(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の転動部材は、前記一定方向に離間した位置に設けられ、前記第二延設部材を挟んで斜向かいに対向する一組の転動部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の演出装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、
図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、および右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側(正面側)、後側(背面側)、上側、下側、左側、および右側とする。また、
図4における上側、下側、右下側、左上側、右上側、および左下側を、それぞれ、可動部材110(後述)の上側、下側、左側、右側、前側、および後側とする。
【0015】
図1を参照して、パチンコ機1の概略構成を説明する。パチンコ機1には、遊技盤2が設けられている。遊技盤2は、正面視で略正方形の板状であり、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、発射機(図示外)に遊技球(図示外)を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿10が設けられている。下皿10の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル11が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
【0016】
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。発射機によって発射された遊技球は、遊技領域4内を流下する。遊技領域4の略中央には、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成される画像表示装置(図示外)の表示画面(図示外)が後方から露出可能な表示開口7が設けられる。画像表示装置は、遊技者が大量の賞球を獲得可能な大当たり遊技を生起するか否かの大当たり判定の結果を報知するためのデモ図柄を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)のデモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
【0017】
表示開口7の後方には装飾部材35が配置されている。装飾部材35は、パチンコ機1の演出効果を高めるための部材である。装飾部材35は、遊技盤2の後側に取り付けられる演出装置30(
図2参照)に、上下動可能に設けられている。演出装置30は、画像表示装置およびスピーカ48等と連動して、装飾部材35を上下方向に往復移動させ、報知演出等の様々な演出を実行する。演出装置30の構成の詳細は後述する。
【0018】
表示開口7の右方には普通図柄始動ゲート12が設けられる。また、表示開口7の右下方には、アタッカー17,18が設けられる。表示開口7の下方(遊技領域4の下側)には、始動口15、アタッカー19、およびアウト口14が上方から下方の順に並んで設けられる。
【0019】
パチンコ機1は、主基板(図示外)、サブ基板(図示外)等を備える。主基板とサブ基板とは電気的に接続し、それぞれにCPU、ROM、およびRAM等が設けられる。主基板は、遊技球が入球する始動口15、アタッカー17〜19の入球口に応じて、遊技者に所定数の遊技球を賞球として付与する。サブ基板は、主基板から送信されるコマンドに従って、演出装置30等を動作させ、演出等の総合的な制御を行う。
【0020】
図2〜
図5を参照し、演出装置30の詳細構造を説明する。
図2に示すように、演出装置30は、ベース20と、装飾部材35と、左側移動機構100と、右側移動機構200とを備える。ベース20は、枠状の樹脂ケースであり、遊技盤2(
図1参照)に後方から取り付けられる。ベース20の中央部には、表示開口7(
図1参照)と後方から対向する開口22が形成される。なお、画像表示装置(図示外)は、ベース20の後側に取り付けられる。
【0021】
装飾部材35は、左側移動機構100および右側移動機構200によって、ベース20の前方で上下方向に往復移動する。装飾部材35は、板状部36と、中央部37とを備える。板状部36は、正面視で左右方向に長い略矩形である。板状部36は、左側部を形成する左側板状部36Lと、右側部を形成する右側板状部36Rとからなる。後述するように、左側板状部36Lは左側移動機構100と連結し、右側板状部36Rは右側移動機構200と連結している。中央部37は、円板状であり、板状部36の前側中央に設けられる。
