特許第6226712号(P6226712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226712
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】基板支持構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20171030BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-241137(P2013-241137)
(22)【出願日】2013年11月21日
(65)【公開番号】特開2015-103565(P2015-103565A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000167200
【氏名又は名称】光洋サーモシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中谷 淳司
【審査官】 宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−206896(JP,A)
【文献】 特開2012−224352(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/070741(WO,A1)
【文献】 特開2001−358191(JP,A)
【文献】 特開2004−014829(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0259457(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板が収容されて処理される処理空間内の所定の支持位置に前記被処理基板を略水平姿勢に支持するための基板支持構造であって、
基端側から先端側に向かって延び、前記支持位置の両側で、基端側から先端側に向かって下方に傾斜する支持部により前記被処理基板を支持する基板支持部材を備え
前記基板支持部材は、下方への前記支持部の傾斜が可変となるように配設されている、基板支持構造。
【請求項2】
前記処理空間は、処理容器の内部に形成され、前記処理容器の側壁内面における前記支持位置の両側に、前記基板支持部材の基端側を保持する保持部材が設けられた、請求項1に記載の基板支持構造。
【請求項3】
前記基板支持部材が前記支持位置の片側について複数設けられる、請求項に記載の基板支持構造。
【請求項4】
前記支持位置の両側に対向して前記処理空間の奥行き方向に延びて設けられる保持部材であって、複数の前記基板支持部材に対応して設けられる保持部材を備える、請求項に記載の基板支持構造。
【請求項5】
前記基板支持部材は、
前記基端側から前記先端側に向かって延びるベース体と、
前記支持部を有し、前記ベース体の上面から前記支持部を露出させるように前記ベース体に配設される支持体と、
を備える、請求項1〜4の何れかに記載の基板支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板の熱処理装置などに備えられ、基板を略水平姿勢に支持する基板支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶や有機EL用の基板を熱処理するに際しては、熱処理装置の内部に基板をその下面を支持するようにして保持する。このとき、基板の中央部を避けて、支持部が触れても影響のない周囲部(外縁から約10 mm程度)を支持する場合があり、接触許容範囲が狭いという制約がある。
【0003】
このような制約を満たすため、図7に示すように、基板Wの支持方法としては、真下からピンまたは球101で支持していた(特許文献1、2参照)。図中、両矢印A1で示された基板中央の領域は接触不可範囲を示し、両矢印A2で示された基板周囲の領域は接触許容範囲を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−100668号公報
【特許文献2】特開2004−111786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、基板に対して真下から支持すると、搬送精度、装置の据付精度、支持位置の精度などの誤差で基板が支持部から脱落したり、接触不可範囲A1に接触する虞がある。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、搬送精度、装置の据付精度、支持位置の精度などに誤差があっても基板が支持部から脱落したり、接触不可範囲に接触することを防止できる基板支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、被処理基板が収容されて処理される処理空間内の所定の支持位置に前記被処理基板を略水平姿勢に支持するための構造に関する。本発明の基板支持構造は、基板支持部材を備える。基板支持部材は、基端側から先端側に向かって延び、前記支持位置の両側で、基端側から先端側に向かって下方に傾斜する支持部により被処理基板を支持する。又、基板支持部材は、下方への支持部の傾斜が可変となるように配設されている。
【0008】
処理空間は処理容器の内部に形成される。そして、処理容器の側壁内面における基板の支持位置の両側に保持部材を設け、これらの保持部材により基板支持部材の基端側を保持するようにすると安定して基板支持部材を保持できる。
