【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼展示日 平成25年11月6日〜平成25年11月9日 ▲2▼展示会名 2013国際ロボット展 ▲3▼開催場所 東京ビッグサイト 東1・2・3ホール 東京都江東区有明3−11−1 ▲4▼主催者名 一般社団法人 日本ロボット工業会 日刊工業新聞社 ▲5▼公開者 SUS株式会社 ▲6▼出品内容 SUS株式会社は、2013国際ロボット展にて、赤羽輝之及び佐々木和宏が発明したホッパ装置を公開した。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、
図1乃至
図14を参照しながら、本発明の一実施の形態について説明する。
本実施の形態によるホッパ装置1は、
図1に示すように、パーツフィーダ3に図示しないパーツ(例えば、ネジ)を供給するものである。
【0011】
まず、上記パーツフィーダ3について説明する。上記パーツフィーダ3は、
図1に示すように、本体4と、振動ボウル5とから構成されている。この振動ボウル5は、側面部7と底部9とから構成されており、その内部に図示しないパーツ(例えば、ネジ)が収容されるようになっている。上記側面部7は、
図1に示すように、略円筒形状をなしていて、その一部(
図1中下側)が切り欠かれて切欠部11となっているとともに、内周面には段付部13が形成されている。
【0012】
また、上記振動ボウル5は、上記底部9が中央部から放射方向外方に向けて下り勾配に傾斜された略円錐形状をなしており、後述するように、上記底部9上のパーツ(例えば、ネジ)が上記側面部7側に向けて移動されるようになっている。また、上記側面部7の段付部13は、放射方向外方に向けて下り勾配に傾斜されており、後述するように、上記段付部13上のパーツ(例えば、ネジ)がその外周側に移動されるようになっている。また、上記段付部13は、上記側面部7の内周面に沿った螺旋形状となっており、後述するように、上記振動ボウル5の往復回転運動により、上記パーツ(例えば、ネジ)は、上記底部9上において放射方向外方に移動されるとともに、上記段付部13に沿って
図1中時計方向に移動されるようになっている。また、上記振動ボウル5は、図示しない取付部材を介して、回転可能に取り付けられていて、図示しないモータによって所定角度で往復回転運動されるようになっている。
【0013】
また、上記振動ボウル5には、既に述べた案内レール21が設置されている。この案内レール21は、
図1に示すように、2つの板状部材23a、23bとから構成されており、上記側面部7の切欠部11の
図1中右側端部に設置されている。また、上記板状部材23a、23bは、図示しないスペーサによって所定の間隔で離間された状態で平行に設置されており、それらの上側端面(
図1中上側の面)と上記側面部7の段付部13とが面一の状態で連続している。
また、
図1に示すように、上記案内レール21は、支持部材25、27によって上記振動ボウル5の側面側(
図1中右下側)に設置されている。上記支持部材25は、上記案内レール21の基端側(
図1中右側)を支持しており、上記振動ボウル5が取り付けられている図示しない取付部材に連結されている。また、上記支持部材27は、上記案内レール21の先端側(
図1中左側)を支持しており、本体4に対して、図示しないピンにより所定の微小な範囲で移動可能に設置されている。
【0014】
そして、上記振動ボウル5が、
図1中時計回り方向に所定角度だけ正回転され、その後、
図1中反時計回り方向に、正回転時よりも速い速度で逆回転される。そのような往復回転運動を繰り返すことにより、上記振動ボウル5上のパーツ(例えば、ネジ)が、既に説明したように、放射方向外方に移動されるとともに、上記段付部13に沿って
図1中時計方向に移動されることになる。
【0015】
上記振動ボウル5の底部9上に排出されたパーツ(例えば、ネジ)の動きは、具体的には次のようなものである。
まず、上記振動ボウル5の往復回転運動により、上記振動ボウル5上のパーツ(例えば、ネジ)は、上記底部9上を放射方向外方に移動しながら、且つ、
図1中時計回り方向に移動される。そして、上記パーツ(例えば、ネジ)は、上記底部9から上記段付部13を介して上記案内レール21まで移動されることになる。
【0016】
そして、上記案内レール21上に移動されたパーツ(例えば、ネジ)は、その軸部が上記板状部材23a、23b間に入り込むとともに、その頭部が上記板状部材23a、23bの上側端面(
