特許第6226554号(P6226554)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226554
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】ヘルメット
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/08 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   A42B3/08
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-100840(P2013-100840)
(22)【出願日】2013年5月13日
(65)【公開番号】特開2014-221947(P2014-221947A)
(43)【公開日】2014年11月27日
【審査請求日】2016年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000149930
【氏名又は名称】株式会社谷沢製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 幸史
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 薫
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05940891(US,A)
【文献】 特開2003−049316(JP,A)
【文献】 実開平03−070224(JP,U)
【文献】 実開平02−090625(JP,U)
【文献】 特開2001−104364(JP,A)
【文献】 特開2008−150744(JP,A)
【文献】 特開2010−180518(JP,A)
【文献】 特開平06−033302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B 3/00−3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帽体と、前記帽体内に装着される内装と、前記内装よりも更に頭部側に配置されるハンモックと、前記帽体の両側部から装着者側に延出させたあご紐とを有するヘルメットであって、
前記帽体の後頭部側内面に、一対の保持部材を設け、
それぞれの前記保持部材には、バンド用開口が形成され、
前記バンド用開口に、ゴーグル用バンドを挿通することで、ゴーグルを装着することを特徴とするヘルメット。
【請求項2】
前記帽体の内面には、凸状係合部が形成され、
前記保持部材には、係合用開口が形成され、
前記係合用開口に、前記凸状係合部を係合することで、前記保持部材を前記帽体の前記後頭部側内面に装着することを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
【請求項3】
前記保持部材には、あご紐用開口が形成され、
前記あご紐用開口に、前記あご紐の端部を装着することで、前記あご紐を前記帽体の前記後頭部側内面に装着することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘルメット。
【請求項4】
前記バンド用開口を、前記ゴーグル用バンドの幅よりも長い長孔で形成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項5】
前記係合用開口を長孔で形成したことを特徴とする請求項2、又は請求項2を引用する請求項3若しくは請求項4のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項6】
前記バンド用開口を第1のバンド用開口と第2のバンド用開口とで構成し、
前記第1のバンド用開口の一端と、前記第2のバンド用開口の一端とを連接孔でつないだことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項7】
前記保持部材に舌部を形成し、前記舌部を折り畳むことで、前記舌部が前記連接孔に重なることを特徴とする請求項6に記載のヘルメット。
【請求項8】
前記帽体の内面に、前記保持部材を形成したことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
【請求項9】
前記保持部材を第1の保持部材と第2の保持部材とで構成し、
前記第1の保持部材に第1のバンド用開口を形成し、
前記第2の保持部材に第2のバンド用開口を形成したことを特徴とする請求項8に記載のヘルメット。
【請求項10】
前記第1のバンド用開口の端部に、前記第1の保持部材の端部に繋がる第1のスリットを形成し、
前記第2のバンド用開口の端部に、前記第2の保持部材の端部に繋がる第2のスリットを形成したことを特徴とする請求項9に記載のヘルメット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴーグルを装着可能なヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘルメットを使用する現場によっては、例えば粉塵などの影響から眼を守るためにゴーグルを使用することがある。
