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特許6226493情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6226493
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20171030BHJP
   G06F 19/00 20110101ALI20171030BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G06F19/00 100
   G09B29/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-129747(P2016-129747)
(22)【出願日】2016年6月30日
【審査請求日】2016年10月4日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516197148
【氏名又は名称】株式会社マイクロベース
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(74)【代理人】
【識別番号】100198960
【弁理士】
【氏名又は名称】奥住 忍
(72)【発明者】
【氏名】仙石 裕明
【審査官】 関 博文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−233767(JP,A)
【文献】 特開2008−243130(JP,A)
【文献】 特開2001−266177(JP,A)
【文献】 特開2004−118853(JP,A)
【文献】 特開2002−041752(JP,A)
【文献】 特開2003−330359(JP,A)
【文献】 特開2005−202546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06F 19/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1メッシュサイズの人口統計データを取得する取得手段と、
基盤地図情報から各建物の建物容積データを推定する建物容積データ推定手段と、
前記第1メッシュサイズよりも小さい第2メッシュサイズの各メッシュ内の建物の推定された前記建物容積データに対応して、前記第1メッシュサイズの前記人口統計データを前記第2メッシュサイズの前記各メッシュに振り分けて、前記第2メッシュサイズの人口統計データを生成する人口統計データ生成手段と、
を備え、
前記基盤地図情報は、2次元の建物形状データを含み、
前記建物容積データ推定手段は、
前記建物形状データから建物面積データを推定する建物面積データ推定手段と、
前記建物面積データと、異なる建物属性に応じた推定建物階数データとを対応付けて記憶する記憶手段を参照し、前記建物属性と前記建物面積データとに基づいて、建物階数データを推定する建物階数データ推定手段と、
を有し、
前記建物階数データ推定手段は、前記基盤地図情報に基づいて、前記建物属性を推定する建物属性推定手段を備え、
前記建物属性推定手段は、前記2次元の建物形状データに基づいて、縦横比を算出する縦横比算出手段を備え、前記縦横比を用いて、前記建物属性を推定し、
推定した前記建物面積データおよび推定した前記建物階数データを用いて前記建物容積データを推定する情報処理装置。
【請求項2】
前記建物属性は、少なくとも戸建住宅用建物と共同住宅用建物とを含む請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記建物属性は、さらに商業施設を含む請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
取得手段が、第1メッシュサイズの人口統計データを取得する取得ステップと、
建物容積データ推定手段が、基盤地図情報から各建物の建物容積データを推定する建物容積データ推定ステップと、
人口統計データ生成手段が、前記第1メッシュサイズよりも小さい第2メッシュサイズの各メッシュ内の建物の推定された前記建物容積データに対応して、前記第1メッシュサイズの前記人口統計データを前記第2メッシュサイズの前記各メッシュに振り分けて、前記第2メッシュサイズの人口統計データを生成する人口統計データ生成ステップと、
を含み、
前記基盤地図情報は、2次元の建物形状データを含み、
前記建物容積データ推定ステップは、
前記建物形状データから建物面積データを推定する建物面積データ推定ステップと、
前記建物面積データと、異なる建物属性に応じた推定建物階数データとを対応付けて記憶する記憶手段を参照し、前記建物属性と前記建物面積データとに基づいて、建物階数データを推定する建物階数データ推定ステップと、
を有し、
前記建物階数データ推定ステップにおいて、前記基盤地図情報に基づいて、前記建物属性を推定する建物属性推定ステップを有し、
前記建物属性推定ステップにおいて、前記2次元の建物形状データに基づいて、縦横比を算出する縦横比算出ステップを有し、前記縦横比を用いて、前記建物属性を推定し、
