特許第6226590号(P6226590)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226590
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   F23B 40/04 20060101AFI20171030BHJP
   F23K 3/14 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   F23B40/04
   F23K3/14 C
   F23K3/14 Z
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-139483(P2013-139483)
(22)【出願日】2013年7月3日
(65)【公開番号】特開2015-14376(P2015-14376A)
(43)【公開日】2015年1月22日
【審査請求日】2016年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】511185184
【氏名又は名称】株式会社シンエイ
(74)【代理人】
【識別番号】100128794
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 庸悟
(72)【発明者】
【氏名】橋本 達男
【審査官】 藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3165490(JP,U)
【文献】 実開昭59−065234(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3170139(JP,U)
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0047914(KR,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2549181(EP,A2)
【文献】 特開2002−221307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23K 1/00
F23K 3/00
F23K 3/10
F23K 3/14
F23K 3/16
F23B 40/04
F23D 1/00
F23G 5/44
F24B 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形燃料を収納する固形燃料収納部と、前記固形燃料を燃焼させる固形燃料燃焼部と、前記固形燃料収納部に収納された前記固形燃料を前記固形燃料燃焼部の燃焼室内部へ移送するための移送部とを備え、前記移送部は、前記固形燃料収納部の下部開口部に位置して該固形燃料収納部から落下した前記固形燃料を前記固形燃料燃焼部の下方に移送するための第一のスクリュー及び該第一のスクリューが挿入された第一の移送管を構成要素とする第一のスクリューコンベア装置と、該固形燃料燃焼部の下方へ移送された該固形燃料を前記固形燃料燃焼部の底部から該固形燃料燃焼部の燃焼室内部へ上昇させて投入するための第二のスクリュー及び該第二のスクリューが挿入された第二の移送管を構成要素とする第二のスクリューコンベア装置とを備えた燃焼装置であって、
前記第二のスクリューコンベア装置が、上部開口部と、該上部開口部を塞ぐことができる蓋部と、前記固形燃料を前記燃焼室内部へ投入する際に前記蓋部を作動させて前記上部開口部を開口させる開閉機構とを備え
前記第二のスクリューコンベア装置の前記上部開口部が、前記第二のスクリューの上端に固定された天板部と前記第二の移送管の上端口との間の空隙によって構成され、
前記第二のスクリューコンベア装置の蓋部が、前記第二の移送管の上部に外嵌されるように円筒状に設けられ、上端縁が前記天板部の下面に当接するように上昇された際には前記上部開口部を閉じるように設けられ、
前記第二のスクリューコンベア装置の前記開閉機構が、前記円筒状の蓋部を昇降させる昇降動機構によって構成されていることを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
