(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の1つの例示的な実施態様に従った呼吸療法の養生を患者にもたらすよう構成されるシステムを示す正面斜視図である。
【
図2】本発明の1つの例示的な実施態様に従った呼吸療法の養生を患者にもたらすよう構成されるシステムを示す背面斜視図である。
【
図3】本発明の1つの例示的な実施態様に従った呼吸療法の養生を患者にもたらすよう構成されるシステムを示す側面図である。
【
図4】
図1乃至3のシステムの特許インターフェース装置の一部を形成する本発明のある例示的な実施態様に従ったクッションを示す正面斜視図である。
【
図5】
図1乃至3のシステムの特許インターフェース装置の一部を形成する本発明のある例示的な実施態様に従ったクッションを示す背面斜視図である。
【
図6】
図1乃至3のシステムの特許インターフェース装置の一部を形成する本発明のある例示的な実施態様に従ったクッションを示す側面図である。
【
図7】
図4乃至6のクッションを示す断面図である。
【
図8】
図4乃至6のクッションを示す断面図である。
【
図9】
図4乃至6のクッションを示す断面図である。
【
図10】
図4乃至6のクッションを示す断面図である。
【
図11】
図4乃至6のクッションを示す断面図である。
【
図12】本発明のある代替的な実施態様に従ったクッションを示す断面図である。
【
図13】本発明のある代替的な実施態様に従った呼吸療法の養生を患者にもたらすよう構成されるシステムを示す正面斜視図である。
【
図14】本発明のある代替的な実施態様に従った呼吸療法の養生を患者にもたらすよう構成されるシステムを示す背面斜視図である。
【
図15】
図13及び14のシステムの特許インターフェース装置の一部を形成する本発明のある代替的な例示的な実施態様に従ったクッション組立体を示す正面斜視図である。
【
図16】
図13及び14のシステムの特許インターフェース装置の一部を形成する本発明のある代替的な例示的な実施態様に従ったクッション組立体を示す背面斜視図である。
【
図20】本発明のある代替的な例示的な実施態様に従った患者シール素子の一部を形成するクッション素子を示す側面図である。
【
図21】本発明のある代替的な例示的な実施態様に従った患者シール素子の一部を形成するクッション素子を示す正面斜視図である。
【
図22】
図20及び21のクッション素子と共に、本発明のある代替的な例示的な実施態様に従った患者シール組立体を形成する、患者シールフラップ組立体を示す側面図である。
【
図23A】代替的なクッション素子を示す側面図であり、クッション素子に定められるオリフィスは代替的な形状を有する。
【
図23B】代替的なクッション素子を示す側面図であり、クッション素子に定められるオリフィスは代替的な形状を有する。
【
図23C】代替的なクッション素子を示す側面図であり、クッション素子に定められるオリフィスは代替的な形状を有する。
【
図23D】代替的なクッション素子を示す側面図であり、クッション素子に定められるオリフィスは代替的な形状を有する。
【
図23E】代替的なクッション素子を示す側面図であり、クッション素子に定められるオリフィスは代替的な形状を有する。
【
図23F】代替的なクッション素子を示す側面図であり、クッション素子に定められるオリフィスは代替的な形状を有する。
【
図23G】代替的なクッション素子を示す側面図であり、クッション素子に定められるオリフィスは代替的な形状を有する。
【
図24】本発明の更なる代替的な例示的な実施態様に従ったクッションを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここにおいて使用されるとき、単数形態は、文脈が明らかにその他のことを規定しない限り、複数形態の言及を含む。ここにおいて使用されるとき、2つ又はそれよりも多くの部分又は構成部品が「結合される」(“coupled”)という記述は、連結(link)が起こる限り、その部分又は構成部品が、直接的に又は間接的に、即ち、1つ又はそれよりも多くの中間的な部分又は構成部品を通じて接合され或いは作動することを意味する。ここにおいて使用されるとき、「直接的に結合される」ことは、2つの素子が互いに直接的に接触することを意味する。ここにおいて使用されるとき、「固定的に結合される」又は「固定される」(“fixed”)は、2つの構成部品が、互いに対する一定の向きを維持しながら一体として移動するよう、結合されることを意味する。
