特許第6226492号(P6226492)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226492
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   A63F7/02 312Z
【請求項の数】1
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-38630(P2016-38630)
(22)【出願日】2016年3月1日
(62)【分割の表示】特願2014-83986(P2014-83986)の分割
【原出願日】2014年4月15日
(65)【公開番号】特開2016-104284(P2016-104284A)
(43)【公開日】2016年6月9日
【審査請求日】2016年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100188226
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 俊達
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】清原 賢二
【審査官】 河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−271280(JP,A)
【文献】 特開2008−086382(JP,A)
【文献】 特開2013−046680(JP,A)
【文献】 特開2012−231902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を1つずつ入球部に受け入れて、2つの出球部から交互に排出する振分部を複数備える流下役物を有した遊技機において、
前記流下役物には、
第1の前記振分部と、
前記第1の振分部の一方の出球部の下流に前記入球部を有する少なくとも1つの第2の前記振分部と、
少なくとも1つの前記第2の振分部を飛び越えて、前記第1の振分部の他方の出球部と、前記第2の振分部の一方の出球部との間を連絡するワープ連絡路とが備えられている遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球が入球可能な1つの役物球入口と、遊技球を排出可能な複数の役物球出口を有した振分役物を、遊技球が流下する遊技領域に備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の遊技機としては、振分役物に備えた球振分部材によって、役物球入口に入球した遊技球を、1対の役物球出口に交互に振り分けるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−34663号公報(段落[0048]、[0052]、第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述した従来の遊技機では、遊技球が2つの流下経路を交互に流下するだけの極めて単調な流下態様であった為、趣向性が乏しいという問題があった。これに対し、例えば、遊技球をランダムに振り分けるようにしたものは、上記課題を解決する上で有用であったが、機種の多様化に応えるため、上記課題を解決することが可能な新規な遊技機の開発が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、遊技の趣向性を向上させることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、遊技球を1つずつ入球部に受け入れて、2つの出球部から交互に排出する振分部を複数備える流下役物を有した遊技機において、前記流下役物には、第1の前記振分部と、前記第1の振分部の一方の出球部の下流に前記入球部を有する少なくとも1つの第2の前記振分部と、少なくとも1つの前記第2の振分部を飛び越えて、前記第1の振分部の他方の出球部と、前記第2の振分部の一方の出球部との間を連絡するワープ連絡路とが備えられている遊技機である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、振分役物に複数の振分部を備え、それら複数の振分部の全てを、1つの入球部と、2つの出球部と、入球部に進入した遊技球を2つの出球部へと交互に振り分け、第1の振分部の下流側に第2の振分部を連ねると共に、出球部同士を連絡したから、異なる流下経路で遊技球を流下させることができ、従来よりも変化に富んだ流下態様にすることができ、遊技の趣向性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図
図2】振分役物の正面図
図3】(A)第1及び第2の流下振分可動部材が共に第1傾動位置のときの遊技球の流下経路を示す図、(B)第1の流下振分可動部材が第2傾動位置でかつ第2の流下振分可動部材が第1傾動位置のときの遊技球の流下経路を示す図
図4】(A)第1の流下振分可動部材が第1傾動位置でかつ第2の流下振分可動部材が共に第2傾動位置のときの遊技球の流下経路を示す図、(B)第1及び第2の流下振分可動部材が共に第2傾動位置のときの遊技球の流下経路を示す図
図5】参考例(1)に係る振分役物の正面図
図6】(A)参考例(2)に係る振分役物の正面図、(B)他の実施形態(8)に係る振分役物の正面図
図7】(A)他の実施形態(9)に係る振分役物の正面図、(B)他の実施形態(10)に係る振分役物の正面図
図8】(A)他の実施形態(11)に係る振分役物の正面図、(B)参考例(3)に係る振分役物の正面図
図9】参考例(4)に係る振分役物の正面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の「遊技機」としてのパチンコ遊技機10に係る一実施形態を、図1図4に基づいて説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤11の前面に遊技球が流下可能な遊技領域R1を備え、その遊技領域R1をパチンコ遊技機10の前面から視認可能となっている。遊技領域R1には、液晶表示部12や複数の入賞部が配置されている。遊技領域R1の下方には、遊技球を貯留するための受皿20と、その受皿に貯留された遊技球を遊技領域R1に向けて打ち込むための発射ハンドル21とが備えられている。
【0018】
液晶表示部12は、遊技領域R1のやや上寄り位置に配置されており、遊技の当否判定結果や演出画像等を表示する。液晶表示部12の周囲は、遊技盤11の前面に突出した表示枠12Wで囲まれている。
【0019】
液晶表示部12の左右両側には風車13,13が備えられており、それら風車13,13の下方には、入賞ゲート14,14が備えられている。入賞ゲート14,14は、上下方向に貫通した門形構造をなしており、遊技球が通過可能となっている。
【0020】
液晶表示部12の真下であって、遊技領域R1のほぼ中央には、後述する振分役物40が設けられており、その振分役物40の左側方には、普通入賞部15が設けられている。普通入賞部15は、上面が常時開放したポケット構造をなしており、この普通入賞部15に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
【0021】
振分役物40の下方には、始動入賞部16が設けられており、振分役物40の右側方には、大入賞部18が設けられている。大入賞部18は、遊技盤11の前面に開放した横長開口部を備え、その横長開口部が、常には、横長の可動扉18Aにて閉鎖されて遊技球が進入不可能となっている。
【0022】