前記昇降動機構が、前記円筒状の蓋部の周側面に突設されたカムフォロア部と、該カムフォロア部に下側から当接する上端縁が円筒の上端周縁であって斜面状のカム面を構成するように設けられたガイド筒体と、該ガイド筒体を前記円筒状の蓋部に外嵌した状態で軸心を中心に回動させる回転駆動装置とを備えることを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、木質チップ等の固形燃料を燃焼する燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
農業分野では、一般に、温室やビニールハウス等の農業用ハウスにおいて施設栽培を行う場合、冬や夜間のハウス内温度を作物の育成に適する温度に維持することが必要である。そのため、夜間でも継続的に燃料を燃焼するための固形燃料収納部と固形燃料燃焼部とを備えた燃焼装置が利用されている。
このような固形燃料の燃焼装置の場合、固形燃料を燃焼室へ投入する際、外気が燃焼室内に入り込み、高温となっている燃焼室内の温度を低下させてしまう不都合がある。また、固形燃料を燃焼室の上から燃焼中の燃料に向けて投入すると燃焼中の燃料を覆って燃焼が抑えられてしまうといった不都合もある。
【0003】
これに対して、従来、これらの不都合を解決する技術として、被焼却物を投入するホッパーの下方に被焼却物を破砕する装置を収納した投入部と、前記破砕された被焼却物を焼却部内に移送するために垂直部を有する移送管と前記移送管内に移送手段を取り付けた移送部と、前記移送部から移送された被焼却物を焼却する焼却部とからなり、前記移送管の垂直部の開口部を焼却部の真下に取り付け、前記被焼却物が焼却部の真下から焼却部内に送り込むようにしたことを特徴とする被焼却物移送方式焼却炉(特許文献1参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−221307号公報(第1頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これによれば、被燃焼物が燃焼室の真下から順次送り込まれるので、前述したような不都合は生じない。しかしながら、この技術の場合、燃料の投入口が燃焼室内に位置するため、燃料の投入口に火が入る逆火のおそれがある。また、木質系の燃料が燃焼後、燃料の投入口で塊状の燃焼残渣であるクリンカーを生じて燃料の供給の妨げとなってしまうことがある。
そこで本発明は、燃焼室内の火が固形燃料の投入口に入り込む逆火を防ぐとともに、その投入口付近にクリンカーが発生することを防ぐことを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる燃焼装置の一形態によれば、固形燃料を収納する固形燃料収納部と、前記固形燃料を燃焼させる固形燃料燃焼部と、前記固形燃料収納部に収納された前記固形燃料を前記固形燃料燃焼部の燃焼室内部へ移送するための移送部とを備え、前記移送部は、前記固形燃料収納部の下部開口部に位置して該固形燃料収納部から落下した前記固形燃料を前記固形燃料燃焼部の下方に移送するための第一のスクリュー及び該第一のスクリューが挿入された第一の移送管を構成要素とする第一のスクリューコンベア装置と、該固形燃料燃焼部の下方へ移送された該固形燃料を前記固形燃料燃焼部の底部から該固形燃料燃焼部の燃焼室内部へ上昇させて投入するための第二のスクリュー及び該第二のスクリューが挿入された第二の移送管を構成要素とする第二のスクリューコンベア装置とを備えた燃焼装置であって、前記第二のスクリューコンベア装置が、上部開口部と、該上部開口部を塞ぐことができる蓋部と、前記固形燃料を前記燃焼室内部へ投入する際に前記蓋部を作動させて前記上部開口部を開口させる開閉機構とを備え、前記第二のスクリューコンベア装置の前記上部開口部が、前記第二のスクリューの上端に固定された天板部と前記第二の移送管の上端口との間の空隙によって構成され、前記第二のスクリューコンベア装置の蓋部が、前記第二の移送管の上部に外嵌されるように円筒状に設けられ、上端縁が前記天板部の下面に当接するように上昇された際には前記上部開口部を閉じるように設けられ、前記第二のスクリューコンベア装置の前記開閉機構が、前記円筒状の蓋部を昇降させる昇降動機構によって構成されている。
【0007】
