特許第6226548号(P6226548)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6226548ヒートシンク、およびそれを備える照明器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226548
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】ヒートシンク、およびそれを備える照明器具
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/64 20100101AFI20171030BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20171030BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20171030BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20171030BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20171030BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   H01L33/64
   F21S8/02 430
   H01L33/00 H
   F21V23/00 150
   H05K7/20 E
   F21V19/00 450
   H05K7/20 B
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-94704(P2013-94704)
(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公開番号】特開2014-216575(P2014-216575A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 啓二
(72)【発明者】
【氏名】符阪 匡司
【審査官】 村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−104026(JP,A)
【文献】 特開2013−069879(JP,A)
【文献】 特開2011−154848(JP,A)
【文献】 特開2013−38430(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/010354(WO,A1)
【文献】 特開2012−227314(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0243852(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に発光素子を備えた光源体と、前記光源体の熱を発散させるヒートシンクと、を備える照明器具であって、
前記光源体は、前記基板の裏面が接した状態で前記ヒートシンクに取り付けられ、
前記ヒートシンクには、前記基板における少なくとも導電体と重なる部分に溝部が形成され
前記溝部は、該溝部を構成する外側面が前記基板の側面よりも外側に形成される
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記溝部は、前記基板の側面から前記外側面までの空間距離が雷サージによるリーク電流の発生を抑制できる距離よりも長くなるように形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
基板の表面に発光素子を備えた光源体と、前記光源体の熱を発散させるヒートシンクと、を備える照明器具であって、
前記光源体は、前記基板の裏面が接した状態で前記ヒートシンクに取り付けられ、
前記ヒートシンクには、前記基板における少なくとも導電体と重なる部分に溝部が形成され、
前記溝部は、該溝部を構成する内側面が前記基板の側面よりも内側に形成され、
前記溝部は、前記基板に設けられた導電体から前記内側面までの沿面距離が雷サージによるリーク電流の発生を抑制できる距離よりも長くなるように形成される、
ことを特徴とする照明器具。
【請求項4】
電気部品が実装された基板が取り付けられるヒートシンクであって、
前記基板が取り付けられる取付面を有し、
前記取付面には、前記基板における少なくとも導電体と重なる部分に溝部が形成され、
前記溝部は、該溝部を構成する外側面が前記基板の側面よりも外側に形成される、
