(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226475
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】コンクリート製造方法、及びコンクリート製造システム
(51)【国際特許分類】
B28C 5/42 20060101AFI20171030BHJP
B28C 7/06 20060101ALI20171030BHJP
B60P 3/16 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
B28C5/42
B28C7/06
B60P3/16 Z
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-161515(P2014-161515)
(22)【出願日】2014年8月7日
(65)【公開番号】特開2015-61752(P2015-61752A)
(43)【公開日】2015年4月2日
【審査請求日】2016年3月30日
(31)【優先権主張番号】特願2013-169761(P2013-169761)
(32)【優先日】2013年8月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501173461
【氏名又は名称】太平洋マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154405
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 大吾
(74)【代理人】
【識別番号】100079005
【弁理士】
【氏名又は名称】宇高 克己
(72)【発明者】
【氏名】中島 裕
(72)【発明者】
【氏名】立川 則久
【審査官】
小野 久子
(56)【参考文献】
【文献】
英国特許出願公告第01371645(GB,A)
【文献】
特許第4221387(JP,B2)
【文献】
実開昭52−142727(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28C 1/00−9/04
B60P 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体系コンクリート構成材料と、少なくともセメント及び骨材を有する非液体系コンクリート構成材料とが用いられてコンクリートが製造される方法であって、
前記コンクリート製造には、
規定量の前記非液体系コンクリート構成材料が、構成材料種別に分離されて、収納された収納容器と、
ミキサーと、前記収納容器内に存する非液体系コンクリート構成材料の投入口を上部に有すると共に内部に存する非液体系コンクリート構成材料か前記ミキサーの投入口部からミキサー内に投入される排出口を下部に有し更に前記排出口の開閉扉を有するホッパーと、前記上部投入口が上方側かつ前記下部排出口が下方側に在る姿勢を保って前記ホッパーを前記ミキサーの前記非液体系コンクリート構成材料の投入口部まで搬送する搬送アームと、前記液体系コンクリート構成材料を計量する計量器で計量された液体系コンクリート構成材料を前記ミキサー内に輸送する輸送機構とを具備した自走式移動車
とが用いられ、
前記ホッパー上に前記収納容器が持ち上げられ、前記収納容器の閉鎖部が開かれ、前記収納容器内の規定量の前記非液体系コンクリート構成材料が接地位置に在る前記ホッパーの前記投入口上方からホッパー内に投入されるホッパー内投入工程と、
前記ホッパー内投入工程の後、前記自走式移動車の前記搬送アームによって、前記ホッパーが、前記上部投入口が上方側かつ前記下部排出口が下方側に在る姿勢を保って、前記ミキサーの投入口部まで、搬送される搬送工程と、
前記搬送工程の後、前記ホッパー内の前記非液体系コンクリート構成材料が前記下部排出口の開閉扉が開かれて前記下部排出口から前記自走式移動車の前記ミキサー内に投入される非液体系コンクリート構成材料ミキサー内投入工程と、
前記計量器で計量された液体系コンクリート構成材料が前記自走式移動車の前記ミキサー内に投入される液体系コンクリート構成材料ミキサー内投入工程と、
前記ミキサーが動作し、コンクリートが製造されるコンクリート製造工程
とを具備するコンクリート製造方法。
【請求項2】
前記液体系コンクリート構成材料及び前記非液体系コンクリート構成材料の少なくとも一方は混和材(及び/又は混和剤)を有する
請求項1のコンクリート製造方法。
【請求項3】
前記ホッパー上に前記収納容器を移動するに際して用いられる吊具が設けられてなり、
前記ホッパー上に吊り上げられた前記収納容器は、その底部側に設けられた閉鎖部が開かれることによって、前記収納容器内の前記非液体系コンクリート構成材料が、構成種別毎に、順に、又は同時に、下方に、排出されるよう構成されてなる
請求項1又は請求項2のコンクリート製造方法。
【請求項4】