推定した前記建物面積データおよび推定した前記建物階数データを用いて前記建物容積データを推定する情報処理方法。
【請求項5】
第1メッシュサイズの人口統計データを取得する取得ステップと、
基盤地図情報から各建物の建物容積データを推定する建物容積データ推定ステップと、
前記第1メッシュサイズよりも小さい第2メッシュサイズの各メッシュ内の建物の推定された前記建物容積データに対応して、前記第1メッシュサイズの前記人口統計データを前記第2メッシュサイズの前記各メッシュに振り分けて、前記第2メッシュサイズの人口統計データを生成する人口統計データ生成ステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記基盤地図情報は、2次元の建物形状データを含み、
前記建物容積データ推定ステップは、
前記建物形状データから建物面積データを推定する建物面積データ推定ステップと、
前記建物面積データと、異なる建物属性に応じた推定建物階数データとを対応付けて記憶する記憶手段を参照し、前記建物属性と前記建物面積データとに基づいて、建物階数データを推定する建物階数データ推定ステップと、
を有し、
前記建物階数データ推定ステップにおいて、前記基盤地図情報に基づいて、前記建物属性を推定する建物属性推定ステップを有し、
前記建物属性推定ステップにおいて、前記2次元の建物形状データに基づいて、縦横比を算出する縦横比算出ステップを有し、前記縦横比を用いて、前記建物属性を推定し、
推定した前記建物面積データおよび推定した前記建物階数データを用いて前記建物容積データを推定する情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、ボロノイ領域を用いて、統計データからエリアデータを推計する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−228701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、大きな領域の人口統計データを小さな領域の人口統計データに細分化することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、
第1メッシュサイズの人口統計データを取得する取得手段と、
基盤地図情報から各建物の建物容積データを推定する建物容積データ推定手段と、
前記第1メッシュサイズよりも小さい第2メッシュサイズの各メッシュ内の建物の推定された前記建物容積データに対応して、前記第1メッシュサイズの前記人口統計データを前記第2メッシュサイズの前記各メッシュに振り分けて、前記第2メッシュサイズの人口統計データを生成する人口統計データ生成手段と、
を備え、
前記基盤地図情報は、2次元の建物形状データを含み、
前記建物容積データ推定手段は、
前記建物形状データから建物面積データを推定する建物面積データ推定手段と、
前記建物面積データと、異なる建物属性に応じた推定建物階数データとを対応付けて記憶する記憶手段を参照し、前記建物属性と前記建物面積データとに基づいて、建物階数データを推定する建物階数データ推定手段と、
を有し、
前記建物階数データ推定手段は、前記基盤地図情報に基づいて、前記建物属性を推定する建物属性推定手段を備え、
前記建物属性推定手段は、前記2次元の建物形状データに基づいて、縦横比を算出する縦横比算出手段を備え、前記縦横比を用いて、前記建物属性を推定し、
推定した前記建物面積データおよび推定した前記建物階数データを用いて前記建物容積データを推定する。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理方法は、
取得手段が、第1メッシュサイズの人口統計データを取得する取得ステップと、
建物容積データ推定手段が、基盤地図情報から各建物の建物容積データを推定する建物容積データ推定ステップと、
人口統計データ生成手段が、前記第1メッシュサイズよりも小さい第2メッシュサイズの各メッシュ内の建物の推定された前記建物容積データに対応して、前記第1メッシュサイズの前記人口統計データを前記第2メッシュサイズの前記各メッシュに振り分けて、前記第2メッシュサイズの人口統計データを生成する人口統計データ生成ステップと、
を含み、
前記基盤地図情報は、2次元の建物形状データを含み、
前記建物容積データ推定ステップは、
前記建物形状データから建物面積データを推定する建物面積データ推定ステップと、
前記建物面積データと、異なる建物属性に応じた推定建物階数データとを対応付けて記憶する記憶手段を参照し、前記建物属性と前記建物面積データとに基づいて、建物階数データを推定する建物階数データ推定ステップと、
を有し、
前記建物階数データ推定ステップにおいて、前記基盤地図情報に基づいて、前記建物属性を推定する建物属性推定ステップを有し、
前記建物属性推定ステップにおいて、前記2次元の建物形状データに基づいて、縦横比を算出する縦横比算出ステップを有し、前記縦横比を用いて、前記建物属性を推定し、
推定した前記建物面積データおよび推定した前記建物階数データを用いて前記建物容積データを推定する。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理プログラムは、