【0016】
ここにおいて使用されるとき、「一体的」(“unitary”)という用語は、ある構成部品が一体形又はユニットとして創成されることを意味する。換言すれば、別個に創成され、次に、ユニットとして一体に結合される片(piece)は、「一体的」な構成部品又は本体ではない。ここにおいて利用されるとき、2つ又はそれよりも多くの部分又は構成部品が互いに「係合する」(“engage”)という記述は、その部分又は構成部品が、直接的に或いは1つ又はそれよりも多くの中間的な部分又は構成部品を通じて、互いに力を加え合うことを意味する。ここにおいて利用されるとき、「数」という用語は、1又は1よりも大きい整数(即ち、複数)を意味する。
【0017】
ここにおいて使用される、例えば、非限定的に、「頂部」、「底部」、「左」、「右」、「下方」、「上方」、「正面」、「背面」、及び、それらの派生語のような、辞書的な成句は、図面中に示される素子の向きに関し、請求項中で明示的に列挙されない限り、請求項を限定しない。
【0018】
図1、
図2、及び
図3は、それぞれ、本発明の1つの例示的な実施態様に従って患者に呼吸療法の養生(regimen)をもたらすよう構成されるシステム2の正面斜視図、背面斜視図、及び側面図である。システム2は、圧力生成装置4と、供給導管6と、患者インターフェース装置8とを含む。圧力生成装置4は、呼吸ガスの流れを生成するよう構成され、換気装置、(連続気道陽圧又はCPAP装置のような)定圧支援装置、変圧装置(例えば、Murrysville, PennsylvaniaのPhilips Respironicsによって製造販売されているBiPAP(R)、Bi−Flex(R)、又はC−Flex(TM)装置)、及び自動滴定圧力支援装置を含み得るが、それらに限定されない。
【0019】
供給導管6は、呼吸ガスの流れを圧力生成装置4から患者インターフェース装置8に連絡するよう構成される。患者インターフェース装置8は、例示の実施態様では、鼻マスク9である。しかしながら、患者の気道への呼吸ガスの流れの供給を促進する鼻/口マスク、(例えば、鼻プロングを含む)鼻クッション、又は全面マスクのような、如何なる種類のマスクをも、本発明の範囲内に留まりながらマスク9として使用し得る。マスク9は、封止クッション10を含み、封止クッション10は、剛的な支持構造7に流体的に結合される。支持構造7は、肘導管5に流体的に結合される。肘導管5は、供給導管6に結合されるよう構成され、供給導管6は、圧力生成装置4と流体的に連絡する。
図1乃至3に見られるように、支持構造7は、患者インターフェース装置8を患者の頭に固定するためにヘッドギア組立体(図示せず)に結合されるよう構成される。
【0020】
図4、
図5、及び
図6は、それぞれ、本発明のある例示的な実施態様に従ったクッション10の正面斜視図、背面斜視図、及び側面図である。
図4、
図5、及び
図6に見られるように、クッション10は、概ね三角形の周縁を有し、患者の鼻の上に適合するよう構成される。しかしながら、患者の鼻及び口を覆う様々な患者インターフェース(鼻−口マスク)、患者の顔の大部分を覆う様々な患者インターフェース(全面マスク)、又は患者の鼻内に適合する様々な患者インターフェースを構成し得ることが周知である。本発明は、この発明の特異な特徴を、この発明の範囲から逸脱せずに、様々な異なる患者インターフェースに利用し得ることを想定する。クッション10は、患者と患者インターフェース装置8との間に可撓な封止(シール)をもたらすよう構成される。
【0021】
クッション10は、患者接触部分12と、中央部分14と、接続部分16とを有する。各部分は、異なる目標を達成するよう特別に構成される。患者接触部分12は、使用者(患者)と患者インターフェース装置8との間の確実な封止をもたらすよう構成される。中央部分14は、クッション10に支持をもたらすよう構成され、そして、以下に詳細に記載するように、クッション10に対して加えられる力に応答して、クッション10の制御された