始動入賞部16は上面が開放したポケット構造をなすと共に、その開口縁の左右両側には1対の可動翼片16A,16Aが備えられている。これら可動翼片16A,16Aは、常には起立状態になっていて、始動入賞部16への遊技球の進入が禁止されている。
【0023】
入賞ゲート14を遊技球が通過すると当否判定が行われ、その当否判定結果を報知するための普通図柄(図示せず)が、液晶表示部12にて変動表示した後、停止表示する。その停止表示した普通図柄が、所定の当たり図柄であった場合には、可動翼片16A,16Aが左右に倒されて始動入賞部16が開放状態になり、可動翼片16A,16Aを案内にして、始動入賞部16に入球可能になる。
【0024】
また、始動入賞部16に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出されると共に当否判定が行われ、その当否判定結果を報知するための特別図柄(図示せず)が、液晶表示部12にて変動表示した後、停止表示する。その停止表示した特別図柄が、所定の当たり図柄であった場合には、大入賞部18の可動扉18Aが前側に倒されて、大入賞部18が開放状態になり、可動扉18Aを案内にして、大入賞部18に遊技球が入賞可能になる。大入賞部18に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。ここで、遊技領域R1の最下部にはアウト口17が設けられており、始動入賞部16や大入賞部18等に入賞しなかった遊技球は、全てこのアウト口17からパチンコ遊技機10の後側に回収される。
【0025】
さて、図2に示すように、振分役物40は、上方に常時開放した役物球入口30と、下方に常時開放した複数(本実施形態では2つ)の役物球出口31,32と、それら役物球入口30と複数の役物球出口31,32との間に配置された複数(本実施形態では2つ)の振分部41,42とを備えている。振分役物40の前面は透明な前壁(図示せず)によって塞がれており、その前壁を通して振分役物40内を流下する遊技球を視認することが可能となっている。また、役物球入口30及び役物球出口31,32は、遊技球がちょうど1つだけ通過可能な大きさとなっている。
【0026】
振分部41,42は、それぞれ1つの入球部と、2つの出球部と、入球部に進入した遊技球を2つの出球部へと交互に振り分ける流下振分可動部材とを有した強制振分構造となっている。
【0027】
詳細には、上流側に配置された振分部41(本発明の「第1の振分部」に相当する)における入球部は、役物球入口30となっており、その役物球入口30に進入した遊技球を、流下振分可動部材51によって2つの出球部41L,41Rへと交互に振り分けるように構成されている。下流側に配置された振分部42(本発明の「第2の振分部」に相当する)の入球部42Eは、振分部41の一方の出球部41Lのみに連なっている。そして、振分部42では、入球部42Eに進入した遊技球を、流下振分可動部材52によって2つの出球部42L,42Rへと交互に振り分けるように構成されている。
【0028】
以下、振分部41,42を区別する場合には、「第1段目の振分部41」及び「第2の振分部42」という。また、第1段目の振分部41に備えた1対の出球部41L,41Rを区別するために、以下、「左出球部41L」、「右出球部41R」といい、第2の振分部42に備えた1対の出球部42L,42Rを区別するために、以下、「左出球部42L」、「右出球部42R」という。
【0029】
図2に示すように、第1段目の振分部41に備えた右出球部41Rは、右斜め下方に延びてから鉛直下方に延び、さらに左斜め下方に延びている(本発明の「ワープ連絡路」に相当する)。その右出球部41Rと、第2の振分部42に備えた右出球部42Rとが合流している。なお、右出球部41Rは、本発明における「第1段目の振分部の他方の出球部」に相当し、右出球部42Rは、本発明における「第2の振分部の他方の出球部」に相当する。
【0030】
振分役物40の下端部には、1対の役物球出口31,32が横一列にして設けられている。第1の役物球出口31は、右出球部41R,42R同士の合流部44に連なっている。即ち、第1の役物球出口31は、第1の右出球部41R或いは第2の右出球部42Rを通過した遊技球を排出可能となっている。第2の役物球出口32は、第1の役物球出口31の左側方に配置されており、第2の振分部42に備えた左出球部42Lと連通している。即ち、第2の役物球出口32は、左出球部42Lを通過した遊技球だけを排出可能となっている。なお、第1と第2の役物球出口31,32を横一列ではなく、上下方向で互いにずらして配置してもよい。
【0031】
図1に示すように、第2の役物球出口32は、始動入賞部16の真上に配置されている。従って、始動入賞部16が開放状態のときに第2の役物球出口32から排出された遊技球は、ほぼ確実に始動入賞部16に入賞する。これに対し、第1の役物球出口31の下方には何ら入賞部は配置されておらず、第1の役物球出口31から排出された遊技球は、始動入賞部16の側方を素通りしてアウト口17に転入する。
【0032】
図2に示すように、各振分部41,42に備えられた流下振分可動部材51,52は、同一の羽根車構造をなしており、遊技盤11の前面に対して垂直な回動軸51J,52Jを中心にして、第1傾動位置(図2に示す状態)と第2傾動位置(図1に示す状態)との間で傾動可能となっている。
【0033】
詳細には、第1段目の振分部41に備えられた第1の流下振分可動部材51は、回動軸51Jから上方(振分部41の入球部。役物球入口30)に向かって延びた上方規制部51Aと、回動軸51Jから左出球部41L側に延びて上方規制部51Aとの間で左受容部51L(本発明の「第1の受容部」に相当する)を形成する左規制部51B(本発明の「第1規制部」に相当する)と、回動軸51Jから右出球部41R側に延びて、上方規制部51Aとの間で右受容部51R(本発明の「第2の受容部」に相当する)を形成する右規制部51C(本発明の「第2規制部」に相当する)とを備えている。左受容部51L及び右受容部51Rには、それぞれ遊技球が1つだけ受容可能となっている。そして、第1傾動位置では、上方規制部51Aが左出球部41L側に傾いて、右受容部51Rが役物球入口30と対向し、その右受容部51Rに遊技球を受け入れ可能となり、第2傾動位置では、上方規制部51Aが右出球部41R側に傾いて、左受容部51Lが役物球入口30と対向し、その左受容部51Lに遊技球を受け入れ可能となる。
【0034】
また、第1の流下振分可動部材51の真下には、左規制部51B及び右規制部51Cの回動領域内で水平に延びた壁状の傾動規制ストッパ35が設けられており、その傾動規制ストッパ35に、左規制部51B及び右規制部51Cの先端が当接することで、第1の流下振分可動部材51が、上記した第1傾動位置と第2傾動位置とに位置決めされる。
【0035】
第2の振分部42に備えられた第2の流下振分可動部材52は、回動軸52Jから上方(入球部42E)に向かって延びた上方規制部52Aと、回動軸52Jから左出球部42L側に延びて上方規制部52Aとの間で左受容部52L(本発明の「第1の受容部」に相当する)を形成する左規制部52B(本発明の「第1規制部」に相当する)と、回動軸52Jから右出球部42R側に延びて、上方規制部52Aとの間で右受容部52R(本発明の「第2の受容部」に相当する)を形成する右規制部52C(本発明の「第2規制部」に相当する)とを備えている。左受容部52L及び右受容部52Rは、それぞれ遊技球を1つだけ受容可能となっている。そして、第1傾動位置では、上方規制部52Aが左出球部42L側に傾いて、右受容部52Rが入球部42Eと対向し、その右受容部52Rに遊技球を受け入れ可能となり、第2傾動位置では、上方規制部52Aが右出球部42R側に傾いて左受容部52Lが入球部42Eと対向し、その左受容部52Lに遊技球を受け入れ可能となる。