【0009】
この構成によると、基板支持部材の支持部は斜め下方に向かって傾斜しているため、基板の撓み度合いに因らず、基板の側端下縁部にのみ支持部を接触させることができる。このため、基板を突起等により真下側から支持する必要がなくなり、基板支持部材の取付精度や基板を処理空間に搬送して支持体上に載置する際の精度の影響を受けない。
【0010】
具体的には、基板支持部材は、ベース体および支持体を備える。ベース体は、支持部を有し、基端側から先端側に向かって延びる形状をしており、支持体は、ベース体の上面から支持部を露出させるようにベース体に配設される。これによると、基板に接触される支持部を支持体として部品化することが可能となり、取り扱いの簡素化が図られる。
【0011】
支持体は円筒状に形成されていると、ベース体の長手方向に沿った軸回りに回転自在に配設することができる。これにより、基板の支持部上へ載置する際のショックを支持体の回転によって和らげ、基板の支持部と接触する部位が損傷を受けることを防ぐことができる。
【0012】
支持体の材質としては、樹脂または石英を好適に用いることができる。
【0013】
安定して基板を支持するために、基板支持部材が支持位置の片側について複数設けられる。保持部材を支持位置の両側に対向して処理空間の奥行き方向に延びて設けられた棚とすると、1つの保持部材に対して複数の基板支持部材を設けることが容易になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、搬送精度、装置の据付精度、支持位置の精度などの誤差があっても基板が支持部から脱落したり、接触不可範囲に接触することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1(A)は本発明の実施形態に係る基板支持構造の概略構成であって、基板を支持する前の状態を示す正面断面図である。図1(B)は同基板を支持した状態を示す正面断面図である。
図2】基板支持構造に用いられる基板支持部材を示す分解斜視図である。
図3図3(A)は基板支持部材の保持部材への取付け状態を説明する平面図である。図3(B)は同側面図である。
図4】基板支持構造を一つの処理容器内で多段に構成した例を示す概略構成図である。
図5】基板支持構造を多段式ユニットとして構成した例を示す概略構成図である。
図6】基板支持部材の角度調整機構の一例を示す図である。
図7】従来の基板支持構造の一例の概略構成を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、この発明の実施の形態に係る基板支持構造の構成を図面を参照して説明する。
【0017】
図1に示すように、被処理基板(以下、「基板」と称する。)Wは処理容器4の内部に形成される処理空間100に収容されて処理される。基板支持構造1は、処理空間100内の所定の支持位置に基板Wを略水平姿勢に支持するように構成される。本発明の基板支持構造は、基板に何らかの処理をする基板処理装置(例えば、熱処理装置など。)のバッチ炉などへ適用されるものである。基板の材質は問わず、基板が薄く撓んだものにも対応可能である。基板形状は、矩形基板に限らず、半導体ウェーハなど円形基板でも構わない。
【0018】
基板支持構造1は、基板支持部材2および保持部材3を有する。
【0019】
基板支持部材2は、基端2A側から先端2B側に向かって延び、上側に基板Wを支持するための支持部2Cを備えるものである。より具体的には、図2に示すように、基板支持部材2は、基端2A側から先端2B側に向かって延びるベース体21と、前記支持部2Cを有し、ベース体21の上面から支持部2Cを露出させるようにベース体21に配設される支持体22と、を備える。
【0020】
ベース体21および支持体22の材質は特に限定されるものではないが、基板支持構造1が熱処理装置に適用される場合には、耐熱性を有する材料であることが必要である。特に、支持体22は基板Wに直接接触される部品なので、基板Wに対して損傷を与えないことも材質に求められる要件となる。このような要求を満たす材料としては、樹脂または石英材が好適である。
【0021】
支持体22は図2に示すように、円筒形を呈する。支持体22は、周面の頂点を軸方向に延びる線上の支持部2Cを有する。なお、支持体22の形状は一例であって上記に限定されない。
【0022】
ベース体21は図2に示すような角柱形を呈する。ベース体21の上面には長手方向に沿って延びる凹部21Aが形成されている。凹部21Aには、支持体22が収容される。本実施形態では、凹部21Aは、支持体22の円筒形に対応してハーフパイプ状に形成される。したがって、支持体22は凹部21Aに収容されると、略上半分を露出状態とされ、さらにベース体21の長手方向に沿った軸回りに回転自在となる。
【0023】
ベース体21には、凹部21Aの軸中心を通過するボルト穴21Bが軸方向に貫通している。ベース体21や凹部21Aの形状は一例であって、上記に限定されない。
【0024】
支持体22は、凹部21Aに収容された後、ボルト穴21Bにボルト23を嵌合させてベース体21に取り付けられる。ボルト23は、支持体22の空洞部に挿通され、支持体22がベース体21から抜けるのを防止している。なお、ボルト23は支持体22の回転に支障がないように設けられる。
【0025】