特許文献1では、使用時の装着操作が容易なゴーグル付きヘルメットを提案している。
このゴーグル付きヘルメットは、作業用ヘルメットと両側端部にそれぞれ弾性バンドの一端が付設されたゴーグルとからなる。作業用ヘルメットの帽体外面の両側部に2つの係止部が対称に設けられ、弾性バンドの他端部分は、係止部にそれぞれ係止されるものである。
図11にヘルメットとゴーグルとを同時装着した状態のヘルメットの底面図を示す。
ヘルメット110は、帽体111と、この帽体111の内部に設けられた衝撃吸収用の内装と、この内装よりも更に頭部側に配置されるハンモックと、装着者の頭部周囲を囲繞するヘッドバンド114と、帽体111の両側部から装着者側に延出させたあご紐とを備えている。
ヘルメット110に装着するゴーグル120は、めがね部121とゴーグル用バンド122とからなる。ゴーグル用バンド122の一端はめがね部121の一端に、ゴーグル用バンド122の他端はめがね部121の他端に設けている。
図11に示すように、ゴーグルバンド122は、帽体111の外面に沿わせるため、めがね部121を顔面に押し付けるだけで、装着者の顔面から離れてしまう。
特許文献1では、作業用ヘルメットの帽体外面に弾性バンドを取り付けるものではあるが、弾性バンドは、ゴーグルを顔面に押し付けるだけで、装着者の顔面から離れてしまう点においては図11に示す状態と変わらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−239916号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、帽体外面に弾性バンドを配置すると、弾性バンドが装着者の顔面から離れてしまい、ゴーグルのフィット感が失われるため、好ましくない。
【0005】
そこで本発明は、ゴーグル用バンドが装着者の顔面に密着することによるゴーグル使用時のフィット感が高く、ヘルメットを装着した状態でのゴーグルの脱着が容易なヘルメットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明のヘルメットは、帽体と、前記帽体内に装着される内装と、前記内装よりも更に頭部側に配置されるハンモックと、前記帽体の両側部から装着者側に延出させたあご紐とを有するヘルメットであって、前記帽体の後頭部側内面に、一対の保持部材を設け、それぞれの前記保持部材には、バンド用開口が形成され、前記バンド用開口に、ゴーグル用バンドを挿通することで、ゴーグルを装着することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のヘルメットにおいて、前記帽体の内面には、凸状係合部が形成され、前記保持部材には、係合用開口が形成され、前記係合用開口に、前記凸状係合部を係合することで、前記保持部材を前記帽体の前記後頭部側内面に装着することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のヘルメットにおいて、前記保持部材には、あご紐用開口が形成され、前記あご紐用開口に、前記あご紐の端部を装着することで、前記あご紐を前記帽体の前記後頭部側内面に装着することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のヘルメットにおいて、前記バンド用開口を、前記ゴーグル用バンドの幅よりも長い長孔で形成したことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項2、又は請求項2を引用する請求項3若しくは請求項4のいずれかに記載のヘルメットにおいて、前記係合用開口を長孔で形成したことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のヘルメットにおいて、前記バンド用開口を第1のバンド用開口と第2のバンド用開口とで構成し、前記第1のバンド用開口の一端と、前記第2のバンド用開口の一端とを連接孔でつないだことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項6に記載のヘルメットにおいて、前記保持部材に舌部を形成し、前記舌部を折り畳むことで、前記舌部が前記連接孔に重なることを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1に記載のヘルメットにおいて、前記帽体の内面に、前記保持部材を形成したことを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項8に記載のヘルメットにおいて、前記保持部材を第1の保持部材と第2の保持部材とで構成し、前記第1の保持部材に第1のバンド用開口を形成し、前記第2の保持部材に第2のバンド用開口を形成したことを