図1中上側の面)上に係合された状態となり、上記案内レール21の先端側(
図1中左側)から、図示しない装置に供給される。
なお、姿勢の関係でその軸部が上記板状部材23a、23b間に入り込めなかったようなパーツ(例えば、ネジ)は、上記振動ボウル5側に戻されて再度移動されることになる。
【0017】
次に本実施の形態によるホッパ装置1について説明する。
このホッパ装置1には、
図2に示すように、まず、ハウジング31がある。このハウジング31は、上面側(
図2中上側)に露出されU字形の断面形状を成すモータベース33と、略U字形の断面形状を成し上記本体31の前面、底面、及び、背面を成す逆U字状バネル35と、側面側のそれぞれ(
図2中左上側及び右下側)に設置された側面パネル37a、37bとから構成されている。
また、上記側面パネル37a、37bには、下方(
図1中下側)に向けて脚部41a、41bが設置されている。
【0018】
また、
図3に示すように、上記ハウジング31内には、ステッピングモータ45が設置されていて、上記ハウジング31のモーターベース33に取付・固定されている。このステッピングモータ45は、モータハウジング47と、このモータハウジング47内に設置されたステータ49と、このステータ49の内側に回転可能に設置されたロータ51と、このロータ51に固着された出力軸53と、から構成されており、電力を供給されると、上記出力軸53が正転又は逆転される。
【0019】
また、上記出力軸53は、
図3に示すように、上記モータベース33の貫通孔55内を貫通された状態で設置されている。また、上記出力軸53にはカップリング57を介して、後述する傾斜ディスク101が連結されている。また、上記モータベース33の貫通孔55内には軸受59が設置されており、上記カップリング57を上記モータベース33に対して回転可能に支持している。この軸受59は、外輪59aと、この外輪59aの内側に設置された内輪59bと、上記外輪59aと上記内輪59bとの間に設置されたリテイナ59cによって転動可能に保持された複数の鋼球59dと、から構成されている。そして、上記カップリング57は、上記軸受59の内輪59bに圧入され、回転可能に支持されている。
上記ステッピングモータ45が回転することにより、出力軸53、カップリング57、傾斜ディスク101が正転又は逆転されることになる。
【0020】
また、
図3に示すように、上記ハウジング31内には、制御基板61が設置されている。
図4に示すように、この制御基板61には、まずCPU(中央演算処理装置)63が設置されている。このCPU63によってホッパ装置1の制御が行われる。また、上記CPU63にはフラッシュメモリ63aが内蔵されており、このフラッシュメモリ63aには、後述するパーツ検出時間、待機位置の回転角度、往復回転運動の一端の回転角度(回転角度1)、往復回転運動の他端の回転角度(回転角度2)、等が記憶されている。なお、上記フラッシュメモリ63aに記憶されたパーツ検出時間、待機位置の回転角度、往復回転運動の一端の回転角度(回転角度1)、往復回転運動の他端の回転角度(回転角度2)、等は、図示しないパソコン等を介して変更することができる。
また、上記CPU63は、経過時間を検出するためのタイマ機能も備えている。すなわち、CPU63には図示しないカウンタが内装されていて、一定時間毎にカウントして積算するように構成されている。このカウンタの積算値と後述するプログラムにより上記タイマ機能を実現している。
【0021】
また、上記制御基板61には、モータドライバ64が設置されている。このモータドライバ64を介して、上記CPU63によるステッピングモータ45の制御が行われる。
【0022】
また、上記制御基板61には、ボリューム65a、ボリューム65b、セレクトスイッチ65cが設置されている。上記ボリューム65aによって、後述する休止時間(設定時間1)や、パーツフィーダ継続運転時間(設定時間1′)、及び、停止時間(設定時間1″)の設定が行われる。また、上記ボリューム65bによって、後述するパーツ排出時間(設定時間2)の設定が行われる。また、上記セレクトスイッチ65cによって、ホッパ装置1の制御を適宜を切り替えるようになっている。
【0023】
また、上記制御基板61にはセンサアンプ67が設置されている。後述するパーツ検出用センサ91やパーツフィーダ運転検出用センサ121から出力される信号は、このセンサアンプ67によって増幅され、上記CPU63に入力される。
【0024】
また、