ことを特徴とするヒートシンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシンク、およびそれを備える照明器具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板の表面に発光素子を備えた光源体が知られている(例えば特許文献1参照)。このような光源体は、LEDモジュールといわれ、照明器具などに用いられる。かかる照明器具は、ヒートシンクを介して光源体の熱を発散させる。LEDモジュールの一例として、基板上に発光ダイオードや配線パターンを形成したCOB(Chip on Board)型発光モジュール等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−51375号公報
【特許文献2】特開2013−65456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような照明器具は、雷サージによるリーク電流の発生を抑制できなければならない。具体的に説明すると、このような照明器具は、落雷によって大電圧がかかっても、基板からヒートシンクへの放電の発生を抑制できなければならない。そのため、従来の照明器具では、光源体とヒートシンクの間に絶縁シートを挟み込み、基板からヒートシンクへの放電の発生を抑制する構成としていた(例えば特許文献2参照)。しかし、コストの低減と生産性向上の観点から、絶縁シートを廃した照明器具が求められていた。本願に開示するヒートシンクは、簡易的な構成で、基板からの放電の発生を抑制できるヒートシンクを提供することを目的としている。本願に開示する照明器具は、簡易的な構成で、基板からヒートシンクへの放電の発生を抑制できる照明器具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願に開示する照明器具は、基板の表面に発光素子を備えた光源体と、前記光源体の熱を発散させるヒートシンクと、を備える照明器具であって、前記光源体は、前記基板の裏面が接した状態で前記ヒートシンクに取り付けられ、前記ヒートシンクには、前記基板における少なくとも導電体と重なる部分に溝部が形成され、前記溝部は、該溝部を構成する外側面が前記基板の側面よりも外側に形成されるものである。
【0006】
本願に開示する照明器具は、前記溝部は、前記基板の側面から前記外側面までの空間距離が雷サージによるリーク電流の発生を抑制できる距離よりも長くなるように形成されることが好ましい。
【0007】
本願に開示する照明器具において、基板の表面に発光素子を備えた光源体と、前記光源体の熱を発散させるヒートシンクと、を備える照明器具であって、前記光源体は、前記基板の裏面が接した状態で前記ヒートシンクに取り付けられ、前記ヒートシンクには、前記基板における少なくとも導電体と重なる部分に溝部が形成され、前記溝部は、該溝部を構成する内側面が前記基板の側面よりも内側に形成され、前記溝部は、前記基板に設けられた導電体から前記内側面までの沿面距離が雷サージによるリーク電流の発生を抑制できる距離よりも長くなるように形成されるものである。
【0008】
本願に開示するヒートシンクは、電気部品が実装された基板が取り付けられるヒートシンクであって、前記基板が取り付けられる取付面を有し、前記取付面には、前記基板における少なくとも導電体と重なる部分に溝部が形成され、前記溝部は、該溝部を構成する外側面が前記基板の側面よりも外側に形成されるものである。
【発明の効果】
【0009】
本願に開示するヒートシンクおよび照明器具によれば、簡易的な構成で、基板からヒートシンクへの放電の発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】照明器具100の構造を示す図。
図2図1における領域Raを拡大した図。
図3図2における矢印Xaの方向から見た図。
図4】ヒートシンクの斜視図。
図5】ヒートシンクの下面を示す平面図
図6図3におけるC1−C1断面およびC2−C2断面を示す図。
図7図6における矢印Xbおよび矢印Xcの方向から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、本発明の実施形態に係る照明器具100について簡単に説明する。照明器具100は、一例として、天井等に一部を埋め込んで取り付けられるダウンライトとして使用される。
【0012】
図1は、照明器具100の構造を示した図である。なお、重力方向に対して平行となる方向を「上下方向V」、重力方向に対して垂直となる方向を「水平方向H」と定義して図中に示す。
【0013】
照明器具100は、主に光源部1と、本体部2と、電源部3と、を含む。また、本実施形態に係る照明器具100は、ホルダ4を備えている。
