【実施例】
【0019】
以下本発明の実施例について図面とともに詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施例によるヘルメットの内部構造図、
図2は同ヘルメットの底面図である。
ヘルメット10は、帽体11と、この帽体11の内部に設けられた衝撃吸収用の内装12と、この内装12よりも更に頭部側に配置されるハンモック13と、装着者の頭部周囲を囲繞するヘッドバンド14と、帽体11の両側部から装着者側に延出させたあご紐15とを備えている。ヘッドバンド14には、装着者の頭部に合わせて変更できるサイズ調整機能を備えており、このサイズ調整機能は、頭部側に配置されていることが好ましい。
ヘルメット10に装着するゴーグル20は、めがね部21とゴーグル用バンド22とからなる。ゴーグル用バンド22の一端はめがね部21の一端に、ゴーグル用バンド22の他端はめがね部21の他端に設けている。
【0020】
ヘルメット10は、帽体11の後頭部側内面に、一対の保持部材30を設けている。
それぞれの保持部材30には、バンド用開口31が形成され、バンド用開口31に、ゴーグル用バンド22を挿通することで、ゴーグル20を装着する。
バンド用開口31は、ゴーグル用バンド22の幅よりも長い長孔で形成している。バンド用開口31を長孔とすることで、ゴーグル用バンド22が保持部材30に対して角度を持って装着できるため、装着時のフィット感が高く、ヘルメット10を装着した状態でのゴーグル20の脱着が容易である。
バンド用開口31は、第1のバンド用開口31aと第2のバンド用開口31bとで構成している。第1のバンド用開口31aと第2のバンド用開口31bとは平行に形成している。
【0021】
本実施例では、帽体11の内面には、凸状係合部16が形成されている。ハンモック13は、凸状係合部16によって帽体11に装着される。なお、凸状係合部16によってヘッドバンド14を帽体11に装着することもできる。
保持部材30には、一対の係合用開口32が形成されている。一対の係合用開口32は、バンド用開口31を挟んで形成されている。それぞれの係合用開口32は、帽体11の端部外周に沿う方向の長孔で形成されている。
係合用開口32を長孔で形成することで、凸状係合部16の位置の異なるヘルメット10にも対応できる。
係合用開口32には、凸状係合部16が係合される。凸状係合部16に係合用開口32を係合することで、保持部材30を帽体11の後頭部側内面に装着することができる。保持部材30を帽体11に対して脱着できるため、ゴーグル20使用時に保持部材30を用いてゴーグル20を装着することができる。
ここで、
図2(a)と
図11とを比較して、ゴーグル用バンド22が装着者の顔面に密着することによるゴーグル使用時のフィット感の相違について説明する。
図2(a)では、ゴーグル用バンド22を帽体11の後頭部側内面に設けた一対の保持部材30によって装着しているため、保持部材30からめがね部21に至るゴーグル用バンド22は、帽体11の内側にあるために、装着者の顔面に沿って密着する。
これに対して、
図11では、ゴーグルバンド122は、帽体111の外面に沿わせるため、めがね部121を顔面に押し付けるだけで、装着者の顔面に沿うことはない。
このように本実施例によれば、保持部材30からめがね部21に至るゴーグル用バンド22が装着者の顔面に沿って密着するため、ゴーグル使用時のフィット感が高い。また、めがね部21と保持部材30との間を長くできることで、ゴーグル用バンド22の自由度が高く、ヘルメット10を装着した状態でのゴーグル20の脱着も容易に行うことができる。
【0022】
図3は本発明の第2の実施例による保持部材を示す斜視図、
図4は同保持部材にゴーグル用バンドを取り付けて帽体に装着した状態を示す斜視図である。なお、ヘルメットの構成については第1の実施例と同一であるので説明を省略する。また、同一機能部材については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による保持部材30には、あご紐用開口33が形成されている。あご紐用開口33に、あご紐15の端部を装着することで、あご紐15を帽体11の後頭部側内面に装着することができる。本実施例によれば、保持部材30をあご紐15の装着に用いることができる。
【0023】