潰れ、変形、及び反発をもたらすよう構成される。接続部分16は、クッション10と支持構造7との間の確実な接続をもたらすよう構成される。更に、上述のように、クッション10は、概ね三角形の周縁を有し、よって、中央部分14は、頂壁18と、左側壁20と、右側壁22と、底壁24とを含む。
【0022】
加えて、
図4乃至6に見られるように、クッション10の中央部分14は、頂壁18、左側壁20、右側壁22、及び底壁24の1つ又はそれよりも多くの壁の内側及び/又は外側に設けられた複数の空洞26を含む。ここにおいて使用されるとき、「空洞」(“void”)という用語は、壁の(内側又は外側の)外表面の縁部分によって定められ且つ取り囲まれるクッション10の壁の内向きに(壁の中心に向かって)延びる或いは凹む部分を指す。
【0023】
図4乃至6に示すクッション10の例示的な実施態様において、クッション10は、7個の空洞26を含む。
図7乃至11は、例示の実施態様の様々な空洞26を示すのを助けるクッション10の様々な断面図である。
図7は、
図6の線A−Aに沿って取られている。
図8は、
図6の線B−Bに沿って取られている。
図9は、
図6の線C−Cに沿って取られている。
図10は、
図6の線D−Dに沿って取られている。
図11は、
図6の線E−Eに沿って取られている。
図4乃至11に見られるように、これらの7個の空洞26は、(i)(頂壁18、左側壁20、右側壁22、及び、底壁24の頂部で)頂壁18、左側壁20、右側壁22、及び、底壁24の内側に設けられる第1の空洞26A(よって、空洞26Aは、クッション10の内側頂部周縁の全体の周りに連続的に延在する)、(ii)頂壁18、(左側壁20の頂部で)左側壁20、及び(右側壁22の頂部で)右側壁22の外側に設けられる第2の空洞26B(よって、空洞26Bは、左側壁20の後端部から右側壁22の後端部まで連続的に延在する)、(iii)(左側壁20の底部で)左側壁20の外側に設けられる第3の空洞26C、(iv)(右側壁22の底部で)右側壁22の外側に設けられる第4の空洞26D、(v)(左側壁20の後部及び中央部で)左側壁20の外側に設けられる第5の空洞26E、(vi)(右側壁22の後部及び中央部で)右側壁22の外側に設けられる第6の空洞26F、及び(vii)底壁24の外側に設けられる第7の空洞26Gを含む。
【0024】
クッション10の1つの具体的な非限定的な例示的な実施態様において、空洞26A−26Gの寸法は以下の通りである。提供される深さ寸法は、空洞26の近位最大深さ又は深さ範囲であり、全ての寸法はmmである。付与されるこれらの値は、圧縮力によって変化し得る幾つかの典型的な値であるに過ぎないことが理解されるべきである。正面は三角形の先端に向かうのに対し、基部は底部にある。各空洞の幅(W)は異なり、付与されるこれらの幅値は近位幅である。空洞26Aは、3.5〜10mmの深さに及び(内壁から−全周に亘って延在し、W=12mm)、空洞26Bは、4〜5mmの深さに及び(外壁から−側部から正面まで100mm延び、W=8mm)、空洞26C及び26Dは、7mmの深さであり(外壁から−下方側部に沿って32mm延び、W=9mm)、空洞26E及び26Fは、5.5mmであり(外壁から−側部に沿って22mm延び、W=8.5mm)、空洞26Gは、3.2mm(外壁から−基部に沿って50延び、W=8.9)である。
【0025】
加えて、1つの例示的な非限定的な実施態様において、クッション10は、単一成分
シリコーンゴム(RTV−1)、二成分
シリコーン(RTV−2)、適切に柔軟な熱可塑性エラストマ、フォーム、又はそのような材料の任意の組み合わせを含む、柔らかい、可撓な、クッションのような、弾性的な材料の一体的な片(部品)で定められるが、それらに限定されない。ある例示的な実施態様において、その材料は、ショア00硬度計で5〜60の間の硬さを有する。この材料は、現在の従来技術のクッションにおいて使用されている40ショアAの硬さを有する材料よりもずっと柔らかい。
【0026】
今記載したばかりの硬さを有する材料を使用してもしなくてもよい他の例示的な非限定的な実施態様において、空洞26を含まない中央部分14の頂壁18、左側壁20、右側壁22、及び底壁24の部分は、(例えば、
図10及び