図3に示すように、上記ハウジング35の背面側(
図3中左側)の一部が開口されて、操作部69が設けられている。この操作部69には、上記ボリューム65a、65b、セレクトスイッチ65cが外部に露出した状態で設置されている。
なお、
図3では、上記ボリューム65a、65b、セレクトスイッチ65cの図示を省略している。
また、
図3に示すように、上記ハウジング35の背面側(
図3中左側)には電源スイッチ70が設置されている。
【0025】
また、
図2に示すように、上記ハウジング31の
図2中上側には、パーツ供給部71が設置されている。このパーツ供給部71は次のような構成になっている。まず、前述したハウジング31のモータベース33の
図2中上側に設置された略円筒形状の保持部ホルダ73があり、この保持部ホルダ73の前方(
図2中左下側)は切り欠かれていて開口部75が形成されている。また、上記保持部ホルダ73の幅方向(
図2中左上から右下に向かう方向)両側には、それぞれ係合凸部77a、77bが形成されている。
【0026】
また、上記保持部ホルダ73の外側には、パーツ保持部81が被冠・配置されている。このパーツ保持部81は、例えば、透明な樹脂製であり、略円筒形状を成している。上記保持部ホルダ73及び上記パーツ保持部81内に、図示しないパーツ(例えば、ネジ)が収容・保持される。
また、上記パーツ保持部81の前方の下側(
図2中左下側)には開口部83が形成されている。この開口部83と、上記保持部ホルダの開口部75によって排出口85が構成されている。
【0027】
また、上記パーツ保持部81の幅方向(
図2中左上から右下に向かう方向)両側には、それぞれ係合用スリット87a、87bが形成されており、この係合用スリット87aと上記保持部ホルダ73の係合凸部77aとが係合されるとともに、上記係合用スリット87bと上記保持部ホルダ73の係合凸部77bとが係合される。これにより、上記パーツ保持部81の開口部83と、上記保持部ホルダ73の開口部75の位置にずれが生じないように、上記パーツ保持部81が上記保持部ホルダ73に固定されることになる。
【0028】
また、上記排出口85には、前方(
図2中左下側)に向けて下り勾配で傾斜されたスライダ89が設置されている。このスライダ89の前方(
図2中左下側)には、既に述べたパーツ検出用センサ91が設置されている。このパーツ検出用センサ91は、ケーブル93によって上記制御基板61に接続されており、前述したパーツフィーダ3の振動ボウル5内のパーツ(例えば、ネジ)が所定量未満であるか否かを検出する。
【0029】
上記パーツ検出用センサ91は、上記スライダ89に固着されたブラケット95と、このブラケット95に搖動可能に設置されたプローブ97とから構成されている。このプローブ97に、前述したパーツフィーダ3の振動ボウル5内のパーツ(例えば、ネジ)が接触するとプローブ97が搖動し、それによって、上記制御基板61に対して信号が出力されるようになっている。そのため、上記振動ボウル5内において、上記パーツ検出用センサ91の上記プローブ97を任意の高さの位置に設置することにより、上記振動ボウル5内のパーツ(例えば、ネジ)が任意に設定される所定量未満であるか否かを検出できるようになっている。
【0030】
図3に示すように、上記パーツ保持部81内であって上記保持部ホルダ73内には、既に述べた傾斜ディスク101が設置されている。この傾斜ディスク101は略円板形状を成しており、
図5乃至
図8に示すように、上面(
図5(b)中上側の面)が傾斜されて、傾斜面103が形成されている。
上記傾斜ディスク101は、
図3に示すように、その傾斜面103が反排出口85側(
図3中右側)を向くように回転されると、上記供給部71の排出口85を閉鎖するようになっている。また、上記傾斜ディスク101の傾斜面103が、排出口85側(
図3中左側)を向くように回転されると、上記排出口85が開放されるようになっている。
【0031】
また、
図6に示すように、上記傾斜ディスク101の裏面側(
図6中下側)には、カップリング係合用凹部105が形成されている。このカップリング係合用凹部105には、
図3に示すように、前述したカップリング57の
図3中上側が挿入されている。また、
図6に示すように、上記カップリング係合用凹部105の内周面は略円筒形状の面の一部に平面部106を形成した形状を成しており、上記カップリング57の