液体系コンクリート構成材料と、少なくともセメント及び骨材を含む非液体系コンクリート構成材料とが用いられてコンクリートが製造されるシステムであって、
前記システムは、収納容器と、自走式移動車とを具備してなり、
前記収納容器は、
規定量の前記非液体系コンクリート構成材料が、構成材料種別に分離されて、収納される容器であり、
前記自走式移動車は、
ミキサーと、
前記収納容器内に存する非液体系コンクリート構成材料の投入口を上部に有すると共に、内部に存する非液体系コンクリート構成材料か前記ミキサーの投入口部からミキサー内に投入される排出口を下部に有し、更に前記排出口の開閉扉を有し、かつ、前記上部投入口が上方側かつ前記下部排出口が下方側に在る姿勢を保って接地可能なホッパーと、
前記上部投入口が上方側かつ前記下部排出口が下方側に在る姿勢を保って、前記ホッパーを前記ミキサーの前記非液体系コンクリート構成材料の投入口部まで搬送する搬送アームと、
前記液体系コンクリート構成材料を計量する計量器と、
前記計量器で計量された液体系コンクリート構成材料を前記ミキサー内に輸送する輸送機構
とを具備するコンクリート製造システム。
【請求項5】
前記液体系コンクリート構成材料及び前記非液体系コンクリート構成材料の少なくとも一方は混和材(及び/又は混和剤)を有する
請求項4のコンクリート製造システム。
【請求項6】
前記収納容器は、その底部側に設けられた閉鎖部が開かれることによって、前記収納容器内の前記非液体系コンクリート構成材料が、構成種別毎に、順に、又は同時に、下方に、排出されるよう構成されてなる
請求項4又は請求項5のコンクリート製造システム。
【請求項7】
請求項1〜請求項3いずれかのコンクリート製造方法に用いられる請求項4〜請求項6いずれかのコンクリート製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンクリート製造技術に関する。特に、施工現場が生コン工場からの遠隔地や作業空間に制約がある場所におけるコンクリート製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
建築工事・土木工事等で用いられる生コンクリート(フレッシュコンクリート)は、一般的には、既設生コン工場にて、原料配合から注水・混練まで行って製造される。しかしながら、施工現場が生コン工場より離れた遠隔地に存在する場合、生コン工場から現場までのコンクリートミキサー車による長距離運搬の間に、フレッシュコンクリートは性状変化(劣化)の恐れが有る。すなわち、輸送時間によって、コンクリートの品質の安定性が損なわれる。特に、高温環境下では、品質低下の恐れは高い。コンクリート(モルタル)が、例えば早強コンクリート、速硬コンクリート、高強度コンクリート、軽量コンクリート、繊維補強コンクリート、水中不分離性コンクリート、ポリマーセメントモルタル、無収縮グラウト材等の特殊コンクリート・特殊モルタルでは、品質の経時変化が特に大きい。
【0003】
前記問題点を解決する為、「上部に開口部が形成され、底面中央部に排出口が形成されたコンクリート骨材収納袋と、このコンクリート骨材収納袋の排出口を開閉することができる開閉手段と、前記コンクリート骨材収納袋の排出口を下部に位置させた状態で吊り上げられるように、該コンクリート骨材収納袋に取付けられた吊りロープと、前記コンクリート骨材収納袋に収納された所定量のコンクリート骨材と、このコンクリート骨材が収納された前記コンクリート骨材収納袋内に開放された下部が折り曲げや重ね合わせで閉じられたセメント収納袋と、このセメント収納袋内に収納された所定量のセメントと、前記セメント収納袋の上部に取付けられた、使用時に前記吊りロープとほぼ同時に吊り上げられるように取付けられたセメント収納袋吊りロープとからなることを特徴とするコンクリート原料。」「上部に開口部が形成され、底面中央部に排出口が形成されたコンクリート骨材収納袋と、このコンクリート骨材収納袋の排出口を開閉することができる開閉手段と、前記コンクリート骨材収納袋の排出口を下部に位置させた状態で吊り上げられるように、該コンクリート骨材収納袋に取付けられた吊りロープと、前記コンクリート骨材収納袋内に所定量のコンクリート骨材が収納されたコンクリート骨材の上部に開放された下部が折り曲げや重ね合わせで閉じられた所定量のセメントが収納されるセメント収納袋と、このセメント収納袋の上部に取付けられた、使用時に前記吊りロープとほぼ同時に吊り上げられるように取付けられたセメント収納袋吊りロープとからなるコンクリート原料の輸送袋。」が提案(特許第4221387号)されている。
【0004】