【0014】
光源部1は、光源体11を備えている。本実施形態において、光源体11は、基板12の表面に発光素子13を形成したCOB型発光モジュールである。なお、光源体11は、COB型発光モジュールに限らず、LEDチップを基板表面上に実装したSMD(Surface mount device)型発光モジュールなど、少なくとも光源を備えていればその形態は限定されない。発光素子13は、LED(Light emitting diode)である。発光素子13が発する光は、セード14によって屈折され、リフレクタ15によって反射されて、任意の方向へ照射される。なお、本実施形態おける光源体11は、基板12上に二つの電極12A・12Cが設けられている(図6図7参照)。電極12Aは、いわゆるアノードであり、回路12Acを介して発光素子13と接続されている(図7参照)。電極12Cは、いわゆるカソードであり、回路12Ccを介して発光素子13と接続されている(図7参照)。これらの導電体(電極12A・12Cおよび回路12Ac・12Cc)は、矩形状である基板12の外周縁の近傍に配置されている。電極12A・12Cは、基板12の対向する角部の近傍に配置されている。但し、導電体の配置などについて限定するものではない。
【0015】
本体部2は、ヒートシンク21を備えている。本実施形態において、ヒートシンク21は、ケース21Cに複数のフィン21Fが形成された鋳造部品である。ヒートシンク21は、放熱効率を向上させるために熱伝導性の高いアルミニウム合金(例えばADC12)で形成されている。なお、ヒートシンク21の材料は、熱伝導性が高ければアルミニウムに限定されない。光源体11が発する熱は、ヒートシンク21へ伝達されて空気中へ発散される。なお、本実施形態におけるヒートシンク21は、フィン21Fの側方部にブラケット21Bが形成されている。ブラケット21Bは、電源部3を支持するものであり、電気線34・35を通す通路21Bpが設けられている。
【0016】
電源部3は、電源装置31を備えている。本実施形態において、電源装置31は、電源回路や調光回路などを構成する電気部品と、電気部品とが実装された基板32と、を備える。電源回路は、商用電源から得られた交流電流を直流電流に変換する。調光回路は、電流の振幅または位相を制御して電流量を調節する。電源装置31が発する熱は、電源ボックス33へ伝達されて空気中へ発散される。また、一部の熱は、電源ボックス33からヒートシンク21へ伝達されて空気中へ発散される場合がある。なお、本実施形態における電源装置31は、電気線34・35を介してホルダ4と接続されている。ホルダ4は、光源体11を保持するとともに、上述した電極12A・12Cと電気線34・35を接続する。
【0017】
以下に、ヒートシンク21の詳細な構造について説明する。
【0018】
図2は、図1における領域Raを拡大した図である。図3は、図2における矢印Xaの方向から見た図である。図4は、ヒートシンク21の斜視図である。図5は、ヒートシンク21の下面を示す平面図である。
【0019】
ヒートシンク21には、収容部21sが設けられている。収容部21sは、平面21Rを略円筒形状の壁で囲んだ構造となっている。なお、上述したホルダ4は、平面21Rに取り付けられるので、この平面21Rを「取付面21A」と定義する。なお、平面21Rを囲んでいる壁の形状を略円筒形状としたが、この形状は一例である。
【0020】
取付面21Aは、水平方向Hに対して平行に形成されている。取付面21Aには、ネジ孔(図示せず)が上下方向Vに対して平行に設けられている。また、ホルダ4には、ネジ孔と重なる位置に貫通孔(図示せず)が設けられている。このため、ホルダ4は、貫通孔を介したネジ4Sによって取付面21Aに固定されることとなる。なお、ホルダ4には、光源体11を保持するために、該光源体11を構成する基板12の形状に合わせて凹部4dが形成されている。このため、光源体11は、凹部4dに嵌め込まれた状態で取付面21Aに固定されることとなる。つまり、光源体11は、基板12の裏面12bの少なくとも一部が取付面21Aに接した状態で、ヒートシンク21に取り付けられるのである(図6参照)。
【0021】