第1メッシュサイズの人口統計データを取得する取得ステップと、
基盤地図情報から各建物の建物容積データを推定する建物容積データ推定ステップと、
前記第1メッシュサイズよりも小さい第2メッシュサイズの各メッシュ内の建物の推定された前記建物容積データに対応して、前記第1メッシュサイズの前記人口統計データを前記第2メッシュサイズの前記各メッシュに振り分けて、前記第2メッシュサイズの人口統計データを生成する人口統計データ生成ステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記基盤地図情報は、2次元の建物形状データを含み、
前記建物容積データ推定ステップは、
前記建物形状データから建物面積データを推定する建物面積データ推定ステップと、
前記建物面積データと、異なる建物属性に応じた推定建物階数データとを対応付けて記憶する記憶手段を参照し、前記建物属性と前記建物面積データとに基づいて、建物階数データを推定する建物階数データ推定ステップと、
を有し、
前記建物階数データ推定ステップにおいて、前記基盤地図情報に基づいて、前記建物属性を推定する建物属性推定ステップを有し、
前記建物属性推定ステップにおいて、前記2次元の建物形状データに基づいて、縦横比を算出する縦横比算出ステップを有し、前記縦横比を用いて、前記建物属性を推定し、
推定した前記建物面積データおよび推定した前記建物階数データを用いて前記建物容積データを推定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、大きな領域の人口統計データを小さな領域の人口統計データに細分化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図2A】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置の処理対象となる500mメッシュサイズ人口統計データの一例を説明する概略図である。
図2B】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置により生成された50mメッシュサイズ人口統計データの一例を説明する概略図である。
図2C】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置の動作の概略を説明するシーケンス図である。
図2D】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置による非住居建物除外の概略を説明する図である。
図2E】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置による縦横比計算の一例を説明する図である。
図2F】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置による建物容積の計算に用いる回帰モデルを説明する図である。
図2G】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置によるメッシュ単位容積データ作成の概略を説明する図である。
図2H】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置による人口統計データの振り分けについて説明する図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置が備える面積データ変換テーブルの一例を示す図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置の処理手順を説明するフローチャートである。
図7A】本発明の第3実施形態に係る情報処理装置の動作の概略を説明するシーケンス図である。
図7B】本発明の第3実施形態に係る情報処理装置によるメッシュ単位容積データ作成の概略を説明する図である。
図7C】本発明の第3実施形態に係る情報処理装置による人口統計データの振り分けについて説明する図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る情報処理装置の処理手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明記載する。ただし、以下の実施の形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0012】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての情報処理装置100について、図1を用いて説明する。情報処理装置100は、人口統計データを細分化する装置である。
【0013】
図1に示すように、情報処理装置100は、人口統計データ生成部101を備える。人口統計データ生成部101は、建物容積データに基づいて、第1メッシュサイズ人口統計データを第1メッシュサイズよりも小さい第2メッシュサイズに振り分けて、第2メッシュサイズ人口統計データを生成する。
【0014】
本実施形態によれば、大きな領域の人口統計データを小さな領域の人口統計データに細分化することができる。