図5は本発明の第3の実施例による保持部材を示す斜視図である。なお、ヘルメットの構成については第1の実施例と同一であるので説明を省略する。また、同一機能部材については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による保持部材30は、バンド用開口31を、2本の平行なスリット31cで形成している。それぞれのスリット31cの両端には、小孔31dを形成している。
バンド用開口31をスリット31cで形成することで、ゴーグル用バンド22の保持力を高めることができる。また、スリット31cの両端に小孔31dを形成することで、スリット31cの変形量を大きくでき、ゴーグル用バンド22を装着しやすい。
【0024】
図6は本発明の第4の実施例による保持部材を示す斜視図、
図7は同保持部材にゴーグル用バンドを取り付けて帽体に装着した状態を示す斜視図である。なお、ヘルメットの構成については第1の実施例と同一であるので説明を省略する。また、同一機能部材については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による保持部材30は、第1のバンド用開口31aの一端と、第2のバンド用開口31bの一端とを連接孔31eでつないでいる。また、第1のバンド用開口31aの他端には、第2のバンド用開口31bの他端に向けて短孔31fが、第2のバンド用開口31bの他端には、第1のバンド用開口31aの他端に向けて短孔31gが形成されている。また、第1のバンド用開口31aと、第2のバンド用開口31bとの間には、第1のバンド用開口31a及び第2のバンド用開口31bに平行に長孔31hを形成している。
本実施例によれば、ゴーグル用バンド22の装着を容易に行うことができる。
また、本実施例では、保持部材30に舌部34を形成している。舌部34は、折り畳むことができ、折り畳んだ状態では、連接孔31eに重なる。
本実施例によれば、舌部34を設けることで、ゴーグル用バンド22の保持部材30からの離脱を防止することができる。
【0025】
図8は本発明の第5の実施例による保持部材を示す斜視図である。なお、ヘルメットの構成については第1の実施例と同一であるので説明を省略する。また、同一機能部材については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による保持部材30は、帽体11の内面に、保持部材30を形成したものである。一対の保持部材30は、帽体11の後頭部側内面に帽体11と一体で成形される。
それぞれの保持部材30は、第1の保持部材30aと第2の保持部材30bとで構成し、第1の保持部材30aに第1のバンド用開口35aを形成し、第2の保持部材30bに第2のバンド用開口35bを形成している。
第1の保持部材30aと第2の保持部材30bとは、それぞれ帽体11の内面から立ち上がる垂直部材30pと、垂直部材30pに連接して帽体11の内面に平行な水平部材30hとから構成される。
第1のバンド用開口35a及び第2のバンド用開口35bは、垂直部材30pと水平部材30hに跨って形成している。
本実施例によれば、帽体11へのゴーグル用バンド22の装着性を高めることができる。
【0026】
図9は本発明の第6の実施例による保持部材を示す斜視図である。なお、ヘルメットの構成については第1の実施例と同一であるので説明を省略する。また、同一機能部材については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による保持部材30は、第1の保持部材30aに第1のバンド用開口36aを形成し、第2の保持部材30bに第2のバンド用開口36bを形成している。
第1のバンド用開口36a及び第2のバンド用開口36bは、水平部材30hに形成している。
本実施例によれば、帽体11へのゴーグル用バンド22の装着性を高めることができる。
【0027】
図10は本発明の第7の実施例による保持部材を示す斜視図である。なお、ヘルメットの構成については第1の実施例と同一であるので説明を省略する。また、同一機能部材については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例による保持部材30は、第1のバンド用開口36aの端部に、第1の保持部材30aの端部に繋がる第1のスリット37aを形成し、第2のバンド用開口36bの端部に、第2の保持部材30bの端部に繋がる第2のスリット37bを形成している。
本実施例によれば、帽体11へのゴーグル用バンド22の装着性を高めることができる。