また、本発明にかかる燃焼装置の一形態によれば、前記昇降動機構が、前記円筒状の蓋部の周側面に突設されたカムフォロア部と、該カムフォロア部に下側から当接する上端縁が円筒の上端周縁であって斜面状のカム面を構成するように設けられたガイド筒体と、該ガイド筒体を前記円筒状の蓋部に外嵌した状態で軸心を中心に回動させる回転駆動装置とを備えることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる燃焼装置によれば、燃焼室内の火が固形燃料の投入口に入り込む逆火を防ぐとともに、その投入口付近にクリンカーが発生することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る燃焼装置の形態例を示す概略図である。
図2】本発明の第二のスクリューコンベアの動きを示す部分拡大図である。
図3】本発明の燃焼装置を高さ位置中央部で水平切断した中央横断面図である。
図4】本発明の第二のスクリューコンベア装置の基本形態例を説明する概略図である。
図5】本発明の第二のスクリューコンベア装置の他の形態例を示す要部説明図である。
図6図5に示した蓋部を昇降させる昇降動機構の形態例を示す側面図である。
図7図6の昇降動機構の蓋部及びガイド筒体の形態例を示す分解斜視図である。
図8】本発明の第二のスクリューコンベア装置の具体例を示す要部説明図である。
図9図8の第二のスクリューコンベア装置の動作を示す要部説明図である。
図10図9の側面図である。
図11】本発明の第二のスクリューコンベア装置の他の具体例を示す説明図である。
図12図11の第二のスクリューコンベア装置の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明にかかる燃焼装置における形態例を添付図面(図1図3)に基づいて詳細に説明する。
本発明に係る燃焼装置は、固形燃料5を収納する固形燃料収納部10と、固形燃料5を燃焼させる固形燃料燃焼部20と、固形燃料収納部10に収納された固形燃料5を固形燃料燃焼部20の燃焼室21内部へ移送するための移送部30とを備えている。
【0011】
固形燃料収納部10は、その内部に例えば1cmから3cm程度の大きさの木質チップ等のバイオマス固形燃料5(以下、具体例として「チップ5」として説明する。)を収納する。また、本形態例の固形燃料収納部10は、固形燃料燃焼部20の熱が作用しないように固形燃料燃焼部20と離して設置される。固形燃料収納部10は、上面が開口した四角筒状であり、図3に示すように、その一側面を垂直面として、他の三側面の下部を中央部に向けて傾斜する傾斜面11とし、最下部に下部開口部12が設けられている。チップ5は、固形燃料収納部10の上面から投入され、下部開口部12に集められる。
【0012】
固形燃料燃焼部20では、移送されてきたチップ5を燃焼室21内部で燃焼する。チップ5は、図1及び図2に示すように下方向から供給されるので燃焼室内部21に直接外気が入らない。これにより、チップ5の供給時に外気による温度低下を防止することができる。下方向から供給されたチップ5は、後述の第二の移送管35dの上部開口部35eから、燃焼室21内部のチップ5の燃焼箇所である火格子22上へ傾斜部23を転がるように供給される。これによれば既に燃焼中のチップ5を大きく覆うことなく新鮮なチップ5が供給され、燃焼の継続を遮らないようにすることができる。火格子22の下には新鮮な空気を取り込む空気口24が設けられている。そしてチップ5の燃焼によって発生した排気は、煙突25を通して外部へ排出される。
【0013】
移送部30は、第一のスクリューコンベア装置31と第二のスクリューコンベア装置35とを備えている。
第一のスクリューコンベア装置31は、固形燃料収納部10の下部開口部12に位置して固形燃料収納部10の固形燃料5を固形燃料燃焼部20の下方に移送する。この第一のスクリューコンベア装置31は、第一のスクリュー31a及び第一のスクリュー31aが挿入された第一の移送管31bを構成要素として備えている。
【0014】
