判別し、
(2)第2閾値以上第1閾値未満である場合には、駐停車車両を中型二輪車であると判別し、
(3)第3閾値以上第2閾値未満である場合には、駐停車車両を小型二輪車であると判別し、
(4)第3閾値未満である場合には、駐停車車両を自転車であると判別する。
【0107】
ここで、第1閾値は第2閾値よりも大きく、第3閾値は、第2閾値より大きい。磁界の吸収レベルが高いほど、電気信号の変化量は大きい。このため、変化量が大きい場合には、より大型の車両であることを、検出部3は、利用している。
【0108】
検出部3は、第1閾値、第2閾値および第3閾値を比較値として記憶していることで、ループコイル2を導電する電気信号の電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つの変化量に基づいて、二輪車の中での車種を判別できる。なお、第1閾値、第2閾値および第3閾値以外の閾値を用いて、検出部3は、更に細かい車種判別を行っても良い。もちろん、第1閾値〜第3閾値のそれぞれは、事後的に変化させられても良い。検出精度を上げるために、経験的な結果が加味できるからである。
【0109】
なお、検出部3は、ループコイル2を導電する電気信号の電流値、電圧値、電力値および周波数の少なくとも一つの変化量を検出して、車両検出および車種判別を行なうが、周波数を用いることが検出精度の面から適当である。
【0110】
また、検出部3および発信器4は、専用の電子回路で構成されても、汎用の電子回路で構成されても、マイコンとソフトウェアで構成されても良い。例えば、汎用のマイコン回路に所定のソフトウェアが組み込まれて構成される。
【0111】
また、以上では、駐停車区画に駐停車している車両の車種判別について説明したが、駐車場の出入り口のゲートに車両検出装置1が設置される場合には、ゲートを通過する車両の車種が判別される。例えば、ゲート前で徐行したり一旦停止した車両による電気信号の変化に基づいて、検出部3は、上記(1)〜(4)のように第1閾値〜第3閾値に基づいて、車種を判別する。
【0112】
以上のように、実施の形態1における車両検出装置1は、駐停車車両が二輪車であっても検出できる。加えて、四輪車と二輪車との判別および二輪車の中での車種判別を行う事もできる。車両検出装置1が、これらの車両検出、車種判別を行なえることで、コイン式の駐車場などにおける正確な料金清算が行える。
【0114】
次に実施の形態2について説明する。
実施の形態2は、複数の駐停車区画における車両検出装置1の設置について説明する。車両検出装置1は、ループコイル2を構成する平面ループ部21が駐停車面100に埋設される。駐停車面は、駐車場の地面であったり、立体駐車場の床面であったりする。
図7は、本発明の実施の形態2における駐停車面の正面図である。
図7では、駐車場の駐停車面100にループコイル2が設置されている状態を示している。駐停車面100を上から見ているので、埋設されている部分と埋設されていない部分との区別が分かりにくいが、平面ループ部21は、駐停車面100に埋設されている。交差ループ部22は、駐停車面100から上方に突出している。
【0115】
このように、車両検出装置1は、駐停車区画101毎に設置される。
【0116】
コイン式駐車場は、複数の駐停車区画101を有していることが多い。このような場合には、車両検出装置1は、複数の駐停車区画101のそれぞれに設置される。
図8は、本発明の実施の形態2における車両検出装置が設置された駐車場の模式図である。駐車場110は、複数(
図8では3箇所)の駐停車区画101A〜101Cを備えている。もちろん、駐停車区画101A〜101Cは、図示の都合であって、4以上の駐停車区画101を、駐車場110は備えていて良い。
【0117】
駐停車区画101A〜101Cのそれぞれは、異なる駐停車車両を駐停車させる。このため、駐停車区画101Aには車両検出装置1Aが設置されており、駐停車区画101Bには車両検出装置1Bが設置されており、駐停車区画101Cには、車両検出装置1Cが設置されている。車両検出装置1A〜1Cのそれぞれは、実施の形態1で説明した機能や構成を有している。
【0118】
ループコイル2Aは、駐停車区画101Aに設置されているので、交差ループ部22Aは、駐停車区画101Aの仕切りを構成する。同様に交差ループ部22Bは、駐停車区画101Bの仕切りを構成する。交差ループ部22Cは、駐停車区画101Cの仕切りを構成する。また検出部3A〜3Cのそれぞれも、駐停車区画101A〜101Cのそれぞれにおいて設けられる。
【0119】
このため、ループコイル2Aでの電気信号の変化を、検出部3Aが検出する。この検出に基づき、検出部3Aは、駐停車区画101Aの駐停車車両を検出する。同時に、実施の形態1で説明した処理手順によって、検出部3Aは、駐停車区画101Aの駐停車車両の車種を判別する。