以上のように構成される基板支持部材2は、図3に示すように、保持部材3によって支持部2Cが基端側から先端側に向かって下方に傾斜するように保持される。
【0026】
本実施形態では、保持部材3は、上片部31、側壁部32および底片部33からコの字型に形成された部材である。このようなコの字型の部材は、例えば、板金の曲げ加工によって作製される。
【0027】
処理空間100内の基板Wの支持位置の両側に、上面が水平面に形成された梁7,7が奥行き方向に渡されている。図3(A)に示すように、保持部材3は、底片部33を使用して梁7の上面にビス止めで固定される。
【0028】
基板支持部材2は、ベース体21の基端部で、保持部材3の側壁部32にボルトおよびナットを用いて固定される。基板支持部材2は、ベース体21の基端側が高く先端側が低くなる傾斜をもって取付けられる。このとき、ベース体21の基端面上縁が保持部材3の上片部31に当接することにより、ベース体21の回動が阻止され、ベース体21の傾きが一定に維持される。これにより、支持体22を凹部21Aに装着すると、図1に示すように、支持体22は支持部2Cが基端側から先端側に向かって下方に傾斜するように保持される。
【0029】
基板Wを安定して支持するためには、処理空間100内の基板Wの支持位置の片側について、複数箇所で基板Wを支持することが好ましい。矩形の基板であれば、前後の隅部を支持する2つの基板支持部材2を設けることができる。これにより、矩形の基板をより安定して支持するようにできる。本実施形態では、基板Wの支持位置の片側に、梁7が処理空間100の奥行き方向に延在する。したがって、片側の梁7の長手方向に沿って複数の保持部材3を取付けることで、当該方向に並んで複数の基板支持部材2を設けることが可能である。
【0030】
上記保持部材3および基板支持部材2から成る基板支持構造の段数は限定されない。すなわち、図4に示すように、処理容器4の側壁内面4Aに、基板支持構造1を多段に設けることにより、1つの処理容器4の処理空間100に複数の基板Wを支持することができる。
【0031】
多段式の変形例として、図5に示すように、1つの基板支持構造1を有する処理容器4を扁平なユニットとして形成し、このユニットの複数を多段に積み重ねる構成を採用することもできる。これによると、積み重ねるユニットの数は自由にレイアウトできるので、基板支持構造の段数を任意に設定することができるメリットがある。
【0032】
上記のように構成される基板支持構造1によって、基板Wを支持するときには、図1(A)に示すように、不図示の搬送ロボットのロボットアームの先端部に配設されたフォークによって処理空間100内の支持位置の上方へ基板Wを搬送する。続いて、ロボットアームを下降させることによって図1(B)に示すように、支持位置の両側で対峙する基板支持部材2の支持体22上に基板Wを載置する。基板Wは、その両側端部で基板支持部材2の支持部2Cによって支持される。
【0033】
このようにして支持された基板Wは、基板支持部材2に直接支持されない中央部が自重で沈むように撓みが生じる。ただし、撓み具合は、基板Wの厚み、サイズ、或いは材質によって異なる。図1(B)に示した基板W1、W2、W3では、この順で撓みの度合いが大きくなくなっている。基板の撓み度合いは基板の厚み、サイズ、或いは材質によって異なる。
【0034】
本発明では、基板支持部材2の支持部2Cは斜め下方に向かって傾斜しているため、基板Wの撓み度合いに因らず、基板Wの側端下縁部にのみ支持部2Cを接触させることができる。このため、基板Wを突起等により真下側から支持する必要がなくなり、基板支持部材2の取付精度や基板Wを処理空間に搬送して支持体22上に載置する際の精度の影響を受けない。
【0035】
また、支持部2Cを有する支持体22が回転自在であるため、基板Wを支持部2C上へ載置する際のショックを支持体22の回転によって和らげ、基板Wの支持部2Cと接触する部位が損傷を受けることを防ぐことができる。さらに、支持部2Cの材質を樹脂または石英とすることで、より確実に基板Wの損傷を防ぐことができる。
【0036】
なお、本実施形態では、保持部材3に対して基板支持部材2を固定状態(回動不能)で取付ける場合で説明したが、処理対象となる基板Wのロットに応じて支持部2Cの下向きの傾斜角度を可変できるように回動可能に取付けるようにしても良い。例えば、図6に示すように、基板支持部材2を基端部で回動軸5を用いて保持部材3に対して回動自在に保持し、保持部材3には縦長の長孔34を、基板支持部材2のベース体21には横長の長孔24をそれぞれ設けて、長孔34,24同士が交差する任意の位置でピン6などを用いて基板支持部材2の先端側を固定する。これによって、支持部2Cの傾斜角度を調整することが可能となる。
【0037】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、この発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0038】
W、W1、W2、W3…基板
1…基板支持構造
2…基板支持部材
2A…基端
2B…先端
2C…支持部
21…ベース体
21A…凹部
21B…ボルト穴
22…支持体
23…ボルト
3…保持部材
4…処理容器
4A…側壁内面
100…処理空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7