【0015】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る情報処理装置200について、図2A乃至図6を用いて説明する。
【0016】
図2Aは、本実施形態に係る情報処理装置200の処理対象となる500mメッシュサイズ人口統計データの一例を説明する概略図である。図2Bは、本実施形態に係る情報処理装置200により生成された50mメッシュサイズ人口統計データの一例を説明する概略図である。
【0017】
情報処理装置200は、図2Aおよび図2Bに示したように、例えば、500mメッシュサイズの人口統計データ(人口統計値)を建物容積に基づいて、50mメッシュ単位(メッシュサイズ)に細分化して、再集計する装置である。
【0018】
図2Cは、本実施形態に係る情報処理装置200による処理の概略を説明するシーケンス図である。図2Dは、本実施形態に係る情報処理装置200による非住居建物除外の概略を説明する図である。図2Eは、本実施形態に係る情報処理装置200による縦横比計算の一例を説明する図である。図2Fは、本実施形態に係る情報処理装置200による建物容積の計算に用いる回帰モデルを説明する図である。図2Gは、本実施形態に係る情報処理装置200によるメッシュ単位容積データ作成の概略を説明する図である。図2Hは、本実施形態に係る情報処理装置200による人口統計データの振り分けについて説明する図である。
【0019】
ステップS201において、情報処理装置200は、基盤地図情報などの地図データ(地図情報データ)から建物形状などを含む建物データを取得し、後の処理に備えて、取得したデータの変換や加工などを適宜実行する。
【0020】
ステップS203において、情報処理装置200は、人が住んでいない住居建物である非住居建物を除外する。具体的には、例えば、国土数値情報などの建物データを用いて、基盤地図情報の建物データから非住居建物を除外する。なお、国土数値情報は、建物用途が把握可能なオープンデータである。国土数値情報などのデータには、例えば、その建物の用途などを表す施設データや、その土地の用途などを表す用途地域データなどが含まれているので、情報処理装置200は、これらを用いて非住居建物を除外することができる。例えば、図2Dに示したように、施設データが郵便局となっていれば、その建物には人が住んでいないことが分かるので、非住居建物であると判定することができ、このような建物を除外することができる。
【0021】
また、同様に、施設データが商業施設となっていれば、その建物は非住居建物であることが分かり、これらの建物を除外することができる。さらに、用途地域データが、例えば、工場専用地域であれば、住宅用の建物などは建てられないので、その地域にある建物は全て非住居建物であるとして除外することが可能となる。このように、非住居建物を排除することにより、次のステップにおいて、余分な建物についての建物容積の計算が不要となるので、計算速度を速くすることができ、計算結果の精度を高めることができる。
【0022】
ステップS205において、情報処理装置200は、住居の建物容積を計算する。例えば、基盤地図情報の建物データに含まれる建物情報や建物形状情報などから建物の属性、すなわち、建物が、戸建住宅か共同住宅かを推定(判定)した後、住居の建物容積を計算する。建物属性の推定は、建物形状から計算した面積や面積周長比、縦横比などに基づいて行う。情報処理装置200は、例えば、面積から建物属性を推定する。また、情報処理装置200は、面積と面積周長比とを組み合わせたり、面積と縦横比とを組み合わせたり、あるいは、面積と面積周長比と縦横比とを組み合わせたりして建物属性を推定する。例えば、面積と縦横比とを組み合わせて建物属性を推定すると、細長い建物が住宅なのか、または納屋や駐輪場なのかを効率的に判定することができる。
【0023】
情報処理装置200による縦横比の算出は、例えば、図2Eに示したように実行される。図2E左図に示したように、ある建物を構成する各頂点を、重心点(G)をベースに4つのゾーン(ゾーン1〜ゾーン4)に分割する。そして、図2E右図に示したように、ゾーン別に重心点(G)からの距離が最長となる頂点を抽出し、抽出した頂点を各ゾーンの代表頂点(A1〜A4)とし、各代表頂点間の距離に基づいて、縦横比を計算する。
【0024】
具体的には、頂点A1と頂点A2との距離をh1、頂点A2と頂点A3との距離をv1、頂点A3と頂点A4との距離をh2、頂点A4と頂点A1との距離をv2とすると、縦横比(R)は、R=(h1+h2)/(v1+v2)で表すことができる。
【0025】
また、縦横比の計算方法はこれには限定されず、例えば、頂点抽出をせずに、最もシンプルに、建物の縦の長さと横の長さとの比として縦横比(R’)を、R’=h3/v3のように計算してもよく、その他にも様々な方法で計算できる。
【0026】
なお、情報処理装置200は、面積や面積周長比、縦横比を計算する前に、基盤地図情報に含まれる建物構造(建物構造データ)の分類により住居以外の建物データを除去してもよい。また、合わせて、建物が、戸建住宅に該当するか、または共同住宅に該当するかの判定を行ってもよい。縦横比の計算前にこのような判定を行っておくと、縦横比の計算が不要な建物を事前に排除することができる。また、予め戸建住宅か共同住宅かが分かっていれば、機械学習などと組み合わせることにより、建物容積の計算精度をさらに高めることができる。
