(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記計量機器の仕様に基づいて定められた各々の動作条件の値が、最初の前記基準値として予め前記基準値記憶領域に記憶されているよう構成された、請求項1または2に記載の計量制御器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の計量機器をユーザへ納品し、据付ける時には、メーカから派遣された計量機器の調整員が動作条件の設定値を変更して調整を行う。その際、調整員は、計量機器の仕様に基づいて定められた各々の動作条件の設定値の表を準備しておき、調整後に、上記設定値の表を見て各設定値が適切な値(妥当な値)であるか否かの確認を行うようにしている。しかし、動作条件の設定値の個数が多いため、確認作業も大変であり、確認漏れが生じる場合がある。その場合、適切でない動作条件の設定値が存在していれば、それに基づいて計量機器の動作が行われることにより、誤計量等の問題が発生することがある。
【0006】
また、定期点検等の点検時には、メーカから派遣された計量機器の調整員が動作条件の設定値を変更して検査を行うことがある。その際、調整員は変更前の動作条件の設定値を例えば記録用紙に記録した後、動作条件の設定値を変更して検査を行い、その検査後に、上記記録用紙を見て変更前の動作条件の設定値に戻すようにしている。これは、点検前にはユーザにおいて、適切な動作条件の設定値が設定されているからである。しかし、動作条件の設定値の個数が多いため、検査後に、調整員が、ある動作条件の設定値を変更前の動作条件の設定値に戻すのを忘れて、全ての動作条件の設定値を変更前の値に戻すことが確実に行われない場合がある。その場合、点検後において、適切でない動作条件の設定値に基づいて計量機器の動作が行われることにより、誤計量等の問題が発生することがある。
【0007】
また、このような計量機器は、生産ラインに組み込まれることが多く、適切でない動作条件の設定値に基づいて動作が行われることにより、生産ライン全体が停止し、より大きな問題となることもある。
【0008】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、適切でない動作条件の設定値に基づいて計量機器の動作が行われるのを防止することができる計量制御器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある形態(aspect)に係る計量制御器は、被計量物の重量を計量する計量機器に備えられ、前記計量機器の動作を複数の動作条件の各々の設定値に基づいて制御する計量制御器であって、各々の前記動作条件の設定値が記憶される設定値記憶領域と、各々の前記動作条件について前記設定値の良否判定の目安となる基準値が記憶される基準値記憶領域と、前記設定値記憶領域に記憶されている前記動作条件の設定値を変更するための設定値変更手段と、各々の動作条件について前記設定値記憶領域に記憶されている前記設定値と前記基準値記憶領域に記憶されている前記基準値とが等しいか否かの判定を行う判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない前記動作条件を視認できるように画面に表示する表示手段とを備えている。
【0010】
この構成によれば、各々の動作条件についてその設定値の良否判定の目安となる基準値を基準値記憶領域に記憶しておき、判定手段が全ての動作条件の各々について設定値と基準値とが等しいか否かを判定し、この判定結果に基づいて表示手段が設定値と基準値とが等しくない動作条件を視認できるようにその画面に表示するようにしている。そのため、例えばメーカから派遣された計量機器の調整員が、動作条件の設定値を変更して計量機器の調整または検査を行った後に、判定手段を機能させることにより、調整員は、表示手段の画面を見て、設定値と基準値とが等しくない(異なる)動作条件を全て知ることができ、その設定値が適切な値(妥当な値)であるか否かを確認し、適切な値でない場合には適切な値に変更することができる。したがって、計量機器の調整または検査の後に、適切でない動作条件の設定値に基づいて計量機器の動作が行われるのを防止することができる。
【0011】
また、比較指令信号を前記判定手段へ入力するための第1の操作手段をさらに備え、前記判定手段は、前記比較指令信号の入力に応答して前記判定を行うよう構成されていてもよい。
【0012】
この構成によれば、第1の操作手段を操作することによって判定手段を機能させ、設定値と基準値とが等しくない動作条件を視認できるように表示手段の画面に表示させることができる。
【0013】