「上部にロープで閉じることができる開口部が形成され、底面中央部に折りたたみ可能な小径の排出筒が形成されたコンクリート骨材を収納するコンテナーバック本体と、このコンテナーバック本体を前記排出筒を下部に位置させた状態で吊り上げられるように、該コンテナーバック本体に取付けられた吊り下げロープと、前記コンテナーバック本体の底面に前記排出筒を閉じるように折り曲げた状態で覆うカバー片と、このカバー片を覆うように前記コンテナーバック本体の排出筒の周囲に設けられた複数個の開閉カバーと、この複数個の開閉カバーの先端部にリング状でスライド移動可能に取付けられた、前記コンテナーバック本体の上部位置に係止できる開閉ロープと、この開閉ロープにスライド移動可能に取付けられた前記複数個の開閉カバーを開閉状態に位置させることができ、開閉カバーを閉状態したときに、その後端部がコンテナーバック本体側面の外周部に位置できる長さを有し、かつ、開閉ロープが外方へ突出するように案内できる開閉ロープ案内孔が形成された可撓性のロック筒とで構成され、前記可撓性のロック筒自体の弾性力で前記開閉ロープのスライド移動を阻止することを特徴とするコンテナーバック。」「上部にロープで閉じることができる開口部が形成され、底面中央部に折りたたみ可能な小径の排出筒が形成されたコンクリート骨材を収納するコンテナーバック本体と、このコンテナーバック本体を前記排出筒を下部に位置させた状態で吊り上げられるように、該コンテナーバック本体に取付けられた吊り下げロープと、前記コンテナーバック本体の底面に前記排出筒を閉じるように折り曲げた状態で覆うカバー片と、このカバー片を覆うように前記コンテナーバック本体の排出筒の周囲に設けられた複数個の開閉カバーと、この複数個の開閉カバーの先端部にリング状でスライド移動可能に取付けられた、前記コンテナーバック本体の上部位置に係止できる開閉ロープと、この開閉ロープにスライド移動可能に取付けられた前記複数個の開閉カバーを開閉状態に位置させることができ、開閉カバーを閉状態したときに、その後端部がコンテナーバック本体側面の外周部に位置できる長さを有し、かつ、開閉ロープが外方へ突出するように案内できる開閉ロープ案内孔が形成された可撓性のロック筒と、前記ロック筒が位置する部位と反対側の前記複数個の開閉カバーの先端部に取付けられた開閉ロープ部位に取付けられた前記コンテナーバック本体の外側部位より複数個の開閉カバーが開放する方向に引張ることができる開放ロープとで構成され、前記可撓性のロック筒自体の弾性力で前記開閉ロープのスライド移動を阻止することを特徴とするコンテナーバック。」が提案(特許第5188750号)されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4221387号
【特許文献2】特許第5188750号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記提案の技術では、袋内のコンクリート原料をミキサー内に投入する為、前記袋がミキサー投入口よりも高い位置に持ち上げられる必要が有る。すなわち、前記コンクリート原料が収納された袋が、クレーン車あるいはユニック車のクレーンで、高く、持ち上げられている。しかし、クレーン車やユニック車による前記作業は、その作業空間が広く、かつ、高いことが必要である。しかし、トンネル内であるとか、その他の地理的条件から、コンクリート打設作業の為の空間に、大きな制約が有る場合も、縷々、多い。更には、クレーンで前記袋が高く持ち上げられた場合、強風環境下では、安全性の問題が有る。
【0007】
従って、本発明が解決しようとする課題は、前記問題点を解決することである。例えば、トンネル内の如く作業空間に余裕が無い場所、或いは強風環境下でも、コンクリートの製造が可能な技術を提供することである。施工現場が生コン工場から離れた遠隔地であっても、又は高温環境下であっても、安定した品質のコンクリートの製造が可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
液体系コンクリート構成材料と、少なくともセメント及び骨材を有する非液体系コンクリート構成材料とが用いられてコンクリートが製造される方法であって、
前記コンクリート製造には、
規定量の前記非液体系コンクリート構成材料が、構成材料種別に分離されて、収納された収納容器と、
ホッパーと、ミキサーと、前記ホッパーを前記ミキサーの前記非液体系コンクリート構成材料の投入口部まで搬送する搬送アームと、前記液体系コンクリート構成材料を計量する計量器で計量された液体系コンクリート構成材料を前記ミキサー内に輸送する輸送機構とを具備した自走式移動車
とが用いられ、
前記ホッパー上に前記収納容器が持ち上げられ、前記収納容器の閉鎖部が開かれ、前記収納容器内の規定量の前記非液体系コンクリート構成材料が前記ホッパー内に投入されるホッパー内投入工程と、
前記ホッパー内投入工程の後、前記自走式移動車の前記搬送アームによって、前記ホッパーが、前記ミキサーの投入口部まで、搬送される搬送工程と、
前記搬送工程の後、前記ホッパー内の前記非液体系コンクリート構成材料が前記自走式移動車の前記ミキサー内に投入される非液体系コンクリート構成材料ミキサー内投入工程と、