図3中上側も上記カップリング係合用凹部105の形状に対応した形状となっているため、上記平面部106によって上記カップリング57に対する上記傾斜ディスク101の位置決めがなされるとともにその回転が規制されることになる。
【0032】
また、
図5に示すように、上記傾斜ディスク101の中央には貫通孔107が穿孔されている。
図3に示すように、この貫通孔107は上記カップリング係合用凹部105と連通されていて、上記傾斜ディスク101と上記カップリング57とは、上記貫通孔107を貫通し上記カップリング57に螺合される固定用ネジ109によって固定されている。
また、
図6に示すように、上記カップリング係合用凹部105の内側には、溝111が形成されている。この実施の形態においてこの溝111が機能することはないが、例えば、カップリング係合用凹部105を有底状で閉じたものとして設け、カップリング57をこのカップリング係合用凹部105内に圧入するだけで固定する構成も考えられ(上記固定用ねじ109を使用しない)、その場合には、上記溝111が空気抜き路として機能することになる。
なお、
図7に示すように、上記貫通孔107の傾斜面103側(
図7中上側)はテーパ形状となっており、このテーパ形状を成す部分に上記固定用ネジ109の頭部が収容されるようになっている。
【0033】
また、
図6乃至
図8に示すように、上記傾斜ディスク101の外周面であって、上記傾斜面103の傾斜方向上側(
図7中右側)には、閉鎖確認用溝113が形成されている。この閉鎖確認用溝113内には、例えば、着色が施されており、
図3に示すように、上記傾斜面103が反排出口85側(
図3中右側)を向くように上記傾斜ディスク101が回転された際、上記閉鎖確認用溝113が外部から排出口85を介して視認される。これにより、上記排出口85が閉鎖されていることを確認できるようになっている。
【0034】
また、
図1に示すように、パーツフィーダ3の案内レール21が設置された支持部材25には、既に述べたパーツフィーダ運転検出用センサ121が設置されている。このパーツフィーダ運転検出用センサ121は次のような構成になっている。まず、ブラケット122があり、このブラケット122は、支持部材25に取り付けられている。このブラケット122には、プローブ124が搖動可能に取り付けられている。また、上記パーツフィーダ運転検出用センサ121は、ケーブル123を介して前記した制御基板61に接続されている。そして、上記パーツフィーダ3が運転している場合には、その振動により上記プローブ124が搖動し、それによって、上記ケーブル123を介して上記制御基板61に対して信号が出力されるようになっている。
【0035】
次に、本実施の形態によるホッパ装置1の作用について説明する。
前述したように、上記ホッパ装置1は、パーツフィーダ3の振動ボウル5内にパーツ(例えば、ネジ)を供給するものである。そして、上記パーツフィーダ3は、前述したように、上記振動ボウル5を振動させて、その内部のパーツ(例えば、ネジ)を案内レール21側に順次移動させ、この案内レール21の先端から図示しない装置に供給するものである。
【0036】
上記ホッパ装置1によるパーツフィーダ3へのパーツ(例えば、ネジ)の供給は、次のようにして行われる。
まず、作業員によって、パーツ供給部71のパーツ保持部81の上方から上記パーツ(例えば、ネジ)が投入される。この作業は、作業員がパーツ供給部71の状況を視認しながら適宜行う。
【0037】
そして、上記パーツフィーダ3に対してパーツ(例えば、ネジ)を供給しない場合は、
図9(a)に示すように、傾斜ディスク101を、その傾斜面103が反排出口85側(
図9(a)中上側)を向くように回転させ、上記供給部71の排出口85を閉鎖する。
一方、上記パーツフィーダ3に対してパーツ(例えば、ネジ)を供給する場合は、
図9(b)、
図9(c)に示すように、上記傾斜ディスク101を、その傾斜面103が排出口85側(
図9(b)及び
図9(c)中下側)を向くように回転させ、上記供給部71の排出口85を開放する。これによって、パーツ(例えば、ネジ)が排出される。
【0038】
また、上記排出口85を開放した際、上記傾斜ディスク101を、
図9(b)に示す角度(回転角度1)から
図9(c)に示す角度(回転角度2)までの間で往復回転運動させる。これにより、上記排出口85において、上記パーツ(例えば、ネジ)が互いに絡み合って停滞することを防止する。
なお、前述したCPU63内のフラッシュメモリ63aに記憶された待機位置の回転角度とは、