図11中に矢印によって示す)4mm以上の断面厚さを有する。ある代替的な例示的な実施態様において、その断面厚さは、5mm以上であり、更なる他の代替的な例示的な実施態様において、その断面厚さは、4mm〜10mmの間又は5mm〜10mmの間である。これらの厚さは、0.3〜1.5mmの間の厚さを典型的に有する現在の従来技術のクッションの壁厚よりも有意に大きい。
【0027】
更に、
図10及び
図11に見られるように、その例示の実施態様において、中央部分14の頂壁18、左側壁20、右側壁22、及び/又は底壁24の1つ又はそれよりも多くの断面部分は、その外側の第1の空洞26と、その内側の第2の空洞26とを有し、それらの空洞は、第1の空洞26の少なくとも一部が第2の空洞26の一部と重なり合うように、互いに向かい合って整列されるよう位置付けられる(中央部分14のある区画がそれらの間に配置される)。換言すれば、重なり合う第1及び第2の空洞26は、少なくとも第1の空洞26の一部及び第2の空洞26の一部が中央部分14の底部を定める平面から同じ距離に配置されるように位置付けられる。そのような重なり合う第1及び第2の空洞26の1つの実施例は、
図10及び
図11に示す空洞26A及び26Bである。1つの具体的な非限定的な実施態様において、空洞26の間の重なり合い(オーバーラップ)の量は、2mm以上である。
【0028】
図12は、本発明のある代替的な実施態様に従ったクッション30の断面図である。
図12に見られるように、クッション30は、患者接触部分32と、その内部に複数の空洞26を有する中央部分34と、接続部分36とを含む。
図12に見られるように、クッション30は、中空の成形された嚢(bladder)38で構成され、嚢38は、クッション30の外形を定め、嚢38は、ゲル、流体、又はフォームのような、柔らかいクッションのような材料40で充填されるが、それらに限定されない。嚢38を、
シリコーン、TPE、又はスラッシュ成形ゴムのような、弾性材料で作製し得るが、それらに限定されない。1つの具体的な実施態様において、材料40は、ショア00硬度計で5〜60の硬さを有する。嚢38は、より硬い材料、例えば、10〜40ショアA液体
シリコーンゴム、TPE、又はスラッシュ成型ゴムで形成される。
【0029】
図13及び
図14は、本発明の代替的な例示的な実施態様に従って呼吸療法の養生を患者にもたらすよう構成されるシステム44の概略的な正面斜視図及び背面斜視図である。本明細書の他の場所に記載したように、システム44は、圧力生成装置4と、供給導管6とを含む。システム44は、代替的な患者インターフェース装置46も含む。
【0030】
患者インターフェース装置46は、マスク48を含み、マスク48は、例示の実施態様では、鼻マスクである。しかしながら、患者の気道への呼吸ガスの流れの供給を促進する鼻/口マスク、(例えば、鼻プロングを含む)鼻クッション、又は全面マスクのような、如何なる種類のマスクをも、本発明の範囲内に留まりながらマスク48として使用し得る。マスク48は、剛的な支持構造52に流体的に結合されるクッション組立体50を含む。支持構造52は、肘導管54に流体的に結合される。肘導管54は、圧力生成装置4と流体的に連絡する供給導管6に結合されるよう構成される。支持構造52は、剛的なシェルを含み、患者インターフェース装置46を患者の顔に固定するためにヘッドギア組立体(図示せず)に結合されるよう構成される。
【0031】
図15及び
図16は、それぞれ、本発明のある代替的な例示的な実施態様に従ったクッション組立体50の正面斜視図及び背面斜視図である。
図15及び
図16に見られるように、クッション組立体50は、剛性フレーム58に結合される封止クッション56を含む。剛性フレーム58は、支持構造52へのクッション組立体50の取付けを容易化する。クッション56は、概ね三角形の周縁を有し、患者の鼻の上に適合するよう構成される。しかしながら、患者の鼻及び口を覆う様々な患者インターフェース(鼻−口マスク)、患者の顔の大部分を覆う様々な患者インターフェース(全面マスク)、又は患者の鼻内に適合する様々な患者インターフェースを構成し得ることが周知である。本発明は、この発明の特異な特徴を、この発明の範囲から逸脱せずに、様々な異なる患者インターフェースに利用し得ることを想定する。クッション56は、患者と患者インターフェース装置46との間に可撓な封止をもたらすよう構成される。
【0032】