前記計量器で計量された液体系コンクリート構成材料が前記自走式移動車の前記ミキサー内に投入される液体系コンクリート構成材料ミキサー内投入工程と、
前記ミキサーが動作し、コンクリートが製造されるコンクリート製造工程
とを具備することを特徴とするコンクリート製造方法を提案する。
【0009】
本発明は、前記コンクリート製造方法であって、前記非液体系コンクリート構成材料には更に非液体系の混和剤(及び/又は混和材)が用いられることを特徴とするコンクリート製造方法を提案する。
本発明は、前記コンクリート製造方法であって、前記液体系コンクリート構成材料には液体系の混和剤(及び/又は混和材)が用いられることを特徴とするコンクリート製造方法を提案する。
【0010】
本発明は、
前記コンクリート製造方法であって、
前記ホッパー上に前記収納容器を移動するに際して用いられる吊具が設けられてなり、
前記ホッパー上に吊り上げられた前記収納容器は、その底部側に設けられた閉鎖部が開かれることによって、前記収納容器内の前記非液体系コンクリート構成材料が、構成種別毎に、順に、又は同時に、下方に、排出されるよう構成されてなる
ことを特徴とするコンクリート製造方法を提案する。
【0011】
本発明は、
液体系コンクリート構成材料と、少なくともセメント及び骨材を含む非液体系コンクリート構成材料とが用いられてコンクリートが製造されるシステムであって、
前記システムは、収納容器と、自走式移動車とを具備してなり、
前記収納容器は、
規定量の前記非液体系コンクリート構成材料が、構成材料種別に分離されて、収納される容器であり、
前記自走式移動車は、
ホッパーと、
ミキサーと、
前記ホッパーを前記ミキサーの前記非液体系コンクリート構成材料の投入口部まで搬送する搬送アームと、
前記液体系コンクリート構成材料を計量する計量器と、
前記計量器で計量された液体系コンクリート構成材料を前記ミキサー内に輸送する輸送機構
とを具備する
ことを特徴とするコンクリート製造システムを提案する。
【0012】
本発明は、前記コンクリート製造システムであって、前記非液体系コンクリート構成材料には更に非液体系の混和剤(及び/又は混和材)が用いられることを特徴とするコンクリート製造システムを提案する。
本発明は、前記コンクリート製造システムであって、前記液体系コンクリート構成材料には液体系の混和剤(及び/又は混和材)が用いられることを特徴とするコンクリート製造システムを提案する。
【0013】
本発明は、
前記コンクリート製造システムであって、
前記収納容器は、その底部側に設けられた閉鎖部が開かれることによって、前記収納容器内の前記非液体系コンクリート構成材料が、構成種別毎に、順に、又は同時に、下方に、排出されるよう構成されてなる
ことを特徴とするコンクリート製造システムを提案する。
【0014】
本発明は、前記コンクリート製造方法に用いられる前記コンクリート製造システムを提案する。
【発明の効果】
【0015】
施工現場が生コン工場から離れた遠隔地であっても、或いは高温環境下であっても、安定した品質のコンクリートを提供できる。
【0016】
トンネル内の如く作業空間に余裕が無い場所、或いは強風環境下でも、安定した品質のコンクリートを、安全に、提供できる。
【0017】
施工規模、例えば小規模現場に合わせた量のコンクリートを、無駄なく、簡単に、提供できる。
【0018】
クレーン車やユニック車と言った大型重機を必要としないで、コンクリートを提供できる。
【0019】
少人数での作業が可能であり、省力化に寄与する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1の発明はコンクリート製造方法である。以下、その実施形態が説明される。前記方法は、液体系コンクリート構成材料と非液体系コンクリート構成材料とが用いられてコンクリートが製造される方法である。前記液体系コンクリート構成材料は、例えば水である。必要に応じて、その他の液体材料が使用される。例えば、液体系の混和剤(及び/又は混和材)である。前記非液体系コンクリート構成材料は、例えば骨材およびセメントである。必要に応じて、その他の非液体材料が使用される。例えば、非液体系の混和剤(及び/又は混和材)である。前記コンクリート製造には、収納容器と、自走式移動車とが用いられる。前記収納容器は、規定量の前記非液体系コンクリート構成材料が、構成材料種別に分離されて、収納される容器である。前記自走式移動車はホッパーを具備する。前記自走式移動車はミキサーを具備する。前記自走式移動車は搬送アームを具備する。前記搬送アームは、例えば地上に置かれた(接地状態の)前記ホッパーを前記ミキサーの前記非液体系コンクリート構成材料の投入口部まで搬送するアームである。前記自走式移動車は輸送機構を具備する。前記輸送機構は、前記液体系コンクリート構成材料を計量する計量器で計量された液体系コンクリート構成材料を、前記ミキサー内に輸送する機構である。前記方法はホッパー内投入工程を具備する。