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項9に記載のヘルメットにおいて、前記第1のバンド用開口の端部に、前記第1の保持部材の端部に繋がる第1のスリットを形成し、前記第2のバンド用開口の端部に、前記第2の保持部材の端部に繋がる第2のスリットを形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、保持部材からめがね部に至るゴーグル用バンドが装着者の顔面に密着するため、ゴーグル使用時のフィット感が高く、ヘルメットを装着した状態でのゴーグルの脱着が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例によるヘルメットの内部構造図
図2】同ヘルメットの底面図
図3】本発明の他の実施例によるヘルメットの保持部材を示す斜視図
図4】同保持部材にゴーグル用バンドを取り付けて帽体に装着した状態を示す斜視図
図5】本発明の更に他の実施例によるヘルメットの保持部材を示す斜視図
図6】本発明の更に他の実施例によるヘルメットの保持部材を示す斜視図
図7】同保持部材にゴーグル用バンドを取り付けて帽体に装着した状態を示す斜視図
図8】本発明の更に他の実施例によるヘルメットの保持部材を示す斜視図
図9】本発明の更に他の実施例によるヘルメットの保持部材を示す斜視図
図10】本発明の更に他の実施例によるヘルメットの保持部材を示す斜視図
図11】従来のヘルメットとゴーグルとを同時装着した状態を示すヘルメットの底面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態によるヘルメットは、帽体の後頭部側内面に、一対の保持部材を設け、それぞれの保持部材には、バンド用開口が形成され、バンド用開口に、ゴーグル用バンドを挿通することで、ゴーグルを装着するものである。本実施の形態によれば、ゴーグル用バンドを帽体の後頭部側内面に設けた一対の保持部材によって装着でき、その結果として保持部材からめがね部に至るゴーグル用バンドが装着者の顔面に密着するため、ゴーグル使用時のフィット感が高く、めがね部と保持部材との間を長くできることで、ゴーグル用バンドの自由度が高いため、ヘルメットを装着した状態でのゴーグルの脱着が容易である。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるヘルメットにおいて、帽体の内面には、凸状係合部が形成され、保持部材には、係合用開口が形成され、係合用開口に、凸状係合部を係合することで、保持部材を帽体の後頭部側内面に装着するものである。本実施の形態によれば、保持部材を帽体に対して脱着できるため、ゴーグル使用時に保持部材を用いてゴーグルを装着することができる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態によるヘルメットにおいて、保持部材には、あご紐用開口が形成され、あご紐用開口に、あご紐の端部を装着することで、あご紐を帽体の後頭部側内面に装着するものである。本実施の形態によれば、保持部材をあご紐の装着に用いることができる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3の実施の形態によるヘルメットにおいて、バンド用開口をゴーグル用バンドの幅よりも長い長孔で形成したものである。本実施の形態によれば、長孔によってゴーグル用バンドが保持部材に対して角度を持って装着できるため、装着時のフィット感が高く、ヘルメットを装着した状態でのゴーグルの脱着が容易である。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第2の実施の形態、又は第2の実施の形態を引用する第3若しくは第4の実施の形態によるヘルメットにおいて、係合用開口を長孔で形成したものである。本実施の形態によれば、凸状係合部の位置の異なるヘルメットにも対応できる。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5の実施の形態によるヘルメットにおいて、バンド用開口を第1のバンド用開口と第2のバンド用開口とで構成し、第1のバンド用開口の一端と、第2のバンド用開口の一端とを連接孔でつないだものである。本実施の形態によれば、ゴーグル用バンドの装着を容易に行うことができる。
【0015】
本発明の第7の実施の形態は、第6の実施の形態によるヘルメットにおいて、保持部材に舌部を形成し、前記舌部を折り畳むことで、前記舌部が前記連接孔に重なるものである。本実施の形態によれば、ゴーグル用バンドの保持部材からの離脱を防止することができる。
【0016】
本発明の第8の実施の形態は、第1の実施の形態によるヘルメットにおいて、帽体の内面に、保持部材を形成したものである。本実施の形態によれば、保持部材を帽体と一体成形で製作することができる。
【0017】