クッション56は、患者接触部分60と、中央部分62と、接続部分64とを有する。各部分は、異なる目標を達成するために特別に構成される。患者接触部分60は、使用者(患者)と患者インターフェース装置46との間の確実な封止をもたらすよう構成される。中央部分62は、クッション56に対する支持をもたらすよう、そして、以下に詳細に記載するように、クッション56に対して加えられる力に応答して、クッション56の制御された
潰れ、変形、及び反発をもたらすよう構成される。接続部分64は、クッション56と剛性フレーム58との間に確実な接続をもたらすよう構成される。更に、上述のように、クッション56は、概ね三角形の周縁を有し、よって、中央部分62は、頂壁66と、左側壁68と、右側壁70と、底壁72とを有する。加えて、
図15及び
図16に見られるように、クッション56の中央部分62は、頂壁66、左側壁68、右側壁70、及び底壁72の1つ又はそれよりも多くの壁の内側及び/又は外側に設けられる複数の空洞74を含む。
【0033】
図15及び
図16に示すクッション56の例示的な実施態様において、クッション56は、7個の空洞74を含む。
図17乃至19は、例示の実施態様の様々な空洞74を示すのを助けるクッション56の様々な断面図である。
図17乃至19に見られるように、これらの7個の空洞は、(i)(頂壁66、左側壁68、右側壁70、及び底壁72の頂部で)頂壁66、左側壁68、右側壁70、及び底壁72の内側に設けられる第1の空洞74A(よって、空洞74Aは、クッション56の内側頂部周縁の全体の周りに連続的に延在する)、(ii)頂壁66、(左側壁68の頂部で)左側壁68、及び(右側壁70の頂部で)右側壁70の外側に設けられる第2の空洞74B(よって、空洞74Bは、左側壁68の後端部から右側壁70の後端部まで連続的に延在する)、(iii)(左側壁68の中央部で)左側壁68の外側に設けられる第3の空洞74C、(iv)(右側壁70の中央部で)右側壁70の外側に設けられる第4の空洞74D、(v)(左側壁68の後部及び中央部で)左側壁68の外側に設けられる第5の空洞74E、(vi)(右側壁70の後部及び中央部で)右側壁70の外側に設けられる第6の空洞74F、及び(vii)底壁72の外側に設けられる第7の空洞74Gを含む。
【0034】
クッション10の1つの具体的な非限定的な実施態様において、空洞74A−74Gの寸法は、以下の通りである。提供される深さ寸法は、空洞26の近位最大深さ又は深さ範囲であり、全ての寸法はmmである。付与されるこれらの値は、圧縮力によって変化し得る幾つかの典型的な値であるに過ぎないことが理解されるべきである。正面は三角形の先端に向かうのに対し、基部は底部にある。各空洞の幅(W)は異なり、付与されるこれらの幅値は近位幅である。空洞74Aは、6〜10mmの深さに及び(内壁から−全周に亘って延在し、W=12mm)、空洞74Bは、3〜6mmの深さに及び(外壁から−側部から正面まで180mmの長さ延び、W=11mm)、空洞74C及び74Dは、6mmの深さであり(外壁から−側部に沿って60mmの長さ延び、W=11mm)、空洞74E及び74Fは、5mmの深さであり(外壁から−下方側部に沿って27mmの長さ延び、W=8.5mm)、空洞74Gは、4.8mmの深さである(外壁から−基部に沿って79mmの長さ延び、W=9mm)。
【0035】
加えて、1つの例示的な非限定的な実施態様において、クッション56、ライムクッション10は、二成分
シリコーン(RTV−2)、適切に柔軟な熱可塑性エラストマ、フォーム、又はそのような材料の任意の組み合わせを含む、柔らかい、可撓な、クッションのような、弾性的な材料の一体的な片から定められ、その材料はショア00硬度計で5〜60の間の硬さを有する。
【0036】
今記載したばかりの硬さを有する材料を使用してもしなくてもよい他の例示的な非限定的な実施態様において、空洞74を含まない中央部分62の頂壁66、左側壁70、右側壁70、及び底壁72の部分は、(例えば、
図17中に矢印によって示す)4mm以上の断面厚さを有する。ある代替的な例示的な実施態様において、その断面厚さは、5mm以上であり、更なる他の代替的な例示的な実施態様において、その断面厚さは、4mm〜10mmの間又は5mm〜10mmの間である。これらの厚さは、0.3〜1.5mmの間の厚さを典型的に有する現在の従来技術のクッションの壁厚よりも有意に大きい。