【0022】
装飾部材35の可動範囲は、板状部36がベース20の上側部20Aと正面視で重なる位置(以下、上端位置という)から、ベース20の下側部20Bと正面視で重なる位置(以下、下端位置という)までの間である。
図2にて、実線で示す装飾部材35は上端位置にあり、仮想線で示す装飾部材35は下端位置にある。
【0023】
図3、
図4を参照し、左側移動機構100について説明する。
図3に示すように、左側移動機構100は、支持部40と、後側可動部50と、駆動部60と、前側可動部70とを備える。支持部40は上下方向に長い箱状である。支持部40は、後側部を形成する後側支持部材41と、前側部を形成する前側支持部材42とからなる。後側支持部材41は、ベース20の左側部20C(
図2参照)に前方から取り付けられる。後側支持部材41は開口41Aを有する。開口41Aは、後側支持部材41の上側において、中央部から右縁部までを前後方向に貫通する。開口41Aの周縁部には、2つのネジ孔41Bが設けられている。
【0024】
前側支持部材42の前面42Aの右側には開口42Bが設けられる。開口42Bは、上下方向に長い略矩形であり、前側支持部材42を前後方向に貫通する。
【0025】
後側可動部50は、第一案内軸51と、連結部55とを備える。第一案内軸51は上下方向に延びる。第一案内軸51の上下方向の両端部には取付具52が設けられる。取付具52は後側支持部材41の後面に固定するための部材である。
【0026】
連結部55は、平面視でL字状の板状部材である。連結部55は、第一案内軸51の後方において右方から左方へ延び、さらに第一案内軸51の左後方において前方へ向かって折れ曲がる。連結部55は、第一平板56と、第二平板57と、接続部59とを有する。第一平板56は、板状の連結部材31,32を介して左側板状部36Lの左端部と連結する。第二平板57は、第一平板56の左端から前方へ延びる。第二平板57の前端部には、前方に向かって延びる円筒状のボス穴58が設けられる。ボス穴58には、前後方向に延びる軸部材25が嵌合されている。軸部材25は、連結部55および連結部材31,32を介して左側板状部36Lの左端部と連結されている。言い換えると、軸部材25は装飾部材35の左側端部に設けられる。
【0027】
接続部59は連結部55の上下方向中央部に設けられる。接続部59は、第一案内軸51の右側部および前側部を囲み、且つ第一平板56の前面と第二平板57の右側面とを接続する。第一平板56、第二平板57、および接続部59は、第一案内軸51を囲い込む。これにより、連結部55は、第一案内軸51に沿って上下動可能である。言い換えると、第一案内軸51は、連結部55を上下方向に案内できる。
【0028】
駆動部60は、左側モータ61と、ギアプーリ63と、プーリ64と、ベルト部材65とを有する。左側モータ61と連結するギア62(後述)、ギアプーリ63、プーリ64、およびベルト部材65は、支持部40の内部に収容される。左側モータ61は、正逆共に回転駆動するモータであり、左側移動機構100の駆動源である。左側モータ61は、出力軸(図示外)と連結されるギア62を有する。左側モータ61のブラケット61Aには2つのネジ孔61Bが設けられる。2つのネジ孔61Bは2つのネジ孔41Bに対応する。左側モータ61の出力軸を、後側支持部材41の右側から開口41Aの内側へ進入させ、ギア62を後側支持部材41の前方に位置させた後、ネジ孔61B,41Bにネジ(図示外)を後方から挿通する。これにより、左側モータ61は後側支持部材41に固定される。
【0029】
ギアプーリ63は、開口41Aの上側で後側支持部材41および前側支持部材42に固定される支軸(図示外)によって、回転可能に支持される。ギアプーリ63の後側部にはギア部63Aが形成され、前側部にはプーリ部63Bが形成される。ギア部63Aはギア62と噛み合う。プーリ64は、ギアプーリ63の下方に位置する。プーリ64は、後側支持部材41および前側支持部材42の下側で固定される支軸(図示外)によって、回転可能に支持される。プーリ64の直径とプーリ部63Bの直径は略等しい。
【0030】
ベルト部材65は無端状であり、内周面に亘って形成される歯(図示外)の一部が、プーリ部63Bの歯およびプーリ64の歯(図示外)と噛み合っている。ベルト部材65のうち、プーリ部63Bの右端部とプーリ64の右端部との間を上下方向に沿って直線状に延びる部分は、開口42Bの後方に位置する。左側モータ61が回転駆動する場合、ギア62、ギアプーリ63、およびプーリ64が回転し、ベルト部材65は走行する。
【0031】