更に、取付面21Aには、基板12の一部と重なる位置に溝部21d・21dが形成されている。つまり、ヒートシンク21には、基板12の裏面12bの一部と重なる部分に局所的に溝部21d・21dが形成されている。このように、本実施形態に係る照明器具100は、基板12の裏面12bの一部と重なる部分に局所的に溝部21d・21dを設けたことを特徴の一つとしている。以下に、溝部21d・21dを設けたことによる技術的な効果について説明する。なお、本実施形態における2つの溝部21d・21dは、互いに独立している。また、「局所的」とは、取付面21Aにおける基板12と重なる一部分を指している。本実施形態で「局所的」とは、少なくとも導電体(電極12A・12Cおよび回路12Ac・12Cc)と重なる位置を指しているが、基板12における導電体以外の部分が多少含まれていてもよい。なお、溝部21dを光源体11の外周縁部の全てに重なる位置に形成した場合、本実施形態の構成に比して基板12とヒートシンク21との接触面積が狭くなり、本実施形態の構成に比して光源体11の放熱性が低くなる。本実施形態は、光源体11の高い放熱性を確保しつつ、光源体11からヒートシンク21への放電を抑制するために、溝部21dを局所的に形成している。
【0022】
本実施形態において、溝部21d・21dは、基板12の形状に倣って形成されている。具体的に説明すると、溝部21d・21dは、平面視したときの形状が、矩形状である基板12の形状に合わせて直角に曲がった鉤状に形成されている(図4図5参照)。また、溝部21d・21dは、基板12に設けられた導電体(電極12A・12Cおよび回路12Ac・12Cc)と重なる位置に形成されている(図6図7参照)。
【0023】
このように、光源体11は、基板12の裏面12bが取付面21Aに接した状態で、ヒートシンク21に取り付けられている。また、ヒートシンク21には、基板12の裏面12bの一部と重なる部分に局所的に溝部21d・21dが形成されている。これにより、本照明器具100は、基板12の導電体(電極12A・12Cおよび回路12Ac・12Cc)を構成する部分とヒートシンク21との間に空間を設けることができるので、基板12からヒートシンク21への放電の発生を抑制することが可能となる。特に、基板12の導電体(電極12A・12Cおよび回路12Ac・12Cc)に過電流が流れた際に、導電体からヒートシンク21へ放電が発生することを抑制することができる。また、本照明器具100は、絶縁シートを必要としない構造であるので、光源体11の熱を効率よくヒートシンク21へ伝達させることも可能となる。
【0024】
本実施形態の技術的思想は、基板12の導電体(電極12A・12Cおよび回路12Ac・12Cc)を構成する部分とヒートシンク21との間に空間を設け、基板12からヒートシンク21への放電の発生を抑制する点にある。即ち、溝部21dの形状および位置は、少なくとも基板12の導電体(電極12A・12Cおよび回路12Ac・12Cc)に重なる形状および位置であれば、基板12からヒートシンク21への放電の発生を抑制することができる。従って、溝部21d・21dの位置や形状は、導電体の配置などによって適宜変更することが可能であり、本実施形態の態様に限定するものではない。
【0025】
また、本実施形態では、溝部21dは、基板12に局所的に形成したことを、特徴の一つとしている。具体的には、溝部21dは、基板12における少なくとも導電体に重なる位置に形成されている。このような構成とすることで、導電体とヒートシンク21との間に空間を形成することができ、導電体からヒートシンク21への放電を抑制することができる。また、基板12とヒートシンク21との接触面積を極力大きく確保することができるので、光源体11の放熱性を確保することができる。
【0026】
なお、仮に、溝部21dを光源体11の外周縁部の全てに重なる位置に形成した場合、本実施形態の構成に比して基板12とヒートシンク21との接触面積が狭くなり、本実施形態の構成に比して光源体11の放熱性が低くなる。光源体11の放熱性が低いと、光源体11を点灯させた際に光源体11自身が発生する温度が高温に達する場合がある。光源体11が高温になると、光が弱くなったり、発光素子の寿命が短くなったり、発光素子が破損したりする可能性が高くなる。このような構成において放熱性を確保しようとすると、例えば基板12とヒートシンク21との間に絶縁シート(熱は伝達するが、電気は絶縁するシート)を挟む構成が考えられるが、部品点数が増加し、コストアップや組立工数増加などのデメリットが生じうる。
【0027】
これに対して、本実施形態は、溝部21dを局所的に形成しているため、基板12とヒートシンク21との接触面積を極力大きく確保することができるため、絶縁シートを用いずに光源体11の放熱性を確保することができる。したがって、光源体11の温度上昇を抑制することができるので、発光素子が発する光が弱くなることを抑制したり、発光素子の寿命が短くなることを抑制したり、発光素子の破損を抑制したりすることができる。また、本実施形態は、溝部21dを局所的に形成しているため、光源体11からヒートシンク21への放電を抑制することができる。また、ヒートシンク21は、取付面21Aにおける少なくとも基板12が接する領域(溝部21dを除く)が、平滑化処理された構成とすることが好ましい。このような構成とすることで、基板12の裏面と取付面21Aとの接触面積が大きくなり、光源体11が発生する熱を効率良くヒートシンク21へ伝えることができる。