【0036】
また、第2の流下振分可動部材52の真下には、左規制部52B及び右規制部52Cの回動領域内で水平に延びた壁状の傾動規制ストッパ36が設けられており、その傾動規制ストッパ36に、左規制部52B及び右規制部52Cの先端が当接することで、第2の流下振分可動部材52が、上記した第1傾動位置と第2傾動位置とに位置決めされる。
【0037】
流下振分可動部材51,52は、第1傾動位置で右受容部51R,52Rに受け入れた遊技球の自重によって第2傾動位置に向かって回動すると共に、その回動に伴って右受容部51R,52Rから右出球部41R,42Rに遊技球を排出する。同様に、第2傾動位置で左受容部51L,52Lに受け入れた遊技球の自重によって第1傾動位置に向かって回動すると共に、その回動に伴って左受容部51L,52Lから左出球部41L,42Lに遊技球を排出する。
【0038】
詳細には、図2に示すように、振分可動部材51,52の重心G1,G2は、上方規制部51A,52A上に配置されており、第1傾動位置で右受容部51R,52Rに受容された遊技球の重心G3が回動軸51J,52Jに対して流下振分可動部材51,52の重心G1,G2と反対側に位置することで、その遊技球の自重によって流下振分可動部材51,52が第2傾動位置へと傾動するように構成されている。これと同様に、第2傾動位置で左受容部51L,52Lに受容された遊技球の重心G3が回動軸51J,52Jに対して流下振分可動部材51,52の重心G1,G2と反対側に位置することで、その遊技球の自重によって流下振分可動部材51,52が第1傾動位置へと傾動するように構成されている。
【0039】
本実施形態の構成は以上であり、次に本実施形態の動作説明を行う。発射ハンドル21の操作によって遊技領域R1に打ち込まれた遊技球は、遊技領域R1に配置された障害釘(図示せず)や表示枠12W、風車13,13等に接触しながらランダムな経路で流下し、そのうちの一部の遊技球が、表示枠12Wの下方に回り込んで、役物球入口30から振分役物40内に進入する。
【0040】
例えば、図3(A)に示すように、第1及び第2の流下振分可動部材51,52が、共に第1傾動位置となっている状態で、役物球入口30に進入した1球目の遊技球は、第1段目の振分部41で右出球部41Rへと振り分けられ、合流部44を経て第1の役物球出口31から排出される。ここで、第1段目の振分部41を遊技球が通過するとき、第1の流下振分可動部材51における右受容部51Rに遊技球を受け入れると共に、右規制部51Cが遊技球の自重を受けて第1の流下振分可動部材51が回動軸51Jを中心にして時計回りに回動し、第1の流下振分可動部材51が第1傾動位置から第2傾動位置に切り替わる。即ち、図3(A)の左端図から中央図への変化に示すように、1球目の遊技球が第1段目の振分部41を通過した時点で、第1の流下振分可動部材51のみが第2傾動位置に切り替わる。なお、第1の役物球出口31から排出された遊技球は、始動入賞部16の側方を素通りしてアウト口17に転入する。
【0041】
次に役物球入口30に進入した2球目の遊技球は、図3(B)に示すように、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられて第2の振分部42に進入し、第2の振分部42で右出球部42Rに振り分けられて、合流部44を経て、第1の役物球出口31から排出される。ここで、第1段目の振分部41を遊技球が通過するときに、第1の流下振分可動部材51における左受容部51Lに遊技球を受け入れると共に、左規制部51Bが遊技球の自重を受けて第1の流下振分可動部材51が回動軸51Jを中心に反時計回りに回動し、第1の流下振分可動部材51が第2傾動位置から第1傾動位置に切り替わる。また、第2の振分部42を遊技球が通過するときに、第2の流下振分可動部材52における右受容部52Rに遊技球を受け入れると共に、右規制部52Cが遊技球の自重を受けて第2の流下振分可動部材52が回動軸52Jを中心に時計回りに回動し、第2の流下振分可動部材52が第1傾動位置から第2傾動位置に切り替わる。即ち、図3(B)の右端図に示すように、2球目の遊技球が第2の振分部42を通過した時点で、第1の流下振分可動部材51は第1傾動位置となり、第2の流下振分可動部材52は第2傾動位置となる。なお、2球目の遊技球も、第1の役物球出口31から排出されるため、始動入賞部16の側方を素通りしてアウト口17に転入する。
【0042】
次に役物球入口30に進入した3球目の遊技球は、図4(A)に示すように、第1段目の振分部41で第1の右出球部41Rに振り分けられ、合流部44を経て第1の役物球出口31から排出される。また、第1段目の振分部41を遊技球が通過するときに、その遊技球の自重で第1の流下振分可動部材51が第1傾動位置から第2傾動位置に切り替わる。即ち、図4(A)の中央図に示すように、3球目の遊技球が第1段目の振分部41を通過した時点で、第1及び第2の流下振分可動部材51,52は、共に第2傾動位置となる。なお、3球目の遊技球も第1の役物球出口31から排出されるため、始動入賞部16の側方を素通りしてアウト口17に転入する。
【0043】
次に役物球入口30に進入した4球目の遊技球は、図4(B)に示すように、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられて第2の振分部42に進入し、第2の振分部42で左出球部42Lに振り分けられて第2の役物球出口32から排出される。第2の役物球出口32から排出された遊技球は、始動入賞部16の真上から流下するので、第2の役物球出口32から遊技球が排出された時点で、始動入賞部16が開放状態(可動翼片16A,16Aが左右に倒された状態)であれば、ほぼ確実に始動入賞部16に入球する。
【0044】
a ここで、4球目の遊技球が第1段目の振分部41を通過するときに、遊技球の自重によって第1の流下振分可動部材51が第2傾動位置から第1傾動位置に切り替わり、第2の振分部42を遊技球が通過するときに、遊技球の自重によって第2の流下振分可動部材52が第2傾動位置から第1傾動位置に切り替わる。即ち、図4(B)の右端図に示すように、4球目の遊技球が第2の振分部42を通過した時点で、第1及び第2の流下振分可動部材51,52は、共に第1傾動位置となって、1球目の遊技球が入る前の元の状態に戻される。
【0045】
以下、第1段目の振分部41を遊技球が通過するたびに、第1の流下振分可動部材51が第1傾動位置と第2傾動位置とに交互に切り替わり、第2の振分部42を遊技球が通過するたびに、第2の流下振分可動部材52が第1傾動位置と第2傾動位置とに交互に切り替わって、上述した3種類の流下経路で第1又は第2の役物球出口31,32から遊技球が排出される。また、第1の役物球出口31からは、「4球中3球(3/4)の頻度で遊技球を排出させることができ、第2の役物球出口32からは、「4球中1球(1/4)」の頻度で遊技球を排出させることができる。
【0046】
このように、本実施形態によれば、第1段目の振分部41に備えた左出球部41L及び右出球部41Rと、左出球部41Lに連なった第2の振分部42と、その第2の振分部42に備えた左出球部42L及び右出球部42Rとを備え、第1段目の振分部41に遊技球が進入する度に、第1段目の振分部41に設けられた第1の流下振分可動部材51が、左出球部41Lと右出球部41Rとに交互に遊技球を振り分けると共に、第2の振分部42に遊技球が進入する度に、第2の振分部42に設けられた第2の流下振分可動部材52が、左出球部42Lと右出球部42Rとに交互に遊技球を振り分けるように構成されているから、3種類の異なる流下経路で遊技球を流下させることができる。しかも、同じ流下経路で連続して流下しないように、3種類の流下経路を一定の順番で毎回変えることができるので、遊技球の流下態様が変化に富んだものとなり、趣向性を向上することが可能になる。