また、前記計量機器の仕様に基づいて定められた各々の動作条件の値が、最初の前記基準値として予め前記基準値記憶領域に記憶されているよう構成されていてもよい。
【0014】
この構成によれば、計量機器の仕様に基づいて定められた各々の動作条件の値が、最初の基準値として予め基準値記憶領域に記憶されているため、計量機器を出荷してユーザへの据付け時において、例えばメーカから派遣された計量機器の調整員が動作条件の設定値を変更ないし設定して計量機器の調整を行った後、判定手段を機能させることにより、調整員は、表示手段の画面を見て、設定値と基準値とが等しくない動作条件を全て知ることができ、その設定値が適切な値であるか否かを確認し、適切な値でない場合には適切な値に変更することができる。
【0015】
また、複写指令信号の入力に応答して、前記設定値記憶領域に記憶されている全ての前記動作条件の設定値を、前記基準値記憶領域に前記基準値として記憶させる複写手段と、前記複写指令信号を前記複写手段へ入力するための第2の操作手段とをさらに備えていてもよい。
【0016】
この構成によれば、定期点検等の点検を行う際に、例えばメーカから派遣された調整員が動作条件の設定値を変更して検査を行う場合に、設定値を変更する前に、まず、第2の操作手段を操作して複写手段を機能させ、全ての動作条件の設定値を基準値記憶領域に基準値として記憶させることにより、点検前に例えばユーザにおいて適切な動作条件として設定されている設定値を全て記憶することができ、従来のように記録用紙への記録が不要になる。そして、検査を行った後に、判定手段を機能させることにより、調整員は、表示手段の画面を見て、設定値と基準値とが等しくない動作条件を全て知ることができ、その設定値が適切な値であるか否かを確認し、適切な値でない場合には適切な値(例えば基準値と同じ値)に変更することができる。
【0017】
また、前記表示手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない動作条件について前記設定値と前記基準値とのうちの少なくとも前記設定値を画面に表示し、前記設定値と前記基準値とが等しい動作条件については前記設定値と前記基準値とを表示しないよう構成されていてもよい。
【0018】
この構成によれば、値が等しい設定値と基準値とを表示しないよう構成されているので、設定値と基準値との値が異なる動作条件を容易に認識することができる。
【0019】
また、前記表示手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない動作条件について前記設定値と前記基準値との両方を画面に表示するよう構成されていてもよい。
【0020】
この構成によれば、値が異なる設定値と基準値との両方を表示することにより、設定値と基準値とがどの程度異なるか、あるいはどのように異なるかが一目瞭然である。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、以上に説明した構成を有し、適切でない動作条件の設定値に基づいて計量機器の動作が行われるのを防止することができる計量制御器を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0024】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態の計量制御器を備えた計量機器の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
本計量機器は、機器本体1と、機器本体1の動作を制御する計量制御器2とを備えている。本計量機器は、ホッパスケール、パッカスケール、コンベアスケール等の重量センサ(ロードセル)を用いた計量機器である。
図1中の円100内には、本計量機器が例えばホッパスケールの場合の機器本体1の一例が模式的に示されている。
【0026】
計量制御器2は、制御部3と操作表示器4とを備え、先に述べた設定値変更手段、判定手段、表示手段、第1,第2の操作手段及び複写手段等としても機能する。制御部3は、例えばマイクロコントローラ等によって構成され、CPU等からなる演算制御部5と、RAM及びROM等からなる記憶部6とを有している。演算制御部5は、そのCPUが記憶部6のROMに記憶されたCPUの実行プログラムを実行することにより、機器本体1の全体の動作制御を行う他、操作表示器4を制御する。また、演算制御部5は、接続インターフェース(図示せず)を介してUSBメモリ9を接続可能である。
【0027】
記憶部6には、全ての動作条件の各々の設定値を記憶する設定値記憶領域6aと、全ての動作条件の各々について設定値の良否判定の目安となる基準値を記憶する基準値記憶領域6bと、全ての動作条件について各々の動作条件の初期値を記憶する初期値記憶領域6cとを有している。