図8では、駐停車区画101Aには、バイク30が駐停車しているので、検出部3Aは、駐停車車両をバイクであると判別する。このとき、バイク30が大型二輪車であるのか、小型二輪車であるのかも、設定に応じて判別できる。検出部3Aは検出結果を、清算ボックス10Aに格納される清算機能に通知する。清算機能は、通知に基づいて、駐停車車両に対する課金を計算して利用者による清算を行う。
【0120】
同様に、ループコイル2Bでの電気信号の変化を、検出部3Bが検出する。この検出に基づき、検出部3Bは、駐停車区画101Bの駐停車車両を検出する。同時に、実施の形態1で説明した処理手順によって、検出部3Bは、駐停車区画101Bの駐停車車両の車種を判別する。
図8では、駐停車区画101Bには車両が駐停車していないので、検出部3Bは、電気信号の変化がないか所定値以下であるとして、駐停車車両が存在していないとの判断を行う。
【0121】
ループコイル2Cでの電気信号の変化を、検出部3Cが検出する。この検出に基づき、検出部3Cは、駐停車区画101Cの駐停車車両を検出する。同時に、実施の形態1で説明した処理手順によって、検出部3Cは、駐停車区画101Cの駐停車車両の車種を判別する。
図8では、駐停車区画101Cには車両が駐停車していないので、検出部3Cは、電気信号の変化がないか所定値以下であるとして、駐停車車両が存在していないとの判断を行う。
【0122】
このように、複数の駐停車区画101を有する駐車場110においては、駐停車区画101毎に車両検出装置1が設置されて、それぞれの駐停車区画101で駐停車車両が検出される。
【0123】
また、
図8では、複数の駐停車区画101A〜101C毎に検出部3A〜3Cが備えられているが、複数の駐停車区画101A〜101Cに対応して一つの検出部3が設けられても良い。この場合には、どの駐停車区画101の駐停車車両を検出するかを切り替えるために、一つの検出部3は、時間分割などを行って検出を行う。
【0124】
また、検出部3は、一つの清算ボックス10が複数の駐停車区画101に対応して設けられて、複数の駐停車区画101のそれぞれに対応する複数の検出部3が、この一つの清算ボックス10に格納されても良い。
【0125】
以上のように、車両検出装置1は、複数の駐停車区画101を有する駐車場110にもフレキシブルに対応できる。
【0127】
次に実施の形態3について説明する。実施の形態3では、二輪車の駐停車車両の検出精度の向上や位置検出について説明する。実施の形態3は、実施の形態1と同様に、駐車場に設けられている駐停車区画に車両検出装置が設置される場合と、駐車場の出入り口のゲートに車両検出装置が設置される場合とを、含んで説明する。
【0128】
図9は、本発明の実施の形態3における駐停車車両の駐停車している駐車場の模式図である。
図9では、車両検出装置11は、2つのループコイル等を備えて、2つのループコイルでの電気信号の変化をとらえて車両検出の精度を向上させたり、駐停車区画101における駐停車車両の位置を検出したりする。
【0129】
車両検出装置11は、第1ループコイル2Aと第2ループコイル2Bを備える。第1ループコイル2Aと第2ループコイル2Bは、相互に独立した部材であり、ループコイルそのものにおいては、電気的な接続をしていない(非接触での物理的な電気漏洩での接続を含まない意図ではない)。第1ループコイル2Aには、第1検出部3Aおよび第1発信器4Aが接続している。このため、第1ループコイル2Aは、第1検出部3Aを基点として、周回する。また、第1ループコイル2Aは、駐停車面100に略平行な平面に沿った平面ループ部21Aと、駐停車面100に交差する交差方向に沿った交差ループ部22Aとを、有する。このような第1ループコイル2Aの構造は、実施の形態1、2で説明したループコイル2と同様である。
【0130】
第2ループ部2Bには、第2検出部3Bおよび第2発信器4Bが接続している。このため、第2ループコイル2Bは、第2検出部3Bを基点として、周回する。また、第2ループコイル2Bは、駐停車面100に略平行な平面に沿った平面ループ部21Bと、駐停車面100に交差する交差方向に沿った交差ループ部22Bとを、有する。このような第2ループコイル2Bの構造は、実施の形態1、2で説明したループコイル2と同様である。
【0131】
第1ループコイル2Aおよび第2ループコイル2Bのそれぞれには、独立した電気信号が導電する。この電気信号によって、第1ループコイル2Aと第2ループコイル2Bのそれぞれは、磁界を発生させる。
【0132】
このように、駐停車区画101において、駐停車車両の両サイドに、それぞれ電気的に独立した第1ループコイル2Aと第2ループコイル2Bとが、設置される。すなわち、第1ループコイル2Aの交差ループ部22Aが形成する仮想平面(