【0047】
また、第1と第2の振分部41,42に備えた右出球部41R,42R同士が合流して、その合流部44に第1の役物球出口31が連なる一方、第2の振分部42に備えた左出球部42Lに、第2の役物球出口32が連なっているから、第1の役物球出口31からの遊技球の排出頻度と、第2の役物球出口32からの遊技球の排出頻度とを互いに異ならせることができ、更なる趣向性の向上を図ることができる。
【0048】
本実施形態の場合、第1の役物球出口31からは「4球中3球(3/4)」の頻度で遊技球が排出され、第2の役物球出口32からは「4球中1球(1/4)」の頻度で遊技球が排出される。より詳細には、第1の役物球出口31から3球連続して排出された後、第2の役物球出口32から1球排出されるという、一定の順番で第1と第2の球出口31,32から遊技球を排出させることができる。
【0049】
また、第1と第2の役物球出口31,32における個々の排出頻度は一定であるから、ランダムに遊技球を振り分けるものに比べて、遊技性に安定感を持たせることができる。具体的には、振分役物40を通過した遊技球は、一定の頻度で始動入賞部16の真上に位置する第2の役物球出口32から排出されるから、始動入賞部16に入賞させるチャンスが一定の頻度(本実施形態では「4球に1球」の頻度)で訪れるという安定感のある遊技性にすることができる。
【0050】
ここで、例えば、遊技球を検出するセンサを適切な位置に設けておき、センサの検出信号に基づいて流下振分可動部材51,52をモータ等の電気的駆動源によって第1傾動位置と第2傾動位置とに交互に切り替えるようにしても、上記した本実施形態と同等の作用効果を奏する。しかしながら、このような構成はコスト(部品コストやランニングコスト)がかかるという問題がある。また、複数の遊技球が間隔を空けずに連続して振分部41,42に進入した場合に、流下振分可動部材51,52の位置の切り替えが間に合わない虞がある。
【0051】
これに対し、本実施形態によれば、振分部41,42を通過した遊技球の自重でもって流下振分可動部材51,52を第1傾動位置と第2傾動位置とに切り替えることができるから、電気的駆動源やセンサが不要になり、コストを抑えることができる。また、振分部41,42を遊技球が通過するのと同時に、流下振分可動部材51,52の位置を切り替えることができるから、複数の遊技球が連続的に振分部41,42に進入した場合でも、流下振分可動部材51,52の位置の切り替えを間に合わせることができる。
【0052】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0053】
(1)上記実施形態では、流下振分可動部材51,52の左規制部51B,52B及び右規制部51C,52Cを傾動規制ストッパ35,36に当接させることで、流下振分可動部材51,52を第1傾動位置と第2傾動位置とに位置決めしていたが、磁力やバネの付勢力等を利用して位置決めするようにしてもよい。
【0054】
(2)上記実施形態では、振分役物40に備えた第2の役物球出口32を始動入賞部16の真上に配置していたが、振分役物40に備えた何れか1つの役物球出口(例えば、第2の役物球出口32)を、始動入賞部16以外の他の入賞部(普通入賞部15、大入賞部18)や入賞ゲート14の上方に配置してもよい。また、上記実施形態では、遊技球の排出頻度が比較的低い第2の役物球出口32を入賞部(始動入賞部16)の上方に配置していたが、遊技球の排出頻度が比較的高い第1の役物球出口31を、入賞部(始動入賞部16等)の真上に配置してもよい。なお、第1及び第2の役物球出口31,32の真下に入賞部を配置しなくてもよい。
【0055】
(3)上記実施形態では、流下振分可動部材51,52が、回動軸51J,52Jから放射状に上方規制部51A,52Aと左規制部51B,52Bと右規制部51C,52Cとが張り出した羽根車構造をなしていたが、これに限るものではなく、遊技球を受け入れる第1と第2の受容部とを備えて、それら受容部に受け入れた遊技球の自重によって、第1傾動位置と第2傾動位置との間で回動するものであれば、本実施形態以外の形状であってもよい。
【0056】
(4)上記実施形態では、振分役物40が表示枠12Wの下方に配置されていたが、振分役物40を表示枠12Wの内側或いは表示枠12Wの一部として備えていてもよい。また、例えば、表示枠12Wの内側に遊技球が転動可能なステージを設けた場合に、表示枠12Wの外側からステージに遊技球を誘導するための誘導路の入口と、振分役物40に備えた複数の役物球出口の何れか一つとを連通させてもよい。
【0057】
(5)上記実施形態では、始動入賞部16の上方に振分役物40が配置されていたが、振分役物40自体を、上述した「始動入賞部」として備えていてもよい。具体的には、例えば、役物球入口30の開口縁の左右両側に開閉可能な1対の可動翼片を設けると共に、第2の振分部42の左出球部42Lを通過した遊技球を検出するセンサを設けておき、そのセンサが遊技球を検出したことを条件にして当否判定が行われかつ、液晶表示部12で特別図柄の変動表示が行われる構成にしてもよい。
【0058】
(6)上記実施形態では、振分役物40を通過した遊技球が役物球出口から遊技領域R1上に排出されるように構成されていたが、複数の役物球出口のうち、特定の役物球出口(例えば、上記実施形態における第1の役物球出口31)から排出された遊技球は、遊技領域R1ではなく、そのまま遊技盤11の裏側に回収されるような構成にしてもよい。
【0059】
(7)上記実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機10を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、アレンジボール、スマートボール、ピンボール等、遊技球を使用する他の遊技機に本発明を適用してもよい。
【0060】
(8)また、図6(B)に示す振分役物40のように、第3の振分部43に備えた左出球部43Lを、第2の振分部42に備えた左出球部42Lに合流させて、その合流部46に第2の役物球出口32を連ねる一方、第3の振分部43に備えた右出球部43Rを第3の役物球出口33に連ねた構成としてもよい。この構成にした場合、遊技球は、以下のような流下経路で流下する。
【0061】
例えば、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53が全て第1傾動位置の状態で振分役物40に進入した遊技球を「1球目」とすると、1球目の遊技球は、第1段目の振分部41で右出球部41Rに振り分けられて第1の役物球出口31から排出される。2球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で右出球部42Rに振り分けられ、第3の振分部43で右出球部43Rに振り分けられて第3の役物球出口33から排出される。3球目の遊技球は、1球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。4球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で左出球部42Lに振り分けられて第2の役物球出口32から排出される。5球目の遊技球は、1,3球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。6球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で右出球部42Rに振り分けられ、第3の振分部43で左出球部43Lに振り分けられて第2の役物球出口32から排出される。7球目の遊技球は、1,3,5球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。8球目の遊技球は、4球目と同じ流下経路で第2の役物球出口32から排出される。そして、「8球目」の遊技球が排出された時点で、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53は全て第1傾動位置(1球目の遊技球が入る前の元の状態)に戻される。