【0028】
ここで、動作条件の初期値とは、各々の動作条件について予め定められた所定の値であり、この計量制御器2を使用することが可能な計量機器全般において、標準的な値として予め定められた値である。
【0029】
また、この計量制御器2では、初期値記憶領域6cには全ての動作条件について前述の初期値が予め記憶されており、これらの初期値を変更する(書き換える)ことはできない。また、設定値記憶領域6aには、全ての動作条件について初期値と同じ値が最初の設定値として予め記憶されている。
【0030】
また、基準値記憶領域6bには、計量制御器2が実際に使用される本計量機器の仕様に基づいて定められた各々の動作条件の値(設計値)が、最初の基準値として予め記憶されている。この最初の基準値は、例えば、パソコン(図示せず)で作成され、そのパソコンからUSBメモリ9に記憶され、USBメモリ9から基準値記憶領域6bへコピーされて記憶される。USBメモリ9に代えて他の記憶媒体(例えばSDメモリーカード等)を用いてもよい。また、パソコン(図示せず)からUSBケーブル等を介して基準値記憶領域6bへコピーされるようにしてもよい。
【0031】
操作表示器4は、例えばタッチスクリーン式のディスプレイによって構成され、計量機器の動作条件の設定値の入力操作等を行うための入力部7と、計量値等を画面(ディスプレイ画面)に表示する表示部8とを備えている。なお、ここでは、入力部7と表示部8とが、操作表示器4(タッチスクリーン式のディスプレイ)として一体的に構成されているが、別々に設けられてあってもよい。
【0032】
また、制御部3の演算制御部5は、操作表示器4の入力部7からの信号を入力するとともに、操作表示器4の表示部8へ表示するデータ等の信号を出力する。
【0033】
計量制御器2では、制御部3が設定値記憶領域6aに記憶されている複数の動作条件の設定値に基づいて機器本体1を含む計量機器全体の動作を制御する。すなわち、設定値記憶領域6aに記憶されている動作条件の設定値に基づいて計量機器の動作が規定される。
【0034】
本計量機器が例えばホッパスケールの場合には、機器本体1は、例えば、円100内に示されるように、上方から供給される被計量物を一時保持し、排出ゲート12を開くことで排出可能なホッパ10と、ホッパ10を載荷支持する複数(例えば3〜4個)のロードセル11とを備えている。さらに、ホッパ10の上方にホッパ10へ被計量物を供給するための被計量物の貯蔵器(図示せず)が備えられている。各ロードセル11の出力信号は制御部3の演算制御部5に入力され、演算制御部5では、各ロードセル11の出力信号に基づいてホッパ10内の被計量物の重量を算出する。そして、制御部3では、例えば、貯蔵器の下部のゲートを開いて被計量物をホッパ10へ供給し、ホッパ10内の被計量物が所定重量に達したときに貯蔵器の下部のゲートを閉じてホッパ10内の被計量物の最終的な重量を算出後、所定のタイミングでホッパ10の排出ゲート12を開けて被計量物を排出した後、排出ゲート12を閉じるように制御する(通常の動作)。
【0035】
ここで、計量制御器2は、上述のように計量機器に通常の動作を行わせる計量モードと、計量機器の動作条件の設定及び変更等を行う設定モードとを有している。計量制御器2は、操作表示器4の操作によって計量モードと設定モードとを切り替えていずれか一方を選択することができるように構成されている。計量モードの場合には、上述の通常の動作が行われ、例えば、ロードセル11の出力信号に基づいて算出されるホッパ10内に保持されている被計量物の重量値等が表示部8の画面に表示される。
【0036】
図2(a)、(b)はそれぞれ、設定モードのときの操作表示器4の表示部8の表示画面の一例を示す図である。
図2(a)は、操作表示器4の表示部8において動作条件の設定値が表示された画面の一例である。
【0037】
設定モードが選択された場合、例えば、
図2(a)に示すように、表示部8の画面80には、複数の各々の動作条件についてその設定値が表示される。この計量機器の動作条件には、ひょう量、目量、単位、零点、スパン係数等の重量計測に関する項目を含め、多数の項目がある。なお、単位などのように動作条件(項目)によっては、設定値自体がその動作条件の値を示すものではないものもある。例えば、単位については、設定値「0」が「g(グラム)」を示し、設定値「1」が「kg(キログラム)」を示し、設定値「2」が「t(トン)」を示すというように予め定められている。
【0038】
この
図2(a)に示す画面80では、3つのタブ81〜83が画面上部に表示されており、各タブ81〜83をタッチするとそのタブに応じた内容が表示される。設定モードに切り替えられると、最初は、「設定」タブ81に応じた内容が表示される。例えば、「基準値比較」タブ82をタッチすると、