【0037】
更に、
図17及び
図18に見られるように、その例示の実施態様において、中央部分62の頂壁66、左側壁68、右側壁70、及び/又は底壁72の1つ又はそれよりも多くの断面部分は、その外側の第1の空洞74と、その内側の第2の空洞74とを有し、それらの空洞は、第1の空洞74の少なくとも一部が第2の空洞74の一部と重なり合うように、互いに向かい合って整列されるよう位置付けられる(中央部分62のある区画がそれらの間に配置される)。換言すれば、重なり合う第1及び第2の空洞74は、少なくとも第1の空洞74の一部及び第2の空洞74の一部が中央部分62の底部を定める平面から同じ距離に配置されるように位置付けられる。そのような重なり合う第1及び第2の空洞74の1つの実施例は、
図17及び
図18に示す空洞74A及び74Bである。1つの具体的な非限定的な実施態様において、空洞74の間の重なり合い(オーバーラップ)の量は、2mm以上である。
【0038】
図20及び
図21は、それぞれ、本発明のある代替的な実施態様に従った患者封止組立体の一部を形成するクッション素子80の側面図及び正面斜視図である。クッション素子80は、概ね三角形の周縁を有し、患者の鼻の上に適合するよう構成される。しかしながら、患者の鼻及び口を覆う様々な患者インターフェース(鼻−口マスク)、患者の顔の大部分を覆う様々な患者インターフェース(全面マスク)、又は患者の鼻内に適合する様々な患者インターフェースを構成し得ることが周知である。本発明は、この発明の特異な特徴を、この発明の範囲から逸脱せずに、様々な異なる患者インターフェースに利用し得ることを想定する。クッション素子80は、以下に詳細に記載する封止フラップ組立体82(
図22)と共に、患者と患者インターフェース装置との間の可撓な封止をもたらすために(例えば、
図1に示す患者インターフェース装置8の一般的な形状を有する)患者インターフェース装置の患者封止組立体部分を形成するよう構成される。
【0039】
クッション素子80は、壁部分84と、接続部分86とを含む。壁部分84は、クッション素子80に支持をもたらすよう構成され、且つ、クッション素子がその一部を形成する患者封止組立体に対して加えられる力に応答して、クッション素子80の制御された
潰れ、変形、及び反発をもたらすよう構成される。接続部分86は、クッション素子80と患者インターフェース装置の環状フレームのような支持構造との間の確実な接続をもたらすよう構成され、支持構造は、患者インターフェース装置の一部を形成する。例示の非限定的な実施態様において、クッション素子80は、概ね三角形の周縁を有し、よって、壁部分84は、頂壁88と、左側壁90と、右側壁92と、底壁94とを含む。
【0040】
その例示的な実施態様において、クッション素子80は、単一成分
シリコーンゴム(RTV−1)、二成分
シリコーン(RTV−2)、適切に柔軟な熱可塑性エラストマ、フォーム、又はそのような材料の任意の組み合わせを含む、柔らかい、可撓な、クッションのような、弾性的な材料の一体的な片で定められるが、それらに限定されない。1つの具体的な非限定的な実施態様において、クッション素子80を作製する材料は、ショア00硬度計で5〜60の間の硬さを有する。この材料は、現在の従来技術のクッションにおいて使用されている40ショアAの硬さを有する材料よりもずっと柔らかい。加えて、
図20及び21に見られるように、クッション素子80の壁部分84は、頂壁88、左側壁90、右側壁92、及び底壁94の1つ又はそれよりも多くの壁を完全に通じて延びる複数のオリフィス(orifices)96を含む。
【0041】
従って、本発明はクッションの壁を通じて延びない空洞を提供すること(
図1乃至19)及びクッションの壁を貫通して延びるオリフィス(開口)を提供すること(
図20及び21)を想定することを理解し得よう。本発明は、クッションの壁内に/壁を貫通して、空洞及びオリフィスの両方を提供することも想定する。クッションの周縁に沿う特定の場所で所望の
潰す力又はベクトルを達成するために、空洞及びオリフィスの具体的な配置、大きさ、形状、幾何、場所、深さ等を選択し得る。
【0042】