前記ホッパー内投入工程は、例えば前記地上に置かれたホッパー上に前記収納容器が持ち上げられ、前記収納容器の閉鎖部が開かれ、前記収納容器内の規定量の前記非液体系コンクリート構成材料が前記ホッパー内に投入される工程である。前記方法は搬送工程を具備する。前記搬送工程は、前記ホッパー内投入工程の後、前記自走式移動車の前記搬送アームによって、地上に置かれた前記ホッパーが、前記ミキサーの投入口部まで、搬送される工程である。前記方法は非液体系コンクリート構成材料ミキサー内投入工程を具備する。前記非液体系コンクリート構成材料ミキサー内投入工程は、前記搬送工程の後、前記ホッパー内の前記非液体系コンクリート構成材料が前記自走式移動車の前記ミキサー内に投入される工程である。前記方法は液体系コンクリート構成材料ミキサー内投入工程を具備する。前記液体系コンクリート構成材料ミキサー内投入工程は、計量器で計量された液体系コンクリート構成材料が前記自走式移動車の前記ミキサー内に投入される工程である。前記非液体系コンクリート構成材料ミキサー内投入工程と、前記液体系コンクリート構成材料ミキサー内投入工程とは、同時であっても、どちらが先であっても良い。例えば、非液体系コンクリート構成材料ミキサー内投入工程の後、液体系コンクリート構成材料ミキサー内投入工程が行われる。前記ミキサー内への投入後、前記ミキサーが動作し、コンクリートが製造される。
【0022】
前記収納容器は、好ましくは、吊具を具備する。前記吊具によって、前記収納容器は、例えば前記地上に置かれたホッパー上に、吊り上げられる。前記収納容器は、好ましくは、その底部側に開閉部を具備する。そして、前記ホッパー上に吊り上げられた前記収納容器は、その底部側に設けられた閉鎖部が開かれることによって、前記収納容器内の前記非液体系コンクリート構成材料が、構成種別毎に、順に、又は同時に、下方に、排出されるよう構成されている。
【0023】
第2の発明はコンクリート製造システムである。以下、その実施形態が説明される。前記システムは、液体系コンクリート構成材料と、非液体系コンクリート構成材料とが用いられてコンクリートが製造されるシステムである。前記液体系コンクリート構成材料は、例えば水である。必要に応じて、その他の液体材料が使用される。例えば、液体系の混和剤(及び/又は混和材)である。前記非液体系コンクリート構成材料は、例えば骨材およびセメントである。必要に応じて、その他の非液体材料が使用される。例えば、非液体系の混和剤(及び/又は混和材)である。前記システムは、好ましくは、例えば前記コンクリート製造方法に用いられるシステムである。前記システムは、収納容器と、自走式移動車とを具備する。前記収納容器は、規定量の前記非液体系コンクリート構成材料が、構成材料種別に分離されて、収納される容器である。前記自走式移動車はホッパーを具備する。前記自走式移動車はミキサーを具備する。前記自走式移動車は搬送アームを具備する。前記搬送アームは、例えば地上に置かれた(接地状態の)前記ホッパーを前記ミキサーの前記非液体系コンクリート構成材料の投入口部まで搬送するアームである。前記自走式移動車は計量器を具備する。前記計量器は前記液体系コンクリート構成材料を計量する。前記自走式移動車は輸送機構を具備する。前記輸送機構は、前記計量器で計量された液体系コンクリート構成材料を前記ミキサー内に輸送する機構である。
【0024】
前記収納容器は、好ましくは、吊具を具備する。前記吊具によって、前記収納容器は、例えば前記地上に置かれたホッパー上に、吊り上げられる。前記収納容器は、好ましくは、その底部側に開閉部を具備する。そして、前記ホッパー上に吊り上げられた前記収納容器は、その底部側に設けられた閉鎖部が開かれることによって、前記収納容器内の前記非液体系コンクリート構成材料が、構成種別毎に、順に、又は同時に、下方に、排出されるよう構成されている。
【0026】
前記収納容器は、例えば袋(梱包袋)である。前記袋は、構成材料種別に分離収納できる収納機構を有する。全ての収納物が落下排出される排出機構を具備する。前記袋内に、予め計量された非液体系コンクリート構成材料が入れられる。特に、骨材と、セメントとが、分離して、入れられる。その他の非液体系コンクリート構成材料が入れられる場合、必要に応じて、これ等も分離して、入れられる。本発明では、骨材に付着(含有)される水分によるセメントに対する悪影響を防止する為、セメントと骨材とが分離収納される。セメントに悪影響を与えない非液体系コンクリート構成材料が用いられる場合、この非液体系コンクリート構成材料はセメントと共に入れられても良い。影響を与えるか否かが不明な場合、出来るだけ、分離収納されることが好ましい。骨材が前記袋内に分離収納されていると、前記骨材の含有(付着)水分は消失(乾燥)し難い。従って、前記骨材の品質低下防止にも役立つ。セメントが前記袋内に分離収納されていると、前記セメントと空気中の水分(湿気)との結合が起き難い。従って、前記セメントの品質低下防止にも役立つ。このように、非液体系コンクリート構成材料の各成分が前記袋内に分離・収納されていることによって、前記成分の品質低下が防止される。