図2(b)に示すような内容が表示される。
【0039】
図2(a)に示す設定画面において、各々の設定値表示領域88には、設定値記憶領域6aに記憶されている各々の動作条件の設定値が表示されており、設定値表示領域88をタッチしてその設定値を変更することが可能である。例えば、任意の設定値表示領域88をタッチすると、変更後の設定値を入力するためのテンキー等が表示された小ウインドウが開き、その小ウインドウ内で所定の操作を行うことにより設定値を変更することができる。
【0040】
また、「基準値にコピー」キー87(第2の操作手段)をタッチすると、入力部7から制御部3の演算制御部5へ複写指令信号が入力される。これに応答して演算制御部5は、複写手段として機能し、設定値記憶領域6aに記憶されている全ての動作条件の設定値を、基準値記憶領域6bへ全ての動作条件の基準値として記憶させる。すなわち、基準値記憶領域6bに記憶されていた全ての動作条件の各々の基準値が、設定値と同じ値に書き換えられる。
【0041】
矢印キー85,86をタッチすると、表示内容を上下に移動(スクロール)させることができる。また、「戻る」キー84をタッチすると、前の画面、例えば、モード選択画面(図示せず)に戻る。
【0042】
本計量機器の出荷時には、計量制御器2の設定値記憶領域6aに、初期値記憶領域6cの各々の動作条件の初期値と同じ値が設定値として記憶されており、基準値記憶領域6bには、計量機器の仕様に基づいて定められた各々の動作条件の設計値が基準値として記憶されている。そして、計量機器をユーザへ納品して据付け時において、メーカから派遣された計量機器の調整員が設定値表示領域88をタッチして動作条件の設定値を変更して調整を行う。
【0043】
その調整後に、調整員は「基準値比較」タブ82(第1の操作手段)をタッチする。すると、入力部7から制御部3の演算制御部5へ基準値比較指令信号が入力される。これに応答して演算制御部5は、判定手段として機能し、各々の動作条件について設定値記憶領域6aに記憶されている設定値と基準値記憶領域6bに記憶されている基準値とを比較して両者が等しいか否かを判定する。そして、設定値と基準値とが等しくない動作条件がある場合には、その動作条件の項目名と設定値と基準値とを表示部8の画面80に表示させる。例えば
図2(b)に示す画面80では、スパン係数の設定値と基準値とが等しくないので、これらの値が項目名(スパン係数)とともに表示されている。この
図2(b)では、設定値と基準値とが等しくない動作条件が1つ(スパン係数)のみの場合を示しており、設定値と基準値とが等しくない動作条件が複数存在する場合には、それら全ての動作条件の各々について項目名と設定値と基準値とが表示される。
【0044】
調整員は、例えば
図2(b)に示す画面80を見て、スパン係数の設定値が基準値と等しくない(異なる)ことを知ることができ、その設定値が適切な値(妥当な値)であるか否かを確認し、適切な値でない場合には適切な値に変更することができる。ここで、基準値は、調整員が設定値の良否(設定値が適切な値か否か)を判定するための目安(基準)とすることができる。
【0045】
したがって、計量機器の据付け時において、全ての動作条件について設定値の良否の確認を容易かつ確実に行うことが可能となり、据付け後に、適切でない動作条件の設定値に基づいて計量機器の動作が行われるのを防止することができる。
【0046】
また、定期点検等の点検を行う際に、メーカから派遣された調整員が動作条件の設定値を変更して検査を行う場合には、設定値を変更する前に、まず、「基準値にコピー」キー87をタッチして、設定値記憶領域6aに記憶されている全ての動作条件の設定値を、基準値記憶領域6bへ全ての動作条件の基準値として記憶させる。これにより、点検前にユーザにおいて適切な動作条件として設定されている設定値を全て記憶することができ、従来のように記録用紙への記録が不要になる。その後で、前述のように設定値表示領域88をタッチしてその設定値を変更することができる。
【0047】
そして、検査終了後に、「基準値比較」タブ82をタッチする。すると、入力部7から制御部3へ基準値比較指令信号が入力される。これに応答して制御部3では、各々の動作条件について設定値記憶領域6aに記憶されている設定値と基準値記憶領域6bに記憶されている基準値とを比較して両者が等しいか否かを判定する。そして、設定値と基準値とが等しくない動作条件がある場合には、その動作条件について項目名と設定値と基準値とを表示部8の画面80に表示させる。例えば