今記載したばかりの硬さを有する材料を使用してもしなくてもよい他の例示的な非限定的な実施態様において、オリフィス96を含まない壁部分84の頂壁88、左側壁90、右側壁92、及び底壁94の部分は、3mm以上の断面厚さを有する。
【0043】
図22は、封止フラップ組立体82の側面図である。上述のように、封止フラップ組立体82は、患者と患者インターフェース装置との間の可撓な封止をもたらすために患者インターフェース装置の患者封止組立体部分を共に形成するよう、クッション素子80に結合されるよう構成される。具体的には、封止フラップ組立体82は、(例えば、オーバーモールドプロセスによって)剛性又は半剛性フレーム102に結合される封止フラップ部分100を含み、剛性又は半剛性フレーム102は、封止フラップ部分100が、患者インターフェース装置の環状フレームのような支持構造に取り付けられるのを可能にするよう構成され、支持構造は患者インターフェース装置の一部を形成する。封止フラップ部分100は、シリコーン、適切に柔軟な熱可塑性エラストマ、又はそのような材料の任意の組み合わせのような弾性材料で作製されるが、それらに限定されない。封止フラップ部分100は、本体104と、フラップ106とを含み、クッション素子
80よりもずっと薄い。その例示的な実施態様において、封止フラップ部分は、0.1〜0.5mmの断面厚さを有する。
【0044】
理解されるように、クッション素子80は、壁部分84を貫通して述べるオリフィス96を含むので、クッション素子80は気密でなく、よって、呼吸ガスを患者に送るために単独では使用し得ない。その代わり、本発明のある実施態様のある特徴によれば、封止フラップ組立体82は、オリフィス96を覆い且つ封止するようクッション素子80を概ね取り囲んでクッション素子80の上に配置され、患者インターフェース装置において使用し得る気密な患者封止組立体を共に形成する。ある代替的な実施態様では、オリフィス96を覆い且つ封止して、患者インターフェース装置において使用し得る気密な患者封止組立体を共に形成するために、クッション素子80の内側に適合するよう封止フラップ組立体を構成し得る。
【0045】
現在のマスク及びクッションを用いるならば、患者は顔に赤い印や腫れを頻繁に創り、マスクストラップ圧力及びクッション硬度に起因する圧力地点について不平を言う。これは主に上唇、頬、及び鼻橋領域で起こる。孔(apertures)96は有利である。何故ならば、孔96はクッション素子80が圧縮中に特定の領域において1つの平面内で
潰れることを可能にするからである。この効果は圧力地点の減少及びより一層均一な圧力分配をもたらす。この効果は、封止をもたらすために必要とされる患者の顔への患者インターフェース装置のストラップ力も、より少なくする。クッション素子80における孔96は、材料のない領域ももたらし、それは患者封止組立体及び患者の顔の上で患者封止組立体の一部を形成するクッション素子80の重量を減少させる。過剰な重量は、患者の中の一般的な苦情である。
【0046】
更に、
図20及び21に見られるように、例示の実施態様において、オリフィス96は、概ね三角形の形状を有する。しかしながら、オリフィス96が多数の異なる形状のいずれをも有し得ることが理解されるべきである。本発明は空洞26,74が多数の異なる形状のいずれをも有し得ることを更に想定する。
図23A乃至23Gは、代替的なクッション素子80A乃至80Gを示しており、そこでは、オリフィス及び/又は空洞は代替的な形状を有する。クッション素子80Aにおいて、オリフィス及び/又は空洞96Aは、六角形を有する。クッション素子80Bにおいて、オリフィス及び/又は空洞96Bは、プラス記号形状を有する。クッション素子80Cにおいて、オリフィス及び/又は空洞96Cは、三日月形状を有する。クッション素子80Dにおいて、オリフィス及び/又は空洞96Dは、インゲン豆及びV形状を有する。クッション素子80Eにおいて、オリフィス及び/又は空洞96Eは、概ねサイン形状を有する。クッション素子80Fにおいて、オリフィス及び/又は空洞96Fは、反復的なM形状を有する。クッション素子80Gにおいて、オリフィス及び/又は空洞96Gは、連結タワー形状を有する。更に他の形状が可能であり、クッションの所望の
潰れ特性に依存して、図示する形状の全てを如何なる組み合わせにおいても使用し得る。
【0047】