【0062】
この構成では、4種類の流下経路を一定の順番で毎回変えながら遊技球を流下させることができ、遊技球の排出頻度は、第1〜第3の役物球出口31,32,33の順に、「1/2」,「3/8」、「1/8」となる。これら3つの役物球出口31,32,33のうち、何れか1つ(例えば、排出頻度が最も低い第3の役物球出口33)の下方に、遊技者に特典(賞球、当否判定抽選)を付与する入賞部を配置してもよい。
【0063】
(9)また、図7(A)に示すように、第3の振分部43に備えた右出球部43Rを、第1段目の振分部41に備えた右出球部41Rに合流させて、その合流部47に第1の役物球出口31を連ねる一方、左出球部43Lを第3の役物球出口33に連ねた構成としてもよい。この構成にした場合、遊技球は、以下のような流下経路で流下する。
【0064】
例えば、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53が全て第1傾動位置の状態で振分役物40に進入した遊技球を「1球目」とすると、1球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられて第1の役物球出口31から排出される。2球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で右出球部42Rに振り分けられ、第3の振分部43で右出球部43Rに振り分けられて第1の役物球出口31から排出される。3球目の遊技球は、1球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。4球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で左出球部42Lに振り分けられて第2の役物球出口32から排出される。5球目の遊技球は、1,3球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。6球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で右出球部42Rに振り分けられ、第3の振分部43で左出球部43Lに振り分けられて第3の役物球出口33から排出される。7球目の遊技球は、1,3,5球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。8球目の遊技球は、4球目と同じ流下経路で第2の役物球出口32から排出される。そして、「8球目」の遊技球が排出された時点で、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53は全て第1傾動位置(1球目の遊技球が入る前の元の状態)に戻される。
【0065】
この構成では、4種類の流下経路を一定の順番で毎回変えながら遊技球を流下させることができ、排出頻度は、第1〜第3の役物球出口31,32,33の順に、「5/8」、「1/4」、「1/8」となる。これら3つの役物球出口31,32,33のうち、何れか1つ(例えば、排出頻度が最も低い第3の役物球出口33)の下方に、遊技者に特典(賞球、当否判定抽選)を付与する入賞部を配置してもよい。
【0066】
(10)さらに、図7(B)に示すように、第3の振分部43に備えた左出球部43Lを、第2の振分部42に備えた左出球部42Lに合流させて、その合流部46に第2の役物球出口32を連ねる一方、右出球部43Rを、第1段目の振分部41に備えた右出球部41Rに合流させて、その合流部47に第1の役物球出口31を連ねた構成としてもよい。この構成にした場合、遊技球は、以下のような流下経路で流下する。
【0067】
例えば、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53が全て第1傾動位置の状態で振分役物40に進入した遊技球を「1球目」とすると、1球目の遊技球は、第1段目の振分部41で右出球部41Rに振り分けられて第1の役物球出口31から排出される。2球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で右出球部41Rに振り分けられ、第3の振分部43で右出球部43Rに振り分けられて第1の役物球出口31から排出される。3球目の遊技球は、1球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。4球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で左出球部42Lに振り分けられて第2の役物球出口32から排出される。5球目の遊技球は、1,3球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。6球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で右出球部42Rに振り分けられ、第3の振分部43で左出球部43Lに振り分けられて第2の役物球出口32から排出される。7球目の遊技球は、1,3,5球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。8球目の遊技球は、4球目と同じ流下経路で第2の役物球出口32から排出される。そして、「8球目」の遊技球が排出された時点で、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53は全て第1傾動位置(1球目の遊技球が入る前の元の状態)に戻される。
【0068】
この構成では、4種類の流下経路を一定の順番で毎回変えながら遊技球を流下させることができ、第1の役物球出口31からの排出頻度は「5/8」となり、第2の役物球出口32からの排出頻度は「3/8」となる。これら2つの役物球出口31,32のうち、何れか1つ(例えば、排出頻度が比較的低い第2の役物球出口32)の下方に、遊技者に特典(賞球、当否判定抽選)を付与する入賞部を配置してもよい。
【0069】
(11)図8(A)に示すように、上記実施形態における合流部44に第3の振分部43(入球部43E)を連ねて、その第3の振分部43に備えた右出球部43Rと左出球部43Lとに、第1の役物球出口31及び第3の役物球出口33を連ねた構成としてもよい。この構成にした場合、遊技球は、以下のような流下経路で流下する。
【0070】