前側可動部70は、第二案内軸72と、可動部材110と、転動部材91〜94と、被覆部材75とを有する。第二案内軸72は、開口42Bの前方で上下方向に延びる(
図5参照)。第二案内軸72の上下方向の両端部には取付具73が設けられる。2つの取付具73は、開口42Bの上側および下側で、前側支持部材42にネジ(図示外)で固定される。第二案内軸72は、第一案内軸51に対して右前方に位置する。つまり、第二案内軸72は、第一案内軸51から左右方向および前後方向に離間して設けられる。第二案内軸72は、例えば金属材料から形成される。この他、第二案内軸72は樹脂材料等から形成されてもよい。
【0032】
可動部材110はベルト部材65に取り付けられ、ベルト部材65の走行に伴って上下方向に往復移動する部材である。
図4に示すように、可動部材110は、第一板状部111と、第二板状部112と、第三板状部113と、2つの接続部119と、ベルト取付部114とを備える。
【0033】
第一板状部111と第二板状部112は、前面42A(
図3参照)と前方から対向する。第一板状部111は第二案内軸72(
図3参照)の右方に配置され、第二板状部112は第二案内軸72の左方に配置される。第一板状部111および第二板状部112の左右方向における離間距離は、第二案内軸72の直径よりも僅かに長い。第三板状部113は、第二板状部112の左端から後方に向かって延び、さらに左方へ折れ曲がる板状部材である。第三板状部113は前側支持部材42(
図3参照)の左方に位置する。第三板状部113の左側上部(可動部材110の左側上部)には、左右方向に長い長穴113Aが設けられる。長穴113Aは、第二案内軸72と左右方向に離間しており、軸部材25が遊挿されている(
図6参照)。
【0034】
2つの接続部119は、正面視で左右方向に長い略矩形であり、第二案内軸72の前側部を囲い込み、且つ第一板状部111と第二板状部112を接続する。2つの接続部119のうち一方は、第一板状部111および第二板状部112の上端部を接続し、他方は第一板状部111および第二板状部112の下端部を接続する。以下、第一板状部111および第二板状部112をまとめて指すときは、「可動板状部115」という。可動板状部115の前面115A(
図3参照)に設けられる部材については後述する。
【0035】
ベルト取付部114は、可動板状部115の後側部から後方に向かって立設し、開口42B(
図3参照)を通過して、支持部40(
図3参照)の内部まで進入する一対の壁部である。ベルト取付部114は可動部材110の右側に位置する。ベルト取付部114は、右壁部114Rと左壁部114Lとを備える。114Rと左壁部114Lは左右方向に互いに離間する。
【0036】
右壁部114Rは、第一板状部111の左端部に設けられる。右壁部114Rの後端部且つ上下方向の両端部には、左方に向かって突出する一対の突出部116が設けられる。
【0037】
左壁部114Lは、第二板状部112の右端部且つ上下方向の中央部に設けられる。左壁部114Lは、支持壁部117と、対向壁部118とを有する。支持壁部117は、第二板状部112から後方へ僅かに突出し、さらに右方へ折れ曲がる。支持壁部117は第二案内軸72(
図3参照)の後方に位置する。対向壁部118は、支持壁部117の右端部から後方に向かって立設する。対向壁部118は、一対の突出部116の間で右壁部114Rと左方から対向する。対向壁部118の右端部は、一対の突出部116の左端部よりも右側に位置する。対向壁部118の右側面には、ベルト部材65(
図3参照)の歯(図示外)と噛み合う歯部118Aが形成されている。
【0038】
対向壁部118と一対の突出部116の間に形成される2つの間隙121の上下方向の長さは、ベルト部材65の厚さよりも僅かに短い。また、歯部118Aと右壁部114Rとの間に形成される間隙122の左右方向の長さも、ベルト部材65の厚さよりも僅かに短い。ベルト部材65を2つの間隙121および間隙122に配置し、ベルト部材65の歯(図示外)を歯部118Aに噛み合わせする。これにより、可動部材110はベルト部材65に取り付けられる。以下、ベルト部材65の歯(図示外)のうち、歯部118Aと噛み合う歯を、ベルト噛合部という。
【0039】
第一板状部111、第二板状部112、2つの接続部119、および支持壁部117は、第二案内軸72(
図3参照)を囲い込み、且つ第二案内軸72と摺動可能である。従って、ベルト部材65が走行する場合に、可動部材110は、第二案内軸72に沿って上下方向に往復移動可能である。言い換えると、第二案内軸72は、可動部材110を上下方向に案内できる。
【0040】