図9(a)に示すような上記傾斜ディスク101の待機位置での回転角度であり、上記フラッシュメモリ63aに記憶された往復回転運動の一端の回転角度(回転角度1)とは、
図9(b)に示すような上記傾斜ディスク101の回転角度であり、上記フラッシュメモリ63aに記憶された往復回転運動の他端の回転角度(回転角度2)とは、
図9(c)に示すような上記傾斜ディスク101の回転角度である。
また、上記フラッシュメモリ63aに記憶された上記回転角度1や回転角度2を変更することで、上記傾斜ディスク101を任意の角度で往復回転運動させることができる。
【0039】
以上の作用を
図10のフローチャートを参照して、より詳しく説明する。
なお、スタート時は排出口85が閉鎖されていることが前提となる。
まず、ステップS1において、パーツフィーダ運転検出用センサ121からの検出信号に基づいて、パーツフィーダ3が運転中であるか否かを判別する。上記パーツフィーダ3が運転中であれば、次のステップS2へと移行し、上記パーツフィーダ3が運転中でなければ、上記ステップS1による判別を繰り返す。
【0040】
ステップS2では、パーツ検出用センサ91からの検出信号に基づいて、パーツフィーダ3の振動ボウル5内のパーツ(例えば、ネジ)が所定量未満か否かを判別する。上記振動ボウル5内のパーツ(例えば、ネジ)が所定量未満である場合は、次のステップS3へと移行し、上記振動ボウル5内にパーツ(例えば、ネジ)が所定量以上であれば、上記ステップS1とステップS2による判別を繰り返す。
【0041】
ステップS3では、上記CPU63内のタイマを作動させ、次のステップS4に移行する。ステップS4では、上記タイマが作動してから、既に述べたパーツ検出時間が経過したか否かが判別される。このパーツ検出時間は、前述したように、上記CPU63のフラッシュメモリ63a内に記憶されている。上記パーツ検出時間が経過していれば、次のステップS5へと移行し、上記パーツ検出時間が経過していなければ、上記ステップS1へと戻る。
上記ステップS1から上記ステップS4までの処理を繰り返すことで、上記ステップS1での上記パーツフィーダ3が運転中であるという条件と上記ステップS2での上記パーツフィーダ3の振動ボウル5内のパーツ(例えば、ネジ)が所定量未満という条件の両方を満たした状態が、上記パーツ検出時間以上の間継続しているか否かを判別している。このとき、上記パーツ検出時間内に、上記ステップS1や上記ステップS2の条件を満たさない状況になった場合には、上記タイマはリセットされる。一方、上記ステップS1と上記ステップS2の条件の両方が満たされた状況が継続している場合には、上記タイマがリセットされることはない。
【0042】
ステップS5では、ステッピングモータ45を駆動させ、傾斜ディスク101を
図9(b)に示す角度(回転角度1)まで
図9中時計回り方向に正回転させ、次のステップS6に移行する。
ステップS6では、上記ステッピングモータ45を駆動させ、上記傾斜ディスク101を
図9(c)に示す角度(回転角度2)まで
図9中反時計回り方向に逆回転させ、次のステップS7に移行する。
ステップS7では、上記CPU63内のタイマを作動させ、次のステップS8に移行する。
ステップS8では、所定のパーツ排出時間(設定時間2)が経過したか否かが判別される。このパーツ排出時間(設定時間2)は、前述したように制御基板61のボリューム65bによって、例えば、0秒〜20秒に設定されている。上記パーツ排出時間(設定時間2)が経過していれば、次のステップS9へと移行し、上記パーツ排出時間(設定時間2)が経過していなければ、上記ステップS5へと戻る。
【0043】
すなわち、上記ステップS5〜上記ステップS8までの処理を繰り返すことで、上記パーツ排出時間(設定時間2)が経過するまでの間、上記傾斜ディスク101は、
図9(b)に示す角度(回転角度1)と
図9(c)に示す角度(回転角度2)との間で、往復回転運動されることになる。また、このとき、排出口85が開放され、パーツ保持部81や保持部ホルダ73内のパーツ(例えば、ネジ)が上記排出口85から外部へ排出される。また、上記傾斜ディスク101の往復回転運動により上記排出口85での上記パーツ(例えば、ネジ)の停滞が防止される。
なお、上記ステップS5〜上記ステップS8までの処理を繰り返す際、2回目以降の上記ステップS7での上記タイマの動作開始処理は行われない。
【0044】
ステップS9では、上記傾斜ディスク101を、
図9(a)に示す待機位置へと回転させる。このとき、上記排出口85は再び閉鎖される。次に、ステップS10へと移行する。