【0028】
次に、本実施形態における溝部21d・21dの形状を具体的に特定し、それによる技術的な効果について説明する。
【0029】
図6は、図3におけるC1−C1断面およびC2−C2断面を示す図である。図7は、図6における矢印Xbおよび矢印Xcの方向から見た図である。
【0030】
上述したように、溝部21d・21dは、平面視したときの形状が、矩形状である基板12の形状に合わせて直角に曲がった鉤状に形成されている。即ち、溝部21d・21dは、基板12が取り付けられる領域の周囲の一部に形成されている。従って、溝部21d・21dを構成する内側の壁面を「内側面21iw」、溝部21d・21dを構成する外側の壁面を「外側面21ow」と定義する。また、内側面21iwと外側面21owに交わる壁面を「底側面21bw」と定義する。
【0031】
本実施形態において、内側面21iwは、取り付けられた光源体11の基板12に対して交わる位置に設けられている。つまり、溝部21d・21dは、該溝部21d・21dを構成する内側面21iwが基板12の側面12sよりも、取付面21Aの面方向の内側に形成されているのである。
【0032】
このような形状とすることで、基板12は、該基板12の一部が溝部21d・21dの一部を覆う位置に固定されることとなる。詳細に説明すると、基板12の導電体(電極12A・12Cおよび回路12Ac・12Cc)と重なる位置に溝部21d・21dが形成されていることから、基板12は、導電体が設けられた部分が溝部21d・21dを覆う位置に固定されるのである。
【0033】
このように、溝部21d・21dは、該溝部21d・21dを構成する内側面21iwが基板12の側面12sよりも、取付面21Aの面方向の内側に形成されている。これにより、本照明器具100は、基板12に設けられた導電体(電極12A・12Cおよび回路12Ac・12Cc)から内側面21iwまでの沿面距離Dxを確保できるので、基板12からヒートシンク21への放電の発生を抑制することが可能となる。
【0034】
なお、本照明器具100において、溝部21d・21dは、基板12に設けられた導電体(電極12A・12Cおよび回路12Ac・12Cc)から内側面21iwまでの沿面距離Dxが所定の値よりも長く形成されている。「所定の値」は、雷サージ試験における印加電圧に応じて定めることができる。例えば印加電圧を4kVとした場合は、沿面距離Dxを4mm以上とし、印加電圧を6kVとした場合は、沿面距離Dxを6mm以上とすることができる。これは、印加電圧が1kV増す毎に沿面距離Dxを1mm長くする関係となっているが、この印加電圧と沿面距離Dxとの関係は一例である。
【0035】
また、本実施形態において、外側面21owは、取り付けられた光源体11の基板12に対して、平面視したときに交わらない位置に設けられている。つまり、溝部21d・21dは、該溝部21d・21dを構成する外側面21owが基板12の側面12sよりも、取付面21Aの面方向の外側に形成されているのである。
【0036】
このような形状とすることで、基板12は、周囲の一部に溝部21d・21dが形成された領域に固定されることとなる。詳細に説明すると、基板12の形状に倣って溝部21d・21dが形成されていることから、基板12は、周囲の一部に溝部21d・21dが形成された内側の領域に固定されるのである。
【0037】
このように、溝部21d・21dは、該溝部21d・21dを構成する外側面21owが基板12の側面12sよりも、取付面21Aの面方向の外側に形成されている。これにより、本照明器具100は、基板12の側面12sから外側面21owまでの空間距離Dyを確保できるので、基板12からヒートシンク21への放電の発生を抑制することが可能となる。詳細に説明すると、本照明器具100は、基板12の側面12sから取付面21Aと外側面21owで形成される角部分までの空間距離Dyを確保できるので、基板12からヒートシンク21への放電の発生を抑制することが可能となる。
【0038】
なお、本照明器具100において、溝部21d・21dは、基板12の側面12sから外側面21ow(取付面21Aと外側面21owで形成される角部分)までの空間距離Dyが所定の値よりも長くなるように形成されている。「所定の値」は、雷サージ試験における印加電圧に応じて定めることができる。例えば印加電圧を4kVとした場合は、空間距離Dyを4mm以上とし、印加電圧を6kVとした場合は、空間距離Dyを6mm以上とすることができる。これは、印加電圧が1kV増す毎に空間距離Dyを1mm長くする関係となっているが、この印加電圧と空間距離Dyとの関係は一例である。