図3を参照し、可動板状部115の前面115Aに設けられる部材について説明する。前面115Aには、支持軸81〜84と、2つのボス穴85と、2つの凸部86とが設けられる。支持軸81〜84は、前面115Aから前方へ延びる。支持軸81,84は第二案内軸72の左方に配置され、支持軸82,83は第二案内軸72の右方に配置される。支持軸81は支持軸84の上方に配置され、支持軸82は支持軸83の上方に配置される。さらに、支持軸81,82は第二案内軸72に対して左右対称となる位置に配置され、同様に支持軸83,84も左右対称となる位置に配置される。
【0041】
2つのボス穴85は、前面115Aから前方に延びる円筒状である。2つのボス穴85のうち、一方は支持軸81,84の間に配置され、他方は支持軸82,83の間に配置される。2つの凸部86は、支持軸81,84の左方で上下方向に並んで設けられる。
【0042】
転動部材91〜94は、前後方向に僅かに延びる円筒状の回転体であり、支持軸81〜84によって回転可能に支持されている。転動部材91〜94の外周面は、第二案内軸72に当接している。転動部材91〜94は、本実施形態ではポリアセタール等の樹脂材料から形成される。この他、転動部材91〜94は金属材料等から形成されてもよい。
【0043】
転動部材91の筒孔には支持軸81が挿通される。同様に、転動部材92には支持軸82が、転動部材93には支持軸83が、転動部材94には支持軸84が挿通される。つまり、転動部材92,94は第二案内軸72の左側に設けられ、転動部材92,93は右側に設けられる。
【0044】
転動部材91と転動部材93は、上下方向に離間し、且つ、第二案内軸72を挟んで斜向かいに対向する一組の転動部材(以下、「斜向かいに対向する一組の転動部材」という)である。同様に、転動部材92と転動部材94も、斜向かいに対向する一組の転動部材である。従って、転動部材91〜94には、斜向かいに対向する一組の転動部材が、第二案内軸72に沿って2組含まれている。
【0045】
また、転動部材91と転動部材92は、第二案内軸72に対して対称となる位置で互いに対向する一組の転動部材(以下、「対称となる一組の転動部材」という)である。同様に、転動部材93,94も対称となる一組の転動部材である。従って、転動部材91〜94には、対称となる一組の転動部材が第二案内軸72に沿って2組含まれている。
【0046】
被覆部材75は、正面視で左右方向に長い略矩形の板状部材であり、転動部材91〜94を前方から覆う。被覆部材75の左側部には上下方向に並ぶ2つの嵌合孔77が設けられ、嵌合孔77の右側には左右方向に並ぶ2つのネジ孔76が設けられる。2つの嵌合孔77は2つの凸部86に対応し、2つのネジ孔76は2つのボス穴85に対応する。嵌合孔77に凸部86を嵌め、且つネジ孔76およびボス穴85にネジ(図示外)を前方から挿通する。これにより、被覆部材75は、可動部材110に前側から固定される。
【0047】
図3および
図5を参照し、右側移動機構200について説明する。右側移動機構200は、左側移動機構100と類似する機構であるので、説明を簡略化して行う。
図3に示すように、右側移動機構200は、支持部210と、右側モータ220と、第一ガイド軸221(
図5参照)と、第二ガイド軸222(
図5参照)と、移動部材230(
図5参照)とを備える。支持部210は、上下方向に長い略矩形の箱状である。支持部210は、後側支持部材211と前側支持部材212とからなる。後側支持部材211は、ベース20の右側部20Dに前方から取り付けられる(
図2参照)。後側支持部材211の後面右側には、背面視で上下方向に長い略矩形の開口211A(
図5参照)が設けられる。開口211Aは、後側支持部材211を前後方向に貫通する。
【0048】
右側モータ220は、正逆共に回転駆動するモータであり、右側移動機構200の駆動源である。右側モータ220は前側支持部材212の前面に固定される。右側モータ220の出力軸(図示外)は、支持部210の内部に進入する。図示しないが、支持部210の内部においては、出力軸に固定されるギアが、ギア、プーリ等を介してタイミングベルトに連結される。右側モータ220の回転駆動に伴って、タイミングベルトは走行可能である。
【0049】
図5に示すように、第一ガイド軸221および第二ガイド軸222は、上下方向に延び、左右方向に互いに離間する。第一ガイド軸221は後側支持部材211の後面の左側に取り付けられ、第二ガイド軸222は後側支持部材211の後面の右側に取り付けられる。第二ガイド軸222は開口211Aの後方に位置する。尚、第一ガイド軸221と第二ガイド軸222との左右方向における離間距離は、第一案内軸51と第二案内軸72(
図3参照)との左右方向における離間距離よりも短い。
【0050】