ステップS10では、上記CPU63内のタイマを作動させ、次のステップS11に移行する。
ステップS11では、所定の休止時間(設定時間1)が経過したか否かが判別される。この休止時間(設定時間1)は、前述したように制御基板61のボリューム65aによって、例えば、0秒〜20秒に設定されている。上記休止時間(設定時間1)が経過していれば、ステップS12に移行する。休止時間(設定時間1)が経過していない場合は、その判別を繰り返す。ステップS12では作業を終了するか否かが判別され、終了しない場合は、上記ステップS1へと戻り、そうでない場合は終了する。
【0045】
また、以上のようなホッパ装置1の動作タイミングを図示すると、
図11のタイミングチャートに示すようなものとなる。この
図11に示すように、この場合には、上記パーツ検出時間は3秒に設定されている。
【0046】
次に、本実施の形態によるホッパ装置1の効果について説明する。
まず、供給部71のパーツ保持部81内に傾斜面103が形成された傾斜ディスク101があり、この傾斜ディスク101は上記傾斜面103が反排出口85側(
図9(a)中上側)を向くように回転されると、上記供給部71の排出口85を閉鎖し、上記傾斜ディスク101の傾斜面103が排出口85側(
図9(b)及び
図9(c)中下側)を向くように回転されると、上記排出口85が開放されるようになっているため、上記傾斜ディスク101を回転させるだけで上記排出口85からのパーツ(例えば、ネジ)の排出を制御でき、簡単な構成により確実に上記パーツ(例えば、ネジ)の供給を行うことができる。
また、上記排出口85が開放された際に上記傾斜ディスク101を任意の角度で往復回転運動させることにより上記排出口85付近における上記パーツ(例えば、ネジ)の停滞を防止でき、より確実に上記パーツ(例えば、ネジ)の供給を行うことができる。
【0047】
また、上記パーツフィーダ3が運転中であることが、上記パーツ(例えば、ネジ)の供給を行うことの条件の一つになっており、よって、上記パーツフィーダ3が停止している場合に上記パーツ(例えば、ネジ)が供給されることはなく、これにより上記パーツ(例えば、ネジ)の過剰供給を防止できる。
【0048】
また、パーツフィーダ3の振動ボウル5内のパーツ(例えば、ネジ)が所定量より少ないことも、上記パーツ(例えば、ネジ)の供給を行うことの条件の一つになっており、それによっても、上記パーツ(例えば、ネジ)の過剰供給を防止できる。
【0049】
また、上記パーツフィーダ3のパーツ(例えば、ネジ)が所定量より少ない状態が所定のパーツ検出時間(この場合には3秒)以上継続している場合に、上記排出口85を開放してパーツ(例えば、ネジ)を上記パーツフィーダ3に供給するため、これによっても、上記パーツ(例えば、ネジ)が過剰に供給されることを防止できる。
例えば、振動ボウル5内に所定量以上のパーツ(例えば、ネジ)があるにもかかわらず、パーツ検出用センサ91の検出位置にパーツ(例えば、ネジ)がない場合があり、この場合には、パーツ(例えば、ネジ)が所定量より少ない状態であると判別されてしまう。しかしながら、振動ボウル5の動作によりパーツ(例えば、ネジ)が移動すれば、パーツ検出用センサ91によりパーツ(例えば、ネジ)が正しく検出される状態になる。このようなことを見込んで、上記パーツ検出時間を設定しているものである。
【0050】
また、上記排出口85を開放してパーツ(例えば、ネジ)を排出した後に所定の休止時間(設定時間1)を設定し、上記休止時間(設定時間1)後に再びパーツ(例えば、ネジ)を排出するか否かを判別するようにしているため、パーツ(例えば、ネジ)を供給した後にすぐパーツ(例えば、ネジ)が供給されないようにし、これによりパーツ(例えば、ネジ)が過剰に供給されることを防止できる。
より具体的に説明すると、上記パーツ(例えば、ネジ)はスライダ89を介して上記振動ボウル5の中央付近に排出され、その位置ではパーツ検出用センサ91によって検出されないおそれがある。その為、上記休止時間(設定時間1)がないと、その後の判別で再度パーツ(例えば、ネジ)の排出が実行されてしまう恐れがあり、結果として、パーツ(例えば、ネジ)の過剰供給になってしまう。そこで、振動ボウル5の作用により上記パーツ(例えば、ネジ)が上記パーツ検出用センサ91による検出可能位置に移動する時間を見込んで上記休止時間(設定時間1)を設定することにより、不要なパーツ(例えば、ネジ)の過剰供給を防止することができる。
【0051】