本発明の第9の実施の形態は、第8の実施の形態によるヘルメットにおいて、保持部材を第1の保持部材と第2の保持部材とで構成し、第1の保持部材に第1のバンド用開口を形成し、第2の保持部材に第2のバンド用開口を形成したものである。本実施の形態によれば、帽体へのゴーグル用バンドの装着性を高めることができる。
【0018】
本発明の第10の実施の形態は、第9の実施の形態によるヘルメットにおいて、第1のバンド用開口の端部に、第1の保持部材の端部に繋がる第1のスリットを形成し、第2のバンド用開口の端部に、第2の保持部材の端部に繋がる第2のスリットを形成したものである。本実施の形態によれば、ゴーグル用バンドの装着を容易に行うことができる。
【実施例】
【0019】
以下本発明の実施例について図面とともに詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施例によるヘルメットの内部構造図、図2は同ヘルメットの底面図である。
ヘルメット10は、帽体11と、この帽体11の内部に設けられた衝撃吸収用の内装12と、この内装12よりも更に頭部側に配置されるハンモック13と、装着者の頭部周囲を囲繞するヘッドバンド14と、帽体11の両側部から装着者側に延出させたあご紐15とを備えている。ヘッドバンド14には、装着者の頭部に合わせて変更できるサイズ調整機能を備えており、このサイズ調整機能は、頭部側に配置されていることが好ましい。
ヘルメット10に装着するゴーグル20は、めがね部21とゴーグル用バンド22とからなる。ゴーグル用バンド22の一端はめがね部21の一端に、ゴーグル用バンド22の他端はめがね部21の他端に設けている。
【0020】
ヘルメット10は、帽体11の後頭部側内面に、一対の保持部材30を設けている。
それぞれの保持部材30には、バンド用開口31が形成され、バンド用開口31に、ゴーグル用バンド22を挿通することで、ゴーグル20を装着する。
バンド用開口31は、ゴーグル用バンド22の幅よりも長い長孔で形成している。バンド用開口31を長孔とすることで、ゴーグル用バンド22が保持部材30に対して角度を持って装着できるため、装着時のフィット感が高く、ヘルメット10を装着した状態でのゴーグル20の脱着が容易である。
バンド用開口31は、第1のバンド用開口31aと第2のバンド用開口31bとで構成している。第1のバンド用開口31aと第2のバンド用開口31bとは平行に形成している。
【0021】
本実施例では、帽体11の内面には、凸状係合部16が形成されている。ハンモック13は、凸状係合部16によって帽体11に装着される。なお、凸状係合部16によってヘッドバンド14を帽体11に装着することもできる。
保持部材30には、一対の係合用開口32が形成されている。一対の係合用開口32は、バンド用開口31を挟んで形成されている。それぞれの係合用開口32は、帽体11の端部外周に沿う方向の長孔で形成されている。
係合用開口32を長孔で形成することで、凸状係合部16の位置の異なるヘルメット10にも対応できる。
係合用開口32には、凸状係合部16が係合される。凸状係合部16に係合用開口32を係合することで、保持部材30を帽体11の後頭部側内面に装着することができる。保持部材30を帽体11に対して脱着できるため、ゴーグル20使用時に保持部材30を用いてゴーグル20を装着することができる。
ここで、図2(a)と図11とを比較して、ゴーグル用バンド22が装着者の顔面に密着することによるゴーグル使用時のフィット感の相違について説明する。
図2(a)では、ゴーグル用バンド22を帽体11の後頭部側内面に設けた一対の保持部材30によって装着しているため、保持部材30からめがね部21に至るゴーグル用バンド22は、帽体11の内側にあるために、装着者の顔面に沿って密着する。
これに対して、図11では、ゴーグルバンド122は、帽体111の外面に沿わせるため、めがね部121を顔面に押し付けるだけで、装着者の顔面に沿うことはない。
このように本実施例によれば、保持部材30からめがね部21に至るゴーグル用バンド22が装着者の顔面に沿って密着するため、ゴーグル使用時のフィット感が高い。また、めがね部21と保持部材30との間を長くできることで、ゴーグル用バンド22の自由度が高く、ヘルメット10を装着した状態でのゴーグル20の脱着も容易に行うことができる。
【0022】
図3は本発明の第2の実施例による保持部材を示す斜視図、図4は同保持部材にゴーグル用バンドを取り付けて帽体に装着した状態を示す斜視図である。なお、ヘルメットの構成については第1の実施例と同一であるので説明を省略する。また、同一機能部材については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による保持部材30には、あご紐用開口33が形成されている。あご紐用開口33に、あご紐15の端部を装着することで、あご紐15を帽体11の後頭部側内面に装着することができる。本実施例によれば、保持部材30をあご紐15の装着に用いることができる。
【0023】