【0027】
建物構造の分類には、次の4つの分類、すなわち、「普通建物」、「堅牢建物」、「普通無壁舎」および「堅牢無壁舎」の4分類がある。ここで、「普通建物」は、3階未満の建物および3階以上の木造等で建築された建物を表す。「堅牢建物」は、鉄筋コンクリート等で建築された3階以上または3階相当以上の高さの建物を表す。「普通無壁舎」は、側壁のない建物、温室および工場内の建物類似の構築物で、3階未満のものを表す。「堅牢無壁舎」は、鉄筋コンクリート等で建築された側壁のない建物およびこのような建物類似の構築物を表す。
【0028】
まず、情報処理装置200は、建物構造データを取得して、「普通建物」の分類が付されている建物データを抽出する。ここで、「普通建物」が付されている建物データには、戸建住宅および共同住宅が含まれている。なお、「堅牢建物」および「堅牢無壁舎」の分類が付されている建物データには、戸建建物は含まれていないので、情報処理装置200は、これらの分類が付されている建物は、戸建建物ではないと判断する。
【0029】
そして、「普通建物」の分類が付されている建物データには、戸建住宅および共同住宅が含まれているので、情報処理装置200は、面積、面積周長比および縦横比を用いて戸建住宅と共同住宅とを分ける。例えば、情報処理装置200は、縦横比の閾値を用いて、戸建住宅または共同住宅を決定する。
【0030】
ここで、縦横比の閾値は、例えば、戸建住宅および共同住宅のサンプルデータからランダムフォレストなどの機械学習により、戸建住宅の特徴量および共同住宅の特徴量を情報処理装置200に学習させて決定する。機械学習は、例えば、建物形状から戸建住宅の特徴量および共同住宅の特徴量を学習することにより行われる。また、機械学習は、建物形状と建物面積とを組み合わせてから行ってもよい。すなわち、機械学習は、建物形状、建物面積、面積周長比および縦横比の少なくとも1つに基づいて行ってもよく、また、これらのうちのいくつかを組み合わせて行ってもよい。なお、これらの特徴量は、地域ごとに変わるので、縦横比の閾値は、地域ごとに計算する。また、この機械学習に必要なデータは、実際(現実)のデータを用いており、情報処理装置200は、この実際のデータを教師として機械学習を行う。
【0031】
このように、縦横比や面積、面積周長比を計算することにより、マンションなどにある駐輪場の屋根や商店街のアーケードの屋根、納屋のような縦長形状や細長い形状の非居住建物を建物容積の計算対象から除外することができる。
【0032】
縦横比を用いないで、例えば、面積から判断しようとすると、面積が50m位の建物があると、戸建住宅なのか、駐輪場なのかの区別をつけにくくなるが、面積に加えて縦横比を用いると、これらの区別を容易に行える。
【0033】
次に、情報処理装置200は、縦横比を用いて建物属性(戸建住宅または共同住宅)を推定して、推定した建物属性に基づいて、建物階数を推定する。そして、戸建住宅については、一律に「2階」建てとみなし、情報処理装置200は、「建物面積」と「階数」とを掛け合わせて建物容積を計算する。また、共同住宅については、情報処理装置200は、図2Fに示した回帰モデルを用いて建物の面積から建物容積を計算してもよい。回帰モデルの作成において、目的変数となる建物容積データは、例えば、ウェブ上の不動産サイトの物件情報や既知の物件情報などから取得するが、これらには限定されない。
【0034】
ステップS207において、情報処理装置200は、計算した建物容積(建物単位での建物容積)を50mメッシュサイズの容積データとして集計して、50mメッシュサイズ容積データを作成する。すなわち、図2Gに示したように、各メッシュサイズにどれだけの容積の建物が存在しているかを表すデータを作成する。情報処理装置200は、地図上の点の大きさや濃淡などを用いて建物容積を表す。例えば、地図上の点の色が濃い所や、点の大きさが大きい所は、建物容積が大きい所を表している。なお、建物容積の大小の表現方法はこれには限定されない。
【0035】
そして、ステップS209において、情報処理装置200は、50mメッシュサイズ容積データに基づいて、500mメッシュサイズ人口統計データを50mメッシュサイズに振り分けて、再集計し、50mメッシュサイズ人口統計データを作成する。
【0036】
人口統計データの振り分けは、例えば、図2Hに示したように、「500mメッシュ内における50mメッシュの建物容積(a)」と「500mメッシュの建物容積(aks)」との比に基づいて行われる。メッシュに含まれる人口データは、具体的には、500mメッシュの属性データ(v)のうち、メッシュに含まれる人口データをv=Σ(v×a/aks))に従って計算される。
【0037】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置200の構成を説明するブロック図である。情報処理装置200は、人口統計データ生成部301と、建物容積データ算出部302と、建物階数データ推定部303と、建物属性推定部304と、縦横比算出部305とを備える。
【0038】