また、パーツ保持部81は、透明な樹脂製であるため、上記パーツ保持部81内に保持されたパーツ(例えば、ネジ)の残量を外部から確認しやすい。
また、上記傾斜ディスク101の外周面であって、上記傾斜面103の傾斜方向上側(
図7中右側)には、閉鎖確認用溝113が形成されているので、排出口85が閉鎖されていることを確認することができる。
また、確認した結果、傾斜ディスク101の回転位置にずれが生じている場合には、位置調整を行うこともできる。
【0052】
次に、
図12及び
図13を参照しながら、別の制御について説明する。この場合は、セレクトスイッチ65cを操作して、別の制御に切り替えるものである。
【0053】
まず、
図12のフローチャートを参照して作用を説明する。
なお、スタート時は、排出口85が閉鎖されていることが前提となる。
まず、ステップS21において、パーツフィーダ運転検出用センサ121によって、パーツフィーダ3が運転中であるか否かを判別する。上記パーツフィーダ3が運転中であれば、次のステップS22へと移行し、上記パーツフィーダ3が運転中でなければ、上記ステップS21による判別を繰り返す。
【0054】
ステップS22では、上記パーツフィーダ3の運転時間をCPU63のタイマ機能によって積算して、累積運転時間を算出する処理を行い、ステップS23へと移行する。
なお、この累積運転時間は、後述するステップS30の後、すなわち、排出口85からパーツ(例えば、ネジ)が排出された後のみにリセットされる。
ステップS23では、上記パーツフィーダ3の累積運転時間が、所定のパーツフィーダ継続運転時間(設定時間1′)以上であるか否かを判別する。
なお、このパーツフィーダ継続運転時間(設定時間1′)は、前述したように制御基板61のボリューム65aによって設定されている。
上記パーツフィーダ3の累積運転時間が上記パーツフィーダ継続運転時間(設定時間1′)以上であれば、ステップS24へと移行し、上記パーツフィーダ3の累積運転時間が上記パーツフィーダ継続運転時間(設定時間1′)以上でなければ、上記ステップS21に戻る。
【0055】
ステップS24では、パーツ検出用センサ91によって、パーツフィーダ3の振動ボウル5内においてパーツ(例えば、ネジ)が所定量未満か否かを判別する。上記振動ボウル5内のパーツ(例えば、ネジ)が所定量未満であれば、次のステップS25へと移行し、上記振動ボウル5内のパーツ(例えば、ネジ)が所定量以上であれば、上記ステップS24の判別処理を繰り返す。
【0056】
ステップS25では、上記CPU63内のタイマを作動させ、次のステップS26に移行する。
ステップS26では、上記タイマが作動してから、既に述べたパーツ検出時間が経過したか否かが判別される。このパーツ検出時間は、前述したように上記CPU63のフラッシュメモリ63a内に記憶されている。上記パーツ検出時間が経過していれば、次のステップS27へと移行し、上記パーツ検出時間が経過していなければ、上記ステップS24へと戻る。
【0057】
このとき、上記ステップS24の条件を満たさない場合は、上記ステップS25で作動させたタイマはリセットされるが、上記ステップS24の条件を満たしている場合は、上記タイマはリセットされない。
【0058】
ステップS27では、ステッピングモータ45を駆動させ、傾斜ディスク101を
図9(b)に示す角度(回転角度1)まで
図9中時計回り方向に正回転させ、次のステップS28に移行する。
ステップS28では、上記ステッピングモータ45を駆動させ、上記傾斜ディスク101を
図9(c)に示す角度(回転角度2)まで
図9中反時計回り方向に逆回転させ、次のステップS29に移行する。
ステップS29では、上記CPU63内のタイマを作動させ、次のステップS30に移行する。
ステップS30では、所定のパーツ排出時間(設定時間2)が経過したか否かが判別される。このパーツ排出時間(設定時間2)は、前述したように制御基板61のボリューム65bによって、例えば、0秒〜20秒に設定されている。上記パーツ排出時間(設定時間2)が経過していれば、次のステップS31へと移行し、上記パーツ排出時間(設定時間2)が経過していなければ、上記ステップS27へと戻る。
【0059】
すなわち、上記ステップS27〜上記ステップS30までの処理を繰り返すことで、上記パーツ排出時間(設定時間2)が経過するまでの間、上記傾斜ディスク101は、
図9(b)に示す角度(回転角度1)と