図2(b)に示す画面80では、スパン係数の設定値と基準値とが等しくないので、これらの値が項目名(スパン係数)とともに表示されている。
【0048】
調整員は、例えば
図2(b)に示す画面80を見て、スパン係数の設定値が基準値と等しくない(異なる)ことを知ることができ、その設定値が適切な値(妥当な値)であるか否かを確認し、適切な値でない場合には適切な値(例えば基準値と同じ値)に変更することができる。ここでも、基準値は、調整員が設定値の良否(適切な値か否か)を判定するための目安とすることができる。
【0049】
したがって、定期点検等の点検時において、計量機器の動作条件の設定値を変更した際に、変更前の値への戻し忘れを防止することができ、点検後に、適切でない動作条件の設定値に基づいて計量機器の動作が行われるのを防止することができる。
【0050】
なお、動作条件の設定値の変更は、前述のように、
図2(a)に示す画面において、設定値表示領域88をタッチして行うことができるが、本実施形態では、さらに、
図2(b)に示す画面80において、
図2(a)に示す画面の設定値表示領域88の場合と同様、設定値が表示されている設定値表示領域89をタッチしてその設定値を変更することが可能である。また、設定値表示領域89をタッチしたときに開く小ウインドウには、変更後の設定値を入力するためのテンキー等に加えて、例えば「基準値」キーが表示されるようにし、この「基準値」キーをタッチすると、設定値が基準値と等しい値に変更されるようにしてもよい。
【0051】
本実施形態では、
図2(b)に示す画面において、値が異なる設定値と基準値との両方を表示することにより、設定値と基準値とがどの程度異なるか、あるいはどのように異なるかが一目瞭然である。しかし、設定値と基準値とのうちのいずれか一方、例えば設定値のみを表示させるようにしてもよい。その場合でも、例えばスパン係数の設定値が基準値と等しくない(異なる)ことを知ることができ、その設定値が適切な値(妥当な値)であるか否かを確認することができる。
【0052】
また、本実施形態では、
図2(b)に示すように、設定値と基準値とが等しい動作条件については、その動作条件の項目名を含め設定値と基準値とを表示部8の画面80に表示しないようにしているが、設定値と基準値とが異なるものを、設定値と基準値とが同じものと識別できるように表示すれば、全ての動作条件について各々の項目名とともに、設定値及び基準値、または設定値のみを表示するようにしてもよい。例えば、設定値と基準値とが異なるものを、設定値と基準値とが同じものと色を変えて表示し、色によって容易に識別できるようにしてもよい。また、項目名の代わりに、各項目を識別できるように各項目について予め付与された符号または番号等を表示するようにしてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、「初期値比較」タブ83をタッチすると、入力部7から制御部3へ初期値比較指令信号が入力される。これに応答して制御部3では、各々の動作条件について設定値記憶領域6aに記憶されている設定値と初期値記憶領域6cに記憶されている初期値とを比較して両者が等しいか否かを判定する。そして、設定値と初期値とが等しくない動作条件がある場合には、その動作条件の項目名と設定値と初期値とを表示部8の画面80に表示させる。この表示画面は、例えば、
図2(b)に示す画面80において、基準値の代わりに初期値が表示された画面となる。このように、値が異なる設定値と初期値との両方を表示することにより、設定値と初期値とがどの程度異なるか、あるいはどのように異なるかが一目瞭然である。しかし、設定値と初期値とのうちのいずれか一方、例えば設定値のみを表示させるようにしてもよい。その場合でも、例えばスパン係数の設定値が初期値と等しくない(異なる)ことを知ることができる。初期値は、前述のように、本計量制御器2を使用できる計量機器全般に対しての標準的な値であるので、設定値が初期値と異なるからといってその設定値が異常であるとは言えないが、設定値の良否を判定するための大まかな目安となることもある。
【0054】
また、ここでは、設定値と初期値とが等しい動作条件については、その動作条件の項目名を含め設定値と初期値とを表示部8の画面80に表示しないようにしているが、設定値と初期値とが異なるものを、設定値と初期値とが同じものと識別できるように表示すれば、全ての動作条件について各々の項目名とともに、設定値及び初期値、または設定値のみを表示するようにしてもよい。例えば、設定値と初期値とが異なるものを、設定値と初期値とが同じものと色を変えて表示し、色によって容易に識別できるようにしてもよい。また、項目名の代わりに、各項目を識別できるように各項目について予め付与された符号または番号等を表示するようにしてもよい。