人口統計データ生成部301は、500mメッシュサイズ人口統計データを500mメッシュサイズ(500mメッシュ単位)よりも小さいサイズの50mメッシュサイズ(50mメッシュ単位)の50mメッシュサイズ人口統計データを生成する。50mメッシュサイズ人口統計データを生成する際、人口統計データ生成部301は、建物の容積データに基づいて生成する。すなわち、人口統計データ生成部301は、500mメッシュサイズ人口統計データを50mメッシュサイズに振り分けて、50mメッシュサイズ人口統計データを作成する。
【0039】
建物容積データ算出部302は、地図情報データに含まれる建物形状を用いて建物容積を算出する。建物容積データ算出部302は、建物形状から建物の面積を計算し、計算した建物面積に建物階数データ(建物の高さデータ)を掛けて、すなわち、「建物面積×建物階数データ」により建物容積を算出する。また、建物階数データは、建物階数データ推定部303が推定した建物階数データを用いる。
【0040】
建物階数データ推定部303は、建物面積や建物属性に基づいて、建物階数データを推定する。そして、建物階数データ推定部303は、推定した建物階数データを建物の高さデータに置き換える。したがって、建物容積データ算出部302は、建物高さデータを用いて建物容積を算出する。
【0041】
建物属性推定部304は、例えば、地図情報データに付されている建物の属性に基づいて、建物属性を推定する。建物属性には、いわゆる一戸建て住宅などの戸建住宅用建物と、マンションやアパートなどの共同住宅用建物とが少なくとも含まれる。また、建物属性は、住居以外の属性を含んでもよく、例えば、オフィスビルや店舗などの商業施設を属性として含んでもよい。なお、建物属性に含まれる属性は、これらには限定されない。
【0042】
縦横比算出部305は、建物の形状について、重心点をベース4つの頂点を抽出し、この4つの頂点を代表頂点として、建物を矩形形状の建物と近似して、縦横比を算出する。また、縦横比の算出は、頂点を抽出して算出する方法には限定されず、例えば、建物の形状を単純に矩形で近似して、この矩形形状の縦の長さと、横の長さとの比として算出してもよい。
【0043】
図4は、本実施形態に係る情報処理装置200が備える面積データ変換テーブル401の一例を示す図である。面積データ変換テーブル401は、面積411に関連付けて、階数412、高さ413および容積414を記憶する。面積411は、地図情報データから算出される各建物の面積を表す。階数412は、各建物の階数を表し、高さ413は、階数に対応して定められた高さを表している。例えば、2階建ての戸建住宅であれば、一律に建物高さの数値データ[m]が決められており、同様に2階建ての共同住宅であれば、一律に建物高さの数値データ[m]が決められている。すなわち、同じ階数であっても、戸建住宅か、共同住宅かにより、建物の高さは異なっている。容積414は、建物の容積を表し、容積[m]=面積[m]×高さ[m]で算出される値である。
【0044】
図5は、本実施形態に係る情報処理装置200のハードウェア構成を示す図である。CPU(Central Processing Unit)510は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで図3の情報処理装置200の機能構成部を実現する。ROM(Read Only Memory)520は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびその他のプログラムを記憶する。また、ネットワークインタフェース530は、ネットワークを介して他の装置などと通信する。なお、CPU510は1つに限定されず、複数のCPUであっても、あるいは画像処理用のGPU(Graphics Processing Unit)を含んでもよい。また、ネットワークインタフェース530は、CPU510とは独立したCPUを有して、RAM(Random Access Memory)540の領域に送受信データを書き込みあるいは読み出しするのが望ましい。また、RAM540とストレージ550との間でデータを転送するDMAC(Direct Memory Access Controller)を設けるのが望ましい(図示なし)。さらに、入出力インタフェース560は、CPU510とは独立したCPUを有して、RAM540の領域に入出力データを書き込みあるいは読み出しするのが望ましい。したがって、CPU510は、RAM540にデータが受信あるいは転送されたことを認識してデータを処理する。また、CPU510は、処理結果をRAM540に準備し、後の送信あるいは転送はネットワークインタフェース530やDMAC、あるいは入出力インタフェース560に任せる。
【0045】
RAM540は、CPU510が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM540には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。地図情報データ441は、基盤地図情報などのデータである。人口統計データ442は、例えば、国などからオープンデータとして、一般に対して提供されているデータが代表的である。面積443は、地図情報データ441を用いて算出したデータである。階数/高さ444は、面積443などから算出したデータである。容積445は、面積443と階数/高さ444とから算出したデータである。建物属性446は、戸建住宅や共同住宅などの建物の属性を表すデータである。例えば、面積443、階数/高さ444および容積445は、図4に示した面積データ変換テーブル401から展開されたデータである。