図24は、本発明の更なる代替的な例示的な実施態様に従ったクッション110の側面図である。クッション110は、概ね三角形の周縁を有し、患者の鼻の上に適合するよう構成される。しかしながら、患者の鼻及び口を覆う様々な患者インターフェース(鼻−口マスク)、患者の顔の大部分を覆う様々な患者インターフェース(全面マスク)、又は患者の鼻内に適合する様々な患者インターフェースを構成し得ることが周知である。本発明は、この発明の特異な特徴を、この発明の範囲から逸脱せずに、様々な異なる患者インターフェースに利用し得ることを想定する。クッション110は、患者と患者インターフェース装置との間に可撓な封止をもたらすために、(例えば、
図1に示す患者インターフェース装置8の一般的な形態を有する)患者インターフェース装置の患者封止組立体部分を単独で形成するよう構成される。
【0048】
クッション110は、壁部分112と、接続部分114と、封止フラップ116とを含む。壁部分112は、クッション110に支持をもたらすよう構成され、且つ、患者封止組立体に対して加えられる力に応答して、患者封止組立体の一部を形成するクッション110の
潰れ、変形、及び反発をもたらすよう構成される。接続部分114は、クッション110と患者インターフェース装置の環状フレームのような支持構造との間の確実な接続をもたらすよう構成され、支持構造は患者インターフェース装置の一部を形成する。フラップ部分116は、使用者(患者)とクッション110との間の確実な封止をもたらすよう構成される。例示の非限定的な実施態様において、クッション110は、概ね三角形の周縁を有し、よって、壁部分112は、頂壁と、左側壁と、右側壁と、底壁とを含む。
【0049】
例示の実施態様において、クッション110は、単一成分
シリコーンゴム(RTV−1)、二成分
シリコーン(RTV−2)、適切に柔軟な熱可塑性エラストマ、フォーム、又はそのような材料の任意の組み合わせを含む、柔らかい、可撓な、クッションのような、弾性的な材料の一体的な片で定められるが、それらに限定されない。1つの具体的な非限定的な実施態様において、クッション110を作製する材料は、ショア00硬度計で5〜60の間の硬さを有する。この材料は、現在の従来技術のクッションにおいて使用されている40ショアAの硬さを有する材料よりもずっと柔らかい。加えて、
図24に見られるように、クッション110の壁部分112は、壁部分112の内側及び外側の一方又は両方に複数の空洞118を含む。
図24に例示する実施態様において、空洞118は、壁部分112の内側に設けられており、よって、破線で示されている。
【0050】
今記載したばかりの硬さを有する材料を使用してもしなくてもよい例示的な非限定的な実施態様において、空洞118を含まない壁部分112は、3mm以上の断面厚さを有し、各空洞118の底部表面を定める壁部分112の部分は、0.1〜0.5mmの断面厚さを有する。フラップ部分116も、0.1〜0.5mmの断面厚さを有する。他の実施態様において、空洞118を含まない壁部分112の部分は、断面厚さTを有し、各空洞118の底部表面を定める壁部分112の部分は、Tの5%〜9%の断面厚さを有する。加えて、この実施態様において、フラップ部分116は、Tの5%〜9%の間の断面厚さを有する。
【0051】
空洞118は壁部分112を貫通して延びないので、クッション110は患者の顔に対して気密な封止をもたらし得る。従って、クッション110が封止フラップ組立体82と共に使用される必要はない。加えて、例示の実施態様における空洞118は、概ね三角形の形状を有する。しかしながら、空洞118は
図23A乃至23Gに示すような多数の異なる形状のいずれをも有し得ることが理解されるべきである。
【0052】
現時点で最も実用的且つ好適であると考えられるものに基づき例示の目的のために本発明を詳細に記載したが、そのような詳細は専らその目的のためであること、並びに、本発明は開示の実施態様に限定されず、逆に、付属の請求項の精神及び範囲内にある変形及び均等構成を含むことが意図されていることが理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な限り、任意の実施態様の1つ又はそれよりも多くの機能を任意の他の実施態様の1つ又はそれよりも多くの機能と組み合わせ得ることが理解されるべきである。