図5は本発明の第3の実施例による保持部材を示す斜視図である。なお、ヘルメットの構成については第1の実施例と同一であるので説明を省略する。また、同一機能部材については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による保持部材30は、バンド用開口31を、2本の平行なスリット31cで形成している。それぞれのスリット31cの両端には、小孔31dを形成している。
バンド用開口31をスリット31cで形成することで、ゴーグル用バンド22の保持力を高めることができる。また、スリット31cの両端に小孔31dを形成することで、スリット31cの変形量を大きくでき、ゴーグル用バンド22を装着しやすい。
【0024】
図6は本発明の第4の実施例による保持部材を示す斜視図、図7は同保持部材にゴーグル用バンドを取り付けて帽体に装着した状態を示す斜視図である。なお、ヘルメットの構成については第1の実施例と同一であるので説明を省略する。また、同一機能部材については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による保持部材30は、第1のバンド用開口31aの一端と、第2のバンド用開口31bの一端とを連接孔31eでつないでいる。また、第1のバンド用開口31aの他端には、第2のバンド用開口31bの他端に向けて短孔31fが、第2のバンド用開口31bの他端には、第1のバンド用開口31aの他端に向けて短孔31gが形成されている。また、第1のバンド用開口31aと、第2のバンド用開口31bとの間には、第1のバンド用開口31a及び第2のバンド用開口31bに平行に長孔31hを形成している。
本実施例によれば、ゴーグル用バンド22の装着を容易に行うことができる。
また、本実施例では、保持部材30に舌部34を形成している。舌部34は、折り畳むことができ、折り畳んだ状態では、連接孔31eに重なる。
本実施例によれば、舌部34を設けることで、ゴーグル用バンド22の保持部材30からの離脱を防止することができる。
【0025】
図8は本発明の第5の実施例による保持部材を示す斜視図である。なお、ヘルメットの構成については第1の実施例と同一であるので説明を省略する。また、同一機能部材については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による保持部材30は、帽体11の内面に、保持部材30を形成したものである。一対の保持部材30は、帽体11の後頭部側内面に帽体11と一体で成形される。
それぞれの保持部材30は、第1の保持部材30aと第2の保持部材30bとで構成し、第1の保持部材30aに第1のバンド用開口35aを形成し、第2の保持部材30bに第2のバンド用開口35bを形成している。
第1の保持部材30aと第2の保持部材30bとは、それぞれ帽体11の内面から立ち上がる垂直部材30pと、垂直部材30pに連接して帽体11の内面に平行な水平部材30hとから構成される。
第1のバンド用開口35a及び第2のバンド用開口35bは、垂直部材30pと水平部材30hに跨って形成している。
本実施例によれば、帽体11へのゴーグル用バンド22の装着性を高めることができる。
【0026】
図9は本発明の第6の実施例による保持部材を示す斜視図である。なお、ヘルメットの構成については第1の実施例と同一であるので説明を省略する。また、同一機能部材については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による保持部材30は、第1の保持部材30aに第1のバンド用開口36aを形成し、第2の保持部材30bに第2のバンド用開口36bを形成している。
第1のバンド用開口36a及び第2のバンド用開口36bは、水平部材30hに形成している。
本実施例によれば、帽体11へのゴーグル用バンド22の装着性を高めることができる。
【0027】
図10は本発明の第7の実施例による保持部材を示す斜視図である。なお、ヘルメットの構成については第1の実施例と同一であるので説明を省略する。また、同一機能部材については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による保持部材30は、第1のバンド用開口36aの端部に、第1の保持部材30aの端部に繋がる第1のスリット37aを形成し、第2のバンド用開口36bの端部に、第2の保持部材30bの端部に繋がる第2のスリット37bを形成している。
本実施例によれば、帽体11へのゴーグル用バンド22の装着性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明のヘルメットは、建築作業や土木作業などの工事現場における頭部保護用のヘルメット、オートバイなどの車両用のヘルメット、火災や地震などの震災時における頭部防護用のヘルメットに利用することができる。
【符号の説明】
【0029】
10 ヘルメット
11 帽体
12 内装
13 ハンモック
14 ヘッドバンド
15 あご紐
16 凸状係合部
20 ゴーグル
21 めがね部
22 ゴーグル用バンド
30 保持部材
31 バンド用開口

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11