【0027】
前記収納容器(袋:梱包袋)は、例えば次の構造を持つ。前記袋(外袋)は、下側が、例えば紐で縛られている。従って、前記紐が解かれると、前記袋(外袋)内の物質(例えば、骨材)は、下方に、落下する。前記袋(外袋)の下方側の閉鎖手段は、前記紐に限られない。適宜な手法が採用される。前記袋(外袋)は、その内部に、内袋を持つ。前記内袋は、前記外袋に、連結されている。従って、前記紐が解かれ、前記外袋内の物質が落下しても、前記内袋自体は落下しない。勿論、内袋内の物質の落下は妨げられない。前記内袋は、前記外袋の上部に、存在する。規定量(計量された規定量)の骨材が、前記外袋の内部(特に、下方側の内部)に、収納される。前記外袋内に収納された骨材の上部に、前記内袋は接して置かれている。前記内袋内に、例えばセメントが収納されている。前記内袋は下方側が開口状である。紐で縛られているにしても、多少の力が作用すると、この紐は簡単に解ける。従って、解けた開口から、内部の物質(例えば、セメント)は、落下する。前記下方側開口は二つに折られたりしている。従って、紐で縛られてなくても、前記骨材上に前記内袋が置かれている場合、前記内袋内の物質(例えば、セメント)と前記内袋外の物質(例えば、骨材)とは、分離・遮断されている。従って、前記内袋外の骨材含有(付着)水分が前記内袋内のセメントに悪影響を及ぼし難い。前記外袋の下方部を縛っている紐が解かれた場合、先ず、外袋内の下方部に存する骨材が落下する。多少の時間を置いて、内袋内のセメントが落下し始める。上記においては、内袋にセメントが収納された例である。しかし、外袋内の下方部にセメントが収納され、内袋内に骨材が収納されていても良い。この場合には、セメントの落下に次いで、骨材の落下が始まる。
【0028】
上記においては、内袋は一つの例であった。しかし、内袋は二つ以上であっても良い。非液体系コンクリート構成材料の成分数に応じて、内袋が設けられる。内袋がN(Nは2以上の整数)個の場合、第(N−1)の内袋の中に、第Nの内袋が存在する構造が考えられる。或いは、N個の内袋が、前記外袋の中に、同等に、存する場合が考えられる。何れの形態であっても良い。
【0029】
上記においては、外袋内に内袋が存する二重構造形態の袋であった。しかし、袋内部に仕切部材が設けられている形態でも良い。この場合、袋下方部を縛っている紐が解かれると、全ての収納物が、一度に、落下する。例えば、セメントと骨材とは、同時に、落下する。同時落下の場合、順に落下する場合よりも、セメントと骨材との混合効率が高いとも言える。
【0030】
前記収納容器(袋:梱包袋)は、前記特許文献1,2に開示の要素を持っていても良い。
【0031】
前記自走式移動車は、ホッパーと、ミキサーと、搬送アームと、計量器と、輸送機構とを具備する。従来のコンクリートアジテーター車は、前記ホッパー及び前記搬送アームを、少なくとも、具備していない。
【0032】
ホッパー上に搬送(吊り上げられた)された前記袋の下方部が開かれると、前記袋内の非液体系コンクリート構成材料が落下する。この落下して来た非液体系コンクリート構成材料を前記ホッパーは受け取る。前記ホッパーは地面に接地している。前記袋を持ち上げる高さは低い。従って、非液体系コンクリート構成材料をホッパー内に供給する作業性は良い。
【0033】
地上載置(接地)状態のホッパー内に、非液体系コンクリート構成材料が入れられた後、前記搬送アームが作動する。すなわち、搬送アームは、前記ホッパーを、接地位置から、前記ミキサー位置まで、搬送する。これによって、ホッパー内の非液体系コンクリート構成材料は、ミキサー内に投入可能となる。この後、ホッパーの蓋(開閉板)が開かれ、ホッパー内の非液体系コンクリート構成材料が、ミキサー投入口から、ミキサー内に投入される。
【0034】
ところで、前記投入セメント量に対して所定の水セメント比の水が前記計量器で計量される。この計量された水は、ポンプの力で、輸送路を介して、前記ミキサー内に投入される。水以外の液体系コンクリート構成材料が用いられる場合、前記計量器で計量される。そして、この計量された液体は、ポンプの力で、輸送路を介して、前記ミキサー内に投入される。液体系コンクリート構成材料は、蒸発などが考えられるので、前記計量はミキサーによる混練作業直前であることが好ましい。
【0035】
本発明は、収納容器(袋)と自走式移動車とを用いる。前記自走式移動車は、これまで、提案されてなかったものである。前記自走式移動車の使用のみでも、ある程度の省力化は可能である。しかし、両者を併用した場合の省力化は著しい。例えば、セメントや骨材の計量精度が高い。かつ、現場でのセメントや骨材の計量に時間を要さない。更に、高品質なコンクリートが得られる。
【0036】