図9のバイク30の側面に沿った平面)と、第2ループコイル2Bの交差ループ部22Bが形成する仮想平面(
図9のバイク30の側面に沿った平面)とが、駐停車車両であるバイク30を挟んで対向する。すなわち、バイク30は、第1ループコイル2Aによる磁界と第2ループコイル2Bによる磁界とに、挟まれて存在するようになる。
【0133】
図9では、駐停車車両としてバイク30が駐停車している。第1ループコイル2Aおよび第2ループコイル2Bのそれぞれは、バイク30の側面で吸収される磁界を付与する交差ループ部22A、22Bを有している。このことにより、第1ループコイル2Aおよび第2ループコイル2Bのそれぞれから発生される磁界は、バイク30によって吸収される。この吸収によって、第1ループコイル2Aを導電する電気信号および第2ループコイル2Bを導電する電気信号は、変化する。
【0134】
第1ループコイル2Aを導電する電気信号の変化は、第1検出部3Aによって検出される。一方、第2ループコイル2Bを導電する電気信号の変化は、第2検出部3Bによって検出される。更に、第1検出部3Aは、検出した検出結果を、選択・合成部8に出力する。同様に、第2検出部3Bは、検出した検出結果を、選択・合成部8に出力する。選択・合成部8は、それぞれの検出結果のいずれかを選択したり、それぞれの検出結果を所定の手順で合成した上で、駐停車車両の存在を検出したり、駐停車車両の車種を判別したりする。
【0135】
実施の形態1、2の車両検出装置1は、いずれかの電気信号の変化のみで、駐停車車両を検出している。通常の駐車場や駐停車車両では、これらの検出で十分である。しかしながら、駐車場の環境(磁界変化が生じにくいなど)や、駐停車車両の特徴(非常に小さな二輪車であったり、特殊な形状をしている二輪車などであったり)によっては、単体のループコイル2による電気信号の変化のみでは、検出が難しいことも考えられる。
【0136】
これに対して、実施の形態3における車両検出装置11は、第1ループコイル2Aの電気信号の変化と、第2ループコイル2Bの電気信号の変化とのそれぞれを用いて、駐停車車両を検出する。例えば、選択・合成部8は、第1ループコイル2Aの電気信号の変化と第2ループコイル2Bの電気信号の変化において、変化量の大きいほうを選択して、駐停車車両を検出したり、駐停車車両の車種を判別したりする。あるいは、選択・合成部8は、第1ループコイル2Aの電気信号の変化量と第2ループコイル2Bの電気信号の変化量とを合成して、駐停車車両を検出したり、駐停車車両を判別したりする。
【0137】
例えば、駐停車車両が自転車のように、非常に細いボディーを有している場合には、交差ループ部22からの磁界を十分に吸収できないこともある。これに対して、独立した2つのループコイル2(第1ループコイル2Aと第2ループコイル2B)によって、非常に細いボディーの二輪車であっても、いずれかのループコイルの磁界が吸収される。この結果、いずれかの検出部3で検出される結果を選択したり、合成したりすることで、高い精度で駐停車車両を検出できる。
【0138】
また、二輪車においては、大型バイク、中型バイク、小型バイク、自転車など、細かな車種の判別が難しいこともある。このような場合でも、2つのループコイル2のいずれかの検出結果の選択や合成によって、2つのループコイル2全体での電気信号の変化を細かく把握できるようになる。
【0139】
例えば、第1ループコイル2Aでの電気信号の変化は小さく、第2ループコイル2Bでの電気信号の変化が大きい場合には、駐停車区画101の大きさとの関係から、細いボディーの二輪車であると考えられこともある。すなわち、自転車である可能性が高い。自転車が、第2ループコイル2Bに近い場所に駐停車されているからである。この場合には、選択・合成部8が、第1ループコイル2Aでの変化量と第2ループコイル2Bでの変化量を合成することで、実際の変化量は平均化される。この結果、車両検出装置11は、駐停車車両を自転車として判別できる。仮に、ループコイル2が一つだけの場合には、自転車がループコイル2に近い場所に駐停車されることによって電気信号の変化量が大きくなり、車両検出装置は、自転車ではなくバイクであると判別してしまうかもしれない。車両検出装置11は、このような検出の難しい場合でも、確実に駐停車車両の車種を判別できる。
【0140】
このように、2つの独立したループコイル2での検出結果を用いることで、検出しにくい外部環境であっても、車両検出装置11は、確実に駐停車車両を検出したり車両を判別したりできる。
【0141】
選択・合成部は、2つのループコイル2A,2Bからの電気信号の変化量を用いて、次のような選択もしくは合成を行って、車種判別を行う。
【0142】
(選択による判別)