例えば、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53が全て第1傾動位置の状態で振分役物40に進入した遊技球を「1球目」とすると、1球目の遊技球は、第1段目の振分部41で右出球部41Rに振り分けられ、合流部44を経て、第3の振分部43で右出球部43Rに振り分けられて第1の役物球出口31から排出される。2球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で右出球部42Rに振り分けられ、第3の振分部43で左出球部43Lに振り分けられて第3の役物球出口33から排出される。3球目の遊技球は、1球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。4球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で左出球部42Lに振り分けられて第2の役物球出口32から排出される。5球目の遊技球は、第1段目の振分部41で右出球部41Rに振り分けられ、合流部44を経て、第3の振分部43で左出球部43Lに振り分けられて第3の役物球出口33から排出される。6球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で右出球部42Rに振り分けられ、第3の振分部43で右出球部43Rに振り分けられて第1の役物球出口31から排出される。7球目の遊技球は、5球目と同じ流下経路で流下して第3の役物球出口33から排出される。8球目の遊技球は、4球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。そして、「8球目」の遊技球が排出された時点で、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53は全て第1傾動位置(1球目の遊技球が入る前の元の状態)に戻される。
【0071】
この構成では、5種類の流下経路を一定の順番で毎回変えながら遊技球を流下させることができ、排出頻度は、第1〜第3の役物球出口31,32,33の順に、「3/8」、「1/4」、「3/8」となる。なお、これら3つの役物球出口31,32,33のうち、何れか1つ(例えば、排出頻度が比較的低い第2の役物球出口32)の下方に、遊技者に特典(賞球、当否判定抽選)を付与する入賞部を配置してもよい。なお、図8(A)に示すように、第2の役物球出口32の位置と、第1及び第3の役物球出口31,33の位置とを上下方向でずらして配置してもよいし、これら3つの役物球出口31,32,32が、横一列に並ぶように、左出球部42Lを下方に延長してもよい。
【0072】
[参考例]
本発明の技術的範囲には属さないものの、本発明の課題を解決することが可能な参考例を以下に示す。
【0073】
(1)上記実施形態では、第1段目の振分部41の左出球部41L及び右出球部41Rに連なる下段側の振分部の数を異ならせかつ、2つの振分部41,42の出球部41R,42R同士が連絡した合流部44を備えた構成であったが、合流部を設けずに、第1段目の振分部41の2つの出球部41L,42Rに連なる下段側の振分部の数を異ならせただけの構成としても、上記実施形態と同等の効果を奏する。具体的には、図5に示す参考例では、右出球部41R,42R同士を合流させずに、右出球部41Rを第1の役物球出口31に連通させ、右出球部42Rを、第1と第2の役物球出口31,32の間に配置された第3の役物球出口33に連通している。この構成にした場合、遊技球は、以下のような流下経路で流下する。
【0074】
例えば、第1及び第2の流下振分可動部材51,52が共に第1傾動位置の状態で振分役物40に進入した遊技球を「1球目」とすると、1球目の遊技球は、第1段目の振分部41で右出球部41Rに振り分けられて、第1の役物球出口31から排出される。2球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で右出球部42Rに振り分けられて第3の役物球出口33から排出される。3球目の遊技球は、1球目の遊技球と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。4球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42でも左出球部42Lに振り分けられて第2の役物球出口32から排出される。そして、「4球目」の遊技球が排出された時点で、第1及び第2の流下振分可動部材51,52が共に第1傾動位置(1球目の遊技球が入る前の元の状態)に戻される。
【0075】
この構成では、3種類の流下経路を一定の順番で毎回変えながら遊技球を流下させることができる。また、第1〜第3の各役物球出口31,32,33からの遊技球の排出頻度は、順に「1/2」、「1/4」、「1/4」であって一律ではないから、更なる趣向性の向上を図ることができる。なお、これら3つの役物球出口31,32,33のうち、何れか1つ(例えば、排出頻度が比較的低い第2の役物球出口32又は第3の役物球出口33)の下方に、遊技者に特典(賞球、当否判定抽選)を付与する入賞部を配置してもよい。
【0076】
(2)上記第実施形態の振分役物40は、振分部を2つだけ(振分部41,42)備えていたが、以下のように、振分部を3つ以上備えた構成としても、上記実施形態と同等の効果を奏する。
【0077】
例えば、図6(A)に示す参考例では、振分部41,42の右出球部41R,42R同士を合流させずに、右出球部41Rに第1の役物球出口31を連ね、右出球部42Rに第3の振分部43(入球部43E)を連ねて、第3の振分部43に備えた左出球部43Lと右出球部43Rとに、それぞれ第3の役物球出口33と第4の役物球出口34を連ねた構成となっている。この構成にした場合、遊技球は、以下のような流下経路で流下する。
【0078】
例えば、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53が全て第1傾動位置の状態で振分役物40に進入した遊技球を「1球目」とすると、1球目の遊技球は、第1段目の振分部41で右出球部41Rに振り分けられて第1の役物球出口31から排出される。2球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で右出球部42Rに振り分けられ、第3の振分部43で右出球部43Rに振り分けられて第4の役物球出口34から排出される。3球目の遊技球は、1球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。4球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で左出球部42Lに振り分けられて第2の役物球出口32から排出される。5球目の遊技球は、1,3球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。6球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で右出球部42Rに振り分けられ、第3の振分部43で左出球部43Lに振り分けられて第3の役物球出口33から排出される。7球目の遊技球は、1,3,5球目と同じ流下経路で第1の役物球出口31から排出される。8球目の遊技球は、4球目と同じ流下経路で第2の役物球出口32から排出される。そして、「8球目」の遊技球が排出された時点で、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53は全て第1傾動位置(1球目の遊技球が入る前の元の状態)に戻される。
【0079】
この構成では、4種類の流下経路を一定の順番で毎回変えながら遊技球を流下させることができ、遊技球の排出頻度は、第1〜第4の役物球出口31〜34の順に、「1/2」、「1/4」、「1/8」、「1/8」となる。なお、これら4つの役物球出口31〜34のうち、何れか1つ(例えば、排出頻度が比較的低い第3の役物球出口33又は第4の役物球出口34)の下方に、遊技者に特典(賞球、当否判定抽選)を付与する入賞部を配置してもよい。なお、図6(A)に示すように、第1及び第2の役物球出口31,32の位置と、第3及び第4の役物球出口33,34の位置とを上下方向でずらして配置してもよいし、第1〜第4の役物球出口31〜34が横一列に並ぶにように、第1の右出球部41R及び第2の左出球部42Lを下方に延長してもよい。