前記自走式移動車は、エンジン等の駆動装置を搭載した車輌構造が付与されたミキサである。被混合物の投入口と、混合物の排吐口とを有する。前記自走式移動車の混合機構は、コンクリート混練に適するものであれば如何なるものでも良い。好適な一例を示すと、ミキサー内壁に螺旋状の剪断羽根を具備し、ドラムの回転によってコンクリートの混練・排出を可能とする機構を有する。排出時は、混練時と逆回転し、投入口と同一箇所より排出可能とする機構を付帯していても良い。このような場合、ミキサーに排出の為の排出口や排出経路を、別途、設ける必要が無い。ミキサーの小型化や操作の簡便化が可能となる。省力化や比較的狭いスペースでの使用が可能になるので、好ましい。ミキサーに排出の為の排出口や排出経路を、別途、設ける必要が無いので、コンクリートの移動経路が短縮される。経路に付着するセメントペースト成分が減少する。そして、品質変動の抑制に繋がる。
【0037】
前記自走式移動車は、練り上がったコンクリートの荷下ろしや打設の為の設備を具備することが望ましい。該荷下ろし設備としては、任意のものを用いることが出来る。経路が短く、セメントペースト成分の付着による品質変動を抑制できる点で、シュートを具備することは望ましい。
【0038】
前記コンクートとは、広義のコンクリートであっても良い。少なくとも、骨材とセメントとを含む水硬性組成物が該当する。骨材サイズの違いにより、モルタルと称されているものも包含される。早強コンクリート、速硬コンクリート、高強度コンクリート、軽量コンクリート、繊維補強コンクリート、水中不分離性コンクリート、ポリマーセメントモルタル、無収縮グラウト材等の特殊コンクリート・特殊モルタルでは、効果が大きい。これらの特殊コンクリート・特殊モルタルでは、僅かな変動要因にも敏感に品質が変動すること、品質の経時変化が大きい場合が多いこと、通常より材料数も多く省力化が課題となっていること等が有り、これ等何れかのコンクリートの場合に、本発明は、特に、有効である。好ましくは、速硬性混和材(剤)、水中分離防止用混和材(剤)、膨張材(剤)、AE減水剤、高性能減水剤、収縮低減剤、ポリマーディスパージョン等が用いられる系の特殊コンクリート・特殊モルタルにおいては、本発明は、特に、有用である。
【0039】
本発明は、任意のコンクリートに適用できる。セメントとしては、早強、普通、低熱、中庸熱、耐硫酸塩等のポルトランドセメント、混合セメント等、任意のセメントが用いられる。骨材は、材質・形状・大きさ等の特徴は、特には、限定されない。例えば、川砂、川砂利、海砂、砕石、砕砂、再生骨材、軽量骨材、スラグ骨材など、適宜、用いられる。練り混ぜ時に使用される水も、特には、限定されない。例えば、水道水、河川水、地下水などの任意の水が、適宜、用いられる。コンクリートには、上記以外の混和剤成分や混和材成分が含有されても良い。このような成分として、増粘剤、分散剤、収縮低減剤、消泡剤、AE剤、膨張材、繊維、顔料、保水剤、ポゾラン反応性物質、高炉スラグ微粉末、珪石粉、石灰石微粉末、アルミナ粉末、速硬材、促進剤、遅延剤などが挙げられる。
【0040】
以下、具体的な実施例が挙げられる。但し、本発明は以下の実施例にのみ限定されない。本発明の特長が大きく損なわれない限り、各種の変形例や応用例も本発明に含まれる。
【0041】
下記の袋や自走移動式ミキサーが用いられた。
【0042】
[非液体系コンクリート構成材料の収納容器(袋:梱包袋):
図1参照]
前記袋は、骨材と、骨材以外の成分(セメント及びセメント混和材等)とが分離収納できる構造を持つ。例えば、外袋1内の上部に内袋2が設けられた構造である。外袋1の下方部は紐3で結ばれている。紐3が解かれると、外袋1の下方部は開口となる。従って、この開口から、外袋1内の物質は落下する。前記内袋2は下方部が開口である。但し、内袋2内に物質が入れられた状態では、内袋2の下方部は折り畳まれている。これによって、内袋2の下方部は閉鎖状態である。内部に、例えばセメント4が充填された内袋2は、外袋1の下方部に充填された物質(例えば、規定量の骨材)5の上に載置されている。更に、場合によっては、混和剤(材)も、前記セメントと一緒に同じ袋の中に入れられている。内袋2の下方部が二重に折り畳まれているのみでも、物質5が落下しない限り、内袋2の物質4も落下しない。これは、
図1からも自明である。袋内への前記物質の充填は次のようにして行われた。外袋1の下方部が紐3で結ばれた後、外袋1の上方開口から、先ず、規定量の物質(例えば、骨材)5が投入された。この後、内袋2が物質5上に配置された。この後、内袋2内に規定量の物質(例えば、セメント)4が投入された。更に、セメントと同じ内袋に非液体系の混和剤(材)が投入された。この後、紐6で、外袋及び内袋の上方部が、共に、結ばれた。外袋1には、リフト用の吊具7が設けられている。この吊具7にフック等が掛かって、前記袋が持ち上げられる。
【0043】
[自走移動式ミキサー車:
図2,3参照]