また、本形態例の第一のスクリューコンベア装置31は、図1及び図3に示すように、固形燃料収納部10から固形燃料燃焼部20方向に水平に伸び、固形燃料収納部10側の端部で固形燃料収納部10の外側に配された電動モータなどの回転駆動装置31cに接続されて構成されている。第一の移送管31bは、固形燃料収納部10の下部開口部12に連設されて、上面が開口し、固形燃料収納部10から固形燃料燃焼部20までは円筒状として固形燃料燃焼部20の下方で後述の第二の移送管35dの下部に連結されている。チップ5は下部開口部12と連設された上面から第一のスクリュー31aに送り込まれて第一のスクリューコンベア装置31によって固形燃料燃焼部20の下方に移送される。
【0015】
第二のスクリューコンベア装置35は、図1及び図2に示すように、固形燃料燃焼部20の下方へ移送されたチップ5を固形燃料燃焼部20の底部22から固形燃料燃焼部20の燃焼室内部21へ上昇させて投入する。そのために、第二のスクリューコンベア装置35は、第二のスクリュー35a及び第二のスクリュー35aが挿入された第二の移送管35dを構成要素としている。
【0016】
また、第二のスクリューコンベア装置35は、上部開口部と、その上部開口部を塞ぐことができる蓋部と、固形燃料を燃焼室内部21へ投入する際に前記蓋部を作動させて前記上部開口部を開口させる開閉機構とを備えている。
本形態例の第二のスクリューコンベア装置35では、第二のスクリュー35aを上下動させる上下動手段36と、第二のスクリュー35aの上端部に設けられて第二の移送管35dの上部開口部35eを塞ぐことができる蓋部37とを備えている。なお、蓋部37は、円盤状であって上部開口部35eと同じ径であるが多少大きな径であってもよい。また、蓋部37は、上述の傾斜部面11の上部を覆うような断面下向きのコ字状であってもよい。
【0017】
そして、この第二のスクリューコンベア装置35は、図2に示すように、第二のスクリュー35aと共に蓋部37が上昇すると上部開口部35eが開口してチップ5を燃焼室内部21へ投入し(図3(a))、第二のスクリュー35aと共に蓋部37が下降すると上部開口部35eが閉じる(図3(b))ように動作する。チップ5は開口時に回転しながら投入され傾斜部23を転がって火格子22上に撒かれる。蓋部37が下降すると上部開口部35eが塞がれるので上部開口部35e付近に位置するチップ5に火が付く逆火を避けることができる。また、上部開口部35e付近ではチップ5が燃焼しないので、上部開口部35e付近にクリンカーが形成されず、チップ5の投入を妨げる事態となることを防ぐことができる。
【0018】
また、本形態例の第二のスクリューコンベア装置35は、全体の形状は円柱状であって固形燃料燃焼部20の燃焼室21底部26より下から燃焼室21内部まで垂直に伸びて、下端は第二のスクリュー35aの軸35bの部分を除いて塞がれている。第二の移送管35dは、その下部において第一の移送管31bと連結して第一のスクリューコンベア装置31から移送されてきたチップ5を受け取る。第一の移送管31bが第二の移送管35dと連結する部分は第一の移送管31bより径を小さくした連結口35fを設けている。この連結口35fの径は第二のスクリュー35aの羽根と羽根の間隔に合わせている。
【0019】
上下動手段36は、第二のスクリュー35aの下方側に一体化されて設けられ第二のスクリュー35aと共に回転する円柱状部36aと、第二の移送管35dの固定された側である固定部36cと、第二のスクリュー35aと一体化された円柱状部36aを回転させる回転駆動装置36eとを備えている。回転駆動装置36eは、第二のスクリュー35aに連結されて第二のスクリュー35aが上下動する高さの幅を備えたプーリー36pと、そのプーリー36pにベルト36hを介して動力を伝えるプーリー36gを備えたモータ36fとからなる。
【0020】
この回転駆動装置36eによって、第二のスクリュー35aが固定部36cに対してカム機構によって昇降できるように、円柱状部36aの外周面と外周面に対面する固定部36cとの相互間において、一方にカム溝36bが設けられ、他方にカム溝36bに嵌る突起フォロア部36dが設けられ、円柱状部36aが回転することで第二のスクリュー35aが上下方向に移動する。
【0021】