選択・合成部8は、第1検出部3Aで検出する電気信号の変化量と第2検出部3Bで検出する電気信号の変化量を比較し、
【0143】
(1)第1検出部3Aで検出される変化量が第2検出部3Bで検出される変化量より大きい場合には、選択・合成部8は、第1検出部3Aで検出される変化量に基づいて、駐停車車両の車種を判別し、
(2)第2検出部3Bで検出される変化量が第1検出部3Aで検出される変化量より大きい場合には、選択・合成部8は、第2検出部3Bで検出される変化量に基づいて、駐停車車両の車種を判別する。
【0144】
このように、2つのループコイル2A、2Bにおいて電気信号の変化量が大きいループコイルでの変化量を優先して、車両検出装置11は、車両の車種を判別する。変化量の大きいループコイルでの結果を優先することで、車両判別の制度をより向上させることができる。
【0145】
(合成による判別)
また、選択・合成部8は、2つのループコイル2A,2Bでの電気信号の変化量を合成して、駐停車車両の車種を判別しても良い。
【0146】
選択・合成部8は、第1検出部3Aで検出する電気信号の変化量と、第2検出部3Bで検出する電気信号の変化量を所定条件で合成して合成変化量を算出し、選択・合成部8は、合成変化量に基づいて、駐停車車両の車種を判別する。合成変化量は、平均値や重み付け平均値である。
【0147】
選択・合成部8は、2つのループコイル2A、2Bでの変化量の平均値などを取ることによって、より正確に車種を判別できる。駐停車車両は、その車種によって吸収する磁界の量を決定するので、2つのループコイル2A,2Bのそれぞれからの磁界の吸収量を合成することで、本来の吸収量に近づくからである。
【0148】
以上のように、第1ループコイル2Aと第2ループコイル2Bとによって、車両検出装置11は、高い精度で駐停車車両の車種を判別できる。
【0149】
(車両位置の検出)
また、車両検出装置11は、駐停車区画101における駐停車車両の駐停車位置を検出できる。第1ループコイル2A、第2ループコイル2Bでの電気信号の変化量の大きいループコイルに駐停車車両が近いと考えられることを利用する。
【0150】
図10は、本発明の実施の形態3における駐停車区画の模式図である。駐停車区画101には、第1ループコイル2Aと第2ループコイル2Bとが設置されている。第1ループコイル2Aの磁界による感度曲線25Aは、第1ループコイル2Aから遠ざかるにつれて減少する(破線25Aの形状が、これを示している)。一方、第2ループコイル2Bの磁界による感度曲線25Bは、第2ループコイル2Bから遠ざかるにつれて減少する(破線25Bの形状が、これを示している)。
【0151】
駐停車車両31が、第1ループコイル2Aに近い場合には、第1ループコイル2Aの磁界による感度曲線25Aの値が大きい場所に、駐停車車両31が位置していると考えられる。この結果、第1ループコイル2Aの電気信号の変化量が、第2ループコイル2Bの電気信号の変化量よりも大きい。
【0152】
これに対して、駐停車車両31が、第2ループコイル2Bに近い場合には、第2ループコイル2Bの磁界による感度曲線25Bの値が大きい場所に、駐停車車両31が位置していると考えられる。この結果、第2ループコイル2Bの電気信号の変化量が、第1ループコイル2Aの電気信号の変化量よりも大きい。
【0153】
これらのことにより、第1ループコイル2Aおよび第2ループコイル2Bのいずれかの変化量が大きいことを利用して、駐停車車両31の駐停車区画101での位置を、選択・合成部8は、推定する。
【0154】
すなわち、選択・合成部8は、第1検出部3Aで検出する電気信号の変化量と、第2検出部3Bで検出する電気信号の変化量を比較し、
【0155】
(1)第1検出部3Aで検出される変化量が第2検出部3Bで検出される変化量より大きい場合には、駐停車車両31は、第1ループコイル2Aに近いと判断し、
(2)第2検出部3Bで検出される変化量が第1検出部3Aで検出される変化量より大きい場合には、駐停車車両は、第2ループコイル2Bに近いと判断する。
【0156】
このように、車両検出装置11が、駐停車車両31の駐停車位置を推定できることで、駐停車した運転手に対して、注意を促したりすることも可能となる。もちろん、一つの駐停車区画101に複数の二輪車が駐停車する場合の課金処理を行う事も可能となる。
【0157】
以上のように、実施の形態3における車両検出装置11は、二つの独立したループコイル2を用いることで、より正確な車種判別を行ったり、駐停車車両の位置を推定したりできる。結果として、車両検出装置11による様々な処理が可能となる。
【0158】
なお、実施の形態1〜3で説明された車両検出装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。