移動部材230は、タイミングベルトの走行に伴って上下方向に往復移動する部材である。移動部材230は、第一摺動部231と、第二摺動部232と、ベルト固定部(図示外)とを有する。第一摺動部231は移動部材230の左側部に形成され、第二摺動部232は右側部に形成される。第一摺動部231および第二摺動部232は、平面視で枠状である。第一摺動部231の内側には第一ガイド軸221が挿通され、第二摺動部232の内側には第二ガイド軸222が挿通される。第一摺動部231および第二摺動部232は、それぞれ、第一ガイド軸221および第二ガイド軸222と摺動可能である。第一摺動部231は、板状の連結部材33(
図3参照)を介して右側板状部36Rの右端部と連結する。
【0051】
ベルト固定部(図示外)は、第二摺動部232の前端部から前方に向かって立設し、開口211Aを通過して、支持部210の内部まで進入する一対の壁部である。ベルト固定部にはタイミングベルトが取り付けられる。従って、タイミングベルトの走行に伴って、移動部材230は、第一ガイド軸221および第二ガイド軸222に沿って、右側板状部36Rを上下方向に往復移動させる。
【0052】
図6、
図7を参照し、演出装置30(
図3参照)が装飾部材35(
図3参照)を上下方向に往復移動させる動作について説明する。まず、
図6を参照し、上端位置にある装飾部材35が下方へ移動を開始する場合について説明する。左側モータ61(
図3参照)および右側モータ220(
図3参照)は、同時に回転駆動を開始する。この場合の左側モータ61および右側モータ220の回転方向を正転方向とする。
【0053】
左側モータ61が回転駆動すると、ギア62、ギアプーリ63、およびプーリ64が回転し、ベルト部材65が走行する(
図3参照)。これにより、ベルト噛合部は下方へ移動し、可動部材110は第二案内軸72に沿って下方(矢印A方向)へ移動する。この場合、可動部材110の移動に伴い、転動部材91〜94は第二案内軸72に沿って転動しながら下方へ移動する。転動部材91〜94の動作の詳細は後述する。また、可動部材110と共に長穴113Aが下方へ移動するため、軸部材25と連結する連結部55(
図3参照)および左側板状部36Lは、第一案内軸51(
図3参照)に沿って下方へ移動する。つまり、下方へ移動する可動部材110は、軸部材25を介して左側板状部36Lを、第一案内軸51に沿って従動させる。これにより、左側移動機構100は左側板状部36Lを下方へ移動させる。
【0054】
一方、右側モータ220が回転駆動すると、タイミングベルト(図示外)が走行し、移動部材230は、第一ガイド軸221および第二ガイド軸222に沿って下方へ移動する(
図4参照)。移動部材230の移動に伴って、右側板状部36R(
図4参照)は下方へ移動する。これにより、右側移動機構200は右側板状部36Rを下方に移動させる。
【0055】
左側移動機構100が左側板状部36Lを下方へ移動させ、右側移動機構200が右側板状部36Rを下方へ移動させることで、装飾部材35は下方へ移動する。これにより、装飾部材35(
図3参照)は、板状部36(
図3参照)が左右方向に延びる状態を維持しつつ、下端位置まで移動する。
【0056】
次に、
図7を参照し、下端位置にある装飾部材35(
図3参照)が、上方へ移動を開始する場合について説明する。装飾部材35が上方へ移動する動作は、装飾部材35が下方へ移動する場合と同様であるので、以下、説明を簡略化して行う。左側モータ61(
図3参照)および右側モータ220(
図3参照)は、同時に逆転方向に回転駆動する。
【0057】
左側モータ61が逆転方向に回転駆動することで、ベルト噛合部は上方へ移動し、可動部材110は第二案内軸72に沿って上方(矢印D方向)に移動する。この場合、転動部材91〜94は第二案内軸72に沿って転動しながら上方へ移動する。転動部材91〜94の動作の詳細は後述する。上方へ移動する可動部材110は、軸部材25を介して左側板状部36Lを第一案内軸51に沿って従動させる。これにより、左側移動機構100(
図3参照)は左側板状部36Lを上方へ移動させる。
【0058】
一方、右側モータ220が逆転方向に回転駆動すると、ベルト部材(図示外)が走行し、移動部材230は、第一ガイド軸221および第二ガイド軸222に沿って、右側板状部36Rを上方へ移動させる(
図5参照)。これにより、右側移動機構200は右側板状部36Rを上方へ移動させる。
【0059】
以上の動作を繰り返すことで、演出装置30は、上端位置と下端位置との間で、装飾部材35を上下方向に往復移動させることができる。
【0060】
図6を参照し、可動部材110が下方へ移動する場合の転動部材91〜94の動作について詳しく説明する。可動部材110が下方(矢印A方向)へ移動を開始する場合、ベルト部材65(