【0080】
(3)上記実施形態では、第1段目の振分部41の左出球部41L及び右出球部41Rに連なる下段側の振分部42の数を異ならせかつ、振分部41,42の出球部41R,42R同士が連絡した合流部44を備えた構成であったが、第1段目の振分部41の左右の出球部41L,41Rに連なる下段側の振分部の数を同一としかつ合流部を備えた構成としても、上記実施形態と同等の効果を奏する。具体的には、図8(B)に示す参考例では、第1段目の振分部41に備えた左出球部41Lに第2の振分部42を連ねると共に、右出球部41Rに第3の振分部43を連ねて、その第3の振分部43に備えた左出球部43Lと、第2の振分部42に備えた右出球部42Rとを合流させ、その合流部45に第3の役物球出口33を連ね、第2の振分部42の左出球部42Lに第2の役物球出口32を連ね、第3の振分部43の右出球部43Rに第1の役物球出口31を連ねた構成となっている。この構成にした場合、遊技球は、以下のような流下経路で流下する。
【0081】
例えば、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53が全て第1傾動位置の状態で振分役物40に進入した遊技球を「1球目」とすると、1球目の遊技球は、第1段目の振分部41で右出球部41Rに振り分けられ、第3の振分部43で右出球部43Rに振り分けられて第1の役物球出口31から排出される。2球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で右出球部42Rに振り分けられて、第3の役物球出口33から排出される。3球目の遊技球は、第1段目の振分部41で右出球部41Rに振り分けられ、第3の振分部43で左出球部43Lに振り分けられて第3の役物球出口33から排出される。4球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で左出球部42Lに振り分けられて第2の役物球出口32から排出される。そして、「4球目」の遊技球が排出された時点で、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53は全て第1傾動位置(1球目の遊技球が入る前の元の状態)に戻される。
【0082】
この構成では、4種類の流下経路を一定の順番で毎回変えながら遊技球を流下させることができ、排出頻度は、第1〜第3の役物球出口31,32,33の順に、「1/4」、「1/4」、「1/2」となる。なお、これら3つの役物球出口31,32,33のうち、何れか1つ(例えば、排出頻度が比較的低い第1又は第2の役物球出口31,32)の下方に、遊技者に特典(賞球、当否判定抽選)を付与する入賞部を配置してもよい。
【0083】
(4)上記実施形態では、第1段目の振分部41の左出球部41L及び右出球部41Rに連なる下段側の振分部42の数を異ならせかつ、振分部41,42の出球部41R,42R同士が連絡した合流部44を備えた構成であったが、左右の出球部41L,41Rに連なる下段側の振分部の数を同一としかつ、合流部を備えていない構成としても、上記実施形態と同等の効果を奏する。具体的には、図9に示す参考例では、第1段目の振分部41の左出球部41Lに第2の振分部42(入球部42E)を連ね、第1段目の振分部41の右出球部41Rに第3の振分部43(入球部43E)を連ねて、第3の振分部43の右出球部43R及び左出球部43Lをそれぞれ第1の役物球出口31、第2の役物球出口32に連ね、第2の振分部42の右出球部42R及び左出球部42Lをそれぞれ第3の役物球出口33、第4の役物球出口34に連ねた構成となっている。この構成にした場合、遊技球は以下のような流下経路で流下する。
【0084】
例えば、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53が全て第1傾動位置の状態で振分役物40に進入した遊技球を「1球目」とすると、1球目の遊技球は、第1段目の振分部41で右出球部41Rに振り分けられ、第3の振分部43で右出球部43Rに振り分けられて第1の役物球出口31から排出される。2球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で右出球部42Rに振り分けられて、第3の役物球出口33から排出される。3球目の遊技球は、第1段目の振分部41で右出球部41Rに振り分けられ、第3の振分部43で左出球部43Lに振り分けられて第2の役物球出口32から排出される。4球目の遊技球は、第1段目の振分部41で左出球部41Lに振り分けられ、第2の振分部42で左出球部42Lに振り分けられて第4の役物球出口34から排出される。そして、「4球目」の遊技球が排出された時点で、第1〜第3の流下振分可動部材51〜53は全て第1傾動位置(1球目の遊技球が入る前の元の状態)に戻される。
【0085】
この構成では、4種類の流下経路を一定の順番で毎回変えながら遊技球を流下させることができ、各役物球出口32,33,37,38からの遊技球の排出頻度は、全て等しく「1/4」となる。
【0086】
[上記実施形態及び参考例の構成のまとめ]
上記実施形態及び参考例には、以下の[1]〜[10]の構成が含まれている。
【0087】
[1]遊技球が入球可能な1つの役物球入口と、遊技球を排出可能な複数の役物球出口を有した振分役物を、遊技球が流下する遊技領域に設け、その振分役物の前記役物球入口に入球した遊技球を何れかの前記役物球出口に振り分ける複数の振分部を備えた遊技機において、
前記複数の振分部の全てを、1つの入球部と、2つの出球部と、前記入球部に進入した遊技球を2つの前記出球部へと交互に振り分けるように可動する流下振分可動部材とを有した振分構造とし、前記入球部が前記役物球入口になった第1段目の前記振分部の下流側に下段側の前記振分部を連ねると共に、前記複数の役物球出口を何れかの前記振分部の前記出球部に連絡し、
前記役物球入口から入球した遊技球が、前記複数の役物球出口に対して所定の順番で排出するように前記複数の振分部を配置したことを特徴とする遊技機。
【0088】
[1]の構成によれば、振分役物に複数の振分部を備え、それら複数の振分部の全てを、1つの入球部と、2つの出球部と、入球部に進入した遊技球を2つの出球部へと交互に振り分ける流下振分可動部材とを有した振分構造とし、入球部が役物球入口になった第1段目の振分部の下流側に下段側の振分部を連ねると共に、複数の役物球出口を何れかの振分部の出球部に連絡したから、少なくとも3種類以上の異なる流下経路で遊技球を流下させることができる。しかも、同じ流下経路で連続して流下しないように、3種類以上の流下経路を、一定の順番で毎回変えることができるから、従来よりも変化に富んだ流下態様にすることができ、遊技の趣向性を向上させることができる。その一方で、複数の各役物球出口における個々の排出頻度は一定になるから、ランダムに振り分けるものに比べて、遊技性に安定感を付与することが可能になる。
【0089】
[2]前記流下振分可動部材は、前記入球部から流下する遊技球が当接することにより自重で前記2つの前記出球部へと交互に振り分けるように可動する構成であることを特徴とする[1]に記載の遊技機。
【0090】
[2]の構成によれば、電気的駆動源やセンサなどの部材を減らすことが可能になり、また遊技球により振分部材を動かすという趣向性を高めることが可能になる。
【0091】