【0039】
更に、本実施形態において、底側面21bwは、取り付けられた光源体11の基板12に対して平行に設けられている。つまり、溝部21d・21dは、該溝部21d・21dを構成する底側面21bwが基板12の裏面12bに対して平行に形成されているのである。
【0040】
このような形状とすることで、基板12は、溝部21d・21dを構成する底側面21bwに対して平行に固定されることとなる。詳細に説明すると、基板12の裏面12bは平らに形成されていることから、基板12は、溝部21d・21dを構成する底側面21bwに対して平行に固定されるのである。
【0041】
このように、溝部21d・21dは、該溝部21d・21dを構成する底側面21bwが基板12の裏面12bに対して平行に形成されている。これにより、本照明器具100は、基板12の裏面12bから底側面21bwまでの空間距離Dzが一定となるので、基板12からヒートシンク21への放電の発生を抑制することが可能となる。詳細に説明すると、本照明器具100は、基板12の裏面12bから底側面21bwまでの空間距離Dzが変わらずに電界集中が生じないので、基板12からヒートシンク21への放電の発生を抑制することが可能となる。
【0042】
すなわち、本願に開示する照明器具100は、基板12の表面に発光素子13を備えた光源体11と、前記光源体11の熱を発散させるヒートシンク21と、を備える照明器具100であって、前記光源体11は、前記基板12の裏面12bが接した状態で前記ヒートシンク21に取り付けられ、前記ヒートシンク21には、前記基板12における少なくとも導電体と重なる部分に溝部21d・21dが形成され、前記溝部21d・21dは、該溝部21d・21dを構成する底側面21bwが前記基板12の裏面12bに対して平行に形成され、前記溝部21d・21dは、前記基板12の裏面12bから前記底側面21bwまでの空間距離Dzが雷サージによるリーク電流の発生を抑制できる距離よりも長くなるように形成されるものである。
【0043】
なお、本照明器具100において、溝部21d・21dは、基板12の裏面12bから底側面21bwまでの空間距離Dzが所定の値よりも長く形成されている。「所定の値」は、雷サージ試験における印加電圧に応じて定めることができる。例えば印加電圧を4kVとした場合は、空間距離Dzを4mm以上とし、印加電圧を6kVとした場合は、空間距離Dzを6mm以上とすることができる。これは、印加電圧が1kV増す毎に空間距離Dzを1mm長くする関係となっているが、この印加電圧と空間距離Dzとの関係は一例である。
【0044】
次に、本照明器具100の他の特徴点について説明する。
【0045】
上述したように、本照明器具100は、基板12の裏面12bと重なる部分に局所的に溝部21d・21dを設けたことを特徴としている。これは、基板12からヒートシンク21への放電の発生を抑制することを目的としている。すると、溝部21d・21dに対する基板12の相対位置や相対角度、即ち、光源体11の取り付け位置や取り付け角度が重要となる。このため、本照明器具100は、取付面21Aに複数の凸起21Pを設け(図3図4図5参照)、ホルダ4を所定の位置および所定の角度で取り付け可能としている。
【0046】
本照明器具100において、凸起21Pは、所定の位置および所定の角度に取り付けられたホルダ4の外形に沿うように設けられている。従って、ホルダ4は、全ての凸起21Pに接するように固定されると、必然的に所定の位置および所定の角度に取り付けられることとなる。但し、凸起21Pの配置や形状について限定するものではない。なお、本実施形態は、照明器具に用いることができるヒートシンクについて説明したが、用途は照明器具に限らない。本発明にかかるヒートシンクは、少なくとも電気部品が実装された基板が取り付けられ、電気部品または基板が発生する熱を発散させることができればよい。
【符号の説明】
【0047】
100 照明器具
1 光源部
11 光源体
12 基板
12b 裏面
12s 側面
12A 電極
12Ac 回路
12C 電極
12Cc 回路
13 発光素子
2 本体部
21 ヒートシンク
21d 溝部
21iw 内側面
21ow 外側面
21bw 底側面
3 電源部
31 電源装置
4 ホルダ
Dx 沿面距離
Dy 空間距離
Dz 空間距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7