【0046】
入出力データ447は、入出力インタフェース560を介して入出力されるデータである。送受信データ448は、ネットワークインタフェース530を介して送受信されるデータである。また、RAM540は、各種アプリケーションモジュールを実行するためのアプリケーション実行領域449を有する。
【0047】
ストレージ550には、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。ストレージ550は、面積データ変換テーブル401を格納する。面積データ変換テーブル401は、図4に示した、面積411と、階数412、高さ413および容積414との関係を管理するテーブルである。ストレージ550は、さらに、人口統計データ生成モジュール551と、建物容積データ算出モジュール552と、建物階数データ推定モジュール553と、建物属性推定モジュール554と、縦横比算出モジュール555とを格納する。これらのモジュールはCPU510により実行される。
【0048】
人口統計データ生成モジュール551は、500mメッシュサイズ人口統計データから50mメッシュサイズ人口統計データを生成するモジュールである。建物容積データ算出モジュール552は、建物の面積データなどから建物の容積を算出するモジュールである。建物階数データ推定モジュール553は、建物の面積データなどに基づいて、建物の階数を推定するモジュールである。建物属性推定モジュール554は、地図情報データから建物の属性を推定するモジュールである。縦横比算出モジュール555は、建物の形状データに基づいて、縦横比を算出するモジュールである。これらのモジュール551〜555は、CPU510によりRAM540のアプリケーション実行領域449に読み出され、実行される。制御プログラム556は、情報処理装置200の全体を制御するためのプログラムである。
【0049】
入出力インタフェース560は、入出力機器との入出力データをインタフェースする。入出力インタフェース560には、表示部561、操作部562、が接続される。また、入出力インタフェース560には、さらに、記憶媒体564が接続されてもよい。さらに、音声出力部であるスピーカ563や、音声入力部であるマイク、あるいは、GPS位置判定部が接続されてもよい。なお、図5に示したRAM540やストレージ550には、情報処理装置200が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関するプログラムやデータは図示されていない。
【0050】
図6は、本実施形態に係る情報処理装置200の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、図5のCPU510がRAM540を使用して実行し、図3の情報処理装置200の機能構成部を実現する。
【0051】
ステップS601において、情報処理装置200は、500mメッシュサイズ人口統計データを取得する。ステップS603において、情報処理装置200は、地図情報データを取得する。ステップS605において、情報処理装置200は、取得した地図情報データから建物形状データを取得する。ステップS607において、情報処理装置200は、建物形状データに基づいて、建物面積データを算出する。ステップS609において、情報処理装置200は、建物形状データに基づいて、建物の縦横比を算出する。
【0052】
ステップS611において、情報処理装置200は、縦横比を用いて、建物属性を推定し、納屋や駐輪場などの住居以外の建物データを除外する。ステップS613において、情報処理装置200は、建物属性を用いて建物階数データを推定する。例えば、建物属性が戸建住宅であれば、一律に2階建て住宅とするが、これには限定されない。
【0053】
ステップS615において、建物面積と建物階数とから建物の容積データを算出する。ステップS617において、情報処理装置200は、500mメッシュサイズ人口統計データを50mメッシュサイズに振り分けて、50mメッシュサイズ人口統計データを生成する。
【0054】
本実施形態によれば、大きな領域の人口統計データを小さな領域の人口統計データに振り分けて、大きな領域の人口統計データを細分化することができる。さらに、本実施形態によれば、精度の高い細分化された人口統計データを得ることができる。
【0055】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る情報処理装置について、図7A乃至図11を用いて説明する。図7Aは、本実施形態に係る情報処理装置700の動作の概略を説明するための図である。図7Bは、本実施形態に係る情報処理装置700によるメッシュ単位容積データ作成の概略を説明する図である。図7Cは、本実施形態に係る情報処理装置700による人口統計データの振り分けについて説明する図である。