本形態例のカム溝36bは、第二のスクリュー35aが一回転すると第二のスクリュー35aが元の高さ位置に戻るように外周面に曲線状に掘られている。突起フォロア部36dの位置にカム溝36bの最下部が位置したときに、蓋部37が最も上昇し、突起フォロア部36dの位置にカム溝36dの最上部が位置したときに、蓋部37が最も降下して、上部開口部35eを塞ぐ。
【0022】
固定部36cは、柱状であって、第二の移送管35dの底部35gから固形燃料燃焼部30の底38までの高さに位置して突起フォロア部36dを固定している。なお、突起フォロア部36dは、カム溝36bと接する部分に球体が配されることで滑らかに回転させることも可能である。また、カム溝36bの溝側面に球体を備えることも可能である。
【0023】
第二のスクリュー35aの軸35bは、第二の移送管35dの内部で、第二のスクリュー35aが上下方向に移動する高さ幅でスクリュー羽根を設けず、スクリュー羽根の下端を水平な円盤状の板部35cとしている。これにより、第一の移送管31bから移送されたチップ5が第二のスクリュー35aの上昇時でも連結口35fから板部35cの下に供給されることがなく、第二のスクリュー35aの下降の際にチップ5が障害になることはない。
【0024】
なお、第一のスクリューコンベア装置31によって移送されたチップ5が第二の移送管35dに移送される際に連結口35fで詰まってしまわないように、第一のスクリュー31aの回転と第二のスクリュー35aの回転のタイミングとを調整してチップ5の移送量を一定にする制御手段を備えることもできる。
【0025】
次に、本発明にかかる燃焼装置の第二のスクリューコンベア装置の他の形態例を添付図面(図4図7)に基づいて詳細に説明する。
本形態例の第二のスクリューコンベア装置35は、上部開口部50と、その上部開口部50を塞ぐことができる蓋部51と、固形燃料を燃焼室内部21へ投入する際に蓋部51を作動させて上部開口部50を開口させる開閉機構55とを備えている。
【0026】
上部開口部50が開口すると、図4及び図5に示すように、第二のスクリュー35aの作動によって上部開口部50を出たチップ状やペレット状の固形燃料5が、円錐台状の傾斜部23の斜面23aを沿って転がり落ち、その固形燃料5が燃焼するロストル(火格子22)上に堆積する。
【0027】
本形態例の第二のスクリューコンベア装置の上部開口部50は、第二のスクリュー35aの上端に固定された天板部39と第二の移送管35dの上端口との間の空隙によって構成されている。すなわち、この上部開口部50は、円周帯状の空隙からなる開口になっている。また、本形態例の第二のスクリュー35aは、前述した形態例と異なって、上下方向には運動しない。
【0028】
また、本形態例の第二のスクリューコンベア装置の蓋部51は、第二の移送管35dの上部に外嵌されるように円筒状に設けられ、上端縁51aが天板部39の下面に当接するように上昇された際には上部開口部50を閉じるように設けられている。なお、本形態例の円筒状の蓋部51の上端縁51aは、フランジ状に鍔部が形成されており、形態を適切に保持できるように補強されている。
【0029】
また、本形態例の前記第二のスクリューコンベア装置の開閉機構55は、円筒状の蓋部51を昇降させる昇降動機構56によって構成されている。
以上の構成を備える燃焼装置によっても、前述した形態例と同様に、逆火の防止やクリンカー発生の防止ができるという効果を得ることができる。
【0030】
さらに、本形態例の昇降動機構56は、円筒状の蓋部51の周側面に突設されたカムフォロア部51bと、そのカムフォロア部51bに下側から当接する上端縁が円筒の上端周縁であって斜面状のカム面52a(図6,7参照)を構成するように設けられたガイド筒体52と、そのガイド筒体52を円筒状の蓋部51に外嵌した状態で軸心を中心に回動させる回転駆動装置53とを備える。これによれば、昇降動機構56を簡単な機構によって好適に構成できる。
【0031】
また、本形態例の回転駆動装置53は、電動モータ53aと、その電動モータ53aの回転軸に設けられたピニオンギア53bと、ガイド筒体52の周側面に同心円状に形成された減速ギア53cとによって構成されている。これによれば、この回転駆動装置53が、傾斜部23及び燃焼室21の下部にコンパクト且つ好適に収納されている。
【0032】