図3参照)がベルト取付部114(
図4参照)を下方へ移動させる。そして、長穴113Aが軸部材25を介して左側板状部36Lを下方へ移動させる。ここで、ベルト取付部114が設けられる可動部材110の右側部が、長穴113Aが設けられる可動部材110の左側部よりも先行して下方へ移動しようとする。この結果、可動部材110には、軸部材25を中心に正面視で時計回り方向(矢印B方向)に可動部材110を揺動させようとする荷重が作用する。
【0061】
この場合であっても、斜向かいに対向する一組の転動部材である転動部材91,93が第二案内軸72に左右両側から当接しているので、可動部材110には、上記揺動を阻止する荷重が作用する。つまり、可動部材110には、軸部材25を中心に正面視で反時計回り方向(矢印C方向)に、可動部材110を揺動させようとする荷重が作用する。この結果、上記2つの荷重が互いに相殺し合い、可動部材110の軸部材25を中心とした揺動は、制限される。よって、第二案内軸72の左右両側にある第一板状部111および第二板状部112と、第二案内軸72との接触は防止される。尚、揺動を制限する場合に転動部材91〜94が第二案内軸72から受ける反力(荷重)は、主に転動部材91,93に適度に分散される。
【0062】
また、可動部材110の下方への移動に伴って、転動部材91〜94は第二案内軸72に沿って転動しながら下方へ移動する。従って、転動部材91〜94と第二案内軸72との間で発生する摩擦力は低減されるので、転動部材91〜94の外周面は摩耗しにくい。また、対称となる一組の転動部材である転動部材91,92および転動部材93,94は、左右両側から第二案内軸72を挟み、且つ第二案内軸72に沿って転動する。従って、可動部材110は安定して下方へ移動できる。
【0063】
図7を参照し、可動部材110が上方へ移動する場合の転動部材91〜94の動作について説明する。可動部材110が上方(矢印D方向)へ移動する場合、下方へ移動する場合と同様、可動部材110の右側部が左側部よりも先行して上方へ移動しようとする。可動部材110には、軸部材25を中心に正面視で反時計回り方向(矢印E方向)に可動部材110を揺動させようとする荷重が作用する。
【0064】
ここで、可動部材110は、軸部材25を介して、左右方向に長い装飾部材35(
図3参照)を上方へと移動させる。長穴113Aには、軸部材25を介して装飾部材35の自重に起因する荷重が加わる。従って、可動部材110の左側部は、下方へ移動する場合と比較して、上方へ移動しにくい。つまり、可動部材110の右側部は、下方へ移動する場合と比較して、左側部に先行して上方へさらに移動し易い。従って、上方へ移動する可動部材110は、下方へ移動する場合と比較して、より揺動し易い。
【0065】
この場合であっても、斜向かいに対向する一組の転動部材である転動部材92,94が第二案内軸72に左右両側から当接しているので、可動部材110には、上記揺動を阻止する荷重が作用する。つまり、可動部材110には、軸部材25を中心に正面視で時計回り方向(矢印F方向)に可動部材110を揺動させようとする荷重が作用する。上記2つの荷重は互いに相殺し合うので、可動部材110の軸部材25を中心とした揺動は制限される。よって、第一板状部111および第二板状部112と、第二案内軸72との接触は防止される。尚、揺動を制限する場合に転動部材91〜94が第二案内軸72から受ける反力(荷重)は、主に転動部材92,94に適度に分散される。
【0066】
また、可動部材110の上方への移動に伴って、転動部材91〜94は、第二案内軸72に沿って転動しながら上方へ移動する。従って、転動部材91〜94の外周面は摩耗しにくい。また、対称となる一組の転動部材である転動部材91,92および転動部材93,94によって、可動部材110は安定して上方へ移動できる。
【0067】
以上、説明したように、演出装置30が装飾部材35を上下方向に往復移動する場合、ベルト取付部114が設けられる可動部材110の右側部が、左側部よりも先行して移動方向へ移動しようとする。この結果、可動部材110は、軸部材25を中心として揺動しようとする。この場合であっても、第二案内軸72を左右両側から挟んで配置される転動部材91〜94が、可動部材110の揺動を制限する。可動部材110の第一板状部111および第二板状部112と、第二案内軸72との接触は防止される。よって、演出装置30は、可動部材110が繰り返し左側板状部36L(装飾部材35)を往復移動させる場合であっても、可動部材110の摩耗を抑制できる。
【0068】