【0056】
本実施形態に係る情報処理装置700は、上記第2実施形態と比べると、町丁目人口統計データから500mメッシュ単位人口統計データを経由して50mメッシュ単位人口統計データを作成する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0057】
情報処理装置700は、例えば、国勢調査などの人口統計データ(人口統計値)(町丁目単位)を建物容積に基づいて、50mメッシュ単位(メッシュサイズ)に細分化して、再集計する装置である。まず、ステップS207において、情報処理装置700は、計算した住居の建物容積(建物単位)を500mメッシュ単位で集計して、図7Bに示したように、500メッシュサイズの建物容積データを作成する。
【0058】
そして、ステップS701において、情報処理装置700は、町丁目メッシュ単位人口統計データ(町丁目メッシュサイズ人口統計データ)から500mメッシュ単位人口統計データ(500mメッシュサイズ人口統計データ)を作成する。つまり、第2実施形態では、500mメッシュサイズ人口統計データから50mメッシュサイズ人口統計データを作成したが、本実施形態では、同様の方法により、まず、町丁目メッシュサイズ人口統計データから500mメッシュサイズ人口統計データを作成する。そして、500mメッシュサイズ人口統計データが作成されたら、情報処理装置700は、第2実施形態と同様に、500mメッシュサイズ人口統計データから50mメッシュサイズ人口統計データを作成する。すなわち、情報処理装置700は、国勢調査などの町丁目メッシュサイズ人口統計データを500mメッシュサイズ人口統計データに置き換えてから、50mメッシュサイズや、25mメッシュサイズなどのメッシュサイズにデータを振り分ける。
【0059】
人口統計データの振り分けは、図7Cに示したように、「メッシュ内における町丁目の建物容積(a)」と「町丁目の建物容積(aks)」との比に基づいて行われる。メッシュに含まれる人口データは、具体的には、国勢調査の属性データ(v)のうち、メッシュに含まれる人口データをv=Σ(v×a/aks))に従って計算される。
【0060】
図8は、本実施形態に係る情報処理装置700の構成を示すブロック図である。情報処理装置700は、人口統計データ取得部701を備える。人口統計データ取得部701は、基盤地図情報などの地図情報データを取得する。また、人口統計データ取得部701は、町丁目メッシュサイズ人口統計データなどの人口統計データを取得する。なお、ここでは、人口統計データとして、町丁目メッシュサイズ人口統計データを用いた。しかしながら、人口統計データは、町丁目メッシュサイズ人口統計データには限定されない。人口統計データとしては、例えば、郵便番号メッシュサイズ人口統計データや、防災地区メッシュサイズ人口統計データ、学校区メッシュサイズ人口統計データなどの様々なメッシュサイズの人口統計データを用いてもよい。
【0061】
図9は、本実施形態に係る情報処理装置700の処理手順を説明するフローチャートである。なお、図6と同様のステップには同じステップ番号を付して説明を省略する。ステップS901において、情報処理装置700は、町丁目メッシュサイズ人口統計データを500mメッシュサイズ人口統計データに変換する。すなわち、情報処理装置700は、町丁目メッシュサイズ人口統計データから500mメッシュサイズ人口統計データを作成し、この500mメッシュサイズ人口統計データを経由して50mメッシュサイズ人口統計データを作成する。
【0062】
本実施形態によれば、国勢調査データなどの大きな領域の人口統計データであっても小さな領域の人口統計データに細分化することができる。また、任意のサイズの人口統計データを所望のサイズの人口統計データに振り分けることができる。
【0063】
なお、上述の実施形態では、大きなメッシュサイズの人口統計データを小さなメッシュサイズの人口統計データに振り分ける例について説明をしたが、この逆であっても上述の実施形態を適用することができる。例えば、50mメッシュサイズ人口統計データを500mメッシュサイズ人口統計データや町丁目メッシュサイズ人口統計データに置き換えることも可能である。
【0064】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0065】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。
【要約】
【課題】大きな領域の人口統計データを小さな領域の人口統計データに細分化すること。
【解決手段】
情報処理装置であって、人口統計データ生成部を備えた。人口統計データ生成部は、まず、建物容積データに基づいて、第1メッシュサイズ人口統計データを第1メッシュサイズよりも小さい第2メッシュサイズに振り分ける。そして、人口統計データ生成部は、第1メッシュサイズ人口統計データから振り分けられた人口統計データに基づいて第2メッシュサイズ人口統計データを生成する。
【選択図】 図1
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9