図9(c)に示す角度(回転角度2)との間で、往復回転運動されることになる。また、このとき、排出口85が開放され、パーツ保持部81や保持部ホルダ73内のパーツ(例えば、ネジ)が上記排出口85から外部へ排出されることになるとともに、上記傾斜ディスク101の往復回転運動により上記排出口85での上記パーツ(例えば、ネジ)の停滞が防止される。
なお、上記ステップS27〜S30までの処理を繰り返す際、2回目以降の上記ステップS29での上記タイマの動作開始処理は行われない。
【0060】
ステップS31では、上記傾斜ディスク101を、
図9(a)に示す待機位置へと回転させる。このとき、上記排出口85は再び閉鎖される。次に、ステップS32へと移行する。
ステップS32では、作業を終了するか否かが判別される。終了しない場合には、上記ステップS21へと戻り、そうでない場合は終了する。
【0061】
また、以上のようなホッパ装置1の動作タイミングを図示すると、
図13のタイミングチャートに示されるようなものとなる。この
図13に示すように、この場合には、上記パーツフィーダ継続運転時間(設定時間1′)は20秒に設定されており、上記パーツ検出時間は3秒に設定されている。
【0062】
以上、このような制御でも同様の作用・効果を奏することができる。
また、この場合には、パーツフィーダ3の累積運転時間が、パーツフィーダ継続運転時間(設定時間1′、この場合には20秒)以上でないと、パーツ(例えば、ネジ)を排出するか否かの判別を行わないようにしているため、これによりパーツ(例えば、ネジ)が過剰に供給されることを防止できる。
【0063】
次に、
図14を参照しながら、さらに別の制御について説明する。この場合も、セレクトスイッチ65cを操作して、さらに別の制御に切り替えるものである。
この場合には、
図14に示すようなタイミングチャートに従って制御される。すなわち、所定のパーツ排出時間(設定時間2)だけ排出口85を開放して、傾斜ディスク101を往復回転動させながらパーツ(例えば、ネジ)を排出してから、上記排出口85を閉鎖し、その後、所定の停止時間(設定時間1″)だけ待機するという処理を繰り返すものである。
【0064】
なお、上記パーツ排出時間(設定時間2)は、前述したように制御基板61のボリューム65bによって、例えば、0秒〜20秒に設定されているものである。また、上記停止時間(設定時間1″)は、前述したように制御基板61のボリューム65aによって、例えば、0秒〜20秒に設定されているものである。その際、パーツフィーダ3側のパーツ(例えば、ネジ)の量が予め設定された所定量未満になると思われる時間を見込んで、上記停止時間(設定時間1″)を設定しておくことになる。
なお、このような制御はパーツフィーダ3が運転を行っていることが前提となる。
【0065】
このような制御でも、略同様の作用・効果を奏することができる。
【0066】
なお、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本発明によるホッパ装置によって供給されるパーツとしては、ネジに限られるものではなく、様々な形状、大きさ、材質のパーツに適用可能である。
また、本発明によるホッパ装置によってパーツを供給される対象も、パーツフィーダには限られるものではなく、パーツ搬送装置、各種加工機、等でも良い。
また、パーツ検出用センサ91やパーツフィーダ運転検出用センサ121として、様々な種類のセンサが用いられることが考えられる。
【0067】
また、前記一実施の形態では、パーツフィーダ3の振動ボウル5内のパーツ(例えば、ネジ)が所定量より少なくなったか否かを判別していたが、代わりに、上記振動ボウル5内のパーツ(例えば、ネジ)があるか否かを判別することも考えられる。
また、上記パーツフィーダ3が運転中であるか否かに関わりなく、上記パーツフィーダ3の振動ボウル5内にパーツ(例えば、ネジ)がない又は少ない場合に、パーツ(例えば、ネジ)を供給することも考えられる。
また、上記パーツフィーダ3が運転中であれば、例えば、上記振動ボウル5内のパーツ(例えば、ネジ)の量に関わらず、所定時間毎にパーツ(例えば、ネジ)を供給することや、上記パーツ(例えば、ネジ)を過剰供給されない程度の量で連続して供給することも考えられる。
また、パーツ検出時間、パーツフィーダ継続運転時間、パーツ排出時間、及び、休止時間として、様々な数値が設定されることが考えられる。
また、前記一実施の形態では、カウンタとプログラムによりタイマ機能を構成したがそれに限定されるものではない。
その他、図示した構成はあくまで一例である。