前記自走移動式ミキサー車は、ホッパー11と、ミキサー12と、搬送アーム13と、計量器(図示せず)と、ポンプ(図示せず)と、輸送路(図示せず)とを具備する。搬送アーム13はホッパー11を昇降作動する。ホッパー11内に非液体系コンクリート構成材料が投入される時にあっては、ホッパー11の最下端部は接地している(
図2参照)。尚、接地状態でなくても良い。前記搬送アーム13で、ホッパー11が、当初(初期)状態において、多少、持ち上げられていても良い。すなわち、搬送アーム13は未作動状態である。ホッパー11内に非液体系コンクリート構成材料が投入された後、搬送アーム13が作動する。搬送アーム13の作動により、ホッパー11はミキサー12位置に移動(上昇)する。ミキサー12位置への移動後、ホッパー11の開閉蓋が開かれる。これによって、ホッパー11内の非液体系コンクリート構成材料(セメント及び骨材、場合によっては、更に混和材(剤))は、ミキサー12内に投入される(
図3参照)。この後、前記計量器で必要な水量が計量される。この計量された水が、前記ポンプの力で、前記輸送路を介して、ミキサー12内に投入される。場合によっては、前記計量器で計量された液体系混和材(剤)が、ミキサー12内に投入される。この後、ミキサーが作動する。すなわち、内壁に存する螺旋状の剪断羽根によって、混練が行われる。これによって、コンクリートが製造される。コンクリート製造後、ミキサーからフレッシュコンクリートが排出される。コンクリート排出機構は、従来のミキサー車のコンクリート排出機構である。
【0044】
[コンクリート構成材料]
(1)セメント;普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)(C)
(2)細骨材;埼玉県小笠郡浜岡産陸砂(S)
(3)粗骨材;埼玉県秩父郡両神産砕石(G)
(4)水;水道水(W)
(5)混和剤
非液体系混和剤
Ad-1;速硬性混和材(太平洋マテリアル社製、商品名「Facet」
Ad-2;水中分離防止用混和材(太平洋マテリアル社製、商品名「太平洋エルコン」)
Ad-3;膨張材(太平洋マテリアル社製、商品名「ハイパーエクスパンK」)
液体系混和剤
Ad-4;リグニンスルホン酸系AE減水剤(BASFジャパン社製、商品名「マスターポゾリスNo.70」)
Ad-5;メラミンスルホン酸系高性能減水剤(太平洋マテリアル社製、商品名「LC-1000」)
Ad-6;ポリカルボン酸系AE減水剤(BASFジャパン社製、商品名「マスターポリヒード15S」)
Ad-7;収縮低減剤(花王社製、商品名「SR-1000」)
Ad-8;ポリマーディスパージョン(太平洋マテリアル社製、商品名「太平洋CX-B」)
配合割合は表−1の通りである。
【0045】
前記袋内に前記表−1の割合で前記非液体系コンクリート構成材料が充填された
図1に示される袋体が用意された。そして、
図2に示される自走移動式ミキサー車によって、フレッシュコンクリートが製造された。
【0046】
比較の為、既設生コンクリート工場において、実施例と同様な配合割合で下記特徴の生コンクートが製造された。
JIS A 5308に基づいた生コンクリート(30−12−20N)
・呼び強度;30N/mm
2(W/C=50.7%)
・目標スランプ;12cm
・目標空気量;4.5%
・工場からの運搬時間;約90分
【0047】
品質変動の確認の為、上記実施例で製造した生コンクリート(配合1,2)と既設生コンクリート工場にて製造した比較例生コンクリートとに関して、打設現場にて20回繰り返して行われ、スランプ値の変動係数が調べられた。この結果が表−2に示される。
表−2(品質変動)
製造システム 配合 変動係数(%)
本発明の製造システム 配合1 5.8
本発明の製造システム 配合2 4.2
本発明の製造システム 配合3 3.3
本発明の製造システム 配合4 2.2
本発明の製造システム 配合5 5.0
本発明の製造システム 配合6 6.1
本発明の製造システム 配合7 3.9
既設生コン工場製造 30-12-20N 17.5
【0048】
本実施例の生コンクリートは、何れも、既設生コンクリート工場にて製造したものよりも、変動係数が小さく、安定した品質が確保できている。
【0049】
更に、狭いスペースでの製造が想定された。すなわち、表−1に示した配合1〜7のコンクリートの製造が、天井の高さが約4mの倉庫内にて、行われた。その結果は全く問題ないものであった。狭い室内でコンクリートの製造が出来たと言うことは、トンネル内でのコンクリート製造が可能になる。更には、室内で製造されたならば、天候に左右されない生コンクリートの製造が可能になる。又、室内でのコンクリート製造時における粉塵発生が調べられた、その結果、問題となる粉塵発生は認められなかった。前記コンクリート製造は作業員1名で行われた。従って、省力化が図れた。このような特長は、従来の現場でのコンクリート製造には全くなかった特長である。
【符号の説明】
【0050】
1 外袋
2 内袋
3 紐
4 物質(セメント)
5 物質(骨材)
6 紐
7 吊具
11 ホッパー
12 ミキサー
13 搬送アーム