次に、本発明にかかる燃焼装置の第二のスクリューコンベア装置の具体例を添付図面(図8図10)に基づいて詳細に説明する。この具体例は、図4図7に示した形態例と同様の構成を有するもので、円筒状の蓋部51の周側面に突設されたカムフォロア部51bが一対設けられて円周の180度の位置にそれぞれ配設され、この一対のカムフォロア部51bに対応するように、一対のカム面52aがガイド筒体52に設けられている。
【0033】
すなわち、一対のカムフォロア部51bに対応するように、ガイド筒体52円筒の上端周縁が二つの山部と二つの谷部を対称形に有することで構成される一対のカム面52aを備えている。これによれば、ガイド筒体52が一対のカム面52aの作動によって円筒状の蓋部51を複数点となる二点で支持することができる。従って、バランスよく支持することができ、円筒状の蓋部51の昇降動作をスムースにすることができる。
【0034】
次に、本発明にかかる燃焼装置の第二のスクリューコンベア装置の他の具体例を添付図面(図11、12)に基づいて詳細に説明する。この具体例は、図8図10に示した具体例とは昇降動機構が異なるが、円筒状の蓋部51を昇降させて上部開口部50を開閉する点では同様の構成を有するものである。すなわち、本具体例の昇降動機構は、第二のスクリューコンベア装置35の長手方向である鉛直方向に直交する水平方向に一対の斜面60aをスライド移動させることで、一対のカムフォロア部51bを介して円筒状の蓋部51を昇降動させるものである。
【0035】
60は移動体であり、斜面60aを有し、その斜面60が円筒状の蓋部51の周側面に突設されたカムフォロア部51bに下方から当接できるように位置している。この移動体60が水平方向に移動することで、カムフォロア部51bを介して円筒状の蓋部51を昇降動させることができる。例えば、図11、12に示すような移動体60に一端が固定されたワイヤ60bとそのワイヤ60bを巻き取るモータ65とによって構成される駆動機構によって、移動体60を左右に水平移動することで、円筒状の蓋部51を昇降動させることができる。
【0036】
また、66はコイルスプリングであり、一端が基体61に固定されて他端が移動体60に固定され、常時は図11のように収縮している。このコイルスプリング66は、モータ65が作動することでワイヤ60bが巻き取られ、そのモータ65の動力で移動体60が水平移動されることで、図12のように伸長する。これによれば、そのモータ65の動力で移動体60を水平移動させ、円筒状の蓋部51を斜面60aの作用で上方へ移動させて上部開口部50を閉じることができる。そして、モータ65が停止されてその回転動力による付勢力が解除されると、コイルスプリング66の作用によって、図11の状態に戻るように移動体60が逆方向に水平移動される。これによっても、以上に説明した形態例と同様の効果を奏する。
以上に説明してきたように、円筒状の蓋部51を昇降動させる手段は種々考えられ、限定されるものではなく、例えば、ラックとピニオンによる運動機構を利用できるなど、既知の機構を適宜に用いることができる。
【0037】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得る。
【符号の説明】
【0038】
5 固形燃料
10 固形燃料収納部
11 傾斜面
12 下部開口部
20 固形燃料燃焼部
21 燃焼室
22 火格子
23 傾斜部
23a 斜面
24 空気口
25 排風部
26 底部
30 移送部
31 第一のスクリューコンベア装置
31a 第一のスクリュー
31b 第一の移送管
31c 回転駆動装置
35 第二のスクリューコンベア装置
35a 第二のスクリュー
35b 第二のスクリューの軸
35c 円盤状の板部
35d 第二の移送管
35e 上部開口部
35f 連結口
36 上下動手段
36a 円柱状部
36b カム溝
36c 固定部
36d 突起フォロア部
36e 回転駆動装置
37 蓋部
38 底
39 天板部
50 上部開口部
51 蓋部
51a 上端縁
51b カムフォロア部
52 ガイド筒体
52a 斜面状のカム面
53 回転駆動装置
53a 電動モータ
53b ピニオンギア
53c 減速ギア
55 開閉機構
56 昇降動機構
60 移動体
60a 斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12