また、斜向かいに対向する1組の転動部材である転動部材91,93は上下方向に離間しており、もう一方の斜向かいに対向する1組の転動部材である転動部材92,94も上下方向に離間している。従って、往復移動する可動部材110の揺動を制限する場合に、転動部材91〜94が第二案内軸72から受ける反力(荷重)は、適度に分散される。第二案内軸72から受ける荷重が、転動部材91〜94のいずれか1つに集中しないので、転動部材91〜94は可動部材110の揺動をより制限し易い。よって、演出装置30は、可動部材110の摩耗をさらに抑制できる。
【0069】
また、転動部材91〜94には、斜向かいに対向する1組の転動部材が2組含まれる。可動部材110が下方に移動する場合と上方に移動する場合とで、可動部材110の揺動を制限する、斜向かいに対向する1組の転動部材は異なる。従って、揺動を制限する転動部材91〜94が第二案内軸72から受ける反力(荷重)がさらに分散される。転動部材91〜94は可動部材110の揺動をより制限し易い。よって、演出装置30は、可動部材110の摩耗をさらに抑制できる。
【0070】
また、対称となる一組の転動部材である転動部材91,92および転動部材93,94は、左右両側から第二案内軸72を挟む。従って、可動部材110は、第二案内軸72に沿って安定して上下方向に往復移動できる。
【0071】
また、可動部材110が、左右方向に延びる装飾部材35を上方に移動させる場合、長穴113Aには装飾部材35の自重に起因する荷重が加わる。従って、上方に移動する可動部材110はさらに揺動し易い。この場合であっても、転動部材92,94が左右両側から第二案内軸72に当接するので、可動部材110は揺動が制限される。従って、演出装置30は、可動部材110の摩耗を抑制できる。
【0072】
なお、上記実施形態において、パチンコ機1が本発明の「遊技機」に相当し、第一案内軸51が本発明の「第一延設部材」に相当し、左側モータ61が本発明の「駆動源」に相当し、長穴113Aが本発明の「穴部」に相当し、第二案内軸72が本発明の「第二延設部材」に相当し、対称となる一組の転動部材が本発明の「対称となる位置で対向する一組の転動部材」に相当する。
【0073】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内での変更が可能である。上記実施形態では、演出装置30は、左右方向に長い装飾部材35を上下方向に往復移動させるが、これに限られない。例えば、本発明に係る演出装置は、上下方向に長い装飾部材を左右方向に往復移動させる場合にも適用可能である。この場合、第一案内軸、第二案内軸は左右方向に延びる。
【0074】
また、上記実施形態では、演出装置30は、連結部材31,32,33を介して装飾部材35を左右両側から支持するがこれに限られない。例えば、演出装置30は、連結部材31,32を介して装飾部材35を左側からのみ支持してもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、転動部材91〜94は、円筒状の回転体であるがこれに限られない。例えば、転動部材は、円柱状又は球体状であってもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、演出装置30は、転動部材91〜94の計4つの転動部材を備えるがこれに限られない。例えば、演出装置30は、第二案内軸72を挟んで2個以上備えるのであれば、転動部材をいくつ備えてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、可動部材110を上下方向に案内するのは第一案内軸51であるがこれに限られない。例えば、第一案内軸51に代えて、開口42Bの右縁部および左縁部から前方に向かって立設する一対の壁部であってもよい。この場合、転動部材91〜94は、一対の壁部の左右両側に配置される。
【0078】
また、上記例示した各要素に限らず、請求項、明細書および図面に記載される全ての要素は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、単一であっても複数であってもよく、適宜配置の変更が行われてもよい。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。更には、請求項、明細書および図面に記載される要素を各々別体で構成するか、適宜一体的に構成するか、或いはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、当業者であれば何れも容易に考えられる事項である。従って、その範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、実施例に記載がされていないからといって採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。