[3]前記複数の役物球出口の排出する所定の順番を一周期として、一周期した際に前記役物球入口から入球した遊技球が再度同じ所定の順番で排出することを特徴とする[1]又は[2]に記載の遊技機。
【0092】
[3]の構成によれば、それぞれの役物球出口からの遊技球の排出量を安定させることが可能になる。
【0093】
[4]前記第1段目の振分部の2つの前記出球部の各々に連なる前記下段側の振分部の数を異ならせることを特徴とする[1]乃至[3]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【0094】
[4]の構成によれば、振分役物内の遊技球の動きが多彩になり、趣向性を高めることが可能になる。
【0095】
[5]複数の前記振分部の前記出球部同士を連絡した合流部を備えたことを特徴とする[1]乃至[4]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【0096】
[5]の構成によれば、複数の振分部の出球部同士を連絡した合流部を備えることで、複数の役物球出口の間で遊技球の排出頻度を異ならせることが可能になり、更なる趣向性の向上を図ることができる。
【0097】
[6]前記役物球出口を2つ備えており、前記役物球入口から入球した遊技球が所定の順番で排出するようにし、少なくとも1つの前記役物球出口は連続して排出する構成であることを特徴とする[1]乃至[5]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【0098】
[6]の構成によれば、役物球出口が2つという少ない数でも排出する順番が変わってくるため、遊技球の排出する順番に対して趣向性を高めることが可能になる。
【0099】
[7]前記振分役物が有する前記振分部を、前記第1段目の振分部と、その第1段目の振分部の一方の前記出球部のみに連なる第2の前記振分部との2つとすると共に、
前記第1段目の振分部の他方の前記出球部と前記第2の振分部の他方の前記出球部との前記合流部を備え、
前記振分役物が有する前記役物球出口を、前記合流部に連なる第1の前記役物球出口と、前記第2の振分部の一方の前記出球部に連なる第2の前記役物球出口との2つとしたことを特徴とする[6]に記載の遊技機。
【0100】
[7]の構成によれば、第1の役物球出口からは、「4球中3球(3/4)」の頻度で遊技球を排出させることができ、第2の役物球出口からは「4球中1球(1/4)」の頻度で遊技球を排出させることができる。
【0101】
詳細には、第1段目の振分部で一方の出球部に振り分けられかつ、第2の振分部で一方の出球部に振り分けられて、第2の役物球出口から排出された遊技球を「1球目」とした場合、2球目の遊技球は、第1段目の振分部で他方の出球部に振り分けられ、合流部を経て第1の役物球出口から排出される。また、3球目の遊技球は、第1段目の振分部で一方の出球部に振り分けられかつ、第2の振分部で他方の出球部に振り分けられて、合流部を経て第1の役物球出口から排出される。4球目の遊技球は、2球目の遊技球と同じ流下経路で流下して第1の役物球出口から排出される。そして、4球目の遊技球が第2の振分部を通過した時点で、2つの流下振分可動役物は、それぞれ1球目の遊技球が通過する前の状態に戻される。5球目以降も、上述した1〜4球目の遊技球のように流下経路を一定の順番で毎回変えながら流下する。
【0102】
[8]前記役物球出口を3つ以上備えており、前記役物球入口から入球した遊技球が所定の周期でかつ所定の順番で排出することを特徴とする[1]乃至[5]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【0103】
[8]の構成によれば、役物球出口が3つ以上の複数あり、遊技球の排出口が多様になるため、趣向性を高めることが可能になる。
【0104】
[9]前記役物球出口を3つ以上横一列に並べたことを特徴とする[8]に記載の遊技機。
【0105】
[9]の発明によれば、役物球出口を3つ以上横一列に並べたので、振分役物を通過した後の遊技球の流下態様を従来よりも多様化することができ、更なる趣向性の向上を図ることができる。
【0106】
[10]前記流下振分可動部材は、回動軸を中心に一方の前記出球部側と他方の前記出球部側とに傾動すると共に、
前記入球部側の上方に向けて延びた上方規制部と、
前記一方の出球部側に延びて前記上方規制部との間で第1の受容部を形成する第1規制部と、
前記他方の出球部側に延びて前記上方規制部との間で第2の受容部を形成する第2規制部と、
前記第2の受容部が遊技球を受容可能となりかつ前記第1の受容部から遊技球を排出可能となるように前記上方規制部が前記一方の出球部側に傾いた第1傾動位置と、前記第1の受容部が遊技球を受容可能となりかつ前記第2の受容部から遊技球を排出可能となるように前記上方規制部が前記他方の出球部側に傾いた第2傾動位置とに前記流下振分可動部材を位置決めする傾動規制ストッパとを備え、
前記流下振分可動部材の重心を前記上方規制部上に配置し、
前記第2傾動位置で前記第1の受容部に受容された遊技球の重心が前記回動軸に対して前記流下振分可動部材の重心と反対側に位置することで、その遊技球の自重によって前記流下振分可動部材が前記第1傾動位置へと傾動すると共に、前記第1傾動位置で前記第2の受容部に受容された遊技球の重心が前記回動軸に対して前記流下振分可動部材の重心と反対側に位置することで、その遊技球の自重によって前記流下振分可動部材が前記第2傾動位置へと傾動するように構成したことを特徴とする[1]乃至[9]の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【0107】
[1]の構成には、遊技球を検出するセンサを適切な位置に設けておき、センサの検出信号に基づいて流下振分可動部材を電気的駆動源により第1傾動位置と第2傾動位置とに切り替えるようにした構成も含まれるが、このような構成は、コスト(部品コストやランニングコスト)がかかるという問題がある。また、例えば、複数の遊技球が間隔を空けずに連続して振分部に進入した場合に、流下振分可動部材の位置の切り替えが間に合わない虞がある。
【0108】
これに対し、[10]の構成によれば、振分部を通過する遊技球の自重でもって流下振分可動部材を第1傾動位置と第2傾動位置とに切り替えることができるから、電気的駆動源やセンサが不要になり、コストを抑えることができる。また、振分部を遊技球が通過するのと同時に、流下振分可動部材の位置を切り替えることができるから、複数の遊技球が連続的に振分部に進入した場合でも、位置の切り替えを間に合わせることができる。
【符号の説明】
【0109】
10 パチンコ遊技機(遊技機)
16 始動入賞部
30 役物球入口
31 第1の役物球出口
32 第2の役物球出口
33 第3の役物球出口
34 第4の役物球出口
35,36 傾動規制ストッパ
40 振分役物
41 第1段目の振分部
41L 左出球部(第1段目の振分部の一方の出球部)
41R 右出球部(第1段目の振分部の他方の出球部)
42 第2の振分部
42E 入球部
42L 左出球部(第2の振分部の一方の出球部)
42R 右出球部(第2の振分部の他方の出球部)
43 第3の振分部
43E 入球部
43L 左出球部
43R 右出球部
44,45 合流部
51,52 流下振分可動部材
51A,52A 上方規制部
51B,52B 左規制部(第1規制部)
51C,52C 右規制部(第2規制部)
51J,52J 回動軸
51L,52L 左受容部(第1の受容部)
51R,52R 右受容部(第2の受容部)
G1,G2 重心
R1 遊技領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9